JP2006183922A - 放熱システムおよびスターリング機関搭載機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 騒音、振動が発生したり配管がダメージを受けたりすることが抑制された放熱システムおよび該放熱システムを備えたスターリング機関搭載機器を提供する。
【解決手段】 放熱システムは、熱源としてのスターリング冷凍機4の高温部2の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる高温側蒸発器5と、蒸発した冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する高温側凝縮器7とを含み、凝縮された冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第1循環回路と、高温側蒸発器5下部に接続されたパイプ2Cを含む冷媒流路を有し、液状の冷媒を放熱部としてのドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよび発露防止パイプ9Cに導いてから該液状の冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第2循環回路とを備え、第2循環回路は、冷媒流路に設けられた循環ポンプ6Aと、循環ポンプ6Aよりも下流側の冷媒流路に設けられた循環ポンプ6Bとを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 放熱システムは、熱源としてのスターリング冷凍機4の高温部2の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる高温側蒸発器5と、蒸発した冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する高温側凝縮器7とを含み、凝縮された冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第1循環回路と、高温側蒸発器5下部に接続されたパイプ2Cを含む冷媒流路を有し、液状の冷媒を放熱部としてのドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよび発露防止パイプ9Cに導いてから該液状の冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第2循環回路とを備え、第2循環回路は、冷媒流路に設けられた循環ポンプ6Aと、循環ポンプ6Aよりも下流側の冷媒流路に設けられた循環ポンプ6Bとを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、放熱システムおよびスターリング機関搭載機器に関し、特に、冷媒配管中のキャビテーションの発生が抑制された放熱システムおよび該放熱システムを備えたスターリング機関搭載機器に関する。
逆スターリングサイクルによる熱交換を冷却庫に適用したものとして、たとえば、特開2004−20056号公報(従来例1)や特開2004−101050号公報(従来例2)に記載されたものなどが挙げられる。
従来例1においては、スターリング冷凍エンジンにより庫内冷却を行なう冷却庫であって、スターリング冷凍エンジンに形成される高温部の熱を庫外に放出する第1高温側冷媒循環回路と、高温部の熱をドレンの蒸発促進、冷却庫壁の結露防止、および庫内冷却用熱交換器の除霜の少なくとも1つに利用する第2高温側冷媒循環回路とを備えた冷却庫が開示されている。従来例2においても、これと同様の冷却庫が開示されている。
特開2004−20056号公報
特開2004−101050号公報
しかしながら、上記のような放熱システムにおいては、以下のような問題があった。
従来例1,2においては、第2高温側冷媒循環回路において冷媒を循環させる手段として、循環ポンプが用いられている。すなわち、従来例1,2における第2高温側冷媒循環回路は、循環ポンプによる強制循環回路(forced circulation circuit)である。
この強制循環回路の配管には高温側蒸発器から比較的高温の冷媒が供給されるため、該配管内を流れる冷媒中に気泡が発生しやすい(キャビテーションが発生しやすい)状態になっている。キャビテーションが生じた後、当該部分の圧力が再度高くなることにより、発生した気泡が消滅する。この際、大きな空間の変動に起因する衝撃(水撃)により、騒音、振動が発生したり配管がダメージを受けたりする可能性があるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、騒音、振動が発生したり配管がダメージを受けたりすることが抑制された放熱システムおよび該放熱システムを備えたスターリング機関搭載機器を提供することにある。
本発明に係る放熱システムは、熱源の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発した冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する凝縮器とを含み、凝縮された冷媒を蒸発器内に戻す第1循環回路と、蒸発器下部に接続された冷媒流路を有し、(液状の)冷媒を放熱部に導いてから該(液状の)冷媒を蒸発器内に戻す第2循環回路とを備え、第2循環回路は、冷媒流路に設けられた第1循環ポンプと、該第1循環ポンプよりも下流側の冷媒流路に設けられた第2循環ポンプとを含む。
これにより、個々の循環ポンプの定格流量を比較的小さく設定することができるので、冷媒の脈動が小さくなり、結果としてキャビテーションの発生が抑制される。
本発明に係るスターリング機関搭載機器は、低温部および高温部を有するスターリング機関と、上記放熱システムとを備える。ここで、放熱システムにおける蒸発器は、スターリング機関の高温部に取付けられる。
これにより、スターリング機関搭載機器において、騒音、振動が発生したり配管がダメージを受けたりすることが抑制される。
スターリング機関は、スターリング機関搭載機器の機器本体に格納される。ここで、機器本体の底部に第1と第2循環ポンプを配設し、第1と第2循環ポンプの間に位置する冷媒流路に放熱部を配置することが考えられる。この放熱部によって第2循環ポンプへ流入する冷媒の温度を下げ、飽和蒸気圧を下げることで、第2循環ポンプの吸い込みによる減圧によっても、冷媒が気化しにくくなり、キャビテーションを抑制することができる。(第2循環ポンプ入口の液冷媒がポンプの吸い込みにより減圧されたとき、冷媒の圧力が飽和蒸気圧よりも低くなると液冷媒は気化してしまう。これに対し、液冷媒の温度を下げ、液冷媒の飽和蒸気圧を下げてしまえば、ポンプによる減圧によっても冷媒の圧力が飽和蒸気圧を割り込みにくくなる。)ここで、機器本体の底部に配設される放熱部は、除霜水などを貯留するドレンパンの底面に冷媒流路を配設することによって形成されてもよいし、スターリング機関搭載機器としてのスターリング冷却庫の冷却室に隣接する位置に冷媒流路を配設することによって形成されてもよい。
第1と第2循環ポンプをスターリング機関搭載機器の底部に配設することで、第1と第2循環ポンプの近傍において、蒸発器との位置水頭差により、冷媒流路内を流れる冷媒の圧力を比較的高くすることができる。したがって、キャビテーションの発生が抑制される。
第1循環ポンプの定格流量を第2循環ポンプの定格流量よりも小さくしてもよい。
第2循環ポンプよりも上流側に配設される第1循環ポンプの近傍においては、流れる冷媒が比較的高い温度を保っているため、キャビテーションが発生する割合が相対的に高い。したがって、第1循環ポンプの定格流量を相対的に小さくすることにより、この部分での脈動を小さくし、キャビテーションの発生を抑制することができる。一方で、第2循環ポンプの定格流量を相対的に大きくすることによって、第2循環回路における冷媒の流量を大きくすることができる。
本発明によれば、水撃による騒音、振動や配管へのダメージが抑制された放熱システムおよび該システムを備えたスターリング機関搭載機器が提供される。
以下に、本発明に基づく放熱システムおよびスターリング機関搭載機器としてのスターリング冷却庫の1つの実施の形態について説明する。
なお、本願明細書において、「冷却庫」とは、「冷蔵庫」、「冷凍庫」および「冷凍冷蔵庫」の全てを含む概念である。
また、本実施の形態においては、スターリング機関としてのスターリング冷凍機、および、該スターリング冷凍機を備えたスターリング機関搭載機器としてのスターリング冷却庫について説明するが、本発明に係るスターリング機関は、スターリング冷凍機に限定されるものではなく、たとえば、発電機としても用いられる。
図1は、本発明の1つの実施の形態に係るスターリング冷却庫の配管系統図である。
スターリング冷却庫1は、図1に示すように、高温部2と低温部3とを有するスターリング冷凍機4(スターリング機関)と、高温部2に取付けられた高温側蒸発器5、高温側凝縮器7およびパイプ2A,2Bを含む第1高温側循環回路(第1循環回路)と、高温側蒸発器5、循環ポンプ6A,6B、ドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9B、発露防止パイプ9Cおよびパイプ2C〜2Gを含む第2高温側循環回路(第2循環回路)と、低温部3に取付けられた低温側凝縮器10、低温側蒸発器11およびパイプ3A,3Bを含む低温側循環回路とを備える。第1高温側循環回路は、スターリング冷凍機4の高温部2の冷却を行ない、第2高温側循環回路は、ドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよび発露防止パイプ9Cに熱を供給する。また、低温側循環回路は、冷却庫内の空気とスターリング冷凍機4の低温部3との熱交換を行なう。
第1と第2高温側循環回路内には水(H2O)などが冷媒として封入されている。高温
側蒸発器5において蒸発した冷媒はパイプ2A(高温側導管)を介して高温側凝縮器7に達する(図1中の破線矢印)。高温側凝縮器7において外気との熱交換が行なわれることで冷媒が凝縮する。この熱交換を促進するために、高温側凝縮器7近傍に気流を生じさせるファン8が設けられている。凝縮した冷媒は、パイプ2B(高温側戻り管)を介して高温側蒸発器5に戻る。第1高温側循環回路においては、このように、冷媒の蒸発と凝縮とによる自然循環を利用して、高温部2で発生した熱を高温側凝縮器7に伝達することができるように、高温側凝縮器7が高温側蒸発器5より上方に配置されている。また、冷媒の沸点を調整するために、循環回路系内の圧力が調整(ほぼ真空状態に減圧)されている。
側蒸発器5において蒸発した冷媒はパイプ2A(高温側導管)を介して高温側凝縮器7に達する(図1中の破線矢印)。高温側凝縮器7において外気との熱交換が行なわれることで冷媒が凝縮する。この熱交換を促進するために、高温側凝縮器7近傍に気流を生じさせるファン8が設けられている。凝縮した冷媒は、パイプ2B(高温側戻り管)を介して高温側蒸発器5に戻る。第1高温側循環回路においては、このように、冷媒の蒸発と凝縮とによる自然循環を利用して、高温部2で発生した熱を高温側凝縮器7に伝達することができるように、高温側凝縮器7が高温側蒸発器5より上方に配置されている。また、冷媒の沸点を調整するために、循環回路系内の圧力が調整(ほぼ真空状態に減圧)されている。
一方、高温側蒸発器5の下部には、パイプ2Cが接続されている。高温側蒸発器5からパイプ2Cに液相の冷媒が流入する。パイプ2Cに流入した冷媒は、スターリング冷凍機4よりも下方に設けられた循環ポンプ6Aに達する。循環ポンプ6Aから吐出された冷媒は、パイプ2D、ドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよびパイプ2Eを介して循環ポンプ6Bに達する。循環ポンプ6Bから吐出された冷媒は、パイプ2Fを介して発露防止パイプ9Cに送られる。ここで、発露防止パイプ9C内を流れる冷媒は、スターリング冷凍機4の高温部2から与えられた熱により比較的高温に保たれている。したがって、発露防止パイプ9Cを冷却庫の前面開口部に配置することで、ドア部等における発露を抑制することができる。発露防止パイプ9C内を流れた冷媒は、パイプ2Gを介して高温側蒸発器5内に戻る。このように、第2高温側循環回路においては、循環ポンプ6A,6Bによる強制循環が行なわれている。
低温側循環回路内には二酸化炭素や炭化水素などが冷媒として封入されている。低温側凝縮器10において凝縮した冷媒はパイプ3A(低温側導管)を介して低温側蒸発器11に達する。低温側蒸発器11において冷媒が蒸発することで熱交換が行なわれる。この熱交換を促進するために、低温側蒸発器11近傍に気流を生じさせるファン12が設けられている。熱交換の後、ガス化された冷媒は、パイプ3B(低温側戻り管)を介して低温側凝縮器10に戻る。低温側循環回路においては、このように、冷媒の蒸発と凝縮とによる自然循環を利用して、低温部3で発生した冷熱を伝達することができるように、低温側蒸発器11が低温側凝縮器10より下方に配置されている。また、冷媒の沸点を調整するために、循環回路系内の圧力が調整されている。
スターリング冷凍機4を作動させると、該冷凍機4の高温部2で発生した熱が、高温側凝縮器7を介して空気と熱交換される。一方、スターリング冷凍機4の低温部3で発生した冷熱は、低温側蒸発器11を介して冷却庫内の空気と熱交換される。冷却庫内からの暖かくなった気流は、再び低温側蒸発器11近傍に送られ、繰り返し冷却される。
上述した冷却サイクルの実施に伴い、冷却庫内(たとえば低温側蒸発器11周辺など)に着霜が生じる。これに対し、冷媒の流れを適宜調整することで、除霜を行なう。この除霜方法については、一般によく知られた技術を援用可能であるので、詳細な説明は行なわれない。
上述した除霜を実施することで、除霜水が発生する。除霜水は、ドレンパイプ12Aを介して、冷却庫本体底面の下部に設置されたドレンパン12B(蒸発皿)に導かれる。ドレンパン12Bの上部には、送風ファン(図示せず)が設けられており、該送風ファンによってドレンパン12B内に溜まった除霜水表面近傍に気流が形成され、比較的乾いた空気が除霜水上に供給されことにより、除霜水の蒸発が促進される。また、第2高温側循環回路内に設けられたドレンパンヒータ9Aによっても、除霜水の蒸発が促進される。
次に、図2を用いて、スターリング冷凍機4の構造の一例およびその動作について説明する。
図2に示すように、本実施の形態のスターリング冷凍機4は、フリーピストン型のスターリング機関であって、ケーシング30と、該ケーシング30に組付けられたシリンダ13と、シリンダ13内で往復動するピストン14およびディスプレーサ15と、再生器16と、圧縮空間17Aと膨張空間17Bとを含む作動空間17と、高温部2と、低温部3と、ピストン駆動手段としてのリニアモータ23と、ピストンスプリング24と、ディスプレーサスプリング25と、ディスプレーサロッド26と、背圧空間27とを備える。
図2の例では、スターリング冷凍機4の外殻体(外壁)は、単一の容器で構成されず、背圧空間27側に位置するケーシング30(ベッセル部分)と、作動空間17側に位置する高温部2、チューブ18Aおよび低温部3とで主に構成される。ケーシング30は、背圧空間27を規定する。ケーシング30には、シリンダ13、リニアモータ23、ピストンスプリング24およびディスプレーサスプリング25をはじめとする種々の部品が組付けられる。上記外殻体の内部には、ヘリウムガスや水素ガス、窒素ガスなどの作動媒体が充填される。
シリンダ13は、略円筒状の形状を有し、内部にピストン14とフリーピストンとしてのディスプレーサ15とを往復動可能に受け入れる。シリンダ13内において、ピストン14とディスプレーサ15とは同軸上に間隔をあけて配置され、このピストン14およびディスプレーサ15によってシリンダ13内の作動空間17が圧縮空間17Aと膨張空間17Bとに区画される。より詳しくは、作動空間17は、ピストン14におけるディスプレーサ15側の端面よりもディスプレーサ15側に位置する空間であり、ピストン14とディスプレーサ15との間に圧縮空間17Aが形成され、ディスプレーサ15と低温部3との間に膨張空間17Bが形成される。圧縮空間17Aは主に高温部2によって囲まれ、膨張空間17Bは主に低温部3によって囲まれている。
圧縮空間17Aと膨張空間17Bとの間には、チューブ18Aの内周面上に所定の隙間を有しながらフィルムが巻回されてなる再生器16が配設されており、この再生器16を介して圧縮空間17Aと膨張空間17Bとが連通する。それにより、スターリング冷凍機4内に閉回路が構成される。この閉回路内に封入された作動媒体が、ピストン14およびディスプレーサ15の動作に合わせて流動することにより、後述する逆スターリングサイクルが実現される。
シリンダ13の外側に位置する背圧空間27にはリニアモータ23が配設される。リニアモータ23は、インナーヨーク20と、可動マグネット部21と、アウターヨーク22とを有し、このリニアモータ23によって、シリンダ13の軸方向にピストン14が駆動される。
ピストン14の一端は、板バネなどで構成されるピストンスプリング24と接続される。該ピストンスプリング24は、ピストン14に弾性力を付与する弾性力付与手段として機能する。該ピストンスプリング24に弾性力を付加することにより、シリンダ13内でピストン14をより安定して周期的に往復動させることが可能となる。ディスプレーサ15の一端は、ディスプレーサロッド26を介してディスプレーサスプリング25と接続される。ディスプレーサロッド26はピストン14を貫通して配設され、ディスプレーサスプリング25は板バネなどで構成される。該ディスプレーサスプリング25の周縁部と、ピストンスプリング24の周縁部は、リニアモータ23からピストン14の背圧空間27側(以下、後方と称する場合がある。)に延びる支持部材により支持される。
ピストン14に対しディスプレーサ15と反対側には、ケーシング30によって囲まれた背圧空間27が配設されている。背圧空間27は、ケーシング30内でピストン14の周囲に位置する外周領域と、ケーシング30内でピストン14よりもピストンスプリング
24側(後方側)に位置する後方領域とを含む。この背圧空間27内にも、作動媒体が存在する。
24側(後方側)に位置する後方領域とを含む。この背圧空間27内にも、作動媒体が存在する。
高温部2は、ベース部材30Aを介してケーシング30に取付けられる。高温部2と低温部3とは、チューブ18Aを介して接続される。高温部2、低温部3の内周面上には、それぞれ内部熱交換器18と内部熱交換器19とが設けられる。内部熱交換器18,19は、それぞれ、圧縮空間17A,膨張空間17Bと高温部2,低温部3との間の熱交換を行なう。
ケーシング30の後方側には、板バネ28を介してバランスマス29が取付けられている。バランスマス29は、ピストン14やディスプレーサ15が振動することによって生じるケーシング30の振動を吸収する質量部材である。具体的には、ピストン14やディスプレーサ15が振動することによってケーシング30に振動が生じた場合に、このケーシング30の振動に対して追従するようにバランスマス29が振動することにより、スターリング冷凍機4の振動が低減される。
たとえば、ピストン14のディスプレーサ15側の端面上に第1距離センサが設けられ、ディスプレーサ15の低温部3側の端面上に第2距離センサが設けられる。第1距離センサは、スターリング冷凍機4の動作時のピストン14とディスプレーサ15との間隔の経時変化を計測可能である。また、第2距離センサは、スターリング冷凍機4の動作時のディスプレーサ15と低温部3との間隔の経時変化を計測可能である。
次に、このスターリング冷凍機4の動作について説明する。
まず、リニアモータ23を作動させてピストン14を駆動する。リニアモータ23によって駆動されたピストン14は、ディスプレーサ15に接近し、圧縮空間17A内の作動媒体(作動ガス)を圧縮する。
ピストン14がディスプレーサ15に接近することにより、圧縮空間17A内の作動媒体の温度は上昇するが、高温部2によってこの圧縮空間17A内に発生した熱が外部へと放出される。そのため、圧縮空間17A内の作動媒体の温度はほぼ等温に維持される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルにおける等温圧縮過程に相当する。
ピストン14がディスプレーサ15に接近した後にディスプレーサ15は低温部3側に移動する。他方、ピストン14によって圧縮空間17A内において圧縮された作動媒体は再生器16内に流入し、さらに膨張空間17Bへと流れ込む。その際、作動媒体の持つ熱が再生器16に蓄熱される。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容冷却過程に相当する。
膨張空間17B内に流入した高圧の作動媒体は、ディスプレーサ15がピストン14側(後方側)へ移動することにより膨張する。このようにディスプレーサ15が後方側へ移動するのに伴い、ディスプレーサスプリング25の中央部も後方側に突出するように変形する。
上記のように膨張空間17B内で作動媒体が膨張することにより、膨張空間17B内の作動媒体の温度は下降するが、低温部3によって外部の熱が膨張空間17B内へと伝達されるため、膨張空間17B内はほぼ等温に保たれる。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等温膨張過程に相当する。
その後、ディスプレーサ15がピストン14から遠ざかる方向(前方側)に移動し始める。それにより、膨張空間17B内の作動媒体は再生器16を通過して再び圧縮空間17A側へと戻る。その際に再生器16に蓄熱されていた熱が作動媒体に与えられるため、作動媒体は昇温する。すなわち、本過程は、逆スターリングサイクルの等容加熱過程に相当する。
この一連の過程(等温圧縮過程−等容冷却過程−等温膨張過程−等容加熱過程)が繰り返されることにより、逆スターリングサイクルが構成される。この結果、低温部3は徐々に低温になり、極低温(たとえば−50℃程度)を有するに至る。一方で、高温部2は徐々に高温(たとえば60℃程度)になる。上述したように、低温部3における冷熱は、低温側循環回路を介して冷却庫内に供給され、高温部2における熱は、第1と第2高温側循環回路を介して冷却庫外に放出される。
ところで、スターリング冷却庫1の第2高温側循環回路の配管には高温側蒸発器5から比較的高温の冷媒が供給されるため、配管内を流れる冷媒中に気泡が発生しやすい(キャビテーションが発生しやすい)状態になっている。発生した気泡が消滅する際の大きな空間の変動に起因する衝撃により、騒音、振動が発生したり配管がダメージを受けたりする可能性があるので、キャビテーションの発生を抑制することは重要である。
これに対し、本実施の形態に係るスターリング冷却庫においては、第2高温側循環回路に複数の循環ポンプ6A,6Bが設けられることにより、個々の循環ポンプ6A,6Bの定格流量を比較的小さく設定することができるので、冷媒の脈動が小さくなり、結果としてキャビテーションの発生が抑制される。
図3は、スターリング冷却庫1における第1と第2高温側循環回路を示した図である。
図3を参照して、スターリング冷凍機4は、機械室31内に設けられる。循環ポンプ6A,6Bとしては、水晶やニオブ酸リチウムなどの圧電素子を用いた圧電ポンプが用いられる。
第2高温側循環回路において、高温側蒸発器5からパイプ2Cに流入した冷媒は、循環ポンプ6Aに達し、該ポンプ6Aから吐出され、その後、循環ポンプ6Bに達し、該ポンプ6Bから再度吐出される。このように、冷媒の吐出を2箇所に分けて行なうことで、各循環ポンプの1回あたりの吐出量を比較的小さく設定することができるので、配管内を流れる冷媒の脈動を抑えることができる。これにより、キャビテーションの発生が抑制される。また、循環ポンプ6Aの出口近傍には、パイプ2Dから枝分かれした脈動吸収パイプ32が設けられている。これにより、循環ポンプ6Aの出口近傍での冷媒の脈動が吸収され、キャビテーションの抑制効果がさらに高められる。
キャビテーションの発生を抑制するために、他の方法として、第2高温側循環回路に放熱部を設けて、回路内を流れる冷媒の温度を下げることが考えられる。図3に示す例では、ドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよび発露防止パイプ9Cがこの放熱部として機能する。ここで、ドレンパンヒータ9Aは、ドレンパン12Bの底面にパイプを配設することによって形成される。冷凍室近傍パイプ9Bは、スターリング冷却庫1の冷凍室に隣接する位置にパイプを配設することによって形成される。また、発露防止パイプ9Cは、冷却庫本体1Aの前面のほぼ全体に亘って配設されている。
循環ポンプ6A,6Bは、冷却庫本体1Aの底部に配設される。これにより、循環ポンプ6A,6Bの近傍において、高温側蒸発器5との位置水頭差により、冷媒流路内を流れる冷媒の圧力を比較的高くすることができる。したがって、キャビテーションの発生がさらに抑制される。
また、循環ポンプ6Aの定格流量は、循環ポンプ6Bの定格流量よりも小さく設定されている。
循環ポンプ6Bよりも上流側に配設される循環ポンプ6Aの近傍においては、パイプ内を流れる冷媒が比較的高い温度を保っているため、キャビテーションが発生する割合が相対的に高い。したがって、循環ポンプ6Aの定格流量を相対的に小さくすることにより、この部分での脈動を小さくし、キャビテーションの発生を抑制することができる。一方で、循環ポンプ6Bの定格流量を相対的に大きくすることによって、第2高温側循環回路における冷媒の流量を大きくすることができる。
上述した内容について要約すると、以下のようになる。
本実施の形態に係る放熱システムは、スターリング冷却庫1に設けられた放熱システムであり、スターリング冷凍機4の高温部2(熱源)の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる高温側蒸発器5と、蒸発した冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する高温側凝縮器7とを含み、凝縮された冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第1循環回路と、高温側蒸発器5下部に接続されたパイプ2Cを含む冷媒流路を有し、液状の冷媒を放熱部としてのドレンパンヒータ9A、冷凍室近傍パイプ9Bおよび発露防止パイプ9Cに導いてから該液状の冷媒を高温側蒸発器5内に戻す第2循環回路とを備え、第2循環回路は、冷媒流路に設けられた循環ポンプ6A(第1循環ポンプ)と、循環ポンプ6Aよりも下流側の冷媒流路に設けられた循環ポンプ6B(第2循環ポンプ)とを含む。
本実施の形態によれば、上述した構成により、水撃による騒音、振動や配管へのダメージが抑制された放熱システムおよび該システムを備えたスターリング機関搭載機器としてのスターリング冷却庫が提供される。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 スターリング冷却庫、1A 冷却庫本体、2 高温部、2A〜2G パイプ(高温側循環回路)、3 低温部、3A,3B パイプ(低温側循環回路)、4 スターリング冷凍機、5 高温側蒸発器、6A,6B 循環ポンプ、7 高温側凝縮器、8 ファン、9A ドレンパンヒータ、9B 冷凍室近傍パイプ、9C 発露防止パイプ、10 低温側凝縮器、11 低温側蒸発器、12 ファン、12A ドレンパイプ、12B ドレンパン、13 シリンダ、14 ピストン、15 ディスプレーサ、16 再生器、17 作動空間、17A 圧縮空間、17B 膨張空間、18,19 内部熱交換器、18A チューブ、20 インナーヨーク、21 可動マグネット、22 アウターヨーク、23 リニアモータ、24 ピストンスプリング、25 ディスプレーサスプリング、26 ディスプレーサロッド、27 背圧空間、28 板バネ、29 バランスマス、30 ケーシング、30A ベース部材、31 機械室、32 脈動吸収パイプ。
Claims (4)
- 低温部と高温部とを有するスターリング機関と、
前記高温部の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する凝縮器とを含み、凝縮された前記冷媒を前記蒸発器内に戻す第1循環回路と、
前記蒸発器下部に接続された冷媒流路を有し、前記冷媒を放熱部に導いてから該冷媒を前記蒸発器内に戻す第2循環回路とを備え、
前記第2循環回路は、前記冷媒流路に設けられた第1循環ポンプと、該第1循環ポンプよりも下流側の前記冷媒流路に設けられた第2循環ポンプとを含む、スターリング機関搭載機器。 - 前記スターリング機関搭載機器は前記スターリング機関が格納される機器本体を備え、
前記機器本体の底部に前記第1と第2循環ポンプを配設し、
前記第1と第2循環ポンプの間に位置する前記冷媒流路に前記放熱部を配置した、請求項1に記載のスターリング機関搭載機器。 - 前記第1循環ポンプの定格流量が前記第2循環ポンプの定格流量よりも小さい、請求項1または請求項2に記載のスターリング機関搭載機器。
- 熱源の周囲に設けられ、内部の冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発した前記冷媒を受け入れ、該冷媒を凝縮する凝縮器とを含み、凝縮された前記冷媒を前記蒸発器内に戻す第1循環回路と、
前記蒸発器下部に接続された冷媒流路を有し、前記冷媒を放熱部に導いてから該冷媒を前記蒸発器内に戻す第2循環回路とを備え、
前記第2循環回路は、前記冷媒流路に取付けられた第1循環ポンプと、該第1循環ポンプよりも下流側の前記冷媒流路に取付けられた第2循環ポンプとを含む、放熱システム。
Priority Applications (1)
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