JP2006181756A - プリフォームの口部結晶化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を、効率よく加熱処理して十分な結晶化をさせることができ、また種々の長さのプリフォームに対しても部品交換やセッティング調整をすることなく対応することができるプリフォームの口部結晶化装置を提供すること。
【解決手段】 熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を加熱処理して結晶化させるプリフォームの口部結晶化装置において、口部11を露出させた状態で保持する筒状ホルダー1の上端部に、プリフォーム10のサポートリング12下面と筒状ホルダー1との接触を防止する絶縁部材3を装着したものとした。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を加熱処理して結晶化させるプリフォームの口部結晶化装置において、口部11を露出させた状態で保持する筒状ホルダー1の上端部に、プリフォーム10のサポートリング12下面と筒状ホルダー1との接触を防止する絶縁部材3を装着したものとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばPET樹脂のような熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を、効率よく加熱処理して十分な結晶化をさせることができ、また種々の長さのプリフォームに対しても部品交換やセッティング調整をすることなく対応することができるプリフォームの口部結晶化装置に関するものである。
PET樹脂のような熱可塑性ポリエステルからなるボトルは、射出成形された無定形組織のプリフォームを口部を残して二軸延伸ブロー成形することにより製造される。このため、肩部・胴部・底部が分子配向されており、透明性、耐衝撃性、ガスバリヤー性等に優れていることから種々の内容物の容器として広く用いられている。しかし、口部は無定形組織のままであるため、内容物の熱間充填や高温殺菌工程においてネジ山等に変形を生じ密封性や外観性を低下させる場合があった。
そこで、口部の剛性や耐熱性等を向上させる目的で、口部を熱処理し結晶化度を高めることが行われている。この場合、プリフォームのサポートリングをホルダー上端部で支持して口部を露出させ、この状態で口部を熱処理する方法が知られている。ところが、この方法による時は、ホルダーの上縁と接触するサポートリング下面の熱がホルダーに奪われてしまい、サポートリング下面の結晶化が不十分になるという問題点があった。
このような問題点を解決する目的で、特許文献1に示されるように、ホルダーの内部にプリフォームの受け部材を内蔵させサポートリングとホルダーの間に隙間を形成して結晶化する方法が提案されている。しかしながら、この場合はプリフォームの長さが変わるとホルダーの部品交換やセッティング調整をする必要があり、作業が煩雑で長時間要するという問題点があった。
特公平6−22876号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、例えばPET樹脂のような熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を、効率よく加熱処理して十分な結晶化をさせることができ、また種々の長さのプリフォームに対しても部品交換やセッティング調整をすることなく対応することができるプリフォームの口部結晶化装置を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明のプリフォームの口部結晶化装置は、熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を加熱処理して結晶化させるプリフォームの口部結晶化装置において、口部を露出させた状態で保持する筒状ホルダーの上端部に、プリフォームのサポートリング下面と筒状ホルダーとの接触を防止する絶縁部材を装着したことを特徴とするものである。
本発明では、筒状ホルダーの上端部にプリフォームのサポートリング下面と筒状ホルダーとの接触を防止する絶縁部材を装着した構造としたので、サポートリング下面の熱がホルダーに奪われることが防止されてサポートリング下面の結晶化が十分に行われ、口部全体の結晶化度が高められることとなる。また、プリフォームを底部で支持するのではなく、サポートリングの下面で受けて支持する構造であるので、プリフォームの長さが変わってもホルダーの部品交換やセッティング調整をする必要がなくなる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい形態を示す。
図面は、熱可塑性ポリエステルであるPET樹脂からなるボトル成形用のプリフォームを加熱処理して結晶化させる場合を示すもので、図において10はプリフォーム、11はその口部、12はサポートリングである。
図面は、熱可塑性ポリエステルであるPET樹脂からなるボトル成形用のプリフォームを加熱処理して結晶化させる場合を示すもので、図において10はプリフォーム、11はその口部、12はサポートリングである。
そして本発明の口部結晶化装置においては、プリフォーム10の口部11を露出させた状態で保持する筒状ホルダー1の上端部に、プリフォーム10のサポートリング12下面と筒状ホルダー1との接触を防止する絶縁部材3を装着したものとなっている。
なお、筒状ホルダー1はホルダー本体1aの上部に台座用キャップ2が螺合され、更にこの台座用キャップ2上端部にオーバーキャップ4が螺合されており、絶縁部材3が台座用キャップ2とオーバーキャップ4との間に挟持・固定された構造となっている。
なお、筒状ホルダー1はホルダー本体1aの上部に台座用キャップ2が螺合され、更にこの台座用キャップ2上端部にオーバーキャップ4が螺合されており、絶縁部材3が台座用キャップ2とオーバーキャップ4との間に挟持・固定された構造となっている。
絶縁部材3は、プリフォーム10のサポートリング12下面と筒状ホルダー1との直接的な接触を避けてサポートリング12の熱がホルダー1に奪われるのを防止するためのものである。これにより、サポートリング12の結晶化も十分に行われて、口部11全体の結晶化が確保できることとなる。
絶縁部材3としては、アラミド繊維からなる耐熱紙(例えば、デュポン社の商品名「ノーメックス紙」)や、ポリイミドからなる耐熱成形品(例えば、エポキシ樹脂からなる成形品)や、ガラス繊維を珪酸系バインダで固めた耐熱成形品等を用いることができる。
絶縁部材3としては、アラミド繊維からなる耐熱紙(例えば、デュポン社の商品名「ノーメックス紙」)や、ポリイミドからなる耐熱成形品(例えば、エポキシ樹脂からなる成形品)や、ガラス繊維を珪酸系バインダで固めた耐熱成形品等を用いることができる。
図1に示すものでは、絶縁部材3としてリング状の板状部材でありホルダー1の上端部に3枚積層したものとなっているが、1枚あるいは2枚以上積層されて装着してもよいことは勿論である。
また、図2に示されるように、絶縁部材3と台座用キャップ2との間にコイルスプリングのようなバネ材5を介在させて、絶縁部材3を上方向へ弾発しておけば台座用キャップ2との間に隙間が形成されて断熱効果がより促進されることとなり好ましい。
また、図2に示されるように、絶縁部材3と台座用キャップ2との間にコイルスプリングのようなバネ材5を介在させて、絶縁部材3を上方向へ弾発しておけば台座用キャップ2との間に隙間が形成されて断熱効果がより促進されることとなり好ましい。
図3は他の実施例を示すものであり、絶縁部材3がリング状の板状部材の内周縁部に環状周壁部を突設したものであり、該環状周壁部の先端部でサポートリング12の付け根を支持するよう構成してある。なお、5は絶縁部材3を上方向へ弾発するためのコイルスプリングのようなバネ材である。この場合には、絶縁部材3とサポートリング12の接触面積が小さく、かつ台座用キャップ2との間に隙間が形成されているので、断熱効果がより促進されることとなる。
以上のように筒状ホルダー1に保持されたプリフォーム10は、図4に示されるように、加熱装置の遮蔽ボックス6内に搬送され加熱源7によって加熱処理されることによりプリフォーム口部の結晶化が行われる。
本発明では加熱源7として、中赤外線ランプあるいは中赤外線ランプと近赤外線ランプを用いる。従来の加熱源は近赤外線ランプを用いるのが普通であったが、本発明者が研究した結果、中心波長が約2.6μmの中赤外線ランプを使用することによりプリフォームを高速度で結晶化できることを見出した。これは、PETの近赤外線波長の吸収域が小さいのに対し、中赤外線波長の吸収域が大きいことによるものと思われる。また、中赤外線ランプの場合は消費電力が少ないため、低コストで結晶化処理できることとなる。
本発明では加熱源7として、中赤外線ランプあるいは中赤外線ランプと近赤外線ランプを用いる。従来の加熱源は近赤外線ランプを用いるのが普通であったが、本発明者が研究した結果、中心波長が約2.6μmの中赤外線ランプを使用することによりプリフォームを高速度で結晶化できることを見出した。これは、PETの近赤外線波長の吸収域が小さいのに対し、中赤外線波長の吸収域が大きいことによるものと思われる。また、中赤外線ランプの場合は消費電力が少ないため、低コストで結晶化処理できることとなる。
以上の説明からも明らかなように、本発明は熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を加熱処理して結晶化させるプリフォームの口部結晶化装置において、口部11を露出させた状態で保持する筒状ホルダー1の上端部に、プリフォーム10のサポートリング12下面と筒状ホルダー1との接触を防止する絶縁部材3を装着したものとすることで、サポートリング12下面の熱がホルダー1に奪われることを防止し、サポートリング下面の結晶化を十分に行って口部全体の結晶化度を所望のレベルまで高めることとなる。また、プリフォーム10をサポートリング12の下面で受けて支持するので、プリフォーム10の長さが変わってもホルダー1の部品交換やセッティング調整をする必要がなくなり、優れた作業性を発揮することとなる。更には、加熱源7として、中赤外線ランプあるいは中赤外線ランプと近赤外線ランプを用いれば、消費電力が少なく低コストで結晶化処理できることとなるという利点もある。
1 筒状ホルダー
1a ホルダー本体
2 台座用キャップ
3 絶縁部材
4 オーバーキャップ
5 バネ材
6 遮蔽ボックス
7 加熱源
10 プリフォーム
11 口部
12 サポートリング
1a ホルダー本体
2 台座用キャップ
3 絶縁部材
4 オーバーキャップ
5 バネ材
6 遮蔽ボックス
7 加熱源
10 プリフォーム
11 口部
12 サポートリング
Claims (5)
- 熱可塑性ポリエステルからなるボトル成形用のプリフォームの口部を加熱処理して結晶化させるプリフォームの口部結晶化装置において、口部を露出させた状態で保持する筒状ホルダーの上端部に、プリフォームのサポートリング下面と筒状ホルダーとの接触を防止する絶縁部材を装着したことを特徴とするプリフォームの口部結晶化装置。
- 絶縁部材が、アラミド繊維からなる耐熱紙やポリイミドからなる耐熱成形品である請求項1に記載のプリフォームの口部結晶化装置。
- 絶縁部材が、リング状の板状部材でありホルダーの上端部に1枚、あるいは2枚以上積層されて装着してある請求項1または2に記載のプリフォームの口部結晶化装置。
- 絶縁部材が、リング状の板状部材の内周縁部に環状周壁部を突設したものであり、該環状周壁部の先端部でサポートリングの付け根を支持するよう構成してある請求項1または2に記載のプリフォームの口部結晶化装置。
- 加熱源として、中赤外線ランプあるいは中赤外線ランプと近赤外線ランプを用いる請求項1〜3のいずれかに記載のプリフォームの口部結晶化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004375411A JP2006181756A (ja) | 2004-12-27 | 2004-12-27 | プリフォームの口部結晶化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=36735217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2004
- 2004-12-27 JP JP2004375411A patent/JP2006181756A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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