JP2006183783A - トルク伝達装置 - Google Patents

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正夫 寺岡
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Abstract

【課題】 カム作用の解除時に異音の発生を抑制することを可能とする。
【解決手段】 押圧力を受けて回転部材間のトルク伝達を行うクラッチ部51と、回転入力を推力に変換するカム作用によりクラッチ部51に押圧力を付与するボール・カム機構53と、回転入力を行う電動モータ55とを備え、ボール・カム機構53がクラッチ部51に押圧力を付与するとき押圧力の反力を受けて摩擦係合力の発生によりボール・カム機構53を回転方向に支持しカム作用を可能とする摩擦係合部127を設け、摩擦係合部127は、ボール・カム機構53側の面129と面129に対向する第2ケース部59側の面131とで形成したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車等の駆動系に用いられるトルク伝達装置に関する。
従来のこの種のトルク伝達装置としては、電動モータの回転を推力に変換し、摩擦多板クラッチを締結する構造のものがある。前記推力への変換はカム機構が用いられ、電動モータの回転を減速ギヤを介してカム機構へ入力する。従って、電動モータの回転により減速ギヤを介してカム機構に回転が伝達され、この回転伝達によりカム機構が推力を発生して摩擦多板クラッチを締結することができる。
しかし、このような構造では、電動モータの制御電流オフ時に、衝撃を招くという問題があった。
さらに説明すると、前記電動モータの電流制御によりカム機構が働き摩擦多板クラッチを締結しているとき、電動モータの回転力によりカム機構を含めて各部に捻れトルクが蓄積され、電動モータの通電制御がオフになってカム作用が解除されると捻れトルクが一度に開放される状況となる。
一方、カム機構には、電動モータの電流オフ時に、対向するカム面間が、カム作用時の逆方向へ相対回転しないように元位置にストッパ部が設けられている。従って、前記締結制御中の電動モータの電流制御がオフになると、カム機構が元位置へ戻るために逆方向へ回転動作し、回転エネルギーが蓄積され、前記ストッパ部によりカム面間が回転方向に位置決められる。
このとき、前記のような捻れトルクの開放があるため前記ストッパ部で回転が止められるため、衝撃トルクが発生し、ストッパ部分での異音や減速ギアの破損などを生じる問題があった。
特開2003−184993号公報
解決しようとする問題点は、カム作用の解除時に異音を招くという点である。
本発明は、カム作用の解除時に異音の発生を抑制するため、カム機構がクラッチ部に押圧力を付与するとき該押圧力の反力を受けて摩擦係合力の発生によりカム機構を回転方向に支持しカム作用を可能とする摩擦係合部を設けたことを最も主要な特徴とする。
本発明のトルク伝達装置は、カム機構がクラッチ部に押圧力を付与するとき該押圧力の反力を受けて摩擦係合力の発生によりカム機構を回転方向に支持しカム作用を可能とする摩擦係合部を設けたため、押圧力が解除されれば、摩擦係合部によるカム機構の回転方向への支持を行う摩擦力が抑制される。このため、カム機構がカム作用の解除により元位置へ戻るために逆方向へ回転し、ストッパ部が衝突するときカム機構が摩擦係合部において相対回転することができ、衝突を緩衝することができる。この衝突の緩衝により、ストッパ部での異音の発生を抑制することができ、回転アクチュエータや減速ギヤの破損を防止できる。
カム作用の解除時に異音の発生を抑制するという目的を、摩擦係合部により実現した。
図1,図2は、本発明の実施例1に係り、図1はトルク伝達装置の配置を示し、横置きフロント・エンジン・フロント・ドライブ・ベース(FFベース)の四輪駆動車のスケルトン平面図、図2は、トルク伝達装置の断面図である。
[四輪駆動車の概要]
図1のように、トルク伝達装置であるトルク伝達カップリング1は、リヤ・デファレンシャル装置3の入力側において、回転軸5及びドライブ・ピニオン・シャフト7間に介設されている。
前記リヤ・デファレンシャル装置3は、デフキャリヤ9に回転自在に支持されている。リヤ・デファレンシャル装置3には、左右のアクスル・シャフト11,13を介して左右の後輪15,17が連動連結されている。
前記回転軸5には、ユニバーサル・ジョイント19を介してプロペラ・シャフト21が結合されている。プロペラ・シャフト21には、ユニバーサル・ジョイント23を介して、トランスファ25の出力軸27が結合されている。
前記出力軸27の傘歯車29は、中空伝動軸31の傘歯車33に噛み合っている。中空伝動軸31は、フロント・デファレンシャル装置35のデフ・ケース37に一体的に結合され、連動構成されている。
前記フロント・デファレンシャル装置35にはエンジン39からトランスミッション41を介してトルクが入力されるようになっている。フロント・デファレンシャル装置35には、左右のアクスル・シャフト43,45を介して、左右の前輪47,49が連動連結されている。
従って、エンジン39からトランスミッション41を介してフロント・デファレンシャル装置35にトルクが入力されると、一方ではアクスル・シャフト43,45を介して左右の前輪47,49へトルク伝達が行われる。また他方では、デフ・ケース37、中空伝動軸31、傘歯車33、29を介して出力軸27へトルク伝達が行われる。
前記出力軸27からは、ユニバーサル・ジョイント23、プロペラ・シャフト21、ユニバーサル・ジョイント19、回転軸5を介してトルク伝達カップリング1へトルクが入力される。
前記トルク伝達カップリング1がトルク伝達状態であれば、ドライブ・ピニオン・シャフト7からリヤ・デファレンシャル装置3へトルク伝達が行われる。リヤ・デファレンシャル装置3からは、左右のアクスル・シャフト11,13を介して、左右の後輪15,17へトルク伝達が行われる。
こうして、トルク伝達カップリング1がトルク伝達状態であるときには、前輪47,49、後輪15,17によって、四輪駆動状態で走行することができる。トルク伝達カップリング1が、トルク伝達状態にないときには、前輪47,49による二輪駆動状態で走行することができる。
[トルク伝達カップリング]
図2は、前記トルク伝達カップリング1の断面図である。
図2のように、トルク伝達カップリング1は、カップリング・ケース50に対してクラッチ部51とカム機構としてのボール・カム機構53と回転アクチュエータとしての電動モータ55とを備えている。
前記カップリング・ケース50は、第1ケース部57と第2ケース部59との二部品構成であり、第1,第2ケース部57,59間は、ボルト・ナットなどにより着脱自在に結合されている。
前記クラッチ部51は、クラッチ・ハウジング67及びクラッチ・ハブ69間に摩擦多板クラッチ71を備えている。
前記クラッチ・ハウジング67は、本実施形態において出力側の回転部材として構成され、クラッチ・ハブ69は、同入力側の回転部材として構成されている。なお、クラッチ・ハウジング67を、入力側の回転部材として構成し、クラッチ・ハブ69を、出力側の回転部材として構成することもできる。
前記クラッチ・ハウジング67は、断面がクランク状に屈曲した縦壁部73により内周側の結合軸部75に一体に設けられている。結合軸部75は、中空状に形成され、軸受77により第1ケース部57の軸支持部79内周に回転自在に支持されている。軸受77の外側において軸支持部79と結合軸部75との間には、シール81が設けられ、前記デフキャリヤ9内部に対し摩擦多板クラッチ71側の潤滑環境が独立している。結合軸部75には、内周のインナースプライン83に、前記ドライブ・ピニオン・シャフト7がスプライン結合されている。
前記クラッチ・ハブ69は、内周縦壁部85を介して回転軸5に一体に形成されている。回転軸5の先端87は、前記結合軸部75の軸穴89にニードル・ベアリング91を介して嵌合し、連れ持ち支持されている。
前記摩擦多板クラッチ71は、クラッチ・ハブ69及びクラッチ・ハウジング67間、すなわち回転軸5及びドライブ・ピニオン・シャフト7間のトルク伝達を行うものであり、アウター・プレートが前記クラッチ・ハウジング67に係合し、インナー・プレートが前記クラッチ・ハブ69に係合している。
前記回転軸5の他端側は、軸受93によりカップリング・ケース50の第4ケース部63に支持されている。回転軸5の外端部には、結合フランジ95がスプライン係合している。結合フランジ95は、ナット97によって回転軸5に締結され、抜け止めが行われている。結合フランジ95と端部カバー63との間に、シール99が設けられている。結合フランジ95は、前記ユニバーサル・ジョイント19に結合される。
前記クラッチ・ハウジング67及びクラッチ・ハブ69間の端部には、ドーナツ形状のプレートで形成された押圧部材101の押圧部103が対向配置されている。押圧部103と前記クラッチ・ハウジング67との間には、皿ばね105が介設されている。皿ばね105は、押圧部材101を摩擦多板クラッチ71から離れる方向へ付勢している。前記押圧部材101には、その内周側に加圧受部107が一体に設けられている。
前記押圧部材101に隣接して前記ボール・カム機構53が設けられている。ボール・カム機構53は、回転入力を推力に変換して前記クラッチ部51に押圧力を付与する構成となっている。
前記ボール・カム機構53は、第1,第2カム・プレート109,111及びカム・ボール113を備えている。第1,第2カム・プレート109,111には、対向面にそれぞれカム面115,117が設けられ、前記カム・ボール113がカム面115,117に嵌合している。
前記第1カム・プレート109は、外周に回転入力用で、減速ギヤ組の被駆動側の大径ギヤとしてのギヤ119が設けられ、第1カム・プレート109の内周側は、前記押圧部材101の加圧受部107にニードル・ベアリング121を介して当接している。ニードル・ベアリング121は、内周側が押圧部材101の周回状の軸受部123に支持されている。
前記第2カム・プレート111は、前記第1カム・プレート109に対向配置されている。第2カム・プレート111の内周には、連繋支持部125が設けられ、前記第1カム・プレート109の内周を連れ持ち支持している。この連れ持ち支持により、第1,第2カム・プレート109,111間のガタツキを抑制することができる。
前記第2カム・プレート111と第2ケース部59との間には、摩擦係合部127が設けられている。摩擦係合部127は、摩擦係合力の発生により前記ボール・カム機構53を回転方向に支持しカム作用を可能とする。摩擦係合部127は、カム機構側の面として、第2カム・プレート111に、摩擦係合用の面129を備えている。摩擦係合部127は、前記面129に対向して固定側である第2ケース部59の摩擦係合用の面131を備えている。面129,131は、半径方向に沿って形成され、軸方向に対向していいる。これら面129,131により第2カム・プレート111が、第2ケース部59に対し前記摩擦係合力を受ける構成となっている。第2ケース部59には、前記面131の外周に内周面133が設けられ、前記第2カム・プレート111の外周面135を相対回転自在に嵌合支持している。
前記電動モータ55は、回転軸5及びボール・カム機構53の回転軸芯に対して平行軸状に配置され、第2ケース部59に支持されている。電動モータ55の駆動軸137には、減速ギヤ組の駆動側である小径ギヤとしてのピニオンギヤ139が設けられ、ピニオンギヤ139は、第1カム・プレート109のギヤ119に噛み合っている。
前記電動モータ55或いは電動モータ55に連結する回転部材には、回転数を検出するエンコーダが配置されている。このエンコーダにより電動モータ55の回転がフィードバック制御され、摩擦多板クラッチ71の締結制御を的確に行わせる。エンコーダの種類としては光学式エンコーダ、磁気式エンコーダが用いられる。光学式エンコーダは、モータ出力軸後部にスリット(円盤に窓を開けたもの)を固定し、フォトセンサでパルス数を検出することによりモータ回転数を算出することができる。磁気式エンコーダは、ホールICの性質を利用し、リングマグネットの極数をパルス信号にて出力するため、検出−制御が容易となる。
図3,図4は、カム面を示し、図3はカム作用前、図4はカム作用後の要部展開断面図である。
図3,図4のように、カム面115,117は、回転方向に対称形状に形成され、傾斜部141,143及びストッパ部145,147からなっている。傾斜部141,143は、第1,第2カム・プレート109,111の対向面149,151からストッパ部143へ一定勾配で傾斜形成され、ストッパ部145,147は、カム・ボール113を元位置で回転方向に位置決めるもので傾斜部141,143の傾斜下端側に設けられている。
[トルク断続]
前記摩擦多板クラッチ71が締結されていないとき、クラッチ・ハウジング67及びクラッチ・ハブ69間は相対回転可能である。従って、前記のようにエンジン39側から回転軸5に伝達されたトルクがクラッチ・ハブ69に入力されてもトルクがクラッチ・ハウジング67側に伝達されることはなく、トルク伝達カップリング1はトルクを伝達しない状態となっている。すなわち、前記のように前輪47,49の駆動による二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記電動モータ55を回転駆動すると、駆動軸137を介しピニオン・ギヤ139が一体に回転し、減速機構となる減速ギヤ組118としてのピニオン・ギヤ139に噛み合うギヤ119を介し第1カム・プレート109が連動回転する。この回転により第1カム・プレート109が、第2カム・プレート111に対して相対回転し、対称形状のカム面115,117が図3の元位置の状態から図4のように相対回転する。
図3の状態においては、皿ばね105が押圧部材101、ニードル・ベアリング121、第1カム・プレート109、カム・ボール113を介して第2カム・プレート111を付勢するから、摩擦係合部127の面129,131が摩擦係合する。このため、第1カム・プレート109が電動モータ55側から回転入力を受けたとき、第2カム・プレート111は、第1カム・プレート109側に連れ回ることなく、第1,第2カム・プレート109,111が相対回転することができる。
前記第1,第2カム・プレート109,111の相対回転によりカム・ボール113がカム面115,117の傾斜部141,143を図4のように乗り上げてカム作用を発揮し、第1,第2カム・プレート109,111が離間移動する。
前記第2カム・プレート111は、摩擦係合部127を介して第2ケース部59に受けられているため、前記カム作用の反力が第1カム・プレート109に働き、推力Fを発生する。
前記カム作用による回転方向の分力、すなわち第2カム・プレート111を第2ケース部59に対して回転させようとする力fは、傾斜部141,143の傾斜により推力Fよりも遙かに小さくなる。これに対し、摩擦係合部127には、推力Fと同じ力が作用する。摩擦係合部127の摩擦係数をμとすると、摩擦係合部127には、前記力fに対向する摩擦力μFが働く。従って、第2カム・プレート111が摩擦力μFによって第2ケース部59に回転方向に支持され、言いかえれば、第2カムプレート111の半径方向面が摩擦力μFによって第2ケース部59の対向面と回転方向に一体的に連結し、第1,第2カム・プレート109,111は、連れ回ることなく相対回転し、カム作用を奏することができる。
前記推力Fにより第1カム・プレート109が押圧部材101の加圧受部107にニードル・ベアリング121を介して押圧力を付与する。
前記押圧力の付与により押圧部材101が移動し、押圧部103を介してクラッチ部51の摩擦多板クラッチ71に押圧力を伝達する。この押圧力の伝達により摩擦多板クラッチ71がクラッチ・ハウジング67の縦壁部73との間で締結される。従って、摩擦多板クラッチ71は、押圧部材101の押圧力に応じて摩擦係合力を発揮し、クラッチ・ハブ69とクラッチ・ハウジング67との間のトルク伝達を行わせる。
従って、回転軸5から伝達されたトルクは、クラッチ・ハブ69から摩擦多板クラッチ71を介してクラッチ・ハウジング67へ伝達される。クラッチ・ハウジング67からは、結合軸部75を介してドライブ・ピニオン・シャフト7へトルクが伝達され、ドライブ・ピニオン・シャフト7から前記のようにして後輪15,17側へ出力される。これによって、前記のように前輪47,49及び後輪15,17の駆動による四輪駆動状態で走行することができる。
前記電動モータ55の通電制御が停止されると、第1カム・プレート109の回転も停止し前記カム作用が解除される。カム作用の解除により第1カム・プレート109の推力Fは無くなり、皿ばね105の付勢力で押圧部材101等が元位置へ復帰移動する。この復帰移動により摩擦多板クラッチ71の締結が解除され、再び二輪駆動状態となる。
[異音抑制]
前記摩擦多板クラッチ71の締結時には、図4の状態で第1カム・プレート109が電動モータ55側から回転力を受けながらカム作用を継続し、摩擦多板クラッチ71の締結状態を維持する。このため、第1,第2カム・プレート109,111、押圧部材101、摩擦多板クラッチ71等の各部に捻れトルクが蓄積される。
この状態で、前記のように電動モータ55の通電制御を停止し、ボール・カム機構127のカム作用を解除すると、捻れトルクが一度に開放され、第1,第2カム・プレート109,111が図3の元位置へ一気に戻り、カム・ボール113がストッパ部145,147に衝撃トルクが加わり衝突する。
前記衝突により、例えばストッパ部147には衝突力Wが働き、その分力W1,W2が回転方向及び軸方向に働く。この軸方向の力W2と前記皿ばね105に基づく力pとによる摩擦係合部127での摩擦力μ(W2+p)を回転方向の力W1が上回ると第2カム・プレート111が、摩擦係合部127の面129,131間の滑りにより第2ケース部59に対して回転することができる。
従って、前記面129,131間の滑りにより、カム・ボール113がストッパ部145,147に衝突するときの衝撃力を緩衝することができる。このため、摩擦係合部127の摩擦係数μ、分力W1,W2、皿ばね105のばね力を、カム・ボール113がストッパ部145,147に衝突するときの異音を抑制するに十分な設定をすることで、確実に異音抑制を行うことができ、減速ギヤ組としてのギヤ119、139やアクチュエータとしての電動モータ55に大きな衝撃トルクが伝わることなく、破損を防止することができる。
以上本実施例では、前記ボール・カム機構53が前記クラッチ部51に押圧力を付与するとき該押圧力の反力を受けて前記摩擦係合力の発生により前記ボール・カム機構53を回転方向に支持し前記カム作用を可能とする摩擦係合部127を設けたため、カム作用の解除時にねじりトルクが開放され、ボール・カム機構53に作用しても、ボール・カム機構53が第2ケース部59に対し摩擦係合部127で回転することが可能となり、ボール・カム機構53での衝撃力を緩衝することができる。このため、ボール・カム機構53に衝撃力が働くことによる異音発生を抑制することができる。
前記摩擦係合部127が、前記ボール・カム機構53側の面129と該面129に対向する固定側である第2ケース部59の面131とで形成されたため、ボール・カム機構53に反力を確実に作用させてカム作用の推力を確実に発生させることができ、しかも、摩擦係合部127の構造も簡単にすることができる。
前記第2カム・プレート111が、前記摩擦係合力を受ける構造であるため、第1カム・プレート109に回転力を付与してカム作用を確実に奏させることができる。
図5は、本発明の実施例2に係り、トルク伝達装置の断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であるため、同一又は対応する構成部分には同符号又は同符号にAを付して説明する。
本実施例のトルク伝達装置1Aは、前記摩擦係合部127Aを、前記ボール・カム機構53A側のコーン形状の面129Aと該面129Aに対向する固定側である第2ケース部59Aのコーン形状の面131Aとで形成したものである。
従って、本実施例でも、摩擦係合部127Aが上記実施例と同様に機能し、カム作用を奏することができ、且つカム作用解除時の異音を抑制することができる。
また、本実施例では、面129A,131Aがコーン形状であるため、カム作用時の摩擦係合を確実に行わせることができる。
[その他]
なお、摩擦係合部127,127Aに適宜、摩擦材を付加することもできる。
摩擦材の付加は、カム機構側の面と固定側の面との間に所定の摩擦係数を有する部材を介在させるか、それぞれの面の少なくとも一方に摩擦材を塗付、接着、コーティング、表面加工、熱処理などにより一体的に付着、改質することで達成される。
カム機構は、ボール・カム機構には限定されず、ボールを有しない対面カムやボールネジ機構などの他のカム機構を用いることもできる。
回転アクチュエータは、電動モータに限らず、油圧モータを用いたもの、電磁石とブレーキ部材を用いたもの電磁ソレノイドを用いたものなど他の回転アクチュエータを用いることもできる。
電動モータは、回転軸5及びボール・カム機構53の回転軸芯に対して平行軸状に配置するものに限らず、同軸状に配置することもできる。
減速機構となる減速ギヤ組は一段ではなく、複数段のギヤ組や内接ギヤを用いることができ、広義には、ローラとディスクとの組合わせなどからなるフリクションドライブ式の減速機構を用いてもよい。
トルク伝達カップリングの配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 トルク伝達カップリングの断面図である(実施例1)。 カム面を示し、カム作用前の要部展開断面図である(実施例1)。 カム面を示し、カム作用後の要部展開断面図である(実施例1)。 トルク伝達カップリングの断面図である(実施例2)。
符号の説明
1,1A トルク伝達カップリング(トルク伝達装置)
51 クラッチ部
53,53A ボール・カム機構(カム機構)
55 電動モータ(回転アクチュエータ)
109 第1カム・プレート
111 第2カム・プレート
127,127A 摩擦係合部
129,129A,131,131A 面

Claims (4)

  1. 押圧力を受けて回転部材間のトルク伝達を行うクラッチ部と、
    回転入力を推力に変換するカム作用により前記クラッチ部に押圧力を付与するカム機構と、
    前記回転入力を行う回転アクチュエータとを備え、
    前記カム機構が前記クラッチ部に押圧力を付与するとき該押圧力の反力を受けて前記摩擦係合力の発生により前記カム機構を回転方向に支持し前記カム作用を可能とする摩擦係合部を設けた
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  2. 請求項1記載のトルク伝達装置であって、
    前記摩擦係合部は、前記カム機構側の面と該面に対向する固定側の面とで形成した
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  3. 請求項1記載のトルク伝達装置であって、
    前記摩擦係合部は、前記カム機構側の半径方向に沿った面又はコーン形状の面と該面に対向する固定側の半径方向に沿った面又はコーン形状の面とで形成した
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
  4. 請求項1〜3記載のトルク伝達装置であって、
    前記カム機構は、前記回転入力を受ける第1カム・プレート及び該第1カム・プレートに対向配置され前記摩擦係合力受けると共に回転可能な第2カム・プレートを備えた
    ことを特徴とするトルク伝達装置。
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