JP2006172809A - ショートアーク型水銀ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】発光管に発生する局所的熱歪を抑え、長時間安定に紫外線を放射する大型のショートアーク型水銀ランプを提供すること。
【解決手段】発光管の単位容積当りの水銀封入量が15mg/cm乃至50mg/cmである、電極間距離10〜35mmのショートアーク型水銀ランプで、発光管の長さをL(cm)とし、発光管と封止部の境部から陽極最先端までの距離をCX(cm)とし、発光管の最大外径をD(cm)とし、陽極の最大直径をd(cm)としたとき、0.5≧CX/L、かつD/d≧3.2であり、陽極の最先端から陽極胴部に向かう5mmまでの間での陽極のコーン部の最大直径をD0(mm)、陽極胴部を含む陽極の全長に亘る範囲での陽極の最大直径をD1(mm)とするとき、|(D1−D0)/{(D1+D0)/2}|≦0.50を満足することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、主に波長300nmから450nmの波長帯域の紫外線を照射する半導体用や液晶用などの露光機に用いられるショートアーク型水銀ランプに関する。
ショートアーク型水銀ランプは、半導体や液晶など各種の露光工程で回路パターンの半導体基板への焼付け露光などに用いられている。図11には従来のショートアーク型水銀ランプの概略図を示す。陰極2´と陽極3´が発光管1´内で対向配置し、発光管1´の両側には封止部4´が連設されている。5´は口金、6´は保温膜である。本出願においては便宜上、図中で発光管を内面と外面ともに描いており、断面図ではない。近年、露光面積の大型化や工程の高スループット化により、ショートアーク型水銀ランプも大型化してきている。点灯時のランプ内圧力は、20気圧から30気圧に達する。したがい、ランプの大型化により発光管に加わる応力が大きくなり、発光管の破裂の危険が高くなる。もし、発光管が露光工程中に破裂すると、製造ラインが停止し、生産に重大な影響を与える。これは、ランプの大型化で発光管の容積が大きくなり、その大きくなった分だけ破壊力が増すことを意味する。すなわち、ランプが大型化したことで、一度破裂すると周囲の光学機器・灯具などに重大な損傷を与えることになる。なお、特許文献1には、半導体露光装置の光源としてショートアーク型水銀ランプが使用されていること、近年、スループット改善または露光面積のさらなる増大へ対応するための大ワット化が求められ、発熱量の増大に対応するために石英ガラスバルブの大型化の必要性について言及されている。
ランプの大型化は、入力電力の増大化に伴い、発光管径の増大化や発光管長の長大化や更には電極間距離の長大化に見られる。発光管内単位容積当りに封入される水銀量は殆ど変わらない。したがって、単位容積当りの水銀量が同じであるので、発光管内の圧力も変わらない。したがい、ランプが大型化すると、発光管が大きくなった分だけ発光管にかかる応力は増大し、その分だけ発光管の破壊応力限界に近づき、発光管の破裂の確率が高くなる。図8は電極間のアーク部の説明図である。ショートアーク型放電ランプは、図8に示すように陰極2と陽極3の間のアーク放電部20はアーク柱20aとアーク柱に続くフレア20bを有しており、電極間距離が数mmの場合はそのフレアは尾を引かない。しかし、電極間距離の単位長当りの入力が0.8kW/mmを超え、電極間距離が10mmを超えるように長く、発光管が大きくなると、フレアが長く尾を引くようになり、ときとして図9のように発光管1内面付近まで達するようになる。長時間の点灯中に、フレア20bが発光管1に近づくか、又は発光管に接すると、その発光管部分が局所的に高温に曝され、点灯時間と共にその部分だけ局所的熱歪みが蓄積され、大きな応力を発生する。発光管に加わる応力は、点灯中の水銀動作圧力すなわち発光管内圧力による応力に、この熱歪による応力が加算される。そして、発光管の耐破裂強度の応力限界値を超えると、ランプの破裂に到る。図9において4は封止部である。
特開2002−151003号公報
そこで、本発明の目的は、大型のショートアーク型水銀ランプにおいて、発光管に発生する局所的熱歪の発生を抑え、長時間安定に紫外線を放射するショートアーク型水銀ランプを提供することである。すなわち、発明者の観測によれば、ランプが大型化し、電極間距離が10mmを超えるように長くなるとフレアの尾が長く伸びることが観測された。このフレアの尾の引く方向は発光管形状と電極形状に大きく依存していることが分り、フレアの流れの方向を制御すべく、陽極外縁に沿った方向に流すことで、フレアが直接発光管に接することを回避して、発光管への熱歪みの蓄積を低減し、長時間にわたりランプ破裂を防ぐことを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、石英ガラス製の発光管内に陰極と陽極が対向配置され、該発光管内に水銀と希ガスが封入され、該発光管の両側に封止部が連設され、該発光管の単位容積当りの水銀封入量を15mg/cm乃至50mg/cmとした、電極間距離10〜35mmのショートアーク型水銀ランプにおいて、該発光管の軸方向の長さをL(cm)で表わし、該陰極側の、発光管と封止部の境部から陽極最先端までの距離をCX(cm)とし、該発光管の最大外径をD(cm)とし、該陽極の最大直径をd(cm)としたとき、0.5≧CX/LかつD/d≧3.2であり、加えて、前記陽極が先端部と該先端部に続くコーン部と該コーン部に続く陽極胴部からなり、該陽極先端部が平坦面、或いは平坦面の中央部に凹形状を有し、或いは略半球曲面を有し、該陽極の最先端から該陽極胴部に向かう5mmまでの間での該陽極のコーン部の最大直径をD0(mm)、該陽極胴部を含む該陽極の全長に亘る範囲での該陽極の最大直径をD1(mm)とするとき、|(D1−D0)/{(D1+D0)/2}|≦0.50を満足することを特徴とするショートアーク型水銀ランプとするものである。
ここで、ランプへの水銀封入量は、15mg/cm未満で少ないと、300nmから450nmに渡る紫外線の放射量が少なくなり、スループットが下がる。他方、封入水銀量が50mg/cmより多くなるような多量の水銀が封入されると、発光管内圧が大きくなり破裂に至る。したがって、単位容積当りの封入水銀量は、15mg/cm乃至50mg/cmが適当な範囲となる。
大型のショートアーク型水銀ランプにおいては、電極間距離は10〜35mmが使われる。
請求項2に記載の発明は、ランプへの入力電力をW(kW)、電極間距離をEL(mm)とすると、電極間距離の単位長さ当りの入力電力W/EL(kW/mm)が0.8≦W/EL≦1.4を満足することを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプとするものである。
請求項3に記載の発明は、ランプへの入力電力をW(Watts)、発光管最大径をD(mm)とするとき、0.18≦W/πD≦0.31を満足することを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプとするものである。
本発明者の研究において、フレアの流れの方向は、ランプの軸方向に対する陽極先端面の位置と、陽極先端形状に密接に関連していることが、発明者の鋭意研究により判明し本発明を完成した。
ショートアーク型水銀ランプの陽極先端部の形状は、円錐台又は略回転楕円体であって、それに続く先端部が平坦面或いは、平坦面の中央部に凹形状を有し、或いは略半球曲面を有する。
請求項1に記載の発明によれば、電極間距離10〜35mmの大型のショートアーク型水銀ランプにおいて、発光管の軸方向の長さをL(cm)、該陰極側の、発光管と封止部の境部から陽極最先端までの距離をCX(cm)、該発光管の最大外径をD(cm)とし、該陽極の胴部の最大外径をd(cm)としたとき、0.5≧CX/LかつD/d≧3.2であり、加えて該陽極の最先端から該陽極胴部に向かう5mmまでの間での該陽極の最大直径をD0(mm)、該陽極胴部を含む該陽極の全長に亘る範囲での該陽極の最大直径をD1(mm)とするとき、|(D1−D0)/{(D1+D0)/2}|≦0.50であると、フレアが直接発光管に接することを回避して、発光管への熱歪みの蓄積を低減し、長時間安定に紫外線を放射するショートアーク型水銀ランプとすることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプにおいて、電極間距離とランプ入力の関係に着目すれば、電極間距離の単位長さ当りの入力電力W/EL(kW/mm)が0.8≦W/EL≦1.4であれば、フレアが直接発光管に接することを回避して、発光管への熱歪みの蓄積を低減し、長時間安定に紫外線を放射するショートアーク型水銀ランプとすることができる。
また、請求項3の発明によれば、請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプにおいて、ランプへの入力電力をW(Watts)、発光管最大径をD(mm)とするとき、0.18≦W/πD≦0.31という関係を満たせば、フレアが直接発光管に接することを回避して、発光管への熱歪みの蓄積を低減し、長時間安定に紫外線を放射するショートアーク型水銀ランプとすることができる。
大型の放電ランプの発光管に加わる応力を考える。簡単のために、発光管の膨出部分を半径R、肉厚tの球形とする。今、発光管内の圧力をP、発光管の周方向の応力をσとすると、発光管に加わる応力は、σ=R×P/2tで与えられることが知られている。これより、ランプが大型化すると、発光管の直径に比例して、すなわちRが大きくなるにつれ、発光管に加わる応力が増大することが分かる。
例えば、発光管直径が55mmから110mmに増加したとき、その応力を同じにするには、発光管の肉厚を単純に2倍すれば良い。しかし、肉厚が厚くなると、発光管内外の温度差が大きくなり熱歪みが大きくなる。典型的な例として、発光管の半径R=5.5cm、肉厚t=3.5mm、ランプ内圧力P=5MPa、とすると、石英ガラスの引張り応力σ=31MPaとなる。理想的な石英ガラスに対してその最大引っ張り力は50MPaと言われている。しかし、ガラス表面には必ず微細な傷があるために、通常引っ張り強度は理想的な場合に比べ小さくなる。したがってσ=31MPaにおいても安全とは言い切れない。そして、その上にこの発光管応力に熱歪による応力が加算されるためランプの破裂の確率が高くなる。
図2はアーク放電部を説明する図である。図2で示すように、陰極先端中央と陽極先端中央を結ぶ軸上で、アーク柱20aがある。アーク柱とは電極間の放電部のうちプラズマを形成している部分のことである。ここでは、アーク柱20aが存在するその軸上の陽極先端位置をアーク位置と呼ぶこととする。発明者の鋭意観察によれば、アーク位置とフレア20bの流れの間に密接な相関が存在することが分かった。一例として、陽極3を上にして点灯したとき、アーク位置が発光管中央面M−M´より上側に位置すると、フレア20bに沿った太い矢印で示すように、フレア20bが陽極3から剥離して発光管内面に向かい流れる。そして、発光管1の特定部分1aにフレア20bが当り、熱歪が蓄積する。他方、発光管中央面M−M´より下側にアーク位置が存在すると、フレア20bが陽極3に沿って発光管上部に向かい太い矢印で示すように流れ、発光管1にフレア20bが接することはない。これは、ランプ点灯後の発光管1の歪を測ることで熱歪の大小を判別して判断できる。
今、発光管上側と下側に分けて、ランプ内の対流を考える。上側半分では、アークの上向きの流れの影響を直接受けて、激しい気流が生じていると考えられる。他方、発光管下側半分では、通常発光管下側の温度が上側の温度に較べ低いので、水銀密度が高くなり、結果として、流れが遅くなるので乱流が起こり難いと考えられる。フレアの流れが、アーク位置に密接に関連していることから、アーク位置の定義を行う。アーク位置の指標を考えるとき、陰極側発光管と封止部の境部から陽極先端までの距離をCX、陰極側発光管と封止部の境部からと陰極側発光管と封止部の境部との間の距離、すなわち発光管の軸方向の長さをLとして表わし、Lに対するCXの比すなわち、CX/Lをアーク位置を特徴づける指標とする。
今、図2(a)のようにアーク位置が発光管の中心より上方にあるとき、例えば、アーク位置がCX/L=0.55のとき、発光管内面に沿う下降気流と干渉して、下降気流に巻き込まれる。したがって、フレアが十分に上昇せずに、陽極先端から陽極胴部の部分からフレアが剥離し、発光管内面に向かって流れ発光管内面に接する。その結果、発光管のフレアの当たった部分の温度が高くなり、熱歪みの蓄積を伴い、結果として破裂に至る。反対に、図2(b)のようにアーク位置が発光管の中心より下方にあるとき、例えばCX/L=0.40のとき、フレアは、発光管内面に沿う下降流と干渉せずに、電極(陽極)に沿って立ち昇り、発光管内面に接することはない。このことから、発光管への影響を下げるための適正なアーク位置が存在することが推測できる。
次に、発光管上半分において、電極と発光管内面の間では、電極に沿って流れる上昇気流と発光管内面に沿って下る下降気流が、互いに干渉し合う領域がある。これを定量化するために、発光管最大直径をD、陽極直径をdとするとき、気流の流れやすさを表わす指標として、D/dを考える。D/dが小さいとき、すなわち、発光管径が陽極径にとって相対的に小さいとき、例えば、D/d=3.0のとき、発光管に沿う下降気流が優勢となり、フレアが発光管上部まで立ち昇らず陽極のアークに近い部分から剥離し、それが発光管に直接当る。すなわちその発光管部分の温度が高くなり、熱歪みの蓄積を伴う。結果として破裂に至ることが認められた。
D/dが大きいとき、例えば、D/d=0.48のとき、電極に沿って流れる上昇気流と発光管に沿って流れる下降気流が、互いに干渉することがなく、フレアが発光管上部まで立ち昇り、発光管へのフレアの影響が見えなくなった。このことは、発光管の異常な熱歪が生じないことで確認された。
ランプ内には大きい電極(陽極)と小さい電極(陰極)が備わっている。大きいほうの電極(陽極)の先端部形状について考える。アーク柱内の気体は、その電極先端部に当り、次に先端面を発光管の径方向に向かって流れる。そのとき、先端部の流れの方向は先端部が扁平になると、陽極先端面に沿って流れ、先端面の端辺りでは径方向速度成分が小さくなり、コーン部に沿ってガス流が上昇し易くなる。この流れと陽極先端部形状を関係付ける為に、陽極先端面から5mmの間の距離の間での最大直径D0と陽極最大直径D1で表わし、その差(D1−D0)と実効的な径(D1+D0)/2との比を一つのパラメータとする。すなわち、(D1−D0)/{(D1+D0)/2}の値は、陽極先端半径の実効的な大きさとコーン部の径方向の射影による径との比を表わし、ガス流のコーン部の影響の大きさの指標を表わしたものである。
今、(D1−D0)/{(D1+D0)/2}≦0.50のとき、陽極先端部でガス流体の発光管径方向の速度が失われ、陽極胴部に沿った上昇方向の速度成分が相対的に大きくなったものと考えられる。このとき、配光利用角外の発光管内面に陽極からの蒸発物が付着する。そのため、見掛け上照度維持率が向上する。ここで、配光利用角とは、アーク中心からみて、ランプからの光が集光反射鏡に入り利用される範囲の立体角のことである。反対に、(D1−D0)/{(D1+D0)/2}>0.50で先端部のコーン角が鈍角になるとその斜面に沿って発光管径方向の速度成分を持ったままガスが流れ、陽極から離れた直後から発光管の方向に向かい流れの慣性で流れるために、フレアが発光管に向かい流れる。このため、発光管の熱歪量が大きくなる。
ランプへの入力により、ランプ内対流の激しさが異なる。その一つとして、アーク柱単位長さ当りに消費されるエネルギーすなわち電力を指標にとる。ここでは、非点灯時の電極間距離をEL(mm)、ランプへの電気入力をW(kW)とするとき、W/ELで表わす。アーク柱の単位長当りに消費されるエネルギー密度が、高くなると共に、発光管内でアークが占める割合が増え、発光管内の温度差を広げる。それは、発光管内のガス対流を激しくさせる。その激しさは、陽極の先端のコーン部(図2の3a)から発光管内面に向かうフレアの動きを激しくさせる。これは、発光管内面の局所的に高温にし、熱歪みの蓄積を増加させ、破裂に至らしめる。他方、W/ELが小さ過ぎると、すなわち、Wが小さい(数kW以下)であったり、ELが大き過ぎたり(50mm以上)すると、必要な放射が得られなかったり、ショートアークランプとしての機能を果さなくなる。したがって、W/ELの好適な範囲は、0.8≦W(KW)/EL(mm)≦1.4 で使用される。
入力をW(ワット)、発光管最大直径をD(cm)で表わす。管壁負荷は内表面の単位面積当りに入るエネルギーを表わす。その管壁負荷は入力電力を発光管外表面積で割った値で近似される。その理由は、発光管の直径に比べて肉厚は充分に小さいことによる。外表面積は発光管を球で近似するとπDで表わされる。管壁負荷W/πDは、W/πD>0.31のとき、発光管温度が高くなり、発光管への熱歪みの蓄積量が増える。それに加えて、アークのフレアが、発光管内表面に当ると、その部分の熱歪みの蓄積量は加速度的に増加し、ランプの破裂に至る。他方、W/πD<0.18のとき、水銀未蒸発によりアークがチラツキ、ランプは安定な光源としての機能を果さなくなる。すなわち、0.18≦W/D≦0.31が好適な範囲となる。
本発明のショートアーク型水銀ランプの概略構成を図1に示す。また、ランプの各パラメータを図3に示す。図3はショートアーク型水銀ランプの2種類の代表的な発光管形状を示している。陰極側封止部と発光管の境部Q、Q´から陽極先端3aまでの距離をCX、発光管の軸方向の長さをL、発光管の最大外径をD、陽極の胴部の最大外径をdとして示している。図3(a)が一般的であるが、図3(b)のように、発光管の両端部に湾曲部Hを有するものもある。図3(b)の場合は陰極側封止部と発光管の境部Q´は図のように封止部4と湾曲部Hのきわの部分である。
紫外光を透過させる石英ガラス製発光管1内に、一対の対向する陰極2と陽極3を備え、陰極2は電子放射性物質を含むタングステンからなり、陽極3はタングステンからなる。陽極は先端部3aと該先端部に続くコーン部3bと該コーン部に続く陽極胴部3cからなり、該陽極先端部3aが平坦面、或いは平坦面の中央部に凹形状を有し、或いは略半球曲面を有する。ここでは陽極の先端部3aが平坦面の例を示している。
これらの陰極2と陽極3は例えば10mmの間隔を離して配置される。発光管1内には室温換算で10PaのXeガスと、単位容積当り25mg/cmの水銀が封入されている。発光管の大きさは、発光管の軸方向の長さLを170mm、発光管最大直径Dを120mmとする。陰極側封止部と発光管の境部から陽極先端までの距離をCXとして、CX/L=0.49のランプを製作し、これを基準として基準ランプAとした。
なお、ショートアーク型水銀ランプの石英ガラス製発光管の肉厚tは封入水銀量との関係で例えば3.5mm≦t≦8mmが選ばれて使用される。本実施の形態における以降の各実施例では発光管の肉厚は6mmとした。
この基準ランプAに対して、図4に示すように、CXの値を3種類、陽極の直径Dを3種類変えた仕様のランプを番号A1からA9として各3本づつ合計27本製作した。
これらのランプは、直流型定電力制御の電源を用いて、ランプへの入力電力が8kW(ランプ電圧102V),11kW(ランプ電圧110V)、14kW(ランプ電圧1177V)の3種類の電力に対して、点灯試験を行った。
8kW入力の場合、1200時間の点灯試験を行った。そして、11KWと14KW入力では、500時間の点灯試験を行った。そして、その点灯後、発光管の膨出部である球部部分の歪みの大小を調べた。その結果を図4に示す。入力電力が8kW、11kW、14kWいずれの場合も、フレアが発光管に向かい流れるときは、熱歪の量が大きい傾向にある。これより、CX/L≦0.49、且つD/d≧3.2の領域が歪み発生のない良い領域であることがわかる。
ここで、歪測定の方法を簡単に述べる。一般に、石英ガラスに歪が入ると複屈折の性質を示すことは知られている。そして、歪量測定には、この特性を利用した光弾性実験法の一つである直交ニコル法が用いられる。すなわち、互いに直交するように配置された偏光子と検光子の間に試料を挿入し、単色光を透過させると、歪がある部分は明るく白く見え、歪がない部分は暗く黒色に見える。歪のある部分の透過光が暗くなるまで検光子を回転させる。この回転角が歪の大きさとして表される。そして、歪の大小は、回転角が変化しないときを歪なし、20度未満のときを歪小、20度から45度未満を歪中、45度以上を歪大とした。
発光管長Lが170mm、発光管最大直径Dを120mmとし、陰極側の封止部と発光管の境部(図3のQ)から陽極先端までの距離をCXとして、CX/L=0.40の位置に固定して、陽極先端形状の異なるランプを番号B1からB9までの9本のランプを製作した。ここで、陽極の最大直径をD0(mm)、陽極先端部の形状として緩やかな凸面形状を含めて考えて陽極先端から5mmまでの間で最大直径をD1(mm)と表わした。ランプの評価は、点灯500時間後の歪量を陽極胴径毎に調べた。そして、
P=2×(D1−D0)/(D1+D0)の値順に並べた。
P=2×(D1−D0)/(D1+D0)の値はコーン部が受けるガス流の相対的割合を表わす。その結果を図5に示す。この図5より、Pの値が0.50以下のとき、歪量が小さいことが分る。
実施例1の図4における試作仕様の番号A8のランプを用いて、入力電力の関数として、管壁負荷W/πDと発光管の歪み量の関係を観測した。陽極の最大直径をD0(mm)、陽極先端部の形状として緩やかな凸面形状を含めて考えて陽極先端から5mmまでの間で最大直径をD1(mm)としたときの(D1−D0)/{(D1+D0)/2}の値が0.426であるランプを選定した。この同一仕様のランプを6本製作し、それらを番号C1からC5とする。そして、電力をパラメータとして各ランプの500時間点灯後の歪み量を測定した。その結果を図6に示す。この図6から管壁負荷W/πDは0.31以下がよいことが分かる。下限値に付いては、水銀未蒸発の観点から0.18以上が好適である。
同様に、実施例1の図4における試作仕様の番号A8のランプで入力電力を8〜16kWに変えたそれぞれのランプを用いた試験を行った。上記実施例3と同様にして、(D1−D0)/{(D1+D0)/2}の値が0.426であるランプを選定した。この同一仕様ランプを5本製作し、それらを番号D1からD5とする。図7から、入力電力の関数として、W/ELと発光管の歪み量の関係をみた。電力をパラメータとして各ランプの500時間点灯後の歪み量で判定すると、W/ELは1.4以下がよいことが分かる。W/ELが小さくなると、電極間距離が長くなりショートアークの放電ではなくなり、楕円鏡を含む灯具の就光効率が低下する。それゆえに、W/ELは、0.8以上が好適であることがわかった。
本発明に係るショートアーク型水銀ランプの全体構成を示す。 アーク放電部を説明する図を示す。 本発明に係るショートアーク型水銀ランプの各部のパラメータを示す。 本発明の評価実験結果を表す。 本発明の評価実験結果を表す。 本発明の評価実験結果を表す。 本発明の評価実験結果を表す。 電極間のアーク部の説明図を示す。 フレアが発光管内面に接する様子を模式図で示す。 陽極の寸法の定義を示す。 従来のショートアーク型水銀ランプの全体構成を示す。
符号の説明
1、1´ 発光管
2、2´ 陰極
3、3´ 陽極
3a 陽極先端部
3b コーン部
3c 陽極胴部
4、4´ 封止部
5、5´ 口金
10、10´ ショートアーク型水銀ランプ
20 アーク放電部
20a アーク柱
20b フレア
M−M´ 発光管中央面
Q、Q´ 陰極側封止部と発光管の境部
H 湾曲部

Claims (3)

  1. 石英ガラス製の発光管内に陰極と陽極が対向配置され、該発光管内に水銀と希ガスが封入され、該発光管の両側に封止部が連設され、該発光管の単位容積当りの水銀封入量が、15mg/cm乃至50mg/cmである、電極間距離10〜35mmのショートアーク型水銀ランプにおいて、
    該発光管の軸方向の長さをL(cm)で表わし、該陰極側の、発光管と封止部の境部から陽極最先端までの距離をCX(cm)とし、該発光管の最大外径をD(cm)とし、該陽極の最大直径をd(cm)としたとき、
    0.5≧CX/L、かつD/d≧3.2であり、加えて前記陽極が先端部と該先端部に続くコーン部と該コーン部に続く陽極胴部からなり、該陽極先端部が平坦面、或いは平坦面の中央部に凹形状を有し、或いは略半球曲面を有し、該陽極の最先端から該陽極胴部に向かう5mmまでの間での該陽極のコーン部の最大直径をD0(mm)、該陽極胴部を含む該陽極の全長に亘る範囲での該陽極の最大直径をD1(mm)とするとき、
    |(D1−D0)/{(D1+D0)/2}|≦0.50
    を満足することを特徴とするショートアーク型水銀ランプ。
  2. ランプへの入力電力をW(kW)、電極間距離をEL(mm)とすると、
    10≦EL≦35であって、
    電極間距離の単位長さ当りの入力電力W/EL(kW/mm)が
    0.8≦W/EL≦1.4
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプ。
  3. ランプへの入力電力をW(Watt)、発光管最大径をD(mm)とするとき、
    0.18≦W/πD≦0.31
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のショートアーク型水銀ランプ。
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