JP5493941B2 - 位置指令生成器 - Google Patents
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Description
この位置決め制御装置は、図7に示すように、基台400上の負荷300をモータ201により駆動して目標位置に位置決めするものであり、202は力伝達機構、401は基台400の支持脚である。この種の機械系では、基台400上のモータ201及び負荷300の載置面がモータ201による駆動力の反力を受け、この反力が基台400全体に伝達されるが、支持脚401の剛性が低い場合であって、モータ201が高加減速度で負荷300を駆動し、特に駆動力が加わる時間が基台400の固有振動周期に近いときは、基台400が振動しやすくなる。
なお、除算手段106におけるJは、モータ201及び負荷300からなる駆動機構内の可動部の慣性モーメントである。また、109はトルク指令値に基づいて基台400の変位xBを演算する伝達関数を示しており、ω0は基台400の固有振動周波数である。
なお、図6と同様に位置及び速度のフィードバックループを有する位置決め制御装置の従来技術としては、例えば特許文献2に記載されたロボットの制御装置が知られている。
前記被制御対象物の目標位置が最終位置設定値として入力され、この最終位置設定値と一サンプリング周期前の前回逐次位置指令値との偏差にゲインを乗じて偏差速度指令値を生成する第1の手段と、
前記偏差速度指令値と前回速度指令値との偏差をサンプリング周期により除算して逐次加速度指令値を求める第2の手段と、
前記逐次加速度指令値を可変の加速度設定値により制限する第3の手段と、
第3の手段から出力された逐次加速度指令値にサンプリング周期を乗じて逐次速度指令値を求める第4の手段と、
前記逐次速度指令値に前記前回速度指令値を加算してその加算結果を送り速度指令値により制限する第5の手段と、
第5の手段から出力された逐次速度指令値と前回逐次位置指令値とを加算して今回の逐次位置指令値を求める第6の手段と、を備え、
前記加速度設定値を、前記被制御対象物の振動を抑制するように変化させると共に、
前記加速度設定値が加速度制限値以下にならないように制限する前記加速度制限値に応じて前記第1の手段におけるゲインを設定するものである。
また、固有振動周期が途中で変化する被制御対象物を位置決めする場合でも、加減速時に加速度設定値を加速度制限値により飽和させ、この制限値を調整することにより、被制御対象物の固有振動周期に応じて制振性を満足させつつ正確な位置決めを可能とする逐次位置指令値を生成することができる。
図1は、本発明の基本形態に係る位置指令生成器の内部構成を示すブロック図である。この位置指令生成器は、被制御対象物の最終的な目標位置が最終位置設定値として入力され、この最終位置設定値と、一サンプリング周期(制御周期)前の位置指令値(前回逐次位置指令値)との偏差に応じて逐次加速度指令値及び逐次速度指令値を生成し、これらの指令値を所定の設定値によりそれぞれ制限しながら今回の逐次位置指令値を出力するように構成されている。
逐次加速度指令値は飽和手段5に入力され、外部から入力された加速度設定値により大きさを制限する飽和処理を行った後、その出力は係数乗算手段6に入力されてサンプリング周期TSが乗算された後、加算手段7にて前回速度指令値と加算することにより、逐次速度指令値が算出される。
また、今回の逐次位置指令値は、遅延手段11を経て前回逐次位置指令値として前記減算手段1及び加算手段10に入力されていると共に、遅延手段12及び減算手段13を介して前回及び前々回の逐次位置指令値の差分が演算され、更に係数乗算手段14によりサンプリング周期TSを除算する近似微分演算によって前回速度指令値が算出されるようになっている。この前回速度指令値は、前記減算手段3及び加算手段7にそれぞれ入力されている。
そして、逐次位置指令値が増加していき、最終位置設定値との偏差が減少して係数乗算手段2の出力が送り速度設定値以下になると、飽和手段5により加速度成分が飽和した状態で減速を開始し(図2の時刻t2)、逐次位置指令値(前回逐次位置)が最終位置設定値と等しくなった時点(図2の時刻t3)で速度成分及び加速度成分が共に零となり、指令パターンの出力が完了する。
すなわち、この基本形態によれば、減速を開始するタイミングを予め計算によって求めなくても、係数乗算手段2の出力(言い換えればゲインKの値)によって減速を開始するタイミングが決定される。
この実施形態は、加減速時に加速度成分を変化させる場合のものであり、図1と同一の構成要素には同一の番号を付して説明を省略し、以下では図1と異なる部分を中心に説明する。
全体的な動作は基本形態と同様であるが、この実施形態では、加減速時に、飽和手段5に与えられる加速度設定値を変化させることにより、図4における時刻t1までの時間、及び、時刻t2以降の時間は、速度指令値の加速度成分を変化させる。
加減速時に加速度設定値を変化させるパターンは、特許文献1に示されているようなものでもよく、加速後に被制御対象物の固有振動周期が変化した場合でも、減速時に加速度成分を変化させるポイントを、変化した固有振動周期に合わせて再計算すればよい。
また、仮に、ゲインKが過大である場合には、偏差速度指令値が過大となり、逐次位置指令値が最終位置指令値に対して過大になってから収束する、すなわちオーバーシュート現象を引き起こす恐れがある。
そこで、図3の最小値制限手段15では、加速度設定値が加速度制限値以下にならないように制限して減速時の加速度成分が過小になるのを防ぐ(減速度を十分に確保する)と共に、ゲイン設定手段16を介して数式2に示すゲインKを係数乗算手段2に設定する。
減速時に、数式3における平均加速度に対して実際の加速度が小さい場合(減速度が不足する場合)には、想定時刻よりも早く、逐次位置指令値が最終位置設定値に到達してしまう。この場合、負荷を急速に停止させることになるため、負荷に無理な駆動力が加わる上に、励振する恐れがある。従って、数式3に示したように安全係数を含むゲインKを用い、減速を開始する時間を早めて逐次位置指令値が最終位置設定値に到達するのを少し遅らせることにより、目標位置にスムースに到達させて負荷の急速な停止を防止することができる。
(1)減速中に変化する加速度が、平均加速度に比べて大きく変化する場合には、安全係数を大きくする。
(2)減速中に変化する加速度が、平均加速度に比べて小さく変化する場合には、安全係数を小さくする。
図5において、制御装置(位置決め制御装置)C内の位置指令生成器Aには、前述した実施形態に係るアルゴリズムが具備されており、この位置指令生成器Aから出力される逐次位置指令値が制御器Bに入力される。この制御器Bは、モータ等の駆動源Mの状態量をフィードバックしながら駆動源Mの速度等を制御するためのものであり、駆動源Mが被制御対象物としてのクレーン等の負荷LDを駆動するように構成される。
2,4,6,9,14:係数乗算手段
3:減算手段
5,8:飽和手段
10:加算手段
11,12:遅延手段
15:最小値制限手段
16:ゲイン設定手段
A:位置指令生成器
B:制御器
C:制御装置
M:モータ
LD:負荷
Claims (1)
- 固有振動周期をもって振動する被制御対象物を駆動源により駆動して目標位置に位置決めするための逐次位置指令値を生成する位置指令生成器において、
前記被制御対象物の目標位置が最終位置設定値として入力され、この最終位置設定値と一サンプリング周期前の前回逐次位置指令値との偏差にゲインを乗じて偏差速度指令値を生成する第1の手段と、
前記偏差速度指令値と前回速度指令値との偏差をサンプリング周期により除算して逐次加速度指令値を求める第2の手段と、
前記逐次加速度指令値を可変の加速度設定値により制限する第3の手段と、
第3の手段から出力された逐次加速度指令値にサンプリング周期を乗じて逐次速度指令値を求める第4の手段と、
前記逐次速度指令値に前記前回速度指令値を加算してその加算結果を送り速度指令値により制限する第5の手段と、
第5の手段から出力された逐次速度指令値と前回逐次位置指令値とを加算して今回の逐次位置指令値を求める第6の手段と、を備え、
前記加速度設定値を、前記被制御対象物の振動を抑制するように変化させると共に、
前記加速度設定値が加速度制限値以下にならないように制限する前記加速度制限値に応じて前記第1の手段におけるゲインを設定することを特徴とする位置指令生成器。
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