JP6120153B2 - プリフォームおよびプラスチックボトル - Google Patents

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本発明は、プラスチックボトル用のプリフォームおよびプラスチックボトルに関する。
一般に、プリフォームおよびボトルを作製する方法として、ホットパリソン法と、コールドパリソン法とが知られている。このうちホットパリソン法においては、射出成形法を用いて作製されたプリフォームを、1個ずつブロー成形機に移動して装着し、このブロー成形機によってブロー成形することによりボトルが作製される。
一方、コールドパリソン法においては、射出成形法を用いて作製された多数のプリフォームを、一旦コンテナに貯留し、このコンテナごとプリフォームをブロー成形ラインに移動する。ブロー成形ラインにおいて、コンテナから多数のプリフォームをプリフォーム供給装置に投入し、その後自動でプリフォームを1個ずつ分離する。この分離されたプリフォームが、自動でブロー成形機に送られ、ブロー成形機でブロー成形されることによりボトルが作製される。
近年、プラスチックボトルに使用される材料を削減し、ボトルを軽量化する事が望まれている。このため、プラスチックボトルを軽量化するための一つの手段として、胴部の外径を口部の内径より細くしたプリフォームが用いられている。
しかしながら、プリフォームの胴部の外径を口部の内径より細くした場合、プリフォームの胴部が他のプリフォームの口部に入り込み、容易に抜けなくなる現象(スタック現象と定義する)が発生するおそれがある。とりわけコールドパリソン法を用いる場合、コンテナ内で多数のプリフォームが重なり、荷重が加わることによって、プリフォームの胴部が他のプリフォームの口部にしっかりと嵌り込むことが問題となっている。この場合、ブロー成形ラインにおいて、プリフォームを1個ずつ分離することが困難になり、ブロー成形ラインが一時的に停止してしまうおそれがある。
特開2007−296720号公報
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、プリフォームの胴部が他のプリフォームの口部に入り込み、容易に抜けなくなる現象(スタック現象)を防止する事が可能な、プリフォームおよびプラスチックボトルを提供する事を目的とする。
本発明は、プラスチックボトル用のプリフォームにおいて、口部と、前記口部に連結された胴部と、前記胴部に連結された底部とを備え、前記胴部は、前記口部側の大径部と、前記底部側の小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられ、前記大径部側から前記小径部側に向けて縮径する傾斜部とを有し、前記口部の内径をD4とし、前記胴部の前記小径部の外径をD2としたとき、D2<D4という関係を満たし、垂直断面において、前記傾斜部から下方に延びる直線と、前記小径部から上方に延びる直線とがなす角をαとしたとき、140°≦α≦165°という関係を満たす事を特徴とするプリフォームである。
本発明は、前記胴部は、内径D1をもち、前記底部は、その断面形状において、半径R1をもつ外面中央部と、半径R2をもつ外面周縁部と有する外面と、半径R3をもつ内面中央部と、半径R4をもつ内面周縁部と有する内面とを有し、(a)R2<R1、(b)D1/2<R3<R1、および(c)R4<R3という関係を満たす事を特徴とするプリフォームである。
本発明は、前記大径部の外径をD3とした場合、1.20<D3/D2<2.40という関係を満たす事を特徴とするプリフォームである。
本発明は、前記大径部の長さをL1とし、前記傾斜部の長さをL2とし、前記小径部の長さをL3とした場合、L1≦L2<L3という関係を満たす事を特徴とするプリフォームである。
本発明は、プリフォームを用いて作製されたプラスチックボトルであって、その胴部肉厚が0.04mm〜0.25mmである事を特徴とするプラスチックボトルである。
本発明によれば、垂直断面において、傾斜部から下方に延びる直線と、小径部から上方に延びる直線とがなす角をαとしたとき、140°≦α≦165°という関係を満たす。これにより、一方のプリフォームの胴部が他方のプリフォームの口部に入り込み、容易に抜けなくなる現象(スタック現象)を防止する事ができる。
図1は、本発明の一実施の形態によるプリフォームを示す部分断面図(プリフォームの中心軸線を通る断面図)。 図2は、本発明の一実施の形態によるプリフォームの底部を示す拡大断面図(図1のII部拡大図)。 図3は、本発明の一実施の形態によるプリフォームにより作製されるプラスチックボトルを示す斜視図。 図4(a)および(b)は、本発明の一実施の形態によるプリフォームにより作製されるプラスチックボトルの底部の別の例を示す斜視図。 図5(a)は、本発明の一実施の形態によるプリフォームを2つ重ねた状態を示す断面図であり、図5(b)は、図5(a)において、一方のプリフォームを他方のプリフォームに対して傾けた状態を示す断面図。 図6は、図5(b)の部分拡大断面図(図5(b)のVI部拡大図)。 図7は、変形例によるプリフォームを示す部分断面図(プリフォームの中心軸線を通る断面図)。 図8は、図7に示すプリフォームを2つ重ね、一方のプリフォームを他方のプリフォームに対して傾けた状態を示す部分拡大断面図(図6に対応する図)。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の形態を示す図である。
まず、図1および図2により本実施の形態によるプリフォームの概要について説明する。
図1に示すプリフォーム10は、開口部11aを有する口部11と、口部11に連結された胴部20と、胴部20に連結された底部30とを備えている。
このうち口部11の外周には、プリフォーム10を2軸延伸ブロー成形してプラスチックボトル40(図3)を作製した後、図示しないキャップを螺合するためのねじ部16が設けられている。また、口部11の下部には、環状のサポートリング12が突設されている。なお、口部11は、所定の内径D4を有している。
胴部20は、口部11側の大径部21と、底部30側の小径部23と、大径部21と小径部23との間に設けられた傾斜部22とを有している。
このうち傾斜部22は、大径部21側から小径部23側に向けて徐々に縮径する形状からなっており、長さL2を有している。また、傾斜部22は、プリフォーム10の中心軸線に対して傾斜する内面24を有している。
また、大径部21は円筒形状からなっており、外径D3を有している。小径部23は円筒形状からなっており、大径部21の外径D3より小さい外径D2を有するとともに、長さL3を有している。また小径部23は、内径D1をもっている。なお、本明細書において、胴部20の内径とは、この小径部23における内径D1の事をいう。
この場合、上述した口部11の内径D4と、小径部23の外径D2と間には、D2<D4という関係が成り立つ。したがって、2つのプリフォーム10を上下に重ねた場合、一方のプリフォーム10の小径部23が、他方のプリフォーム10の口部11に入り込んで傾斜部22の内面24に当接するようになっている。
また、小径部23の外径D2と、大径部21の外径D3との間には、1.20<D3/D2<2.40という関係が成り立つ事が好ましく、1.30<D3/D2<1.85という関係が成り立つ事が更に好ましい。すなわち、本実施の形態におけるプリフォーム10の胴部20は、一般的なプリフォームの胴部と比べて、中央側に向けてより縮径した形状からなっている。
なお、D3/D2の値を2.40より小さくしたことにより、大径部21側から小径部23側に向けて徐々に縮径する角度が急にならない為、射出成形性が悪化したりショート等の不具合が発生したりすることを防止することができる。
他方、D3/D2の値を1.20より大きくしたことにより、プリフォーム10を軽量化する事が容易となる。なお、大径部21に対して小径部23の直径が大きすぎる場合、ブロー成形前にプリフォーム10をヒーター(図示せず)で加熱する際、小径部23が相対的にヒーターに近づく事となる。この場合、小径部23が暖められすぎてしまうため、ブロー成形時に小径部23が延伸され易くなり、結果として、プラスチックボトル40の胴部42(図3)の肉厚が薄くなってしまう。
さらに、大径部21の長さL1と、傾斜部22の長さL2と、小径部23の長さL3との間で、L1≦L2<L3という関係を満たすことが好ましい。大径部21の長さL1と、傾斜部22の長さL2と、小径部23の長さL3とが上記関係を満たす事により、ブロー成形性及び射出成形性が良好になる。なお、L1>L2≧L3とした場合は、大径部21から小径部23にわたる樹脂体積が増える為、プリフォーム10を軽量化する事が難しくなるおそれがある。
また、図1および図2に示すように、底部30は、外面31と内面32とを有している。このうち外面31は、中央側に位置する外面中央部35と、外面中央部35の周縁側に位置し、外面中央部35に連続して延びる一対の外面周縁部36とからなっている。外面周縁部36は、小径部23の外面下端に連続している。また、内面32は、中央側に位置する内面中央部37と、内面中央部37の周縁側に位置し、内面中央部37に連続して延びる一対の内面周縁部38とからなっている。内面周縁部38は、小径部23の内面25の下端に連続している。
図2に示すように、底部30の断面において、外面中央部35、外面周縁部36、内面中央部37および内面周縁部38は、それぞれ半径R1、半径R2、半径R3および半径R4の円弧からなっている。この場合、外面中央部35の半径R1は、外面周縁部36の半径R2より大きくなっており(R2<R1)、内面中央部37の半径R3は、内面周縁部38の半径R4より大きくなっている(R4<R3)。さらに、小径部23の内径D1、内面中央部37の半径R3、および外面中央部35の半径R1は、D1/2<R3<R1という関係を満たしている。
すなわち、底部30は、その全体が一様に湾曲しているのではなく、底部30の中央部を相対的に平坦にする一方で、底部30の周縁部を相対的に大きく湾曲させた形状からなっている(扁平となっている)。したがって、本実施の形態におけるプリフォーム10の底部30は、一般的なプリフォームの底部と比べて、上方(口部11側)に引っ込んだ形状となっている。
さらに、外面中央部35の半径R1と外面周縁部36の半径R2とは、3.0≦R1/R2≦9.0という関係を満たすことが好ましく、4.5≦R1/R2≦7.0という関係を満たすことが更に好ましい。また、内面中央部37の半径R3と、内面周縁部38の半径R4とは、1.5≦R3/R4≦9.0という関係を満たすことが好ましく、4.5≦R3/R4≦6.0という関係を満たすことが更に好ましい。
なお、R1/R2(R3/R4)の値が上記の値より大きいと、底部30のうち外面周縁部36の部分が直角に近くなるため、プリフォーム10を射出成形により製造する際、溶融プラスチックが胴部20側に流れにくくなる。これに対して、仮に溶融プラスチックの圧力を高めた場合、この圧力によって射出成形金型のインコアが中心軸から一方向にずれる為、胴部20の肉厚が周方向均一にならないおそれがある。他方、R1/R2(R3/R4)の値が上記の値より小さいと、外面周縁部36の部分における底部30の延伸倍率が大きくなり、ボトルの底部先端(例えば図3におけるペタロイド脚45)の肉厚が薄くなるおそれがある。
とりわけ、ブロー成形時に先端が球形状である延伸ロッドを用いる場合、R3/R4≦9.0とすることにより、ブロー成形時に球形状の延伸ロッド先端が、底部30の内面32の中心部に当らずに芯ずれ等の不良が発生することを防止することができる。一方、1.5≦R3/R4とすることにより、外面周縁部36と内面周縁部38との肉厚が他の箇所の肉厚より極端に厚くなることを防止し、射出成形時に外面周縁部36にヒケが発生することを防止することができる。
このように、底部30は、その全体が一様に湾曲しているのではなく、底部30の中央部を相対的に平坦にする一方で、底部30の周縁部を相対的に大きく湾曲させた形状からなっている(扁平となっている)。これにより、後述するように、プリフォーム10を搬送する際、一方のプリフォーム10の底部30が他方のプリフォーム10の小径部23内に嵌り込んで抜けなくなる不具合(スタック現象)を防止する効果が得られる。
なお、図1において、プリフォーム10の(口部11を除く)全長L4を35mm〜140mmとすることが好ましい。この場合、小径部23の外径D2に対する、プリフォーム10の全長L4の割合(L4/D2)は、1.5≦L4/D2≦5.5とする事が好ましい。
さらにまた、図1に示すプリフォーム10の中心軸線を通る垂直断面において、傾斜部22の内面24から下方に延びる直線laと、小径部23の内面25から上方に延びる直線lbとがなす角をαとしたとき、140°≦α≦165°という関係を満たしている。また、この角αは、150°≦α≦160°という関係を満たすことが更に好ましい。
140°≦αとすることにより、射出成形時にプラスチックがプリフォーム10の全体に行き渡らない不具合(ショート)がより確実に防止される。また、α≦165°とすることにより、プリフォーム10を搬送する際に、一方のプリフォーム10の底部30が他方のプリフォーム10の胴部20内に嵌り込んで抜けなくなる不具合(スタック現象)を効果的に防止することができる。
なお、プリフォーム10の主材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)を使用する事が好ましく、植物由来のバイオマス系プラスチック、例えばPLA(ポリ乳酸)を用いる事も可能である。
次に、図3により、このようなプリフォーム10を2軸延伸ブロー成形する事により作製された、プラスチックボトルの一例について説明する。なお、上述したプリフォーム10を用いて作製されるプラスチックボトルは、これに限定されないことは勿論である。例えば、図4(a)、(b)に示す様な底部を有するボトルであっても良い。
図3において、プラスチックボトル40は、口部41と、口部41下方に設けられた円筒状の胴部42と、胴部42に連続して設けられた底部43とを備えている。また口部41と胴部42との間に首部44が設けられている。首部44と胴部42との間には、肩部48が形成されている。
さらに口部41外周には、図示しないキャップを螺合するためのねじ部46(上述したプリフォーム10のねじ部16に対応する)が設けられ、口部41外周のうちねじ部46下方部分には、外方に突出する環状のサポートリング47(上述したプリフォーム10のサポートリング12に対応する)が形成されている。
底部43は、いわゆるペタロイド底形状をなしている。すなわち底部43は、周方向に等間隔に配置され下方へ突出する複数個のペタロイド脚45を有している。このペタロイド脚45の個数は、プラスチックボトル40を安定して正立させるという観点、および軽量化ボトルの成形性を良好にするという観点から、5個〜9個とする事が好ましい。
このようなプラスチックボトル40のサイズ(容量)は限定されるものではなく、どのようなサイズのボトルからなっていても良いが、例えば500ml〜600mlとすることができる。プラスチックボトル40の肉厚は、胴部42において0.04mm〜0.25mmとする事ができ、プラスチックボトル40の軽量化を図ることができる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用(プラスチックボトルの製造方法)について述べる。
まずPET(ポリエチレンテレフタレート)等の熱可塑性樹脂製ペレットを図示しない射出成形機に投入し、このペレットが射出成形機によって加熱溶融および加圧される。その後、ペレットは加圧された溶融プラスチックとなって、プリフォーム10に対応する内部形状を有する射出成形金型内に射出される。所定時間の経過後、射出成形金型内で溶融プラスチックが硬化し、プリフォーム10が形成される。その後、射出成形金型を分離し、射出成形金型内から図1に示すプリフォーム10を取り出す。
このようにして製造された多数のプリフォーム10は、一旦コンテナで一定量貯留され、このコンテナごと図示しないブロー成形ラインに輸送される(コールドパリソン法)。このコンテナにおいては、多数のプリフォーム10が重なり、荷重が加わる。このことにより、一部のプリフォーム10の胴部20が他のプリフォーム10の口部11に嵌り込むおそれがある(図5(a)参照)。
続いて、図示しないブロー成形ラインにおいて、多数のプリフォーム10は、コンテナからプリフォーム供給装置に投入され、その後自動で1個ずつプリフォーム10が分離される。この間、分離装置により重なり合った2つのプリフォーム10のうち、一方のプリフォーム10(以下、上方のプリフォーム10ともいう)は、他方のプリフォーム10(以下、下方のプリフォーム10ともいう)に対して横方向に荷重を加える為、傾き、上方のプリフォーム10と下方のプリフォーム10とを自動で分離する。このとき、上方のプリフォーム10の中心軸線が下方のプリフォーム10の中心軸線に対して傾斜した状態となる(図5(b)参照)。
ところで、本実施の形態においては、プリフォーム10の垂直断面において、傾斜部22の内面24から下方に延びる直線laと、小径部23の内面25から上方に延びる直線lbとがなす角αは、140°≦α≦165°という関係を満たしている(図2)。
このため、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10に対して傾けた際、上方のプリフォーム10の外面周縁部36の一部分が、支点F1としての役割を果たす(図6参照)。このとき、支点F1が、下方のプリフォーム10の内面24に沿って下方に滑動し、上方のプリフォーム10の外面周縁部36のうち支点F1の反対側に位置する部分36aが、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24から離間する(図6参照)。このことにより、上方のプリフォーム10の底部30の外面31と、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24との間に隙間Sが生じ、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10から容易に抜き取ることができる。
また、底部30は、その断面形状において、半径R1をもつ外面中央部35と、半径R2をもつ外面周縁部36と有する外面31と、半径R3をもつ内面中央部37と、半径R4をもつ内面周縁部38と有する内面32とを有し、(a)R2<R1、(b)D1/2<R3<R1、および(c)R4<R3という関係を満たしている。
このように、底部30の形状を扁平形状とした事により、上方のプリフォーム10の胴部20が、下方のプリフォーム10の口部11に入り込んだ際、上方のプリフォーム10の底部30の外面31と、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24とが接触する面積が狭くなっている。
したがって、支点F1を中心として上方のプリフォーム10が傾いたとき、上方のプリフォーム10の外面周縁部36のうち支点F1の反対側に位置する部分36aが、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24から離間しやすい。この結果、上方のプリフォーム10の底部30の外面31と、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24との間に隙間Sが生じ、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10から容易に抜き取ることができる。
このようにして分離された多数のプリフォーム10は、図示しないブロー成形機に自動で送られ、ブロー成形機でブロー成形されることにより、図3に示すプラスチックボトル40が得られる。
このように本実施の形態によれば、傾斜部22の内面24から下方に延びる直線laと、小径部23の内面25から上方に延びる直線lbとがなす角をαとしたとき、140°≦α≦165°という関係を満たしている。これにより、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10に対して傾けた際、上方のプリフォーム10の外面周縁部36の一部分が支点F1としての役割を果たし、支点F1の反対側に位置する部分36aが、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24から離間しやすくなっている。このことにより、一方のプリフォーム10の胴部20が他方のプリフォーム10の口部11に入り込み、容易に抜けなくなる現象(スタック現象)を防止する事ができる。
また本実施の形態によれば、プリフォーム10の底部30の形状を扁平形状とした事により、一方のプリフォーム10の小径部23が他方のプリフォーム10の口部11に入り込んだ際、一方のプリフォーム10の底部30の外面31と、他方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24とが接触する面積を狭くしている。このことによっても、上記スタック現象を防止する事ができる。
変形例
次に、本発明の変形例について説明する。
上述した実施の形態において、底部30の形状を扁平形状としている。しかしながら、これに限られるものではない。
例えば、図7に示すように、底部30が丸底形状を有していてもよい。図7に示す断面において、外面中央部35、外面周縁部36、内面中央部37および内面周縁部38は、それぞれ半径R1、半径R2、半径R3および半径R4の円弧からなっている。この場合、外面中央部35の半径R1は、外面周縁部36の半径R2と同一であり(R2=R1)、内面中央部37の半径R3は、内面周縁部38の半径R4と同一である(R4=R3)。
図7に示すプリフォーム10を2つ重ね、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10に対して傾けた際においても、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、上方のプリフォーム10の外面周縁部36の一部分が、支点F1としての役割を果たし、支点F1が、下方のプリフォーム10の内面24に沿って下方に滑動し、上方のプリフォーム10の外面周縁部36のうち支点F1の反対側に位置する部分36aが、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24から離間する(図8参照)。このことにより、上方のプリフォーム10の底部30の外面31と、下方のプリフォーム10の傾斜部22の内面24との間に隙間Sが生じ、上方のプリフォーム10を下方のプリフォーム10から容易に抜き取ることができる。
なお、図7および図8に示す形態は、底部30の形状を除き、上述した実施の形態と略同一である。図7および図8において、図1乃至図6に示す実施の形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に、本実施の形態の具体的実施例を説明する。
まず、以下に挙げる6種類のプリフォーム(実施例1〜実施例4、および比較例1〜2)を射出成形により作製した。
(実施例1)
図1に示す本実施の形態によるプリフォーム10(実施例1)を作製した。このプリフォーム10(実施例1)において、外面中央部35の半径R1を0.83D1、外面周縁部36の半径R2を0.17D1、内面中央部37の半径R3を0.67D1、内面周縁部38の半径R4を0.17D1とした。また傾斜部22の内面24から下方に延びる直線laと、小径部23の内面25から上方に延びる直線lbとがなす角αを160°とした。さらに、大径部21の外径D3の、小径部23の外径D2に対する比(D3/D2)を1.50とした。この場合、大径部21の長さL1と、傾斜部22の長さL2と、小径部23の長さL3との間で、L1≦L2<L3という関係を満たしていた。また、プリフォーム10の重量は12gとした。
(実施例2)
図2に示す本実施の形態によるプリフォーム10(実施例2)を作製した。このプリフォーム10(実施例2)において、外面中央部35の半径R1を0.80D1、外面周縁部36の半径R2を0.80D1、内面中央部37の半径R3を0.60D1、内面周縁部38の半径R4を0.60D1とした。また傾斜部22の内面24から下方に延びる直線laと、小径部23の内面25から上方に延びる直線lbとがなす角αを160°とした。さらに、大径部21の外径D3の、小径部23の外径D2に対する比(D3/D2)を1.50とした。この場合、大径部21の長さL1と、傾斜部22の長さL2と、小径部23の長さL3との間で、L1≦L2<L3という関係を満たしていた。また、プリフォーム10の重量は12gとした。
(実施例3)
3/D2の値を1.10としたこと、以外は実施例2と同様にして、プリフォーム10(実施例3)を作製した。
(実施例4)
3/D2の値を2.50としたこと、以外は実施例2と同様にして、プリフォーム10(実施例4)を作製した。
(比較例1)
角αを180°としたこと、以外は実施例2と同様にして、プリフォーム(比較例1)を作製した。
(比較例2)
角αを135°としたこと、以外は実施例2と同様にして、プリフォーム(比較例2)を作製することを試みたが、射出成形時にプラスチックがプリフォーム10の全体に行き渡らない不具合(ショート)が発生した。
作製することが困難であった比較例2のプリフォームを除く、上記5種類のプリフォーム(実施例1〜実施例4、および比較例1)をそれぞれ1万本ずつ作製した。これら実施例1〜実施例4および比較例1のプリフォームは、いずれも射出成形性に大きな問題は生じなかった。
次に、これら5種類のプリフォーム(実施例1〜実施例4および比較例1)をそれぞれ1万本ずつ別々のコンテナに収容し、東京から名古屋まで350kmの距離をトラック輸送した。その後、それぞれのコンテナからプリフォームを取り出し、スタック現象が生じたプリフォームの割合を算出した。
この結果、実施例1のプリフォーム10については、全くスタック現象が発生しなかった(0%)。また、実施例2、3、4のプリフォーム10については、それぞれその6%、8%、2%のものにスタック現象が発生した。一方、比較例1のプリフォームについては、その24%のものにスタック現象が発生した。
その後、それぞれのプリフォームをブロー成形機により2軸延伸ブロー成形することにより、図3に示すプラスチックボトル40を作製した。この結果、実施例1〜実施例4および比較例1のプリフォームのいずれも、ブロー成形性に大きな問題は生じなかった。
以上の結果をまとめて表1に示す。表1において、評価基準「◎」は「優(excellent)」を示し、評価基準「○」は「良(good)」を示し、評価基準「×」は「不可(poor)」を示す。
Figure 0006120153
10 プリフォーム
11 口部
20 胴部
21 大径部
22 傾斜部
23 小径部
24 内面
25 内面
30 底部
31 外面
32 内面
35 外面中央部
36 外面周縁部
37 内面中央部
38 内面周縁部
40 プラスチックボトル

Claims (4)

  1. プラスチックボトル用のプリフォームにおいて、
    口部と、
    前記口部に連結された胴部と、
    前記胴部に連結された底部とを備え、
    前記胴部は、前記口部側の大径部と、前記底部側の小径部と、前記大径部と前記小径部との間に設けられ、前記大径部側から前記小径部側に向けて縮径する傾斜部とを有し、
    前記口部の内径をD4とし、前記胴部の前記小径部の外径をD2としたとき、
    2<D4
    という関係を満たし、
    垂直断面において、前記傾斜部は直線状部分を有し、前記直線状部分を下方に延ばした直線と、前記小径部から上方に延びる直線とがなす角をαとしたとき、
    140°≦α≦165°
    という関係を満たし、
    前記胴部は、内径D をもち、前記底部は、その断面形状において、半径R 1 をもつ円弧状の外面中央部と、半径R 2 をもつ円弧状の外面周縁部と有する外面と、半径R 3 をもつ円弧状の内面中央部と、半径R 4 をもつ円弧状の内面周縁部と有する内面とを有し、
    (a)R 2 <R 1
    (b)D 1 /2<R 3 <R 1 、および
    (c)R 4 <R 3
    という関係を満たす事を特徴とするプリフォーム。
  2. 前記大径部の外径をD3とした場合、
    1.20<D3/D2<2.40
    という関係を満たす事を特徴とする請求項1記載のプリフォーム。
  3. 前記大径部の長さをL1とし、前記傾斜部の長さをL2とし、前記小径部の長さをL3とした場合、
    1≦L2<L3
    という関係を満たす事を特徴とする請求項1または2記載のプリフォーム。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項記載のプリフォームを用いてプラスチックボトルを作製するプラスチックボトルの製造方法であって、
    前記プリフォームを作製する工程と、
    前記プリフォームをブロー成形することにより、プラスチックボトルを得る工程とを備え、
    前記プラスチックボトルの胴部肉厚が0.04mm〜0.25mmである事を特徴とするプラスチックボトルの製造方法
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