JP4775791B2 - プリフォーム用の保持治具および熱結晶化処理設備 - Google Patents
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Description
その中で、いかに短時間で180〜230℃程度の温度に口筒部を加熱昇温するかがおおきな課題であるが、設備面の関係から多くの場合、図5に示したように基本的に加熱は赤外線ヒータ107で外部からのみ加熱するので、熱結晶化処理時間を短くするために赤外線ヒータ107の出力を大きくして急激に外側だけから加熱すると外面と内面の温度差が大きくなり、熱結晶化が内外で不均一になり、たとえば内面に皺が発生したり、内径規制しても後変形により楕円状になったりするという問題がある。
2軸延伸ブロー成形用PET系樹脂製のプリフォームを装着して、このプリフォームの口筒部を熱結晶化処理するために使用する保持治具において、
基体と、この基体に中心軸に沿ってプリフォームへの挿入が可能に起立配設した支持軸体と、この支持軸体に断熱部材を介して配設され、口筒部に挿入されてこの口筒部の熱収縮変形を規制するコア部材を有すること、
断熱部材は、コア部材に蓄積された熱の支持軸体への急激な移動を抑制してコア部材への蓄熱を促進する機能を発揮するものとし、
基体と支持軸体で熱導体を形成し、また基体を冷却可能に構成し、
断熱部材からの熱を、支持軸体を介して熱伝導により基体に移動させると共に基体から外部に放散させることにより、コア部材の過加熱の抑制が可能に構成すること、にある。
に配設することができる。
また、多くの場合PET形樹脂製のプリフォームは透明であるので、外側に配置された加熱ヒータを赤外線ヒータ等の輻射熱源とすることによりプリフォーム内部に位置するコア部材の温度を効率よく高温にすることができる。
そして、上記した請求項1の構成の基本的な技術思想により、第2の輻射熱源等を配設する必要もなく、また外側からの加熱を高出力で実施できるので昇温時間を短縮でき、生産速度を向上させることができるのである。
また、ネックリングの直下近傍部分には加熱ヒータによる加熱の影響も及ぶが、この点については、熱結晶化処理設備において遮蔽板や冷却ブロックを配設する等の別途の手段を採用することができる。
そしてこのため、口筒部の内径とコア部材の外径の差を極く小さく設定でき、これにより昇温過程のごく初期段階で口筒部の内周面が全周に亘ってコア部材に接触するので、外部ヒータによりコア部材を効率的に加熱できると共に、口筒部を内側から全周に亘って均一に加熱することができる。
たとえば連続熱結晶化処理工程では加熱終了後、プリフォームを取り外して次のプリフォームを装着する際におけるコア部材の温度の下降を小さくすることができ、予備加熱の必要も無く、高い生産速度を維持しながら内側からの口筒部への加熱を安定して実施することができる。
基体と、この基体に中心軸に沿ってプリフォームへの挿入が可能に起立配設した支持軸体と、この支持軸体に断熱部材を介して配設され、口筒部に挿入されてこの口筒部の熱収縮変形を規制するコア部材を有し、基体と支持軸体とで熱導体を形成した保持治具を使用すること、
外側から口筒部を加熱する加熱ヒータを有すること、
断熱部材は、コア部材に蓄積された熱の支持軸体への急激な移動を抑制してコア部材への蓄熱を促進する機能を発揮するものとし、
また基体を冷却可能に構成し、断熱部材からの熱を、支持軸体を介して熱伝導により基体に移動させると共に基体から外部へ放散させることにより、コア部材の加熱ヒータによる過加熱の抑制が可能に構成して、口筒部の外側と内側から加熱する構成とすること、にある。
そして、上記した請求項6の構成により、第2の輻射熱源等を配設する必要もなく、また外側からの加熱を高出力で実施できるので昇温時間を短縮でき、生産速度を向上させることができるのである。
なお本設備には前述した請求項1〜5に係る保持治具を使用することができる。
請求項1記載の方法にあっては、加熱ヒータを高出力にして、コア部材の作用で内側からも加熱するので昇温時間を短縮でき、また熱導体によりコア部材の過加熱を抑えて、外側と共に内側からも安定して加熱を実施できる。
図1は本発明の保持治具11の一実施例を示すものであり、プリフォーム1をセットした状態を示している。図2は図1中のコア部材21の縦断面図であり、円筒状のコア本体22はステンレス製であり、図2中で見て略下半分は外径D2を一定にした円筒状あるいは若干テーパー状の形状とし、プリフォーム1の口筒部2への挿入がスムーズにできるように、略中央高さ位置から先端に向けて緩やかに縮径した形状としている。
ここで、基体12および支持軸体14は熱伝導性の高い無酸素銅製であり、両者は一体として熱導体HCを形成する。
図1の保持治具11を使用し、プリフォーム1をセットした状態で、保持治具11は自転しながら図示省略した搬送装置によって、両側に設けられた仕切り壁35の間を移動し、口筒部2の高さレベルに配設された赤外線ヒータ(熱ヒータ)31により加熱される。
また、基体12のフィン12aに対向する位置に冷却パイプ33を配設し、支持軸体14および基体12から形成される熱導体HCを介しての放熱の効率をさらに大きくするようにしている。そしてまた、赤外線ヒータ31の下に遮蔽板34を配設し、基体12に輻射熱が及ばないようにしている。
このように、赤外線ヒータ31による加熱と、熱導体HCを介しての放熱をバランスするようにして、コア部材21の温度を安定して保持することができ、第2の輻射熱源等の新たな熱源を配設することなくコア部材21により内側から安定して加熱することができる。
なお、図4の水冷ブロック32は赤外線ヒータ31による当該部分の加熱を防ぐためのものである。
また、口筒部2内径D1とコア部材21外径D2の口径差を極く小さな値にすることができ、すなわち口筒部2とコア部材21間の間隙は極く小さくすることができ、口筒部2内径D1の収縮量は極く小さく抑えることができ、口筒部2の内周面での熱収縮による皺あるいは凹部の発生を防ぐことができるようになった。
2 ;口筒部
3 ;胴部
4 ;底部
5 ;ネックリング
6 ;ビードリング
11;保持治具
12;基体
12a;フィン
13;支持体
14;支持軸体
14a;テーパー部
15;内接部
16;連結棒
17;先端半球部
21;コア部材
22;コア本体
23;(炭素)薄膜
24;断熱部材
24a;断熱筒
24b;断熱カラー
31;赤外線ヒータ(加熱ヒータ)
32;水冷ブロック
33;水冷パイプ
34;遮蔽板
35;仕切り壁
101;プリフォーム
102;口筒部
103;ネックリング
105;ホルダー
106;コア部材
107;赤外線ヒータ
HC;熱導体
D1;(口筒部)内径
D2;(コア部材)外径
G ;間隙
Claims (6)
- 2軸延伸ブロー成形用ポリエチレンテレフタレート系樹脂製のプリフォーム(1)を装着して、該プリフォーム(1)の口筒部(2)を熱結晶化処理するために使用する保持治具であって、
基体(12)と、該基体(12)に、中心軸に沿ってプリフォーム(1)への挿入が可能に起立配設した支持軸体(14)と、該支持軸体(14)に断熱部材(24)を介して配設され、前記口筒部(2)に挿入されて該口筒部(2)の熱収縮変形を規制するコア部材(21)を有し、
前記断熱部材(24)は、前記コア部材(21)に蓄積された熱の支持軸体(14)への急激な移動を抑制してコア部材(21)への蓄熱を促進する機能を発揮するものとし、
前記基体(12)と支持軸体(14)で熱導体(HC)を形成し、また基体(12)を冷却可能に構成し、
前記断熱部材(24)からの熱を、前記支持軸体(14) を介して熱伝導により基体(12)に移動させると共に該基体(12)から外部に放散させることにより前記コア部材(21)の過加熱の抑制が可能に構成したプリフォーム保持治具。 - 支持軸体(14)の一部がプリフォーム(1)のネックリング(5)の直下近傍部分に内接する構成とした請求項1記載のプリフォーム保持治具。
- 基体(12)に冷却用のフィン(12a)を付設した請求項1または2記載の保持治具。
- コア部材(21)を、コア本体(22)の外表面をプラズマCVD法による薄膜でコーティングした構成とした請求項1、2または3記載の保持治具。
- コア本体(22)をステンレス製とし、薄膜を炭素薄膜(23)とした請求項4記載の保持治具。
- 基体(12)と、該基体(12)に中心軸に沿ってプリフォーム(1)への挿入が可能に起立配設した支持軸体(14)と、該支持軸体(14)に断熱部材(24)を介して配設され、前記口筒部(2)に挿入されて該口筒部(2)の熱収縮変形を規制するコア部材(21)を有し、前記基体(12)と支持軸体(14)とで熱導体(HC)を形成した保持治具(11)を使用し、外側から口筒部(2)を加熱する加熱ヒータ(31)を配設し、
前記断熱部材(24)は、前記コア部材(21)に蓄積された熱の支持軸体(14)への急激な移動を抑制してコア部材(21)への蓄熱を促進する機能を発揮するものとし、
また基体(12)を冷却可能に構成し、前記断熱部材(24)からの熱を、前記支持軸体(14) を介して熱伝導により基体(12)に移動させると共に該基体(12)から外部に放散させることにより前記コア部材(21)の加熱ヒータ(31)による過加熱の抑制が可能に構成し、口筒部(2)の外側と内側から加熱する構成とした2軸延伸ブロー成形用ポリエチレンテレフタレート系樹脂製プリフォームの熱結晶化処理設備。
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