JP2006178242A - ズームレンズ - Google Patents

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Kazuya Murakami
和弥 村上
Yasuhiko Abe
泰彦 阿部
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Abstract

【課題】モバイルカメラに適用されるズームレンズの小型化、低コスト化等を図る。
【解決手段】負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、正の第3レンズ群を備え、変倍に際して第3レンズ群が固定のズームレンズにおいて、第1レンズ群は負の第1レンズと正の第2レンズを含み、第2レンズ群は正の第3レンズと正の第4レンズ及び負の第5レンズを接合した負の接合レンズとを含み、第3レンズ群は正の第6レンズを含み、広角端,望遠端でのレンズ系の光軸上の距離及び焦点距離をDw,Dt及びfw,ft、第1レンズ群〜第3レンズ群の焦点距離をfG1,fG2,fG3とするとき、条件式、(1)3.5<Dw/fw<4.5、(2)1.0<Dt/ft<2.0、(3)1.0<fG1/fw<2.0、(4)0.4<fG1/ft<0.7、(5)0.3<fG2/fG3<1.0、を満足するように形成する。これにより、レンズ系全長を短縮でき、小型化できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、CCD等の固体撮像素子を備えたデジタルスチルカメラ等に適用される小型のズームレンズに関し、特に、携帯電話機、携帯情報端末機(PDA)、パーソナルコンピュータ等に搭載あるいは接続して用いられるモバイルカメラに適したズームレンズに関する。
近年、携帯電話機等の市場においては、CCD等の固体撮像素子を備えたモバイルカメラを搭載するものが多数存在するようになり、モバイルカメラに適用されるレンズにおいても小型化が求められている。また、携帯電話機等の製品に付加価値を付けるために、単焦点レンズよりも広角〜望遠での撮影が可能なズームレンズの適用が望まれている。
しかしながら、ズームレンズでは、レンズを相対的に光軸方向に移動させて撮影範囲を変化させるため、レンズを配置するスペースとは別に、レンズを移動させるスペースを確保しなければならず、その小型化が困難であった。
通常のデジタルカメラにおいては、レンズユニットに沈胴機構を設けることでスペース上の問題を解決しているものの、この沈胴機構は衝撃に弱いため、落下等により衝撃を受ける頻度が高い携帯電話機等に対して、同様の沈胴機構を採用するのは困難である。
これに対処するべく、レンズ系の全てのレンズ群をそれぞれ可動にして、少ないスペースで所望のズーム比(変倍比)を確保する方法もあるが、携帯電話機等に搭載されるモータや駆動機構は、通常のデジタルカメラに搭載されるものと比較して小型化かつ低コスト化が要求されるため、できるだけ可動とするレンズ群を少なくする必要がある。
そこで、一つ一つのレンズの屈折力を高めて、少ない移動量で所望のズーム比を確保することも可能であるが、レンズの屈折力を高めると、レンズの形状がきつくなって諸収差の補正が困難になり、又、レンズのコバ厚を十分に取れず、さらにはレンズの有効径を十分確保することができない。また、レンズ系の全長を極限まで短くすると、CCDに対する光線入射角度が広角端と望遠端とで大きく異なり、特に望遠端においてCCDのマイクロレンズによる光線のけられ現象を招く。
一方、デジタルカメラに好適とされる従来のズームレンズとして、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レンズ群を備え、ズーミングに際して各々のレンズ群を独立して移動させるものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、他のズームレンズとして、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レンズ群を備え、ズーミングに際して、第3レンズ群を固定した状態で第1レンズ群及び第2レンズ群を移動させるものが知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
特開2003−140047号公報 特開2003−228002号公報 特開2001−215409号公報 特開平10−39214号公報
ところで、上記特許文献1に開示のズームレンズにおいては、ズーミングの際に3つのレンズ群が全て移動し、非球面は全てガラスモールドにより形成されているため、コストが高くなり、モバイルカメラ用のズームレンズとしては好ましくない。
また、特許文献2に開示のズームレンズにおいては、レンズの枚数が5枚であるためズーミングさせるスペースは確保できるものの、ズーミングの際に3つのレンズ群が全て移動する構成であるため、駆動機構が複雑でコストが高くなり、同様にモバイルカメラ用のズームレンズとしては好ましくない。
また、特許文献3に開示のズームレンズにおいては、ズーミングに際して第3レンズ群は固定であるが、レンズの枚数が多く、レンズ系の全長を短縮することが困難であり、コストも高くなり、同様にモバイルカメラ用のズームレンズとしては好ましくない。
さらに、特許文献4に開示のズームレンズにおいては、第1レンズ群のパワーが小さく、望遠端でのレンズ系の全長が長くて小型化が困難であり、同様にモバイルカメラ用のズームレンズとしては好ましくない。
本発明は、上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、5群6枚というシンプルな構成であるにも拘わらず、レンズの配置やパワーを適切に設定することにより、解像力等の光学性能を低下させることなく、3倍程度のズーム比(ズーム倍率)を確保でき、レンズ全長が広角端での焦点距離の4倍程度で、小型かつ低コストで、特に携帯電話機等のモバイルカメラに好適なズームレンズを提供することにある。
本発明のズームレンズは、物体側から像面側に向けて順に、負の屈折力をもつ第1レンズ群と、正の屈折力をもつ第2レンズ群と、正の屈折力をもつ第3レンズ群とを備え、広角端から望遠端へのズーミングに際して、第1レンズ群及び第2レンズ群の間隔は減少し、第2レンズ群及び第3レンズ群の間隔は増加し、第3レンズ群は固定されたズームレンズであって、上記第1レンズ群は、像面側に凹面を向け負の屈折力をもつ第1レンズ、物体側に凸面を向け正の屈折力をもつ第2レンズを含み、上記第2レンズ群は、物体側に凸面を向け正の屈折力をもつ第3レンズ、正の屈折力をもつ第4レンズ及び負の屈折力をもつ第5レンズを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズを含み、上記第3レンズ群は、物体側に凹面を向け正の屈折力をもつ第6レンズを含み、次の条件式(1),(2),(3),(4),(5)
(1) 3.5<Dw/fw<4.5
(2) 1.0<Dt/ft<2.0
(3) 1.0<fG1/fw<2.0
(4) 0.4<fG1/ft<0.7
(5) 0.3<fG2/fG3<1.0
但し、Dw:広角端における第1レンズの前面から像面までの距離(第6レンズの後面から像面までのバックフォーカスは空気換算距離)、Dt:望遠端における第1レンズの前面から像面までの距離(第6レンズの後面から像面までのバックフォーカスは空気換算距離)、fw:広角端における第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離、ft:望遠端における第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離、fG1:第1レンズ群の焦点距離、fG2:第2レンズ群の焦点距離、fG3:第3レンズ群の焦点距離、を満足する、ことを特徴としている。
この構成によれば、第1レンズ群に負の屈折力、第2レンズ群に正の屈折力、第3レンズ群に正の屈折力をもつものを適切にパワー配置し、条件式(1)〜(5)を満足するように形成することにより、3倍程度のズーム比(変倍比)を確保しつつ、第1レンズ群の前面から像面までのレンズ系の全長を短くでき、小型化、薄型化を達成できる。
上記構成において、第2レンズ、第3レンズ、及び第6レンズは、物体側及び像面側の両面が非球面に形成され、第2レンズ及び第6レンズの非球面は、周辺部に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、第2レンズに非球面を設けることで、特に広角端における歪曲収差、コマ収差を良好に補正することができ、第3レンズに非球面を設けることで、特に広角端及び望遠端における球面収差を良好に補正することができ、第6レンズに非球面を設けることで、特に広角端及び望遠端における非点収差を良好に補正することができ、全体として諸収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。
上記構成において、第3レンズ及び第6レンズは、樹脂材料により形成されている、構成を採用することができる。
この構成によれば、ガラス材料により形成される場合に比べて、レンズ系の軽量化、低コスト化を達成でき、又、複雑な形状も容易に成形することができる。
上記構成において、第1レンズは、次の条件式(6)
(6) ν1>45
但し、ν1:第1レンズのアッベ数、を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1レンズが条件式(1)を満足することにより、色収差、特に広角端から望遠端における軸上色収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。
上記構成において、第4レンズ及び第5レンズは、次の条件式(7)
(7) ν4−ν5>20
但し、ν4:前記第4レンズのアッベ数、ν5:第5レンズのアッベ数、を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第4レンズ及び第5レンズが条件式(7)を満足することにより、色収差、特に広角端から望遠端における倍率色収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。
上記構成において、第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レンズ群は、次の条件式(8),(9)
(8) 2.5<D4w/D10w<5.0
(9) D4t/D10t<0.2
但し、D4w:広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、D10w:広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間隔、D4t:望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、D10t:望遠端における第2レンズ群と第3レンズ群の間隔、を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第1レンズ群、第2レンズ群、第3レンズ群が、条件式(8),(9)を満足することにより、適切なバックフォーカスを確保した上で、3倍程度のズーム比(変倍比)を得ると共に、レンズ系の全長を短縮して、小型化、薄型化を達成できる。
上記構成において、第3レンズは、次の条件式(10)
(10) fg3/fw<1.5
但し、fg3:第3レンズの焦点距離、fw:広角端における第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離、を満足する、構成を採用することができる。
この構成によれば、第3レンズが条件式(10)を満足することにより、3倍程度のズーム比(変倍比)を得ると共に、レンズ系の全長を短縮して、小型化、薄型化を達成できる。
以上述べたように、本発明のズームレンズによれば、小型化、薄型化、軽量化、低コスト化等が行え、携帯電話機等に搭載されるモバイルカメラ等に好適なズームレンズを得ることができる。
特に、5群6枚構成であるにも拘わらず、パワー配置、非球面を施す位置等を適切に設定したことにより、ズーム比が約3倍程度、小型、薄型で、諸収差が良好に補正された光学性能の高いズームレンズを得ることができる。
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図3は、本発明に係るズームレンズの一実施形態を示すものであり、図1は基本構成図、図2は光線図、図3は広角端,中間位置,望遠端にある状態図である。
このズームレンズにおいては、図1に示すように、物体側から像面側に向けて、全体として負の屈折力をもつ第1レンズ群(I)と、全体として正の屈折力をもつ第2レンズ群(II)と、全体として正の屈折力をもつ第3レンズ群(III)とが、順次に配列されている。
そして、広角端から望遠端へのズーミングに際しては、図3(a),(b),(c)に示すように、第3レンズ群(III)は所定位置に固定された状態で、第1レンズ群(I)及び第2レンズ群(II)の間隔は減少し、かつ、第2レンズ群(II)及び第3レンズ群(III)の間隔は増加するように、第1レンズ群(I)及び第2レンズ群(II)が移動する。
第1レンズ群(I)は、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、負の屈折力をもつ第1レンズ1、正の屈折力をもつ第2レンズ2、により構成されている。
第2レンズ群(II)は、図1に示すように、物体側から像面側に向けて順に配列された、正の屈折力をもつ第3レンズ3、正の屈折力をもつ第4レンズ4と負の屈折力をもつ第5レンズ5との接合からなり全体として負の屈折力をもつ接合レンズ、及び第3レンズ3の前面近傍(前面の直前から前面よりも若干後方の位置)に一体的に配置された所定の口径をもつ開口絞りSD、により構成されている。
第3レンズ群(III)は、図1に示すように、正の屈折力をもつ一つの第6レンズ6、により構成されている。
すなわち、このズームレンズは、独立して光軸方向にそれぞれ移動する2つのレンズ群(I),(II)と、所定位置に固定された1つのレンズ群(III)とを、6枚のレンズで構成する、3群6枚構成をなすものである。
また、上記配列構成において、第3レンズ群(III)の第6レンズ6よりも像面側寄りには、赤外線カットフィルタ、ローパスフィルタ等のガラスフィルタ7が配置され、ガラスフィルタ7の後方に固体撮像素子としてのCCDの結像面Pが配置される。
ここで、レンズ系(第1レンズ群(I)の前面から結像面Pまで)の焦点距離はf、第1レンズ群(I)の焦点距離はfG1、第2レンズ群(II)の焦点距離はfG2、第3レンズ群(III)の焦点距離はfG3、広角端におけるレンズ系の焦点距離はfw、望遠端におけるレンズ系の焦点距離はft、中間位置におけるレンズ系の焦点距離はfm、第3レンズ3の焦点距離はfg3、で表す。
また、第1レンズ1〜第2レンズ2、開口絞りSD、第3レンズ3〜第6レンズ6、及びガラスフィルタ7においては、図1に示すように、それぞれの面はSi(i=1〜14)、それぞれの面Siの曲率半径はRi(i=1〜14)、d線に対する屈折率はNi及びアッベ数はνi(i=1〜7)で表す。
さらに、第1レンズ1〜ガラスフィルタ7までのそれぞれの光軸L上での距離(厚さ、空気間隔)はDi(i=1〜13)、広角端におけるレンズ系(バックフォーカスは空気換算距離)の距離はDw、望遠端におけるレンズ系(バックフォーカスは空気換算距離)の距離はDt、広角端における第1レンズ群(I)と第2レンズ群(II)の間隔はD4w、広角端における第2レンズ群(II)と第3レンズ群(III)の間隔はD10w、望遠端における第1レンズ群(I)と第2レンズ群(II)の間隔はD4t、望遠端における第2レンズ群(II)と第3レンズ群(III)の間隔はD10t、第6レンズ6から像面Pまでの間隔(空気換算距離)をバックフォーカス、ガラスフィルタ7の後面から像面Pまでの距離をBFとする。
第1レンズ1は、物体側に平面又は凸面S1及び像面側に凹面S2を向けた負の屈折力をもつ平凹形状又はメニスカス形状のレンズである。
第2レンズ2は、物体側に凸面S3及び像面側に凹面S4を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状のレンズである。
第3レンズ3は、物体側及び像面側に凸面S6,S7を向けた正の屈折力をもつ両凸形状のレンズである。
第4レンズ4は、物体側及び像面側に凸面S8,S9を向けた正の屈折力をもつ両凸形状のレンズである。
第5レンズ5は、物体側及び像面側の両方に凹面S9,S10を向けた負の屈折力をもつ両凹形状のレンズである。
そして、第4レンズ4及び第5レンズ5は、凸面S9及び凹面S9がお互いに接合されて、全体として負の屈折力をもつ接合レンズを形成している。
第6レンズ6は、物体側に凹面S11及び像面側に凸面S12を向けた正の屈折力をもつメニスカス形状のレンズである。
尚、第3レンズ3及び第6レンズ6は、プラスチック材料(樹脂材料)により形成されてもよい。これによれば、ガラス材料により形成される場合に比べて、レンズ系の軽量化、低コスト化を達成でき、又、複雑な形状も容易に成形することができる。
ここで、第2レンズ2の物体側及び像面側の両面S3,S4、第3レンズ3の物体側及び像面側の両面S6,S7、第6レンズ6の物体側及び像面側の両面S11,S12は、非球面として形成されてもよい。また、第2レンズ2及び第6レンズ6の非球面は、周辺に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されてもよい。
このように、第2レンズ2に非球面S3,S4を設けることで、特に広角端における歪曲収差、コマ収差を良好に補正することができる。また、第3レンズ3に非球面S6,S7を設けることで、特に広角端及び望遠端における球面収差を良好に補正することができる。さらに、第6レンズ6に非球面S11,S12を設けることで、特に広角端及び望遠端における非点収差を良好に補正することができる。その結果、全体として諸収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。尚、非球面以外の面は、全て球面に形成されている。
ここで、非球面を表す式としては、次式で規定される。
Z=Cy/[1+(1−εC1/2]+Dy+Ey+Fy+Gy10+Hy12、ただし、Z:非球面の頂点における接平面から,光軸Lからの高さがyの非球面上の点までの距離、y:光軸からの高さ、C:非球面の頂点における曲率(1/R)、ε:円錐定数、D,E,F,G,H:非球面係数である。
また、上記構成において、広角端におけるレンズ系の距離(バックフォーカスは空気換算距離)Dw、望遠端におけるレンズ系の距離(バックフォーカスは空気換算距離)Dt、広角端におけるレンズ系の焦点距離fw、望遠端におけるレンズ系の焦点距離ft、第1レンズ群(I)の焦点距離fG1、第2レンズ群(II)の焦点距離fG2、第3レンズ群(III)の焦点距離fG3が、次の条件式(1),(2),(3),(4),(5)
(1) 3.5<Dw/fw<4.5
(2) 1.0<Dt/ft<2.0
(3) 1.0<fG1/fw<2.0
(4) 0.4<fG1/ft<0.7
(5) 0.3<fG2/fG3<1.0
を満足するように形成されている。
条件式(1)は、広角端におけるレンズ系の全長と焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、小型化、薄型化を達成できる。
条件式(2)は、望遠端におけるレンズ系の全長と焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、小型化、薄型化を達成できる。
条件式(3)は、広角端における第1レンズ群(I)とレンズ系の焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、小型化、薄型化を達成できる。
条件式(4)は、望遠端における第1レンズ群(I)とレンズ系の焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、小型化、薄型化を達成できる。
条件式(5)は、第2レンズ群(II)の焦点距離と第3レンズ群(III)の焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、小型化、薄型化を達成できる。
すなわち、第1レンズ群(I)に負の屈折力、第2レンズ群(II)に正の屈折力、第3レンズ群(III)に正の屈折力をもつものを適切にパワー配置し、条件式(1)〜(5)を満足するように形成することにより、3倍程度のズーム比(変倍比)を確保しつつ、レンズ系の全長を短くでき、小型化、薄型化を達成できる。
また、上記構成において、好ましくは、第1レンズ1のアッベ数ν1が、次の条件式(6)
(6) ν1>45
を満足するように形成される。
条件式(6)は、第1レンズ1のアッベ数を規定するものであり、この条件式を満たすことで、色収差、特に広角端から望遠端における軸上色収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。
また、上記構成において、好ましくは、第4レンズ4のアッベ数ν4及び第5レンズ5のアッベ数ν5が、次の条件式(7)
(7) ν4−ν5>20
を満足するように形成される。
条件式(7)は、接合レンズを形成する第4レンズ4及び第5レンズ5のアッベ数の関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、色収差、特に広角端から望遠端における倍率色収差を良好に補正することができ、好ましい光学性能を得ることができる。
また、上記構成において、好ましくは、広角端における第1レンズ群(I)と第2レンズ群(II)の間隔D4w、広角端における第2レンズ群(II)と第3レンズ群(III)の間隔D10w、望遠端における第1レンズ群(I)と第2レンズ群(II)の間隔D4t、望遠端における第2レンズ群(II)と第3レンズ群(III)の間隔D10tが、次の条件式(8),(9)
(8) 2.5<D4w/D10w<5.0
(9) D4t/D10t<0.2
を満足するように形成される。
条件式(8),(9)は、広角端と望遠端における第1レンズ群(I),第2レンズ群(II),第3レンズ群(III)の相互の間隔を規定したものであり、この条件式を満たすことで、適切なバックフォーカスを確保した上で、3倍程度のズーム比(変倍比)を得ると共に、レンズ系の全長を短縮して、小型化、薄型化を達成できる。
さらに、上記構成において、好ましくは、第3レンズ3の焦点距離fg3、広角端におけるレンズ系の焦点距離fwが、次の条件式(10)
(10) fg3/fw<1.5
を満足するように形成される。
条件式(10)は、広角端にける第3レンズ3とレンズ系の焦点距離との関係を規定したものであり、この条件式を満たすことで、3倍程度のズーム比(変倍比)を得ると共に、レンズ系の全長を短縮して、小型化、薄型化を達成できる。
上記構成からなるズームレンズの具体的な数値による実施例を、実施例1として以下に示す。実施例1において、第1レンズ1は、物体側の面S1が平面でかつ像面側の面S2が凹面に形成された平凹形状のレンズである。
実施例1における主な仕様諸元は表1に、種々の数値データ(設定値)は表2に、非球面に関する数値データは表3に、広角端,中間位置,望遠端におけるそれぞれのレンズ系の焦点距離(広角端fw、中間位置fm、望遠端ft)、光軸L上での距離(広角端、中間位置、望遠端での間隔)D4(D4w,D4m,D4t),D10(D10w,D10m,D10t)に関する数値データは表4にそれぞれ示される。
また、条件式(1)〜(10)の数値データは、
(1)Dw/fw=18.96/4.83=3.93
(2)Dt/ft=19.08/14.28=1.34
(3)fG1/fw=9.08/4.83=1.88
(4)fG1/ft=9.08/14.28=0.64
(5)fG2/fG3=5.24/11.09=0.47
(6)ν1=52.6
(7)ν4−ν5=53.9−31.3=22.8
(8)D4w/D10w=6.69/2.462=2.72
(9)D4t/D10t=0.784/8.498=0.09
(10)fg3/fw=4.68/4.83=0.97
となる。
さらに、広角端、中間位置、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディスト−ション)、倍率色収差に関する収差線図は、図4、図5、図6に示されるような結果となる。尚、図4ないし図6において、gはg線による収差、dはd線による収差、fはf線による収差、cはc線による収差をそれぞれ示し、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
Figure 2006178242
Figure 2006178242
Figure 2006178242
Figure 2006178242
以上の実施例1では、広角〜中間〜望遠のそれぞれの位置において、レンズ系全長(第1レンズ1の前面S1〜像面P)が19.43mm〜18.00mm〜19.43mm、ズーム倍率が2.96(一定)、Fナンバーが3.51〜5.35〜6.78、画角(2ω)が63.4°〜30.4°〜22.5°となり、小型、薄型で、諸収差が良好に補正された光学性能の高いズームレンズが得られる。
図7ないし図9は、本発明に係るズームレンズの他の実施形態を示すものであり、図7は基本構成図、図8は光線図、図9は広角端,中間位置,望遠端にある状態図である。
この実施形態においては、第1レン1について、物体側の面S1が凸面及び像面側の面S2が凹面に形成されたメニスカス形状のレンズとし、種々の数値データを変更した以外は、前述の実施形態と同一である。この構成からなるズームレンズの具体的な数値による実施例を、実施例2として以下に示す。
実施例2における主な仕様諸元は表5に、種々の数値データ(設定値)は表6に、非球面に関する数値データは表7に、広角端,中間位置,望遠端におけるそれぞれのレンズ系の焦点距離(広角端fw、中間位置fm、望遠端ft)、光軸L上での距離(間隔)D4(D4w,D4m,D4t),D10(D10w,D10m,D10t)に関する数値データは表8にそれぞれ示される。
また、条件式(1)〜(10)の数値データは、
(1)Dw/fw=19.02/4.79=3.97
(2)Dt/ft=19.00/13.70=1.39
(3)fG1/fw=8.93/4.79=1.86
(4)fG1/ft=8.93/13.70=0.65
(5)fG2/fG3=5.13/10.30=0.50
(6)ν1=52.6
(7)ν4−ν5=60.1−35.3=24.8
(8)D4w/D10w=6.935/2.240=3.10
(9)D4t/D10t=1.302/7.871=0.17
(10)fg3/fw=4.34/4.79=0.91
となる。
さらに、広角端、中間位置、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディスト−ション)、倍率色収差に関する収差線図は、図10、図11、図12に示されるような結果となる。尚、図10ないし図12において、gはg線による収差、dはd線による収差、fはf線による収差、cはc線による収差をそれぞれ示し、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
Figure 2006178242
Figure 2006178242
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以上の実施例2では、広角〜中間〜望遠のそれぞれの位置において、レンズ系全長(第1レンズ1の前面S1〜像面P)が19.35mm〜17.98mm〜19.35mm、ズーム倍率が2.86(一定)、Fナンバーが3.50〜4.99〜6.56、画角(2ω)が63.6°〜33.4°〜23.2°となり、小型、薄型で、諸収差が良好に補正された光学性能の高いズームレンズが得られる。
図13ないし図15は、本発明に係るズームレンズのさらに他の実施形態を示すものであり、図13は基本構成図、図14は光線図、図15は広角端,中間位置,望遠端にある状態図である。
この実施形態においては、種々の数値データを変更した以外は、前述の図1ないし図3に示す実施形態と同一である。この構成からなるズームレンズの具体的な数値による実施例を、実施例3として以下に示す。
実施例3における主な仕様諸元は表9に、種々の数値データ(設定値)は表10に、非球面に関する数値データは表11に、広角端,中間位置,望遠端におけるそれぞれのレンズ系の焦点距離(広角端fw、中間位置fm、望遠端ft)、光軸L上での距離(間隔)D4(D4w,D4m,D4t),D10(D10w,D10m,D10t)に関する数値データは表12にそれぞれ示される。
また、条件式(1)〜(10)の数値データは、
(1)Dw/fw=19.00/4.80=3.96
(2)Dt/ft=19.06/14.19=1.34
(3)fG1/fw=9.05/4.80=1.89
(4)fG1/ft=9.05/14.19=0.64
(5)fG2/fG3=5.23/10.36=0.50
(6)ν1=52.6
(7)ν4−ν5=53.9−31.3=22.8
(8)D4w/D10w=6.69/2.448=2.73
(9)D4t/D10t=0.768/8.425=0.09
(10)fg3/fw=4.68/4.80=0.98
となる。
さらに、広角端、中間位置、望遠端における球面収差、非点収差、歪曲収差(ディスト−ション)、倍率色収差に関する収差線図は、図16、図17、図18に示されるような結果となる。尚、図16ないし図18において、gはg線による収差、dはd線による収差、fはf線による収差、cはc線による収差をそれぞれ示し、Sはサジタル平面での収差、Mはメリジオナル平面での収差を示す。
Figure 2006178242
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以上の実施例3では、広角〜中間〜望遠のそれぞれの位置において、レンズ系全長(第1レンズ1の前面S1〜像面P)が19.35mm〜17.99mm〜19.40mm、ズーム倍率が2.96(一定)、Fナンバーが3.50〜5.26〜6.71、画角(2ω)が63.6°〜31.0°〜22.7°となり、小型、薄型で、諸収差が良好に補正された光学性能の高いズームレンズが得られる。
以上述べたように、本発明のズームレンズは、小型化、薄型化、軽量化、低コスト化等が達成されるため、小型化が要求される携帯電話機等に搭載されるモバイルカメラに好適であるのは勿論のこと、通常のデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、あるいは、ズーミング撮影を行うその他のレンズ光学系においても有用である。
本発明に係るズームレンズの一実施形態を示す基本構成図である。 図1に示すズームレンズの光線図である。 図1に示すズームレンズの状態図を示すものであり、(a)は広角端にある状態図、(b)は中間位置にある状態図、(c)は望遠端にある状態図である。 実施例1に係るズームレンズにおいて、広角端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例1に係るズームレンズにおいて、中間位置における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例1に係るズームレンズにおいて、望遠端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 本発明に係るズームレンズの他の実施形態を示す基本構成図である。 図7に示すズームレンズの光線図である。 図7に示すズームレンズの状態図を示すものであり、(a)は広角端にある状態図、(b)は中間位置にある状態図、(c)は望遠端にある状態図である。 実施例2に係るズームレンズにおいて、広角端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例2に係るズームレンズにおいて、中間位置における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例2に係るズームレンズにおいて、望遠端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 本発明に係るズームレンズのさらに他の実施形態を示す基本構成図である。 図13に示すズームレンズの光線図である。 図13に示すズームレンズの状態図を示すものであり、(a)は広角端にある状態図、(b)は中間位置にある状態図、(c)は望遠端にある状態図である。 実施例3に係るズームレンズにおいて、広角端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例3に係るズームレンズにおいて、中間位置における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。 実施例3に係るズームレンズにおいて、望遠端における、球面収差、非点収差、歪曲収差、倍率色収差の各収差図を示す。
符号の説明
I 第1レンズ群
II 第2レンズ群
III 第3レンズ群
1 第1レンズ(第1レンズ群)
2 第2レンズ(第1レンズ群)
3 第3レンズ(第2レンズ群)
4 第4レンズ(第2レンズ群、接合レンズの正の屈折力をもつレンズ)
5 第5レンズ(第2レンズ群、接合レンズの負の屈折力をもつレンズ)
6 第6レンズ(第3レンズ群)
7 ガラスフィルタ
SD 開口絞り
D1〜D14 光軸上の距離
R1〜R14 曲率半径
S1〜S14 面
Dw 広角端におけるレンズ系の全長
Dt 望遠端におけるレンズ系の全長
D4w 広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔
D4t 望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群の間隔
D10w 広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の間隔
D10t 望遠端における第2レンズ群と第3レンズ群の間隔
fG1 第1レンズ群の焦点距離
fG2 第2レンズ群の焦点距離
fG3 第3レンズ群の焦点距離
fg3 第3レンズの焦点距離
fw 広角端におけるレンズ系の焦点距離
ft 望遠端におけるレンズ系の焦点距離
ν1 第1レンズのアッベ数
ν4 第4レンズのアッベ数
ν5 第5レンズのアッベ数
L 光軸

Claims (7)

  1. 物体側から像面側に向けて順に、負の屈折力をもつ第1レンズ群と、正の屈折力をもつ第2レンズ群と、正の屈折力をもつ第3レンズ群とを備え、広角端から望遠端へのズーミングに際して、前記第1レンズ群及び第2レンズ群の間隔は減少し、前記第2レンズ群及び第3レンズ群の間隔は増加し、前記第3レンズ群は固定されたズームレンズであって、
    前記第1レンズ群は、像面側に凹面を向け負の屈折力をもつ第1レンズ、物体側に凸面を向け正の屈折力をもつ第2レンズを含み、
    前記第2レンズ群は、物体側に凸面を向け正の屈折力をもつ第3レンズ、正の屈折力をもつ第4レンズ及び負の屈折力をもつ第5レンズを接合した全体として負の屈折力をもつ接合レンズを含み、
    前記第3レンズ群は、物体側に凹面を向け正の屈折力をもつ第6レンズを含み、
    次の条件式(1),(2),(3),(4),(5)を満足する、ことを特徴とするズームレンズ。
    (1) 3.5<Dw/fw<4.5
    (2) 1.0<Dt/ft<2.0
    (3) 1.0<fG1/fw<2.0
    (4) 0.4<fG1/ft<0.7
    (5) 0.3<fG2/fG3<1.0
    但し、Dw:広角端における前記第1レンズの前面から像面までの距離(バックフォーカスは空気換算距離)
    Dt:望遠端における前記第1レンズの前面から像面までの距離(バックフォーカスは空気換算距離)
    fw:広角端における前記第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離
    ft:望遠端における前記第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離
    fG1:前記第1レンズ群の焦点距離
    fG2:前記第2レンズ群の焦点距離
    fG3:前記第3レンズ群の焦点距離
  2. 前記第2レンズ、第3レンズ、及び第6レンズは、物体側及び像面側の両面が非球面に形成され、
    前記第2レンズ及び第6レンズの非球面は、周辺部に向かうに連れて屈折力が弱くなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記第3レンズ及び第6レンズは、樹脂材料により形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズは、次の条件式(6)を満足する、ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のズームレンズ。
    (6) ν1>45
    但し、ν1:前記第1レンズのアッベ数
  5. 前記第4レンズ及び第5レンズは、次の条件式(7)を満足する、ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のズームレンズ。
    (7) ν4−ν5>20
    但し、ν4:前記第4レンズのアッベ数
    ν5:前記第5レンズのアッベ数
  6. 前記第1レンズ群、第2レンズ群、及び第3レンズ群は、次の条件式(8),(9)を満足する、ことを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載のズームレンズ。
    (8) 2.5<D4w/D10w<5.0
    (9) D4t/D10t<0.2
    但し、D4w:広角端における前記第1レンズ群と第2レンズ群の間隔
    D10w:広角端における前記第2レンズ群と第3レンズ群の間隔
    D4t:望遠端における前記第1レンズ群と第2レンズ群の間隔
    D10t:望遠端における前記第2レンズ群と第3レンズ群の間隔
  7. 前記第3レンズは、次の条件式(10)を満足する、ことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載のズームレンズ。
    (10) fg3/fw<1.5
    但し、fg3:前記第3レンズの焦点距離
    fw:広角端における前記第1レンズから像面までのレンズ系の焦点距離

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