JPH10259966A - ランキンピストン冷凍機 - Google Patents

ランキンピストン冷凍機

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Publication number
JPH10259966A
JPH10259966A JP6477397A JP6477397A JPH10259966A JP H10259966 A JPH10259966 A JP H10259966A JP 6477397 A JP6477397 A JP 6477397A JP 6477397 A JP6477397 A JP 6477397A JP H10259966 A JPH10259966 A JP H10259966A
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JP
Japan
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working medium
chamber
heat
heating
cylinder
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Application number
JP6477397A
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English (en)
Inventor
Yutaka Momose
豊 百瀬
Jiyunichi Mita
淳一 三多
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた冷凍能をもち、寸法やコストが大きくな
ることなく熱エネルギーの変換効率を高くすることがで
きるランキンピストン冷凍機を提供する。 【解決手段】本発明のランキンピストン冷凍機は、両端
部分10a、10bが上方に位置し中央部10cが下方
となる両端密閉のシリンダ10と、一端部分10aの上
方に形成される加熱室20と加熱室20の下方に形成さ
れる冷却室30と、他端部分10bの上方に形成される
蓄冷室40と蓄冷室40の下方に形成される放熱室50
と蓄冷室40と放熱室50との間に配置される再生器6
0と、加熱室20、冷却室30、蓄冷室40並びに放熱
室50内に封入された気体状の作動媒体70a、70b
及び少なくとも冷却室30および加熱室20を交互に上
下往復動し、シリンダ10の中央部10cに封入された
液体状の作動媒体72aと、蓄冷室40に液体状の作動
媒体を微粒子72bとして導入する媒体蓄冷室導入手段
80と、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、ビルミエサイクル冷凍機や吸収
式冷凍機などのように、外界の熱をエネルギー源として
利用することにより作動する冷凍機がある。ビルミエサ
イクル冷凍機は、スターリングエンジンとスターリング
冷凍機とを組み合わせたものであり、それらを協動させ
て熱エネルギーを冷凍という仕事に変換するものであ
る。この冷凍機は優れた冷凍能をもつが、次に挙げるよ
うにいくつか問題点がある。
【0003】まず、投入した熱エネルギーが、機械損失
や流動損失などによって冷凍に使われるまでに多量に失
われてしまうことが挙げられる。これにより、その損失
分を補うようかなり高温の熱を投入しなければならな
い。また、ヘリウム、窒素などの単一不活性の気体状の
作動媒体を介して熱交換が行われるため、作動媒体の循
環流量を多く取らなければならないことが挙げられる。
それには作動媒体の循環を促進させる手段が必要となっ
てくる。さらには、エンジン部分の作動媒体と冷凍機部
分の作動媒体との温度差が大きくなるため、成績係数が
著しく低下してしまうことが挙げられる。
【0004】一方、吸収式冷凍機は、吸収剤を含む液体
状の作動媒体を使用した冷凍機であり、減圧下で作動媒
体を蒸発させて冷凍を行う。この冷凍機では、作動媒体
が蒸発すると同時に蒸発に必要な気化潜熱が周囲から奪
われて冷熱が生み出される。このとき熱エネルギーは、
減圧下で液体状の作動媒体を蒸発させることに使われ
る。この冷凍機も優れた冷凍能をもつが、比較的低温の
熱源で作動できる点で先に挙げたビルミエサイクル冷凍
機より優れる。しかしながら、次に挙げるような問題点
がある。
【0005】まず、吸収剤に臭化リチウムやアンモニア
等の腐食性および毒性の高い材料を用いていることが挙
げられる。これにより、容器の強度設計などにおいて厳
重な安全対策が求められる。また、作動媒体の循環量の
質量流量が低いため、冷凍機が大型化してしまうことが
挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年になっ
て資源の有効利用が叫ばれるようになり、冷凍機におい
てもエネルギー利用効率の高いものが求められるように
なってきた。前記に挙げたような外界の熱をエネルギー
源として利用する冷凍機では、熱エネルギーの変換効率
を高くすることによってエネルギーの利用効率を高める
ことができる。
【0007】しかし、ビルミエサイクル冷凍機や吸収式
冷凍機で熱エネルギーの変換効率を高くするには、前記
のようにそれらが抱える種々の問題により、寸法やコス
トが大きくなってしまう。本発明はこのような実情に鑑
みてなされたものであり、優れた冷凍能をもち、寸法や
コストが大きくなることなく熱エネルギーの変換効率を
高くすることができるランキンピストン冷凍機を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するべく鋭意研究を重ねた結果、ランキンピスト
ンエンジンと吸収式冷凍機とを組み合わせ、かつ冷凍源
の冷熱が蓄えられる蓄冷室に液体状の作動媒体を微粒子
として導入する手段を設けることにより、優れた冷凍能
をもち、寸法やコストが大きくなることなく熱エネルギ
ーの変換効率を高くすることのできるランキンピストン
冷凍機を構成できることを見出し、本発明に至った。
【0009】即ち、本発明のランキンピストン冷凍機
は、両端部分が上方に位置し中央部が下方となる両端密
閉のシリンダと、一端部分の上方に形成される加熱室と
該加熱室の下方に形成される冷却室と、他端部分の上方
に形成される蓄冷室と該蓄冷室の下方に形成される放熱
室と該蓄冷室と該放熱室との間に配置される再生器と、
該加熱室、該冷却室、該蓄冷室並びに該放熱室内に封入
された気体状の作動媒体及び少なくとも該冷却室および
該加熱室を交互に上下往復動し、該シリンダの該中央部
に封入された液体状の作動媒体と、該蓄冷室に液体状の
該作動媒体を微粒子として導入する媒体蓄冷室導入手段
と、を有することを特徴とする。
【0010】このランキンピストン冷凍機では、気体状
の作動媒体を断熱膨張させることによって冷熱が生み出
され、かつ媒体蓄冷室導入手段によって蓄冷室に導入さ
れた液体状の作動媒体を蒸発させることによってさらに
冷熱が生み出される。それゆえ、このランキンピストン
冷凍機は優れた冷凍能をもち、また吸収式冷凍機と同様
に比較的低温の熱源で作動できる。こうした熱源として
例えば、別の熱機関から排出されるそれほど高温ではな
い排ガスや排水などを利用できる。
【0011】さらに、腐食性および毒性の高い吸収剤を
作動媒体に用いる必要がなく、かつ吸収式冷凍機に比べ
作動媒体の循環量を多く取れる。それゆえ、寸法やコス
トが大きくなることなく熱エネルギーの変換効率を高く
することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のランキンピストン冷凍機
は、前記の如く、シリンダ、加熱室、冷却室、蓄冷室、
放熱室、再生器、作動媒体および、媒体蓄冷室導入手段
から主として構成されるものである。シリンダは、作動
媒体を上下往復動させるものである。このシリンダの材
質および形状は、作動媒体を保持することができ、かつ
その両端部分が上方に位置し、中央部が下方となる両端
密閉であることを満たしていれば、双方とも特に限定さ
れるものでないが、作動媒体によって化学的にも物理的
にも食されにくくすること、および液体状媒体をスムー
ズに流動させることなどを考慮して強度設計することが
好ましい。
【0013】加熱室は、液体状の作動媒体が加熱されて
気体状の作動媒体に変えられる室である。この加熱室
は、加熱手段や加熱温度、気体状媒体の圧力などに応じ
て強度設計がなされる必要がある。加熱室の加熱手段と
しては、熱源に応じて任意の加熱手段を用いることがで
きる。例えば、高温の排気ガスを熱源として利用するな
らば、この排気ガスを熱風の形で加熱室に当てて加熱室
を加熱することができる。
【0014】冷却室は、気体状媒体が冷却されて液体状
媒体に変えられる室である。この冷却室においても、冷
却手段や冷却温度、液体状の作動媒体の水圧などに応じ
て強度設計がなされる必要がある。この冷却室の冷却手
段においても、作動媒体に応じて任意の冷却手段を用い
ることができる。例えば、冷却室内にパイプを任意形状
に渡し、このパイプに冷水などの冷媒を給排する手段を
用いることができる。
【0015】蓄冷室は、気体状の作動媒体を断熱膨張さ
せることによって冷熱を生み出す室である。また、この
蓄冷室では、後述する媒体蓄冷室導入手段によって導入
された液体状の作動媒体を蒸発させることによってさら
に冷熱が生み出される。生み出された冷熱は、例えば、
蓄冷室内にパイプを任意形状に渡すとともにこのパイプ
をのところまで延長させ、このパイプに水などの冷媒を
排給させる手段によって外部に取り出すことができる。
この手段では、蓄冷室で生じた冷熱は冷媒によって外部
に運び出されて使用される。
【0016】放熱室は、断熱圧縮されてより高い温度と
なった気体状の作動媒体から熱を放出させる室である。
発生した圧縮熱を外部へ放出することによって気体状の
作動媒体の温度がほぼ一定に保たれる。すなわち、この
放熱室により気体状の作動媒体が等温圧縮される。圧縮
熱を外部へ放出する放熱手段としては特に限定されるも
のではなく、例えば、放熱室内にパイプを任意形状に渡
し、このパイプに冷水などの冷媒を給排する手段などを
用いることができる。この例の場合、冷水の温度、給排
速度などを適切に選択して気体状の作動媒体の温度が上
昇しないようにする。
【0017】再生器は、金属メッシュなどで構成され、
気体状の作動媒体を自在に通過させるものである。この
再生器によって、蓄冷室の冷気が放熱室へ拡散すること
が妨げられるとともに、放熱室での放出熱が蓄冷室へ拡
散することが妨げられる。これにより、蓄冷室と放熱室
との温度が区分けされ、蓄冷室の低温状態を保持するこ
とができ、ひいては冷凍機の冷凍能を高めることができ
る。
【0018】作動媒体は、熱エネルギーが冷凍という仕
事に変換されるときに、それらの間に介在してエネルギ
ー交換をする媒体である。この作動媒体としては、加熱
室での加熱により液相から気相へ相変化し、冷却室での
冷却により気相から液相へ相変化できる物質を使用す
る。また、シリンダと化学反応しない性質をもち、液体
状態において流動性に優れるものを選択する。このと
き、特に流動損失を小さくするために粘性抵抗の小さい
ものを選択することが好ましい。
【0019】こうした性質をもつ作動媒体として、水、
有機溶液などがある。熱源が100℃以上の温度をもつ
ならば、安価であって安全で扱いやすい水が、作動媒体
として用いるのに好適である。一方、熱源の温度が比較
的低い場合には、沸点の低い有機溶液が好適である。こ
うした液体状の作動媒体の液量は、少なくとも冷却室お
よび加熱室を交互に上下往復動できるよう選択する。
【0020】媒体蓄冷室導入手段は、蓄冷室に液体状の
作動媒体を微粒子として導入するものである。この液体
状の作動媒体としては、シリンダー内のものを循環させ
て導入してもよいし、シリンダー内のものとは別に外部
に用意されたもの導入してもよい。ただし、後者の導入
手段を採用する場合、シリンダー内の作動媒体が増量し
てしまうため、排出手段などを設けてシリンダー内の作
動媒体量を一定に調節する必要がある。また、導入され
る微粒子があまりに高温であると、蓄冷室および蓄冷手
段を温めてしまい好ましくない。それゆえ、導入される
微粒子は、蓄冷室および蓄冷手段とほぼ同じ温度かそれ
以下の温度であることが好ましい。
【0021】また、この媒体蓄冷室導入手段では、液体
状の作動媒体を微粒子とする手段は特に限定されるもの
でなく、例えばノズルのような噴出器を用いることがで
きる。以上のように本発明のランキンピストン冷凍機を
構成でき、その他、種々の補助部品を用いて組立てるこ
とができる。なお、加熱室、冷却室、蓄冷室および放熱
室は、それぞれシリンダーと別に成形してもよいし、一
体的に成形してもよい。次に、このランキンピストン冷
凍機の動作方法について説明する。
【0022】まず、加熱手段を作動させ、任意の手段に
よって加熱室内に導入された液体状の作動媒体を加熱す
る。加熱された液体状の作動媒体は、気化して気体状の
作動媒体となり、シリンダーの一端部分側の気体状の作
動媒体の圧力を上昇させる。こうして高圧となった気体
状の作動媒体は、自らを膨張させながら液体状の作動媒
体の液面(気液界面)を押し下げ、液体状の作動媒体を
シリンダーの他端方向へ流動させる。
【0023】この液体状の作動媒体の流動に相まって、
シリンダーの他端部分側の気体状の作動媒体は、気液界
面から押圧力を受けて圧縮される。このとき、圧縮され
た気体状の作動媒体からは圧縮熱が発生するが、放熱室
内の放熱手段によってその圧縮熱は速やかに放熱室の外
へ放出される。こうしてシリンダーの他端部分側の気体
状の作動媒体が等温圧縮される。
【0024】続いて、冷却手段を作動させて、冷却室に
入ってきた気体状の作動媒体を冷却する。冷却された気
体状の作動媒体は、凝縮して液体状の作動媒体となり、
加熱室および冷却室側のシリンダー内の気体状の作動媒
体の圧力を下降させる。こうして減圧された気体状の作
動媒体は、自らを収縮させながらの気液界面を引き上
げ、液体状の作動媒体をシリンダの一端部分側へ流動さ
せる。
【0025】液体状の作動媒体の流動に相まって、シリ
ンダの他端部分側の気液界面が下方に移動する。これに
よって、蓄冷室内の気体状の作動媒体は膨張して自らの
圧力を低下させる。こうして蓄冷室内の気体状の作動媒
体が減圧されると、媒体蓄冷室導入手段により微粒子と
してあらかじめ蓄冷室内に導入されていた液体状の作動
媒体が蒸発する。このとき、液体状の作動媒体の蒸発に
伴って蓄冷室から気化潜熱が奪われ、蓄冷室内で冷熱が
生み出される。
【0026】以上の一連の操作を連続的にもしくは断続
的に適当な回数繰り返すことにより、十分な冷熱を蓄冷
することができる。ところで、本発明のランキンピスト
ン冷凍機では、前記構成に加え、さらに前記加熱室に沸
点あるいは沸点近くにまで加熱された液体状の前記作動
媒体を導入する媒体加熱室手段をもつことが好ましい。
導入された液体状の作動媒体は加熱室で加熱され、気化
して気体状の作動媒体の圧力を上昇させる。
【0027】この噴出手段によって、シリンダ下方の液
体状の作動媒体を加熱室へ侵入させずとも容易に液体状
の作動媒体を加熱室内に導入できる。また、液体状媒体
を導入する量、導入するタイミングなどを容易に制御で
きるようになり、加熱室内に入る液体状の作動媒体の量
を一定に制御することが可能となる。それゆえ、冷凍機
のスターターとして利用できるとともに、液体状の作動
媒体の上下動の振幅量を任意に制御できるようになる。
【0028】さらに、この導入手段は、液体状の作動媒
体を沸点またはその近くに加熱する加熱手段をもつこと
が望ましい。この加熱手段によって、沸点またはその近
くに加熱された液体状の作動媒体が加熱室内に導入され
るため、導入手段により噴出される液体状の作動媒体を
速やかに気体状の作動媒体に気化することができ、気体
状の作動媒体の圧力上昇を容易に制御できるようにな
る。この加熱手段としては、加熱室を加熱する手段を利
用することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。本実施例のランキンピストン冷凍機は、別の熱機関
から排出される100℃以上の高温の排気ガスを熱源と
して利用するものである。本実施例のランキンピストン
冷凍機の概略図を図1に示す。
【0030】シリンダ10は、円筒状であって縦断面が
コの字形状の両端が密閉され、両端部分10a、10b
が上方に位置し、中央部10cが下方に位置するように
配置される。このシリンダ10は、作動媒体によって化
学的にも物理的にも食されにくく、かつ液体状媒体をス
ムーズに流動させることができる。一端部分10aの上
方には加熱室20が形成され、この加熱室20の下方に
冷却室30が形成される。加熱室20および冷却室30
は、それぞれシリンダ10と一体的に成形されたもので
ある。
【0031】加熱室20の加熱手段としては、外部から
高温の熱風を送風できる熱風ダクト22aと、加熱室2
0の室壁周囲に設けられたフィン22bと、を備える加
熱機構22を採用した。この加熱機構22では、熱風ダ
クト22aによって熱風がフィン22bに送風され、フ
ィン22bに熱風の熱が蓄熱される。フィン22bの高
温の蓄熱は室壁を介して加熱室20内へ伝熱される。こ
の加熱手段により、加熱室20内を100℃以上に加熱
することができる。
【0032】また、冷却室30の冷却手段としては、パ
イプの一部をコイル状に巻回して形成した冷却コイル3
2aと、冷却コイル32aに冷水を給排する導管32b
と備える冷却器32を冷却室内に取り付けた。この冷却
器32では、冷却コイル32aに給排される冷水によっ
て冷却室内の熱が奪われ、冷却室が冷却される。一方、
他端部分10bの上方には蓄冷室40が形成され、蓄冷
室40の下方に放熱室50が形成される。これら蓄冷室
40および放熱室50は、それぞれシリンダ10と一体
的に成形されたものである。
【0033】蓄冷室40で生み出された冷熱を外部へ取
り出す手段としては、パイプの一部をコイル状に巻回し
て形成した蓄冷コイル42aと、蓄冷コイル42aに水
を給排する導管42bと備える蓄冷器42を採用した。
蓄冷コイル42aのところで気化潜熱が奪われて冷水化
した水が、冷凍に使用される。また、放熱室50の放熱
手段としては、パイプの一部をコイル状に巻回して形成
した放熱コイル52aと、放熱コイル52aに水を給排
する導管52bと、を備える放熱器52を採用した。こ
の放熱器52では、放熱コイル52aに給排される冷水
によって放熱室内に放出される熱が外へ運ばれる。これ
により、放熱室50内に熱が放出されても、放熱室50
内の温度が上昇しないようになっている。
【0034】シリンダ10の一端部分10a内の蓄冷室
40と放熱室50との間には再生器60が装着される。
この再生器60は、スチールウール様の金属メッシュで
ある。この再生器60は、後述するシリンダ10の一端
部分10a内の気体状の作動媒体を自在に通過させるも
のであり、蓄冷室40の冷熱が放熱室50へ拡散するこ
とを防ぐとともに、放熱室50の放出熱が蓄冷室40へ
拡散することを防ぐ。
【0035】加熱室20、冷却室30、蓄冷室40並び
に放熱室50内には気体状の作動媒体70a、70bが
封入されている。また、シリンダ10の中央部10cに
は液体状の作動媒体72aが封入されている。ここでは
作動媒体として水を用いており、気体状の作動媒体70
a、70bは水蒸気として存在する。また、液体状の作
動媒体72aの液量は、ランキンピストン冷凍機が停止
しているときにおいて、シリンダ10内の液体状の作動
媒体72aの水位(気液界面位置)が冷却室30および
放熱室50の下方にそれぞれ位置するように調節した。
【0036】また、他端部分10bの上端には、蓄冷室
40に液体状の作動媒体を微粒子72bとして導入する
媒体蓄冷室導入手段80が設けられている。この媒体蓄
冷室導入手段80は、ポンプ82a、蒸気発生装置82
b、冷却導管82c、および微粒子噴出装置(ノズル)
82dを備える。ポンプ82aは、シリンダ10の中央
部10cから水を蒸気発生装置82aに汲み上げる装置
である。蒸気発生装置82bは、汲み上げられた水を沸
点またはその近くに加熱して水蒸気を発生させる装置で
ある。冷却導管82cは、管内を冷却できる冷却器(図
示せず)を備え、蒸気発生装置82bで発生した高温の
水蒸気を冷却して液体状の作動媒体に変えるとともに、
この液体状の作動媒体の温度を蓄冷コイル42aに給水
される水の温度とほぼ同じか、もしくはそれ以下にする
装置である。ノズル82dは、冷却導管82cで冷却さ
れた液体状の作動媒体を微粒子72bとして噴出する装
置である。微粒子72bの噴出量は、冷却導管82cの
途中に設けられた流量調節弁82eによって調節するこ
とができる。
【0037】ここでは、水を沸点またはその近くに加熱
する加熱手段として加熱機構22を利用した。具体的に
は、蒸気発生装置82bの設置位置まで延長された熱風
ダクト22cと、蒸気発生装置82bの装置周囲に設け
られたフィン22dと、を備えたものである。この加熱
手段により、蒸気発生装置82bに汲み上げられた水を
沸点またはその近くに加熱でき、蒸気発生装置82bか
ら水蒸気を発生させることができる。
【0038】さらに、シリンダ10の一端部分10aの
閉じた上端には、蒸気噴出装置(ノズル)90aを備え
た媒体加熱室導入手段90が設けられている。この媒体
加熱室導入手段90は、冷却導管90aにおいて蒸気発
生装置82bで発生した水蒸気を沸点あるいは沸点近く
の高温にある液体状の作動媒体に変え、この高温の液体
状の作動媒体をノズル90bより微粒子72cとして噴
出するものである。ノズル90aより噴出された微粒子
72cは、加熱室20内で加熱されてすぐさま気化す
る。微粒子72cの噴出量、冷却導管90aの途中に設
けられた流量調節弁90cによって調節することができ
る。
【0039】このランキンピストン冷凍機では、停止時
においては冷却室30および放熱室50内に液体状媒体
72aが侵入しないように、シリンダ10内の液体状の
作動媒体72aの水位を静止させておく。以下に、この
ランキンピストン冷凍機の動作方法について説明する。
まず、始動時においては、加熱機構22によって加熱室
20内をあらかじめ100℃以上に加熱しておき、導入
手段22により加熱室20内に適量の微粒子72cを噴
出する。導入手段22より噴出された微粒子72cは、
加熱室20内で加熱されて気化し、気体状の作動媒体7
0aの圧力を上昇させる。高圧となった気体状の作動媒
体70aは、シリンダ10の一端部分10a内の水位を
押し下げ、液体状の作動媒体72aをシリンダ10の他
端部分10bの方へ流動させる。
【0040】液体状の作動媒体72aの流動に相まっ
て、気体状の作動媒体70bは、気液界面から押圧力を
受けて圧縮される。このとき、圧縮された気体状の作動
媒体70bからは圧縮熱が発生するが、放熱室50内の
放熱手段52によってその圧縮熱は速やかに放熱室50
の外へ放出される。こうして気体状の作動媒体70bが
等温圧縮される。
【0041】続いて、冷却器32を作動させて、冷却室
30内にある気体状の作動媒体70aを冷却する。冷却
された気体状の作動媒体70aは凝縮して液体状の作動
媒体72aとなり、自らの圧力を下降させる。こうして
減圧された気体状の作動媒体70aは、自らを収縮させ
ながらの気液界面を引き上げ、液体状の作動媒体72a
をシリンダの一端部分10a側へ流動させる。
【0042】液体状の作動媒体72aの流動に相まっ
て、シリンダ10の他端部分10b側の気液界面が下方
に移動する。これに伴って、気体状の作動媒体70bが
自らの圧力を低下させながら断熱膨張して、蓄冷室40
で冷熱が生み出される。また、気体状の作動媒体70b
が減圧されると同時に、媒体蓄冷室導入手段80により
あらかじめ蓄冷室40内に導入されていた微粒子72b
が蒸発する。このとき、微粒子72bの蒸発に伴って蓄
冷室40から気化潜熱が奪われ、さらに蓄冷室40で冷
熱が生み出される。蓄冷室40内で生み出された冷熱は
蓄冷器42によって外部に運び出される。
【0043】以上の一連の操作を連続的にもしくは断続
的に適当な回数繰り返すことにより、十分な冷熱を蓄冷
することができる。
【0044】
【効果】本発明のランキンピストン冷凍機では、産業排
水や排気ガスなどそれほど高温ではない排熱を熱源とし
て利用できるため、エネルギー利用の効率化にも貢献す
ることができる。また、寸法やコストが大きくなること
なく熱エネルギーの変換効率を高くすることができるた
め、小型でかつ安価に冷凍機を製造することができると
ともにエネルギー利用効率の高い冷凍機として利用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、本実施例のランキンピストン冷凍機
の概略図である。
【符号の説明】
10:シリンダ 20:加熱室 22:加熱機構 3
0:冷却室 32:冷却器 40:蓄冷室 42:蓄冷
器 50:放熱室 52:放熱器 60:再生器 70a、70b:気体状の作動媒体 72a:液体状の
作動媒体 72b:微粒子 80:媒体蓄冷室導入手段
90:媒体加熱室導入手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端部分が上方に位置し中央部が下方とな
    る両端密閉のシリンダと、 一端部分の上方に形成される加熱室と該加熱室の下方に
    形成される冷却室と、 他端部分の上方に形成される蓄冷室と該蓄冷室の下方に
    形成される放熱室と該蓄冷室と該放熱室との間に配置さ
    れる再生器と、 該加熱室、該冷却室、該蓄冷室並びに該放熱室内に封入
    された気体状の作動媒体及び少なくとも該冷却室および
    該加熱室を交互に上下往復動し、該シリンダの該中央部
    に封入された液体状の作動媒体と、 該蓄冷室に液体状の該作動媒体を微粒子として導入する
    媒体蓄冷室導入手段と、 を有することを特徴とするランキンピストン冷凍機。
  2. 【請求項2】 前記加熱室に沸点あるいは沸点近くにま
    で加熱された液体状の前記作動媒体を導入する媒体加熱
    室手段をもつ請求項1に記載のランキンピストン冷凍
    機。
  3. 【請求項3】 前記作動媒体は水である請求項1に記載
    のランキンピストン冷凍機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010102874A2 (en) 2009-03-10 2010-09-16 Newcomen S.R.L. Integrated rankine-cycle machine
WO2014141072A1 (en) 2013-03-12 2014-09-18 Newcomen S.R.L. Closed-cycle plant
CN104807237A (zh) * 2015-04-29 2015-07-29 北京中南亚太环境科技发展有限公司 一种应用溴化锂的节能装置
CN113062842A (zh) * 2021-03-04 2021-07-02 新疆维吾尔自治区寒旱区水资源与生态水利工程研究中心(院士专家工作站) 单活塞曲线缸压缩空气制冷制热循环装置

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