JP4634483B2 - 耐熱性を有するプラスチック製のカップ状容器およびその一次成形品 - Google Patents
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Description
底付きの筒状胴部と、この筒状胴部の開口端部に連続して外側に広がる平坦な口部フランジとを有するプラスチック製のカップ状容器において、
前記口部フランジはブロー成形時に延伸されていない部分であり、
前記筒状胴部の開口端部もブロー成形時に縦横方向に延伸されていない頚部となっており、
前記頚部が少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、当該頚部のみを加熱して結晶化させてあることを特徴としている。
ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリエチレンナフタレート樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂の混合樹脂、あるいは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸をともに用いた共重合体、または、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とメタキシレンジアミンナイロン樹脂の混合樹脂、
からなる樹脂壁内に、ポリエチレンナフタレート樹脂またはメタキシレンジアミンナイロン樹脂が複数、例えば、3層または5層分挟まれた積層構成とすることができる。
底付きの筒状胴部および、この筒状胴部の開口端部に連続して外側に広がる平坦な口部フランジとを有し、
前記口部フランジはブロー成形時に延伸されないまま残っている部分であり、
前記筒状胴部の開口端部もブロー成形時に延伸されないまま残っている頚部となっているプラスチック製のカップ状容器に耐熱性を付与する方法であって、
熱源を前記頚部に対してのみ接触させ、当該頚部のみを加熱して結晶化させることを特徴としている。
ブロー成形により前記底付きの筒状胴部になる浅いカップ状のブロー成形部分と、このブロー成形部分の開口端部に連続して外側に広がっている口部フランジ形成部分とを有し、
前記口部フランジ形成部分は、前記プラスチック製のカップ状容器の前記口部フランジと同一寸法であり、ブロー成形時に延伸されない部分であり、
この口部フランジ形成部分に連続している前記ブロー成形部分の開口端部もブロー成形時に延伸されない頚部形成部分となっており、
当該頚部形成部分のみを、前記プラスチック製のカップ状容器に少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、加熱して結晶化させてあることを特徴としている。
図1(a)は、本発明を適用可能なプラスチック製のカップ状容器の一例を半断面状態で示す立面図である。図1(b)は、カップ状容器を二軸延伸ブロー成形により形成するために用いる一次成形品であるプリフォームを半断面状態で示す立面図である。
ポリエチレンナフタレート樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂の重合体あるいは混合樹脂、または、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とメタキシレンジアミンナイロン樹脂の混合樹脂およびポリエチレンテレフタレート樹脂、
からなる樹脂壁内に、ポリエチレンナフタレート樹脂またはメタキシレンジアミンナイロン樹脂の層が複数積層された構成の積層素材から形成することもできる。例えば、図1(c)に示すように、ポリエチレンテレフタレート樹脂の層6の間に、メタキシレンジアミンナイロン樹脂の2つの層7が挟まれた積層樹脂壁構造とすることができる。
本例のカップ状容器1では、プリフォーム11の二軸延伸ブロー成形時に、二軸方向に延伸を受ける胴部本体部分15については、ヒートセットと呼ばれる加熱処理をして当該部分に耐熱性を付与している。すなわち、胴部本体部分15を、25%から45%の範囲内で結晶化して、その密度を1.36g/cm3から1.39g/cm3の範囲内の値になるようにしてある。
図4(a)にはカップ状容器1の口部フランジ4の裏面側部分を結晶化するために用いるのに適した結晶化装置の一例を示してある。本例の結晶化装置20は、円環状の容器受け21と扁平な円柱状の芯出し治具22と、ヒータ23とを備えている。容器受け21の円形内周面24の上端縁24aはカップ状容器1の頚部3が丁度嵌る内径寸法となっており、その下側部分は頚部3とは非接触状態となるように大きな内径寸法とされている。この円形内周面24の上端縁24aに連続している円環状端面25は口部フランジ4の円環状裏面4bと同一の大きさであり、この円環状端面25がヒータ23の加熱面とされている。この円環状端面25の外周縁には円形内周面26が連続しており、この円形内周面26は口部フランジ4が丁度はまり込む内径寸法となっている。
なお、図5にはプリフォームの結晶化装置の例を示してある。図5(a)はプリフォーム11の口部フランジ形成部分14の裏面側部分14bを加熱結晶化するためのものであり、図4(a)に示す装置と同一構造であるので、対応する部位には同一符号を付してある。また、図5(b)は本発明によるプリフォーム11の頚部形成部分13を加熱結晶化するための装置であり、図4(b)に示す装置と同一構造であるので、対応する部位には同一符号を付してある。
2 胴部
3 頚部
4 口部フランジ
4a 口部フランジの表面(シール面)
4b 口部フランジの裏面
5 胴部本体部分
11 プリフォーム
13 頚部形成部分
14 口部フランジ形成部分
14a 口部フランジ形成部分の表面側部分
14b 口部フランジ形成部分の裏面側部分
15 ブロー成形部分
20、30 結晶化装置
21、31 容器受け
22、32 芯出し治具
23、33A、33B ヒータ
24、26、38 円形内周面
25 円環状端面
27、37 冷却液循環路
34 円形外周面
35 フランジ押さえ
36 円環状下面
Claims (13)
- 結晶性樹脂からなる一次成形品をブロー成形することにより形成され、
底付きの筒状胴部と、この筒状胴部の開口端部に連続して外側に広がる平坦な口部フランジとを有するプラスチック製のカップ状容器において、
前記口部フランジはブロー成形時に延伸されていない部分であり、
前記筒状胴部の開口端部もブロー成形時に縦横方向に延伸されていない頚部となっており、
前記頚部が少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、当該頚部のみを加熱して結晶化させてあることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器。 - 請求項1に記載のプラスチック製のカップ状容器において、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリエチレンナフタレート樹脂、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂の混合樹脂、あるいは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸をともに用いた共重合体、または、
ポリエチレンテレフタレート樹脂とメタキシレンジアミンナイロン樹脂の混合樹脂、
からなる樹脂壁内に、ポリエチレンナフタレート樹脂またはメタキシレンジアミンナイロン樹脂が複数積層されていることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器。 - 請求項1に記載のプラスチック製のカップ状容器において、
前記筒状胴部は、前記一次成形品を二軸延伸ブロー成形することにより形成した部分であり、
当該筒状胴部を、25%から45%の範囲内で結晶化したことを特徴とするプラスチック製のカップ状容器。 - 請求項1に記載のプラスチック製のカップ状容器において、
前記筒状胴部は、前記一次成形品を二軸延伸ブロー成形することにより形成した部分であり、
当該筒状胴部を、密度が1.36g/cm3から1.39g/cm3の範囲内となるように、結晶化したことを特徴とするプラスチック製のカップ状容器。 - 請求項3または4に記載のプラスチック製のカップ状容器において、
ポリエチレンテレフタレート樹脂;ポリエチレンナフタレート樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂とポリエチレンナフタレート樹脂の混合樹脂またはジカルボン酸成分としてテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸をともに用いた共重合体;および、ポリエチレンテレフタレート樹脂とメタキシレンジアミンナイロン樹脂の混合樹脂のうちの一つから形成されていることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器。 - 結晶性樹脂からなる一次成形品をブロー成形することにより形成され、
底付きの筒状胴部および、この筒状胴部の開口端部に連続して外側に広がる平坦な口部フランジとを有し、
前記口部フランジはブロー成形時に延伸されないまま残っている部分であり、
前記筒状胴部の開口端部もブロー成形時に延伸されないまま残っている頚部となっているプラスチック製のカップ状容器に耐熱性を付与する方法であって、
熱源を前記頚部に対してのみ接触させ、当該頚部のみを加熱して結晶化させることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の耐熱化方法。 - 請求項6に記載のプラスチック製のカップ状容器の耐熱化方法において、
前記熱源の温度および接触時間を制御することにより、前記頚部が、少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、加熱して結晶化させることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の耐熱化方法。 - 請求項6に記載のプラスチック製のカップ状容器の耐熱化方法において、
前記熱源の温度および接触時間を制御することにより、前記頚部の結晶化度が25%〜45%の範囲内となるように、当該頚部を加熱することを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の耐熱化方法。 - 底付きの筒状胴部および、この筒状胴部の開口端部に形成された外側に広がる平坦な口部フランジを有するプラスチック製のカップ状容器をブロー成形によって形成するために用いる結晶性樹脂からなる一次成形品であって、
ブロー成形により前記底付きの筒状胴部になる浅いカップ状のブロー成形部分と、このブロー成形部分の開口端部に連続して外側に広がっている口部フランジ形成部分とを有し、
前記口部フランジ形成部分は、前記プラスチック製のカップ状容器の前記口部フランジと同一寸法であり、ブロー成形時に延伸されない部分であり、
この口部フランジ形成部分に連続している前記ブロー成形部分の開口端部もブロー成形時に延伸されない頚部形成部分となっており、
当該頚部形成部分のみを、前記プラスチック製のカップ状容器に少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、加熱して結晶化させてあることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の一次成形品。 - 底付きの筒状胴部および、この筒状胴部の開口端部に形成された外側に広がる平坦な口部フランジを有するプラスチック製のカップ状容器をブロー成形によって形成するために用いられ、
ブロー成形により前記底付きの筒状胴部になる浅いカップ状のブロー成形部分と、このブロー成形部分の開口端部に連続して外側に広がっている口部フランジ形成部分とを有し、
前記口部フランジ形成部分は、前記プラスチック製のカップ状容器の前記口部フランジと同一寸法であり、ブロー成形時に延伸されない部分であり、
この口部フランジ形成部分に連続している前記ブロー成形部分の開口端部もブロー成形時に延伸されない頚部形成部分となっている結晶性樹脂からなる一次成形品に耐熱性を付与する方法であって、
熱源を前記頚部形成部分のみに接触させて、当該頚部形成部分を加熱して結晶化させることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の一次成形品の耐熱化方法。 - 請求項10に記載の一次成形品の耐熱化方法において、
前記熱源の温度および接触時間を制御することにより、前記頚部形成部分が、前記プラスチック製のカップ状容器に少なくとも85℃の内容物を充填しても熱変形しないように、加熱して結晶化させることを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の一次成形品の耐熱化方法。 - 請求項10に記載の一次成形品の耐熱化方法において、
前記熱源の温度および接触時間を制御することにより、前記頚部形成部分の結晶化度が25%〜45%の範囲内となるように、当該頚部形成部分を加熱することを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の一次成形品の耐熱化方法。 - 請求項10ないし12のうちのいずれかの項に記載の一次成形品の耐熱化方法において、
前記頚部形成部分の熱変形を拘束した状態で、当該頚部形成部分に前記熱源の加熱面を押し当てて加熱処理を行うことを特徴とするプラスチック製のカップ状容器の一次成形品の耐熱化方法。
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