JPH1171374A - フラビン誘導体およびその製造方法 - Google Patents

フラビン誘導体およびその製造方法

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JPH1171374A
JPH1171374A JP23414497A JP23414497A JPH1171374A JP H1171374 A JPH1171374 A JP H1171374A JP 23414497 A JP23414497 A JP 23414497A JP 23414497 A JP23414497 A JP 23414497A JP H1171374 A JPH1171374 A JP H1171374A
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diethyl
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methylbenzodipteridine
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JP23414497A
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Ryuzo Hosoya
竜三 細谷
Akio Hayashi
明男 林
Yoshihito Kadoma
義仁 門磨
Yumihiko Yano
由美彦 矢野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規フラビン誘導体およびその製造方法の提
供。 【解決手段】フラビンの3−位および10−位の位置に
アリル基、カルボキシル基等の特定の基を導入したフラ
ビン誘導体、および前記のフラビン誘導体を製造するに
あたり、特定のフラビン誘導体を原料として用い、アル
ケニルハライド、アルコキシカルボニルアルキルハライ
ド、あるいはシアノアルキルハライドを反応させて、前
記のフラビン誘導体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラビン誘導体及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、7,14−
ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリジ
ン、または、7,14−ジエチル−3,10−ジ置換ベ
ンゾジプテリジンに関する。また本発明は、7,14−
ジエチル−3−ヒドロ−10−メチルベンゾジプテリジ
ンを出発原料とし、対応する反応基を反応させることで
前記のフラビン誘導体を、また、7,14−ジエチル−
3,10−ジヒドロベンゾジプテリジンを出発原料とし
て、対応する反応基を反応させることで前記フラビン誘
導体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラビン酵素は、アミノ酸、脂質、糖、
核酸の代謝と生合成、電子伝達系、ATP合成、光合
成、DNA光修復、生物発光などに関与し、他に類を見
ない多彩な機能を発現する。このフラビン酵素の多様性
と特異性はアポタンパク質によって制御されている。す
なわちタンパク質マトリックス中で、触媒部位であるイ
ソアロキサジン環の反応性が巧みにコントロールされ、
その多様な機能が発現されていると考えられている。下
記式(V)にフラビン補酵素の構造を示した。イソアロ
キサジン環は、1電子または2電子を受け取り、還元型
になり容易に酸素と反応して酸化型に戻る。下記式(V
I)にフラビンの酸化還元の模式を示した。酵素の活性
中心では反応に有利に働く種々の機能因子が配置され機
能を発現している。このイソアロキサジン環を持つ化合
物は一般にフラビンと呼ばれている。
【化5】 これを利用して還元型フラビンが酸素と容易に反応し、
酸化型フラビンと過酸化水素を与え、生成する過酸化水
素が触媒系を邪魔しなければ、次に示す触媒サイクルが
構築できる。式(VII)にチオールの酸化還元サイクル
を示した。
【化6】 これまでにフラビン誘導体として、4’,6’,10−
トリメチル−6,7−(2’,3’−ピリド)−イソア
ロキザジン(Bull.Chem.Soc.,56,1
694,(1983))、8−アザフラビン(J.Ch
em.Soc.,Perkin.Trans.2,75
3,(1985))などが知られている。しかしこれら
のフラビン誘導体は、酸化反応が基質に大きく依存し、
温和な条件下では酸化活性が低かった。また複雑な構造
を持つために、置換基を導入するなどの修飾が困難であ
った。
【0003】近年、生活の豊かさの亨受とともに、「に
おい」に対する感覚は以前にもまして敏感になってきて
いる。特に悪臭は自律神経に影響を与え、頭重感、頭
痛、いらいら気分を起こさせ、また精神の統一を妨げ
て、活動意欲を失わせる。さらには交感神経が緊張する
ため、脈拍数の増加や血圧の上昇による悪影響も考えら
れる。これらの高酸化活性型フラビンは、悪臭物質の一
つであるチオールを容易に酸化し、還元型フラビンが容
易に酸素と反応して酸化型にもどるので、消臭繊維や他
の消臭剤への応用が期待される。現在、前述したフラビ
ン誘導体の欠点を補うフラビン誘導体の開発が盛んに行
われている。本発明者らも7,14−ジエチル−3、1
0−ジメチルベンゾジプテリジンなどのフラビン誘導体
を合成し、それが従来のフラビン誘導体と比較して高い
酸化活性を有することを見い出している(J.Che
m.Soc.,Chem.Commun.,226,
(1985))。
【0004】そしてその類縁体も同様に高酸化活性作用
を有することが期待できるものの、3位と10位が他の
置換基に修飾された化合物、すなわち7,14−ジエチ
ル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリジン
(I)、および7,14−ジエチル−3,10−ジ置換
ベンゾジプテリジン(II)は、その合成の困難さからこ
れまで知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、7,14−ジエチル−3−置換−10−メチルベン
ゾジプテリジンおよび、7,14−ジエチル−3,10
−ジ置換ベンゾジプテリジンを提供することにある。特
には、置換基がアルケニルなどの重合性基や、またはエ
ステル化、アミド化あるいは塩を形成するための官能基
としてカルボキシル基(カルボキシル基に変換できるア
ルコキシカルボニル基、シアノ基)を前記のベンゾジプ
テリジン化合物の3位や10位に置換した化合物を提供
することにある。さらに本発明の第2の目的は、その製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、下記の一般式(I)で表わされる7,14−
ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリジ
ン、および一般式(II)で表わされる7,14−ジエチ
ル−3,10−ジ置換ベンゾジプテリジンを合成し、本
発明を完成するに至った。すなわち、本発明は次の
[1]〜[6]である。 [1]一般式(I)
【化7】 (式中、R1は、ビニル基、アルコキシカルボニル基、
カルボキシル基、シアノ基を示し、また、mは、それぞ
れ1〜6までの整数を示す。)で表わされる7,14−
ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリジ
ン。 [2]一般式(II)
【化8】 (式中、R2は、ビニル基、アルコキシカルボニル基、
カルボキシル基、シアノ基を示し、また、nは、それぞ
れ1〜6までの整数を示す。)で表わされる7,14−
ジエチル−3,10−ジ置換ベンゾジプテリジン。 [3]前記の一般式(I)で表わされる化合物を製造す
るにあたり、化学式(III)
【化9】 で表わされる7,14−ジエチル−3−ヒドロ−10−
メチルベンゾジプテリジンをアリケニルハライド、アル
コキシカルボニルアルキルハライドまたはシアノアルキ
ルハライドと反応させ、それぞれ対応するビニル体、ア
ルコキシカルボニル体またはシアノ体を得ることを特徴
とする一般式(I)の化合物の製造方法。 [4]さらにここで得たアルコキシ体またはシアノ体を
加水分解反応させることでカルボキシル体(R1=カル
ボキシル基)を得ることを特徴とする一般式(I)の化
合物の製造方法。 [5]前記の一般式(II)で表わされる化合物を製造す
るにあたり、化学式(IV)
【化10】 で表わされる7,14−ジエチル−3,10−ジヒドロ
ベンゾジプテリジンを、アリケニルハライド、アルコキ
シカルボニルハライドまたはシアノアルキルハライドと
反応させ、それぞれ対応するビニル体、アルコキシカル
ボニル体またはシアノ体を得ることを特徴とする一般式
(II)の化合物の製造方法。 [6]さらに前記で得た化合物のアルコキシ体またはシ
アノ体を加水分解反応させることにより一般式(II)の
化合物のR2がカルボキシル体である一般式(II)の化
合物を製造する方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の7,14−ジエチル−3
−置換−10−メチルベンゾジプテリジンは、一般式
(I)で表わされ、また7,14−ジエチル−3,10
−ジ置換ベンゾジプテリジンは、一般式(II)で表わさ
れるものである。
【化11】 ここで、R1、R2はそれぞれビニル基、アルコキシカル
ボニル基、カルボキシル基またはシアノ基を示す。また
m、nはそれぞれ1〜6までの整数を示す。本発明の一
般式(I)で表わされる7,14−ジエチル−3−置換
−10−メチルベンゾジプテリジン、および一般式(I
I)で表わされる7,14−ジエチル−3,10−ジ置
換ベンゾジプテリジンの製造方法は、次の通りである。
7、14−ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジ
プテリジンと7、14−ジエチル−3、10−ジ置換ベ
ンゾジプテリジンは、それぞれ化学式(III)、化学式
(IV)で表わされる化合物から置換反応工程を経て得る
ことができる。式VIIIおよび式IXにその反応式を示し
た。。
【化12】 換言すれば、一般式(I)において、R1がビニル基、
アルコキシカルボニル基またはシアノ基、かつmが1〜
6の整数の場合は、出発原料として化学式(III)の化
合物を用いて、対応するアルケニル、アルコキシカルボ
ニルアルキルまたはシアノアルキル基を置換反応剤によ
り導入する。また、R1がカルボキシル基、かつmが1
〜6の整数の場合は、前記でアルコキシカルボニルアル
キルまたはシアノアルキル基を導入した後、加水分解す
ることにより得られる。反応式を下記式Xに示した。
【0008】また同様に、一般式(II)において、R2
がビニル基、アルコキシカルボニル基またはシアノ基、
かつnが1〜6の整数の場合は、出発原料として化学式
(IV)の化合物を用いて、対応するアルケニル、アルコ
キシカルボニルアルキルまたはシアノアルキル基を置換
反応剤により導入する。またR2がカルボキシル基、か
つnが1〜6の整数の場合は、前記でアルコキシカルボ
ニルアルキルまたはシアノアルキル基を導入した後、加
水分解することにより得られる。反応式を下記式XIに示
した。
【化13】
【0009】ここで原料となる化学式(III)の化合物
は既知の方法で得られる(J.Chem.Soc.Pe
rkin.Trans.2.,2229.(199
4))。また化学式(IV)の化合物も既知の方法により
得られる(J.Heterocycl.Chem.,1
221.(1989))。本発明で用いる置換反応剤
は、R1、R2基をビニル、アルコキシカルボニル又はシ
アノ基とする化合物で、例えば、アルケニルハライド、
アルコキシカルボニルアルキルハライド、シアノアルキ
ルハライド等を挙げることができる。具体的には、アル
ケニルハライドとしては、アリルブロミド(=臭化アリ
ル)、ホモアリルブロミドが挙げられ、アルコキシカル
ボニルアルキルハライドとしては、ブロモ酢酸メチル、
ブロモプロピオン酸エチルが挙げられ、シアノアルキル
ハライドとしては、ブロモアセトニトリルが挙げられ
る。また、m、nは1〜6の整数を示す。前記の反応に
際して、溶媒を使用することが望ましい。本発明の反応
において使用する有機溶媒は、アルコール系溶媒、エー
テル系溶媒、非プロトン性溶媒、ハロゲン系溶媒、脂肪
族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。
また具体的には、アルコール系溶媒は、例えば、メタノ
ール、エタノール等が挙げれる。エーテル系溶媒は、例
えば、エチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)
が挙げれる。また非プロトン性極性溶媒は、例えば、ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられ
る。ハロゲン系溶媒としては、例えば、塩化メチレン、
クロロホルム等が挙げられ、脂肪族炭化水素溶媒として
は、例えば、ペンタン、ヘキサン等が挙げられる。さら
に、芳香族炭化水素溶媒としては、例えば、ベンゼン、
トルエン等が挙げられる。好ましくは、DMFの溶媒で
ある。
【0010】また反応においては、不活性ガス雰囲気
下、好ましくはアルゴン雰囲気下で行うことが望まし
い。さらに本発明における反応混合物の単離精製は、例
えばカラムクロマトグラフィー、再結晶、プレパラティ
ブTLC、高速液体クロマトグラフィー等を用いて行う
ことができる。好ましくは、再結晶、プレパラティブT
LCによる精製である。
【0011】さらに詳しくは、一般式(I)で表わされ
る化合物を製造する工程は、非プロトン性極性溶媒、好
ましくはDMF中、化学式(III)で表わされる化合物
の3位のアミノ基に、前記の置換反応剤(例えば、アル
ケニルハライド、アルコキシカルボニルアルキルハライ
ド等をさす。)を反応させ、N−置換させる。反応に用
いられる置換反応剤、および塩基は、化学式(III)で
表わされる化合物に対して1〜5モル当量、好ましくは
1〜2モル当量である。反応温度は0〜200℃、好ま
しくは室温〜100℃である。反応時間は1〜48時
間、好ましくは2〜24時間である。
【0012】また一般式(I)で表わされるカルボキシ
ル体を製造する工程は、前記の置換反応で得たアルコキ
シカルボニル体またはシアノ体を、酸性またはアルカリ
性条件下で加水分解させる。酸加水分解における酸は、
無機酸(例えば塩酸、硫酸等をさす。)、もしくは有機
酸(例えばギ酸、酢酸等をさす。)を用いる。またアル
カリ加水分解においては、水酸化ナトリウム、もしくは
水酸化カリウム水溶液中で行うことが望ましい。酸、ア
ルカリ共に、基質に対して大過剰量を用い、反応温度は
共に0℃〜120℃、好ましくは室温〜100℃であ
る。反応時間は5分〜5日間、好ましくは10分〜12
時間である。
【0013】また、一般式(II)で表わされる化合物を
製造する工程は、非プロトン性極性溶媒、好ましくはD
MF中、化学式(IV)で表わされる化合物の3位と10
位のアミノ基に、置換反応剤(例えば、アルケニルハラ
イド、アルコキシカルボニルアルキルハライド等をさ
す。)を反応させ、N−置換させる。反応に用いられる
置換反応剤、および塩基は化学式(IV)で表わされる化
合物に対して2〜10モル当量、好ましくは2〜5モル
当量である。反応温度は0〜200℃、好ましくは室温
〜100℃である。反応時間は1〜48時間、好ましく
は4〜24時間である。
【0014】また一般式(II)で表わされるカルボキシ
ル体を製造する工程も同様に、前記の置換反応で得たア
ルコキシカルボニル体またはシアノ体を、酸性またはア
ルカリ性条件下で加水分解させる。酸加水分解における
酸は、無機酸(例えば塩酸、硫酸等をさす。)、もしく
は有機酸(例えばギ酸、酢酸等をさす。)を用いる。ま
たアルカリ加水分解においては、水酸化ナトリウムもし
くは水酸化カリウム水溶液中で行うことが望ましい。
酸、アルカリ共に、基質に対して大過剰量を用い、反応
温度は共に0℃〜120℃、好ましくは室温〜100℃
である。反応時間は5分〜5日間、好ましくは10分〜
12時間である。以上のようにして一般式(I)で表わ
される7,14−ジエチル−3−置換−10−メチルベ
ンゾジプテリジン、および一般式(II)で表わされる
7,14−ジエチル−3,10−ジ置換ベンゾジプテリ
ジンが得られる。
【0015】また本発明の新規なフラビン誘導体は、脱
臭、消臭、抗菌剤として用いた場合、毒性が少なく、環
境にやさしい生分解性を持ち、かつこれまでに知られて
いる脱臭、消臭、抗菌剤と比較して、より新しい材料と
なることが期待される。また、カルボン酸基を導入する
ことで水溶性が向上し、カチオン性の重合体との複合化
が期待される。さらにアルケニル基を導入することで、
その基を重合性基として共重合して高分子化合物への応
用が可能となる。
【0016】
【発明の効果】本発明の7,14−ジエチル−3−置換
−10−メチルベンゾジプテリジン、および7,14−
ジエチル−3、10−ジ置換ベンゾジプテリジンは、例
えばカルボキシル基を導入することで水溶性が向上し、
またアルケニル基を導入することで高分子化合物への応
用が可能となり、従来の3位と10位がメチル基あるいは
エチル基の置換体に比べて用途範囲が大きく広がる化合
物である。また、本発明の新規なフラビン誘導体の製造
方法は、7,14−ジエチル−3−置換−10−メチル
ベンゾジプテリジン、および7,14−ジエチル−3,
10−ジ置換ベンゾジプテリジンを比較的簡素で効率よ
く製造することができる。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定
されるものではない。 実施例1−1;7,14−ジエチル−3−メトキシカル
ボニルメチル−10−メチルベンゾジプテリジン(I
a)の製造; 乾燥DMF20ml中に、炭酸カリウム(無水)250
mg(1.8mmol,1.5eq.)、ブロモ酢酸メ
チル280mg(1.8mmol,1.5eq.)、
7,14−ジエチル−3−ヒドロ−10−メチルベンゾ
ジプテリジン(III)500mg(1.19mmol)
を入れて、窒素雰囲気下、90℃で3時間攪拌した。反
応終了後、DMFを減圧留去し、3Nの塩酸10mlを
加えて酸性にし、クロロホルム500mlで抽出した。
クロロホルム層を飽和食塩水100mlで洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。
得られた粗生成物をプレパラティブTLCで精製して、
7,14−ジエチル−3−メトキシカルボニルメチル−
10−メチルジベンゾジプテリジン(Ia)を260m
g(収率44%)得た。次に1H−NMRの測定結果を
示した。1 H−NMR(δ(ppm)CDCl3/TMS) 1.55(t,J=7.3Hz,6H) 3.52(s,3H) 3.81(s,3H) 4.85(q,J=7.3Hz,4H) 4.89(s,2H) 8.74(s,1H) 8.77(s,1H) 次に質量分析の結果を示した。 MASS(m/z)493(M+) 以上のデータから、得られた化合物が次式(Ia)であ
ることを確認した。
【化14】
【0018】実施例2−1;7,14−ジエチル−3−
シアノメチル−10−メチルベンゾジプテリジン(I
b)の製造; 乾燥DMF10ml中に、炭酸カリウム(無水)99m
g(0.72mmol,1.5eq.)、ブロモアセト
ニトリル86mg(0.72mmol,1.5e
q.)、7,14−ジエチル−3−ヒドロ−10−メチ
ルベンゾジプテリジン(III)200mg(0.48m
mol)を入れて、窒素雰囲気下、90℃で3時間攪拌
した。反応終了後、DMFを減圧留去し、3Nの塩酸1
0mlを加えて酸性にし、クロロホルム500mlで抽
出した。クロロホルム層を飽和食塩水100mlで洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留
去した。得られた粗生成物をプレパラティブTLCで精
製して、7,14−ジエチル−3−シアノメチル−10
−メチルジベンゾジプテリジン(Ib)を80mg(収
率36%)得た。次に1H−NMRの測定結果を示し
た。1 H−NMR(δ(ppm)CDCl3/TMS) 1.55(t,J=7.3Hz,6H) 3.57(s,3H) 4.7−4.9(m,4H) 5.02(s,2H) 8.58(s,1H) 8.63(s,1H) 次に質量分析の結果を示した。 MASS(m/z)434(M+−CN) 以上のデータから、得られた化合物が次式(Ib)であ
ることを確認した。
【化15】
【0019】実施例3−1;7,14−ジエチル−3,
10−ジアリルベンゾジプテリジン(Ic)の製造; 乾燥DMF20ml中に、炭酸カリウム(無水)2.5
5mg(18.4mmol,5eq.)、アリルブロミ
ド2.24mg(18.4mmol,5eq.)、7,
14−ジエチル−3,10−ジヒドロベンゾジプテリジ
ン(IV)1.50g(3.7mmol)を入れて、窒素
雰囲気下、70℃で12時間攪拌した。反応終了後、D
MFを減圧留去し、3Nの塩酸10mlを加えて酸性に
し、クロロホルム500mlで抽出した。クロロホルム
層を飽和食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗成
生物をプレパラティブTLCで精製して、7,14−ジ
エチル−3,10−ジアリルベンゾジプテリジン(I
c)700mg(収率38%)得た。次に1H−NMR
の測定結果を示した。1 H−NMR(δ(ppm)CDCl3/TMS) 1.55(t,J=7.3Hz,6H) 4.7−4.8(m,8H) 5.26(d,J=10.3Hz,1H) 5.49(d,J=17.2Hz,1H) 5.9−6.1(m,2H) 8.54(s,2H)。 次に質量分析の結果を示した。 MASS(m/z)487(M+) 以上のデータから、得られた化合物が次式(Ic)であ
ることを確認した。
【化16】
【0020】実施例4−1;7,14−ジエチル−3,
10−ジ(メトキシカルボニルメチル)ベンゾジプテリ
ジン(Id)の製造; 乾燥DMF50ml中に、炭酸カリウム(無水)2.5
5mg(18.4mmol,1.5eq.)、ブロモ酢
酸メチル2.83g(18.4mmol.1.5e
q.)、7,14−ジエチル−3,10−ジヒドロベン
ゾジプテリジン1.50g(3.7mmol)を入れ
て、窒素雰囲気下、100℃で12時間攪拌した。反応
終了後、DMFを減圧留去し、3Nの塩酸を加えて酸性
にし、クロロホルム500mlで抽出した。クロロホル
ム層を飽和食塩水100mlで洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去した。得られた粗
生成物をプレパラティブTLCで精製し、7,14−ジ
エチル−3,10−ジ(メトキシカルボニルメチル)ベ
ンゾジプテリジン(Id)を500mg(収率24%)
得た。次に1H−NMRの測定結果を示した。1 H−NMR(δ(ppm)CDCl3/TMS) 1.57(t,J=7.3Hz,6H) 3.81(s,6H) 4.80(q,J=7.3Hz,4H) 4.89(s,4H) 8.57(s,2H) 質量分析の結果を示した。 MASS(m/z)551(M+) 以上のデータから、得られた化合物が次式(Id)であ
ることを確認した。
【化17】
【0021】実施例5−1;7,14−ジエチル−3−
(カルボキシメチル)−10−メチルベンゾジプテリジ
ン(Ie)の製造; 7,14−ジエチル−3−(メトキシカルボニルメチ
ル)−10−メチルベンゾジプテリジン260mg
(0.53mmol)に、塩酸10mlを加えて室温で
24時間攪拌した。反応終了後、塩酸を留去して粗生成
物を得た。DMFから再結晶することで、7,14−ジ
エチル−3−(カルボキシメチル)−10−メチルジベ
ンゾジプテリジン(Ie)を180mg(収率71%)
得た。次に1H−NMRの測定結果を示した。1 N−NMR(δ(ppm)CDCl3/TMS) 1.55(t,J=7.3Hz,6H) 3.52(s,3H) 4.85(q,J=7.3Hz,4H) 4.89(s,2H) 8.74(s,1H) 8.77(s,1H) 以上のデータから、得られた化合物が次式(Ie)であ
ることを確認した。
【化18】
【0022】以上の結果より、本発明の化合物、7,1
4−ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリ
ジン、および7,14−ジエチル−3,10−ジ置換ベ
ンゾジプテリジンが合成でき、分子中にビニル基、アル
コキシカルボニル基、カルボキシル基、シアノ基が導入
できた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1は、ビニル基、アルコキシカルボニル基、
    カルボキシル基またはシアノ基を示し、また、mは、そ
    れぞれ1〜6までの整数を示す。)で表わされる7,1
    4−ジエチル−3−置換−10−メチルベンゾジプテリ
    ジン。
  2. 【請求項2】下記の一般式(II) 【化2】 (式中、R2は、ビニル基、アルコキシカルボニル基、
    カルボキシル基またはシアノ基を示し、また、nは、そ
    れぞれ1〜6までの整数を示す。)で表わされる7,1
    4−ジエチル−3,10−ジ置換ベンゾジプテリジン。
  3. 【請求項3】請求項1記載の一般式(I)で表わされる
    化合物を製造するにあたり、化学式(III) 【化3】 で表わされる7,14−ジエチル−3−ヒドロ−10−
    メチルベンゾジプテリジンを、アリケニルハライド、ア
    ルコキシカルボニルアルキルハライドまたはシアノアル
    キルハライドと反応させることで、それぞれ対応するビ
    ニル体、アルコキシカルボニル体またはシアノ体を得る
    ことを特徴とする一般式(I)の化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3で得たR1がアルコキシカルボニ
    ル基またはシアノ基である一般式(I)の化合物をさら
    に加水分解して、一般式(I)のR1がカルボキシル基
    である化合物を製造する方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の一般式(II)で表わされる
    化合物を製造するにあたり、化学式(IV) 【化4】 で表わされる7,14−ジエチル−3,10−ジヒドロ
    ベンゾジプテリジンを、アリケニルハライド、アルコキ
    シカルボニルアルキルハライドまたはシアノアルキルハ
    ライドと反応させることで、それぞれ対応するビニル
    体、アルコキシカルボニル体またはシアノ体を得ること
    を特徴とする一般式(II)の化合物の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項5で得たR2がアルコキシカルボニ
    ル基またはシアノ基である一般式(II)の化合物をさら
    に加水分解して、一般式(II)のR2がカルボキシル基
    である化合物を製造する方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018001039A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 中国電力株式会社 水質改良材及びその製造方法並びに水質改良方法

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