JP2006174666A - モータブラシの制振部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータブラシで生じる振動を効果的に低減することで、モータノイズを効果的に低減することができる構成を備えたモータブラシの制振部材を提供すること。
【解決手段】 整流子に摺接するブラシ先端部15とブラシ先端部15を保持するブラシアーム部16とを備えるモータブラシ3に固定され、モータブラシ3の振動を低減する制振部材18は、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲であるゴム弾性体からなる低硬度層18aと、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲であるゴム弾性体からなる高比重層18bとが積層された積層構造に形成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材に関するものである。
従来から、モータブラシと整流子とを備える小型のブラシ付きモータでは、モータブラシで生じる振動を低減するため、モータブラシの制振部材が用いられている。この種の制振部材は、整流子に摺接するブラシ先端部と、このブラシ先端部を保持する薄板状の金属からなるブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定されて使用されている(たとえば、特許文献1、2および3参照)。
特許文献1に記載の制振部材は、ゴム弾性を有する制振材原料から薄板状に形成され、ブラシ先端部(刷子接点部)を保持するブラシアーム部(刷子基部)に圧着されて固定されている。また、特許文献2および3に記載の制振部材は、1枚の薄板状の基材を2枚の薄板状のゴム弾性体で挟み込むように形成され、ブラシアーム部(コミュテータ摺動片)に接着されて固定されている。
特開2002−354759号公報 特開昭61−4441号公報 特開昭59−178941号公報
上述のような制振部材を用いれば、モータブラシで生じる振動を低減することができ、その結果、モータから生じるノイズの低減を図ることができる。しかしながら、従来の制振部材では、モータブラシで生じる振動の低減効果は未だ十分とはいえず、モータノイズの低減も十分には図れていない。
そこで、本発明の課題は、モータブラシで生じる振動を従来以上に低減することで、モータノイズを効果的に低減することができる構成を備えたモータブラシの制振部材を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本願発明者は種々の検討を行った。特に、モータブラシの制振部材に用いる部材の硬度および比重に着目して検討を行った。その結果、所定の硬度を有する部材と、所定の比重を有する部材とが積層されたモータブラシの制振部材を用いることで、モータブラシで生じる振動を効果的に低減できることを知見するに至った。また、互いに硬度が異なる部材が積層されたモータブラシの制振部材や、互いに比重が異なる部材が積層されたモータブラシの制振部材を用いた場合であっても、モータブラシで生じる振動を効果的に低減できることを知見するに至った。
本発明は、かかる新たな知見に基づくものであり、整流子に摺接するブラシ先端部とブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とする。
本発明の制振部材は、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層とが積層された積層構造に形成されている。そのため、低硬度層と高比重層との相互作用によって、モータブラシで生じる振動を効果的に低減することができる。
ここで、本明細書における「ゴム弾性体」には、通常の固形ゴムからなるゴム弾性体の他、スポンジのようなゴム発泡体からなるゴム弾性体も含まれるものとする。
本発明において、低硬度層の体積比率よりも高比重層の体積比率が大きいことが好ましい。また、この場合には、低硬度層と高比重層との積層方向における低硬度層および高比重層の断面形状が略一定に形成されるとともに、積層方向における高比重層の厚さは、低硬度層の厚さよりも厚く形成されていることが好ましい。このように構成すると、高比重層の重量効果によってモータブラシで生じる振動をより効果的に低減することができる。また、積層方向における高比重層の厚さを低硬度層の厚さよりも厚くした場合には、簡易な構成で、上述の効果を得ることができる。
本発明において、低硬度層と高比重層とがそれぞれ1層ずつ積層された2層構造に形成され、低硬度層に、モータブラシに固定するための接着部材が付着されていることが好ましい。このように構成すると、低硬度層を介することで動きやすくなった状態でモータブラシに固定された高比重層の重量効果によって、モータブラシで生じる振動をさらに効果的に低減することができる。また、2層構造とすることで制振部材の構成を簡素化することができる。
また、上記課題を解決するため、本発明は、整流子に摺接するブラシ先端部とブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、低硬度層を構成するゴム弾性体よりも硬度が高いゴム弾性体からなる高硬度層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とする。
本発明の制振部材は、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、低硬度層を構成するゴム弾性体よりも硬度が高いゴム弾性体からなる高硬度層とが積層された積層構造に形成されている。そのため、低硬度層と高硬度層との相互作用によって、モータブラシで生じる振動を効果的に低減することができる。
さらに、上記課題を解決するため、本発明は、整流子に摺接するブラシ先端部とブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層と、高比重層を構成するゴム弾性体よりも比重が小さいゴム弾性体からなる低比重層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とする。
本発明の制振部材は、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層と、高比重層を構成するゴム弾性体よりも比重が小さいゴム弾性体からなる低比重層とが積層された積層構造に形成されている。そのため、高比重層と低比重層との相互作用によって、モータブラシで生じる振動を効果的に低減することができる。
以上のように、本発明のモータブラシの制振部材は、モータブラシで生じる振動を従来以上に低減することで、モータノイズを効果的に低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
(モータの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるモータ1を示す断面図である。
本形態のモータ1は、たとえば、自動車のドアミラーの開閉機構やプリンタの紙送り機構等の駆動に用いられる比較的小型のブラシ付きモータであり、駆動マグネット2やモータブラシ3(以下、ブラシ3とする)等を有する固定側部材と、駆動コイル4が巻回された積層コア5や整流子6を有する回転側部材とから構成されている。図1に示すように、本形態のモータ1では、その直径Dが約40mm、その全長Lが75mmとなっている。また、モータ1では、たとえば、定格電圧が12V、最大回転数が約18000rpm、最大トルクが約420mN・m(ミリニュートンメートル)となっている。
固定側部材は、駆動マグネット2やブラシ3の他に、回転側部材を回動可能に支持する2つの軸受7、8と、ブラシ3を保持するブラシホルダ9と、図示右側の軸受8を保持するカバープレート10と、駆動マグネット2やブラシホルダ9等が固定されるケース11とを備えている。
駆動マグネット2は円筒形状に形成され、図示左端側に底部11aを有する有底円筒形状に形成されたケース11の内周側に固定されている。図示左側の軸受7は、ケース11の底部11aの中心に形成された軸受保持部11bに固定されている。ブラシ3を保持するブラシホルダ9は略円筒形状に形成され、ケース11の開口側となる図示右端側の内周側にその外周面の一部が嵌まり込んだ状態で固定されている。カバープレート10は略円盤状に形成され、その中心部に軸受8を保持した状態で、ケース11の図示右端にカシメ等の固定方法によって固定されている。なお、カバープレート10がケース11の図示右端に固定されることによって、ブラシホルダ9は、ケース11に固定されている。
回転側部材は、駆動コイル4、積層コア5や整流子6の他に回転軸12を備え、積層コア5と整流子6とがこの順番で図示左側から回転軸12に固定されている。回転軸12は、軸受7、8によって回転可能に支持されている。より具体的には、回転軸12は、図示左側では、軸受7から出力部12aが突出するように支持され、図示右側では、軸受8によって、その右端が支持されている。
回転軸12が軸受7、8に支持された状態では、積層コア5の外周と駆動マグネット2の内周とが対向している。また、この状態では、ブラシ3は円筒状に形成された整流子6の外周面に接触しており、回転側部材が回転するとブラシ3は、整流子6の外周面に摺接するようになっている。なお、駆動コイル4の末端は整流子6に半田付け等によって接続されている。
(モータブラシおよびブラシホルダの構成)
図2は、図1の左側からブラシ3がブラシホルダ9に保持された状態を示す正面図である。図3は、図2に示すX−X方向からブラシ3を示す側面図である。
本形態では、2つのブラシ3がブラシホルダ9に保持されている。なお、図2では、ブラシ3を保持したブラシホルダ9がモータ1から取り外された状態を示し、モータ1に組み込まれた状態では、ブラシ3を構成する後述のブラシ先端部15は整流子6に接触した状態になっている。
ブラシホルダ9は、図2に示すように、円筒形状の筒部9aと、図2の紙面奥側(図1の右側)に形成されたブラシ突当部9bと、筒部9aとともにブラシ3を挟み込むように保持する2つの保持突起9cとを備えている。
筒部9aには、保持突起9cとともにブラシ3を挟み込む保持部9dが180°ピッチで2箇所に形成されている。より具体的には、筒部9aの内周面が2段の階段状に切り欠かれて保持部9dが形成されている。
ブラシ突当部9bは、筒部9aに対して図2における紙面手前側端から紙面奥側に向かって凹んだ状態で円環状に形成されており、紙面手前側から保持突起9cと保持部9dとの間に嵌め込まれたブラシ3が突き当たって位置決めされるようになっている。また、ブラシ突当部9bにおける保持突起9cと保持部9dとの間には、図1に示すように、ブラシ3を構成する後述の端子部17が挿通される挿通孔(図示省略)が形成されている。
2つの保持突起9cは、ブラシ突当部9bから図2における紙面手前側に突出するように形成されている。より具体的には、保持部9dの内側で、保持部9dと対向するように180°ピッチで2箇所に形成され、図2における紙面垂直方向の高さは、筒部9aの高さと略同じになっている。
本形態のブラシ3は、図2および図3に示すように、整流子6に摺接するブラシ先端部15と、ブラシ先端部15を一端側に保持するブラシアーム部16と、外部電源からモータ1に電力を供給するためブラシアーム部16の他端側に固定された端子部17と、ブラシ3の振動を低減する制振部材18とを備えている。
本形態のブラシ先端部15は、カーボンを主成分とする導電性材料からブロック状に形成されており、その先端側が整流子に摺接するようになっている。また、ブラシ先端部15の基端側は、図2および図3に示すように、ブラシ3の根元側となるブラシアーム部16を構成する後述の先端部16aの略中心位置に固定されている。なお、ブラシ先端部15は、必ずしもブロック状に形成される必要はなく、たとえば、上述した特許文献1に記載されているように、ブラシアーム部16に凹部を形成し、その凹部に貴金属を埋め込むことでブラシ先端部15を形成しても良い。
ブラシアーム部16は、銅などの導電性を有する矩形状の金属の薄板を折り曲げて形成した弾性部材である。本形態では、ブラシアーム部16は、たとえば、0.01〜0.05mmの厚さの銅板から形成されている。本形態のブラシアーム部16は、ブラシ先端部15が固定される先端部16aと、端子部17が固定される基端部16bと、先端部16aと基端部16bとの間に形成され制振部材18が固定される中間部16cとを備えている。また、先端部16aと中間部16cとの間には、曲げ角αが約150°となるように折り曲げられることで屈曲部となる第1折曲部16dが形成され、基端部16bと中間部16cとの間には、ブラシホルダ9に取り付ける前のブラシ3単体の状態で、曲げ角βが約80°となるように折り曲げられることで屈曲部となる第2折曲部16eが形成されている。なお、図2においては、2つのブラシ先端部15の先端が互いに当接しているため、第2折曲部16eの曲げ角は約90°で図示されている。
図3における先端部16aの上下端および中間部16cの一部の上下端には、それぞれの上下端から直角に折り曲げられて形成された補強リブ16fが形成されている。より具体的には、図3における先端部16aの右端から中間部16cの左右方向の約中間位置まで、すなわち、第1折曲部16dから図示左右方向の両側に向かって補強リブ16fが形成されている。また、中間部16cの補強リブ16fが形成された部分の上下端はそれぞれ先端部16aに向かって傾斜している。
なお、本形態では、図3における中間部16cの先端部16a側および先端部16aの上下方向高さH1は約5.5mmとなっており、中間部16cの基端部16b側および基端部16bの上下方向高さH2は、約7mmとなっている。また、図2に示すように、先端部16aの高さ方向に直交する方向(図3の左右方向)の幅W1、および中間部16cの高さ方向に直交する方向(図3の左右方向)の幅W2はともに約9mm、基端部16bの高さ方向に直交する方向(図3の紙面垂直方向)の幅W3は、約5mmとなっている。
端子部17は、導電性を有する金属の薄板から形成されており、図3におけるブラシアーム部16の下端から突出するように基端部16bに固定されている。図1、図2に示すように、ブラシ突当部9bにおける保持突起9cと保持部9dとの間に形成された挿通孔に、図3における端子部17の下側が挿通された後、その上側が保持突起9cと保持部9dに挟み込まれるようになっており、端子部17の上側が保持突起9cと保持部9dに挟み込まれることでブラシ3は、ブラシホルダ9に保持されている。
このように、端子部17の上側が保持突起9cと保持部9dに挟み込まれることでブラシ3は、ブラシホルダ9に保持されている。また、第1折曲部16dから図3の左右方向の両側に向かって補強リブ16fが形成されている。そのため、モータ1の回転側部材が回転し、ブラシ3のブラシ先端部15と整流子6の外周面が摺接する際には主として、ブラシアーム部16の中間部16cの補強リブ16fが形成されていない部分が図3の紙面垂直方向に撓むようになっている。特に、第2折曲部16eの近傍では、撓み角が大きくなる。
(制振部材の構成)
図4は、図2に示す制振部材18を示す斜視図である。
本形態の制振部材18は、デュロメータのタイプAで測定した硬度(以下に記載する硬度は全てデュロメータのタイプAで測定した硬度とする。)が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層18aと、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層18bとが積層された積層構造に形成されている。より具体的には、制振部材18は、硬度が10度で比重が1.02g/cmである低硬度かつ低比重の固形ゴムからなる低硬度層18aと、硬度が45度で比重が2.3g/cmである高硬度かつ高比重の固形ゴムからなる高比重層18bとがそれぞれ1層ずつ積層された2層構造に形成されている。なお、低硬度層18aと高比重層18bとは、たとえば、0.03mmの厚さの両面テープをその両者の間に挟み込むことによって相互に固定されている。
低硬度層18aおよび高比重層18bはともに、積層方向の断面形状が略一定に形成されている。より具体的には、低硬度層18aおよび高比重層18bはともに、積層方向の断面形状が略一定の矩形状となるように直方体形状に形成されている。本形態では、積層方向の断面形状は、短辺5.0mm、長辺6.7mmの長方形となっている。また、低硬度層18aの厚さt1および高比重層18bの厚さt2はともに1mmとなっている。なお、低硬度層18aおよび高比重層18bの積層方向の断面形状は長方形には限定されず、正方形、円形あるいは楕円形状等の他の形状であっても良い。
制振部材18は、低硬度層18aがブラシアーム部16の中間部16cに接着部材となる両面テープまたは接着剤によって貼り付けられることで、ブラシアーム部16に固定されている。この固定は制振部材18に接着部材となる両面テープまたは接着剤を付着させ、ブラシ3を固定するのが好ましいが、ブラシ3側に接着部材を付着させる方法や、両者に接着部材を付着させる方法を採用しても良い。具体的には、制振部材18は、図3における右端面が第1折曲部16dとがほぼ一致するように中間部16cに固定されている。
本形態の低硬度層18aおよび高比重層18bはともに、ポリスチレンブロックと、スチレン含有量10から30%のビニル−ポリイソプロピレンブロックとからなるブロック共重合体が、エチレン−プロピレン共重合体(EPDM)からなるゴム組成物に混合され架橋された固形ゴムからなるゴム弾性体から形成されている。
より具体的には、低硬度層18aは、たとえば、EPDMの100重量部と、ポリスチレンブロックとビニル−ポリイソプロピレンブロックとからなるブロック共重合体の45重量部とを架橋剤とともにニーダで混錬した後、170℃で加熱しつつ圧縮成形して得られたシート状の固形ゴムから形成されている。なお、ニーダで混錬する際にオイル等の軟化材や無機添加物の添加量を調整することで、ゴム弾性体の硬度を10度という低硬度にすることができる。また、軟化材や無機添加物の添加量を調整することで、ゴム弾性体の硬度を5度から30度の範囲の適宜な値にすることができる。なお、EPDMと上記のブロック共重合体の割合を変えることも可能である。
また、高硬度層18bは、たとえば、EPDMの100重量部と、ポリスチレンブロックとビニル−ポリイソプロピレンブロックとからなるブロック共重合体の45重量部と、硫酸バリウムや酸化亜鉛等の充填材とを架橋剤とともにニーダで混錬した後、170℃で加熱しつつ圧縮成形して得られたシート状の固形ゴムから形成されている。このように、充填材を添加することでゴム弾性体の比重を2.3g/cmという高比重にすることができる。また、充填材の添加量を調整することで、ゴム弾性体の比重を1.5g/cmから3.0g/cmの範囲の適宜な値にすることができる。なお、EPDMと上記のブロック共重合体の割合を変えることも可能である。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の制振部材18は、デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度の固形ゴムからなる低硬度層18aと、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重の固形ゴムからなる高比重層18bとが積層された積層構造に形成されている。そのため、低硬度層18aと高比重層18bとの相互作用によって、ブラシ3で生じる振動を効果的に低減することができ、その結果、モータ1で生じるノイズを効果的に低減することができる。以下に、この本形態の効果を図5を用いて具体的に説明する。
図5は、数種類の制振部材を用いてモータ1で発生するノイズを測定した結果を比較して示すグラフである。
図5の縦軸に示すモータ1で発生するノイズは以下のように測定した。すなわち、12Vの直流電源につないだモータ1をスポンジ上に設置し、設置されたモータ1から300mm離した位置に集音用のマイクをセットした。そして、モータ1を7000rpmで回転させ、モータ1で発生するノイズをマイクで集音し、騒音計にてノイズを測定した。このノイズの測定は無響室にて行った。また、測定には2つのモータ1を用い、それぞれ3回から5回ずつノイズの測定を行った。図5では、上記の条件で測定した2つのモータ1のノイズの最大値を三角印で、最小値を丸印で、平均値を四角印で示している。
図5において、ブラシアーム部16に制振部材が取り付けられていない状態のモータ1に発生したノイズの測定結果をデータS10で示す。図5に示すように、ブラシアーム部16に制振部材が取り付けられていない状態では、モータ1で生じるノイズの最大値が54dB(デジベル)、平均値が53dB、最小値が51dBとなっている。
また、図5において、比較例として、水素化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(H−NBR)からなるゴム組成物の1層構造から構成され、本形態の制振部材18と同一形状で、かつ、硬度が70度、比重が1.5g/cmの制振部材(以下、制振部材Aとする。)がブラシアーム部16に固定された状態のモータ1に発生したノイズの測定結果をデータS11で示す。図5に示すように、ブラシアーム部16に制振部材Aが固定された状態では、モータ1に生じるノイズの最大値が52dB、平均値が50dB、最小値が48dBとなっている。
これに対して、本形態の制振部材18をブラシアーム部16に固定した状態のモータ1に発生したノイズの測定結果をデータS1で示す。図5に示すように、ブラシアーム部16に制振部材18が固定された状態では、モータ1に生じるノイズの最大値が44dB、平均値が43dB、最小値が42dBとなっている。
このように、制振部材Aを用いた場合のノイズの平均値が50dBであるのに対し、制振部材がない状態のノイズの平均値が53dBであるため、制振部材Aを用いると、平均値で5.7%のノイズの低減を図ることができる。一方、制振部材18を用いた場合のノイズの平均値が43dBであるのに対し、制振部材がない状態のノイズの平均値が53dBであるため、制振部材18を用いると、平均値で18.9%と大幅にノイズの低減を図ることができる。また、制振部材18を用いた場合には、制振部材Aを用いた場合と比較しても14%のノイズの低減を図ることができる。以上のように、本形態の制振部材18を用いると効果的にモータ1で生じるノイズの低減を図ることができる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形可能である。上述した形態では、制振部材18は、低硬度の固形ゴムからなる低硬度層18aと高比重の固形ゴムからなる高比重層18bとが同じ厚さで積層された2層の積層構造に形成されていたが、本発明の制振部材18はこの構成には限定されない。
たとえば、低硬度の固形ゴムからなる低硬度層18aに代えて、硬度が5度から30度の範囲の低硬度のゴム発泡体であるスポンジからなる低硬度層を用い、制振部材が、低硬度のスポンジからなる低硬度層と上述した高比重層18bとが積層された2層の積層構造に形成されても良い。より具体的には、積層方向の断面形状が短辺5.0mm、長辺6.7mmの長方形で、厚さが1.2mmの直方体形状で、かつ、硬度が20度のスポンジからなる低硬度層と上述した高比重層18bとが積層された2層の積層構造に形成された制振部材(以下、制振部材18Aとする。)としても良い。
この制振部材18Aを用いた場合のノイズの測定結果を図5においてデータS2で示す。図5に示すように、制振部材18Aを用いた場合には、モータ1に生じるノイズを、最大値で46dB、平均値で45dB、最小値が44dBと、効果的に低減させることができる。
また、制振部材は、低硬度層18aの厚さt1や高比重層18bの厚さt2を変更したものとしても良い。たとえば、低硬度層18aの厚さt1を0.5mm、高比重層18bの厚さt2を1.5mmとした制振部材(以下、制振部材18Bとする。)であっても良いし、低硬度層18aの厚さt1を1.5mm、高比重層18bの厚さt2を0.5mmとした制振部材(以下、制振部材18Cとする。)であっても良い。なお、低硬度層18aの厚さt1と高比重層18bの厚さt2との組合せはこれらの組合せには限定されない。
これらの制振部材18B、18Cを用いた場合のノイズの測定結果を図5においてそれぞれデータS3、データS4で示す。図5に示すように、制振部材18Bを用いた場合には、モータ1に生じるノイズを、最大値で42dB、平均値で41dB、最小値が40dBと、より効果的に低減させることができる。また、制振部材18Cを用いた場合であっても、モータ1に生じるノイズを、最大値で46dB、平均値で45dB、最小値が43dBと、効果的に低減させることができる。
さらに、制振部材は、低硬度層18aと高比重層18bとが1層ずつ積層された2層構造には限定されず、3層以上の多層構造であっても良い。たとえば、図6に示すように、厚さが0.6mmの2つの低硬度層18aで、厚さが0.7mmの高比重層18bを挟み込むように3層に積層した3層構造に形成された制振部材(以下、制振部材18Dとする。)であっても良いし、逆に、厚さが0.6mmの2つの高比重層18bで、厚さが0.7mmの低硬度層18aを挟み込むように3層に積層した3層構造に形成された制振部材(以下、制振部材18Eとする。)であっても良い。また、図7に示すように、厚さが0.5mmの低硬度層18aと厚さが0.5mmの高比重層18bとをこの順番で、ブラシアーム部16bから交互に4層で積層した4層構造に形成された制振部材(以下、制振部材18Fとする。)であっても良い。なお、3層構造あるいは4層構造を構成するそれぞれの層を種類の異なる部材で形成し、かつ、硬度と比重との関係は制振部材18D、18Eあるいは18Fと同様になるように制振部材を形成しても良い。
これらの制振部材18D、18E、18Fを用いた場合のノイズの測定結果を図5においてそれぞれデータS5、データS6、データS7で示す。図5に示すように、制振部材18Dを用いた場合には、モータ1に生じるノイズを、最大値で47dB、平均値で46dB、最小値が45dBと、効果的に低減させることができる。また、制振部材18Eを用いた場合には、モータ1に生じるノイズを、最大値で45dB、平均値で44dB、最小値が43dBと、効果的に低減させることができる。さらに、制振部材18Fを用いた場合には、モータ1に生じるノイズを、最大値で49dB、平均値で48dB、最小値が47dBと、効果的に低減させることができる。
なお、制振部材を2層構造としたときには、制振部材18Bを用いた場合に最もノイズを低減させることができる。また、制振部材を3層構造としたときには、制振部材18Eを用いた場合の方がノイズを低減させることができる。すなわち、低硬度層の体積比率よりも高比重層の体積比率を大きくした場合には、より効果的にモータ1で生じるノイズを低減することができる。
また、制振部材を4層構造とした場合と比較して、制振部材を3層構造とした場合の方がノイズを低減することができ、制振部材を2層構造とした方がさらにノイズを低減することができる。すなわち、制振部材を2層構造とした場合にはより効果的にモータ1のノイズを低減させることができる。
さらに、上述した各形態では、高比重層18bは、低硬度層18aよりも硬度が高くなっており、低比重層18aとの関係では高硬度層といえる。したがって、これらの低硬度層18aと高硬度層とが積層された制振部材であっても上述した効果を得ることができるといえる。また、低硬度層18aは、高比重層18bよりも比重が小さくなっており、高比重層18bとの関係では低比重層といえる。したがって、これらの高比重層18bと低比重層とが積層された制振部材であっても上述した効果を得ることができるといえる。
また、上述した各形態では、高比重のゴム弾性体から高比重層18bが形成されていたが、アルミ等の、金属としては比較的比重の軽い金属部材やその他の部材を1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重の部材として、高比重層を形成することも可能である。さらに、固形ゴムやスポンジ等からなるゴム弾性体に代えて5度から30度の範囲の低硬度の部材から低硬度層を形成することも可能である。
さらに、低硬度層18aや高比重層18bを形成するゴム弾性体を構成するゴム組成物はEPDMには限定されず、H−NBRやイソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)であっても良い。
さらにまた、上述した各形態では、制振部材として2mmの厚さのものを用いていたが、制振部材の厚さは2mmには限定されず、2mm以上の厚さであっても良いし、2mm以下の厚さであっても良い。ただし、ゴム弾性体から低硬度層、高比重層を形成する場合には、各層の厚さは0.3mm以上であることが製造上好ましい。また、制振部材の積層方向の断面の大きさはできるだけ大きくした方が、モータ1のノイズを低減する上で好ましいが、スペース的な制約を考慮すると小型のモータに対しては厚さが5mm以下であることが好ましい。
さらに、制振部材の固定位置はブラシアーム部16には限定されず、スペース的に可能であれば、ブラシ先端部15に固定するようにしても良い。また、制振部材18〜18Fの両面、もしくは一方の面、あるいは低硬度層18aと高比重層18bとの間に特許文献2、3に記載されているような基材や接着材を付着させても良い。
本発明の実施の形態にかかるモータを示す断面図である。 図1の左側からブラシがブラシホルダに保持された状態を示す正面図である。 図2に示すX−X方向からブラシを示す側面図である。 図2に示す制振部材を示す斜視図である。 図1のモータに採用される制振部材およびその他の数種類の制振部材を用いてモータで発生するノイズを測定した結果を比較して示すグラフである。 本発明の他の形態にかかる制振部材を示す斜視図である。 本発明のさらに他の形態にかかる制振部材を示す斜視図である。
符号の説明
1 モータ
3 ブラシ(モータブラシ)
6 整流子
15 ブラシ先端部
16 ブラシアーム部
18、18A、18B、18C、18D、18E、18F 制振部材
18a 低硬度層(低比重層)
18b 高比重層(高硬度層)

Claims (6)

  1. 整流子に摺接するブラシ先端部と該ブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、該モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、
    デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とするモータブラシの制振部材。
  2. 前記低硬度層の体積比率よりも前記高比重層の体積比率が大きいことを特徴とする請求項1記載のモータブラシの制振部材。
  3. 前記低硬度層と前記高比重層との積層方向における前記低硬度層および前記高比重層の断面形状が略一定に形成されるとともに、上記積層方向における前記高比重層の厚さは、前記低硬度層の厚さよりも厚く形成されていることを特徴とする請求項2記載のモータブラシの制振部材。
  4. 前記低硬度層と前記高比重層とがそれぞれ1層ずつ積層された2層構造に形成され、前記低硬度層に、モータブラシに固定するための接着部材が付着されていることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載のモータブラシの制振部材。
  5. 整流子に摺接するブラシ先端部と該ブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、該モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、
    デュロメータのタイプAで測定した硬度が5度から30度の範囲である低硬度のゴム弾性体からなる低硬度層と、該低硬度層を構成するゴム弾性体よりも硬度が高いゴム弾性体からなる高硬度層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とするモータブラシの制振部材。
  6. 整流子に摺接するブラシ先端部と該ブラシ先端部を保持するブラシアーム部とを備えるモータブラシに固定され、該モータブラシの振動を低減するモータブラシの制振部材において、
    比重が1.5g/cmから3.0g/cmの範囲である高比重のゴム弾性体からなる高比重層と、該高比重層を構成するゴム弾性体よりも比重が小さいゴム弾性体からなる低比重層とが積層された積層構造に形成されていることを特徴とするモータブラシの制振部材。
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