JP2006185138A - 車両用情報提供装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両間通信システムを搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下で、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行う。
【解決手段】無線機2で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出し(ステップS4)、自車の運転者がこの特定車両に対して自車進路を譲歩すると判断して譲歩スイッチ6を操作したら、ヘッドライト8を作動(点灯、点滅、パッシング)させることで特定車両に目視可能な合図を送り(ステップS6)、尚且つこの譲歩スイッチ6の操作状態情報を無線機2によって特定車両へ送信する(ステップS7)。ヘッドライト8を作動させる際には、特定車両から自車が目視可能な相対位置関係にあるか否かを判断してから行う。
【選択図】図3
【解決手段】無線機2で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出し(ステップS4)、自車の運転者がこの特定車両に対して自車進路を譲歩すると判断して譲歩スイッチ6を操作したら、ヘッドライト8を作動(点灯、点滅、パッシング)させることで特定車両に目視可能な合図を送り(ステップS6)、尚且つこの譲歩スイッチ6の操作状態情報を無線機2によって特定車両へ送信する(ステップS7)。ヘッドライト8を作動させる際には、特定車両から自車が目視可能な相対位置関係にあるか否かを判断してから行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用情報提供装置に関するものである。
車両間通信システムの搭載車両と非搭載車両とが混在する状況下であっても、非搭載車両の位置や走行状態を把握するために、各搭載車両が他車両との車間距離や方向を検出する測距手段を備え、この測距手段によって検出した非搭載車両の情報を、他の搭載車両と交換することで、自車両の近辺に存在しつつも自らの測距手段で検出できなかった非搭載車両の位置や走行状態を把握するシステムが考案されている(特許文献1参照)。
特開平11−265497号公報
ところで、例えば優先道路に進入しようとして一時停止している車両Aと、優先道路を走行していると車両Bと、車両Bの後方を走行している車両Cとが存在し、車両Aと車両Cとが車両間通信システムを搭載し、車両Bが非搭載であるとする。このとき、車両Cが車両Aに道を譲ろうとして、その旨の信号を車両Aに送信したとしても、車両Aの運転者にとっては、車両Bと車両Cのどちらが道を譲ろうとしているのかが判断しにくい。
このことは、上記特許文献1に記載された従来例のように、非搭載車両の位置や走行状態を把握している場合であっても同様であり、道を譲るか否かの意志伝達に誤解が生じる虞がある。
そこで、本発明は上記の点に着目してなされたものであり、車両間通信システムを搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下で、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことのできる車両用情報提供装置の提供を課題としている。
そこで、本発明は上記の点に着目してなされたものであり、車両間通信システムを搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下で、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことのできる車両用情報提供装置の提供を課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の車両用情報提供装置は、車両間で車両情報を送受信する通信手段と、通信手段で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出する特定車両検出手段と、自車の運転者が他車に対して自車進路を譲歩すると判断したときに操作する操作子と、操作子が操作されるときに少なくとも特定車両に目視可能な合図を送る合図手段と、通信手段が特定車両へ送信する自車の車両情報に操作子の操作状態情報を入力する操作状態情報入力手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の車両用情報提供装置は、車両間で車両情報を送受信する通信手段と、通信手段で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出する特定車両検出手段と、運転者によって操作される操作子と、該操作子が奏されるときに他車に目視可能な合図を送る合図手段と、合図手段で合図を送るときに特定車両検出手段で検出した特定車両に対して自車進路を譲歩する意思が運転者にあるか否かを自車の走行状態から推定する譲歩意図推定手段と、通信手段が特定車両へ送信する自車の車両情報に譲歩意図推定手段による推定結果情報を入力する推定結果情報入力手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、自車進路を譲歩するとは、自車進路前方に合流しようとしたり自車進路前方を横切ろうとしたりする他車に対して道を譲ることを指している。
ここで、自車進路を譲歩するとは、自車進路前方に合流しようとしたり自車進路前方を横切ろうとしたりする他車に対して道を譲ることを指している。
本発明の車両用情報提供装置によれば、自車の運転者が特定車両に進路を譲歩しようとして操作子を操作すると、特定車両に対して目視可能な合図が送られ、尚且つ操作子の操作状態情報が通信手段によって送信されるので、自車進路を譲歩しようとする意思を確実に特定車両の運転者に認識させることができる。したがって、通信手段を搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下であっても、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことができる。
また、本発明の車両用情報提供装置によれば、自車の運転者が何らかの理由で操作子を操作して目視可能な合図を他車に送ると、特定車両に対して自車進路を譲歩する意思がこの運転者にあるか否かが自車の走行状態から推定され、この推定結果情報が通信手段によって送信されるので、この自車の送った合図が、特定車両に自車進路を譲歩しようとしている意味なのか、それとも単に注意を促そうとしている意味なのか、更には別の他車への何らかの合図なのかを、特定車両の運転者に認識させることができる。したがって、通信手段を搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下であっても、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。自車状態計測部1は、図示しない車速センサと、ブレーキセンサと、アクセルセンサと、GPS衛星からの信号を受信して自車の地図上の位置を検出するナビゲーションシステムとを備えている。
無線機2は、車両間で任意の車両情報を送受信する。例えば、自車位置信号、車速信号、ドライバのブレーキペダル操作信号、アクセルペダル操作信号などである。
図1は、第1実施形態の概略構成を示すブロック図である。自車状態計測部1は、図示しない車速センサと、ブレーキセンサと、アクセルセンサと、GPS衛星からの信号を受信して自車の地図上の位置を検出するナビゲーションシステムとを備えている。
無線機2は、車両間で任意の車両情報を送受信する。例えば、自車位置信号、車速信号、ドライバのブレーキペダル操作信号、アクセルペダル操作信号などである。
接触予測点演算部3は、自車状態計測部1からの信号と無線機2で受信した他車情報とを入力し、自車及び他車の進行方向を計算することで接触予測点を演算する。この接触予測点演算部3は、図2に示すように、他車進路方向予測部3aと、接触予測点算出部3bとで構成されている。なお、接触予測点とは、予測される自車進路と他車進路との交点のことである。
特定車両検出部4は、自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる他車を、特定車両として検出する。
ディスプレイ5は、無線機2による車両間通信が可能な他車の存在をマップ化して表示する。
譲歩スイッチ6は、自車の運転者が他車に対して自車進路を譲歩すると判断したときに操作される。
ヘッドライト制御部7は、自車と特定車両との相対的な位置関係に基づいてヘッドライト8の作動を駆動制御する。
送信情報生成部9は、無線機2によって他車へ送信する情報を生成する。
ディスプレイ5は、無線機2による車両間通信が可能な他車の存在をマップ化して表示する。
譲歩スイッチ6は、自車の運転者が他車に対して自車進路を譲歩すると判断したときに操作される。
ヘッドライト制御部7は、自車と特定車両との相対的な位置関係に基づいてヘッドライト8の作動を駆動制御する。
送信情報生成部9は、無線機2によって他車へ送信する情報を生成する。
次に、実行される演算処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。
ここでは、図4に示すように、例えば優先道路につながるT字路で、T字路を左折して優先道路に進入しようと一事停止している他車Aと、優先道路をT字路に向かって走行している他車Bとが存在し、他車Bの後方を自車両が走行しており、自車が他車Aに道を譲ろうとする走行シーンについて説明する。なお、他車Aと自車とは車両間通信が可能な無線機2を搭載し、車両Bは非搭載とする。
ここでは、図4に示すように、例えば優先道路につながるT字路で、T字路を左折して優先道路に進入しようと一事停止している他車Aと、優先道路をT字路に向かって走行している他車Bとが存在し、他車Bの後方を自車両が走行しており、自車が他車Aに道を譲ろうとする走行シーンについて説明する。なお、他車Aと自車とは車両間通信が可能な無線機2を搭載し、車両Bは非搭載とする。
先ずステップS1では、自車状態計測部1において、ナビゲーションシステムによって得られた自車位置を、X−Y座標上のPh[xh,yh]に代入する。ここで、自車位置Phが車両の重心点を指すように、GPSアンテナを車両の重心点に設置するか、或いは重心点に換算した値を代入する。更に、車速センサで検出した車速信号をVhに代入し、ブレーキセンサで検出したブレーキ操作信号をBhに代入し、アクセルセンサで検出したアクセル操作信号をAhに代入する。
続くステップS2では、他車が送信する車両情報を受信し、各車両のID番号i(i=1、2、3、…)毎に、他車位置をX−Y座標上のPti[xti,yti]に代入し、車速信号をVtiに代入し、ブレーキ操作信号をBtiに代入し、アクセル操作信号をAtiに代入する。
続くステップS3では、先ず接触予測点演算部3の他車進路方向予測部3aで、今回サンプリングした他車位置Pti[xti(n),yti(n)]と前回サンプリングした他車位置Pti[xti(n-1),yti(n-1)]とから各他車の進行方向を予測する。他車が直進すると仮定した場合、進行方向は下記(1)式で表される。
Yi=αti・X+βti ………(1)
続くステップS3では、先ず接触予測点演算部3の他車進路方向予測部3aで、今回サンプリングした他車位置Pti[xti(n),yti(n)]と前回サンプリングした他車位置Pti[xti(n-1),yti(n-1)]とから各他車の進行方向を予測する。他車が直進すると仮定した場合、進行方向は下記(1)式で表される。
Yi=αti・X+βti ………(1)
ここで、αtiはサンプリング周期におけるX方向の変化量に対するY方向の変化量であり、このαtiは下記(2)式に従って算出する。
αti=( yti(n)−yti(n-1))/(xti(n)−xti(n-1))
………(2)
また、βtiは下記(3)式に従って算出する。
βti=yti−αti・xti ………(3)
αti=( yti(n)−yti(n-1))/(xti(n)−xti(n-1))
………(2)
また、βtiは下記(3)式に従って算出する。
βti=yti−αti・xti ………(3)
そして、接触予測点演算部3の接触予測点算出部3bで、自車位置Phから他車の進路方向におろした垂線との交点を接触予想点CPiとして算出する。先ず、自車位置Ph[xh,yh]から他車進路を表す前記(1)式への垂線は、下記(4)式で表される。
Yi=αhi・Xi+βhi ………(4)
ここで、傾きαhiは下記(5)式に従って算出する。
αhi=−1/αti ………(5)
また、βhiは下記(6)式に従って算出する。
βhi=yhi−αhi・xhi ………(6)
Yi=αhi・Xi+βhi ………(4)
ここで、傾きαhiは下記(5)式に従って算出する。
αhi=−1/αti ………(5)
また、βhiは下記(6)式に従って算出する。
βhi=yhi−αhi・xhi ………(6)
したがって、上記(1)式と(4)式より、接触予測点CPiの座標Xcpiと座標Ycpiとは、下記(7)式、(8)式に従って算出する。
Xcpi=(βti−βhi)/(αhi−αti) ………(7)
Ycpi=αhi・Xcpi+βhi ………(8)
続くステップS4では、特定車両検出部4で、自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる他車を特定車両として検出する。
Xcpi=(βti−βhi)/(αhi−αti) ………(7)
Ycpi=αhi・Xcpi+βhi ………(8)
続くステップS4では、特定車両検出部4で、自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる他車を特定車両として検出する。
先ずステップS41で、自車位置Ph[xh,yh]と、各接触予測点CPi[Xcpi,Ycpi]との距離Lhiを、下記(9)式に従って算出する。そして、距離Lhが最も短い接触予測点CPへ向かっている他車を候補車両として検出する。
Lhi=√{(Xcpi−xh)2+(Ycpi−yh)2 }
………(9)
続くステップS42で、候補車両との接触予測点CP[Xcp,Ycp]へ自車が到達するまでの時間Thを下記(10)式に従って算出する。
Th=Lh/Vh ………(10)
Lhi=√{(Xcpi−xh)2+(Ycpi−yh)2 }
………(9)
続くステップS42で、候補車両との接触予測点CP[Xcp,Ycp]へ自車が到達するまでの時間Thを下記(10)式に従って算出する。
Th=Lh/Vh ………(10)
続くステップS43で、到達時間Thが所定値Td未満であるか否かを判定する。この判定結果がTh≧Tdであるときには、候補車両が、自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両ではないと判断してそのままステップS4の処理を終了する。一方、判定結果がTh<TdであるときにはステップS44に移行する。
ステップS44では、候補車両の接触予測点CP[Xcp,Ycp]までの距離Ltを下記(11)式に従って算出する。
Lt=√{(Xcp−xt)2+(Ycp−yt)2 } ………(11)
ステップS44では、候補車両の接触予測点CP[Xcp,Ycp]までの距離Ltを下記(11)式に従って算出する。
Lt=√{(Xcp−xt)2+(Ycp−yt)2 } ………(11)
続くステップS45では、距離Ltが所定値Ld未満で、且つ候補車両の車速Vtが所定値Vd未満であるか否かを判定する。ここで、所定値Vdは他車両が略停車しているか否かを判断する値である。この判定結果がLt≧Ldである、又はVt≧Vdであるときには、候補車両が、自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両ではないと判断してそのままステップS4の処理を終了する。一方、判定結果がLt<Ldで且つVt<VdであるときにはステップS46に移行する。
ステップS46では、特定車両のID番号を記録してからステップS4の処理を終了する。
続くステップS5では、図5に示すように、ディスプレイ5に、自車と特定車両とを表示させる。なお、特定車両のみならず、車両間通信を行った他車両を例えば色を変えて表示してもよい。
ステップS46では、特定車両のID番号を記録してからステップS4の処理を終了する。
続くステップS5では、図5に示すように、ディスプレイ5に、自車と特定車両とを表示させる。なお、特定車両のみならず、車両間通信を行った他車両を例えば色を変えて表示してもよい。
続くステップS6では、自車の運転者が譲歩スイッチ6を操作したか否か(押したか否か)を判定し、譲歩スイッチ6が操作されている場合、ヘッドライト制御部7でヘッドライト8の作動を駆動制御する。具体的には、特定車両から自車が目視可能な相対位置関係になったと判断してからヘッドライト8を所定時間だけ作動(点灯、点滅、パッシング等)させる。特定車両から自車が目視可能な相対位置関係であるか否かは、例えば特定車両の接触予測点CP[Xcp,Ycp]までの距離Ltが、図6に示すように、道路幅Lの1/4以下になったときに、特定車両から自車が目視可能な相対位置関係であると判断する。道路幅Lは、ナビゲーションシステムで自車走行中の道路種別を検知し、道路種別に応じて予め設定された値を代入してもよい。また、一般に車速が高ければ道路幅が広いと考えられるので、運転者が譲歩スイッチ6を押す前の自車速Vhや所定時間内の平均車速に応じて道路幅を設定してもよい。
続くステップS7では、送信情報生成部9で、自車位置Phと、自車速Vhと、ブレーキ操作信号Bhと、アクセル操作信号Ahと、譲歩する特定車両のID番号(他車AはID=1)と、譲歩スイッチ6の操作状態信号と、を送信情報として生成し、無線機2によって少なくとも他車Aに送信してから所定のメインプログラムに復帰する。
以上より、無線機2と送信情報生成部9とステップS2、S7の処理とが「通信手段」に対応し、特定車両検出部4とステップS4の処理とが「特定車両検出手段」に対応し、譲歩スイッチ6が「操作子」に対応し、ヘッドライト8とヘッドライト制御部7とステップS6の処理とが「合図手段」に対応し、送信情報生成部9とステップS7の処理とが「操作状態情報入力手段」に対応している。
以上より、無線機2と送信情報生成部9とステップS2、S7の処理とが「通信手段」に対応し、特定車両検出部4とステップS4の処理とが「特定車両検出手段」に対応し、譲歩スイッチ6が「操作子」に対応し、ヘッドライト8とヘッドライト制御部7とステップS6の処理とが「合図手段」に対応し、送信情報生成部9とステップS7の処理とが「操作状態情報入力手段」に対応している。
次に、上記第1実施形態の動作や作用効果について説明する。
図4に示すように、例えば優先道路につながるT字路で、T字路を左折して優先道路に進入しようと一事停止している他車Aと、優先道路をT字路に向かって走行している他車Bとが存在し、他車Bの後方を自車両が走行しており、自車が他車Aに道を譲ろうとする走行シーンについて説明する。なお、他車Aと自車とは車両間通信が可能な無線機2を搭載し、車両Bは非搭載とする。
図4に示すように、例えば優先道路につながるT字路で、T字路を左折して優先道路に進入しようと一事停止している他車Aと、優先道路をT字路に向かって走行している他車Bとが存在し、他車Bの後方を自車両が走行しており、自車が他車Aに道を譲ろうとする走行シーンについて説明する。なお、他車Aと自車とは車両間通信が可能な無線機2を搭載し、車両Bは非搭載とする。
自車の運転者が他車両Aに進路を譲歩しようとして譲歩スイッチ6を操作すると、譲歩スイッチ6の操作状態情報が無線機2によって送信されるので、他車Aの側では譲歩されている旨が音声や画像によって報知され、自車の運転者に譲歩意思がある旨を伝達することができる。このとき、自車のヘッドライト8が作動することによって、他車Aに対して目視可能な合図が送られるので、他車Aの側ではどの車両が進路を譲歩しようとしているのかを容易に判別することができる。したがって、図4に示すように、車両間の通信機能を備えた車両とそうでない車両とが混在している状況下であっても、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことができる。
しかも、他車Aから自車が目視可能な相対位置関係になったと判断されてから、ヘッドライト8が作動するので、ヘッドライト8の無用な作動を抑制できると共に、上記の効果を確実に得ることができる。
また、少なくとも可視光線によって目視可能な合図を送るので、夜間や悪天候の中でも上記の効果を容易に得ることができる。
また、少なくとも可視光線によって目視可能な合図を送るので、夜間や悪天候の中でも上記の効果を容易に得ることができる。
さらに、ヘッドライト8を作動させて合図を送るという、一般に広く認められている譲歩合図を利用することで、上記の効果を確実に得ることができる。
なお、上記の第1実施形態では、ヘッドライト8を作動させて合図を送っているが、これに限定されるものではなく、合図を送る対象車両に赤外線画像を表示可能なディスプレイが搭載されている場合には、この車両に向かって赤外線ライトを照射することによって合図を送ることができる。要は、合図を送る対象車両に目視可能な合図を送ることができれば、如何なる手法をとってもよい。
なお、上記の第1実施形態では、ヘッドライト8を作動させて合図を送っているが、これに限定されるものではなく、合図を送る対象車両に赤外線画像を表示可能なディスプレイが搭載されている場合には、この車両に向かって赤外線ライトを照射することによって合図を送ることができる。要は、合図を送る対象車両に目視可能な合図を送ることができれば、如何なる手法をとってもよい。
また、上記の第1実施形態では、図4に示すように、車両間の通信機能を備えていない他車Bが、自車の前方を走行している場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他車Bが自車の後方を走行している場合でも、前述した効果を得ることができる。
また、上記の第1実施形態では、図4に示すようなT字路で、自車進路前方に他車が合流しようとする走行シーンについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すような十字路で、直進走行する自車進路前方に対向する他車両が右折しようとする走行シーンでも、前述した効果を得ることができる。
また、上記の第1実施形態では、図4に示すようなT字路で、自車進路前方に他車が合流しようとする走行シーンについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すような十字路で、直進走行する自車進路前方に対向する他車両が右折しようとする走行シーンでも、前述した効果を得ることができる。
次に、本発明の第2実施形態を図8〜に基づいて説明する。
この第2実施形態は、運転者が何らかの理由でヘッドライト8を作動させた場合に、この操作が、特定車両に自車進路を譲歩しようとしている意味なのかどうかを推定し、その推定結果を特定車両に送信するというものである。
すなわち、第2実施形態の概略構成を図8に示すように、前述した図1における譲歩スイッチ6とヘッドライト制御部7とを省略して、新たにヘッドライトスイッチ10と譲歩意図推定部11とを追加したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の構成を有するので、対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この第2実施形態は、運転者が何らかの理由でヘッドライト8を作動させた場合に、この操作が、特定車両に自車進路を譲歩しようとしている意味なのかどうかを推定し、その推定結果を特定車両に送信するというものである。
すなわち、第2実施形態の概略構成を図8に示すように、前述した図1における譲歩スイッチ6とヘッドライト制御部7とを省略して、新たにヘッドライトスイッチ10と譲歩意図推定部11とを追加したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の構成を有するので、対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
また、第2実施形態で実行される演算処理を図9に示すように、前述した図3におけるステップS6の処理を新たなステップS60(S61〜S67)に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
このステップS60では、譲歩意図推定部11で、ヘッドライトスイッチ10が操作されたときに、特定車両に対して自車進路を譲歩する意思が運転者にあるか否かを車両の走行状態から推定する。
このステップS60では、譲歩意図推定部11で、ヘッドライトスイッチ10が操作されたときに、特定車両に対して自車進路を譲歩する意思が運転者にあるか否かを車両の走行状態から推定する。
先ずステップS61で、ヘッドライトスイッチ10が運転者によって操作されたか否かを判定する。ここで、ヘッドライトスイッチ10の操作とは、ヘッドライトの点灯操作や点滅操作やパッシング操作などのことであり、ヘッドライトスイッチ10が非操作状態であるときには、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断してステップS62に移行する。
ステップS62では、運転者に譲歩意思があるか否かを推定した推定結果を示す推定フラグFを“0”にリセットしてからこのステップS60の処理を終了する。この推定フラグは、F=0となるときに運転者に譲歩意思がない旨を示し、F=1となるときに運転者に譲歩意思がある旨を示す。
一方、上記ステップS60の判定で、ヘッドライトスイッチ10が操作されているときには、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS63に移行する。
一方、上記ステップS60の判定で、ヘッドライトスイッチ10が操作されているときには、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS63に移行する。
ステップS63では、ヘッドライトスイッチ10が操作される前に急なブレーキ操作がなかったか否かを判定する。具体的には、現時点から所定時間Tr前までの間に、ブレーキ操作速度DBhが絶えず所定値以下であったか否かを判定する。この場合、サンプリング周期ΔT毎のブレーキ操作速度DBhを、下記(12)式に従って算出し、現時点から所定時間Tr前までのTr/ΔT個のブレーキ操作速度DBhのデータを蓄積しておき、そのうちの最大値のものが所定値以下であったか否かを判定する。
DBd=(Bh(n)−Bh(n-1))/ΔT ………(12)
DBd=(Bh(n)−Bh(n-1))/ΔT ………(12)
一般に、ヘッドライト8を作動させて他車へ譲歩意思を示す前後に、急激なブレーキ操作があるとは考えられないので、ブレーキ操作速度DBhが所定値を超えるような急なブレーキ操作があったと判定されたら、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断して前記ステップS62に移行する。一方、ブレーキ操作速度DBhが所定値を超えるような急なブレーキ操作はなかったと判定されたら、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS64に移行する。
ステップS64では、ヘッドライトスイッチ10が操作される前に急なアクセル戻し操作がなかったか否かを判定する。具体的には、現時点から所定時間Tr前までの間に、アクセル戻し操作速度DAhが絶えず所定値以下であったか否かを判定する。この場合、サンプリング周期ΔT毎のアクセル戻し操作速度DAhを、下記(13)式に従って算出し、現時点から所定時間Tr前までのTr/ΔT個のアクセル戻し操作速度DAhのデータを蓄積しておき、そのうちの最大値のものが所定値以下であったか否かを判定する。
DAd=(Ah(n)−Ah(n-1))/ΔT ………(13)
DAd=(Ah(n)−Ah(n-1))/ΔT ………(13)
前述したブレーキ操作の場合と同様に、ヘッドライト8を作動させて他車へ譲歩意思を示す前後に、急激なアクセル戻し操作があるとは考えられないので、アクセル戻し操作速度DAhが所定値を超えるような急なアクセル戻し操作があったと判定されたら、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断して前記ステップS62に移行する。一方、アクセル戻し操作速度DAhが所定値を超えるような急なアクセル戻し操作はなかったと判定されたら、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS65に移行する。
ステップS65では、現在の減速度Ghを、下記(14)式に従って算出し、減速度Ghが所定値以下であるか否かを判定する。
Gh=(Vh(n)−Vh(n-1))/ΔT ………(14)
運転者が他車に自車進路を譲歩する際には、比較的小さな減速度で減速すると考えられるので、減速度Gが所定値を超えているときには、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断して前記ステップS62に移行する。一方、減速度Gが所定値以下であるときには、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS66に移行する。
Gh=(Vh(n)−Vh(n-1))/ΔT ………(14)
運転者が他車に自車進路を譲歩する際には、比較的小さな減速度で減速すると考えられるので、減速度Gが所定値を超えているときには、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断して前記ステップS62に移行する。一方、減速度Gが所定値以下であるときには、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS66に移行する。
ステップS66では、特定車両との接触予測点CP[Xcp,Ycp]に到達するまでに自車が充分に減速するか否かを判定する。すなわち、車速Vhから減速度Ghで減速して接触予測点CPに到達するときの車速Vhhを、下記(15)式によって算出し、この車速Vhhが所定値以下であるか否かを判定する。
Vhh=√(Vh2−2・Gh・Lh) ………(15)
Vhh=√(Vh2−2・Gh・Lh) ………(15)
ここで、車速Vhhが所定値を超えているときには、特定車両との接触予測点CPに到達するまでに自車が充分に減速することはないので、運転者には自車進路を譲歩する意思がないと判断して前記ステップS62に移行する。一方、車速Vhhが所定値以下であるときには、特定車両との接触予測点CPに到達するまでに自車が充分に減速するので、運転者が自車進路を譲歩しようとしている可能性があると判断してステップS67に移行する。
ステップS67では、推定フラグFを“1”にセットしてからこのステップS60の処理を終了する。
続くステップS7では、送信情報生成部9で、自車位置Phと、自車速Vhと、ブレーキ操作信号Bhと、アクセル操作信号Ahと、譲歩する特定車両のID番号(他車AはID=1)と、推定フラグの設定信号とを送信情報として生成し、無線機2によって少なくとも他車Aに送信してから所定のメインプログラムに復帰する。
以上より、ヘッドライトスイッチ10が「操作子」に対応し、ヘッドライト8が「合図手段」に対応し、譲歩意図推定部11とステップS60の処理とが「譲歩意図推定手段」に対応し、送信情報生成部9とステップS7の処理とが「推定結果情報入力手段」に対応している。
続くステップS7では、送信情報生成部9で、自車位置Phと、自車速Vhと、ブレーキ操作信号Bhと、アクセル操作信号Ahと、譲歩する特定車両のID番号(他車AはID=1)と、推定フラグの設定信号とを送信情報として生成し、無線機2によって少なくとも他車Aに送信してから所定のメインプログラムに復帰する。
以上より、ヘッドライトスイッチ10が「操作子」に対応し、ヘッドライト8が「合図手段」に対応し、譲歩意図推定部11とステップS60の処理とが「譲歩意図推定手段」に対応し、送信情報生成部9とステップS7の処理とが「推定結果情報入力手段」に対応している。
次に、上記第2実施形態の動作や作用効果について説明する。
自車の運転者が何らかの理由でヘッドライトスイッチ10を操作して他車に目視可能な合図を送ると、この運転者には自車進路を譲歩する意思があるか否かが自車の走行状態から推定され(ステップS60)、この推定結果を示す推定フラグFの設定情報が無線機2によって送信される。この推定フラグFが“1”にセットされていれば、自車の送った合図が、他車Aに自車進路を譲歩しようとしていることを意味し、推定フラグFが“0”にリセットされていれば、自車の送った合図が、単に他車Aに注意を促そうとしている、又は別の他車への何らかの合図であることを意味する。したがって、他車Aの側では、ヘッドライト8による合図を目にしても、それが自車に対する譲歩の合図であるか否かを程度認識することができる。したがって、通信手段を搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下であっても、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことができる。
自車の運転者が何らかの理由でヘッドライトスイッチ10を操作して他車に目視可能な合図を送ると、この運転者には自車進路を譲歩する意思があるか否かが自車の走行状態から推定され(ステップS60)、この推定結果を示す推定フラグFの設定情報が無線機2によって送信される。この推定フラグFが“1”にセットされていれば、自車の送った合図が、他車Aに自車進路を譲歩しようとしていることを意味し、推定フラグFが“0”にリセットされていれば、自車の送った合図が、単に他車Aに注意を促そうとしている、又は別の他車への何らかの合図であることを意味する。したがって、他車Aの側では、ヘッドライト8による合図を目にしても、それが自車に対する譲歩の合図であるか否かを程度認識することができる。したがって、通信手段を搭載した車両と搭載していない車両とが混在している状況下であっても、道を譲るか否かの意志伝達をより正確に行うことができる。
また、ブレーキ操作速度DBh、アクセル操作速度DAh、減速度G、車速Vhhに基づいて、運転者に自車進路を譲歩する意思があるか否かを推定しているので、これを容易に且つ正確に推定することができる。
なお、上記の第2実施形態では、ステップS63の処理で、ブレーキ操作速度DBhに基づいて運転者に自車進路を譲歩する意志があるか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、運転者のブレーキ操作状態に基づいて推定すればよいので、ブレーキ操作加速度に基づいて推定してもよい。
なお、上記の第2実施形態では、ステップS63の処理で、ブレーキ操作速度DBhに基づいて運転者に自車進路を譲歩する意志があるか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、運転者のブレーキ操作状態に基づいて推定すればよいので、ブレーキ操作加速度に基づいて推定してもよい。
また、上記の第2実施形態では、ステップS64の処理で、アクセル戻し操作速度DAhに基づいて運転者に自車進路を譲歩する意志があるか否かを推定しているが、これに限定されるものではなく、運転者のアクセル操作状態に基づいて推定すればよいので、アクセル戻し操作加速度に基づいて推定してもよい。
さらに、上記の第2実施形態では、ステップS63〜S66の各判定処理のAND条件が成立するときに、運転者が自車進路を譲歩しようとしていると推定しているが、これに限定されるものではない。要は、ブレーキ操作状態、アクセル操作状態、車両減速度、及び車速の少なくとも1つから推定すればよいので、ステップS63〜S66の各判定処理のOR条件が成立するときに、運転者が自車進路を譲歩しようとしていると推定したり、少なくとも1つの判定処理を実行して推定したりしてもよい。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
さらに、上記の第2実施形態では、ステップS63〜S66の各判定処理のAND条件が成立するときに、運転者が自車進路を譲歩しようとしていると推定しているが、これに限定されるものではない。要は、ブレーキ操作状態、アクセル操作状態、車両減速度、及び車速の少なくとも1つから推定すればよいので、ステップS63〜S66の各判定処理のOR条件が成立するときに、運転者が自車進路を譲歩しようとしていると推定したり、少なくとも1つの判定処理を実行して推定したりしてもよい。
その他の作用効果については前述した第1実施形態と同様である。
1 自車状態計測部
2 無線機
3 接触予測点演算部
4 特定車両検出部
5 ディスプレイ
6 譲歩スイッチ
7 ヘッドライト制御部
8 ヘッドライト
9 送信情報生成部
10 ヘッドライトスイッチ
11 譲歩意図推定部
2 無線機
3 接触予測点演算部
4 特定車両検出部
5 ディスプレイ
6 譲歩スイッチ
7 ヘッドライト制御部
8 ヘッドライト
9 送信情報生成部
10 ヘッドライトスイッチ
11 譲歩意図推定部
Claims (7)
- 車両間で車両情報を送受信する通信手段と、該通信手段で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出する特定車両検出手段と、自車の運転者が他車に対して自車進路を譲歩すると判断したときに操作する操作子と、該操作子が操作されるときに少なくとも前記特定車両に目視可能な合図を送る合図手段と、前記通信手段が前記特定車両へ送信する自車の車両情報に前記操作子の操作状態情報を入力する操作状態情報入力手段と、を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
- 前記合図手段は、前記特定車両から自車が目視可能な相対位置関係になったと判断してから合図を送ることを特徴とする請求項1に記載の車両用情報提供装置。
- 車両間で車両情報を送受信する通信手段と、該通信手段で受信した車両情報から自車進路を譲歩するか否かの判断が必要となる特定車両を検出する特定車両検出手段と、運転者によって操作される操作子と、該操作子が操作されるときに他車に目視可能な合図を送る合図手段と、該合図手段で合図を送るときに前記特定車両検出手段で検出した特定車両に対して自車進路を譲歩する意思が運転者にあるか否かを自車の走行状態から推定する譲歩意図推定手段と、前記通信手段が前記特定車両へ送信する自車の車両情報に前記譲歩意図推定手段による推定結果情報を入力する推定結果情報入力手段と、を備えることを特徴とする車両用情報提供装置。
- 前記合図手段は、少なくとも可視光線によって目視可能な合図を送ることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用情報提供装置。
- 前記合図手段は、ヘッドライトを作動させて目視可能な合図を送ることを特徴とする請求項4に記載の車両用情報提供装置。
- 前記合図手段は、赤外線画像を表示可能なディスプレイを搭載した車両には、赤外線によって目視可能な合図を送ることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の車両用情報提供装置。
- 前記譲歩意図推定手段は、ブレーキ操作状態、アクセル操作状態、車両減速度、及び車速の少なくとも1つから、前記特定車両に対して自車進路を譲歩する意思が運転者にあるか否かを推定することを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の車両用情報提供装置。
Priority Applications (1)
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