JP2006190090A - 車両用警報装置 - Google Patents

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Hiroaki Seguchi
裕章 瀬口
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Abstract

【課題】 警報発生のタイミングを適切に学習する車両用警報装置を提供すること。
【解決手段】 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段171と、運転者による車両の操作又は該操作による車両の挙動に基づき、障害物を正常に回避できたか否かを判定する回避動作判定手段16と、回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された場合、警報タイミング演算手段により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する変更量補正手段172と、変更量補正手段により補正された変更量、警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段173と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、障害物との衝突の可能性を警告する車両用警報装置に関し、特に、運転者の障害物の回避操作を学習して警報を発するタイミングを変更できる車両用警報装置に関する。
車両と接触する可能性のある障害物を検知して運転者に警報を発する車両用警報装置が知られている。車両用警報装置により警報が発せられると、運転者は障害物の存在を認識し、ブレーキペダルの踏み込みなど障害物を回避する動作を行うことができる。
車両用警報装置は、自車両の走行速度や障害物との相対距離や相対速度など障害物との関係に基づいて警報を発する。しかしながら、障害物との関係等に応じて回避動作を行うタイミングには個人差があるため、障害物との相対距離、相対速度及び自車両の走行速度をパラメータとして警報を発するタイミングを固定してしまうと、運転者の運転技術、感覚等に合ったタイミングで警報を発することができず、違和感を生じさせるものとなってしまう。
そこで、運転者の個人差に応じて警報を発するタイミングを自動的に変更できる車両用警報装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1記載の車両用警報装置は、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ時の障害物との相対距離と、警報を発するタイミングとして保持されている相対距離とを比較して、比較結果に応じ警報を発するタイミングを自動で変更する。
特開昭59−105587号公報
しかしながら、特許文献1記載の車両用警報装置では、ブレーキ操作の度に警報発生のタイミングを変更しているため、ブレーキ操作のタイミングがばらついた場合、適切に警報発生のタイミングを学習していないという不都合がある。例えば、ブレーキ操作の安定しない運転者の場合、運転者のブレーキ操作の度に警報発生のタイミングを変更すると、警報発生のタイミングが安定しない。また、偶然ある期間安定したブレーキ操作を行った場合には、警報タイミングを遅くする学習をしてしまい、習熟度の低い運転者にとっては適切でない。一方で、ブレーキ操作の安定した運転者の場合、運転者のブレーキ操作の度に警報発生のタイミングを学習し不要な警報を低減することが好ましい。すなわち、従来、運転者の運転習熟度を考慮して警報タイミングの学習がなされていないという不都合があった。
ところで、警報が発せられた後衝突回避が困難な状況になると、いわゆる自動ブレーキ装置が作動して自動的に制動が行われることが多い。しかしながら、従来、自動ブレーキが作動した場合における、警報タイミングの学習が考慮されておらず、警報発生のタイミングが適切に学習されない場合があるという不都合があった。
本発明は、上記問題に鑑み、警報発生のタイミングを適切に学習する車両用警報装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、運転者による車両の操作又は該操作による車両の挙動に基づき、障害物を正常に回避できたか否かを判定する回避動作判定手段と、回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された場合、警報タイミング演算手段により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する変更量補正手段と、変更量補正手段により補正された変更量、警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、有することを特徴とする。
本発明によれば、警報発生のタイミングを適切に学習する車両用警報装置を提供することができる。
また、本発明の一形態において、変更量補正手段は、回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された頻度に応じて、警報のタイミングの変更量を小さく補正する、ことを特徴とする。本発明によれば、回避動作が正常でないことが多い場合、したがって運転者の運転習熟度が低いような場合、警報タイミングの変更量を小さくすることができる。なお、本願の特許請求の範囲又は明細書において頻度とは、複数に限られず一以上であればよい。
より具体的には、車両用警報装置は、運転者による障害物の回避操作を検出する回避操作検出手段と、該回避操作による車両挙動を検出する車両挙動検出手段を有し、また、回避動作判定手段は、回避操作検出手段により検出された回避操作、又は、前記車両挙動検出手段により検出された車両挙動が、所定条件を逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段を有する。変更量補正手段は、逸脱判定手段により前記所定条件を逸脱したと判定された逸脱頻度に応じて、警報のタイミングの変更量を小さく補正する。
また、本発明の一形態において、変更量補正手段は、警報タイミング演算手段が警報のタイミングを遅らせるように変更量を演算した場合、警報のタイミングの変更量を小さく補正することを特徴とする。
本発明によれば、警報のタイミングを遅らせるように変更量が演算された場合に、変更量を小さくするので、運転者に対しより安全性の向上した車両用警報装置となる。
また、本発明は、自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、運転者による車両の操作又は該操作による車両の挙動に基づき、障害物を正常に回避できたか否かを判定する回避動作判定手段と、回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された頻度が所定以上になった場合、警報のタイミングが所定よりも早くなるように警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、回避動作が正常でないことが多い場合、したがって運転者の運転習熟度が低いような場合、適切に学習されなかった可能性のある警報タイミングを別の所定の警報タイミングに変更できる。
所定の警報タイミングは、例えば、警報タイミングのデフォルト値であり、警報タイミング変更手段は、適切に学習されなかった可能性のある警報タイミングをデフォルト値に戻すことを特徴とする。
また、本発明の一形態において、自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段(図1の自動制動装置22に相当する)と、自動制動手段により自車両が制動された場合、該自動制動手段により制動された頻度に応じて、前記警報タイミング演算手段により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する変更量補正手段と、変更量補正手段により補正された変更量、警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、自動制動が作動する頻度に応じて、警報タイミングの変更量が小さくなるので、自動制動の作動が多い場合、警報タイミングの変更量を小さくすることができる。
また、本発明の一形態において、変更量補正手段は、警報タイミング演算手段が警報のタイミングを遅らせるように変更量を演算した場合、警報のタイミングの変更量を小さく補正することを特徴とする。
本発明によれば、警報タイミングを遅くする側に警報タイミングが変更されにくくなる。したがって、衝突までの時間が短くなってから警報が発せられるような警報タイミングの変更を抑制でき、より安全性の向上した車両用警報装置を提供できる。
また、本発明は、自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段と、自動制動手段により自車両が制動された場合、警報のタイミングが所定よりも早くなるように警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、自動制動手段により自車両が制動された場合、適切に学習されなかった可能性のある警報タイミングを別の所定の警報タイミングに変更できる。
所定の警報タイミングは、例えば、警報タイミングのデフォルト値であり、警報タイミング変更手段は、適切に学習されなかった可能性のある警報タイミングをデフォルト値に戻すことを特徴とする。
また、本発明は、自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、予め定められた警報のタイミングの学習範囲内で、運転者の制動操作に基づき警報のタイミングを演算する警報タイミング演算手段と、自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段と、前記自動制動手段により自車両が制動された場合、学習範囲を規定する警報のタイミングの遅い側の制限を、自動制動手段の作動のタイミングに補正する学習範囲補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、自動制動の作動タイミングよりも遅いタイミングで警報が発せられるように警報タイミングが変更されることが防止され、より安全性の向上した車両用警報装置を提供できる。また、少なくとも自動制動の作動タイミングより前に警報が発せられるように警報タイミングが変更されるので、自動ブレーキの作動の再発を低減できる。
警報発生のタイミングを適切に学習する車両用警報装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。図1は、本実施の形態における車両用警報装置の機能構成図を示す。図1の車両用警報装置は、運転者の操舵操作や制動操作を学習する警報タイミング学習ECU17と、警報を発するか否かを判定する警報判定部21及び回避動作判定部16とを有し、警報判定部21が警報を発すると判定した場合、警報発生装置19から警報が発せられる。
車両用警報発生装置は、制動時の車両の走行状況や車両の挙動を検出するための各種センサを有し、これらのセンサから車両の走行状況や車両の挙動を示す信号が、警報タイミング学習ECU17、警報判定部21及び回避動作判定部16に入力される。
具体的には、車両の走行状況を検出するセンサとして車間距離センサ11、相対速度センサ12を有し、運転者による車両の操作を検出するセンサとして制動操作検出手段14、操舵操作検出手段15を有し、また、車両の挙動を検出するセンサとして、Gセンサ13、ヨーレートセンサ9を有する。
車間距離センサ11は、車両の例えばフロントグリルに配設されたレーザセンサやミリ波レーダとして構成される。ミリ波レーダの場合、車両前方の所定領域に向けてミリ波を照射する照射部と、車両前方に照射されたミリ波が障害物に反射された反射波を受光する受光部と、を備えている。なお、照射部は、所定角度範囲内で、順次角度を変化させながら発光するスキャニング機構を備えている。車間距離センサ11は、照射部から照射されてから反射波が受光部で受光されるまでの時間に応じた信号、及び、反射波の入射角度に応じた信号を警報タイミング学習ECU17、回避動作判定部16及び警報判定部21に送出する。
相対速度センサ12は、自車両の前方所定領域内に存在する先行車両等の障害物との相対速度に応じた信号を警報タイミング学習ECU17、回避動作判定部16及び警報判定部21に送出する。相対速度センサ12を車間距離センサ11と兼用して構成してもよい。相対速度センサ12が、例えばミリ波レーダが受光した反射波に基づき相対速度を検出するように構成された場合、ミリ波の照射時と受光時の周波数の変化や障害物との距離Lを微分処理することにより自車両と障害物との相対速度が検出される。
Gセンサ13は、自車両の前後方向及び横方向の加速度を検出し警報タイミング学習ECU17及び回避動作判定部16に送出する。Gセンサ13は、加速度により生じる静電容量の変化を電気信号として警報タイミング学習ECU17に送出する。Gセンサ13を車両前後方向と横方向とに備えることで、車幅方向の加速度と車両前後方向の加速度をそれぞれ検出できる。
ヨーレートセンサ9は、車両の重心を通り同車両の前後方向に延びる軸線(ローリング軸)回りの回転角速度、すなわちヨーレートを検出し、警報タイミング学習ECU17、回避動作判定部16に送出する。ヨーレートセンサ9は、車両の回転角速度により生じる静電容量の変化を電気信号として警報タイミング学習ECU17、回避動作判定部16に送出する。なお、ヨーレートセンサ9とGセンサ13とは一体であってもよい。
制動操作検出手段14は、運転者による制動操作を検出する。制動操作検出手段14は、例えばブレーキペダルのストローク量を検出するストロークセンサとして構成され、ストローク量に応じた電気信号を警報タイミング学習ECU17及び回避動作判定部16に送出する。警報タイミング学習ECU17と回避動作判定部16は、ストローク量により制動の強さを検出すると共に、ストローク量を微分処理することにより制動操作の速さを検出する。
操舵角操作検出手段15は、運転者によるステアリングホイールの操舵角を検出し、操舵角に応じた電気信号を警報タイミング学習ECU17と回避動作判定部16に送出する。操舵角操作検出手段15は、例えばロータリエンコーダにより構成され、ステアリングホイールの操舵と連動して回転するロータリエンコーダのパルス状の信号により操舵角の大きさ及び操舵方向を検出する。警報タイミング学習ECU17と回避動作判定部16は、操舵角によりステアリングホイールの操作の大きさを検出する共に、操舵角を微分処理することによりステアリングホイールの操作の速さを検出する。
なお、車両の走行状況や車両の挙動を検出するため、CCDカメラや車速センサ等を有していてもよい。CCDカメラは、車両進行方向から見た車両前方の障害物と自車両との相対距離やラップ量の検出を可能とし、また、車速センサは、自車両の速度を検出を可能とする。
また、警報タイミング学習ECU17には、自動制動装置22が接続されており、運転者の制動操作によらず制動が行われる自動ブレーキが作動した場合には、自動制動装置22から自動ブレーキが作動した旨の信号が入力される。警報タイミング学習ECU17は、自動ブレーキが作動した場合には作動回数をカウントし、所定期間おける自動ブレーキの作動回数を自動ブレーキ作動回数Mとして保持する。所定期間は、例えば数週間から1年程度であり、運転者の運転習熟度が向上すると古い自動ブレーキの作動回数は削除されるようにして、運転者の運転習熟度に応じて自動ブレーキ作動回数Mが保持されることが好適である。
なお、自動ブレーキの作動タイミングは設計事項であるが、一般に、自動制動装置22が自動ブレーキを作動させる場合とは、車両用警報装置が警報を発しても制動操作が行われない場合又は制動操作が充分でない場合であり、制動を開始しないと障害物との接触回避が困難な場合である。
警報タイミング学習ECU17は、各種センサから送出された信号に基づき車両の走行状況や車両の挙動を検出し、当該運転者の運転技術や感覚に合致した警報タイミングを学習する。警報タイミングとは、車両前方の障害物との関係(相対速度や相対距離)に応じて運転者に制動操作を促す警報を発するタイミングをいう。
警報タイミング学習ECU17は、警報タイミング演算手段171と、変更量補正手段172と、警報タイミング変更手段173と、学習範囲補正手段174と、を有するように構成される。警報タイミング演算手段171は、運転者の制動操作を学習してデフォルトの警報タイミングを学習して所定のタイミングに設定されている警報タイミングから、警報のタイミングの変更量を演算する。変更量補正手段172は、警報タイミング演算手段171により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する。警報タイミング変更手段173は、変更量補正手段172により補正された変更量、又は、警報タイミング演算手段171により演算された変更量、警報のタイミングを変更する。学習範囲補正手段174は、予め定められた警報のタイミングの学習範囲を狭め、学習範囲を規定する警報のタイミングの早い側又は遅い側の制限を、自動制動装置22の作動のタイミングに補正する。
図2は、警報タイミング学習ECU17が学習した警報タイミングを説明するための警報タイミング図20の一例を示す。警報タイミング図20は、障害物と自車両との衝突(接触)が予測される時刻をt=0として、例えば警報を発するタイミングを左方向を正に表示する。警報タイミング図は、予め警報タイミングデフォルト値としてt=T0を記憶しており、警報タイミング学習ECU17が運転者の警報タイミングを学習するまでは、t=T0を基準に警報を発するか否かが判定される。警報判定部21は、衝突予測時間(何秒後に衝突すると予測されるか)がt=T0よりも短くなると、警報を発する走行状況にあると判定する。なお、警報判定部21は、自車両と自車両の走行方向前方にある障害物との相対距離と相対速度に基づき衝突予測時間を算出する。
警報タイミング演算手段171は、自車両と障害物との関係に応じて運転者の制動操作を学習して、警報タイミングデフォルト値を運転者の運転技術や感覚に合致した警報のタイミングを演算により求める。例えば、運転者がブレーキペダルを踏み始めてから停止又は所定の速度に減速するまでの制動距離を、障害物との距離や相対速度と共に検出し、制動距離が短い運転者では、警報を発するタイミングをどの程度遅くするか(警報タイミングをt=0側にどの程度変更するか)又は早くするか(警報タイミングをt=0側と反対側にどの程度変更するか)を、演算する。警報タイミング演算手段171は、運転者がブレーキペダルを踏み始めた場合の障害物との相対距離及び相対速度を検出すると共に、運転者の制動操作に係る制動距離等のデータを所定数集め統計的に処理することで、制動操作のばらつきを低減して運転者毎に警報タイミングの変更量を演算する。
警報タイミング演算手段171が警報タイミングの変更量を演算すると、警報タイミング変更手段173は、当該変更量、警報タイミングを変更する。したがって、警報タイミング変更手段173が変更した警報タイミングは、当該運転者の運転技術や感覚に合致したブレーキペダルの踏み込みタイミングとなる。
また、警報タイミング変更手段173は、更に後述のように、回避動作判定部16の判定結果、及び、自動ブレーキの作動結果に応じて警報タイミングを変更する。
また、警報タイミング図には、警報タイミングの変更可能範囲(以下、学習範囲という)が設定されている。警報タイミング学習ECU17は、学習範囲の下限(t=0側)と上限の範囲でのみ警報タイミングを変更可能となる(以下、t=0側を警報タイミングの下限側、t=0と反対側を上限側、という)。したがって、運転者の制動操作から、警報タイミング演算手段171が、学習範囲よりも警報タイミングを遅く又は速く設定するように演算しても、学習範囲を超えて警報タイミングが設定されることがない。これにより、衝突が迫ってから警報を発することや衝突が遠方にあるような場合に不要な警報を発することが防止される。
回避動作判定部16は、各種センサから送出された信号に基づき運転者の制動操作を検出し、障害物を正常に回避できたか否か、より具体的には、制動操作に関し運転者に操作ミスがあったか否かを判定する。操作ミスとは、当該運転者の通常の制動操作から逸脱していることをいい、ブレーキ操作の速度、操舵角、操舵速度、ヨーレート、前後又は横加速度、衝突予測時間等に基づき判定される。
回避動作判定部21は、逸脱判定手段161と図3に示すような操作ミス判定テーブルを有し、逸脱判定手段161は、操作ミス判定テーブルに記憶されている各センサから検出される信号の閾値に基づき操作ミスの有無を判定する。
操作ミス判定テーブルには、ストローク速さ、操舵角、操舵の速さ、ヨーレート、前後加速度、横加速度、最小衝突予測時間の項目毎に、A〜Gの所定の閾値が記録されている。逸脱判定手段161は、制動時の各項目の検出値と操作ミス判定テーブルの閾値と(例えば、Gセンサ13により検出された制動時における自車両の横加速度と閾値E)とを比較する。逸脱判定手段161は、運転者の制動操作から検出された信号の値が閾値A〜Fを逸脱している場合、又は、制動時において検出された衝突予測時間のうち最も短い衝突予測時間(最接近した場合)が閾値Gを逸脱している(Gよりも小さい)場合、操作ミスがあったものと判定する。したがって、本実施の形態では、制動操作又は車両挙動が急であった場合に操作ミスとして検出される。
なお、操作ミスがあったか否かの判定は設計事項であるので、操作ミス判定テーブルのうち一つでも閾値を超えている場合(衝突予測時間の場合は閾値Gよりも小さい場合)、操作ミスがあったと判定してもよいし、操作ミス判定テーブルの全ての項目において閾値を超えていない(衝突予測時間の場合は閾値Gよりも大きい)限り操作ミスがなかったと判定してもよい。
また、制動操作時に操作ミスがあったか否かの判定を、例えばタッチパネル式のディスプレーや音声によって運転者により入力されることとしてもよい。かかる構成の場合、回避動作判定部16は、障害物が回避された後運転者に操作ミスがあったか否かを問い合わせ、運転者が回答を入力することで操作ミスがあったか否かが判定される。
回避動作判定部16は、操作ミスがあった場合には操作ミスをカウントし、所定期間おける運転者の操作ミスを操作ミス回数Nとして保持する。所定期間は、例えば数週間から1年程度であり、運転者の運転習熟度が向上すると古い操作ミス回数は削除されるようにして、運転者の運転習熟度に応じて操作ミス回数Nが保持されることが好適である。
実施例1では、回避動作判定手段16により検出された運転者の操作ミスの回数に応じて、警報タイミング学習ECU17が、警報タイミングの変更量を補正して警報タイミングを補正する車両用警報装置について説明する。
図4は、警報タイミング学習ECU17が警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。図4の処理手順は、例えば警報タイミング学習ECU17が障害物を検出し、運転者の制動操作又は自動制動装置22により障害物が回避された場合にスタートする。
障害物が回避されると警報タイミング演算手段171は、運転者がブレーキペダルを踏み始めた場合の障害物との相対距離及び相対速度を検出すると共に、運転者の制動操作に係る制動距離等のデータに基づき、デフォルトの警報タイミングから警報のタイミングを変更する変更量ΔTを演算する(S11)。
次いで、回避動作判定手段16は、運転者の制動操作に操作ミスがあったか否かを判定する(S12)。回避動作判定部16の逸脱判定手段161は、Gセンサ13により検出された前後加速度及び横加速度、ヨーレートセンサ9により検出されたヨーレート、ストロークセンサ14により検出されたストローク量及びストローク速さ、操舵角センサ15により検出された操舵角及び操舵の速さ、車間距離センサ11及び相対速度センサ12により検出された衝突予測時間、を図3の操作ミス判定テーブルに記録されたそれぞれの閾値A〜Gと比較する。本実施例では、ストローク速さ<A、操舵角<B、操舵の速さ<C、前後加速度<D<、横加速度<E、ヨーレート<F、かつ、衝突予測時間>G、の場合、操作ミスがなかったと判定する。
操作ミスがなかった場合(ステップS12のNo)、警報タイミング変更手段173は、警報タイミングを、ステップS11で算出した変更量ΔT変更する。これにより警報タイミングが、運転者の運転技術又は感覚に合致して、学習範囲の間でΔT変更される。図5(a)は、警報タイミングがデフォルト値のt=T0からΔT変更された場合の警報タイミング図を示す。図5(a)に示すように、警報タイミングがΔT遅くなり、t=T1に変更された。
操作ミスがあった場合(ステップS12のYes)、回避動作判定手段16が操作ミス回数Nをインクリメントすると共に、変更量補正手段172が警報タイミングの変更量ΔTを補正する(S13)。式(1)は変更量ΔTの補正式の一例を示す。
ΔT_cor=ΔT/(1+k・N) …(1)
kは重み定数であり正の値を取る(k>0)。
式(1)によれば、操作ミス回数に応じて警報タイミングの変更量ΔTが減算され、ΔT_corは、ΔTよりも小さい値となる。操作ミスがあった場合、警報タイミング変更手段173は、警報タイミングをΔT_cor変更する。
なお、上述のとおり、操作ミスがあった場合は制動操作又は車両挙動が急であった場合、すなわち警報タイミングを遅らせるような制動操作があった場合であるので、ΔT及びΔT_corは、警報タイミングを下限側(遅くする側)に変更する変更量となる。
図5(b)は、ΔT_cor変更された警報タイミングの一例を示す。図5(b)によれば、変更量ΔTが操作ミス回数に応じて小さく補正され、警報タイミングt=T2となる。したがって、本実施例により操作ミスがあった場合には、警報タイミングの下限側への変更量を小さくすることができる。以上で図4の学習手順が終了する。
本実施例によれば、操作ミスがあった場合には変更量を小さく補正するので、警報タイミングの下限側への変更量を小さくすることができる。したがって、操作ミスがあったため警報タイミングを遅くするように警報タイミング演算手段171が警報タイミングを算出しても、警報タイミングが遅くなりにくくなるので、運転者の本来の運転技術や感覚に合致した警報タイミングより遅くなるように変更されることが低減できる。警報タイミングが遅くなりにくくなれば、操作ミスをする運転者に対してもより安全性の向上した車両用警報装置となる。
また、式(1)によれば、操作ミス回数Nが大きいほどΔT_corが小さくなるので、操作ミスが多いほど警報タイミングの下限側への変更量を小さくすることができる。したがって、操作ミスが多い(運転習熟度の低い)運転者に対し、より安全性の向上した車両用警報装置となる。
なお、本実施例では、警報タイミングが遅く変更されるような操作ミスについて判定したが、警報タイミングが早くなるような操作ミスについても判定してよい。かかる場合、、衝突予測時間が充分に長い場合において所定量以上のブレーキ操作があったような場合、警報タイミングの上限側への変更量を小さくすることができる。これにより例えば、車間距離をとるため運転者が誤ってブレーキペダルを強く操作したような場合、警報タイミングの上限側への変更量を小さくできるので、不要な警報の発生を低減できる。
〔警報タイミングの変更量ΔTの補正の変形例〕
警報タイミングの変更量ΔTの補正は、操作ミスがあった場合に変更量を小さくできるもの、より好ましくは操作ミス回数に応じて変更量を小さくできるものであればよい。したがって、式(1)による補正後の変更量ΔT_corの算出は一例に過ぎず、変更量ΔT_corは操作ミス回数に応じて変更量が小さくなるような関数を用いてどのように算出されてもよい。
図6(a)及び(b)は、警報タイミング学習ECU17が警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。図6(a)又は(b)において図4と同一ステップには同一の符号を付す。図6(a)又は(b)の警報タイミングの学習手順では、ステップS11とS12の処理が図4と同じであるのでその説明は省略する。
図6(a)のステップS12において、操作ミスがあったと判定された場合、回避動作判定手段16が操作ミス回数Nをインクリメントすると共に、変更量補正手段172が警報タイミングの変更量ΔTを補正する(S13−2)。式(2)は変更量ΔTの補正式の一例を示す。
ΔT_cor=ΔT×L^(−k×N) …(2)
なお、kは重み定数(k>0)、Lは1以上の定数である(L>1)。
式(2)によれば、操作ミス回数Nに応じて警報タイミングの変更量ΔTが小さくなる。
図6(b)においても同様に、ステップS12において、操作ミスがあったと判定された場合、回避動作判定手段16が操作ミス回数Nをインクリメントすると共に、変更量補正手段172が警報タイミングの変更量ΔTを補正する(S13−3)。式(3)は変更量ΔTの補正式の一例を示す。
ΔT_cor=ΔT−k×N^L …(3)
なお、kは重み定数(k>0)、Lは0以上の定数である(L>0)。
式(3)によれば、操作ミス回数Nに応じて警報タイミングの変更量ΔTが小さくなる。なお、操作ミス回数Nが大きくなりΔT_cor≦0となった場合には、ΔT_cor=0とする。したがって、式(3)によれば、操作ミス回数Nが大きくなると変更量をゼロ、すなわち警報タイミングを変更しないように警報タイミングを変更できる。
以上のように、警報タイミング学習ECU17は、操作ミス回数Nと変更量ΔTの関係を、式(1)〜(3)、及び、定数kやLにより設計できる。操作ミス回数Nに応じて式(1)〜(3)、及び、定数kやLを切り替えて用いてもよい。
ところで、本実施例では、操作ミスを検出して操作ミスが多い場合(運転習熟度が低い場合)に警報タイミングの変更量ΔTを小さくできればよい。したがって、例えば、式(1)〜(3)において、操作ミス回数Nの変わりに自動ブレーキ作動回数Mを使用してもよい。
自動ブレーキが作動する回数が多い場合、例えば運転者の障害物に対する意識が低下しているような場合を除いて、当該運転者の運転習熟度が高くないと推測できるので、自動ブレーキの作動回数に応じて変更量ΔTを小さくすることで、運転者の本来の運転技術や感覚に合致した警報タイミングより遅くなるように変更されることが低減できる。
かかる学習処理によれば、操作ミス判定テーブルのいずれかに該当するような操作ミスがあった場合(ステップS12のYes)、自動ブレーキ作動回数Mに応じて警報タイミングの変更量ΔTを小さく補正することができる。
また、本実施例では、操作ミス回数に応じて変更量ΔTを小さく補正したが、操作ミスの回数が所定回数以上になった場合に、学習した警報タイミングを初期化(デフォルト値に戻す)してもよい。操作ミスが多い場合は、学習した警報タイミングが適切でない可能性があるので、初期化することで改めて警報タイミングを学習できる。
以上のように、本実施例によれば、操作ミスが検出された場合には警報タイミングの変更量を小さくして警報タイミングが遅くなることを低減するので、より安全性の向上した車両用警報装置が提供できる。警報タイミングの変更量は、操作ミスが多いほど小さくなるので、運転者の運転習熟度が低いと推測される場合ほど警報タイミングの変更量を小さくでき、運転習熟度が低い運転者に対し安全性の向上が図れる。
続いて、本実施の形態の第2の実施例として自動ブレーキが作動した場合の警報タイミングの学習処理について説明する。本実施例では、警報タイミング学習ECU17が既に警報タイミングを学習しており、警報タイミングが下限側又は上限側に変更されている。図7(a)は、警報タイミングを学習済みの警報タイミング図の一例を示す。図7(a)によれば、警報タイミングが下限側t=T3に設定されている。なお、自動ブレーキの作動タイミングをt=T4とした。
図8は、警報タイミング学習ECU17が警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。図8の処理手順は、例えば警報タイミング学習ECU17が障害物を検出し、運転者の制動操作又は自動制動装置22により障害物が回避された場合にスタートする。
障害物が回避されると警報タイミング演算手段171は、運転者がブレーキペダルを踏み始めた場合の障害物との相対距離及び相対速度を検出すると共に、運転者の制動操作に係る制動距離等のデータに基づき現在の警報タイミングから警報のタイミングを変更する変更量ΔTを演算する(S11)。
次いで、警報タイミング学習ECU17は、警報が発せられたか否か(警報判定部21が警報を発すると判定したか否か)を判定する(S21)。警報が発せられなかった場合(ステップS21のNo)、警報タイミング学習ECU17は、ステップS11で算出した変更量ΔT、警報タイミングを変更し図8の処理を終了する。
警報が発せられた場合(ステップS21のYes)、次いで、警報タイミング学習ECU17は、自動ブレーキが作動したか否かを判定する(S22)。自動ブレーキが作動しなかった場合(ステップS22のNo)、警報タイミング学習ECU17は、ステップS11で算出した変更量ΔT、警報タイミングを変更し図8の処理を終了する。
自動ブレーキが作動した場合(ステップS22のYes)、警報タイミング変更手段173は、警報タイミングをデフォルト値に戻す(S23)。自動ブレーキが作動する場合、例えば運転者の障害物に対する意識が低下しているような場合を除いて、警報のタイミングが適切でなく運転者による制動操作が充分に行われる前に自動ブレーキが作動するタイミングになった可能性がある。したがって、ステップS22の処理によれば、自動ブレーキが作動した場合、警報タイミングをデフォルト値(初期値)に戻すことで、適切でない可能性のある警報タイミングを初期化できる。
図7(b)は、警報タイミングがデフォルト値t=T0に戻された場合の警報タイミング図を示す。図7(b)に示すように、本実施例によりt=T3に設定されていた警報タイミングがt=T0のデフォルト値に戻される。
なお、図8の学習手順の前において、警報のタイミングがデフォルト値よりも上限側に学習されていた場合は、デフォルト値に戻さないことが好適である。警報のタイミングがデフォルト値よりも上限側に学習されていた場合にデフォルト値に戻すと、警報タイミングを遅くする側(下限側)に警報タイミングを変更することとなるので、運転者の運転技術や感覚よりも遅いタイミングに警報タイミングを設定することとなり適切でない。
次いで、警報タイミング学習ECU17の学習範囲補正手段174は、下限側の警報タイミングの学習範囲を制限する(S24)。自動ブレーキが作動するタイミングでは、自動制動装置22は既に制動が必要であると判定しているので、自動ブレーキの作動タイミング付近又は自動ブレーキが作動する作動タイミングよりも下限側で警報を発しても運転者の制動操作が間に合わず、運転者が適切に制動操作を行うことが困難になる。このため、学習範囲補正手段174は、警報タイミングの学習範囲の下限側を自動ブレーキの作動タイミングに制限する。
これにより図7(b)に示すように、警報タイミングの学習範囲の下限が自動ブレーキの作動タイミング(t=T4)に制限される。かかる学習手順により、自動ブレーキの作動タイミングよりも遅いタイミング(下限側)で警報が発せられるように学習することが防止され、より安全性の向上した車両用警報装置となる。また、少なくとも自動ブレーキの作動タイミングより前に警報が発せられるように警報タイミングが変更されるので、自動ブレーキの作動の再発を低減できる。
なお、下限側の制限は自動ブレーキの作動タイミングに限られるものでなく、例えば警報が発せられてから(t=T3)運転者による制動操作が開始されるまでの時間を検出し、当該時間に所定の演算を行って下限側の制限を設定してもよい。以上で図8の学習手順が終了する。
本実施例によれば、自動ブレーキが作動した場合、警報タイミングをデフォルト値に戻すことができるので、適切でない可能性のある警報タイミングを初期化できる。また。自動ブレーキの作動タイミングを学習範囲の下限とすることで、警報タイミングが自動ブレーキの作動よりも早いタイミングに設定されることとなり、自動ブレーキの作動頻度が低減され、より安全性の向上した車両用警報装置を提供できる。
〔警報タイミングの設定の変形例〕
自動ブレーキが作動した場合、実施例2では警報タイミングをデフォルト値に戻した(初期化した)が、本変形例のように、自動ブレーキの作動回数に応じて警報タイミングの変更量ΔTを補正して学習してもよい。
図9は、警報タイミング学習ECU17が警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。図9において図8と同一ステップには同一の符号を付す。図9の警報タイミングの学習手順では、ステップS11〜S22の処理は図8と同じであるのでその説明は省略する。
ステップS22において、自動ブレーキが作動した場合、警報タイミング学習ECU17は、自動ブレーキが作動した回数Mをインクリメントすると共に、変更量補正手段172は警報タイミングの変更量ΔTを補正する(S23−2)。式(4)は変更量ΔTの補正式の一例を示す。
ΔT_cor=ΔT/(1+k・M) …(4)
kは重み定数であり正の値を取る(K>0)。
式(4)によれば、自動ブレーキ作動回数Mに応じて警報タイミングの変更量ΔTが減算され、ΔT_corは、ΔTよりも小さい値となる。したがって、自動ブレーキが作動した場合、警報タイミングの変更量を小さくすることができる。
図9の学習手順によれば、自動ブレーキが作動する毎に、警報タイミングの変更量が小さくなるので、警報タイミングが下限側に変更されにくくなる。自動ブレーキが作動する場合、警報タイミング演算手段171は運転者が制動操作を開始するタイミングが遅いものとして演算するので、警報タイミングを遅らせるように変更量ΔTを演算する。したがって、変更量ΔTは警報タイミングを下限側(遅くする側)に変更する変更量となる。ステップS22の処理により、ΔTよりも小さいΔT_corが算出されるので、衝突までの時間が短くなってから警報が発せられるような警報タイミングの変更を抑制でき、より安全性の向上した車両用警報装置を提供できる。
なお、変更量ΔTの補正式は、自動ブレーキ作動回数Mに応じて変更量を小さくできるものであればよい。したがって、式(4)による補正後の変更量ΔT_corの算出は一例に過ぎず、変更量ΔT_corは自動ブレーキ作動回数に応じて変更量が小さくなるような関数を用いてどのように算出されてもよい。
式(5)及び(6)は変更量ΔTの補正式の一例を示す。
ΔT_cor=ΔT×L^(−k×M) …(5)
なお、kは重み定数(k>0)、Lは1以上の定数である(L>1)。
ΔT_cor=ΔT−k×M^L …(6)
なお、kは重み定数(k>0)、Lは0以上の定数である(L>0)。
式(5)又は(6)によれば、自動ブレーキ作動回数Mに応じて警報タイミングの変更量ΔTが小さくなる。なお、式(6)において自動ブレーキ作動回数Mが大きくなりΔT_cor≦0となった場合には、ΔT_cor=0とする。したがって、式(6)によれば、自動ブレーキ作動回数Mが大きくなると変更量をゼロ、すなわち警報タイミングを変更しないように警報タイミングを学習できる。
次いで、学習範囲補正手段174は、警報タイミングの学習範囲を制限する(S24)。自動ブレーキが作動するタイミングでは、自動制動装置22は既に制動が必要であると判定しているので、自動ブレーキの作動タイミング付近又は自動ブレーキが作動する作動タイミングよりも下限側で警報を発しても運転者の制動操作が間に合わず、運転者が適切に制動操作を行うことが困難になる。このため、学習範囲補正手段174は、図7(b)に示すように、警報タイミングの学習範囲の下限側を自動ブレーキの作動タイミングに制限する。以上で図9の学習手順は終了する。
本変形例によれば、自動ブレーキが作動した場合、自動ブレーキの作動回数に応じて警報タイミングの下限側への変形量を小さくできるので、自動ブレーキが作動しやすい警報タイミングに変更されることが低減される。また、警報タイミングが下限側へ変更しにくくなるので、より安全なタイミングで警報タイミングが設定される。また。自動ブレーキの作動タイミングを学習範囲の下限とすることで、少なくとも警報タイミングが自動ブレーキの作動よりも早いタイミングに設定されるので、自動ブレーキの作動頻度が低減され、より安全性の向上した車両用警報装置となる。
以上のように、本実施例によれば、自動ブレーキが作動した場合、警報タイミングの初期化、自動ブレーキの作動の低減が可能となり、より安全性の向上した車両用警報装置が提供できる。
車両用警報装置の機能構成図の一例である。 警報タイミング図の一例である。 操作ミス判定テーブルの一例である。 警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。 警報タイミングが変更された場合の警報タイミング図の一例である。 警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。 警報タイミングが変更された場合の警報タイミング図の一例である。 警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。 警報タイミングを学習する学習手順を示すフローチャート図の一例である。
符号の説明
9 ヨーレートセンサ
11 車間距離センサ
12 相対速度センサ
13 Gセンサ
14 制動操作検出手段
15 操舵角センサ
16 回避動作判定部
17 警報タイミング学習ECU
19 警報発生装置
20 警報タイミング図
21 警報判定部
22 自動制動装置

Claims (11)

  1. 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、
    運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、
    運転者による車両の操作又は該操作による車両の挙動に基づき、障害物を正常に回避できたか否かを判定する回避動作判定手段と、
    前記回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された場合、前記警報タイミング演算手段により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する変更量補正手段と、
    前記変更量補正手段により補正された変更量、警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用警報装置。
  2. 前記変更量補正手段は、前記回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された頻度に応じて、警報のタイミングの変更量を小さく補正する、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。
  3. 運転者による障害物の回避操作を検出する回避操作検出手段と、該回避操作による車両挙動を検出する車両挙動検出手段を有し、
    前記回避動作判定手段は、
    前記回避操作検出手段により検出された回避操作、又は、前記車両挙動検出手段により検出された車両挙動が、所定条件を逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段を有し、
    前記変更量補正手段は、前記逸脱判定手段により前記所定条件を逸脱したと判定された逸脱頻度に応じて、警報のタイミングの変更量を小さく補正する、
    ことを特徴とする請求項1記載の車両用警報装置。
  4. 前記変更量補正手段は、前記警報タイミング演算手段が警報のタイミングを遅らせるように変更量を演算した場合、警報のタイミングの変更量を小さく補正する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の車両用警報装置。
  5. 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、
    運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、
    運転者による車両の操作又は該操作による車両の挙動に基づき、障害物を正常に回避できたか否かを判定する回避動作判定手段と、
    前記回避動作判定手段により障害物を正常に回避していないと判定された頻度が所定以上になった場合、警報のタイミングが所定よりも早くなるように警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用警報装置。
  6. 前記警報タイミング変更手段は、警報タイミングを初期化することを特徴とする請求項5記載の車両用警報装置。
  7. 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、
    運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、
    自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段と、
    前記自動制動手段により自車両が制動された場合、該自動制動手段により制動された頻度に応じて、前記警報タイミング演算手段により演算された警報のタイミングの変更量を小さく補正する変更量補正手段と、
    前記変更量補正手段により補正された変更量、警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用警報装置。
  8. 前記変更量補正手段は、前記警報タイミング演算手段が警報のタイミングを遅らせるように変更量を演算した場合、警報のタイミングの変更量を小さく補正する、
    ことを特徴とする請求項7記載の車両用警報装置。
  9. 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、
    運転者の制動操作を学習して警報のタイミングの変更量を演算する警報タイミング演算手段と、
    自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段と、
    前記自動制動手段により自車両が制動された場合、警報のタイミングが所定よりも早くなるように警報のタイミングを変更する警報タイミング変更手段と、
    を有することを特徴とする車両用警報装置。
  10. 前記警報タイミング変更手段は、警報タイミングを初期化することを特徴とする請求項9記載の車両用警報装置。
  11. 自車両と自車両前方の障害物との関係において警報を発する車両用警報装置において、
    予め定められた警報のタイミングの学習範囲内で、運転者の制動操作に基づき警報のタイミングを演算する警報タイミング演算手段と、
    自車両と自車両前方の障害物との関係に基づき自動で車両を制動する自動制動手段と、
    前記自動制動手段により自車両が制動された場合、前記学習範囲を規定する警報のタイミングの遅い側の制限を、前記自動制動手段の作動のタイミングに補正する学習範囲補正手段と、
    を有することを特徴とする車両用警報装置。
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