JP2006176235A - トレイ搬送システム - Google Patents

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Hiroshi Fukazawa
博 深澤
Ryosuke Tawara
良祐 田原
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Abstract

【課題】トレイが1段または複数段積重ねられて載せられる搬送手段において、搬送効率の高い搬送システムを提供する。
【解決手段】板状ワークが1枚ずつ載せられるトレイと、トレイを1枚又は複数枚積み重ねた状態で搬送する搬送装置とを具備し、速度制御手段が搬送装置で搬送するトレイの枚数に応じて搬送速度パターンL1、L2を変更する。増速又は減速させる場合における加速度は、実線L1に従った制御を行った場合の方が、一点鎖線L2に従った制御を行った場合よりも大きく、しかも最高速度も実線L1に従った制御を行った方が大きい。トレイの枚数が多い場合には、走行台車を一点鎖線L2に従って制御することで、搬送装置全体にかかる加速度を小さくできるので、搬送装置の振動が顕著になることを防止できる。他方、トレイの枚数が少ない場合には、走行台車を実線L1に従って制御することで、目的地までの移動時間を短縮することが出来る。
【選択図】図5

Description

本発明は、板状ワークが1枚ずつ載せられたトレイを1段又は複数段積み重ねて搬送するトレイ搬送システムに関する。
近年、パソコンやテレビの画面等に使われる電子ディスプレイ(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)の需要が増大しており、電子ディスプレイを大量生産するシステムが要望されている。この電子ディスプレイは、原材料である板ガラスの表面にアレイ製造工程、カラーフィルタ製造工程等の各種処理工程を経て処理が施されていくのであるが、各種処理装置間を搬送する上で、表面に傷等がつかないように搬送することが望ましい。
そこで、この板ガラスを1枚ずつトレイに載せて搬送する技術が提案され、この技術は、例えば、本願と同出願人によって出願された特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されているトレイ搬送システムは、板状のワークである板ガラスを載せるためのトレイと、該トレイを搬送する搬送手段であるローラコンベアと、該ローラコンベアに沿って配置された処理装置と、ローラコンベア上でトレイを一時的に保管する一時保管装置と、を備え、板ガラスを載せたトレイはローラコンベア上を始端から終端まで一方向に搬送されるように構成されている。
特開2004−168486号公報
特許文献1に開示されているトレイ搬送システムでは、板状ワークを載せたトレイをローラコンベアに載せて搬送するように構成されているが、その後、板状ワークを載せたトレイを搬送台車に載せて搬送する区間も備えたトレイ搬送システムが開発されている。
この搬送台車には、トレイを1段又は複数段積み重ねて載せるように構成しているが、トレイが何段積み重ねて載せられていても該搬送車の速度制御は一律に行われていた。
例えば、搬送台車に積載可能なトレイの枚数を最大積載枚数とすると、この最大積載枚数のトレイが積載されているときの搬送台車のモータに掛かる負荷や、搬送台車に積まれたトレイに発生する振動等に鑑みて速度制御が一律に設定されていた。
しかしながら、このように一律に速度制御が行われていると、最大積載枚数のトレイが積載されている搬送台車にとっては最適な速度制御が行われるが、積載されているトレイの枚数が少ない搬送台車にとっては、そのモータのトルクに余裕があって搬送速度を上げることができるにも関わらず、この一律の速度制御では、目的地に到達するまでの時間が必要以上に掛かり過ぎて効率が悪いという問題点があった。
また、搬送中の振動を最小限に抑えるための速度パターンも総重量などによって異なるため、例えば、総重量が軽すぎたり、重すぎたりする場合には、振動が大きくなってしまう虞があった。
このことは、特許文献1に開示されている自動倉庫内に設けられている移載装置についても同様のことが言える。
そこで、本発明では、このような点を鑑み、トレイが1段又は複数段積み重ねられて載せられる搬送台車や移載装置を含む搬送手段の搬送効率の向上を図ることを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、板状ワークが1枚ずつ載せられるトレイと、該トレイを1枚又は複数枚積み重ねた状態で搬送する搬送手段と、を備えたトレイ搬送システムであって、前記搬送手段が搬送するトレイの枚数に応じて搬送速度パターンを変更する速度制御手段を備えたものである。
請求項2においては、前記速度制御手段は、前記トレイに前記板状ワークが載っているか否かによっても搬送速度パターンを変更するものである。
請求項3においては、板状ワークが1枚ずつ載せられるトレイと、積み重ねられたトレイの枚数に応じて高さの異なる複数種類の棚を有するラックと、該ラックへ前記トレイを1枚又は複数枚積み重ねた状態で移載する移載手段と、を備えたトレイ搬送システムであって、前記移載手段が移載するトレイの枚数に応じて移載速度パターンを変更する速度制御手段と、前記ラックの複数種類の棚から前記移載手段が移載するトレイの枚数が入る棚を選択する棚選択手段と、を備えたものである。
請求項4においては、前記速度制御手段は、前記トレイに前記板状ワークが載っているか否かによっても移載速度パターンを変更するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1の構成により、搬送手段のトルクに見合った、最適な速度制御を行うことができ、搬送手段に積載されるトレイの枚数が多い場合には加速度を小さくする搬送速度パターンに変更することで搬送手段に積載されたトレイの振動を抑制でき、搬送手段に積載されるトレイの枚数が少ない場合には加速度を大きくする搬送速度パターンに変更することで目的地までの搬送時間が短縮されて作業効率を向上させることが可能となる。
請求項2の構成により、より作業状況にあった適切な搬送速度パターンを選択することが可能となって、より作業効率を向上させることが可能となる。
請求項3の構成により、移載手段のトルクに見合った、最適な速度制御を行うことができ、移載手段に積載されるトレイの枚数が多い場合には加速度を小さくする移載速度パターンに変更することで移載手段に積載されたトレイの振動を抑制でき、移載手段に積載されるトレイの枚数が少ない場合には加速度を大きくする移載速度パターンに変更することで目的の棚までの移載時間が短縮されて作業効率を向上させることが可能となる。
また、搬送するトレイの枚数に応じて適切な棚を選択することが可能となるので、等間隔で画一的な棚に対してトレイの枚数に関係なく収納する場合と異なってトレイの収納率を向上させることが可能となる。
請求項4の構成により、作業状況にあった適切な移載速度パターンを選択することが可能となって、より作業効率を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の本発明を実施するための最良の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
<搬送装置>
先ず、図1を用いて、本発明の実施の形態に係るトレイ搬送システムについて図1を用いて説明する。
尚、図1(a)は、搬送装置5(別称;スタッカクレーン)とラック70とを具備する自動倉庫100全体を搬送装置5の走行方向前方側からみた図であり、ラック70に複数の棚71が設けられている状態を示している。
図1(b)は、図1(a)の搬送装置5のみを白抜矢印Bの方向から見た側面図である。
先ず、搬送装置5は、主として走行台車3と、マスト2と、移載装置1とを具備する一般的に知られる外観を有するものである。
走行台車3は、搬送装置5の下部に設けられており、複数の棚71よりなるラック70に沿って設けられるレール4上に載置される駆動輪3bを回転駆動することによって走行するための走行用モータ3aを具備している。
マスト2は上記走行台車3に立設されるものであって、以下で詳しく説明する移載装置1の昇降を案内するものである。
また、図1(b)に示すように、搬送装置5の前面側には梯子6が設けられている。この梯子6は、マスト2と同様に走行台車3に各々立設され、マスト2と上端にて上側フレーム9によって橋架されているので、搬送装置5全体の剛性を高める役割を担っている。
また、上側フレーム9の上部には上側レール挟持部材13が設けられおり、この上側レール挟持部材13は軸心方向を鉛直に向けた一対のローラで構成されて、該一対のローラで自動倉庫100の天井面に設けられる上側レール14を挟持することによって、搬送装置5の走行を案内するとともに搬送装置5の転倒を防止している。
<移載装置>
次に、上記移載装置1について図2を用いて説明する。
尚、図2(a)は、移載装置1が具備する水平多関節アーム200を伸長させた場合の外観の概略構成図である。
図2(b)は、図2(a)の移載装置1を白抜矢印Aの方向から見た平面図である。
図2(c)は、移載装置1の水平多関節アーム200を縮小させた場合の外観の概略構成図である。
図2に示す移載装置1は、主として、水平多関節アーム200と、昇降台10と、を具備する一般的に知られる水平多関節式移載装置の一例である。
水平多関節アーム200は、昇降台10から下方に突設された支持部12に揺動自在に設けられる揺動部材20と、該揺動部材20と連結される第1アーム部材30と、該第1アーム部材30と連結される第2アーム部材40と、該第2アーム部材40に連結される載置台60と、を具備して概略構成されている。
また、上記水平多関節アーム200の内部には、上述したアーム各部同士の角度を変化させることによって水平多関節アーム200を伸縮駆動するためのギヤ、軸、ベルト等の伸縮機構が内蔵されており、この伸縮機構を駆動するのが伸縮駆動用モータ21(図2(a)参照)である。
昇降台10は、水平多関節アーム200を支持すると共に、マスト2と直接接触して昇降する昇降装置80と連結部材10aを介して連結されるものである。
該昇降装置80は、その内部にマスト2と直接接触する複数のローラと該ローラを回転駆動するための昇降用モータ81とを具備するものである。
したがって、該昇降用モータ81を回転させることによって、移載装置1全体をマスト2に沿って昇降させることが可能となる。
また、図2(a)に示すように、昇降台10の下方に突設する支持部12の内部には、揺動モータ11が設けられる。
また、該揺動モータ11の駆動軸16が揺動部材20に固設されているので、該揺動モータ11を駆動することで、水平多関節アーム200全体を図2(b)に示す矢印方向に揺動することが可能となる。
このように構成されているので、移載装置1は、マスト2に沿って上下方向に移動可能となり、更に走行台車3が走行することによってレール4の延伸方向にも移動することが可能となる。
したがって、移載装置1は、載置台60に載置した物品を、ラック70上において目的とする棚71まで自在に搬送することによって、ラック70の棚71に収納できる。
<トレイ>
次に、図3を用いて水平多関節アーム200の先端部の載置台60に載置される物の一例であるトレイ90について説明する。
図3(a)はトレイ90を斜め上方より見た斜視図、図3(b)はトレイ90を斜め下方より見た斜視図である。
このトレイ90には液晶パネル等の板状ワーク400が1枚ずつ載せられるように構成されており、該トレイ90は、平面視略四角形状であり、上面側の上面部91には略長方形状の突起91aが複数設けられて、図3に示す例においては、4行3列で12個の突起91aが設けられている。
平面視略四角形状のトレイ90の対向する側辺には、上下方向に長い略長方形状の側辺支持部92が複数設けられる。図3に示す例においては、一辺に4個の側辺支持部92が計8個が設けられている。
各々の側辺支持部92の上面側には略円筒状の円筒突起93が設けられ、下面側には該円筒突起93と嵌挿可能な形状を有する孔94が形成されている。
このように構成されているので、図3に示すようなガラス等の板状の被搬送物である板状ワーク400を、トレイ90の上面部91側の突起91a上に載置して保持できるようにしている。
また、側辺支持部92が上下方向に長い長方形状であるので、トレイ90に保持された板状ワーク400が横ずれすることを防止することが可能となる。
更に、側辺支持部92の下面に形成される孔94に、側辺支持部92の上面の円筒突起93を嵌挿することで、複数のトレイ90を積み重ねることが可能となり、積み重ねられたトレイの横倒れを防止できる。
また、トレイ90の下面側には上面側に凹んだ凹部95を形成することもできる。
これにより、トレイ90が均一な平面状の床に載置されていても、凹部95に載置台60を差し込むことで、容易にトレイ90を載置台60に載置させることが可能となる。
<搬送装置の制御>
次に、搬送装置5の動作を制御する主な構成について、図4に示すブロック図を用いて説明する。
搬送装置5の制御系の構成としては、主として走行用モータ3a、移載装置用モータ1a、記憶手段7、通信手段8、コントローラ51を具備するものである。
走行用モータ3aは、上述した走行台車3を走行作動するための駆動源となるモータである。
移載装置用モータ1aは、移載装置用モータ1aを作動するための駆動源となるモータであって、上述した揺動モータ11、伸縮駆動用モータ21、及び昇降用モータ等を含めた総称である。
したがって、以下の説明において移載装置用モータ1aを制御することは、これら揺動モータ11、伸縮駆動用モータ21、及び昇降用モータ等を制御することと同値である。
記憶手段7は、搬送装置5を制御するための制御プログラム等を記憶するものであって、ROM、HDD等よりなるものである。
通信手段8は、搬送装置5に接続される他の機器と通信するためものであって、ここでは一例として搬送装置5に各種指令を送出するホストコンピュータ300と通信するためのものである。
コントローラ51は、上記各部と接続されるものであって、記憶手段7に記憶される制御プログラム、或いは、ホストコンピュータ300からの指令に従って上記各部を制御する制御手段の一例である。
<制御速度パターン>
また、記憶手段7は、搬送するトレイの枚数に応じて予め定められる走行台車3及び移載装置1の制御速度パターンを記憶する機能を有するものである。
例えば、記憶手段7には、図5に示すような2種類のグラフ(実線L1、一点鎖線L2)で表されるような走行台車3の制御速度パターンが記憶されている。
この場合に、実線L1及び一点鎖線L2で表される時刻と速度の関係は、図5に示すようなグラフの関係で直接的にマップ形式として記憶されても良いし、或いは、数値化されたデータの集合である数値テーブルの形式で記憶されても良い。
<動作例>
実線L1及び一点鎖線L2に従って走行台車3を制御した場合の動作例について説明する。
実線L1に従って走行台車3を停止状態から走行させると、時刻t1で最高速度v2に達し、時刻t3まで最高速度で維持された後に、時刻t5まで減速される。
一点鎖線L2に従って走行台車3を停止状態から走行させると、時刻t2で最高速度v1に達し、時刻t4まで最高速度で維持された後に、時刻t6まで減速される。
なお、本実施の形態では、実線L1に沿った速度制御の最高速度v2を一点鎖線L2に沿った速度制御の最高速度v1よりも大きく設定しているが、該最高速度v1・v2は同じ値の速度に設定してもよい。
ここで実線L1と一点鎖線L2による動作例を比較すると、走行台車3の増速過程においては、実線L1に従った制御の方が加速度が大きいことがわかる。
即ち、走行台車3が時刻t2よりも早い時刻t1で、速度v1よりも速い速度v2に達しているので、実線L1に従った制御の方が加速度が大きいことがわかる。
他方、走行台車3の減速過程においても、実線L1に従った制御の方が加速度が大きいことがわかる。
即ち、速度v1よりも大きな速度v2で走行する走行台車3が、時間(t6−t4)よりも短い時間(t5−t3)で停止しているので、実線L1に従った制御の方が加速度が大きいことがわかる。
以上より、走行台車3を増速又は減速させる場合における加速度は、実線L1に従った制御を行った場合の方が、一点鎖線L2に従った制御を行った場合よりも大きく、しかも最高速度も実線L1に従った制御を行った方が大きい。
つまり、実線L1は機敏な制御速度パターンを表しており、他方、一点鎖線L2は緩慢な制御速度パターンを表している。
以上より、例えば、載置台60に載置するトレイ90の枚数が多い場合には、走行台車3の走行用モータ3aを一点鎖線L2に従って制御することで、搬送装置5全体にかかる加速度を小さくできるので、搬送装置5の振動が顕著になることを防止することが可能となる。
他方、載置台60に載置するトレイ90の枚数が少ない場合には、走行台車3の走行用モータ3aを実線L1に従って制御って制御する。
これにより、トレイ90の枚数が少ない分だけ、走行用モータ3aの発生トルクに余裕が生じるので、容易に加速度と最高速度を大きくすることが可能となって、目的地までの移動時間を短縮することができ、搬送システム全体における作業効率を向上させることが可能となる。
また、移載装置用モータ1aの制御速度パターンについても同様であり、トレイ90の枚数が少ない場合は加速度と最高速度を大きくする制御速度パターン(図5における実線L1参照)で制御し、枚数が多い場合は加速度と最高速度を小さくする制御速度パターン(図5における一点鎖線L2参照)とすることが望ましい。
<選択処理>
次に、上述の制御速度パターンをコントローラ51が選択して駆動する処理例について、制御対象を走行台車3の走行用モータ3aとして説明する。
先ず、コントローラ51は、ホストコンピュータ300から、移載装置1の載置台60に載置して搬送するトレイ90の枚数に関する情報を搬送指令として受信する。
そして、コントローラ51は、搬送するトレイ90の枚数に応じて制御速度パターンを上記記憶手段7より選択する。
この選択処理の一例としては、以下のようにしてもよい。
例えば、制御速度パターンを選択する際の判断基準となる基準トレイ枚数を予め記憶手段7に定めておき、コントローラ51は、実際に搬送するトレイ枚数が上記基準トレイ枚数よりも多いか又は少ないかを比較判断する。
この比較判断で少ないと判断した場合にコントローラ51は実線L1で表される制御速度パターンを選択し、他方、多いと判断した場合にコントローラ51は一点鎖線L2で表される制御速度パターンを選択する。
そして、コントローラ51は、選択した制御速度パターンに従って走行用モータ3aを駆動制御する。
尚、上記2つの実線L1及び一点鎖線L2以外にも制御速度パターンを、更に多く設定することで、走行台車3の制御を多彩に行うことが可能となる。
尚、上述においては、制御対象を走行台車3の走行用モータ3aとした場合について説明したが、制御対象を移載装置1の移載装置用モータ1aとしても同様である。
<板状ワークの有無>
ところで、載置台60に積載するトレイの枚数が同じであっても、トレイ90が板状ワーク400を保持しているか否かによって、実際に載置台60にかかる重量が異なってくる。
したがって、単に載置台60に載置するトレイ90の枚数だけで判断して制御速度パターンを選択するのみならず、更に載置台60に載置するトレイ90に板状ワーク400が載っているか否かの状況も含めて判断することによって、制御速度パターンを選択することが望ましい。
そこで、ホストコンピュータ300がコントローラ51に対して送信する搬送指令に、載置台60に載置するトレイ枚数と、この各トレイ90に板状ワーク400が載っているか否かに関する情報と、を含めておく。
これにより、コントローラ51は、搬送指令を受信することによって、トレイ90の枚数と共に各トレイ90に板状ワーク400が載っているか否かの状況を認識して、実際に載置台60にかかる重量をトレイ90の重量と板状ワーク400の重量とに基づいて算出する。
ここで、予め記憶手段7に制御速度パターンを選択する際の判断基準となる基準重量を記憶させておき、コントローラ51は、実際に載置台60にかかる重量が上記基準重量よりも重いか又は軽いかを比較判断する。
この比較判断で軽いと判断した場合にコントローラ51は上記実線L1で表される制御速度パターンを選択し、他方、重いと判断した場合にコントローラ51は上記一点鎖線L2で表される制御速度パターンを選択する。
このようにして制御速度パターンを選択することによって、より作業状況にあった適切な制御速度パターンを選択することが可能となって、より作業効率を向上させることが可能となる。
勿論、ここで選択する制御速度パターンとしては実線L1又は一点鎖線L2に限ることはなく、板状ワーク400の保持状況も考慮した特性の新たな制御速度パターンを記憶手段7に記憶させておき、この中から制御速度パターンを選択することもできる。
以上より、トレイ90の枚数が多い場合には、速度制御手段の一例としてコントローラ51が、搬送するトレイ90の枚数に応じて、搬送手段である走行台車3の搬送速度パターン(制御速度パターンの一例)を変更している。
また、移載手段の一例である移載装置1にあっては、速度制御手段の一例としてコントローラ51が、搬送するトレイ90の枚数に応じて、移載装置1の移載速度パターン(制御速度パターンの一例)を変更している。
<棚選択手段>
ところで、図1に示す場合のように棚が等間隔に設けられる場合においては、収納するトレイの枚数が少ないと、その収納した棚の上方部分が余分な空間となってしまうので、自動倉庫100全体の収納効率を下げる原因となる。
そこで、このような点を鑑み、収納効率の向上を図ったラック70aを提供することを課題として、この課題を解決すべく、図6に示すような異なる高さの棚が設けられるラック70aを構成する。
次に、異なる高さの棚が設けられるラック70aにトレイを収納する例について説明する。
例えば、図6に示すように、上方に向うほど間隔が漸次広くなる棚71a・71b・71c・・・71s・71tを有するラック70aを設ける。
また、コントローラ51が、移載装置1に載置するトレイ90の枚数に応じて、トレイ90を収納する棚を選択する棚選択手段の機能を具備することで、例えば次のような処理を行う。
コントローラ51は、移載装置1の載置台60を用いて搬送するトレイ90の枚数が多い場合はトレイを上方の棚(例えば、棚71s等)を選択し、他方、少ない場合は下方の棚(例えば、棚71a等)選択する処理を行う。
このような選択処理は、例えば次のようにして行うことも可能である。
搬送するトレイ90の枚数と、その枚数のトレイ90を収納できる棚との関係を定めた棚選択テーブルを予め記憶手段7に記憶させておく。
この場合に、コントローラ51は、ホストコンピュータ300から受信した搬送指令中の搬送するトレイ90の枚数のデータを、記憶手段7中の棚選択テーブルを参照することで、搬送するトレイ90の枚数に応じた適切な棚を選択する。
このように選択処理が行われるので、搬送するトレイ90の枚数に応じて適切な棚をラック70a中より選択することが可能となるので、等間隔で画一的な棚に対してトレイの枚数に関係なく収納する場合と異なってトレイ90の収納率を向上させることが可能となる。
また、棚が等間隔で画一的に設けられる状況で、搬送するトレイ90の枚数が多くなって、積載高さが棚の間隔よりも高くなった場合においては、必ず何回かに分けて搬送しなければならず棚を選択する余地がない。
しかしながら、上述のようにトレイ90の枚数に応じて適切な高さの棚を選択するシステムであると、搬送するトレイ90の枚数が多くなっても、適切な高さの棚を選択できる場合は1回の搬送で済むため、このような場合に作業時間を短縮することができる。
以上より、移載装置1で移載するトレイ90が積み重ねられている場合に、棚選択手段の一例としてコントローラ51が、ラック70aの複数種類の棚から、移載するトレイ90を収納できる棚を選択できる構成としている。
自動倉庫及び搬送装置の概略構成図。 移載装置の概略構成図。 トレイの概略構成図。 制御に関する概略構成を示したブロック図。 時間と速度の特性(制御速度パターン)を示したグラフ。 自動倉庫及び搬送装置の別例を示した概略構成図。
符号の説明
1 移載装置
1a 移載装置用モータ
2 マスト
3 走行台車
3a 走行用モータ
5 搬送装置
70 ラック
51 コントローラ

Claims (4)

  1. 板状ワークが1枚ずつ載せられるトレイと、該トレイを1枚又は複数枚積み重ねた状態で搬送する搬送手段と、を備えたトレイ搬送システムであって、
    前記搬送手段が搬送するトレイの枚数に応じて搬送速度パターンを変更する速度制御手段を備えたことを特徴とするトレイ搬送システム。
  2. 前記速度制御手段は、前記トレイに前記板状ワークが載っているか否かによっても搬送速度パターンを変更することを特徴とする請求項1記載のトレイ搬送システム。
  3. 板状ワークが1枚ずつ載せられるトレイと、積み重ねられたトレイの枚数に応じて高さの異なる複数種類の棚を有するラックと、該ラックへ前記トレイを1枚又は複数枚積み重ねた状態で移載する移載手段と、を備えたトレイ搬送システムであって、
    前記移載手段が移載するトレイの枚数に応じて移載速度パターンを変更する速度制御手段と、
    前記ラックの複数種類の棚から前記移載手段が移載するトレイの枚数が入る棚を選択する棚選択手段と、
    を備えたことを特徴とするトレイ搬送システム。
  4. 前記速度制御手段は、前記トレイに前記板状ワークが載っているか否かによっても移載速度パターンを変更することを特徴とする請求項3記載のトレイ搬送システム。
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