JP2007109929A - 二次元vcselアレイの駆動装置および駆動方法および画像形成方法および光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

二次元vcselアレイの駆動装置および駆動方法および画像形成方法および光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)中の面発光レーザー素子(VCSEL)の集積度を高めたときにも、隣接する素子(VCSEL)の熱干渉を低減する。
【解決手段】第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次元VCSELアレイの駆動装置および駆動方法および画像形成方法および光走査装置および画像形成装置に関する。
電子写真における画像記録において、高精細な画像品質を得るのに、レーザーを用いた画像形成方法が広く用いられている。電子写真の場合、感光性を有するドラムの軸方向にポリゴンミラーを用いてレーザーを走査(主走査)しつつ、ドラムを回転させ(副走査して)、潜像を形成する方法が一般的である。
一方、画像形成装置の分野(電子写真分野)では、画像の高精細化及び出力の高速化が求められている。これを実現するための1つの方法として、主走査・副走査速度を高速化するとともに、レーザーを高出力化するか、感光体を高感度化する方法が考えられるが、この方法により画像形成速度を向上させるには、レーザーの高出力化に伴う光源または高感度感光体の開発、主副走査の高速化によるそれを支持する筐体の補強、更には高速走査時の位置制御方法の開発等、多くの課題が発生し、多大なコストと時間を必要とする。また画像の高精細化について、画像の解像度が2倍になった場合、主走査・副走査方向ともに2倍の時間が必要となるため、画像出力時においては4倍の時間が必要となる。従って画像の高精細化を実現するには、画像出力の高速化も同時に達成する必要がある。
画像出力の高速化を達成するための別の方法として、レーザーをマルチビーム化する方法が考えられ、現在の高速出力機においては複数本のレーザーを用いるのが一般的となっている。レーザーをマルチビーム化することにより、1回の主走査で潜像の形成される領域が拡大され、n本のレーザーを用いた場合、1本のレーザーを用いた場合と比較して、潜像形成領域はn倍となり、画像形成に必要な時間は1/nとなる。
このような例として、1つのチップに複数の端面発光型半導体レーザーを有するマルチビーム半導体レーザーが例えば特許文献1,特許文献2において提案されているが、そのような構成では構造上・コスト上の問題により、4ビーム(2ビーム×2、4ビーム×1)若しくは8ビーム(2ビーム×4、4ビーム×2)程度が限界であり、今後進展するであろう画像出力の高速化に対応することはできない。
これに対し、近年盛んに研究が行われている面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)は、二次元VCSELアレイとして二次元集積化が容易であり、集積方法を工夫することにより、実際のビームピッチをより狭く設定し、且つより多くの発光素子(すなわち、VCSEL)を1つのチップ上に集積することが可能である。
一方、二次元VCSELアレイより放出される複数のレーザー光を1つのコリメートレンズで集光する場合、該コリメートレンズの光軸付近に全てのレーザー光が集中していることが望ましい。換言すれば、二次元VCSELアレイを構成する個々の素子(VCSEL)を極力高い集積度で位置決めしなければならない(高密度でVCSELを集積させなければならない)。すなわち、レーザー光とコリメートレンズの光軸との距離が離れるほど、コリメートレンズの収差の影響により、レーザー光を収束することが困難になり、高精細な画像形成を阻害する大きな要因の一つとなる。
しかし、高密度でVCSELを集積する場合、それに伴う種々の弊害が発生する。例えば、隣接するVCSELの間隔が狭くなるに従って、それらVCSELの発する熱が干渉し、画像の濃度むらを誘発する出力低下や信頼性低下等の種々の問題が顕著になってくる。従来、特許文献3にはVCSELの高密度集積化方法が記載されているが、上記のように熱干渉による弊害についての対策は何ら施されておらず、二次元VCSELアレイに高出力・高信頼性の動作をさせることはできない。
特開平11−340570号公報 特開平11−354888号公報 特開2001−272615号公報
本発明は、二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)中の面発光レーザー素子(VCSEL)の集積度を高めたときにも、隣接する素子(VCSEL)の熱干渉を低減することの可能な二次元VCSELアレイの駆動装置および駆動方法および画像形成方法および光走査装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)の駆動装置において、該駆動装置は、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる駆動手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイの駆動方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイを光源として用いる画像形成方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる主走査工程と、主走査工程を行なった後、所定の量の副走査を実行する副走査工程と、前記主走査工程と前記副走査工程とを繰り返し実行することによって画像形成を行なうことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の二次元VCSELアレイの駆動装置と、前記二次元VCSELアレイの駆動装置によって駆動されて二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置である。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を二次元VCSELアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、前記光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイと受光手段との間に所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端にn(n≧2)回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置である。
請求項1,請求項2の発明によれば、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)の駆動において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させるので、二次元VCSELアレイ中の素子(VCSEL)の集積度を高めたときにも、隣接する素子(VCSEL)の熱干渉を低減することができ、二次元VCSELアレイの個々の素子(VCSEL)の光出力を向上させ且つ長寿命な二次元VCSELアレイを実現することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイを光源として用いる画像形成方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる主走査工程と、主走査工程を行なった後、所定の量の副走査を実行する副走査工程と、前記主走査工程と前記副走査工程とを繰り返し実行することによって画像形成を行なうので、高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことができる。
また、請求項4乃至請求項8記載の発明によれば、請求項1記載の二次元VCSELアレイの駆動装置と、前記二次元VCSELアレイの駆動装置によって駆動されて二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有しているので、複数のレーザー光で複数のラインを同時に走査することが可能となり、潜像を高速に(短時間で)形成することができる。特に、請求項1記載の二次元VCSELアレイの駆動装置を用いることで、高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことの可能な光走査装置を提供することができる。
また特に、請求項5記載の発明では、請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を二次元VCSELアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられているので、二次元VCSELアレイの各VCSELからのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。これにより、均一な高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことの可能な光走査装置を提供することができる。
また、請求項6記載の発明では、請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、前記光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられており、潜像形成中であってもレーザー光出力を検知して二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御するので、二次元VCSELアレイの各VCSELからのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。すなわち、容易に均一な高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことの可能な光走査装置を提供することができる。
また、請求項7記載の発明では、請求項5または請求項6記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイと受光手段との間に所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられているので、二次元VCSELアレイ中の個々のVCSELのレーザー光出力を同時に独立して検知することができ、二次元VCSELアレイ中の個々のVCSELのレーザー光出力を均一に保つことができる。すなわち、簡便に均一な高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことの可能な光走査装置を提供することができる。
また、請求項8記載の発明では、請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端にn(n≧2)回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるので、高品質な画像形成を行なうことができる。すなわち、歪みの無い高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことの可能な光走査装置を提供することができる。
また、請求項9の発明によれば、請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置(電子写真装置)であるので、画像(電子写真画像)を高速に出力することができる。すなわち、高精彩な画像記録を継続して行うことの可能な画像形成装置(電子写真装置)を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
近年、電子写真分野においては、より一層の画像出力の高速化、画像の高密度化が求められている。このような要求に対し、これまではポリゴンミラーの高速化及びレーザー出力の向上によって対応していた。
現在の電子写真において画像形成を行う際には、レーザー光を高速回転するポリゴンミラーにより反射し、画像情報に応じて感光体主走査方向に一列照射した後、感光体ドラムを副走査方向に一画素分走査するという工程を繰り返すことによって、潜像形成を行っていた。感光体上に潜像を形成する際には単位面積あたり一定のエネルギー以上のレーザー光を照射する必要があるため、潜像形成の高速化を達成するためには、ポリゴンミラーの回転速度を向上させるだけではなく、同時にレーザー出力も向上させなければならない。しかしポリゴンミラーの回転数やレーザー出力の向上には限界があり、特に前者については現在の2−3倍程度が限界である。
画像形成の高速化を実現する他の方法としては、レーザーのマルチビーム化が考えられる。マルチビームレーザーを用いて潜像形成を行う場合、ポリゴンミラーを用いて感光体上、主走査方向に走査する際、一回の主走査でレーザーの本数に応じて同時に複数列(複数ライン)を走査できるので、ポリゴンミラーの回転数やレーザー出力は従来どおりであっても、より高速に潜像形成を実現することができる。しかし、従来より用いられている端面発光型半導体レーザーは、マルチビーム化において一次元アレイ以外実現することが困難であり、また消費電力が大きいため互いの熱干渉による出力・寿命低下を防止することが困難である。また、それを実現したとしても、非常に煩雑な工程を必要とし、単素子の端面発光型半導体レーザーと比較して大幅なコストアップは避けられない。この傾向はビーム数が増加するほど顕著となり、今後の画像形成の高速化に対応することは困難である。なお、単素子の端面発光型半導体レーザーを複数用いる場合は、素子数と同数の光学系が必要となるため、大幅なコストアップが不可避であることは言うまでもない。
一方、これらの問題を同時に解決する手段として、面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)を二次元にアレイ化した二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)を書込み光源とすることが考えられる。VCSELは、レーザー光を基板に対して垂直に取り出すことが可能であるため、素子の高度な集積が容易である。
また一般に、VCSELも含めてレーザーダイオード(以下、LDと称す)の動作温度は、その特性に種々の影響を与えることが知られている。動作温度の上昇に伴い、発振閾値電流の増大、光出力の低下、素子寿命の低下などがその一例であり、LDの特性向上のためには動作温度を極力低く保つ必要がある。
しかし、多数の面発光レーザー素子(VCSEL)を集積した二次元VCSELアレイにおいては素子間隔が短いため、動作雰囲気温度が一定であっても隣接する素子で発生した熱干渉により実際の動作温度が上昇し、上述の種々の特性低下が引き起こされる可能性が極めて高い。
即ち、高度に集積された二次元VCSELアレイを画像記録用途として用いる場合、これらの弊害を回避するため個々のVCSELの熱干渉について十分な注意を払い、それに対する何らかの対策が施されなければならない。
図1は二次元VCSELアレイを用いた画像形成の仕方を説明するための図であり、この二次元VCSELアレイは、図1のように、第一の基線,第二の基線上に複数個の面発光レーザ素子(VCSEL)が配列されたものとなっている。図1の二次元VCSELアレイを用いて画像形成(画像記録)を行う場合、従来では、通常1回の主走査において二次元VCSELアレイの全てのVCSELを画像データに対応して点灯させた後に副走査を行い、これらの工程を繰り返し実行することで、画像形成(画像記録)を行なうようになっていた。このような仕方では、二次元VCSELアレイに含まれるVCSELの総数をnとすると、同一出力を有する1つのレーザー光源を用いた場合と比較して、1/nの時間で画像形成(画像記録)を行うことができる。
しかし、このような仕方では、二次元VCSELアレイの全てのあるいは隣接するいくつかのVCSELが同時に点灯することを避けることができないため、上述のような弊害を引き起こすことは避けられない。
(第1の形態)
本発明は、上記のような問題を解決するため、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)の駆動装置において、該駆動装置は、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる駆動手段を備えていることを特徴としている。
このように、本発明では、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)の駆動において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させるので、熱干渉による弊害を大幅に抑制することができる。すなわち、二次元VCSELアレイ中の素子(VCSEL)の集積度を高めたときにも、隣接する素子(VCSEL)の熱干渉を低減することができ、二次元VCSELアレイの個々の素子(VCSEL)の光出力を向上させ且つ長寿命な二次元VCSELアレイを実現することができる。
本発明の具体例として、例えば図2に示すように、第一の主走査においてグループAのみ点灯させ、第二の主走査においてグループBのVCSELのみ点灯させた後に、副走査を実行するような構成にすることができる。図2中のVCSEL aに注目した場合、上述した従来の仕方ではb〜iまでのすべてのVCSELが点灯する可能性があり、その場合、それらすべての熱干渉を受けるが、図2の仕方によれば、VCSEL a点灯中は、最多でVCSEL b、d、g、iが点灯し、VCSEL c、e、f、hは点灯しないため、熱干渉による弊害を大幅に抑制することができる。
また、本発明の他の具体例として、例えば図3に示すように、第一の主走査でグループA、第二の主走査でグループB、第三の主走査でグループCのVCSELをそれぞれ点灯させた後に、副走査を実行する構成にすることもできる。図3の例では、熱干渉を影響を更に抑制することができる。
図4は、図1に示した二次元VCSELアレイのVCSELの素子数を半減し(第二の基線上において素子数を1/2とし)且つ素子ピッチを2倍に拡大した構成を示している(h’=2h、d’=2d)。図4のVCSELアレイを用いて本発明と同等の画像解像度で画像形成(画像記録)を行う場合、第一の主走査において全てのVCSELを点灯させ、第一の主走査終了後に正射影点の間隔の半分(h’/2)副走査した後、再度全てのVCSELを用いて第二の主走査を実行する。そして、第二の主走査が完了した後に、正射影点の間隔と素子数によって規定される副走査量(h’×n−h’/2、n:素子数)を走査し、これらの操作を繰り返し実行することによって、画像形成(画像記録)を行う。
図4で示した例を図2の構成の場合(本発明)と比較すると、画像解像度は本発明と等しく素子ピッチが2倍であるため、素子間の熱干渉についてはほぼ同等であるといえる。しかし、図2においては第一の主走査と第二の主走査で用いるVCSELが異なるのに対し、図4で示した例では第一の主走査と第二の主走査において同一のVCSELを使用するため、一つのVCSELに注目した場合、点灯時間は2倍となって、素子寿命については本発明の1/2程度であり、素子寿命の改善に対しては効果的とは言い難い。
更に、図2の構成の場合、第一の主走査の際には、グループAの素子が点灯し、グループBの素子は休止しており、第二の主走査の際には、グループBの素子が点灯し、グループAの素子が休止しているため、いずれかのグループのみに着目すると、主走査1回おきに素子が休止しているため、十分な素子の冷却時間が確保されている。これに対し、図4の構成においては、主走査毎に素子が点灯しているため、素子内部の蓄熱により素子劣化が加速される可能性がある。
即ち、本発明は、素子寿命の延長という観点からも極めて有効であるといえる。
本発明では、半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイを光源として用いる画像形成方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる主走査工程と、主走査工程を行なった後、所定の量の副走査を実行する副走査工程と、前記主走査工程と前記副走査工程とを繰り返し実行することによって画像形成を行なうことができる。
これにより、高精彩な画像形成(画像記録)を継続して行うことができる。なお、図1乃至図4において二次元VCSELアレイは駆動装置によって駆動されるが、図1乃至図4では駆動装置の図示を省略している。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態の二次元VCSELアレイの駆動装置と、前記二次元VCSELアレイの駆動装置によって駆動されて二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置である。
より具体的に、この第2の形態の光走査装置は、第1の形態の二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)の駆動装置と、該二次元面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段と、該平行ビームを走査する走査手段と、走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段とを有している。
図5は本発明の第2の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図5の例では、光走査装置は、第1の形態の二次元VCSELアレイの駆動装置、コリメータレンズ(面発光レーザーアレイより放出されたレーザー光を平行ビームに変換する手段)、ポリゴンミラー(走査手段)、fθレンズ(走査された平行ビームより同一平面上に焦点が得られるよう変換する手段)より構成されている。図5において、ポリゴンミラーの回転軸は紙面に対し垂直に設定されており、図1に示した二次元VCSELアレイの第一の基線は、主走査方向に対し垂直に(副走査方向に対し平行に)、即ち紙面に対し垂直に設定されている。また、コリメータレンズは、二次元VCSELアレイより放出されるあらゆるレーザー光を全て含む大きさに設計されている。なお、図5の光走査装置は、レーザー光を走査して感光体ドラムに画像を形成する画像形成装置に利用されるものとなっている。
図5の構成では、二次元VCSELアレイより放出されたレーザー光はコリメータレンズによって平行ビームに変換された後、ポリゴンミラーによって主走査方向に走査され、主走査方向に走査されたレーザー光はfθレンズによって感光体ドラム上の全ての位置において焦点が得られるように設定されている。
画像形成(画像記録)が例えば図2の仕方でなされる場合、第一主走査によってグループAのVCSELより放出されたレーザー光は、ポリゴンミラーによって、図5において左から右へ走査される。この時、二次元VCSELアレイは、画像情報に応じて駆動装置(駆動回路)によって駆動されている。第一主走査が完了すると直ちに第二主走査が開始され、第二主走査終了と同期して副走査が行われる。即ち、2回の主走査と1回の副走査を一組として、この操作を繰り返すことにより画像形成(画像記録)が行われる。従来の光走査装置においては一つの光源しか有していなかったため、一組の主走査・副走査で書込まれるのは1行であるから、副走査は1行分のみなされていた。しかし、本発明においては、複数の光源を有しているため、一組の主走査・副走査で光源の数に対応した行数を書込むことが可能である。従って、一回の副走査で走査される行数も同様にそれに対応した行数分実施される。
本発明においては、レーザー光のピッチは図1中hによって示される間隔であるが、主走査時に感光体へ画像を書込む場合、第一の基線に対する各VCSELのオフセット量dを考慮して実施することにより、感光体上での各VCSELからのビームを一直線上に配置することができる。
図2の例のように2回の主走査と1回の副走査を一組として画像形成(画像記録)を行う場合、1本のレーザー光を用いて同等の光出力,ポリゴンミラー回転速度を有する光書込み系に対しては、レーザー本数をn本とすると、感光体ドラム一回転に要する書込み時間は2/nとなり、従来と比較して大幅な高速書込みが可能となる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、第2の形態の光走査装置において、二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)の各面発光レーザー素子(VCSEL)から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を二次元VCSELアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
図6は第3の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図6の例では、光走査装置には、図5の構成例において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光を検知する受光手段と、該受光手段をVCSELアレイと走査手段(ボリゴンミラー)との間に挿入する挿入手段(図示せず)とがさらに設けられている。
一般に半導体レーザーは、通電と共に徐々に出力が低下する現象が確認されており、この現象は多かれ少なかれあらゆる半導体レーザーについて当てはまる。レーザー出力の変動は、潜像形成における感光体上の電位むらとなって現れ、最終的には画像の濃度むらとなって観察される。従って、均一な濃度の画像を形成する際には、レーザー光出力を均一にしなければならない。
図6の例では、受光手段は、画像形成時には図6のaに示す光路外の位置にあるが、画像非形成時には、図示しない挿入手段(移動手段)によって図6のbに示す光路内の位置に挿入される。これによって、光路上に挿入された受光手段は、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知し、その結果に基づいて各VCSELへの注入電流を補正する。これにより、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光出力を均一に保つことができる。
このように、本発明の第3の形態では、第2の形態の光走査装置において、二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を二次元面発光レーザーアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられており、レーザー光出力を検知して二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第2の形態の光走査装置において、二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)の各面発光レーザー素子(VCSEL)から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段(例えば、ハーフミラー)と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴としている。
図7は第4の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図7の例では、光走査装置には、図5の構成例において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光の一部を反射し、残りのレーザー光を透過させるハーフミラーと、ハーフミラーで反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段とがさらに設けられている。
前述した第3の形態の光走査装置の構成においては、画像形成時において全てのレーザー光を潜像形成に用いることができる反面、受光手段の移動手段の設置や該受光手段の位置精度向上のために、構成が複雑になる恐れがあった。
これに対し、第4の形態の光走査装置では、光学手段(ハーフミラー)によってレーザー光の一部を分離・反射し、反射光を受光手段で検出することにより、レーザー光の出力ロスは避けられないが、一切の移動手段(挿入手段)を設けることなく、各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知し、各VCSELへの注入電流を補正して、各VCSELから放出されるレーザー光出力を均一に保つことができる。また、この第6の形態によれば、潜像形成中であっても光出力の検出が可能であり、潜像形成中に各VCSELのレーザー光出力が変動した場合であっても、注入電流の補正,レーザー光出力の調整が可能である。
このように、本発明の第4の形態では、第2の形態の光走査装置において、二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子から放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられており、潜像形成中であってもレーザー光出力を検知して二次元面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子への注入電流を制御するので、面発光レーザーアレイの各面発光レーザー素子からのレーザー光出力を均一に保つことができて、均一な潜像を安定して形成することができる。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、第3または第4の形態の光走査装置において、前記二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)と前記受光手段との間に、所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴としている。
図8は第5の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図8の例では、図7の構成例において、ハーフミラーと受光手段との間に、二次元VCSELアレイから放出されたレーザー光を所定の倍率で拡大する拡大手段(例えば拡大レンズ)が設けられ、受光手段は、拡大手段で拡大されたレーザー光の光出力を検知するように構成されている。
本発明で用いている二次元VCSELアレイより放出されるレーザー光は、実際には複数本放出されているが、その間隔が狭いためそれぞれを正確に分離して検出することは難しい。従って、前述した第2,第3の形態において、受光手段で各VCSELからの個々のレーザー光を検出する場合、VCSELアレイの各VCSELをそれぞれ個別に(例えば順次に)駆動する必要があった。
これに対し、この第5の形態では、二次元VCSELアレイの各VCSELからのレーザー光のビームピッチを拡大手段(拡大レンズ)によって拡大しているため、個々のレーザー光を正確に分離して検知することができる。
なお、図8の例においては、図7の構成に拡大レンズを追加して、個々のレーザー光を分離・検知しているが、図6の構成に拡大レンズを追加した構成であっても構わない。その場合、画像形成時においては、拡大レンズは、受光手段とともに、図6のaに示す光路外の位置にあり、画像非形成時においては、拡大レンズは、図示しない挿入手段によって図6のbに示す光路内の位置に受光手段と連動して挿入されなければならない。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第2乃至第5のいずれかの形態の光走査装置において、主走査方向終端にn(n≧2)回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴としている。
図9は第6の形態の光走査装置の具体例を示す図であり、図9の例では、図5の光走査装置において、主走査方向終端に、主走査終了検知手段としての光センサが設けられている。
電子写真においては、図9におけるポリゴンミラー(走査手段)による主走査が終了した後、感光体ドラムを副走査方向に所定の量走査することの繰り返しによって画像形成がなされている。従って、主走査と副走査はあらかじめ決められたタイミングによって行われているが、ポリゴンミラーの回転むらにより上記タイミングにずれが生じ、1つの画像分の主走査を完了する間にそのずれが蓄積し、高品質な画像形成を妨げる恐れがある。
これに対し、第6の形態においては、主走査方向終端に、走査されたレーザー光を検知する主走査終了検知手段(図9の光センサ)を設け、光センサからの2回の主走査終了の信号と同期して副走査を行うことにより(感光体ドラムの副走査方向への走査制御を行なうことにより)、ポリゴンミラーの回転むらによる画像品質の低下を防止することができ、高品質な画像形成を行うことができる。
なお、第6の形態において、潜像形成プロセスについては、副走査の実施を主走査終了検知手段より得られる主走査終了の信号をトリガとして行う以外は、第2の形態で説明したものと同様である。
また、図9の例では、図5の構成例に適用した場合を示したが、図6,図7,図8の構成例にも、同様に適用できる。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第2乃至第6のいずれかの形態の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置(電子写真装置)である。
ここで、画像形成装置としては、例えば、複写機,プリンタ,ファクシミリ、あるいは、これらの複合機などが挙げられる。
図10は第7の形態の画像形成装置(電子写真装置)の具体例を示す図であり、図10において、光走査装置には、第2乃至第6のいずれかの形態の光走査装置が用いられている。
以下に、図10の画像形成装置(電子写真装置)を用いた画像形成プロセス(電子写真形成プロセス)を示す。
図10の電子写真装置では、帯電ユニットにより感光体ドラム上を一様に帯電した後、光走査装置により潜像を形成する。潜像形成プロセスについては第2の形態で説明したものと同様である。潜像が形成された後、電荷により形成された潜像に現像ユニットによりトナー現像を施す。次いで、図示しない給紙ユニットにより供給された記録紙に、転写ユニットによりトナー画像を転写する。そして、記録紙上に転写されたトナー画像を図示しない定着ユニットにより熱定着し、電子写真画像形成が完了する。一方、トナー画像を転写した感光体ドラム上の潜像を除電ユニットにより消去した後、感光体ドラム上に残留したトナーをクリーニングユニットにより除去する。以上のプロセスを繰り返し実行することで、電子写真画像を連続且つ高速に出力することができる。
実施例1は、第6の形態で示した図9の光走査装置を含む画像形成装置に関するものである。光源として用いる二次元VCSELアレイは、図1において、d=40μm、h=5.3μmで配置されており、放出されたレーザー光は2倍の光学系を用いて2400dpiで画像形成(画像記録)を行なう。また、ここで用いる画像形成(画像記録)の仕方としては、32素子よりなるVCSELアレイにおいて、各VCSELを図2に示すような2つのグループA,Bに分けて順次点灯させる仕方を用いる。
図9において、二次元VCSELアレイより放出されたレーザー光は、コリメータレンズによって平行ビームに整形される。その後、高速回転(30000rpm)するポリゴンミラーで反射され、反射されたレーザー光は、fθレンズによって感光体ドラム上の如何なる位置においても焦点を結ぶよう整形される。この時、ポリゴンミラーが60°回転するごとに主走査終端付近に設けられた光センサにより1回の主走査完了が検知されるが、この実施例1においては二次元VCSELアレイを構成する各VCSELを2つのグループに分けて用いるため、2回の主走査が終わるごとに1回の副走査を行う。1回の副走査によって5.3μm×2×32=339.2μmの副走査がなされ、約1.2秒でA4サイズ(横)の画像形成(画像記録)が完了する(145ppm)。
二次元VCSELアレイを構成する各VCSEL(素子)の熱干渉による光出力低下がないと仮定すると、理論上画像記録速度は、1回の主走査終了後に1回の副走査を行う場合と比較して1/2となるが、実際には熱干渉は無視できないので、本実施例で用いた画像記録方法を用いることにより個々のVCSEL(素子)の光出力が向上するため、少なくとも従来の1/2以上の記録速度を有し、且つ素子寿命は飛躍的に向上する。
二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)の構成例を示す図である。 本発明の具体例を示す図である。 本発明の他の具体例を示す図である。 二次元面発光レーザーアレイ(二次元VCSELアレイ)の他の構成を示す図である。 本発明の第2の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第3の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第4の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第5の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第6の形態の光走査装置の具体例を示す図である。 本発明の第7の形態の画像形成装置(電子写真装置)の具体例を示す図である。

Claims (9)

  1. 半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元面発光レーザーアレイ(以下、二次元VCSELアレイと称す)の駆動装置において、該駆動装置は、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる駆動手段を備えていることを特徴とする二次元VCSELアレイの駆動装置。
  2. 半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイの駆動方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させることを特徴とする二次元VCSELアレイの駆動方法。
  3. 半導体基板上に積層された第二反射鏡と、活性層と、第一反射鏡と、前記第二反射鏡に電気的に接続された第二電極と、前記第一反射鏡に電気的に接続された第一電極とを少なくとも有する面発光レーザー素子(以下、VCSELと称す)が所定の第一の基線上に等間隔で複数個配置され、また、前記第一の基線上のVCSELの中心を通り前記第一の基線と所定の角度をなす第二の基線上に等間隔に複数個のVCSELが配置され、前記所定の角度は、前記第二の基線上のVCSEL中心から前記第一の基線上への正射影点と前記第一の基線上のVCSEL中心が全て等間隔となるように設定されている二次元VCSELアレイを光源として用いる画像形成方法において、第一の基線と直交する方向の第一の主走査として、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させた後、第一の基線と直交する方向の第二の主走査として、第一の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させ、第n(n≧2)の主走査として、第1乃至第(n−1)の主走査において点灯させなかったVCSELのうち、第一の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように且つ第二の基線上の隣接するVCSELが同時に点灯しないように、第一の基線上,第二の基線上のVCSELを点灯させるというようにして、第一の主走査から第nの主走査までの主走査によって全てのVCSELを点灯させる主走査工程と、主走査工程を行なった後、所定の量の副走査を実行する副走査工程と、前記主走査工程と前記副走査工程とを繰り返し実行することによって画像形成を行なうことを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1記載の二次元VCSELアレイの駆動装置と、前記二次元VCSELアレイの駆動装置によって駆動されて二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されたレーザー光を走査する走査手段とを有していることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段と、画像形成時以外の時に、前記受光手段を二次元VCSELアレイから放出されるレーザー光の光路上に挿入する挿入手段とがさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項4記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイの各VCSELから放出されるレーザー光の一部を反射し残りのレーザー光を透過させる光学手段と、前記光学手段で反射されたレーザー光の光出力を検知する受光手段と、該受光手段における光出力の検知結果に基づいて、前記二次元VCSELアレイの各VCSELへの注入電流を制御する制御手段とがさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項5または請求項6記載の光走査装置において、二次元VCSELアレイと受光手段との間に所定の倍率でレーザー光を拡大する拡大手段がさらに設けられていることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載の光走査装置において、主走査方向終端にn(n≧2)回の主走査終了を検知する主走査終了検知手段がさらに設けられており、主走査終了検知手段で検知された主走査終了検知信号と同期して副走査が行なわれるようになっていることを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項4乃至請求項8のいずれか一項に記載の光走査装置が用いられることを特徴とする画像形成装置。
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