JP2006188471A - 光学活性チオラン誘導体の製造方法 - Google Patents

光学活性チオラン誘導体の製造方法 Download PDF

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Shigeru Mihashi
茂 三橋
Kazuo Iwazawa
和雄 岩澤
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Abstract

【課題】反応工程数が少なく、しかも収率良く上記光学活性3−置換チオラン誘導体を製造する新規な方法を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)
【化1】
Figure 2006188471

(1)
(式中、Xはハロゲン原子を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表されるジオール化合物を、水酸基の活性化剤と反応させて、下記一般式(2)
【化2】
Figure 2006188471

(2)
(式中、Rは水酸基の活性基を示し、Xおよび*は上記と同義である)
で表される化合物とし、次いで該化合物を、硫黄原子供給源化合物の存在下、環化反応させて下記一般式(3)
【化3】
Figure 2006188471

(3)
(式中、Rおよび*は上記と同義である)
で表される光学活性3−置換チオラン誘導体を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、下記一般式(3)
Figure 2006188471
(3)
(式中、Rは水酸基の活性基を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表される光学活性3−置換チオラン誘導体の新規な製造方法に関する。より詳細には、医薬品の有効な中間体として有用な前記光学活性3−置換チオラン誘導体の新規な製造方法に関し、高純度で、収率良く、しかも製造工程数が少なく、経済的な前記光学活性3−置換チオラン誘導体の製造方法に関する。
天然から発見されたカルバペネム骨格を有する化合物は、広範囲にわたる優れた抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し、医薬として期待されたが、化学的に不安定であったり、ある種の生体内酵素により分解されやすいなどの幾つかの問題点があった。それゆえ、実用化可能で、しかも優れた性質、効能を保持するカルバペネム誘導体を求めて、数多くの研究がなされた。その結果、特定の化学構造を有するイミペネム系化合物が医薬品として実用化された。しかしながら、その化合物も十分に満足される医薬ということができず、ひき続き多くの合成研究が行われている。
その誘導体研究の多くは2−(置換チオ)カルバペネム誘導体についての研究であり、例えば1−チア−4−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−7−オン骨格を有する化合物と、側鎖として有効な硫黄原子を含有する特定な構造を有する化合物とカップリング反応を行う研究を挙げることができる。この方法では、前者の特定の骨格を有する化合物の研究は十分になされており、その製法も一応確立されているといえるので、後者の硫黄含有化合物を効率良く製造することができれば、目的とする2−(置換チオ)カルバペネムが満足できるように合成できることなる。
例えば、前記カルバペネム骨格を有する医薬の側鎖としての硫黄含有化合物の研究報告として非特許文献1に記載された研究報告がある。そこでは、L−アスパラギン酸を出発物質としてチオフェンスルホキサイドを新規な方法で製造する技術が開示されている。その製造方法は、従来から知られている方法と比較すると確かに収率が向上しているのであるが、チオフェンスルホキサイドを得るための反応工程数が多いという問題がある。
そこで、反応工程数が少なく、しかも収率も維持されたチオフェンスルホキサイドの製造方法の開発が望まれていた。
その点、例えば、特許文献1には、(R)−(2−メタンスルホニルオキシエチル)オキシランから(R)−3−ヒドロキシチオランを調製し、次いでその調製物から(R)−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)チオランを調製する技術が開示されている。この反応工程を使用すれば、確かにチオフェンスルホキサイドを得るための反応工程数は少なくすることが可能である。しかしながら、この工程で用いる(R)−(2−ヒドロキシエチル)オキシランにおいて光学純度の高いものを得るためには、L−アスパラギン酸から合成することができるが、反応工程数が多く、操作上の困難が伴う。また、他の方法では、光学純度の高いもの得ることは困難である。
また、非特許文献2には、2,3−ジヒドロキシチオフェンの非対称ホウ素化によって(R)−3−ヒドロキシチオランを調製する技術が開示されている。この反応工程を使用すれば、確かにチオフェンスルホキサイドを得るための反応工程数は少なくすることが可能である。しかしながら、この工程では収率が低く、操作上の困難さがあるうえ、さらに重要なことは光学純度の高い化合物を調製しようとすると収率が上がらないという点である。
そこで、反応工程数が少なく、高い光学純度の化合物を収率良く、しかも操作上の困難さも解決されたチオフェンスルホキサイドの製造方法の開発が望まれている。
特開昭63−287781号公報 J.Org.Chem.,Vol.57,No.16,p4352-4361,1992 J.Amer.Chem.Soc.,Vol.108,p2049-2054,1986
本発明の課題は、反応工程数が少なく、操作上の困難さも少なく、しかも高純度で収率良く上記光学活性3−置換チオラン誘導体を製造する新規な方法を提供することに有る。また、比較的簡単な方法で入手できる光学純度が高い出発物質から操作上の困難さも少ない方法で経済的に、しかも光学純度が高く維持された上記光学活性3−置換チオラン誘導体の新規な製造方法を提供することに有る。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、出発物質として特定の光学活性なハロゲン化ジオール化合物を採用し、ヒドロキシ基の水素原子を置換したのち、一気に閉環させる反応工程を採用すると、驚くべきことには、光学純度が高い状態で維持され、収率良く、上記光学活性3−置換チオラン誘導体を製造することができることに気づいた。また、そのチオラン誘導体からチオフェンスルホキサイド誘導体を効率良く調製することも見出した。それらの知見に基づきさらに詳しく各反応工程を検討し、ついに本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
Figure 2006188471
(1)
(式中、Xはハロゲン原子を示し、*は不斉炭素原子を示す)
で表される光学活性なジオール化合物を、水酸基の活性化剤と反応させて、下記一般式(2)
Figure 2006188471
(2)
(式中、Rは水酸基の活性基を示し、Xおよび*は上記と同義である)
で表される化合物とし、次いで該化合物を、硫黄原子供給源化合物の存在下環化反応させることを特徴とする上記一般式(3)で表される光学活性3−置換チオラン誘導体の製造方法である。なお、前記水酸基の活性化剤としては、RSO−基供給源化合物(式中、Rは置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す)を例示することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の出発物質は、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 2006188471
(1)
(式中、Xおよび*は上記と同義である)
この化合物としては、(R)−4−ハロゲノ−(3)−ヒドロキシブタノールと(S)−4−ハロゲノ−(3)−ヒドロキシブタノールとを例示できる。この化合物でのハロゲン原子としてはとくに限定されないが、塩素原子あるいは臭素原子が好ましい。
これらの化合物を入手するには市販品を購入しても良いが、公知の製造方法により調製してもよい。例えば、通常の方法で調製したラセミ体であるジオール化合物を公知の方法で光学分割して調製することができる。また、その方法と異なる方法として、不斉合性法を用いることもできる。
不斉合性法の具体的に説明すると、例えば、下記構造式(4)
Figure 2006188471
(4)
(式中、R' は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Xは上記と同義である)
で表されるβ−ケト酸エステルを、公知の不斉合成触媒であるRu化合物の存在下、不斉合成反応させて、下記構造式(5)
Figure 2006188471
(5)
(式中、R' 、Xは上記と同義である)
で表される光学活性β−オキシ酸エステルを高収率で調製し、ついで、このエステルを常法によりアルコールへと還元させることにより上記一般式(1)で表される化合物を調製することができる。
上記一般式(1)の化合物を、水酸基の活性化剤と反応させて、上記一般式(2)で表される化合物を調製することが、本発明の重要な特徴の一つである。なお、その水酸基の活性化剤には、一般式(2)で表される化合物の水酸基と反応できる官能基を含む。
前記水酸基の活性化剤の官能基としては、アルカンスルホニル基、アリールスルホニル基、ジ−低級アルキルホスホリル基、ジ−アリールホスホリル基などが挙げられ、それらの基は低級アルキル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルオキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよい。ここで、低級とは炭素数が1〜5を意味する。好ましい官能基の具体例としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、p−ニトロベンゼンスルホニル基、p−ブロモベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、カンファースルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基、ジメチルホスホリル基、ジエチルホスホリル基、ジ(トリクロロエチル)ホスホリル基、ジフェニルホスホリル基、ジ−p−クロロフェニルホスホリル基、ジトリルホスホリル基などを挙げることができる。
上記水酸基の活性化剤はジオール化合物(1)と反応して上述のような活性基を有する化合物を生成する活性化剤ということもできる。具体的に使用されうる活性化剤は、ベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、無水−p−トルエンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、p−ブロモベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、エタンスルホニルクロリド、カンファースルホニルクロエイド、トリフルオロメタンスルホニルクロリド、無水メタンスルホン酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸、ジメチルクロロホスフェート、ジエチルクロロホスフェート、ジ(トリクロロエチル)クロロホスフェート、ジフェニルクロロホスフェート、ジ−p−クロロフェニルクロロホスフェート、ジトリルクロロホスフェートなどを挙げることができる。
上記水酸基の活性化剤の中では、RSO−基供給源化合物(式中、Rは置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す)を使用することが好ましい。なお、置換基としては炭素数1〜5のアルキル基、ニトロ基などが挙げられ、ハロゲン原子が置換されていてもよい。そのRSO−基供給源化合物としては、RSO−基を供給できる官能基を有する化合物であればどのような化合物を使用してもよい。好ましい、RSO−基としては、ベンゼンスルホニル基、p−トルエンスルホニル基、p−ニトロベンゼンスルホニル基、p−ブロモベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、カンファースルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基などを挙げることができる。
この水酸基の活性化剤の使用量は、上記一般式(1)で表される化合物に対して1.8〜5.0当量、好ましくは2.0〜3.0当量とするのが好ましい。前記化合物の使用量が前記範囲よりも少ないと、上記一般式(2)で表される化合物の収率が低くなり、前記化合物の使用量が前記範囲よりも多いと、上記一般式(2)で表される化合物の収率に影響を与えるだけでなく、後の生成処理に影響を与えるので好ましくない。
前記一般式(2)で表される化合物を調製する際には、前記水酸基の活性化剤のほかに塩基を共存させることが望ましい。その塩基としてはとくに限定されないが、好ましい塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
この塩基の使用量は、上記一般式(1)で表される化合物に対して1.8〜5.0当量、好ましくは2.0〜3.0当量とするのが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物を調製する反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒はとくに限定されないのであるが、具体的には、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミドなどの窒素原子含有有機溶媒などが挙げられる。
上記溶媒の使用量は、反応が円滑に進行する範囲であれば特に制限されないのであって、用いる化合物、共存させる試薬、溶媒などにより変動するが、通常、一般式(1)の化合物1重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、2〜10重量部の範囲から選ばれる。
反応温度は、用いる化合物、共存させる化合物、溶媒などにより変動するが、通常は0℃から100℃の範囲から選ばれ、好ましくは10〜70℃の範囲から選ばれる。
反応時間も上記反応温度と同様に用いる化合物、共存させる化合物、溶媒などにより変動するが、通常数十分から数十時間とすることが好ましい。
本発明では、用いる化合物や共存させる化合物などにより異なるのであるが、通常、空気や酸素を排除して、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応 を行うのが望ましい。
かくして調製された一般式(2)で表される化合物は、一般式(1)の光学純度を保持されているものである。
一般式(2)で表される化合物を含む上記反応液をそのまま次の反応工程の出発原料として使用することができるが、反応液に公知の後処理法を用いて、上記一般式(2)で表される化合物を精製し、純度を高めてから、次の工程の出発原料とすることが好ましい。具体的な後処理法としては、濾過、溶媒回収、各種クロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の公知の後処理方法、生成物の単離精製方法などが挙げられ、その後処理法を単独で行うか、適宜組み合わせて行うことができる。
かくして調製された一般式(2)で表される化合物を硫黄原子供給源化合物の存在下に環化反応させて、下記一般式(3)で表される光学活性3−置換チオラン誘導体を製造することも、本発明の特徴の一つである。
Figure 2006188471
(3)
(式中、Rおよび*上記と同義である)
前記硫黄原子供給源化合物は、一般式(3)で表される化合物の硫黄原子を供給する化合物であり、一般式(3)で表される化合物に硫黄原子を供給することができる化合物であれば特に限定されない。この化合物は公知であるが、具体的には、NaS、ClS、KSなどのアルカリ金属硫化物などを例示することができる。
この硫黄原子を供給する化合物の使用量は、上記一般式(2)で表される化合物に対して0.9〜1.3当量、さらには1.0〜1.2当量とするのが好ましい。前記化合物の使用量が前記範囲よりも少ないと、上記一般式(3)で表される化合物の収率が低くなり、前記化合物の使用量が前記範囲よりも多いと、上記一般式(3)で表される化合物の収率に影響を与えるだけでなく、後の生成処理に影響を与えるので好ましくない。
前記一般式(3)で表される化合物を製造する際には、前記硫黄原子供給源化合物のほかに、相関移動触媒を共存させることが望ましい。その相関移動触媒はとくに制限されないが、好ましい相関移送触媒としては、第4級アンモニウム塩が好適に用いられ、具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルアンミニウムアイオダイド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライドなどの工業的に容易に入手できる第4級アンモニウム塩を挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。この相間移動触媒の使用量は、一般式(2)で表される化合物1モルに対し、約0.01〜0.2モル、特に約0.02〜0.05モルであることが好ましい。
この反応は有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒はとくに限定されないのであるが、具体的には、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、N,N‐ジメチルホルムアミドなどの窒素原子含有有機溶媒などが挙げられる。
上記溶媒の使用量は、反応が円滑に進行する範囲であれば特に制限されないのであって、用いる化合物、共存させる試薬、溶媒などにより変動するが、通常、一般式(2)の化合物1重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、2〜10重量部の範囲から選ばれる。
反応温度は、用いる化合物、共存させる化合物、溶媒などにより変動するが、通常は0℃から100℃の範囲から選ばれ、好ましくは20〜90℃の範囲から選ばれる。反応時間も上記反応温度と同様に用いる化合物、共存させる化合物、溶媒などにより変動するが、通常数十分から数十時間とすることが好ましい。
本発明では、用いる化合物や共存させる化合物などにより異なるのであるが、通常、空気や酸素を排除して、アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応 を行うのが望ましい。
上記反応液に公知の後処理法を用いて、上記一般式(3)で表される化合物を精製することが好ましい。具体的な後処理法としては、濾過、溶媒回収、各種クロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の公知の後処理方法、生成物の単離精製方法などが挙げられ、その後処理法を単独で行うか、適宜組み合わせて行うことができる。
かくして製造された一般式(3)で表される化合物は、各種医薬の製造中間体として有効である。例えば、一般式(3)で表される化合物を酸化して、一般式(6)で表される化合物を調製し、次いで一般式(7)で表される化合物を調製できる。この一般式(7)で表される化合物は特定のカルバペネム医薬を構成するユニットのひとつとして有効である。
Figure 2006188471
(6)
(式中、Rおよび*は上記と同じ)
Figure 2006188471
(7)
(式中、*は上記と同じ)
前記一般式(6)および(7)で表される化合物は公知の方法により調製することができる。また、前記一般式(7)で表される化合物と、例えば前記1−チア−4−アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ−2−エン−7−オン骨格を有する化合物とカップリング反応を行い、実用化可能で、しかも優れた性質、効能を保持するカルバペネム誘導体を調製することが可能である。
本発明により、光学活性3−置換チオラン誘導体を従来の製造方法よりも反応工程数が少なく、収率よく製造することができる。とくに高純度な光学活性3−置換チオラン誘導体を効率よく製造することができる。また、本発明では、希望する光学純度を持つ製造原料を容易にしかも比較的安価に入手できると共に、高価ではなく、しかも取り扱いやすく操作性も優れた反応共存物質を使用して、光学活性3−置換チオラン誘導体を製造できる。そのうえ、本発明の反応は、特に室温から60℃程度でも効率的に進行するし、反応時間も比較的短いので、その点でも有利である。本発明の光学活性3−置換チオラン誘導体は各種医薬中間体として有効であるが、とくに医薬品の有効な中間体として有用なチオフェンスルホキサイドの合成原料として有用であり、有効で安全性の高い医薬を安価で、効率良く製造することを可能とする。
以上のとおりであるから、本発明は極めて実用的な発明である。
(実施例)
以下、本発明を、実施例および参考例を用いて具体的に説明するが、本発明は、これらにより何ら限定されるものではない。
なお、旋光度の測定にはDIP−370(日本分光工業株式会社製)を用いた。プロトン核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定にはAM−400型(400MHz)(ブルッカー社製)を用い、内部標準物質としてテトラメチルシランを使用した。

(参考例1)4−クロルアセト酢酸エチルの不斉水素化
500mlオートクレーブに[{RuCl ((S)−SEGPHOS)}2 (μ−Cl)3] [Me2NH2] (122mg:0.149ミリモル)を入れ、窒素置換した後、蒸留したエタノール183ml、4−クロルアセト酢酸エチル(60.9g:0.37モル)を加える。オートクレーブを内温が90℃になるまで加熱し、水素(3.0MPa)を圧入し2時間反応させた。反応中の水素圧は3.0Mpaを保った。反応終了後、溶媒を除去し、減圧蒸留を行って(R)−4−クロル−3−ヒドロキシブタン酸エチル(54.6g:収率88.5%)を得た。不斉収率は98.5%であった。
(参考例2)
テトラヒドロフラン(THF)12mlを室温で窒素雰囲気下100mlの反応容器に加えた。その反応容器に、攪拌下水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)0.46gを加える。(R)−4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エチル5.00gを含むTHF溶液3.50mlを滴下し、攪拌した。1時間後、反応液を減圧下濃縮して約50重量%の溶媒を除去後、15℃にてメタノール12.52gを加え、2時間攪拌後、減圧濃縮し、溶媒を除去した。酢酸エチル15mlを加え、生成物を抽出し、抽出液を減圧下濃縮し、結晶を得た。得られた結晶を常法により精製し、(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール1.41gを得た。
(実施例1a)
(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール1.35gおよびトルエン5mlを15℃で窒素雰囲気下100mlの反応容器に加え、攪拌下15℃にてトリエチルアミン3.30gを加える。反応容器を20〜25℃に保持し、攪拌下p−トルエンスルホニルクロライド(トシルクロライド)4.15g加えた後、25℃にて攪拌反応させる。24時間後、反応液をろ過し、ろ液を5%塩酸水で洗浄し、5%重曹水で中和し、5%食塩水で洗浄後、濃縮し、結晶を得た。得られた結晶を常法により精製し、(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール−ビストシレート2.96gを得た。収率は64.2%、光学純度99.9%、化学純度97.7%であった。
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):2.03−2.18(2H、m、CH3)、2.49(6H、s、CH3)、3.56−3.68(2H、m、CH2Cl)、3.90−4.11(2H、m、CH2O)、4.73−4.82(1H、m、CHO)、7.50−7.82(8H、m、Ar−H)
(実施例1b)
(R)−4−クロロ−1,3−ブタンジオール−ビストシレート2.60gおよびTHF13.2mlを室温で窒素雰囲気下200mlの反応容器に加える。その反応容器に、攪拌下硫化ナトリウム・9水和物(NaS・9HO)1.58g、テトラn−ブチルアンモニウムイオダイド0.13gを加え、50℃にて8時間攪拌した。トルエンで生成物を抽出し、飽和食塩水で洗浄した後に濃縮し、結晶を得た。得られた結晶を常法により精製し、(R)−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)1−チオラン1.60gを得た。収率は83.4%、光学純度99.9%、化学純度82.3%であった。
[α]D=+16.76°(c=2.98、CHCl3
1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.76−1.90(1H、m、CH)、2.12−2.26(1H、m、CH)、2.40(3H、s、CH3)、2.70−3.00(4H、m、CH2S)、5.13−5.16(1H、m、CHO)、7.25(2H、d、CH)、7.74(2H、d、CH)

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2006188471
    (1)
    (式中、Xはハロゲン原子を示し、*は不斉炭素原子を示す)
    で表されるジオール化合物を水酸基の活性化剤と反応させて、下記一般式(2)
    Figure 2006188471

    (2)
    (式中、Rは水酸基の活性基を示し、Xおよび*は上記と同義である)
    で表される化合物とし、次いで該化合物を、硫黄原子供給源化合物の存在下に環化反応させることを特徴とする下記一般式(3)
    Figure 2006188471

    (3)
    (式中、Rおよび*は上記と同義である)
    で表される光学活性3−置換チオラン誘導体の製造方法。

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