JP5413768B2 - 延伸ブロー成形容器の製造方法 - Google Patents
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Description
図8に、この種の従来の延伸ブロー成形による小型のボトル型容器の代表的な例を図示した。この容器101は円筒状の胴部103を有するものであり、口筒部に内容液を注出するための注出ポンプ21を取り付け、このポンプの下端からは吸引パイプ23が底部104の底壁105の内面近くまで延設している。
このため、内容液Lqを使い終わる直前には、液Lqは底壁105の周縁部に残留する。
本発明の課題を解決するための主たる方法は、
合成樹脂製のボトル型の延伸ブロー成形容器の製造方法であって、
射出成形金型を用いて試験管状のプリフォームを成形する射出成形工程と、
この射出成形金型から高温状態のプリフォームを取出し、温度を保持した状態で複数のブロックに区分けされた温調ポット中に挿入してプリフォームを部分的に加熱、あるいは冷却することにより、プリフォームの底部の底壁の所定位置部分の温度を、底壁のこの所定位置部分を除く部分の温度に比較して部分的に高温に調整して高温スポットを形成する温度調整工程と、
底壁の高温スポットの偏延伸性を利用した延伸変形により、ボトル型容器の底壁の中央部の下面を平坦面で形成すると共に、底壁の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、底壁の肉厚を所定位置部分に向けて収斂状に薄肉化することにより、所定位置部分近傍に、底壁の内面近傍に残留した内容液が収斂状に流動集積する集積スポットを形成する延伸ブロー工程と、
を有することを特徴とする、と云うものである
ホットパリソン法は1ステージ法とも謂れ、射出成形したプリフォームの保有熱を利用して延伸ブロー成形するもので、射出成形されたプリフォームは温調ポットの中で、加温あるいは冷却して延伸ブロー成形に適した温度に調整されるので、この温調ポットにおけるヒータの配設態様や、冷却水配管の配設態様によりプリフォームの底壁に高温スポットを形成することができる。
本発明の延伸ブロー成形に係る主たる方法にあっては、
延伸ブロー成形のプリフォームの温度調整の際に、底壁に意図的に比較的温度の高い高温スポットを形成することにより、この高温スポットの偏延伸性、すなわち他の部分に対して部分的に高倍率に延伸される性質を利用して、成形されるボトル型容器の底壁の所定位置部分を薄肉化することができる。
図1〜図3は延伸ブロー成形容器の第1実施例を説明するものであり、図1はその部分縦断側面図、図2は底面図、図3は底部近傍の斜視図である。
なお、図3では底壁5の肉厚分布、あるいは底壁5の内面の傾斜形態を表すためにハッチングを入れている。
この容器1はPET樹脂製の延伸ブロー成形による小型のボトル型容器で、口筒部2と円筒状の胴部3と底部4を有する。
そしてこの実施例は所定位置部分6を底壁5の周縁部の所定中心角度位置部分6aとした例であり、底壁5は、この所定中心角度位置部分6aに向かって収斂状に薄肉化しており(図1、3参照)、この薄肉化により底壁5の内面(上面)はこの中心角度位置部分6aに向かって収斂状に斜め下方に傾斜しており、この中心角度位置部分6a近傍に、底壁5内面近傍に残留した内容液Lqがこの傾斜面に沿って流動集積する(図3中の2点鎖線で示した矢印参照)集積スポット7が形成される。
この実施例の容器1はホットパリソン法によるものであり、まず射出成形工程で、図5に示される試験管状のプリフォーム11を成形し、次に射出成形金型からプリフォーム11を高温の状態で取出し、この温度を保持した状態で図7の概略説明図で示した温調ポット31中に挿入し、この温調ポット31でプリフォーム11を加熱、あるいは冷却して次の延伸ブロー工程に適した温度に調整し、次に、延伸ブロー成形機で、図5中、2点鎖線で表した容器1の大きさまで延伸ブロー成形する。
なお、図7の装置では上方から下降可能に温調コア32が配設されており、プリフォーム11の内側からも温度調整することができるようにしている。
例えばプリフォームの底壁の所定位置部分を予め加熱しておき、次にプリフォームを軸回りに回転させながら全体を赤外線ヒータ等の加熱手段で加熱する温度調整方法により、高温スポットを形成することができる。
ここで、図4中に図示されるように吸引パイプ23の先端が底壁5の内面の一番低い部分に略触れるように配設しておけば、この先端位置を安定して保持することができる。
たとえば上記実施例ではホットパリソン法による成形方法を説明したが、前述したようにコールドパリソン法による方法を選択することもできる。
また、上記実施例の容器は円筒状の胴部を有するものであったが、楕円、長円、矩形、多角形の筒状のボトル型容器とすることもできる。
2 ;口筒部
3 ;胴部
4 ;底部
5 ;底壁
6 ;所定位置部分
6a;所定中心角度位置部分
6c;中央部
7 ;集積スポット
11;プリフォーム
12;口部
13;胴部
14;底部
15;底壁
16;所定位置部分
16a;所定中心角度位置部分
16c;中央部
17;高温スポット
21;注出ポンプ
22;注出ノズル
23;吸引パイプ
31;温調ポット
32;温調コア
33;ブロック
101;容器
103;胴部
104;底部
105;底壁
Lq;液
Claims (3)
- 合成樹脂製のボトル型の延伸ブロー成形容器の製造方法であって、
射出成形金型を用いて試験管状のプリフォーム(11)を成形する射出成形工程と、
前記射出成形金型から高温状態のプリフォーム(11)を取出し、温度を保持した状態で複数のブロックに区分けされた温調ポット(31)中に挿入して前記プリフォーム(11)を部分的に加熱、あるいは冷却することにより、前記プリフォーム(11)の底部(14)の底壁(15)の所定位置部分(16)の温度を、底壁(15)の該所定位置部分(16)を除く部分の温度に比較して部分的に高温に調整して高温スポット(17)を形成する温度調整工程と、
前記底壁(15)の高温スポット(17)の偏延伸性を利用した延伸変形により、ボトル型容器(1)の底壁(5)の中央部の下面を平坦面で形成すると共に、前記底壁(5)の内面のみを収斂状に下方に傾斜させて成形し、前記底壁(5)の肉厚を前記所定位置部分(6)に向けて収斂状に薄肉化することにより、前記所定位置部分(6)近傍に、底壁(5)の内面近傍に残留した内容液(Lq)が収斂状に流動集積する集積スポット(7)を形成する延伸ブロー工程と、
を有することを特徴とする延伸ブロー成形容器の製造方法。 - プリフォーム(11)の底壁(15)の所定位置部分(16)を、該底壁(15)の周縁部の所定中心角度位置部分(16a)とし、容器(1)の底壁(5)の所定位置部分(6)を、該底壁(5)の周縁部の所定中心角度位置部分(6a)とした請求項1記載の延伸ブロー成形容器の製造方法。
- プリフォーム(11)の底壁(15)の所定位置部分(16)を、該底壁(15)の中央部(16c)とし、容器(1)の底壁(5)の所定位置部分(6)を、該底壁(5)の中央部(6c)とした請求項1記載の延伸ブロー成形容器の製造方法。
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