JP2006173045A - 燃料電池用液体燃料および脱硫方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】80℃以下の温度でも容易に脱硫処理を行なうことができ、用いる脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成できるとともに、燃料電池システムの高効率化、低コスト化に寄与することのできる燃料電池用液体燃料および該燃料電池用液体燃料を用いた脱硫方法の提供。
【解決手段】2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の液体燃料を調製し、該液体燃料を用いて80℃以下の温度で脱硫する。
【選択図】なし
【解決手段】2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の液体燃料を調製し、該液体燃料を用いて80℃以下の温度で脱硫する。
【選択図】なし
Description
本発明は、燃料電池用液体燃料および該液体燃料の脱硫方法に関する。さらに詳しくは、2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下で、80℃以下の温度で容易に脱硫処理を行なうことができ、脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成できるとともに、燃料電池システムの高効率化、低コスト化に寄与することのできる燃料電池用液体燃料および燃料電池用液体燃料の脱硫方法に関する。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目されている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用あるいは自動車用などとして、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらにはLPG、ナフサ、灯油などの石油系炭化水素の使用が研究されている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子型などのタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノール、メタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらにはLPG、ナフサ、灯油などの石油系炭化水素の使用が研究されている。
燃料電池を民生用や自動車用などに利用する場合、上記炭化水素類は常温常圧で液状であって、保管及び取扱いが容易である上、特に石油系のものはガソリンスタンドや販売店など、供給システムが整備されていることから、水素源として有利である。しかしながら、このような炭化水素類は、メタノールや天然ガス系のものに比べて、硫黄分の含有量が多いという問題がある。この炭化水素類を用いて水素を製造する場合、一般に、該炭化水素類を、改質触媒の存在下に水蒸気改質、オートサーマル改質又は部分酸化改質処理する方法が用いられる。このような改質処理においては、上記改質触媒は、炭化水素中の硫黄分により被毒されるため、触媒寿命の点から、該炭化水素に脱硫処理を施し、硫黄分含有量を長時間にわたり低減させることが必要である。また、この脱硫処理を80℃以下の温度で行なうことができれば、脱硫工程の省電力化、小型化、簡素化が可能になるが、脱硫剤の高性能化、長寿命化、低コスト化が課題となっている。
燃料電池用の液体燃料としては、多くのものが知られている。例えば、アルキルジベンゾチオフェン含有量が15重量ppm以下の燃料電池用燃料油(例えば、特許文献1参照)、下記式(1)で示される条件を満たす灯油系燃料電池用燃料油(例えば、特許文献2参照)、
0.256×[燃料油中のアルキルジベンゾチオフェンの含有量(重量ppm)]+1.103×[燃料油中の多環芳香族炭化水素化合物(容量%)]−2.615≦2 ……(1)
飽和分が50容量%以上、芳香族分が50容量%以下、1環芳香族が30容量%以下、2環芳香族が15容量%以下、3環以上芳香族が10容量%、オレフィン分が5容量%以下であり、蒸留初留点が130℃以上の炭化水素化合物からなる燃料電池システム用燃料(例えば、特許文献3参照)、飽和分が70容量%以上、芳香族分が30容量%以下、オレフィン分が4容量%以下、ナフテン分が35容量%以下であり、蒸留初留点が100℃以上の炭化水素化合物からなる燃料電池システム用燃料(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、これらの燃料油を用いて80℃以下の温度で脱硫処理を行なっても、用いた脱硫剤は十分な脱硫性能を示さない。
有機硫黄化合物の脱硫剤としては、銀成分をアルミナやシリカ−アルミナなどの担体に担持した、銀/アルミナ、銀/シリカ−アルミナなどが知られている(例えば、特許文献5参照)。また、炭化水素用の脱硫剤として、活性炭に酸化ニッケル及び酸化亜鉛を担持した脱硫剤も知られている(例えば、特許文献6参照)。
0.256×[燃料油中のアルキルジベンゾチオフェンの含有量(重量ppm)]+1.103×[燃料油中の多環芳香族炭化水素化合物(容量%)]−2.615≦2 ……(1)
飽和分が50容量%以上、芳香族分が50容量%以下、1環芳香族が30容量%以下、2環芳香族が15容量%以下、3環以上芳香族が10容量%、オレフィン分が5容量%以下であり、蒸留初留点が130℃以上の炭化水素化合物からなる燃料電池システム用燃料(例えば、特許文献3参照)、飽和分が70容量%以上、芳香族分が30容量%以下、オレフィン分が4容量%以下、ナフテン分が35容量%以下であり、蒸留初留点が100℃以上の炭化水素化合物からなる燃料電池システム用燃料(例えば、特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、これらの燃料油を用いて80℃以下の温度で脱硫処理を行なっても、用いた脱硫剤は十分な脱硫性能を示さない。
有機硫黄化合物の脱硫剤としては、銀成分をアルミナやシリカ−アルミナなどの担体に担持した、銀/アルミナ、銀/シリカ−アルミナなどが知られている(例えば、特許文献5参照)。また、炭化水素用の脱硫剤として、活性炭に酸化ニッケル及び酸化亜鉛を担持した脱硫剤も知られている(例えば、特許文献6参照)。
本発明は、このような状況下でなされたものであり、80℃以下の温度でも容易に脱硫処理を行なうことができ、用いる脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成できるとともに、燃料電池システムの高効率化、低コスト化に寄与することのできる燃料電池用液体燃料および該燃料電池用液体燃料の脱硫方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、燃料電池に好適に使用できる液体燃料中の2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の液体燃料であれば、80℃以下の温度においても容易に脱硫処理ができ、用いる脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成できることを見出し、かかる知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下から構成される。
(1)2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下で、80℃以下の温度の脱硫工程で脱硫処理するための燃料電池用液体燃料。
(2)2環以上の硫黄化合物の含有量が1質量ppm以下である前記(1)に記載の燃料電池用液体燃料。
(3)硫黄分の含有量が1質量ppm以上である請求項1又は2に記載の燃料電池用液体燃料。
(4)2環以上の環構造を有する硫黄化合物が、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン又はこれらの2種以上の混合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
(6)少なくとも銀成分を含有する脱硫剤を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする前記(5)に記載の燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
すなわち、本発明は以下から構成される。
(1)2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下で、80℃以下の温度の脱硫工程で脱硫処理するための燃料電池用液体燃料。
(2)2環以上の硫黄化合物の含有量が1質量ppm以下である前記(1)に記載の燃料電池用液体燃料。
(3)硫黄分の含有量が1質量ppm以上である請求項1又は2に記載の燃料電池用液体燃料。
(4)2環以上の環構造を有する硫黄化合物が、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン又はこれらの2種以上の混合物である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
(6)少なくとも銀成分を含有する脱硫剤を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする前記(5)に記載の燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
本発明によれば、80℃以下の温度でも容易に脱硫処理を行なうことができ、用いる脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成できるとともに、燃料電池システムの高効率化、低コスト化に寄与することのできる燃料電池用液体燃料および該燃料電池用液体燃料の脱硫方法を提供することができる。
本発明の燃料電池用液体燃料は、2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下であることが必要である。該硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下であれば、80℃以下の温度でも容易に脱硫処理を行なうことができ、用いる脱硫剤の長寿命化、低コスト化を達成することができる。好ましい含有量は1.5ppm以下である。
本発明の2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の燃料電池用液体燃料は、例えば次のような方法により得ることができる。
(1)2環以上の環構造を有する硫黄化合物の少ない、又は液体燃料製造過程で該硫黄化合物が生成しにくい原料を使用して液体燃料を製造する。
(2)蒸留プロセスにおいて、軽ガスオイル(LGO)のカット温度を下げて蒸留する。
(3)周期律表5〜12族の中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む触媒を用いて水素化脱硫処理を行なう。
(4)水素化脱硫処理において、水素添加量、水素分圧、反応温度及び反応圧力のうち、少なくともこれらの操作条件の一つを高めて水素化脱硫処理を行なう。
(5)オゾンもしくは過酸化水素などの酸化剤を用いて酸化脱硫処理を行なう。
(6)(1)〜(5)を組み合わせた方法で液体燃料を製造する。
本発明の2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の燃料電池用液体燃料は、例えば次のような方法により得ることができる。
(1)2環以上の環構造を有する硫黄化合物の少ない、又は液体燃料製造過程で該硫黄化合物が生成しにくい原料を使用して液体燃料を製造する。
(2)蒸留プロセスにおいて、軽ガスオイル(LGO)のカット温度を下げて蒸留する。
(3)周期律表5〜12族の中から選ばれる少なくとも1種の元素を含む触媒を用いて水素化脱硫処理を行なう。
(4)水素化脱硫処理において、水素添加量、水素分圧、反応温度及び反応圧力のうち、少なくともこれらの操作条件の一つを高めて水素化脱硫処理を行なう。
(5)オゾンもしくは過酸化水素などの酸化剤を用いて酸化脱硫処理を行なう。
(6)(1)〜(5)を組み合わせた方法で液体燃料を製造する。
本発明において対象とされる2環以上の環構造を有する硫黄化合物の例としては、特に制限はないが、例えば、ジベンゾチオフェン、メチルジベンゾチオフェン、ジメチルジベンゾチオフェン、エチルジベンゾチオフェン、プロピルジベンゾチオフェン、ブチルジベンゾチオフェン等を挙げることができる。特に、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンが挙げられる。
本発明の液体燃料としては、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、重油、アスファルテン油、オイルサンド油、石炭液化油、シェールオイル油、GTL、廃プラスチック油及びバイオマス燃料等から選ばれる1種もしくはこれらの混合物が挙げられるが、中でも灯油が好ましい。これらの液体燃料中の硫黄分含有量は、通常1質量ppm以上であり、その上限は50質量ppm程度である。1質量ppm未満だと該液体燃料の製造コストが高くなり、また、泡立ちやすいので取り扱いにくい等の問題が生じる。好ましくは3質量ppm程度、さらに5質量ppm程度が好ましい。また、50ppmを超えると、脱硫剤の使用量が増えたり、寿命が短くなるなどの問題が生じる。
なお、本発明の液体燃料中の2環以上の環構造を有する硫黄化合物及びジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン等の同定は以下の方法により行なうことができる。即ち、ジベンゾチオフェン(アルドリッチ、98%)、4−メチルジベンゾチオフェン(アルドリッチ、96%)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(アルドリッチ、97%)を硫黄濃度でそれぞれ約1質量ppmとなるように、トルエンに溶解して標準溶液とし、硫黄化学発光検出器付ガスクロマトグラフィーに導入し、検出されたガスクロマトグラフの保持時間を読み取り同定した。また、ジベンゾチオフェンより長い保持時間の硫黄化合物を2環以上の環構造を有する硫黄化合物と同定した。
また、硫黄分含有量は、JIS K2541−2に準拠して測定する。
なお、本発明の液体燃料中の2環以上の環構造を有する硫黄化合物及びジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン等の同定は以下の方法により行なうことができる。即ち、ジベンゾチオフェン(アルドリッチ、98%)、4−メチルジベンゾチオフェン(アルドリッチ、96%)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(アルドリッチ、97%)を硫黄濃度でそれぞれ約1質量ppmとなるように、トルエンに溶解して標準溶液とし、硫黄化学発光検出器付ガスクロマトグラフィーに導入し、検出されたガスクロマトグラフの保持時間を読み取り同定した。また、ジベンゾチオフェンより長い保持時間の硫黄化合物を2環以上の環構造を有する硫黄化合物と同定した。
また、硫黄分含有量は、JIS K2541−2に準拠して測定する。
本発明の燃料電池用液体燃料の脱硫方法としては、脱硫剤に硫黄化合物含有液体燃料を流通させる方法、脱硫剤を内部に固定したタンクなどの容器に硫黄化合物含有液体燃料を静置又は撹拌する方法が好ましい。本発明においては、脱硫温度は80℃以下である。この脱硫温度が80℃以下であればエネルギーコストが低く、経済的に有利である。脱硫温度の下限については特に制限はなく、脱硫すべき液体燃料の流動性及び脱硫剤の脱硫活性などを考慮して、適宜選定される。脱硫すべき液体燃料が灯油である場合、流動性の点から−40℃程度であり、好ましい脱硫温度は−30〜60℃、特に室温近辺である。−40℃より低温になると液体燃料の流動性が低下し、80℃を超えると脱硫剤の吸着能が低下する恐れがある。
また、温度以外の脱硫条件については、特に制限はなく、脱硫すべき液体燃料の性状に応じて適宜選択することができる。具体的には、燃料として炭化水素、例えばJIS1号灯油を、液相で本発明に係る脱硫剤を充填した脱硫塔中を上向き又は下向きの流れで通過させて脱硫する場合には、温度は室温程度、圧力は常圧〜1MPa・G程度、液空間速度(LHSV)20hr-1以下程度の条件で脱硫処理することが好ましい。この際、必要により、少量の水素を共存させてもよい。
本発明の脱硫方法に用いる脱硫剤としては、80℃以下、好ましくは常温で脱硫できるものであればなんら限定されるものではないが、ニッケル成分、コバルト成分、亜鉛成分、銀成分などを活性金属成分として担体上に担持したものが好ましく用いられる。中でも担体上に少なくとも銀成分を担持したものが好ましい。担持される銀成分としては、硝酸銀、フッ化銀、塩化銀、酢酸銀、炭酸銀等をあげることができる。中でも入手のし易さと取り扱い易さの点で硝酸銀が好ましい。
本発明で用いる担体としては、多孔質担体が好ましく、具体的には、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム−酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、白土、粘土、珪藻土および活性炭の中から選ばれる少なくとも一種を挙げることができ、中でもアルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムの中から選ばれる少なくとも一種が好ましい。これら担体は比表面積が大きいものが好ましく、例えば、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナおよび酸化チタンの担体では、比表面積50m2/g以上のものが好ましく、100m2/g以上のものがより好ましい。酸化ジルコニウムおよび酸化セリウムでは、比表面積20m2/g以上のものが好ましく、80m2/g以上のものがより好ましい。
特に、アルミナ、シリカまたはシリカ−アルミナの担体に銀成分を担持した後の脱硫剤が下記の物性を有することが好ましい。すなわち、比表面積が50m2/g以上、細孔容量 0.6ml/g以下,好ましくは0.2〜0.5ml/g、平均細孔半径60Å以下、好ましくは20〜60Åの物性を有するものである。該比表面積は50m2/g以上あればよく、細孔径は大きい細孔径よりも比較的小さい細孔径の方が効果的に硫黄分を吸着するので好ましく、該細孔径が小さすぎると吸着する硫黄化合物の拡散が阻害される。平均細孔半径が20〜60Åが最適である。細孔容量はある程度以上必要であるが、あまり大きいと吸着剤が嵩張る結果、吸着剤単位体積当りの硫黄吸着量が小さくなり、効果的でない。0.2〜0.5ml/gが最適である。
また、酸化セリウムの担体に銀成分を担持した後の吸着剤は下記の物性を有することが好ましい。すなわち、比表面積が20m2/g以上、酸化セリウムの結晶子が10nm以下、昇温還元試験における600℃以下の温度での水素消費量が200μmol/g以上、より好ましくは300μmol/g以上の物性を有するものが好ましい。
ここで、脱硫剤中の酸化セリウムの平均結晶子径は、透過型電子顕微鏡により測定した一次粒子の粒子径である。比表面積の測定は、例えばユアサアイオニクス社製比表面積測定装置を用いて次のようにして行うことができる。すなわち、試料約100mgを試料管に充填し、前処理として200℃で20分間窒素気流中で加熱、脱水し、次に液体窒素温度で窒素(30%)/ヘリウム(70%)混合ガスを流通させ窒素を吸着させた後、脱離させTCD(熱伝導式検出器)ガスクロマトグラフィー法で測定した窒素の吸着量から比表面積を求める。この酸化セリウムの昇温還元試験においては、試料100mgを用い、水素10容量%を含むアルゴンガスを20ミリリットル/分で導入し、10℃/分の速度で827℃まで昇温して、600℃以下の温度での水素消費量を求めるものである。
細孔径および細孔容量の測定はBJH法により行う。
また、酸化セリウムの担体に銀成分を担持した後の吸着剤は下記の物性を有することが好ましい。すなわち、比表面積が20m2/g以上、酸化セリウムの結晶子が10nm以下、昇温還元試験における600℃以下の温度での水素消費量が200μmol/g以上、より好ましくは300μmol/g以上の物性を有するものが好ましい。
ここで、脱硫剤中の酸化セリウムの平均結晶子径は、透過型電子顕微鏡により測定した一次粒子の粒子径である。比表面積の測定は、例えばユアサアイオニクス社製比表面積測定装置を用いて次のようにして行うことができる。すなわち、試料約100mgを試料管に充填し、前処理として200℃で20分間窒素気流中で加熱、脱水し、次に液体窒素温度で窒素(30%)/ヘリウム(70%)混合ガスを流通させ窒素を吸着させた後、脱離させTCD(熱伝導式検出器)ガスクロマトグラフィー法で測定した窒素の吸着量から比表面積を求める。この酸化セリウムの昇温還元試験においては、試料100mgを用い、水素10容量%を含むアルゴンガスを20ミリリットル/分で導入し、10℃/分の速度で827℃まで昇温して、600℃以下の温度での水素消費量を求めるものである。
細孔径および細孔容量の測定はBJH法により行う。
本発明においては、銀の担持量は、脱硫剤の全量に基づき、銀元素として0.5〜50質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。0.5質量%未満であると充分な脱硫性能が発揮されない恐れがあり、50質量%を超えると担持した銀成分の粒子径が増大し、充分な脱硫性能が発揮されない恐れがある。
担体への銀成分の担持方法としては、特に制限はなく、含浸法、共沈法、混練法、物理混練法、蒸着法、イオン交換法、蒸発乾固法などの公知の方法を採用することができ、中でも含浸法、共沈法が好ましい。脱硫剤の形状については、特に制限はなく、粉末状、粉砕状、ペレット状、錠剤状、ハニカム状を挙げることができる。
含浸法では、銀成分として硝酸銀、フッ化銀、塩化銀、酢酸銀、炭酸銀等及びこれらの水和物の溶液を担体に含浸させ、80〜150℃程度の温度で一晩程度乾燥し、80〜500℃程度の温度において焼成することにより、所望の脱硫剤が得られる。
共沈法の一例として銀成分を担持したシリカ‐アルミナの場合で説明すると、先ず、銀成分源とアルミニウム源の酸性水溶液又は分散液と、ケイ素源及び無機塩基を含む塩基性水溶液を調製する。前者の銀成分源には上記の含浸法で示した塩類及びこれらの水和物が利用できる。アルミニウム源として、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイトアルミナ、バイヤライト、ジブサイトなどのアルミナ水和物や、γ‐アルミナなども利用できる。一方、シリカ‐アルミナ担体のためのケイ素源としては、アルカリ水溶液に可溶であって、焼成によりシリカになるものであればよく、特に制限されず、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸及びそれらのナトリウム塩やカリウム塩、水ガラスなどが挙げられる。また、無機塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物などが挙げられる。次に、このようにして調製した酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液をそれぞれ50〜90℃程度に加温して、両者を混合し、さらに50〜90℃程度の温度に保持して反応を完結させる。次に、生成した固形物を充分に洗浄したのち固液分離するか、あるいは生成した固形物を固液分離したのち充分に洗浄し、次いで、この固形物を公知の方法により80〜150℃程度の温度で乾燥処理する。このようにして得られた乾燥処理物を、好ましくは80〜500℃の範囲の温度において焼成することにより、シリカ‐アルミナ担体上に銀成分が担持された脱硫剤を得ることができる。
共沈法の一例として銀成分を担持したシリカ‐アルミナの場合で説明すると、先ず、銀成分源とアルミニウム源の酸性水溶液又は分散液と、ケイ素源及び無機塩基を含む塩基性水溶液を調製する。前者の銀成分源には上記の含浸法で示した塩類及びこれらの水和物が利用できる。アルミニウム源として、硝酸アルミニウム、擬ベーマイト、ベーマイトアルミナ、バイヤライト、ジブサイトなどのアルミナ水和物や、γ‐アルミナなども利用できる。一方、シリカ‐アルミナ担体のためのケイ素源としては、アルカリ水溶液に可溶であって、焼成によりシリカになるものであればよく、特に制限されず、例えばオルトケイ酸、メタケイ酸及びそれらのナトリウム塩やカリウム塩、水ガラスなどが挙げられる。また、無機塩基としては、アルカリ金属の炭酸塩や水酸化物などが挙げられる。次に、このようにして調製した酸性の水溶液又は水分散液と塩基性水溶液をそれぞれ50〜90℃程度に加温して、両者を混合し、さらに50〜90℃程度の温度に保持して反応を完結させる。次に、生成した固形物を充分に洗浄したのち固液分離するか、あるいは生成した固形物を固液分離したのち充分に洗浄し、次いで、この固形物を公知の方法により80〜150℃程度の温度で乾燥処理する。このようにして得られた乾燥処理物を、好ましくは80〜500℃の範囲の温度において焼成することにより、シリカ‐アルミナ担体上に銀成分が担持された脱硫剤を得ることができる。
本発明にあっては、上記銀成分を担持した脱硫剤とこれ以外の予備脱硫剤とを併用することにより、硫黄化合物含有液体燃料の脱硫処理を効率的に行なうことができる。すなわち、予備脱硫剤を併用することにより、破過時間の延長が可能となる。
該予備脱硫剤としては、特に制限はなく、別の吸着脱硫剤または水素化脱硫触媒を用いてもよい。このうち別の吸着脱硫剤としては、マンガン成分、鉄成分、コバルト成分、ニッケル成分、銅成分、亜鉛成分、ニオブ成分、モリブデン成分、タングステン成分、タンタル成分およびパラジウム成分の中から選ばれる少なくとも1種を多孔質体に担持したものを挙げることができ、特に鉄成分、モリブデン成分、ニオブ成分およびタングステン成分の中から選ばれる少なくとも1種を担持したものが好ましい。多孔質体としては上記銀成分の担持に用いたものと同じものを用いることができる。これらの吸着脱硫剤は予め水素還元することにより、脱硫性能を向上させることができる。また、水素化脱硫触媒を予備脱硫剤として用いる場合は、水素を少量添加してもよい。
該予備脱硫剤としては、特に制限はなく、別の吸着脱硫剤または水素化脱硫触媒を用いてもよい。このうち別の吸着脱硫剤としては、マンガン成分、鉄成分、コバルト成分、ニッケル成分、銅成分、亜鉛成分、ニオブ成分、モリブデン成分、タングステン成分、タンタル成分およびパラジウム成分の中から選ばれる少なくとも1種を多孔質体に担持したものを挙げることができ、特に鉄成分、モリブデン成分、ニオブ成分およびタングステン成分の中から選ばれる少なくとも1種を担持したものが好ましい。多孔質体としては上記銀成分の担持に用いたものと同じものを用いることができる。これらの吸着脱硫剤は予め水素還元することにより、脱硫性能を向上させることができる。また、水素化脱硫触媒を予備脱硫剤として用いる場合は、水素を少量添加してもよい。
次に、本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
(A)用いた液体燃料。( )内の数値はジベンゾチオフェン(DBT)、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(4,6−DMDBT)の合計濃度である
(1)灯油1
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度167℃、30%留出温度180℃、50%留出温度196℃、70%留出温度217℃、90%留出温度245℃、終点266℃
硫黄分:3.0質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.22質量ppm(0.09質量ppm)。
(2)灯油2
蒸留性状:初留温度153℃、10%留出温度176℃、30%留出温度192℃、50%留出温度207℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:8.8質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.26質量ppm(0.01質量ppm)。
(3)灯油3
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度177℃、30%留出温度193℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:18.5質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.47質量ppm(0.13質量ppm)。
(A)用いた液体燃料。( )内の数値はジベンゾチオフェン(DBT)、4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDBT)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(4,6−DMDBT)の合計濃度である
(1)灯油1
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度167℃、30%留出温度180℃、50%留出温度196℃、70%留出温度217℃、90%留出温度245℃、終点266℃
硫黄分:3.0質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.22質量ppm(0.09質量ppm)。
(2)灯油2
蒸留性状:初留温度153℃、10%留出温度176℃、30%留出温度192℃、50%留出温度207℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:8.8質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.26質量ppm(0.01質量ppm)。
(3)灯油3
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度177℃、30%留出温度193℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:18.5質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物0.47質量ppm(0.13質量ppm)。
(4)灯油4
蒸留性状:初留温度149℃、10%留出温度166℃、30%留出温度182℃、50%留出温度199℃、70%留出温度223℃、90%留出温度255℃、終点278℃
硫黄分:7.6質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物1.87質量ppm(0.76質量ppm)。
(5)灯油5
蒸留性状:初留温度154℃、10%留出温度176℃、30%留出温度192℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度253℃、終点268℃
硫黄分:12質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物1.21質量ppm(0.52質量ppm)。
(6)灯油6
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度177℃、30%留出温度193℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:20.0質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物5.42質量ppm(3.18質量ppm)。
(7)灯油7
蒸留性状:初留温度156℃、10%留出温度170℃、30%留出温度185℃、50%留出温度201℃、70%留出温度224℃、90%留出温度253℃、終点275℃
硫黄分:14.1質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物2.88質量ppm(2.24質量ppm)。
蒸留性状:初留温度149℃、10%留出温度166℃、30%留出温度182℃、50%留出温度199℃、70%留出温度223℃、90%留出温度255℃、終点278℃
硫黄分:7.6質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物1.87質量ppm(0.76質量ppm)。
(5)灯油5
蒸留性状:初留温度154℃、10%留出温度176℃、30%留出温度192℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度253℃、終点268℃
硫黄分:12質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物1.21質量ppm(0.52質量ppm)。
(6)灯油6
蒸留性状:初留温度152℃、10%留出温度177℃、30%留出温度193℃、50%留出温度208℃、70%留出温度224℃、90%留出温度250℃、終点268℃
硫黄分:20.0質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物5.42質量ppm(3.18質量ppm)。
(7)灯油7
蒸留性状:初留温度156℃、10%留出温度170℃、30%留出温度185℃、50%留出温度201℃、70%留出温度224℃、90%留出温度253℃、終点275℃
硫黄分:14.1質量ppmの灯油、2環以上の環構造を有する硫黄化合物2.88質量ppm(2.24質量ppm)。
実施例1、比較例1
(1)脱硫剤(銀/シリカ−アルミナ)の調製
硝酸銀20gを水50mlに溶解し、シリカ−アルミナ担体50gに含浸した。60℃の乾燥機内で2時間乾燥した後、110℃で一晩乾燥した。乾燥終了後、電気炉を用いて、空気中400℃で3時間焼成して脱硫剤を得た。銀成分の担持量は20質量%であった。
(2)流通試験
得られた脱硫剤(5ml)に、実施例1として灯油1〜5を、比較例1として灯油6,7をそれぞれ室温で、液空間速度(LHSV)20hr-1で通油した。9時間後に得られた回収後の灯油中の硫黄濃度をJIS K2541−2に準拠して測定した。その結果を表1に示した。なお、JIS K2541−2(電量滴定法)では、低硫黄濃度用に検量線を作成することで、0.2質量ppmまで測定可能であり、測定精度は±0.2質量ppm程度である。
(1)脱硫剤(銀/シリカ−アルミナ)の調製
硝酸銀20gを水50mlに溶解し、シリカ−アルミナ担体50gに含浸した。60℃の乾燥機内で2時間乾燥した後、110℃で一晩乾燥した。乾燥終了後、電気炉を用いて、空気中400℃で3時間焼成して脱硫剤を得た。銀成分の担持量は20質量%であった。
(2)流通試験
得られた脱硫剤(5ml)に、実施例1として灯油1〜5を、比較例1として灯油6,7をそれぞれ室温で、液空間速度(LHSV)20hr-1で通油した。9時間後に得られた回収後の灯油中の硫黄濃度をJIS K2541−2に準拠して測定した。その結果を表1に示した。なお、JIS K2541−2(電量滴定法)では、低硫黄濃度用に検量線を作成することで、0.2質量ppmまで測定可能であり、測定精度は±0.2質量ppm程度である。
以上の結果から明らかなように、2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の液体燃料を用いると室温程度の温度でも優れた脱硫性能を示すことがわかる(灯油1〜5)。また、2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下の液体燃料は取り扱い易いものであった。
Claims (6)
- 2環以上の環構造を有する硫黄化合物の含有量が2質量ppm以下で、80℃以下の温度の脱硫工程で脱硫処理するための燃料電池用液体燃料。
- 2環以上の硫黄化合物の含有量が1質量ppm以下である請求項1に記載の燃料電池用液体燃料。
- 硫黄分の含有量が1質量ppm以上である請求項1又は2に記載の燃料電池用液体燃料。
- 2環以上の環構造を有する硫黄化合物が、ジベンゾチオフェン、4−メチルジベンゾチオフェン、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン又はこれらの2種以上の混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用液体燃料を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
- 少なくとも銀成分を含有する脱硫剤を用いて80℃以下の温度で脱硫処理することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池用液体燃料の脱硫方法。
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2004
- 2004-12-20 JP JP2004367419A patent/JP2006173045A/ja active Pending
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- 2005-12-19 WO PCT/JP2005/023229 patent/WO2006068069A1/ja not_active Application Discontinuation
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