JP2006190758A - 光源装置および光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光源装置および光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止する。
【解決手段】 複数の面発光レーザー素子(VCSEL)が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子(VCSEL)と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光源装置および光走査装置および画像形成装置に関する。
電子写真における画像記録において、高精細な画像品質を得るのに、レーザーを用いた画像形成方法が広く用いられている。電子写真の場合、感光性を有するドラムの軸方向にポリゴンミラーを用いてレーザーを走査(主走査)しつつ、ドラムを回転させ(副走査して)、潜像を形成する方法が一般的である。
一方、画像形成装置の分野(電子写真分野)では、画像の高精細化及び出力の高速化が求められている。これを実現するための1つの方法として、主走査・副走査速度を高速化するとともに、レーザーを高出力化するか、感光体を高感度化する方法が考えられるが、この方法により画像形成速度を向上させるには、レーザーの高出力化に伴う光源または高感度感光体の開発、主副走査の高速化によるそれを支持する筐体の補強、更には高速走査時の位置制御方法の開発等、多くの課題が発生し、多大なコストと時間を必要とする。また画像の高精細化について、画像の解像度が2倍になった場合、主走査・副走査方向ともに2倍の時間が必要となるため、画像出力時においては4倍の時間が必要となる。従って画像の高精細化を実現するには、画像出力の高速化も同時に達成する必要がある。
画像出力の高速化を達成するための別の方法として、レーザーをマルチビーム化する方法が考えられ、現在の高速出力機においては複数本のレーザーを用いるのが一般的となっている。レーザーをマルチビーム化することにより、1回の主走査で潜像の形成される領域が拡大され、n本のレーザーを用いた場合、1本のレーザーを用いた場合と比較して、潜像形成領域はn倍となり、画像形成に必要な時間は1/nとなる。
このような例として、1つのチップに複数の端面発光型半導体レーザーを有するマルチビーム半導体レーザーが例えば特許文献1,特許文献2において提案されているが、そのような構成では構造上・コスト上の問題により、4ビーム(2ビーム×2、4ビーム×1)若しくは8ビーム(2ビーム×4、4ビーム×2)程度が限界であり、今後進展するであろう画像出力の高速化に対応することはできない。
これに対し、近年盛んに研究が行われている面発光レーザー素子(以下、VCSELと記す)は二次元集積化が容易であり、より多くのVCSELを二次元集積することが可能で、集積方法を工夫することにより、実際のビームピッチをより狭く設定することが可能である。
複数のレーザー光を用いて良質な画像形成を形成するには、各レーザー光の均一性が不可欠であり、このためには、各レーザー素子の特性が均一である必要がある。二次元VCSELアレイの場合、多くのVCSELを密集した状態で作製するが、その際、周囲の素子の影響により、中心部と周辺部のVCSELの特性にばらつきが生じる恐れがある。
また、二次元VCSELアレイは狭ピッチでVCSELが密集しているため、VCSELを駆動中に、隣接するVCSELあるいは近傍を通過しているVCSEL用電気配線の熱的・電気的クロストークの影響を極めて受けやすい構造となっている。従って、熱的・電気的クロストークの影響についても中心部と周辺部においては異なることが容易に予想され、その結果、個々に駆動した場合はまったく同等の特性を有するVCSELであっても、アレイとして同時に駆動した場合は、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じる恐れがある。このような現象は、潜像の均一化を妨げる可能性が高い。
これらの課題に対し、特許文献3においては、実際にVCSELとして使用する構造の周囲に、同等の構造を形成することで、製造上のばらつきを抑制しているが、この特許文献3においては周囲の同等の構造をダミー素子としてのみ用い、実際には光源として使用していないと規定しているため、熱的・電気的クロストークの影響についてはまったく考慮されておらず、前述したような問題(すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるという問題)が生じる可能性が極めて高い。
特開平11−340570号公報 特開平11−354888号公報 特開2000−114656公報
本発明は、面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止することの可能な(すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性の均一化を図ることが可能な)光源装置および光走査装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数の面発光レーザー素子が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の光源装置と、該光源装置の面発光レーザーアレイから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置である。
また、請求項4記載の発明は、放出されるレーザー光が所定の偏波面を有する面発光レーザー素子が複数配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の偏波面とは異なる偏波面のレーザー光を放出する熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置である。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項4または請求項5記載の光源装置と、該光源装置からのレーザー光のうち、面発光レーザー素子から放出される所定の偏波面のレーザー光のみを透過する偏光手段と、前記レーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置である。
また、請求項7記載の発明は、請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項7または請求項8記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイと前記受光手段との間に、所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、請求項3,請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端に1回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴としている。
また、請求項11記載の発明は、請求項3,請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1,請求項2記載の発明によれば、複数の面発光レーザー素子が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられているので、面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止することができる。すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性の均一化を図ることができる。
特に、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであるので、解像度が高く均一な潜像を形成することが可能となる。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の光源装置と、該光源装置の面発光レーザーアレイから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置であり、請求項1または請求項2記載の光源装置は、特性の均一化された複数のレーザー光を出射するので、特性の均一化された複数のレーザー光で複数のラインを同時に走査することが可能となり、均一な潜像を簡便かつ高速に(短時間で)形成することができる。特に、請求項2記載の光源装置が用いられるときには、二次元面発光レーザーアレイを用いた解像度が高い均一な潜像形成が可能になる。
また、請求項4,請求項5記載の発明によれば、放出されるレーザー光が所定の偏波面を有する面発光レーザー素子が複数配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の偏波面とは異なる偏波面のレーザー光を放出する熱源素子が複数設けられているので、面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止することができる。すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性の均一化を図ることができる。
特に、請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであるので、解像度が高く均一な潜像を形成することが可能となる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項4または請求項5記載の光源装置と、該光源装置からのレーザー光のうち、面発光レーザー素子から放出される所定の偏波面のレーザー光のみを透過する偏光手段と、前記レーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置であり、請求項4または請求項5記載の光源装置は、特性の均一化された複数のレーザー光を出射するので、特性の均一化された複数のレーザー光で複数のラインを同時に走査することが可能となり、均一な潜像を簡便かつ高速に(短時間で)形成することができる。特に、請求項5記載の光源装置が用いられるときには、二次元面発光レーザーアレイを用いた解像度が高い均一な潜像形成が可能になる。
また、請求項7記載の発明によれば、請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられており、レーザー光出力を検知して面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
また、請求項8記載の発明によれば、請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段(例えば、ハーフミラー)と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられており、潜像形成中であってもレーザー光出力を検知して面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
また、請求項9記載の発明によれば、請求項7または請求項8記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイと前記受光手段との間に、所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられているので、面発光レーザーアレイ中の個々の面発光レーザー素子のレーザー光出力を同時に独立して検知することができ、面発光レーザーアレイ中の個々の面発光レーザー素子のレーザー光出力を均一に保つことができる。
また、請求項10記載の発明によれば、請求項3,請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端に1回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっている、高品質な画像形成を行なうことができる。
また、請求項11記載の発明によれば、請求項3,請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置(電子写真装置)であるので、画像(電子写真画像)を高速に出力することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
近年、電子写真分野においては、より一層の画像出力の高速化、画像の高密度化が求められている。このような要求に対し、これまではポリゴンミラーの高速化及びレーザー出力の向上によって対応していた。
現在の電子写真において画像形成を行う際には、レーザー光を高速回転するポリゴンミラーにより反射し、画像情報に応じて感光体の主走査方向に一列照射した後、感光体ドラムを副走査方向に一画素分走査するという工程を繰り返すことによって、潜像形成を行っていた。感光体上に潜像を形成する際には単位面積あたり一定のエネルギー以上のレーザー光を照射する必要があるため、潜像形成の高速化を達成するためには、ポリゴンミラーの回転速度を向上させるだけではなく、同時にレーザー出力も向上させなければならない。しかし、ポリゴンミラーの回転数やレーザー出力の向上には限界があり、特に前者については現在の2〜3倍程度が限界である。
画像形成の高速化を実現する他の方法としては、レーザーのマルチビーム化が考えられる。マルチビームレーザーを用いて潜像形成を行う場合、ポリゴンミラーを用いて感光体上、主走査方向に走査する際、一回の主走査でレーザーの本数に応じて同時に複数列(複数ライン)を走査できるので、ポリゴンミラーの回転数やレーザー出力は従来どおりであっても、より高速に潜像形成を実現することができる。しかし、従来より用いられている端面発光型半導体レーザーは、マルチビーム化において一次元アレイ以外実現することが困難であり、また消費電力が大きいため互いの熱干渉による出力・寿命低下を防止することが困難である。また、それを実現したとしても、非常に煩雑な工程を必要とし、単素子の端面発光型半導体レーザーと比較して大幅なコストアップは避けられない。この傾向はビーム数が増加するほど顕著となり、今後の画像形成の高速化に対応することは困難である。なお、単素子の端面発光型半導体レーザーを複数用いる場合は、素子数と同数の光学系が必要となるため、大幅なコストアップが不可避であることは言うまでもない。
一方、これらの問題を同時に解決する手段として、面発光レーザー素子(以下、VCSELと記す)をアレイ化した面発光レーザーアレイ(以下、VCSELアレイと記す)を書込み光源とすることが考えられる。VCSELは、レーザー光を基板に対して垂直に取り出すことが可能であるため、素子の高度な集積が容易である。また、VCSELはその発光領域が端面発光型レーザーと比較して大幅に小さい為、その消費電力は1/10以下である。
アレイ化したVCSEL,すなわちVCSELアレイを画像形成に用いる場合、画像濃度の高い再現性を実現するためには、各VCSELの特性の均一化が重要な課題となる。各VCSELの特性が不均一である場合、出力画像に濃度むらが生じ、高品質な画像形成が妨げられる。
均一な特性のVCSELアレイを形成するために、第一に製造上の均一性の向上が課題として考えられる。より具体的には、メサ作製工程におけるメサ径の均一化や、VCSELの電流狭窄に酸化狭窄層を用いる場合、酸化狭窄径の均一化等が考えられる。
メサ径の均一化について、メサ構造形成方法として大きく分けてRIE等によるドライエッチング法、硫酸系エッチャントによるウェットエッチング法等が挙げられる。いずれの場合もVCSELアレイの中心部より周辺部のエッチングレートが高くなる傾向があり、即ち周辺部のメサは中心部のメサより小型化する傾向があると言える。メサ径が異なる場合、その後の電流狭窄層作製工程において均一な酸化狭窄径の作製が困難で、周辺部のVCSELと中心部のVCSELの初期特性において十分な均一性を確保することが困難となり、高精細な画像形成を妨げる恐れがある。
一方、何らかの方法により均一なメサ径を持つVCSELアレイの作製が可能になったとした場合においても、その後の酸化狭窄構造形成時においても周辺部のVCSELと中心部のVCSELの酸化狭窄径が不均一になる可能性がある。酸化狭窄層にAlAs層を用いる場合、一般にVCSELアレイの周辺部は、中心部と比較して高い酸化レートを有していることが知られている。即ち、VCSELアレイの酸化狭窄工程においては、周辺部の酸化狭窄径は中心部の酸化狭窄径と比較して小さくなる傾向がある。即ち、中心部のVCSELの発振閾値電流は周辺部のVCSELの発振閾値電流より高くなる可能性が高い。
これらの課題を同時に解決する方法として、書込み用VCSELとして使用するVCSELアレイの周囲に光源として使用しないダミー素子を配置する方法が考えられ、これによって、上記製造工程上の均一性及び初期特性の均一性を確保することは可能である。
しかし、書込み用光源としてのVCSELアレイに必要な特性の均一性を考慮した場合、実際の画像形成においては該VCSELアレイを連続して発光・消灯を繰り返すため、動作中の特性の均一化についても考慮しなければならない。VCSELアレイの動作中に特性の均一性を乱す主な要因としては、熱的クロストークが考えられる。複数のVCSELを密集してアレイ化する以上、これらの要因を完全に排除することは不可能であり、一定の熱的クロストークは常に存在するものとして対策を講じなければならない。
即ち、VCSELアレイが例えば二次元VCSELアレイである場合、VCSELアレイの中心部に存在するVCSELは四方を他のVCSELにより囲まれているのに対し、周辺部に存在するVCSELアレイは三方若しくは二方のみ他のVCSELに隣接しているため、中心部のVCSELと周辺部のVCSELとでは熱的クロストークに差異が存在する。
画像形成時においては、このようなVCSELアレイの中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性のばらつきによって、潜像の均一化が図れないという問題があった。
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、複数の面発光レーザー素子が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置である。
ここで、面発光レーザー素子は、一般に、例えば、半導体基板上に、第一及び第二反射鏡と、第一及び第二反射鏡にはさまれた活性層と、第一反射鏡上に該第一反射鏡を介して先記活性層に電流注入するための第一コンタクト層と、該コンタクト層に電気的に接続され、且つ活性層において発生したレーザー光を取り出すための射出口を備えた第一オーミック電極と、上記半導体基板に電気的に接続された第二オーミック電極とを有するものとして構成されている。
また、面発光レーザーアレイは、一次元面発光レーザーアレイでも良いし、二次元面発光レーザーアレイでも良い。
本発明の第1の形態では、複数の面発光レーザー素子が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられているので、面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止することができる。すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性の均一化を図ることができる。
特に、上記面発光レーザーアレイが二次元面発光レーザーアレイである場合には、解像度が高く均一な潜像を形成することが可能となる。
図1は本発明に係る光源装置の一例を示す図であり、図1の例では、面発光レーザーアレイ(VCSELアレイ)として二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)が用いられ、VCSELアレイの周囲に、VCSELアレイの周辺部のVCSELと中心部のVCSELの特性を均一にするために熱源素子が配置されている。
なお、図1の例では、VCSELは、二次元VCSELアレイ上に規定された第一の基線上に等間隔に配列されており、更に、第一の基線上の各VCSELの中心を通り、第一の基線上に対し所定の角度θをなす第二の基線上にも等間隔に配列されている。この時、第二の基線上のVCSELの中心から第一の基線上への正射影点は等間隔にならなければならない。
画像形成時においては、VCSELだけでなく熱源素子も同時に通電・発熱させるため、VCSELアレイの周辺部のVCSELと中心部のVCSELの熱的クロストークは同等となり、VCSELアレイの各VCSELの初期状態の特性だけでなく駆動中の発光特性についても均一にすることができる。ただし、本発明における熱源素子は、VCSELアレイの各VCSELの特性を均一にすることが目的であり、画像形成に寄与することはなく、以下に示すような素子への通電・発熱が可能で外部へレーザー光を取り出すことができない構成でなければならない。
VCSELは図2(a)に示すような構成を有している。図2(a)を参照すると、第一及び第二オーミック電極により電流注入され活性層で発生したレーザー光は、第一及び第二オーミック電極の間で共振・増幅され、射出口より外部へ取り出される。
これに対し、本発明の第1の形態では、熱源素子は図2(b)あるいは図2(c)に示す様な構成を有しており、外部へレーザー光を取り出すことができない構造となっている。すなわち、図2(b)の例では、第一反射鏡上全面に第一オーミック電極が形成されており外部へはレーザー光は射出されない。また、図2(c)の例では、電流注入により活性層で発熱するが、第一反射鏡が除去されているために共振・増幅されず、従って、レーザー発振することはなく、外部にレーザー光を取り出すことはできない。
このように、本発明の第1の形態における熱源素子は、活性層への電流注入が可能で外部へレーザー光を取り出すことができないものであれば、いかなる形態でも良く、図2(b),(c)に示した構成に限るものではないが、本発明においてはVCSELアレイの周辺部と中心部の熱的クロストークを同等とすることを目的としているため、VCSELと同等の発熱・放熱特性を有していることが望ましい。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態の光源装置と、該光源装置の面発光レーザーアレイから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置である。
より具体的に、この第2の形態の光走査装置は、面発光レーザーアレイと、面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段と、該平行ビームを走査する走査手段と、走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段とを有している。
図3は本発明の第2の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図3の例では、光走査装置は、二次元VCSELアレイ、コリメータレンズ(面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段)、ポリゴンミラー(走査手段)、fθレンズ(走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段)より構成されている。
図3において、ポリゴンミラーの回転軸は紙面に対し垂直に設定されており、図1に示した二次元VCSELアレイの第一の基線は、主走査方向に対し垂直に(副走査方向に対し平行に)、即ち紙面に対し垂直に設定されている。また、コリメータレンズは、二次元VCSELアレイより放出されるあらゆるレーザー光を全て含む大きさに設計されている。なお、図3の光走査装置は、レーザー光を走査して感光体ドラムに画像を形成する画像形成装置に利用されるものとなっている。
図3の光走査装置では、二次元VCSELアレイより放出されたレーザー光は、コリメータレンズによって平行ビームに変換された後、走査手段としてのポリゴンミラーによって主走査方向に走査される。走査されたレーザー光はfθレンズによって感光体ドラム上の全ての位置において焦点が得られるように設定されている。
実際の画像形成においては、ポリゴンミラーによって走査されたレーザー光は、図中左から右へ走査される。この時、二次元VCSELアレイは、画像情報に応じて図示しない駆動回路によって駆動されている。一回の主走査が完了するとそれと同期して直ちに副走査が開始されるが、従来の光走査装置においては一つの光源しか有していなかったため、一回の主走査で書込まれるのは1行であるから、副走査は1行分のみなされていた。これに対し、本発明においては、複数の光源(VCSEL)を有しているため、一回の主走査で光源の数に対応した行数を書込むことが可能である。従って、一回の副走査で走査される行数も同様にそれに対応した行数分実施される。
本発明においては、レーザー光のピッチは、図1にaで示される間隔であるが、感光体ドラム上に照射されるビームスポットは一列ではなく、図1における第二の基線上のm番目のVCSELからのスポットは、第一の基線上のVCSELからのスポットよりmbだけオフセットを有している。従って、主走査時に画像情報を書込む際には、上記オフセットを考慮して実施されなければならない。
一般に、同等の光出力,ポリゴンミラー回転速度を有する光書込み系においては、レーザー本数がn本になった場合、感光体ドラム一回転に要する書込み時間は1/nとなり、従来と比較して大幅な高速書込みが可能となる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、放出されるレーザー光が所定の偏波面を有する面発光レーザー素子が複数配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の偏波面とは異なる偏波面のレーザー光を放出する熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置である。
ここで、面発光レーザー素子は、一般に、例えば、半導体基板上に、第一及び第二反射鏡と、第一及び第二反射鏡にはさまれた活性層と、第一反射鏡上に該第一反射鏡を介して先記活性層に電流注入するための第一コンタクト層と、該コンタクト層に電気的に接続され、且つ活性層において発生したレーザー光を取り出すための射出口を備えた第一オーミック電極と、上記半導体基板に電気的に接続された第二オーミック電極とを有するものとして構成されている。
また、面発光レーーザアレイは、一次元面発光レーザーアレイでも良いし、二次元面発光レーザーアレイでも良い。
本発明の第3の形態では、放出されるレーザー光が所定の偏波面を有する面発光レーザー素子が複数配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに該面発光レーザーアレイの周囲に、該面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の偏波面とは異なる偏波面のレーザー光を放出する熱源素子が複数設けられているので、面発光レーザーアレイの中心部と周辺部の面発光レーザー素子(VCSEL)の特性にばらつきが生じるのを有効に防止することができる。すなわち、中心部と周辺部の素子(VCSEL)の特性の均一化を図ることができる。
特に、上記面発光レーザーアレイが二次元面発光レーザーアレイである場合には、解像度が高く均一な潜像を形成することが可能となる。
前述した第1の形態の光源装置においては、熱源素子の構造をVCSELと異なる構成とすることによって、画像形成に寄与することなく熱源素子に通電することが可能となった。しかしながら、第1の形態の光源装置は、VCSELと熱源素子の構成が異なることにより、活性層で発生した熱の隣接するVCSELへの伝導、即ち隣接するVCSELとの熱的クロストークが異なるため、全てのVCSELの特性が均一にならない恐れがある。
これに対し、第3の形態の光源装置においては、VCSELと熱源素子の層構成を同一にしているので、全てのVCSELの特性を均一にすることができる。
なお、偏波面を規定する方法としては、メサ形状やレーザー射出口の形状を工夫することにより行なうことができるが、これ以外の方法によって行なうこともできる。
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第3の形態の光源装置と、該光源装置からのレーザー光のうち、面発光レーザー素子から放出される所定の偏波面のレーザー光のみを透過する偏光手段と、前記レーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする走査装置である。
より具体的に、この第4の形態の光走査装置は、面発光レーザーアレイと、該面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段と、該平行ビームを走査する走査手段と、上記二次元面発光レーザーアレイと上記平行ビームを走査する手段との間に設けられた特定の偏波面のみを透過する機能を有する偏光子と、走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段とを有している。
図4は本発明の第4の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図4の例では、光走査装置は、二次元VCSELアレイ、偏光手段(偏光子)、コリメータレンズ(面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段)、ポリゴンミラー(走査手段)、fθレンズ(走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段)より構成されている。図4において、ポリゴンミラーの回転軸は紙面に対し垂直に設定されており、図1に示した二次元VCSELアレイの第一の基線は、主走査方向に対し垂直に(副走査方向に対し平行に)、即ち紙面に対し垂直に設定されている。また、偏光手段及びコリメータレンズは、二次元VCSELアレイより放出されるあらゆるレーザー光を全て含む大きさに設計されている。なお、図4の光走査装置は、レーザー光を走査して感光体ドラムに画像を形成する画像形成装置に利用されるものとなっている。
図4の光走査装置では、二次元VCSELレーザーアレイより放出されるレーザー光の光路上で、且つ二次元VCSELレーザーアレイと感光体との間に特定の偏波面を持つレーザー光のみを透過する性質を有する偏光手段を配置し、且つVCSELより放出されたレーザー光のみ偏光手段を透過するよう設定することにより、熱源素子より放出されたレーザー光のみを選択的に除去することができる。
この第4の形態の光走査装置は、第2の形態の光走査装置の構成と比較して若干複雑な構成を有しているが、上述したように、第3の形態の光源装置を用いていることから、第1の形態の光源装置を用いる第2の形態の光走査装置に比べて、より均一な画像形成が可能となる。
なお、この第4の形態においても、潜像形成プロセスについては、第2の形態で説明したものと同様である。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第2または第4の形態の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
図5は第5の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図5の例では、光走査装置には、図4の構成例において、VCSELアレイ(例えば二次元VCSELアレイ)の各VCSELから放出されたレーザー光を検知する受光手段と、該受光手段をVCSELアレイと走査手段(ボリゴンミラー)との間に挿入する挿入手段(図示せず)とがさらに設けられている。
一般に半導体レーザーは、通電と共に徐々に出力が低下する現象が確認されており、この現象は多かれ少なかれあらゆる半導体レーザーについて当てはまる。レーザー出力の変動は、潜像形成における感光体上の電位むらとなって現れ、最終的には画像の濃度むらとなって観察される。従って、均一な濃度の画像を形成する際には、レーザー光出力を均一にしなければならない。
図5の例では、受光手段は、画像形成時には図5のaに示す光路外の位置にあるが、画像非形成時には、図示しない挿入手段(移動手段)によって図5のbに示す光路内の位置に挿入される。これによって、光路上に挿入された受光手段は、VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知し、その結果に基づいて各VCSELへの注入電流を補正する。これにより、VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光出力を均一に保つことができる。
このように、本発明の第5の形態では、第2または第4の形態の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられており、レーザー光出力を検知して面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
なお、図5の例では、図4の構成例に適用した場合を示したが、図3の構成例にも同様に適用できる。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第2または第4の形態の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段(例えば、ハーフミラー)と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
図6は第6の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図6の例では、光走査装置には、図4の構成例において、VCSELアレイ(例えば二次元VCSELアレイ)の各VCSELから放出されたレーザー光の一部を反射し、残りのレーザー光を透過させるハーフミラーと、ハーフミラーで反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段とがさらに設けられている。
前述した第5の形態の光走査装置の構成においては、画像形成時において全てのレーザー光を潜像形成に用いることができる反面、受光手段の移動手段の設置や該受光手段の位置精度向上のために、構成が複雑になる恐れがあった。
これに対し、第6の形態の光走査装置では、光学手段(ハーフミラー)によってレーザー光の一部を分離・反射し、反射光を受光手段で検出することにより、レーザー光の出力ロスは避けられないが、一切の移動手段(挿入手段)を設けることなく、各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知し、各VCSELへの注入電流を補正して、各VCSELから放出されるレーザー光出力を均一に保つことができる。また、この第6の形態によれば、潜像形成中であっても光出力の検出が可能であり、潜像形成中に各VCSELのレーザー光出力が変動した場合であっても、注入電流の補正,レーザー光出力の調整が可能である。
このように、本発明の第6の形態では、第2または第4の形態の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段(例えば、ハーフミラー)と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられており、潜像形成中であってもレーザー光出力を検知して面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
なお、図6の例では、図4の構成例に適用した場合を示したが、図3の構成例にも同様に適用できる。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第5または第6の形態の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイと前記受光手段との間に、所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴としている。
図7は第7の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図7の例では、図6の構成例において、ハーフミラーと受光手段との間に、VCSELアレイから放出されたレーザー光を所定の倍率で拡大する拡大手段(例えば拡大レンズ)が設けられ、受光手段は、拡大手段で拡大されたレーザー光の光出力を検知するように構成されている。
VCSELアレイ(二次元VCSELアレイ)の各VCSELから放出される各レーザー光は、実際には互いの間隔が狭いため、各VCSELから同時にレーザー光が出射されるとき、受光手段においてそれぞれのレーザー光を正確に分離して検出するのは難しい。従って、前述した第5,第6の形態において、受光手段で各VCSELからの個々のレーザー光を検出する場合、VCSELアレイの各VCSELをそれぞれ個別に(例えば順次に)駆動する必要があった。
これに対し、この第7の形態では、VCSELアレイの各VCSELからのレーザー光のビームピッチを拡大手段(拡大レンズ)によって拡大しているため、各VCSELが同時に駆動され、各VCSELから同時にレーザー光が出射されても、受光手段においてそれぞれのレーザー光を正確に分離して検知することができる。
なお、図7の例においては、図6の構成に拡大レンズを追加して、個々のレーザー光を分離・検知しているが、図5の構成に拡大レンズを追加した構成であっても構わない。その場合、画像形成時においては、拡大レンズは、受光手段とともに、図5のaに示す光路外の位置にあり、画像非形成時においては、拡大レンズは、図示しない挿入手段によって図5のbに示す光路内の位置に受光手段と連動して挿入されなければならない。
(第8の形態)
本発明の第8の形態は、第2,第4乃至第7のいずれかの形態の光走査装置において、主走査方向終端に1回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴としている。
図8は第8の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図8の例では、図4の光走査装置において、主走査方向終端に、主走査終了検知手段としての光センサが設けられている。
電子写真においては、図8におけるポリゴンミラー(走査手段)による主走査が終了した後、感光体ドラムを副走査方向に所定の量走査することの繰り返しによって画像形成がなされている。従って、主走査と副走査はあらかじめ決められたタイミングによって行われているが、ポリゴンミラーの回転むらにより上記タイミングにずれが生じ、1つの画像分の主走査を完了する間にそのずれが蓄積し、高品質な画像形成を妨げる恐れがある。
これに対し、第8の形態においては、主走査方向終端に、走査されたレーザー光を検知する主走査終了検知手段(図8の光センサ)を設け、図8において破線で示した位置にレーザー光が到達すると、光センサから1回の主走査終了の信号が発せられ、該信号と同期して副走査を行うことにより(感光体ドラムの副走査方向への走査制御を行なうことにより)、ポリゴンミラーの回転むらによる画像品質の低下を防止することができ、高品質な画像形成を行うことができる。
なお、第8の形態において、潜像形成プロセスについては、副走査の実施を主走査終了検知手段より得られる主走査終了の信号をトリガとして行う以外は、第2の形態で説明したものと同様である。
また、図8の例では、図4の構成例に適用した場合を示したが、図3,図5,図6,図7の構成例にも、同様に適用できる。
(第9の形態)
本発明の第9の形態は、第2,第4乃至第8のいずれかの形態の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置(電子写真装置)である。
ここで、画像形成装置としては、例えば、複写機,プリンタ,ファクシミリ、あるいは、これらの複合機などが挙げられる。
図9は第9の形態の画像形成装置(電子写真装置)の具体例を示す図であり、図9において、光走査装置には、第2,第4,第5,第6,第7,第8のいずれかの形態の光走査装置が用いられている。
以下に、図9の画像形成装置(電子写真装置)を用いた画像形成プロセス(電子写真形成プロセス)を示す。
図9の電子写真装置では、帯電ユニットにより感光体ドラム上を一様に帯電した後、光走査装置により潜像を形成する。潜像形成プロセスについては第2の形態で説明したものと同様である。潜像が形成された後、電荷により形成された潜像に現像ユニットによりトナー現像を施す。次いで、図示しない給紙ユニットにより供給された記録紙に、転写ユニットによりトナー画像を転写する。そして、記録紙上に転写されたトナー画像を図示しない定着ユニットにより熱定着し、電子写真画像形成が完了する。一方、トナー画像を転写した感光体ドラム上の潜像を除電ユニットにより消去した後、感光体ドラム上に残留したトナーをクリーニングユニットにより除去する。以上のプロセスを繰り返し実行することで、電子写真画像を連続且つ高速に出力することができる。
実施例1は、第4の形態の光走査装置(具体的には、図4の光走査装置)を用いた画像形成装置(電子写真装置)に関するものである。光源装置を構成するVCSELには、図10に示すように、第一反射鏡としてAl0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As p−DBR、第二反射鏡としてAlAs/Al0.3Ga0.7As n−DBR、スペーサ層としてGaInP、活性層としてGaInP障壁層を含むInGaAsP TQWを用い、半導体基板としてn−GaAs (100)基板、第一電極としてAu,Zn,Crを含有するオーミック電極、第二電極としてAu,Ge,Niを含有するオーミック電極を用いた。なお、活性層中に含まれるInGaAsPは、発振波長が780nmになるよう組成を調整している。
また、二次元VCSELアレイにおける配列について、4,800dpi用のVCSELアレイを設計する場合、図11におけるaは一義的に決定され、5.3μmとなる。b及びθについてはtanθ=b/aなる関係を満たしていれば任意に決定することができ、例えば、b=60μmとするとθ=85°である。第二の基線(θ=85°)上に4素子配列すると、c=21.2μmとなり、更に第二の基線を8本設定すると、該二次元VCSELアレイに含まれる全素子数は32個となる。
また、図11の例では、二次元VCSELアレイ中の個々のVCSELは、第一の基線に対し長辺が平行となる楕円形をなしており、熱源素子は第一の基線に対し長辺が垂直となる楕円形をなしている。
一方、図4に示されている偏光手段(偏光素子)は、VCSELから放出されるレーザー光の透過率が最大となるよう偏波面が調整されており、その時、熱源素子から放出されるレーザー光の偏波面は偏光手段の偏光方向に対し垂直であるため透過率は0となる。
図4において、ポリゴンミラーが正六角形であり12,000rpmで回転している場合、ポリゴンミラーの一つの反射面により反射したレーザー光は副走査方向に1回走査されるから、ポリゴンミラー1回転につき6ライン走査される。従って1ビームのレーザーを用いる場合、A4横サイズの画像(39,600ライン)を走査するには約33秒必要であり、このときの出力速度は1.8シート/分(A4横)となる。これに対し、本実施例1で示した二次元VCSELアレイ(発光素子数:32個)を用いた場合、同時に32ラインを走査することができ、出力速度は58.1シート/分となる。
本実施例で用いた二次元VCSELアレイを用いる場合、画像記録中、熱源素子をも点灯させるため、周辺部と中心部のVCSELの熱的クロストークは均一になり、均一な画像形成が可能となる。
本発明に係る光源装置の一例を示す図である。 面発光レーザー素子,熱源素子の一例を示す図である。 本発明の第2の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第4の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 第5の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 第6の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 第7の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 第8の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 第9の形態の画像形成装置(電子写真装置)の具体例を示す図である。 実施例1で用いた面発光レーザー素子を示す図である。 実施例1で用いた二次元面発光レーザーアレイを示す図である。

Claims (11)

  1. 複数の面発光レーザー素子が配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに、前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子と同一の活性層を有し、通電が可能で、かつレーザー光を外部に放出しない熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の光源装置と、該光源装置の面発光レーザーアレイから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置。
  4. 放出されるレーザー光が所定の偏波面を有する面発光レーザー素子が複数配列された面発光レーザーアレイを有し、さらに前記面発光レーザーアレイの周囲に、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の偏波面とは異なる偏波面のレーザー光を放出する熱源素子が複数設けられていることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項4記載の光源装置において、前記面発光レーザーアレイは、二次元面発光レーザーアレイであることを特徴とする光源装置。
  6. 請求項4または請求項5記載の光源装置と、該光源装置からのレーザー光のうち、面発光レーザー素子から放出される所定の偏波面のレーザー光のみを透過する偏光手段と、前記レーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項3または請求項6記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項7または請求項8記載の光走査装置において、前記面発光レーザーアレイと前記受光手段との間に、所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項3,請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端に1回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項3,請求項6乃至請求項10のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
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