JP2006184994A - ステージの位置決め方法およびその位置決め装置 - Google Patents

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吉男 中島
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憲 藤井
Hajime Shimada
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Abstract

【課題】急激な加速度変化を防止したステージの位置決め方法およびその位置決め装置を提供する。
【解決手段】ジャーク一定速度指令29と比率演算器27の出力値30の掛算を行った速度指令値Vfを加算器35へ出力し、減速度一定速度指令32と比率演算器28の出力値33の掛算を行った速度指令値Vgを加算器35へ出力し、加算器35では速度指令値Vfと速度指令値Vgを足し算し、減速時速度指令Vhを速度指令切替器9へ出力するようにし、減速時速度指令Vhは、減速開始時では速度指令値Vfの比率が大きく速度指令値Vgの比率が小さいが、ステージ18が減速されて位置偏差8の値ΔXが小さくなるにしたがって、速度指令値Vfの比率が小さく速度指令値Vgの比率が大きくなるようにし、減速度一定速度指令値Vvとなったとき、位置偏差ΔXが速度制御系の速度指令から位置制御系の速度指令に切り替わる値X1になるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体製造装置や精密工作機械で利用されるステージの位置決め方法およびその位置決め装置に関する。
従来のステージの位置決め方法として、目標位置近傍まではある速度パターンを用いて速度制御を行い、目標位置近傍で位置制御系に切り替える方式が多く用いられており、速度制御系と位置制御系の切り替え点でのショックを小さくする方法が多数提案されている。例えば、位置偏差をe、加速度をa、位置制御系の比例ゲインをKpとした場合、速度制御系の減速指令値として2aeの平方根からa/(2Kp)を引いた値で与える。そして、速度制御系から位置制御系への切替は、目標位置に対する位置偏差がa/(2Kp)の地点で行う。これにより、速度制御系から位置制御系への切り替え時のショックを小さくする方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この従来のステージの位置決め方法では、時間に対する速度と加速度の関係は図8に示すようになり、時刻t0から時刻t1まで一定加速度でステージを加速し、時刻t1から時刻t2まで一定速度でステージを駆動し、時刻t2から時刻t3までほぼ一定減速度でステージを減速し、時刻t0から時刻t3までは速度制御系でステージを駆動している。位置偏差が上述した条件を満たした時刻t3で速度制御系から位置制御系に切り替え、時刻t4で位置決めを完了しており、時刻t3での速度制御系から位置制御系への切り替え時のショックを小さくすることについて述べている。
特開平8−106326号公報
しかしながら、上述したステージの位置決め方法では、ステージの移動速度パターンとしてステージを一定加速度で加速した後、一定速度で移動し、さらにその後に一定減速度で減速となっているため、時刻t0、t1、t2での加速度変化が急激となり、ステージを加振し、そのステージ反力により装置が振動してしまうことがある。特に、半導体製造装置においては、このような振動を極力小さくする必要があり、低振動のステージ制御方法が要求されている。
本発明の目的は、急激な加速度変化を防止すると共に、速度制御系から位置制御系への切り替え時のショックを小さくしたステージの位置決め方法およびその位置決め装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えてステージの位置制御を行うステージの位置決め方法において、ステージの減速時はジャーク一定の速度指令値と減速度一定の速度指令値を演算し、減速開始初期は上記ジャーク一定の速度指令値の比率を大きくし、位置偏差が小さくなるにつれて上記減速度一定の速度指令値の比率を大きくした速度指令値の加算値でステージを駆動し、減速終期に上記位置制御系の速度指令値に切り替えるようにしたことを特徴とする。
また請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、上記減速終期での切り替えは、上記減速度一定の速度指令値から上記位置制御系の速度指令値に、両者の速度および加速度がほぼ一致する位置偏差で行うようにしたことを特徴とする。
また請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載のものにおいて、上記ジャーク一定の速度指令値は時間関数で演算し、上記減速度一定の速度指令値は位置偏差に対する関数で演算するようにしたことを特徴とする。
さらに請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のものにおいて、位置制御偏差をΔX、減速度をa、位置制御系の比例ゲインをKpとしたとき、減速度一定の速度指令値Vvは、Vv=(2a(ΔX−a/(2*(Kp))))1/2の式で演算し、速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値への切り替えは、位置制御偏差ΔXがa/Kpに達した位置で行うことを特徴とする。
さらに請求項5に記載の本発明は、ジャーク一定の速度指令値を出力してステージを駆動する加速時速度演算器と、減速時の速度指令値を出力して上記ステージを駆動する減速時速度演算器と、上記加速時速度演算器および上記減速時速度演算器による速度指令値を切り替える速度指令切替器とを備え、減速時に速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えてステージの位置制御を行うステージの位置決め装置において、上記減速時速度演算器は、第一の速度指令値Vfと第二の速度指令値Vgを減速時速度指令Vhとし、この減速時速度指令Vhを、減速開始初期では第一の速度指令値Vfの比率が大きく第二の速度指令値Vgの比率を小さくし、ステージが減速されて位置偏差ΔXが小さくなるにしたがって第一の速度指令値Vfの比率が小さく第二の速度指令値Vgの比率が大きくなるようにして上記速度指令切替器へ出力するように構成し、減速終期に位置制御系の速度指令値に切り替えるように上記速度指令切替器へ出力する切替条件演算器を設けたことを特徴とする
本発明のステージの位置決め方法によれば、特にステージの減速時においては、減速開始時はジャーク一定に近い速度指令で駆動されるため急激な加速度変化を防止することができ、また減速終了近傍ではほぼ減速度一定の速度指令で駆動することができるようになり、ほぼ減速度一定の速度指令値から位置制御系に切り替えることが可能となり、切り替え時の速度指令値の速度および加速度の変化を小さくしてショック発生を抑制することができるようになる。
また請求項2に記載の本発明のステージの位置決め方法によれば、減速時に速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替える減速終了近傍として、ほぼ減速度一定の速度指令値から位置制御系の速度指令値に両者の速度および加速度がほぼ一致する位置偏差で切り替えるようにしたため、この切り替え時の速度指令値の速度および加速度の変化をなくしてショック発生を防止することができる。
さらに請求項3に記載の本発明のステージの位置決め方法によれば、ジャーク一定の速度指令値は時間関数で演算し、上記減速度一定の速度指令値は位置偏差に対する関数で演算するようにしたため、一般的に考えられる位置偏差の2/3乗根の演算を行う必要がないので、マイクロコンピュータまたはDSPで短時間で演算することが可能となり、容易に実現することができる。
さらに請求項4に記載の本発明のステージの位置決め方法によれば、速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値への切り替えは、位置制御偏差ΔXがa/Kpに達した位置で行うようにしたため、位置偏差の2/3乗根の演算を行うことなく、切り替え時の速度指令値の速度および加速度の変化をなくしてショック発生を防止することができる。
さらに請求項5に記載の本発明のステージの位置決め装置によれば、ステージの減速時において、減速開始時はジャーク一定に近い速度指令で駆動されるため急激な加速度変化を防止することができ、また減速終了近傍では減速度一定の速度指令で駆動することができるようになり、このほぼ減速終了近傍で位置制御系に切り替えることにより、切替時の速度指令値の速度および加速度の変化を小さくしてショック発生を抑制することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態によるステージの位置決め方法を採用したステージの位置決め装置のブロック線図である。
速度指令演算器1は、目標位置発生器2と、ステージ加速時の速度指令値を演算出力する加速時速度演算器3と、ステージ一定速度時の速度指令値を出力する一定速時速度演算器4と、ステージ減速開始位置を演算出力する減速開始位置演算器7と、この減速開始位置演算器7からの減速開始位置と位置偏差8とからステージ減速時の速度指令値を演算出力する減速時速度演算器5と、位置偏差8の値に基づき位置制御時の速度指令を演算出力する位置制御速度演算器6と、上述した4個の速度演算器3〜6の出力値のいづれか1個を切替出力する速度指令切替器9と、この速度指令切替器9の切替条件を演算する切替条件演算器10とから構成されている。
この速度指令演算器1は、その出力であるステージ速度指令値11を速度制御装置12に与え、この速度制御装置12によってステージ18を駆動している。速度制御装置12では、加算器13によりステージ速度指令値11とモータ速度14との速度偏差値15を求め、速度制御部16により速度偏差値15に対して比例または比例・積分制御等の演算を行い、図示しない速度アンプを介してモータ17を駆動している。モータ17の出力軸に設けたロータリエンコーダ等とカウンタによりモータ速度14を検出しており、このモータ速度14を加算器13にフィードバックしてステージ速度指令値11との差が加算器13で計算され、速度偏差値15を求めている。またモータ17の出力軸はボールねじ等を介してステージ18と結合しており、モータ17の駆動によりステージ18を駆動するようにしている。ステージ18にはリニアスケール等の位置検出器が装着されており、この位置検出器によりステージ位置19が検出されている。このステージ位置19は速度指令演算器1にフィードバックされ、目標位置発生器2の出力値であるステージ目標位置との差が加算器20で計算され、位置偏差8を求めている。
上述した速度指令演算器1の加速時速度演算器3は、ステージ18の加速時、すなわち図9における時刻t0〜t22間の速度指令Va、Vbを演算するものである。ここでは、時刻t0〜t22を、時刻t0〜t21と時刻t21〜t22とに分割し、それぞれの速度指令Va、Vbを求める演算式について説明する。先ず、時刻t0〜t21の速度指令Vaについて考えると、この区間の加速度aaは数1で表せる。この数1において、a2は予め設定された最大加速度、Tjは加速時間(=t22−t0)である。従って、この区間の加速時間はTj/2となる。また、加速時間Tjは定義より数2で求められる。ここで、V2は時刻t22における速度、すなわち予め設定された最大速度である。この区間における速度Vaは、数1を積分した数3で求められる。
Figure 2006184994
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次に、時刻t21〜t22までの速度指令Vbについて考えると、この区間は、加速度を最大加速度a2から零にする区間であり、この区間における加速度abは数4で表せる。また速度Vbも、加速度abを積分して数5を求めることができる。さらに、この区間の最終速度は数6となり、最高速度V2に到達していることがわかる。
Figure 2006184994
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従って、加速時速度演算器3は、予め設定された最大加速度a2および最大速度V2を用い、数3および数5に基づいて時々刻々とステージ加速時の速度指令Va、Vbを演算し、速度指令切替器9へ出力する。
また、上述した一定速時速度演算器4は、ステージ18の一定速度時、すなわち図9における時刻t22〜t23の速度指令Vcを演算出力するものであり、加速時速度演算器3で演算した数6の値V2を保持し、速度指令切替器9へ出力する。
次に、図1に示した減速時速度演算器5について、ブロック線図である図2を用いて説明する。
減速時速度演算器5は、ジャーク一定で減速時の速度指令値を演算するジャーク一定速度演算器25と、減速度一定で減速時の速度指令値を演算する減速度一定速度演算器26と、位置偏差8に応じて0から1の間の値を取る比率演算器27および比率演算器28と、ジャーク一定速度演算器25の出力値29と比率演算器27の出力値30とを掛算する乗算器31と、減速度一定速度演算器26の出力値32と比率演算器28の出力値33とを掛算する乗算器34と、乗算器31の出力である速度指令値Vfと乗算器34の出力である速度指令値Vgを加算し、減速時速度指令Vhとして速度切替器9に出力する加算器35と、ジャーク一定速度演算器25の演算を開始するタイミングを発生する減速開始信号発生器36とを有して構成している。
ジャーク一定速度演算器25は、ステージ18の減速時、すなわち図9における時刻t23〜t25の速度指令Vd、Veを演算するものである。次に、時刻t23〜t25を、時刻t23〜t24と時刻t24〜t25に分割し、それぞれについての速度指令Vd、Veを算出する演算式について説明する。
先ず、時刻t23〜t24の速度指令Vdについて考えると、この区間の加速度adは数7で表すことができ、また、この区間の速度Vdは数7を積分して数8として求めることができる。
Figure 2006184994
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次に、時刻t24〜t25までの速度指令Veについて考えると、この区間の加速度aeは数9で表すことができ、また、この区間の速度Veは数9を積分して数10のように求めることができる。さらに、この区間の最終速度は数11で示すようになり0となる。
Figure 2006184994
Figure 2006184994
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従って、ジャーク一定速度演算器25は、予め設定された最大加速度a2および最大速度V2を用い、数8および数10に基づいて時々刻々とステージ減速時の速度指令Vd、Veを演算し、乗算器31へと出力する。
次に、減速開始信号発生器36について説明する。
上述したようにジャーク一定速度演算器25の演算は、図9における時刻t23から開始する。そこで、予め設定された最大加速度a2と最大速度V2とから演算開始位置を求める。そのためには、時刻t23〜t25の間にステージ18が進む移動距離Xsを求めれば良く、この移動距離Xsは、速度Vd,Veを積分して数12に示すように求めることができる。
Figure 2006184994
従って、減速開始位置演算器7で、予め設定された最大加速度a2と最大速度V2から数12の演算を行い、減速開始位置Xsを求める。減速開始位置信号発生器36では位置偏差8が減速開始位置Xsに達したならば、減速開始信号をジャーク一定速度演算器25に出力し、これを受けたジャーク一定速度演算器25では演算を開始する。
次に、減速度一定速度演算器26について説明する。
ステージ18を一定の減速度で減速する場合は、減速度をal、位置偏差をΔXとすると、数13で演算される速度指令値Vvでステージ18を駆動すれば良いことが知られている。
Figure 2006184994
速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えるとき、本実施の形態においては、詳細を後述するように速度制御系の速度指令値はほとんど減速度一定の減速パターンとなっている。ここで、位置制御系の速度指令値へ切り替えるときに、ショックが発生しないように減速度一定の減速パターンの演算方法を考える必要がある。
図3は、速度制御系の速度指令値の演算式として減速度一定の数13を用いたときの速度指令値特性曲線37と、位置制御系の速度指令値特性直線38を示したものである。ここで、位置制御系は比例制御系としており、位置制御系の速度指令値は位置偏差ΔXに比例ゲインKpを掛けた値である。
同図に示すように速度制御系の速度指令値特性曲線37によりステージ18が駆動されると、図中矢印Aのように位置偏差ΔXが小さくなるにしたがって速度指令値37も小さくなる。そして、速度制御系と位置制御系の速度指令値が一致した図中B点で位置制御系の速度指令値に切り替えることにより、速度制御系から位置制御系に切り替えるときの速度変化が無く、ショックを小さくすることができる。
しかし、切り替え時の速度指令値は一致しているが、速度指令値を微分した加速度指令値は一致していない。このため、図中B点で位置制御系に切り替わって矢印Cに沿ってステージ18が駆動されると、ステージ18の加速度が大きくなってしまう。そこで、減速度一定速度演算器26は、速度制御系と位置制御系の速度および加速度指令値が一致したときに、速度制御系と位置制御系を切り替えるようにするとよい。
図4は、速度制御系の速度指令値の演算式として減速度一定の演算式を用いたときの速度指令値特性曲線37aと、位置制御系の速度指令値特性直線38aを示している。速度制御系の速度指令値特性曲線37aは、図3の場合に比べて位置偏差ΔX方向にオフセットX0を有する特性となっている。このような特性にすることにより、図4の点B1で、位置制御系の速度指令値特性直線38aが速度制御系の速度指令値特性曲線37aの接線となるので、速度制御系と位置制御系の速度指令値およびそれを微分した加速度指令値がそれぞれ一致し、速度制御系から位置制御系に切り替わったときのショックを小さくすることができる。
次に、上述した速度制御系から位置制御系への切替位置X1とオフセット量X0の算出例について説明する。
速度制御系による速度指令値Vvは数14で、また位置制御系による速度指令値Vpは数15でそれぞれ表される。これら数14および数15において、alは減速度を、またKpは位置比例ゲインを示している。
Figure 2006184994
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図4に示した接点B1では数14と数15の速度指令値は等しいから、両式を等しいと置くと共に、式の変形を行って数16に示す特性方程式を得、その特性方程式の解は数17となる。
Figure 2006184994
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ここで、数17に示した特性方程式の解をΔX1、ΔX2とすると、接点B1はΔX1=ΔX2であり、数18をX0について解くことにより、数19に示すオフセット量X0を得ることができる。
Figure 2006184994
Figure 2006184994
また、速度制御系から位置制御系への切替位置X1は、数17の平方根の値を零と置いたときの位置偏差ΔXであるから、切替位置X1は数20で表すことができる。
Figure 2006184994
Figure 2006184994
このように図2に示した減速度一定速度演算器26は、数14の演算式に基づいて数19を代入し、位置偏差ΔXに対してステージ減速時の速度指令Vv=(2a(ΔX−a/(2*(Kp))))1/2を演算し、乗算器34へ出力する。
次に、比率演算器27および比率演算器28についてそれぞれ説明する。
図5は比率演算器27の入出力特性線39を示しており、縦軸は出力値30で、横軸は位置偏差18の値ΔXで、また位置偏差Xsは先に述べた減速開始位置である。比率演算器27の出力値30は、位置偏差ΔXが減速開始位置Xs以上で「1」であり、位置偏差ΔXが小さくなるにしたがって出力値30も小さくなり、位置偏差ΔXが零で出力値30も「0」となる。そして、この出力値30が乗算器31へ出力される。
また、図6は比率演算器28の入出力特性線40を示しており、縦軸は出力値33で、横軸は位置偏差18の値ΔXで、位置偏差Xsは先に述べた減速開始位置である。比率演算器28の入出力特性は、比率演算器27の入出力特性と反対の特性となっており、位置偏差ΔXが減速開始位置Xs以上で「0」であり、位置偏差ΔXが小さくなるにしたがって出力値33は大きくなり、位置偏差ΔXが零で出力値33は「1」となる。この出力値33は乗算器34へ出力される。
図2に示した乗算器31では、数8と数10に基づいて時々刻々と演算されたジャーク一定速度指令29と比率演算器27の出力値30の掛算を行った速度指令値Vfを加算器35へ出力する。また図2に示した乗算器34では、位置偏差ΔXと数14に基づいて演算された減速度一定速度指令32と比率演算器28の出力値33の掛算を行った速度指令値Vgを加算器35へ出力する。加算器35では速度指令値Vfと速度指令値Vgを足し算し、減速時速度指令Vhを速度指令切替器9へ出力する。
従って、減速時速度指令Vhは、減速開始時では速度指令値Vfの比率が大きく速度指令値Vgの比率が小さいが、ステージ18が減速されて位置偏差8の値ΔXが小さくなるにしたがって、速度指令値Vfの比率が小さく速度指令値Vgの比率が大きくなる。しかも、位置偏差ΔXが速度制御系の速度指令から位置制御系の速度指令に切り替わる値X1になるときには、ほとんど減速度一定速度指令値Vvとなっている。
また、比率演算器27、28は、図5および図6で説明したように構成したので、ジャーク一定速度指令29と減速度一定速度指令32の減速開始タイミングを同時にする必要がある。ジャーク一定速度指令29の減速開始位置Xsは、数12で示したように予め設定されたジャーク一定速度時の最大加速度a2と最大速度V2から計算される。減速度一定速度指令29は数14により演算され、この数14におけるオフセット量X0は、詳述はしないが減速開始位置Xsに比べ非常に小さい値となるので、数13を用いて減速開始位置Xsについて説明する。
数13より減速度一定速度時のステージ18の移動距離は数21となる。すなわち、減速時の初速度Vv、減速度2*a1で減速を開始した場合、停止するまでの移動距離はXnとなる。従って、数12の減速開始距離Xsと数21の移動距離Xnが等しくなるように減速度a1を設定すれば良い。なお、減速開始時の速度VvはV2に一致させる必要がある。したがって、ジャーク一定速度時の最大加速度a2が設定された場合、減速度一定速度時の最大加速度a1をa2/2と設定することにより、両者の減速開始位置Xsを一致させることができる。
次に、位置制御速度演算6、速度指令切替器9および切替条件演算器10についてそれぞれ説明する。
図1に示した位置制御速度演算6は、これまで述べたように位置偏差Δxに位置制御系の比例ゲインKpを掛けた速度指令値Viを速度指令切替器9へ出力する。また図1に示した切替条件演算器10は、予め設定された最大速度V2、減速開始位置演算器7で計算された減速開始位置Xs、速度制御系と位置制御系の切替位置X1、および位置偏差ΔXに基づいて、速度切替信号を速度指令切替器9に出力している。つまり、ステージ18の移動開始時、速度指令切替器9は加速時速度演算器3の出力値31をステージ速度指令値11として出力し、ステージ18の移動が開始したなら加速時速度演算器3の出力値31を監視し、その出力値31が最大速度V2に達したならば、一定速時速度演算器4の出力値32をステージ速度指令値11とするように切替信号を速度指令切替器9へ出力する。
切替条件演算器10は、次に位置偏差8の値ΔXを監視し、この位置偏差ΔXが減速開始位置Xsに達したならば、減速時速度演算器5の出力値33をステージ速度指令値11とするように切替信号を速度指令切替器9へ出力する。切替条件演算器10は、次いで、位置偏差8の値ΔXを監視し、位置偏差ΔXが速度制御系と位置制御系の切替位置X1に達したならば、位置制御速度演算器6の出力値34をステージ速度指令値11とするように切替信号を速度指令切替器9へ出力し、ステージ18の移動が完了するまでその状態を保つ。
図6は上述したステージの位置決め方法を用いてシミュレーションを行った結果のステージ速度指令値11とその微分値である加速度指令値の推移特性線41,42を示している。
時刻t0〜t32はステージ18の加速時であり、推移特性線42のに示されるように加速度指令値からジャーク一定で加速されていることが分かる。また時刻32〜33の一定速度時の後、時刻t33〜t34はステージ18の減速時であり、矢印Dで示すように加速時ほどではないが加速度が徐々に負方向に大きくなっている。このため、ステージ18の減速が徐々に行われ、ステージ反力により装置を振動させてしまうことを防止することができる。その後、時刻t34で速度制御系による速度指令値から位置制御系による速度指令値に切り替わっているが、加速度の大きな変動は見られず、ショックなく切り替わっていることが分かる。
以上述べたステージの位置決め方法によれば、ステージの加速時はS字パターンつまりジャーク一定の速度指令で駆動し、ステージの減速時においては、減速開始時はS字パターンに近い速度指令で駆動し、減速終了近傍では減速度一定の速度指令で駆動し、しかも、ほぼ減速度一定の速度指令値となる減速終了近傍で位置制御系に切り替えることにより、切り替え時の速度指令値の速度および加速度の変化を抑制することができるようになる。
また、ジャーク一定の速度指令値は時間関数で演算し、減速度一定の速度指令値は位置偏差ΔXに対する関数で演算するようにしているため、マイクロコンピュータ又はDSPで短時間で演算することが可能となり、実現が容易である。つまり、減速時のステージ移動速度がS字パターンとなるような位置偏差に対する速度指令値は、位置偏差の2/3乗根の演算を行う必要があったが、ジャーク一定の速度指令値を時間関数で演算することにより、2/3乗根の演算を不要にすることができる。一般に、ステージ位置決め制御系は、マイクロコンピュータやDSP(デジタルシグナルプロセッサ)を用いて行っており、その位置決め制御系のサンプリング時間は4〜5KHzであり、制御演算時間は1サンプリング当り200〜250μsである。2/3乗根の演算は多大な時間を必要とするのに対し、ジャーク一定の速度指令値を時間関数で演算することにより、その演算を200〜250μsの間に行うことができる。従って、簡単に減速時のステージ移動速度がS字パターンとなるような位置偏差に対する速度指令値を演算でき、減速時のステージ移動速度をS字パターンとし、かつ速度制御系から位置制御系への切り替え時のショックを小さくするステージの位置制御方法を実現することができる。
このようなステージの位置決め方法によれば、ステージの加速時、その後、一定速度がある場合には一定速度時、さらにその後の減速時にほぼS字パターンとなり、ステージ18をスムーズに駆動することができ、また、速度制御系から位置制御系への切り替え時にショックが発生することがないため、装置の振動を極力小さくすることが必要である半導体製造装置用のステージの位置決め方法として非常に有効である。
また、上述したステージの位置決め方法を採用したステージの位置決め装置では、第一の速度指令値Vfと第二の速度指令値Vgを減速時速度指令Vhとし、この減速時速度指令Vhを、減速開始初期では第一の速度指令値Vfの比率が大きく第二の速度指令値Vgの比率を小さくし、ステージが減速されて位置偏差ΔXが小さくなるにしたがって第一の速度指令値Vfの比率が小さく第二の速度指令値Vgの比率が大きくなるようにして速度指令切替器9へ出力するように減速時速度演算器5を構成し、減速終期に減速度一定の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えるように速度指令切替器9へ出力する切替条件演算器10を設けたため、減速時にはほぼS字パターンとなってステージ18をスムーズに駆動することができ、また、速度制御系から位置制御系への切り替え時には減速終期として例えば減速度一定の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えることによって、ショックの発生を防止して装置の振動を極力小さくすることができる。
本発明によるステージの位置決め方法およびそれを用いたステージの位置決め装置は、図示のステージの位置決め装置に限らず採用することができる。
本発明一実施の形態によるステージの位置決め方法を採用したステージの位置決め装置のブロック線図である。 図1に示したステージの位置決め装置における減速時速度演算器を示すブロック線図である。 切り替え時の速度制御系の速度指令値と位置制御系の速度指令値を示した特性図である。 切り替え時の速度制御系の速度指令値と位置制御系の速度指令値を示した他の特性図である。 図2に示した減速時速度演算器における比率演算器の入出力特性図である。 図2に示した減速時速度演算器における他の比率演算器の入出力特性図である。 図1に示したステージの位置決め装置を用いたシミュレーション結果を示すステージ速度指令値と加速度指令値の特性図である。 従来のステージの位置決め方法による速度および加速度の特性図である。 S字パターンによる速度、加速度およびジャークの特性図である。
符号の説明
1 速度指令演算器
3 加速時速度演算器
4 一定速時速度演算器
5 減速時速度演算器
6 位置制御速度演算器
9 速度指令切替器
11 ステージ速度指令値
12 速度制御装置
18 ステージ
25 ジャーク一定速度演算器
26 減速度一定速度演算器
27、28 比率演算器
35 加算器

Claims (5)

  1. 速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えてステージの位置制御を行うステージの位置決め方法において、ステージの減速時はジャーク一定の速度指令値と減速度一定の速度指令値を演算し、減速開始初期はジャーク一定の速度指令値の比率を大きくし、位置偏差が小さくなるにつれて減速度一定の速度指令値の比率を大きくした速度指令値の加算値でステージを駆動し、減速終期に位置制御系の速度指令値に切り替えるようにしたことを特徴とするステージの位置決め方法。
  2. 請求項1に記載のものにおいて、上記減速終期の切り替えは、上記減速度一定の速度指令値から上記位置制御系の速度指令値に、両者の速度および加速度がほぼ一致する位置偏差で行うようにしたとを特徴とするステージの位置決め方法。
  3. 請求項1に記載のものにおいて、上記ジャーク一定の速度指令値は時間関数で演算し、上記減速度一定の速度指令値は位置偏差に対する関数で演算するようにしたことを特徴とするステージの位置決め方法。
  4. 請求項3に記載のものにおいて、位置制御偏差をΔX、減速度をa、位置制御系の比例ゲインをKpとしたとき、上記減速度一定の速度指令値Vvは、Vv=(2a(ΔX−a/(2*(Kp))))1/2で演算し、上記速度制御系の速度指令値から上記位置制御系の速度指令値への切り替えは、位置制御偏差ΔXがa/Kpに達した位置で行うようにしたことを特徴とするステージの位置決め方法。
  5. ジャーク一定の速度指令値を出力してステージを駆動する加速時速度演算器と、減速時の速度指令値を出力して上記ステージを駆動する減速時速度演算器と、上記加速時速度演算器および上記減速時速度演算器による速度指令値を切り替える速度指令切替器とを備え、減速時に速度制御系の速度指令値から位置制御系の速度指令値に切り替えてステージの位置制御を行うステージの位置決め装置において、上記減速時速度演算器は、第一の速度指令値と第二の速度指令値を減速時速度指令とし、この減速時速度指令を、減速開始初期では第一の速度指令値の比率が大きく第二の速度指令値の比率を小さくし、ステージが減速されて位置偏差が小さくなるにしたがって第一の速度指令値の比率が小さく第二の速度指令値の比率が大きくなるようにして上記速度指令切替器へ出力するように構成し、減速終期に位置制御系の速度指令値に切り替えるように上記速度指令切替器へ出力する切替条件演算器を設けたことを特徴とするステージの位置決め装置。
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