JP2006183706A - 無段変速機およびその組立方法 - Google Patents

無段変速機およびその組立方法 Download PDF

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Abstract

【課題】出力ギヤを介して従動軸にインロー嵌合された支持部材を支える場合に、組み付け途中に支持部材のインロー嵌合が外れるのを防止し、組み付け性に優れた無段変速機を提供すること。
【解決手段】従動軸20にリターンスプリング24を介してピストン22bをインロー嵌合させ、従動軸にピストンの背面を支持する仮止め部材29を仮固定する。変速機ケース5cに設けた支持壁部5c2 をピストンの背面に近接させ、支持壁部とピストンとの軸方向隙間S1をインロー嵌合部の軸方向嵌合長さS2より小さくする。変速機ケースにデファレンシャル装置を先に組み込み、仮止め部材を従動軸から取り外した後、従動軸にギヤスリーブ27をスプライン嵌合させ、出力ギヤ27aをリングギヤ31にかみ合わせる。
【選択図】 図4

Description

本発明は無段変速機およびその組立方法、特に従動軸に油圧室の側壁を構成する支持部材をインロー嵌合させ、その支持部材が組立中に従動軸から脱落するのを規制する無段変速機の構造およびその組立方法に関するものである。
一般に、ベルト式無段変速機では、エンジンから入力された動力がトルクコンバータを介して入力軸に伝達され、入力軸から駆動プーリ、Vベルト、従動プーリを介してデファレンシャル装置に伝達され、出力軸が駆動される。従動プーリ可動シーブの背面にはリターンスプリングを内蔵した油圧室が設けられ、この油圧室の片方の側壁を構成する支持部材が従動プーリの従動軸にインロー嵌合されている。そして、従動軸に嵌合された出力ギヤやベアリングなどを締付部材で締結することにより、支持部材のインロー嵌合が外れないように支持部材の内周部背面が押圧固定されている。
図5は特許文献1に記載された従動軸の支持構造を示す。
従動軸100の一端部に形成されたスプライン部100aに円筒形状の出力ギヤ101をスプライン嵌合させ、出力ギヤ101に続いてローラベアリング102の内側レース102aを従動軸100の円筒部100bに嵌合させ、さらに従動軸100の軸端のねじ部100cにロックナット103を締結することで、出力ギヤ101および内側レース102aを軸方向に押圧している。出力ギヤ101の端面は従動軸100にインロー嵌合された支持部材104に押し当てられ、支持部材104は抜け止め固定されている。支持部材104は、従動プーリのピストンを構成する部品であり、リターンスプリング105の一端部を支えるばね受け部材としても機能している。ローラベアリング102の外側レース102bは変速機ケース106に嵌合保持されている。出力ギヤ101にはデファレンシャル装置のリングギヤ107が噛み合っている。
ところで、大きな減速比を得るため、ベアリング102の外径d1より小さな歯底径d2を持つ出力ギヤ101を用いる場合がある。この場合、ベアリング102の外側レースが邪魔をしてデファレンシャル装置のリングギヤ107を出力ギヤ101に円滑に噛み合わせることができない。そのため、予めベアリング102を取り付けた従動軸100を変速機ケース106に組み込んだ後で、デファレンシャル装置を変速機ケース106に組み込もうとしても、デファレンシャル装置を組み込むことができない。
そこで、予め出力ギヤ101やベアリング102を取り付けた従動軸100を変速機ケース106に組み込み、従動軸100に取り付けた出力ギヤ101やベアリング102を取り外し、デファレンシャル装置を変速機ケース106に組み込んだ後で、再度出力ギヤ101やベアリング102を従動軸100に取り付ける方法が考えられる。しかし、支持部材104はリターンスプリング105によって常時右方へ付勢されているので、ばね力により支持部材104と従動軸100のインロー嵌合部が外れてしまうことがあり、一旦外れると、支持部材104を正規位置に組み付け直すのが難しくなる。
なお、デファレンシャル装置のリングギヤ107を出力ギヤ101に噛み合わせる場合だけでなく、リダクションギヤを出力ギヤ101に噛み合わせる場合(4軸構成の場合)でも同様の問題がある。
特開2002−327828号公報
そこで、本発明の目的は、従動軸の一端部に出力ギヤとベアリングとを取り付け、これら出力ギヤを介して従動軸にインロー嵌合された支持部材を支える場合に、組み付け途中に支持部材のインロー嵌合が外れるのを防止し、組み付け性に優れた無段変速機およびその組立方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、従動プーリの可動シーブの背面に設けられ、リターンスプリングを内蔵した油圧室と、上記リターンスプリングの一端を支えかつ油圧室の片方の側壁を構成し、内周部が上記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された支持部材と、上記従動軸にスプライン嵌合され、上記支持部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、上記ギヤスリーブの外側端部の外周または上記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、上記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、上記従動軸の軸端に螺着され、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材を押圧支持する締付部材と、を備えた無段変速機であって、上記従動プーリを収容する変速機ケースの内側壁に、上記支持部材の背面に近接する支持壁部を設け、上記支持壁部と上記支持部材との軸方向隙間を上記インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さく設定したことを特徴とする無段変速機を提供する。
また、請求項2に係る発明は、従動プーリの可動シーブの背面に設けられ、リターンスプリングを内蔵した油圧室と、上記リターンスプリングの一端を支えかつ油圧室の片方の側壁を構成し、内周部が上記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された支持部材と、上記従動軸にスプライン嵌合され、上記支持部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、上記ギヤスリーブの外側端部の外周または上記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、上記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、上記従動軸の軸端に螺着され、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材を押圧支持する締付部材と、上記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを、を備えた無段変速機の組立方法であって、上記従動軸にリターンスプリングを介して上記支持部材の内周部をインロー嵌合させる工程と、上記従動軸に上記支持部材の内周部背面を押圧支持する円筒状の仮止め部材を仮固定する工程と、支持壁部を有する変速機ケースを、上記仮止め部材を仮固定した従動軸に挿通させ、上記支持壁部を上記支持部材の背面に近接させる工程であって、上記支持壁部と上記支持部材との軸方向隙間を上記インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さくする工程と、上記変速機ケースに上記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを組み込む工程と、上記仮止め部材を従動軸から取り外す工程と、上記従動軸に上記ベアリングを取り付けた上記ギヤスリーブをスプライン嵌合させるか、あるいは上記ギヤスリーブをスプライン嵌合させた後で上記ベアリングを上記従動軸に嵌合させ、上記出力ギヤを上記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤにかみ合わせる工程と、上記従動軸の端部に締付部材を螺着し、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材の内周部背面を押圧支持する工程と、を備えた無段変速機の組立方法を提供する。
従動軸にリターンスプリングを支える支持部材をインロー嵌合させ、支持部材の背面をギヤスリーブを介して締付部材により押圧して固定する場合、ギヤスリーブの出力ギヤが隣接して設けられるベアリングの外径より小径であると、デファレンシャル装置のリングギヤあるいはリダクションギヤを変速機ケースに組み付ける際にベアリングが邪魔になり、リングギヤあるいはリダクションギヤを出力ギヤに円滑にかみ合わせることができない。
そこで、本発明では、従動軸にインロー嵌合した支持部材の背面を変速機ケースの支持壁部で支えるようにし、支持壁部と支持部材との軸方向隙間をインロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さく設定している。そのため、後でギヤスリーブや締付部材を従動軸に取り付ける際、支持部材が従動軸のインロー部から完全に脱落するのが防止され、締付部材を締め付けることにより、支持部材を正規の位置に簡単に固定できる。
なお、変速機ケースの支持壁部と支持壁部との間には、インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さい隙間が存在しているが、この隙間は、少なくとも従動プーリが回転している間、支持壁部と支持壁部とが接触しないだけの十分な隙間が必要である。
本発明における無段変速機を組み立て場合には、次のような順序で行うのがよい。
すなわち、従動プーリ(従動軸の一端部)を一方側の変速機ケースに組み込み、中間の変速機ケース(支持壁部を持つ)を従動軸に挿通して組み付けた後、デファレンシャル装置を組み込み、他方側の変速機ケースを組み付け、従動軸の他端側を支持する。
従動プーリを一方側の変速機ケースに組み込む途中に、リターンスプリングのばね力により支持部材が従動軸から脱落しないように、何らかの部品で支持部材の背面を支えておく必要がある。しかし、この部品としてギヤスリーブ(ベアリング付き)を用いると、デファレンシャル装置を組み込む際にベアリングと干渉する。また、ベアリングの外径が支持壁部の内径より大きい場合には、中間の変速機ケースを組み付けできない。
そこで、デファレンシャル装置を組み込む前に支持部材の背面を支えている部品を取り外し、デファレンシャル装置を組み込んだ後でギヤスリーブおよびベアリングを従動軸に取り付ける方法が用いられる。出力ギヤはベアリングに邪魔されることなく、デファレンシャル装置のリングギヤに噛み合わせることができるからである。
支持部材の背面を支える部品として、ギヤスリーブを用いることは可能であるが、従動軸に対して着脱する必要があるため、出力ギヤを傷める恐れがある。そこで、支持部材の背面を支えるための専用部品として、仮止め部材を用いるのがよい。この仮止め部材は、支持部材の背面を支えるだけの機能を持つ円筒状部品であり、出力ギヤは有しない。このような専用部品を用いることで、従動軸に対して取付,取り外しが容易になるし、出力ギヤを損傷することもない。仮止め部材に予め雌ねじを設けておくことで、締付部材を省略することもできる。
本発明におけるベアリングとしては、ローラベアリングであってもよいし、ボールベアリングであってもよい。また、ベアリングはギヤスリーブに嵌合固定してもよいし、従動軸に直接嵌合固定してもよい。
特に、ボールベアリングを用いた場合、その内側レースを圧入嵌合させる必要があるので、ギヤスリーブの外側に予め嵌合固定するのが望ましい。この場合には、ボールベアリングを従動軸に直接固定する場合に比べて、内側レースを圧入する際の衝撃力が従動軸の他端側に掛からず、従動軸の他端側に設けられるベアリングに軸方向荷重が掛からずに済む。
締付部材によりギヤスリーブを従動軸に対して締付固定する際、締付部材〜ギヤスリーブ〜支持部材の間で軸方向荷重が制限されるので、従動軸の他端側に設けられるベアリングには軸方向荷重が波及せず、ベアリングを損傷することがない。
3軸構成の無段変速機の場合、出力ギヤをデファレンシャル装置のリングギヤに噛み合わせればよいが、4軸構成の場合には、出力ギヤとデファレンシャル装置のリングギヤとの間にリダクションギヤが介在する。この場合も、変速機ケースの片側に組み込まれた従動軸、デファレンシャル装置およびリダクションギヤに対し、ギヤスリーブを従動軸にスプライン嵌合することで、出力ギヤをリダクションギヤに容易に噛み合わせることができる。
以上のように、本発明によれば、従動軸にリターンスプリングを支える支持部材をインロー嵌合し、従動プーリを収容する変速機ケースの内側壁に支持部材の背面に近接する支持壁部を設け、支持壁部と支持部材との軸方向隙間を上記インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さく設定したので、組み付け途中に支持部材のインロー嵌合が外れるのを防止でき、組み付け性に優れた無段変速機を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1,図2は本発明にかかる無段変速機の一例を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。
この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
無段変速機を構成する各部品は変速機ケース5の中に収容されている。ここで、変速機ケース5は、後側(反エンジン側)のケース5aと、前側(エンジン側)のケース(コンバータハウジング)5bと、中間のケース5cとの3部品で構成されている。トルクコンバータ2と前後進切替装置4との間には、オイルポンプ6が配置されている。このオイルポンプ6はトルクコンバータ2のポンプインペラ2aにより駆動される。なお、トルクコンバータ2のタービンランナ2bは入力軸3に連結されている。
前後進切替装置4は、図2に示すように遊星歯車機構40と前進用ブレーキ50と後進用クラッチ51とで構成され、遊星歯車機構40のサンギヤ41が入力部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42が出力部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車機構40はシングルピニオン方式であり、前進用ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、後進用クラッチ51はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。後進用クラッチ51を解放して前進用ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、前進用ブレーキ50を解放して後進用クラッチ51を締結すると、遊星歯車機構40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。
図1に示すように、無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上にローラスプライン部13を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背後に設けられた油圧サーボ12とを備えている。可動シーブ11bの外周部には、背面側へ延びるピストン部12aが一体に形成され、このピストン部12aの外周部が駆動軸10に固定されたシリンダ12bの内周部に摺接している。可動シーブ11bとシリンダ12bとの間に油圧サーボ12の作動油室12cが形成され、この作動油室12cへの油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
同じく従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上にローラスプライン部23を介して軸方向移動自在に、かつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背後に設けられた油圧サーボ22とを備えている。可動シーブ21bの外周部には、背面側へ延びるシリンダ部22aが一体に形成され、このシリンダ部22aの内周部に従動軸20に固定されたピストン22bが摺接している。可動シーブ21bとピストン22bとの間に油圧サーボ22の作動油室22cが形成され、この作動油室22cの油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22cには初期推力を与えるリターンスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27aが固定されている。出力ギヤ27aはデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
ここで、従動軸20の支持構造について、図1,図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、従動軸20の後側(反エンジン側)の端部は、ボールベアリング25を介して後側の変速機ケース5aによって回転自在に支持され、前側(エンジン側)の端部は、ボールベアリング26を介して前側の変速機ケース5bによって回転自在に支持されている。
図3に示すように、出力ギヤ27aは円筒状のギヤスリーブ27の外周の略中央部に形成されている。ギヤスリーブ27の軸方向前端部(エンジン側端部)にはギヤ部を有しない円筒状の延長部27bが形成され、延長部27bの外周にボールベアリング26の内側レース26aが圧入により嵌合固定されている。ボールベアリング26は出力ギヤ27aの歯底径D1より大きな外径D4を持つ。ここでは、延長部27bの外径D2は出力ギヤ27aの歯底径D1より小さいが、D1より大きくてもよい。また、ボールベアリング26の外径D4は出力ギヤ27aの歯先径D3より大きいが、D3より小さくてもよい。ギヤスリーブ27の軸方向後端部には、延長部27bと同様に出力ギヤ27aの歯底径D1より小径な円筒部27cが形成されており、この円筒部27cの端面が従動軸20に固定されたピストン22b(支持部材)の背面を支持している。ピストン22bは従動軸20にインロー嵌合している。ピストン22bはリターンスプリング24のばね反力を受けるので、ギヤスリーブ27はピストン22bの背面を支え、インロー嵌合が外れるのを防止している。なお、円筒部27cに代えて、ギヤスリーブ27とは別のスペーサを設けてもよい。
ギヤスリーブ27の内周には従動軸20の一端側の外周に形成された外スプライン20aと嵌合する内スプライン27dが形成されている。従動軸20の軸端に形成されたねじ部20bにはロックナット(締付部材)28が締結され、このロックナット28によりギヤスリーブ27は軸方向に押圧され、ギヤスリーブ27の円筒部27cの端面が従動軸20のピストン22bに押し当てられて固定されている。なお、ロックナット28の内側面は、延長部27bの端面に当接してもよいし、ボールベアリング26の内側レース26aに当接してもよい。ボールベアリング26の外側レース26bは前側の変速機ケース5bに形成された凹部5b1に嵌合されて保持されている。
中間の変速機ケース5cの内側壁には、ピストン22bの背面に近接する支持壁部5c1 が一体に形成されている。この支持壁部5c1 は従動軸20の周囲を取り囲むように環状に形成されており、この支持壁部5c1 の後側(反エンジン側)側面には位置決め凸部5c2 が適数個(3個以上)設けられている。位置決め凸部5c2 とピストン22bとの軸方向隙間S1は、ピストン22bと従動軸20とのインロー嵌合部の嵌合長さS2より小さく設定されている。また、位置決め凸部5c2 はピストン22bの外周部に対しても、小さい隙間S3をもって近接している。
なお、位置決め凸部5c2 を省略して、支持壁部5c1 の後側面とピストン22bとの隙間をインロー嵌合部の長さよりより小さくなるように、支持壁部5c1 の形状自体を変更してもよい。
ここで、従動軸20およびデファレンシャル装置30の組付方法を図4を参照しながら説明する。
図4の(a)のように、従動軸20を変速機ケース5に組み付けるに先立って、まず従動軸20にピストン22bの内周部背面を押圧支持する仮止め部材29を固定し、ピストン22bがリターンスプリング24によってインロー嵌合部から外れるのを規制しておく。この実施例の仮止め部材29は、円筒形状に形成され、その前端部内周には、ねじ部20bに螺合する雌ねじ29aが形成されており、外周部にはレンチなどの工具が係合しうる工具係合部29bが形成されている。但し、仮止め部材29の外径寸法は、デファレンシャル装置30のリングギヤ31と干渉しない程度の小径寸法とする必要がある。仮止め部材29は中間ケース5cを組み付けるまでの間、ピストン22bがインロー嵌合部から外れるのを防止するためのものであり、単なる円筒部品でもよい。その場合は、仮止め部材29の端部を支えるため、従動軸20のねじ部20bに別のナットを螺合してもよい。
仮止め部材29を固定した従動軸20の後側端部をボールベアリング25を介して後側の変速機ケース5aに組み付ける。ついで、中間ケース5cを組み付け、さらにデファレンシャル装置30を組み付ける。この状態が図4の(a)である。デファレンシャル装置30を組み付ける際、リングギヤ31は仮止め部材29と干渉せず、簡単に組み付けることができる。
次に、図4の(b)のように、仮止め部材29を取り外す。このとき、ピストン22bのインロー嵌合部22b1が従動軸20から外れる可能性があるが、ピストン22bの背後にはケース5cの支持壁部5c1 が配置され、かつ支持壁部5c1 に設けた位置決め凸部5c2 とピストン22bとの軸方向隙間S1がインロー嵌合部の嵌合長さS2より短いので、たとえピストン22bが位置ずれしても、インロー嵌合部22b1が完全に外れることがない。さらに、ベルト反力によって従動軸20が倒れる可能性があるが、位置決め凸部5c2 がピストン22bの外周に隙間S3をもって近接しているので、従動軸20の倒れを規制できる。
次に、図4の(c)のように、予めボールベアリング26を圧入嵌合したギヤスリーブ27を、従動軸20に対してスプライン嵌合させる。この際、出力ギヤ27aをデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合わせる。大径なボールベアリング26は出力ギヤ27aより挿入方向後側に位置しているので、ボールベアリング26によって邪魔されることなく、ギヤスリーブ27を円滑に挿入できる。ギヤスリーブ27を挿入した後、従動軸20の軸端のねじ部20bにロックナット28を締結する。ロックナット28の締付力によりギヤスリーブ27は軸方向に押され、円筒部27cの端面が従動軸20のピストン22bの背面を押圧する。このとき、たとえピストン22bのインロー嵌合部22b1が従動軸20に対して多少ずれていても、ロックナット28の締付によりずれが解消され、正規の位置で固定される。ロックナット28の締付力はピストン22bの部分で終端となり、前側のボールベアリング25に波及しないので、ボールベアリング25に余計な負荷を与えずにすむ。
ロックナット28を締結した後、変速機ケース5の他方のカバー部材5bをボールベアリング26に嵌合させることにより、組み付けを完了する。
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
上記実施例では、ギヤスリーブ27の中央部に出力ギヤ27aを設け、軸方向両端に延長部27bと円筒部27cとを設けたが、円筒部27cを省略することもできる。
また、従動軸20の一端側を支持するベアリングとしてボールベアリング26を使用し、このボールベアリング26をギヤスリーブ27に予め嵌合固定したが、従来例(図5参照)に示すように出力ギヤと別に従動軸にベアリングを嵌合した構造の無段変速機であってもよい。
さらに、上記実施例では、リターンスプリングの一端を支えかつ油圧室の片方の側壁を構成する支持部材がピストン22bである例を示したが、シリンダであってもよい。
本発明にかかる無段変速機の一例の展開断面図である。 図1に示す無段変速機のスケルトン図である。 従動軸の支持構造を示す拡大断面図である。 従動プーリの組み付け方法を示す工程図である。 従来の無段変速機における従動軸の支持構造を示す断面図である。
符号の説明
11 駆動プーリ
15 Vベルト
20 従動軸
21 従動プーリ
22b ピストン
22b1 インロー嵌合部
24 リターンスプリング
26 ボールベアリング
27 ギヤスリーブ
27a 出力ギヤ
28 ロックナット
29 仮止め部材
30 デファレンシャル装置
31 リングギヤ

Claims (2)

  1. 従動プーリの可動シーブの背面に設けられ、リターンスプリングを内蔵した油圧室と、
    上記リターンスプリングの一端を支えかつ油圧室の片方の側壁を構成し、内周部が上記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された支持部材と、
    上記従動軸にスプライン嵌合され、上記支持部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、
    上記ギヤスリーブの外側端部の外周または上記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、上記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、
    上記従動軸の軸端に螺着され、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材を押圧支持する締付部材と、を備えた無段変速機であって、
    上記従動プーリを収容する変速機ケースの内側壁に、上記支持部材の背面に近接する支持壁部を設け、
    上記支持壁部と上記支持部材との軸方向隙間を上記インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さく設定したことを特徴とする無段変速機。
  2. 従動プーリの可動シーブの背面に設けられ、リターンスプリングを内蔵した油圧室と、
    上記リターンスプリングの一端を支えかつ油圧室の片方の側壁を構成し、内周部が上記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された支持部材と、
    上記従動軸にスプライン嵌合され、上記支持部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、
    上記ギヤスリーブの外側端部の外周または上記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、上記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、
    上記従動軸の軸端に螺着され、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材を押圧支持する締付部材と、
    上記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを、を備えた無段変速機の組立方法であって、
    上記従動軸にリターンスプリングを介して上記支持部材の内周部をインロー嵌合させる工程と、
    上記従動軸に上記支持部材の内周部背面を押圧支持する円筒状の仮止め部材を仮固定する工程と、
    支持壁部を有する変速機ケースを、上記仮止め部材を仮固定した従動軸に挿通させ、上記支持壁部を上記支持部材の背面に近接させる工程であって、上記支持壁部と上記支持部材との軸方向隙間を上記インロー嵌合部の軸方向嵌合長さより小さくする工程と、
    上記変速機ケースに上記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを組み込む工程と、
    上記仮止め部材を従動軸から取り外す工程と、
    上記従動軸に上記ベアリングを取り付けた上記ギヤスリーブをスプライン嵌合させるか、あるいは上記ギヤスリーブをスプライン嵌合させた後で上記ベアリングを上記従動軸に嵌合させ、上記出力ギヤを上記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤにかみ合わせる工程と、
    上記従動軸の端部に締付部材を螺着し、上記ギヤスリーブを介して上記支持部材の内周部背面を押圧支持する工程と、を備えた無段変速機の組立方法。
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