JP5968001B2 - 無段変速機及びその組立方法 - Google Patents

無段変速機及びその組立方法 Download PDF

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Description

本発明はベルト式の無段変速機及びその組立方法に関するものである。
一般に、車両用の無段変速機では、エンジンから入力された動力がトルクコンバータを介して入力軸に伝達され、入力軸から駆動プーリ、Vベルト、従動プーリを介してデファレンシャル装置に伝達され、車輪が駆動される。従動プーリの可動シーブの背面にはリターンスプリングを内蔵した作動油室が設けられ、この作動油室の片方の側壁を構成するピストン(受圧部材)が従動軸にインロー嵌合されている。そして、従動軸に出力ギヤやベアリングなどを嵌合した上で、従動軸の端末にロックナットを螺着することにより、ピストンが従動軸に締結固定されている。出力ギヤはデファレンシャル装置のリングギヤとかみ合い、ベアリングの外側レースは変速機ケースによって支持されている。
ところで、大きな減速比を得るため、ベアリングの外径より小さな歯底径を持つ出力ギヤを用いる場合がある。この場合、もし先にピストン、出力ギヤ、ベアリングを従動軸に固定し、その後でデファレンシャル装置を組み込もうとすると、ベアリングが邪魔をしてデファレンシャル装置のリングギヤを出力ギヤに噛み合わせることができない。そのため、先にデファレンシャル装置を変速機ケースに組み込み、その後で出力ギヤ、ベアリングを従動軸に固定することになるが、その際、ピストンのインロー嵌合がリターンスプリングのばね力のために外れてしまう。
図4は特許文献1に記載された従動プーリ105の組立構造を示す。従動軸100の一端部に形成されたスプライン部100aに、出力ギヤ101aを持つ円筒形状のギヤスリーブ101がスプライン嵌合され、ギヤスリーブ101の外側端部にベアリング102の内側レースが嵌合され、従動軸100の軸端のねじ部100bにロックナット103が締結されている。ロックナット103の締結力により、ギヤスリーブ101を介して従動軸100のインロー嵌合部100dにインロー嵌合されたピストン104の背面を軸方向に押圧し、ピストン104を従動軸100の段差部100cに押し当てて固定している。ピストン104は、リターンスプリング106の一端部を支えるばね受け部材としても機能している。ベアリング102の外側レースの外径は出力ギヤ101aの歯底径より大きく、一方側の変速機ケース107に嵌合保持されている。出力ギヤ101aはデファレンシャル装置のリングギヤ108と噛み合っている。
前記従動プーリ105の組立構造において、デファレンシャル装置を組み付ける際にベアリング102がリングギヤ108の邪魔にならないように、先にデファレンシャル装置を変速機ケースに組み込み、その後でギヤスリーブ101及びロックナット103を従動軸100に固定することになるが、それでは、ピストン104がリターンスプリング106のばね力のために外れてしまう。そのため、特許文献1では、ピストン104が外れないようにスリーブ状の仮止め部材(図示せず)を従動軸100に螺着しておき、中間の変速機ケース109とデファレンシャル装置を組み込んだ後、仮止め部材を外す。仮止め部材を外すと、ピストン104はリターンスプリング106のばね力のために外れてしまうが、それに代わって中間の変速機ケース109の支持壁部109aがピストン104の背面を支えるようにしている。支持壁部107aとピストン104との軸方向隙間をインロー嵌合部100dの軸方向長さより小さく設定することで、ギヤスリーブ101やロックナット103を従動軸100に取り付ける前に、ピストン104が従動軸100のインロー嵌合部100dから完全に脱落するのが防止される。
しかしながら、特許文献1の場合、ピストン104には、リターンスプリング106のばね力に加えて、ピストン104の内側に供給される作動油圧が軸方向に作用し、その圧力をロックナット103だけで支える必要がある。そのため、ロックナット103及びねじ部100bには大きな負担がかかり、大型のロックナット103を使用したり、従動軸100の軸径を太くする等、部品コスト及び寸法増大を招く可能性がある。また、支持壁部109aをもつ中間ケース109を組み付けるまでの間、ピストン104がインロー嵌合部100dから外れないように、仮止め部材を従動軸100に螺着しておく必要がある。仮止め部材は、無段変速機を最終的に組み立てた後では不要な部品であり、コスト上昇を招くという問題がある。
特開2006−183706号公報
そこで、本発明の目的は、従動プーリを組み付ける際の組立性を改善し、コスト低減を図ると同時に、ロックナットにかかる負担を軽減できる無段変速機及びその組立方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、従動プーリの可動シーブの背面側に設けられ、リターンスプリングを内蔵した作動油室と、前記リターンスプリングの一端を支えかつ作動油室の片方の側壁を構成し、内周部が前記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された受圧部材と、前記従動軸にスプライン嵌合され、前記受圧部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、前記ギヤスリーブの外側端部の外周または前記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、前記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、前記従動軸の軸端に螺着され、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材を押圧支持する締付部材と、前記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤ又はリダクションギヤと、を備えた無段変速機であって、前記受圧部材の背面を支えるカラーが、前記リターンスプリングのばね反力より大きな抜け荷重で前記従動軸の外周に圧着されており、前記ギヤスリーブの先端部が前記カラーを介して前記受圧部材を押圧支持していることを特徴とする無段変速機を提供する。
また、請求項2に係る発明は、従動プーリの可動シーブの背面側に設けられ、リターンスプリングを内蔵した作動油室と、前記リターンスプリングの一端を支えかつ作動油室の片方の側壁を構成し、内周部が前記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された受圧部材と、前記受圧部材の背面を支えるべく前記従動軸に圧着されたカラーと、前記従動軸にスプライン嵌合され、前記カラーの背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、前記ギヤスリーブの外側端部の外周または前記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、前記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、前記従動軸の軸端に螺着され、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材を押圧支持する締付部材と、前記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤ又はリダクションギヤと、を備えた無段変速機の組立方法であって、前記従動軸にリターンスプリングを介して前記受圧部材の内周部をインロー嵌合させる工程と、前記従動軸に前記受圧部材の内周部背面を押圧支持するカラーを、前記リターンスプリングのばね反力より大きな抜け荷重で前記従動軸に圧着固定する工程と、変速機ケースを、前記カラーを固定した従動軸に挿通させて組み立てる工程と、前記変速機ケースに前記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを組み込む工程と、前記従動軸に前記ベアリングを取り付けた前記ギヤスリーブをスプライン嵌合させるか、あるいは前記ギヤスリーブをスプライン嵌合させた後で前記ベアリングを前記従動軸に嵌合させ、前記出力ギヤを前記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤにかみ合わせる工程と、前記従動軸の端部に締付部材を螺着し、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材の内周部背面を押圧支持する工程と、を備えた無段変速機の組立方法を提供する。
本発明における無段変速機では、従動軸に圧着されたカラーの抜け荷重がリターンスプリングのばね反力より大きく設定されているので、カラーがリターンスプリングのばね反力の他に、作動油圧の反力の一部も受け持つことができる。そのため、従動軸のネジ部や締結部材にかかる負担を軽減でき、耐久荷重を高めることができる。なお、本発明の「圧着」とは、カラーを常温で従動軸に圧入固定した場合だけでなく、焼き嵌めでもよく、カラーが従動軸の外周に所定の圧着力で固定された状態を指す。
本発明では、従動軸にリターンスプリングを支える受圧部材をインロー嵌合させ、受圧部材の背面を従動軸に圧着されたカラーで支える。カラーの抜け荷重はリターンスプリングのばね反力より大きく設定されているため、組立の途中に受圧部材が脱落することがなく、中間の変速機ケースやデファレンシャル装置を組み付ける際、あるいはギヤスリーブ、ベアリング及び締結部材を従動軸に固定する際に、受圧部材を支えておく必要がない。そのため、従来のような受圧部材の背面を支える変速機ケースの支持壁部や仮止め部材が不要となり、低コストで組立性に優れた無段変速機を実現できる。
本発明におけるベアリングとしては、ローラベアリングであってもよいし、ボールベアリングであってもよい。また、ベアリングはギヤスリーブに嵌合固定してもよいし、従動軸に直接嵌合固定してもよい。特に、ボールベアリングを用いた場合、その内側レースを圧入嵌合させる必要があるので、ギヤスリーブの外側に予め嵌合固定するのが望ましい。この場合には、ボールベアリングを従動軸に直接固定する場合に比べて、内側レースを圧入する際の衝撃力が従動軸の他端側に掛からず、従動軸の他端側に設けられるベアリングに軸方向荷重が掛からずに済む。
本発明の無段変速機は、出力ギヤをデファレンシャル装置のリングギヤに直接噛み合わる構造に限らず、出力ギヤとデファレンシャル装置のリングギヤとの間にリダクションギヤが介在する構造でもよい。この場合も、変速機ケースの片側に組み込まれた従動軸、デファレンシャル装置及びリダクションギヤに対し、ギヤスリーブを後で従動軸にスプライン嵌合することで、出力ギヤをリダクションギヤに容易に噛み合わせることができる。
以上のように、本発明によれば、従動軸にリターンスプリングを支える受圧部材をインロー嵌合し、受圧部材の背面を支えるカラーをリターンスプリングのばね反力より大きな抜け荷重で従動軸に圧着固定したので、カラーがリターンスプリングのばね反力の他に、作動油圧の反力の一部も受け持つことができ、従動軸に締結される締結部材やネジ部にかかる負担を軽減できる。また、カラーを用いたことで、従来のような受圧部材の背面を支える変速機ケースの支持壁部や、仮止め部材が不要となり、低コストで組立の容易な組立方法を実現できる。
本発明にかかる無段変速機の一例のスケルトン図である。 従動プーリの支持構造を示す拡大断面図である。 従動プーリの組み立て方法を示す工程図である。 従来の無段変速機における従動プーリの支持構造を示す断面図である。
(第1実施例)
図1は本発明にかかる無段変速機の一例の概略構成を示す。
この実施例の無段変速機はFF横置き式の自動車用変速機であり、大略、エンジン出力軸1によりトルクコンバータ2を介して駆動される入力軸3、入力軸3の回転を正逆切り替えて駆動軸10に伝達する前後進切替装置4、駆動プーリ11と従動プーリ21と両プーリ間に巻き掛けられたVベルト15とからなる無段変速装置A、従動軸20の動力を出力軸32に伝達するデファレンシャル装置30などで構成されている。入力軸3と駆動軸10とは同一軸線上に配置され、従動軸20とデファレンシャル装置30の出力軸32とが入力軸3に対して平行でかつ非同軸に配置されている。したがって、この無段変速機は全体として3軸構成とされている。この実施例で用いられるVベルト15は、一対の無端状張力帯と、これら張力帯に支持された多数のブロックとで構成された公知の金属ベルトである。
前後進切替装置4は、遊星歯車機構40と前進用ブレーキ50と後進用クラッチ51とで構成され、遊星歯車機構40のサンギヤ41が入力部材である入力軸3に連結され、リングギヤ42が出力部材である駆動軸10に連結されている。遊星歯車機構40はシングルピニオン方式であり、前進用ブレーキ50はピニオンギヤ43を支えるキャリア44と変速機ケース5との間に設けられ、後進用クラッチ51はキャリア44とサンギヤ41との間に設けられている。後進用クラッチ51を解放して前進用ブレーキ50を締結すると、入力軸3の回転が逆転され、かつ減速されて駆動軸10へ伝えられる。逆に、前進用ブレーキ50を解放して後進用クラッチ51を締結すると、遊星歯車機構40のキャリア44とサンギヤ41とが一体に回転するので、入力軸3と駆動軸10とが直結される。なお、遊星歯車機構40はシングルピニオン方式に限らず、公知のダブルピニオン方式であってもよい。
図1に示すように、無段変速装置Aの駆動プーリ11は、駆動軸(プーリ軸)10上に一体に形成された固定シーブ11aと、駆動軸10上に軸方向移動自在にかつ一体回転可能に支持された可動シーブ11bと、可動シーブ11bの背面と駆動軸10に固定されたシリンダ13との間に設けられた作動油室12とを備えている。この油室12への油圧を制御することにより、変速制御が実施される。
同じく従動プーリ21は、従動軸(プーリ軸)20上に一体に形成された固定シーブ21aと、従動軸20上に軸方向移動自在にかつ一体回転可能に支持された可動シーブ21bと、可動シーブ21bの背面と従動軸20に固定されたピストン(受圧部材)23との間に設けられた作動油室22とを備えている。この油室22の油圧を制御することにより、トルク伝達に必要なベルト推力が与えられる。なお、作動油室22には初期推力を与えるリターンスプリング24が配置されている。
従動軸20の一端部はエンジン側に向かって延び、この一端部に出力ギヤ27aが設けられている。出力ギヤ27aはデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合っており、デファレンシャル装置30から左右に延びる出力軸32に動力が伝達され、車輪が駆動される。
図2は、無段変速機の従動プーリ21部分の詳細図である。変速機ケース5は、後側(反エンジン側)のケース5aと、前側(エンジン側)のケース(コンバータハウジング)5bと、中間のケース5cとの3部品で構成されている。従動軸20の後側(反エンジン側)の端部は、ボールベアリング25を介して後側の変速機ケース5aによって回転自在に支持され、前側(エンジン側)の端部は、ボールベアリング26を介して前側の変速機ケース5bによって回転自在に支持されている。なお、ボールベアリング25の内輪はロックナット35によって従動軸20の後端に固定され、外輪はボルト36及びベアリングリテーナ37によって変速機ケース5aに固定されている。
ピストン23(受圧部材)は従動軸20のインロー嵌合部20fにインロー嵌合しており、インロー嵌合部20fよりエンジン側の圧入嵌合部20cにリング状の金属製カラー29が圧入嵌合されている。カラー29は、リターンスプリング24のばね反力以上の力で圧入できるものであればよく、形状に制約はない。カラー29の圧入によって、ピストン23の内周部側面はワッシャ38を介して従動軸20の段差部20dに押し当てられている。なお、ワッシャ38は、可動シーブ21bが最大限開いた時のストッパとしても機能する。ピストン23は作動油室22に配置されたリターンスプリング24のばね反力を受けるが、圧入嵌合部20cに圧入嵌合されたカラー29によって背面を支持されているため、ピストン23が抜けることがない。さらに、カラー29の外径は後述するギヤスリーブ27の円筒部27cの外径より大きいので、広い面積でピストン23の背面を支えることができ、ピストン23の変形を抑制できる。なお、カラー29の抜け荷重は、少なくともリターンスプリング24のばね反力より高く設定されているが、油室22に供給される最大油圧による反力以下でもよい。カラー29を常温で圧入嵌合部20cに圧入してもよいが、カラー29の抜け荷重を高めるために、例えばカラー29を加熱膨張させた状態で圧入嵌合部20cに嵌合(焼き嵌め)してもよい。
図2に示すように、出力ギヤ27aは円筒状のギヤスリーブ27の略中央部外周に形成されている。ギヤスリーブ27の軸方向前端部(エンジン側端部)にはギヤ部を有しない円筒状の延長部27bが形成され、延長部27bの外周にボールベアリング26の内側レース26aが圧入により嵌合固定されている。ボールベアリング26の外側レース26bは出力ギヤ27aの歯底径D1より大きな外径D4を持つ。ここでは、延長部27bの外径D2は出力ギヤ27aの歯底径D1とほぼ同寸であるが、D1より大きくても小さくてもよい。また、ボールベアリング26の外側レース26bの外径D4は出力ギヤ27aの歯先径D3より大きいが、D3より小さくてもよく、少なくとも歯底径D1より大きければよい。ギヤスリーブ27の軸方向後端部には、出力ギヤを有しない円筒部27cが形成されている。
ギヤスリーブ27の内周には従動軸20の一端側の外周に形成された外スプライン20aと嵌合する内スプライン27dが形成されている。従動軸20の軸端に形成されたねじ部20bにはロックナット(締付部材)28が締結され、このロックナット28によりギヤスリーブ27は軸方向に押圧され、ギヤスリーブ27の円筒部27cの端面がカラー29の背面に押し当てられている。なお、ロックナット28の内側面は、ボールベアリング26の内側レース26aの側面に当接しているが、延長部27bの端面に当接してもよい。ボールベアリング26の外側レース26bは前側の変速機ケース5bに形成された凹部5b1に嵌合保持されている。
前記のように、従動軸20にカラー29を圧入することで、ピストン23の回り止めと、リターンスプリング24のばね反力に対する抜け止めとを達成できる。また、ベルト軸間力やギヤ反力などによって従動軸20に軸撓みが発生すると、従動軸20とカラー29との間に相対傾きが発生するが、その傾きによってカラー29の圧入による抜け荷重以上の抜け止め効果を見込むことができる。さらに、カラー29がピストン23に作用する油圧反力の一部を受け持つことができるので、ロックナット28にかかる負担を軽減できる。そのため、従来と同じ大きさのロックナット28やねじ部20bを用いても、その耐久荷重を高めることができる。
なお、特許文献1では、中間の変速機ケース5cの内側壁にピストン23の背面に近接する支持壁部を設け、組立途中の従動軸20にピストン23を支える仮止め部材を螺着していたが、本発明の無段変速機では、このような支持壁部を設ける必要ないし、仮止め部材も必要でない。なぜなら、従動プーリ21をアッセンブリする際に、一旦カラー29を従動軸20に圧入すれば、リターンスプリング24のばね反力のためにピストン23が外れるということがないからである。
ここで、従動軸20及びデファレンシャル装置30の組付方法を図3を参照しながら説明する。従動軸20を変速機ケースに組み付ける前に、図3の(a)のように、まず従動軸20のインロー嵌合部20fにピストン23をインロー嵌合し、ピストン23の内周部背面を押圧支持するカラー29を従動軸20の圧入嵌合部20cに圧入しておく。カラー29の圧入により、ピストン23はワッシャ38を介して従動軸20の段差部20dに押し付けられ、ピストン23がリターンスプリング24によってインロー嵌合部20fから外れるのが防止される。次に、従動軸20の後側端部をボールベアリング25を介して後側の変速機ケース5aに組み付ける。なお、図3では従動軸20を水平状態で表しているが、実際には変速機ケース5aを上方として従動軸20を垂直に釣り下げた状態とする。
次に、図3の(b)のように、中間ケース5c及びデファレンシャル装置30を順に下側から組み付ける。デファレンシャル装置30を組み付ける際、従動軸20の前側端部には何も装着されていないので、リングギヤ31が干渉せずに簡単に組み付けることができる。ついで、予めボールベアリング26を圧入嵌合したギヤスリーブ27を、従動軸20に対してスプライン嵌合させる。この際、出力ギヤ27aをデファレンシャル装置30のリングギヤ31に噛み合わせる。大径なボールベアリング26は出力ギヤ27aの背後に位置しているので、ボールベアリング26とリングギヤ31とが干渉することなく、ギヤスリーブ27を円滑に挿入できる。
ギヤスリーブ27を挿入した後、図3の(c)のように、従動軸20の軸端のねじ部20bにロックナット28を締結する。ロックナット28の締付力によりギヤスリーブ27は軸方向に押され、円筒部27cの端面がカラー29の背面を押圧する。ロックナット28の締付力は従動軸20の段差部20dで終端となり、前側のボールベアリング25に波及しないので、ボールベアリング25に余計な負荷を与えずにすむ。最後に、前側の変速機ケース5bの凹部5b1をボールベアリング26の外側レースに嵌合させることにより、組み付けを完了する。
本発明は前記実施例に限定されるものではない。例えば、前記実施例では、ギヤスリーブ27の中央部に出力ギヤ27aを設け、軸方向一端に延長部27bを設け、この延長部27bにベアリング26の内側レースを嵌合したが、延長部27bを省略し、ベアリング26の内側レースを従動軸20の軸端部に直接嵌合してもよい。この場合には、ギヤスリーブ27とベアリング26とが従動軸20に直列的に配置される。
さらに、前記実施例では、リターンスプリングの一端を支えかつ作動油室の片方の側壁を構成する受圧部材がピストン23である例を示したが、シリンダであってもよい。また、出力ギヤ27aにデファレンシャル装置のリングギヤ31が直接かみ合う例を示したが、出力ギヤ27aがリダクションギヤを介してリングギヤ31とかみ合うように構成してもよい。
11 駆動プーリ
15 Vベルト
20 従動軸
20a 外スプライン
20b ねじ部
20c 圧入嵌合部
20f インロー嵌合部
21 従動プーリ
22 作動油室
23 ピストン(受圧部材)
24 リターンスプリング
26 ボールベアリング
27 ギヤスリーブ
27a 出力ギヤ
28 ロックナット(締付部材)
29 カラー
30 デファレンシャル装置
31 リングギヤ

Claims (2)

  1. 従動プーリの可動シーブの背面側に設けられ、リターンスプリングを内蔵した作動油室と、前記リターンスプリングの一端を支えかつ作動油室の片方の側壁を構成し、内周部が前記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された受圧部材と、前記従動軸にスプライン嵌合され、前記受圧部材の内周部背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、前記ギヤスリーブの外側端部の外周または前記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、前記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、前記従動軸の軸端に螺着され、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材を押圧支持する締付部材と、前記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤ又はリダクションギヤと、を備えた無段変速機であって、
    前記受圧部材の背面を支えるカラーが、前記リターンスプリングのばね反力より大きな抜け荷重で前記従動軸の外周に圧着されており、前記ギヤスリーブの先端部が前記カラーを介して前記受圧部材を押圧支持していることを特徴とする無段変速機。
  2. 従動プーリの可動シーブの背面側に設けられ、リターンスプリングを内蔵した作動油室と、前記リターンスプリングの一端を支えかつ作動油室の片方の側壁を構成し、内周部が前記従動プーリの従動軸にインロー嵌合された受圧部材と、前記受圧部材の背面を支えるべく前記従動軸に圧着されたカラーと、前記従動軸にスプライン嵌合され、前記カラーの背面を支持するとともに、外周部に出力ギヤが形成された円筒状のギヤスリーブと、前記ギヤスリーブの外側端部の外周または前記ギヤスリーブより軸端側の従動軸上に取り付けられ、前記出力ギヤの歯底径より大きな外径を持つベアリングと、前記従動軸の軸端に螺着され、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材を押圧支持する締付部材と、前記出力ギヤにかみ合うデファレンシャル装置のリングギヤ又はリダクションギヤと、を備えた無段変速機の組立方法であって、
    前記従動軸にリターンスプリングを介して前記受圧部材の内周部をインロー嵌合させる工程と、
    前記従動軸に前記受圧部材の内周部背面を押圧支持するカラーを、前記リターンスプリングのばね反力より大きな抜け荷重で前記従動軸に圧着固定する工程と、
    変速機ケースを、前記カラーを固定した従動軸に挿通させて組み立てる工程と、
    前記変速機ケースに前記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤを組み込む工程と、
    前記従動軸に前記ベアリングを取り付けた前記ギヤスリーブをスプライン嵌合させるか、あるいは前記ギヤスリーブをスプライン嵌合させた後で前記ベアリングを前記従動軸に嵌合させ、前記出力ギヤを前記デファレンシャル装置のリングギヤまたはリダクションギヤにかみ合わせる工程と、
    前記従動軸の端部に締付部材を螺着し、前記ギヤスリーブを介して前記受圧部材の内周部背面を押圧支持する工程と、を備えた無段変速機の組立方法。
JP2012073501A 2012-03-28 2012-03-28 無段変速機及びその組立方法 Active JP5968001B2 (ja)

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