JP3910096B2 - スターリング機関用放熱システムおよびそれを備えた冷却庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スターリング機関用放熱システムおよびそれを備えた冷却庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、家庭用冷蔵庫などではCFC(特定フロン)及びHCFC系冷媒を循環させる蒸気圧縮式の冷凍サイクルが一般的に使われている。しかしながら、これらの冷媒は、大気中に放出されると、分解されずに成層圏に達してオゾン層を破壊する環境問題が指摘されている。このため、従来から広く使用されているこれらの冷媒の使用並びに生産が国際条約に規制されている。
【0003】
このような背景のもと、逆スターリングサイクルの特性が見直され、近年、それを利用するスターリング冷凍機に関する研究開発が進んでいる。このスターリング冷凍機は地球環境に影響を及ばすことのないヘリウム等の不活性ガスを作動媒体としており、シリンダ内部で外部動力によりピストンとディスプレーサを動作させて作動媒体の圧縮・膨張を行い、圧縮で生ずる熱をシリンダの外部へ放熱し、膨張でシリンダの外部の熱を吸熱して冷熱を得るものである。ここで、シリンダの放熱する部分を高温部、吸熱する部分を低温部とそれぞれ呼ぶことにする。
【0004】
ところで、スターリング冷凍機から効率よく冷熱を得るには、高温部からの放熱を効率良く行う必要がある。そのため、従来のスターリング冷凍機では、高温部の内面と外面に内部熱交換器と外部熱交換器を設け、シリンダの放熱面積を大きくするようにしていた。しかしながら、内部熱交換器や外部熱交換器による放熱面積の拡大では、熱伝導による放熱しか行えないので、充分に放熱の効率をよくすることはできなかった。
【0005】
そこで、特開平11−223404号公報には、高温部に水を流したり、空気を送風することにより、高温部を強制的に冷却し、放熱を促進するように構成されたスターリング冷凍機が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に記載のスターリング冷凍機では、水冷の場合は、水を強制循環させるため、ポンプなどの外部動力の駆動により消費電力が大きくなってしまう。さらに、冷媒である水の顕熱を利用して熱交換が行われているので、水の蒸発潜熱を利用して熱交換を行う場合に比べて、冷却効率は数10分の1程度まで低くなる。そのため、循環して戻ってくる水を十分に冷却してやる必要があり、スターリング冷凍機の成績係数(COP)の低下を招いていた。
【0007】
一方、空冷の場合は、伝熱面積の小さい高温部に蓄積した熱を効率よく放熱させる必要がある。そのため、上記の公報では、高密度にフィンを密集させた外部熱交換器を高温部の周囲に設け、ファンを回して大風量の空気をフィンに送風するようにしている。したがって、フィンのゴミ詰まりの問題やファンの消費電力増加などさまざまな問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、外部動力に頼らずに、高温部の熱の放熱を充分に促進することができるスターリング機関用放熱システム及びそれを備えた冷却庫を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、スターリング機関の作動媒体の圧縮過程で発生する熱を放熱するスターリング機関用放熱システムにおいて、
前記放熱システムは水や炭化水素等の自然冷媒を用いた冷凍サイクルから成り、
前記スターリング機関の高温部に取り付けられた蒸発器と、
前記蒸発器より高い位置に配置され前記自然冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器とを連結して冷媒を循環させる蒸気側配管と液側配管とを備え、
前記蒸発器は、前記高温部の周囲に接触して取り付けられた一対の半円環状の容器であり、それぞれ液側配管と蒸気側配管を介在して別々の凝縮器に接続することにより、一対の独立な放熱システムを構成して、前記各々の蒸発器は前記高温部の周囲に対向面が垂直面から成るように水平方向に対向して配置され、前記各々の蒸気側配管は前記垂直面に近接して前記蒸発器の上部付近に接続されることを特徴としている。
【0010】
また、本発明は、前記凝縮器のそれぞれに対向して個別に駆動するファンを設けたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明は、前記蒸気側配管と前記液側配管を前記凝縮器の前後で複数パスに分岐させたことを特徴としている。
【0012】
さらに、本発明は、前記液側配管に圧力調整弁を設けることを特徴としている。
【0013】
また本発明の冷却庫は、上記のスターリング機関用放熱システムを備えたことを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。まず、図1は本発明のスターリング冷凍機の熱搬送システム図である。この熱搬送システムは、シリンダの内部に封入された作動媒体の膨張過程で吸熱して冷熱を発生する低温部3と、作動媒体の膨張過程で温熱を発生する高温部2とを有するスターリング冷凍機1と、低温側冷熱搬送サイクル(吸熱システム)5と、高温側熱搬送サイクル(放熱システム)4とからなる。
【0015】
低温側冷熱搬送サイクル5は、低温部3の周囲に接触して取り付けられた低温側凝縮器12と、凝縮液側冷媒配管13及び蒸気側冷媒配管14により低温側凝縮器12と繋がれた低温側蒸発器15とから構成された循環回路である。この回路内には二酸化炭素や炭化水素等が冷媒として封入されている。また、冷媒の蒸発と凝縮による自然循環が利用できるように、低温側蒸発器15を低温側凝縮器12より低い位置に設置する方が望ましい。
【0016】
一方、高温側熱搬送サイクル4は、水や炭化水素等の自然冷媒を用いた冷凍サイクルから成り、スターリング冷凍機1の高温部2に取り付けられた高温側蒸発器6と、高温側蒸発器6より高い位置に配置され自然冷媒を凝縮する高温側凝縮器8と、高温側蒸発器6と高温側凝縮器8とを連結して冷媒を循環させる蒸気側冷媒配管7と凝縮液側冷媒配管11と、凝縮液側冷媒配管11に設置された気液分離器9(或いは液溜)とから構成された循環回路である。この回路内には水(水溶液を含む)や炭化水素等の自然冷媒が冷媒として封入されている。このように、水(水溶液を含む)や炭化水素を冷媒として使うことによって、環境や人体への悪影響をなくすことができる。なお、冷媒の蒸発と凝縮による自然循環を円滑にするため、凝縮液側冷媒配管11を高温側蒸発器6の最下端に連結している。
【0017】
次に、高温側熱搬送サイクル4の動作について説明する。高温部2に発生した熱は、高温部2の周囲から高温側蒸発器6に伝達され、この高温側蒸発器6に溜まっている冷媒を蒸発させる。蒸発した冷媒蒸気は、蒸気側冷媒配管7を上昇して、より高い位置に設置された高温側凝縮器8に流入する。そして、そこで環境雰囲気と熱交換して、冷媒蒸気はほとんど液化される。
【0018】
その液体(又は、気体を混合した液体)冷媒は、凝縮液側冷媒配管11を下降し、その途中で気液分離器9を通って気体と液体に分離され、液冷媒のみが高温側蒸発器6に戻され、再び高温部2の熱により蒸発される。このように、冷媒の蒸発・凝縮における潜熱を利用することによって、顕熱による熱交換より数10倍も大きい熱伝達量が得られるため、熱交換効率が大幅に高められる。さらに、上記のように、本発明では、高温側凝縮器8と高温側蒸発器6との上下配置における高度差と、気体と液体の比重差とによる圧力差によって、冷媒を循環させる駆動力が得られる。従って、ポンプなどの外部動力なしで冷媒を循環させることができるため、省エネが可能となる。
【0019】
ところで、気温が氷点下になることがある寒冷地などにおいて、水冷媒を使用する場合、凍結による配管の破裂等の問題が考えられる。そこで、水冷媒にエタノールやエチレングリコールを混入させることによって、凝固点を降下させて凍結問題を解決できる。この場合、これらの添加物質による水冷媒の性能低下や、或いは添加物質の濃度による可燃性などの危険性を避けるため、エタノール或いはエチレングリコールの添加率を20wt%以下にすることが望ましい。
【0020】
また、高温側蒸発器6で冷媒に熱が伝達される時、高温側蒸発器6の内部で不安定な沸騰が起こるため、冷媒を循環する駆動力となる圧力差のバランスが乱される傾向がある。この乱れによって、高温部2で生成した冷媒蒸気が急速に蒸気側配管7を上昇して上部の高温側凝縮器8へ流入したり、下部の液側配管11に逆流したりするような脈動状の流れが生じることがある。この脈動的な流れ状態により、高温部2の温度も波打つように変化する状態になってしまうため、スターリング冷凍機1の故障や寿命の低減を招く原因となる。
【0021】
そこで、全部または一部の液側配管11に、蒸気側配管7より内径の小さな細管を使用している。これによって、液側配管11を通る冷媒の流動抵抗が増すため、蒸気冷媒は自然に抵抗の小さな蒸気側配管7へ流れていくことになる。これにより、冷媒の逆流による不安定な冷媒循環を抑えることができる。
【0022】
あるいは、液側配管11の気液分離器9の下方に圧力調整弁10を設置することによって、冷媒蒸気の逆流が生じないように、液側配管11を流れる冷媒の流動抵抗をコントロールすることができる。これにより、冷媒の逆流による不安定な冷媒循環を抑えることができる。
【0023】
あるいは、これらを組み合わせて、図1に示すように、液側配管11に細管を使用するとともに、その途中に圧力調整弁10を設置することにより、より効果的に冷媒の逆流による不安定な冷媒循環を抑えることができる。
【0024】
ここで、高温部2の周囲に接触させる高温側蒸発器6の一形態として、環状(ドーナツ状)蒸発器16の正面図を図2に示す。図3は、図2のX-X線断面図である。この環状蒸発器16は、ベース17及び壁面18により構成された密閉状態の空洞19と、ベース17に取り付けられたフィン20からなる。環状蒸発器16の上下に、それぞれ蒸気側配管7と液側配管11とが接続されている。
【0025】
スターリング冷凍機1の高温部2に生ずる熱は、環状蒸発器16のベース17を介して、フィン20及び壁面18に伝達して、空洞19に溜まっている冷媒液を蒸発させる。蒸発された冷媒蒸気が蒸気側配管7に接続された高温側凝縮器8に供給され、高温側凝縮器8からの凝縮液が液側配管11を介して、環状蒸発器16に帰還する。このように、環状蒸発器16を用いることによって、伝熱面積が拡大され、高温部2に生ずる熱を効率良く冷媒に伝達することができる。
【0026】
あるいは、スターリング冷凍機1に高温側蒸発器6を簡単に取り付けられるようにするため、図4〜図6に示すように、半分に分割可能な環状蒸発器24を採用してもよい。この環状蒸発器24は、一対の線対称な半円環状蒸発器24A,24Bにより構成されており、ぞれぞれ、ベース25と、壁面26と、ベース25及び壁面26により構成された密閉状態の空洞28と、ベース25に取り付けられたフィン27からなる。そして、半円環状蒸発器24A,24Bの上下に、それぞれ蒸気側配管7と液側配管11とが接続されている。
【0027】
これらの半円環状蒸発器24A,24Bは次のようにして簡単に高温部2の周囲に取り付けることができる。すなわち、一対の半円環状蒸発器24A,24Bを高温部2の周囲に密着させるように環状に合わせる。そして、一つ或いは複数のベルトやバンド31を用いて周囲から締付ける。これにより、ネジ締めやかしめ不要で、環状蒸発器24を高温部2に簡単に密着・固定できる。なお、高温部2の全周で環状蒸発器24との接触状態を均一にするため、伝熱グリスを使用して両者を密着させることが望ましい。
【0028】
また、上記の環状蒸発器16,24のフィン20(図3参照)やフィン27(図6参照)の表面に細かい溝や裂痕などが形成されるように、サンドブラスト加工などの加工法によって、粗化加工を施してもよい。これによって、フィン20,27の表面の熱伝達性が向上するとともに、フィン20,27の表面に生成した気泡が脱離しやすくなるため、局所の過熱現象による突沸が抑えられ、均一かつ効率的に熱を伝達することができるようになる。
【0029】
ここで、スターリング冷凍機1の駆動により、高温部2の温度が過剰に上昇すると、放熱が不十分となりスターリング冷凍機1のCOPが低下し、あるいは耐熱性の低い部品の寿命が短くなりスターリング冷凍機1の性能が劣化しやすくなる。したがって、高温部2の温度はできるだけ低く保つのが望ましい。しかし、水(或いは水溶液)を冷媒として使用する場合、温度が低くなると、冷媒液の粘度が著しく増大し、冷媒の循環における流動抵抗が大きくなる。さらに、冷媒蒸気の蒸気圧も低下して気流の勢いが弱まってしまう。このため、冷媒の循環量が不足し、場合によっては、冷媒が循環しなくなるという課題が生じてしまう。
【0030】
そこで、図7及び図8に示されている構造を採用することによって、この課題を解決できる。まず、図7に示しているのは、環状蒸発器16と、2パスに構成された凝縮器32と、環状蒸発器16と凝縮器32との間に介在された蒸気側配管33、34及び液側配管35,36とからなる放熱システムである。
【0031】
環状蒸発器16に溜まった冷媒は、スターリング冷凍機1の高温部2に生ずる熱を奪って蒸発され、環状蒸発器16上部に設置された蒸気側配管33と2パスに分かれた蒸気側配管34とを通過した後、凝縮器32に流れ込んで、環境雰囲気と熱交換を行って凝縮される。そして、凝縮した冷媒液は、2パスの液側配管35を通過し、さらに液側配管36を通って、環状蒸発器16に戻される。
【0032】
このように、冷媒の配管を凝縮器32の前後で2パスにしたことにより、配管を流れる冷媒の流動抵抗が4分の1程度まで小さくなる。したがって、冷媒蒸気の蒸気圧が低くなり、冷媒液の粘性が増しても、冷媒の循環量が不足したり、冷媒が循環しなくなるという問題が生じない。なお、安定して冷媒蒸気を凝縮器32に導くため、環状蒸発器16に接続している冷媒配管33は、その先で分岐した冷媒配管34より太い配管を採用することが望ましい。
【0033】
また、一対の半円環状蒸発器24A、24Bと、一対の凝縮器38A、38Bと、それぞれの配管39A、39B、40A、40Bとからなる放熱システムを図8に示す。ここで、第1放熱システム41Aと第2放熱システム41Bとは同様な構成であり、その動作や性質も同じである。
【0034】
ここで、第1放熱システム41Aを代表にして、放熱の動作を説明する。半円環状蒸発器24Aに溜まっている冷媒は、スターリング冷凍機1の高温部2で生ずる熱により蒸発され、半円環状蒸発器24Aの上部に設けている蒸気側配管39Aを上昇して凝縮器38Aに流入し、ここで環境雰囲気と熱交換を行って凝縮される。そして、凝縮された冷媒液は、凝縮器38Aに接続された液側配管40Aを通って、半円環状蒸発器34Aに戻される。
【0035】
このように、放熱システムは2つの独立な第1,第2放熱システム41A、41Bによって構成されているので、一つの放熱システムからの放熱量は半分となる。したがって、冷媒配管39A或いは39Bに通過する冷媒流量も半減される。そのため、流動抵抗も4分の1程度まで小さくなり、冷媒循環量が不足したり、冷媒が循環しないという問題を解決できる。
【0036】
また、放熱システム41Aと放熱システム41Bがお互いに独立な構造となっているため、それぞれ異なる場所に配置することが可能である。これにより、冷却装置に組み込むレイアウトの自由度が高まる。
【0037】
さらに、図9に示すように、凝縮器38A、38Bにそれぞれ対向したファン52A、52Bを設けることにより、放熱システム41Aと放熱システム41Bとそれぞれ異なる動作をさせることも可能である。
【0038】
例えば、出荷後の初期運転(プルダウン運転)などの出力の大きい運転を行うとき、放熱システム41Aと41Bを同時に稼動させる。すなわち、両方のファン52Aとファン52Bを同時に駆動して凝縮器38Aと凝縮器38Bに送風すると、両方の凝縮器38A,38Bの熱交換量が増大するため、第1、第2放熱システム41A,41Bの両方が作動してそれぞれ冷媒を循環させることができる。
【0039】
あるいは、逆に出力の少ない定常運転を行うときは、放熱システム41Aと41Bのうち、一つだけ稼動させるような動作態様が可能となる。すなわち、片方のファン52Aのみを駆動して凝縮器38Aに送風すると、片方の凝縮器38Aの熱交換量が増大するため、第1放熱システム41Aのみが作動して冷媒を循環させることができる。これにより、放熱システムの部品寿命の延長や省エネなどのメリットが得られる。
【0040】
図10に、本発明のスターリング冷凍機1を使用した冷却庫50の一例を示す。冷却庫50の背面の上部にスターリング冷凍機1を、冷却庫50の背面の下部に低温側蒸発器15を、冷却庫50の上部に高温側凝縮器41をそれぞれ配置している。そして、低温側蒸発器15は、冷却庫50の庫内の冷気ダクト42に内設され、高温側凝縮器41は冷却庫50の上部に設けたダクト43に内設される。
【0041】
スターリング冷凍機1が動作すると、上述のように高温部2(図1参照)で発生した温熱が高温側凝縮器41を通じて空気と熱交換される。このとき、送風ファン44によりダクト43内の暖かい空気が冷却庫50の庫外へ排出されるとともに、冷却庫50の庫外の空気が取り込まれ、熱交換が促進される。
【0042】
一方、低温部3(図1参照)で発生した冷熱は、上述のように低温側蒸発器15を通じて冷気ダクト42内の気流と熱交換される。このとき、冷凍空間側ファン45と冷蔵空間側ファン46により、低温側蒸発器15で冷やされた冷気がそれぞれ冷凍空間47および冷蔵空間48に送風される。各冷却空間からの暖かくなった気流は冷機ダクト42を通じて再び低温側蒸発器15に送られ、繰り返し冷却される。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のスターリング機関用放熱システムは、スターリング機関の高温部の放熱を自然冷媒の蒸発・凝縮を使用して行うシステムであり、人工冷媒を一切使用しないので、環境や人体への悪影響を与えないとともに、凝縮器を蒸発器より上方に配置して、蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を蒸発器から蒸気側配管を通って凝縮器へ上昇させるとともに、凝縮器で凝縮した冷媒液を液側配管を通って蒸発器へ自然循環させることを可能にしているので、冷媒を循環させる外部の駆動力が不要となり、省エネ効果も大きい。
【0044】
そして、この放熱システムを構成する蒸発器として、スターリング機関の高温部の周囲に接触する環状蒸発器や半円環状蒸発器を採用することによって、熱伝導性を高めているので、熱交換効率は一層良くなる。さらに、これら蒸発器のフィン表面を粗化処理することによって、冷媒への熱伝達が促進され、フィン表面における局所過熱も抑えることができる。
【0045】
また、環状蒸発器に接続される配管を凝縮器の前後で2パスに分岐させた構造や、一対の半円環状蒸発器のそれぞれに配管を介して凝縮器を接続するツイン放熱システム構造を用いることによって、冷媒の流動抵抗が軽減されるため、冷媒循環量不足などの問題を解決できる。特に、ツイン放熱システムでは、一対の凝縮器に対向してそれぞれファンを設け、個別にファンを駆動することにより、スターリング機関の出力に応じて各放熱システムを独立して動作させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスターリング冷凍機の熱搬送システム図である。
【図2】 その熱搬送システムに使用される環状蒸発器の一例の正面図である。
【図3】 図2のX-X線断面図である。
【図4】 その熱搬送システムに使用される環状蒸発器の他の例の正面図である。
【図5】 その環状蒸発器の側面図である。
【図6】 図4のY-Y線断面図である。
【図7】 2パス放熱システム図である。
【図8】 2サイクル放熱システム図である。
【図9】 2サイクル放熱システム図の変形例である。
【図10】 本発明のスターリング冷却庫の側面断面図である。
【符号の説明】
1 スターリング冷凍機
2 低温部
3 高温部
4 高温側熱搬送サイクル
5 低温側冷熱搬送サイクル
6 高温側蒸発器
7 蒸気側冷媒配管
8 高温側凝縮器
9 気液分離器
11 凝縮液側冷媒配管
12 低温側凝縮器
13 凝縮液側冷媒配管
14 蒸気側冷媒配管
15 低温側蒸発器
16,24 環状蒸発器
20,27 フィン
37A,37B 半円環状蒸発器
42 冷気ダクト
43 ダクト
52A,52B ファン
Claims (5)
- スターリング機関の作動媒体の圧縮過程で発生する熱を放熱するスターリング機関用放熱システムにおいて、
前記放熱システムは水や炭化水素等の自然冷媒を用いた冷凍サイクルから成り、
前記スターリング機関の高温部に取り付けられた蒸発器と、
前記蒸発器より高い位置に配置され前記自然冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記蒸発器と前記凝縮器とを連結して冷媒を循環させる蒸気側配管と液側配管とを備え、
前記蒸発器は、前記高温部の周囲に接触して取り付けられた一対の半円環状の容器であり、それぞれ液側配管と蒸気側配管を介在して別々の凝縮器に接続することにより、一対の独立な放熱システムを構成して、前記各々の蒸発器は前記高温部の周囲に対向面が垂直面から成るように水平方向に対向して配置され、前記各々の蒸気側配管は前記垂直面に近接して前記蒸発器の上部付近に接続されることを特徴とするスターリング機関用放熱システム。 - 前記凝縮器のそれぞれに対向して個別に駆動するファンを設けたことを特徴とする請求項1に記載のスターリング機関用放熱システム。
- 前記蒸気側配管と前記液側配管を前記凝縮器の前後で複数パスに分岐させたことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のスターリング機関用放熱システム。
- さらに、前記液側配管に圧力調整弁を設けることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスターリング機関用放熱システム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のスターリング機関用放熱システムを備えたことを特徴とする冷却庫。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002108267A JP3910096B2 (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | スターリング機関用放熱システムおよびそれを備えた冷却庫 |
Applications Claiming Priority (1)
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