JP2006186069A - ソレノイド装置 - Google Patents
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Abstract
【効果】 上記摺動クリアランスδ1によってプランジャ17をガタツクことなく滑らかに摺動させることができ、しかも上記磁気クリアランスδ2によって、プランジャ17を前進させる推力が低減してしまうのを可及的に防止しながら、サイドフォースの発生を効果的に防止することができる。
【選択図】 図1
Description
ところで、仮にプランジャとプランジャ孔との間にアライメントの誤差があり、プランジャ孔に対してプランジャが僅かに傾いて組み付けられている場合には、それによってプランジャを前進させる推力の他にプランジャを半径方向に移動させようとするサイドフォースが発生するようになる。
上記プランジャを前進させる推力を可及的に低減させることなくサイドフォースの発生を低減するためには、コイルの磁路中に50〜300μm程度の大きさの磁気クリアランスを設けることが望ましい。しかしながら、仮に上記摺動クリアランスを50〜300μmの大きさに拡大してこれを磁気クリアランスとして利用した場合には、摺動クリアランスとしては大きすぎ、プランジャがガタついて結局はサイドフォースの発生を低減することができなかった。
そして上記サイドフォースの発生は、プランジャの前進時と後退時とにおけるヒステリシスを大きなものとするので、ソレノイド装置として良好なリニア特性を確保することが困難となっていた。
上記プランジャの外周面をプランジャ孔の内周面に所要の摺動クリアランスを持って摺動自在に軸支し、かつ互いに対向する上記プランジャの外周面とプランジャ孔の内周面とのいずれか一方に多数の凹部を形成して、この多数の凹部によって上記摺動クリアランスよりも大きな磁気クリアランスを形成したことを特徴とするものである。
これと同時に、プランジャ孔の内周面とプランジャの外周面との間に上記摺動クリアランスよりも大きな磁気クリアランスを形成しているので、それによって上記プランジャを前進させる推力を可及的に低減させることなく、サイドフォースの発生を低減することができる。
そしてこれにより、プランジャの前進時と後退時とにおけるヒステリシスを小さなものとすることができるので、ソレノイド装置として良好なリニア特性を確保することが可能となる。
上記筒状部材2内には段付孔5を形成してあり、この段付孔5は、筒状部材2の開口側からリヤ側に向けて順に大径孔5a、中径孔5b及び小径のプランジャ孔5cとから構成してある。
上記接続端子12を備えたボビン11をケース1内に収納するために、該接続端子12のボビン11との接続端子12aの通過を許容するスリット13を筒状部材2に設けてある。
そして上記コア4は、筒状部材2の大径孔5aに嵌合してあり、このコア4を大径孔5aと中径孔5bとの段部端面に当接させた状態で、上記スリット13のコア4よりもフロント側(左側)部分を半径方向内方にカシメることにより、コア4をケース1に一体に取付けている。
上記プランジャ17は、同一径からなるリヤ側部分17aとフロント側部分17bとを備えており、リヤ側部分17aを鉄などの磁性体で製造して、このリヤ側部分17aをコイル10が巻回されたボビン11内に摺動自在に貫通させている。なお、このリヤ側部分17aの表面には、ニッケルなどの非磁性材料からなる薄いメッキ処理や窒化処理といった表面処理を施してある。
他方、フロント側部分17bはSUSなどの非磁性体で製造してあり、このフロント側部分17bと上記リヤ側部分17aとを相互に一体に連結してある。
上記コア4の貫通孔4aの周囲には、リヤ側に向けて突出する断面三角形状の環状突起4bを突出形成してあり、この環状突起4bの先端部を、磁性体からなるプランジャ17のリヤ側部分17aにおけるフロント側の外周面に近接させることにより、両者間に良好な磁路を形成できるようにしてある。
すなわち、図2は図1のII−II線に沿う拡大断面図を示したもので、プランジャ17のリヤ側部分17aにおける外周面は、すなわち上記溝18と溝18との中間に位置するリヤ側部分17aの表面は、上記摺動クリアランスδ1を持ってプランジャ孔5cの内周面によって軸支されている。
ところで、仮に上記溝18がなければ、リヤ側部分17aの外周面とプランジャ孔5cの内周面との間の磁気クリアランスの大きさは、上記摺動クリアランスδ1の大きさに一致することになる。
しかしながら本実施例では、プランジャ17の外周面に軸方向に沿って多数の溝18を形成してあるので、上記磁気クリアランスδ2は溝18のない場合よりも大きくなり、したがってこの磁気クリアランスδ2は摺動クリアランスδ1よりも大きくなる。
上記磁気クリアランスδ2の大きさは、溝18の数や深さ、或いは溝の幅の大きさなどによって適宜の大きさに設定することができ、プランジャ17と筒状部材2のプランジャ孔5cやコア4の貫通孔4aとのアライメントの誤差などから生じるサイドフォースを低減するためには、50〜300μmの範囲の大きさに設定することが望ましい。
このときアライメントの誤差により、例えばプランジャ17のリヤ側部分17aがプランジャ孔5cの軸線に対して僅かに傾いて組立てられていたような場合には、それによってプランジャ17を前進させる推力の他にプランジャ17を半径方向に移動させようとするサイドフォースが発生するようになる。
しかるに本実施例では、上記プランジャのリヤ側部分17aの外周面とプランジャ孔5cの内周面との間に好適な大きさの磁気クリアランスδ2を形成しているので、プランジャ17を前進させる推力が低減してしまうのを可及的に防止しながら、上記サイドフォースの発生を効果的に防止することができる。
他方、プランジャ17はブシュ12によって好適な大きさの摺動クリアランスδ1を持って軸支されているので、プランジャ17はガタツクことなく滑らかに前進されるようになる。
しかしながら、上記溝18はリヤ側部分17aの全域に亘って設けてあるので、このコア4の部分においても上述したのと同様な理由によって、プランジャ17の前進力が低減するのを可及的に防止しながら、そのサイドフォースの発生を効果的に防止することができる。
この間、コイル10の通電電流の大きさを制御してプランジャ17の前進量(前進力)を制御することができるが、本実施例においてはサイドフォースの発生を効果的に抑制することができるので、プランジャ17の前進時と後退時とにおけるヒステリシスを小さくすることができ、したがって良好なリニア特性を確保することができる。
また、上記実施例ではプランジャ17側に溝18を形成しているが、プランジャ孔5cの内周面や貫通孔4aの内周面に形成しても良い。
さらに、上記溝18はプランジャ17の軸方向に形成してあるが、円周方向の溝であっても、また螺旋溝であっても良く、要するに多数の凹部が形成されていれば良い。
4 コア 4a 貫通孔
4b 環状突起 5 段付孔
5c プランジャ孔 10 コイル
17 プランジャ 17a リヤ側部分
17b フロント側部分 δ1 摺動クリアランス
δ2 磁気クリアランス
Claims (5)
- 磁性体からなるケースと、このケース内に収納されたコイルと、このコイル内に摺動自在に配置されるとともに、少なくともリヤ側部分が上記ケースに形成したプランジャ孔内に摺動自在に嵌合されて通常はリヤ側の非作動位置に保持されるプランジャとを備え、上記コイルに通電した際にプランジャを上記非作動位置からフロント側へ移動させるようにしたソレノイド装置において、
上記プランジャの外周面をプランジャ孔の内周面に所要の摺動クリアランスを持って摺動自在に軸支し、かつ互いに対向する上記プランジャの外周面とプランジャ孔の内周面とのいずれか一方に多数の凹部を形成して、この多数の凹部によって上記摺動クリアランスよりも大きな磁気クリアランスを形成したことを特徴とするソレノイド装置。 - 上記ケースは、有底の筒状部材とこの筒状部材の開口側を覆うコアとを備え、上記筒状部材に上記プランジャ孔が形成されるとともに上記コアに貫通孔が形成されており、
また上記プランジャは、磁性体からなるリヤ側部分と非磁性体からなるフロント側部分とを備え、リヤ側部分が上記プランジャ孔に摺動自在に設けられるとともにフロント側部分が上記貫通孔に摺動自在に設けられ、
さらに上記コアの貫通孔の周囲に、リヤ側に向けて突出する環状突起を突出形成して、この環状突起の先端部を、上記非作動位置に保持されているプランジャのリヤ側部分におけるフロント側の外周面に近接させたことを特徴とする請求項1に記載のソレノイド装置。 - 上記プランジャの外周面を貫通孔の内周面に所要の摺動クリアランスを持って摺動自在に軸支し、かつプランジャが前進した際に互いに対向する上記プランジャの外周面と貫通孔の内周面とのいずれか一方に多数の凹部を形成して、この多数の凹部によって上記摺動クリアランスよりも大きな磁気クリアランスを形成したことを特徴とする請求項2に記載のソレノイド装置。
- 上記凹部が、プランジャの軸方向に沿って平行に形成した多数の溝であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のソレノイド装置。
- 上記摺動クリアランスの大きさが10〜40μmの範囲であり、また磁気クリアランスの大きさが50〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のソレノイド装置。
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JP2008261415A (ja) * | 2007-04-11 | 2008-10-30 | Denso Corp | 電磁弁 |
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