以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態によるカメラ付きICレコーダ1の外観構成
(1−1)カメラ付きICレコーダの外観構成
図1〜図3において、1は全体として本実施の形態によるカメラ付きICレコーダ1を示し、全体として丸みを帯びた縦長形状の本体部2の上部に、CCD(Charge Coupled Device)カメラ3が取り付けられたLCDカバー部4が上方向(矢印z方向)にスライド自在に配設されている。
本体部2においては、背面2Aの上部左右両側にそれぞれ集音孔5A、5Bが穿設されると共に、これら集音孔にそれぞれ対応させてその内部にマイクロホン20A、20B(図5)が収納されており、かくしてこれらマイクロホン20A、20Bが対応する集音孔5A、5Bを介して外部音声を集音し得るようになされている。
また本体部2の前面2Bの中段位置には録音ボタン6Aが配設されており、この録音ボタン6Aを押圧操作することによって、各マイクロホン20A、20Bにより集音された外部音声の録音動作を開始させることができるようになされている。
さらに本体部2の前面2Bの上段位置には、図3に示すように、高解像度のカラー液晶ディスプレイでなるLCD7が配設され、この図3のようにLCDカバー部4を上方向に引き出し、後述のようにLCDカバー部4のカメラカバー8をCCDカメラ3が露出するように回転させた状態において、LCD7の下側に配設されたライブビューボタン6Bを押圧操作することによって、そのときCCDカメラ3により撮影されている動画像をこのLCD7に表示させ得るようになされている。
さらに本体部2のライブビューボタン6Bの左横にはカメラシャッタボタン6Cが配設され、LCD7に動画像が表示されている状態においてこのカメラシャッタボタン6Cを押圧操作することによって、LCD7に表示されていた動画像のうちのカメラシャッタボタン6Cを押圧操作した瞬間の1フレーム分の静止画像を取り込んで保存させることができるようになされている。
一方、本体部2の右側面2Cにはメニューボタン6Dが配設され、このメニューボタン6Dを押圧操作することによって、LCD7に所定のメニュー画面を表示させ得るようになされている。また本体部2の右側面2Cにおけるメニューボタン6Dの下側にはジョグレバー6Eが配設され、このジョグレバー6Eを上下左右方向に倒し又は押圧するように操作することによって、メニュー画面内に表示された各種選択肢の中から所望の選択肢を選択し又はその選択肢を選択対象として決定し得るようになされている。
さらに本体部2の右側面2Cにおけるジョグレバー6Eの下側には、停止ボタン6Fが配設されると共に当該停止ボタン6Fの下側にはボリュームボタン6Gが配設されており、この停止ボタン6Fを押圧操作することによって録音動作や再生動作を停止させることができ、また再生動作時にボリュームボタン6Gの上側又は下側を押圧操作することによって、このときLCD7の裏側に配設されたスピーカ31(図5)から出力される再生音声の音量を上げ又は下げることができるようになされている。
さらに本体部2の左側面2Dにおける電源コネクタ9の下側には、USB(Universal Serial Bus)コネクタ10が配設されており、このUSBコネクタ10を介してパーソナルコンピュータ等の外部機器とUSB接続することができるようになされている。これによりこのカメラ付きICレコーダ1においては、かかるUSB接続された外部機器との間でこのカメラ付きICレコーダ1内に保存された録音音声の音声データや録画画像の画像データを外部機器に出力したり、当該外部機器から与えられる音声データや画像データを取り込み得るようになされている。
これに対してLCDカバー部4の上部には、円柱形状のカメラカバー8が回転自在に配設されると共に、このカメラカバー8の所定位置には、上述のCCDカメラ3がその光学軸を当該カメラカバー8の中心軸と垂直な方向に向けて取り付けられている。
これによりこのカメラ付きICレコーダ1においては、カメラカバー8をCCDカメラ3が下向きとなる原点位置に位置させることで不使用時のCCDカメラ3を保護する一方、この状態からカメラカバー8を矢印a方向に回転させて、CCDカメラ3を本体部2の背面2A側の正面位置に位置させることによって、LCD7に表示される動画像を目視しながら所望の画像を撮影することができるようになされている。
(1−2)カメラ付きICレコーダ1の内部構成
ここで図4は、このカメラ付きICレコーダ1の内部構成を示すものである。
このカメラ付きICレコーダ1においては、電源投入時、外部音声をマイクロホン20A、20Bにより集音し、得られた音声信号S1を増幅器21を介してAD(Analog・Digital)/DA(Digital・Analog)コンバータ22に入力する。またAD/DAコンバータ22は、供給される音声信号S1を順次ディジタル変換処理し、得られた音声データD1をデータ処理及び制御部23に順次送出する。
データ処理及び制御部23は、このカメラ付きICレコーダ1全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)24、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)25及び当該CPU24のワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)26を含んでなるマイクロコンピュータ構成の制御部27と、音声データD1及び後述する画像データD3に対するデータ圧縮伸張機能を有するDSP(Digital Signal Processor)28とから構成される。
そしてデータ処理及び制御部23の制御部27には、操作部を構成する上述の録音ボタン6A、ライブビューボタン6B、カメラシャッタボタン6C、メニューボタン6D、ジョグレバー6E、停止ボタン6F及びボリュームスイッチ6Gのいずれかが操作されたときに、これに応じた操作入力信号S2が操作部6(6A〜6G)から与えられる。
また制御部27には、LCDカバー部4内に設けられた図示しない第1のセンサから、LCDカバー部4が図1のように閉じられた閉状態及び図3のように開いた開状態のいずれの状態にあるかを表すLCDカバー状態信号S3が与えられると共に、LCDカバー部4内に設けられた図示しない第2のセンサから、カメラカバー8の回転状態が、CCDカメラ3が露出していない閉状態及びCCDカメラ3が露出した開状態のいずれの状態にあるかを表すカメラカバー状態信号S4が与えられる。
かくして制御部27のCPU24は、操作入力信号S2に基づいてユーザの操作内容を認識すると共に、LCDカメラカバー状態信号S3及びカメラカバー状態信号S4に基づいて現在のLCDカバー部4及びカメラカバー8の状態を検知し、これら認識及び検知結果に基づいて対応する制御処理を実行する。
実際上、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の少なくともいずれか一方が閉じた状態にあることを検知している場合において、録音ボタン6Aが押圧操作されたことを認識すると、動作モードを録音モードに遷移してDSP28を制御することにより、AD/DAコンバータ22から出力される音声データD1に対してLPEC(ソニー株式会社 登録商標)等の所定の音声圧縮方式に準拠した音声圧縮処理を実行させ、得られた圧縮音声データD2を内蔵するフラッシュメモリ29に順次格納させる。
またCPU24は、この後停止ボタン6Fが押圧操作されたことを認識すると、DSP28を制御することにより、AD/DAコンバータ22から与えられる音声データD1に対する音声圧縮処理を停止させる一方、そのときユーザにより選択されていた後述するフォルダ(図6の「FOLDER1」〜「FOLDER3」)内に新たな用件フォルダ(図6の「03072400」〜「03072408」)を生成し、かかる圧縮音声データD2をファイル化して、得られた音声ファイル(図6の「03072400.MSV」)をその用件フォルダに収納する。またCPUは、その用件フォルダの管理情報を後述の管理ファイルMSF(図7)に格納する。
一方、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の双方が開状態となったことを検知すると、動作モードをカメラモードに遷移させて、CCDカメラ3を制御することによりCCDカメラ3を起動させる。この結果、そのときCCDカメラ3により撮影されている光景についての画像信号S5が当該CCDカメラ3から順次出力され、これがデータ処理及び制御部23に与えられる。
そしてCPU24は、この状態においてライブビューボタン6Bが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。かくしてこのときDSP28は、かかるCCDカメラ3から与えられる画像信号S5を順次ディジタル変換し、得られた画像データD3をLCD7に送出する。この結果、この画像データD3に基づくそのときCCDカメラ3により撮影されている光景の動画像がリアルタイムでLCD7に表示される。
さらにCPU24は、この後この状態においてカメラシャッタボタン6Cが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。かくして、このときDSP28は、画像データD3に基づき得られるそのカメラシャッタボタン6Cが押圧された瞬間の1フレーム分の静止画像の画像データD3を取り込み、この取り込んだ画像データD3に対して例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)等の所定の画像圧縮方式に準拠した画像圧縮処理を施し、得られた圧縮画像データD4をフラッシュメモリ29に格納する。
そしてCPU24は、この後そのときユーザにより選択されていたフォルダ内に新たな用件フォルダを生成し、かかる圧縮画像データD4からなる画像ファイル(図6の「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)をその用件フォルダに収納して、その用件フォルダの管理情報を管理ファイルMSFに格納する。
他方、CPU24は、LCDカバー部4及びカメラカバー8の双方が開いた状態にあることを検知している場合において、録音ボタン6Aが押圧操作されたことを認識すると、動作モードを録音録画モードに遷移させると共に、これに応じてDSP28を制御する。
このときDSP28は、上述した録音モード時と同様にAD/DAコンバータ22から与えられる音声データD1に対して順次所定の音声圧縮処理を施し、得られた圧縮音声データD2をフラッシュメモリ29に格納する。またこのときDSP28は、上述したカメラモード時と同様に、CCDカメラ3から与えられる画像信号S5を順次ディジタル変換し、得られた画像データD3をLCD7に送出する。この結果LCD7には、この画像データD3に基づくそのときCCDカメラ3により撮影されている光景の動画像がリアルタイムで表示される。
さらにCPU24は、この後この状態においてカメラシャッタボタン6Cが押圧操作されたことを認識すると、これに応じてDSP28を制御する。このときDSP28は、カメラモード時と同様に、CCDカメラ3から与えられる画像信号S5に基づき得られるそのカメラシャッタボタン6Cが押圧された瞬間の1フレーム分の静止画像の画像データD3を取り込み、この取り込んだ画像データD3に対して画像圧縮処理を施す。
またDSP28は、この後かかる画像圧縮処理により得られた圧縮画像データD4を、そのカメラシャッタボタン6Cが押圧操作された瞬間を後に検索する際の目印となる画像(以下、これをブックマーク画像と呼ぶ)の圧縮画像データD4として、そのときフラッシュメモリ29に順次格納している圧縮音声データD2の対応する位置と関連付けてフラッシュメモリ29に格納する。
そしてCPU24は、この後停止ボタン6Fが押圧操作されたことを認識すると、そのときユーザにより選択されていたフォルダ内に新たな用件フォルダを生成し、かかる圧縮音声データD2からなる音声ファイルと、当該音声ファイルと関連付けられた上述の各圧縮画像データD4でなる各画像ファイルとをその用件フォルダに収納して、その用件フォルダの管理情報を管理ファイルMSFに格納する。
このようにしてこのカメラ付きICレコーダ1においては、音声及び静止画像をそれぞれ独立して記録できるだけでなく、静止画像を録音中の音声と関連付けてブックマーク画像として記録することもできるようになされている。
そしてこのカメラ付きICレコーダ1では、このように音声と関連付けて記録されたブックマーク画像に基づいて、所望する用件フォルダや用件フォルダ内の所望の音声位置を検索できる。
実際上、CPU24は、ジョグレバー6Eが押圧操作されて、所望するフォルダ内の所望する用件フォルダを選択するための選択画面(以下、これを用件フォルダ選択画面と呼ぶ)又はその用件フォルダ内の所望するブックマーク画像を選択するための選択画面(以下、これをブックマーク画像選択画面と呼ぶ)の表示命令が入力されたことを認識すると、対応する画像データD3をROM25から読み出してLCD7に送出することにより、図5に示すような用件フォルダ選択画面32や、当該用件フォルダ選択画面32と同様構成のブックマーク画像選択画面33(図5)をLCD7に表示させる。
この場合においてCPU24は、用件フォルダ選択画面32をLCD7に表示させるに際しては、そのフォルダ内の用件フォルダ毎に、それぞれその用件フォルダについて予め設定された代表的なブックマーク画像(以下、これを代表画像と呼ぶ)の画像ファイル(圧縮画像データD4)をフラッシュメモリ29から読み出し、これをDSP28に復号化処理させて、得られた画像データD3に基づき所定サイズのサムネイル画像P1〜P6を作成する。
そしてCPU24は、この図5に示すように、かくして得られた用件フォルダ毎のサムネイル画像P1〜P6を用件フォルダ選択画面32内に一覧表示させる。なお、このとき音声のみの静止画像を含まない用件フォルダについては、サムネイル画像に代えて所定のアイコンが表示される。
またCPU24は、その後ジョグレバー6Eが操作されて、用件フォルダ選択画面32内の1つのサムネイル画像P1〜P6が選択されると、上述した管理ファイルMSF(図7)に基づいて、対応する用件フォルダ内の音声ファイル(圧縮音声データD2)をフラッシュメモリ29から読み出し、これをDSP28に復号化処理させる。
この結果、かかる復号化処理により得られた音声データD1がDSP28から出力され、これがAD/DAコンバータ22においてアナログ変換されて、得られた音声信号S6が増幅器30を介してスピーカ31に与えられる。これにより、このときこの音声信号S6に基づく音声がスピーカ31から出力される。
これと同様に、CPU24は、ブックマーク画像選択画面33(図5)をLCD7に表示させる際には、かかる管理ファイルMSFに基づいて、対応する用件フォルダ内の各ブックマーク画像の画像ファイル(圧縮像データD4)をフラッシュメモリ29から読み出し、これらをDSP28に復号化処理させて、得られた各画像データD3に基づき所定サイズのサムネイル画像P1〜P6をそれぞれ作成する。そしてCPU24は、このようにして得られたブックマーク画像毎のサムネイル画像P1〜P6を、ブックマーク画像選択画面33内に一覧表示させる。
またCPU24は、その後ジョグレバー6Eが操作されて、ブックマーク画像選択画面33内の1つのサムネイル画像P1〜P6が選択されると、フラッシュメモリ29から対応する音声ファイルにおけるそのサムネイル画像P1〜P6の元のブックマーク画像と対応付けられた音声部分以降の圧縮音声データD2を読み出し、これをDSP28に復号化処理させる。
この結果、かかる復号化処理により得られた音声データD1がDSP28から出力され、これがAD/DAコンバータ22においてアナログ変換されて、得られた音声信号S6が増幅器30を介してスピーカ31に与えられる。これにより、この音声信号S6に基づいて、選択された用件フォルダにおけるユーザにより選択されたブックマーク画像と対応付けられた音声位置以降の音声がスピーカ31から出力される。
このようにしてこのカメラ付きICレコーダ1においては、用件フォルダの代表画像や用件フォルダ内の各ブックマーク画像に基づいて、所望する用件フォルダや、用件フォルダ内の所望する音声位置に迅速かつ容易にアクセスし得るようになされている。
(1−3)カメラ付きICレコーダ1におけるデータ管理フォーマットのディレクトリ構造
次に、このカメラ付きICレコーダ1に採用されている、圧縮音声データD2や圧縮映像データD4のデータ管理フォーマットであるボイスケープフォーマット(Voiscape Format)のディレクトリ構造について説明する。
図6は、かかるボイスケープフォーマットのディレクトリ構造を示すものである。この図6に示すように、録音音声の音声ファイル(「03072400.MSV」)やこれに関連づけて記録されたブックマーク画像の画像ファイル(「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)は、「MSSONY」というフォルダ内に作成された「VOISCAPE」というフォルダに格納される。
用件フォルダを収納するフォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)は、この「VOISCAPE」内に存在し、ユーザはこれらフォルダの中から録音音声の音声ファイル等の格納場所として所望のフォルダを選択したり、新たにフォルダを作成することができる。
また「VOISCAPE」には、作成された用件フォルダを管理するための上述の管理ファイルMSF(「MSGLIST.MSF」)も収納される。この管理ファイルMSFは、図7に示すように、当該管理ファイルMSFを最後に編集した年月日、時分秒及び曜日等が記述された32〔Byte〕のヘッダ(「Header」)の後に、各フォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)のフォルダ名等が記述されたフォルダエントリ(「Folder Entry」)と、そのフォルダ内に作成された各用件フォルダのフォルダ名及びその用件フォルダの作成日時等が記述されたメッセージエントリ(「Message Entry」)とがフォルダごとに順次記述されたデータ構造を有する。
そしてこのボイスケープフォーマットでは、新たなフォルダや新たな用件フォルダが作成されたときには、上述のような各種管理情報が記述されたフォルダエントリやメッセージエントリが管理ファイルMSFに必ず登録される。これによりこのボイスケープフォーマットでは、この管理ファイルMSFに基づいて、所望の用件フォルダがどのフォルダ内にあるかを確実かつ迅速に検索することができるようになされている。
さらに各フォルダ(「FOLDER1」〜「FOLDER3」)内には、それぞれユーザの使用状況に応じて1又は複数の用件フォルダ(「03072400」〜「03072408」)が作成され、これら各用件フォルダ内に、録音により得られた圧縮音声データD2の音声ファイル(「03072400.MSV」)と、かかる録音中に撮影された各ブックマーク画像の圧縮画像データD4の画像ファイル(「P0000000.JPG」〜「P0000003.JPG」)と、各画像ファイルを管理するための画像管理ファイルPIN(「03072400.PIN」)とが収納される。なお、かかる音声ファイルは、既存のICレコーダにおいて採用されている音声ファイルのフォーマットと同じファイルフォーマットを有する。
画像管理ファイルPINは、図8に示すように、この画像管理ファイルPINを最後に編集した年月日、時分秒及び曜日等が記述されたヘッダ(「Header」)の後に、複数のピクチャエントリ(「Picture Entry」)が配置されたデータ構造を有する。
この場合、1番目のピクチャエントリには、代表画像が設定されている場合のそのブックマーク画像の画像ファイルのファイル名及び当該ブックマーク画像の音声ファイル(音声データD1)に対する対応位置(時・分・秒)等が記述される。なお、代表画像が設定されていない場合には、各ピクチャエントリの先頭に記述される当該領域がピクチャエントリであることを示すピクチャID以外の当該1番目のピクチャエントリのすべての部分にゼロデータが格納される。
また2番目以降のピクチャエントリには、対応する音声の録音中に撮影された各ブックマーク画像の画像ファイルのファイル名及びそのブックマーク画像の当該音声に対する対応位置(時、分及び秒)等が記述される。この場合、2番目以降のピクチャエントリは、新たなブックマーク画像の画像ファイルが記録されるごとに順次後ろに付加されるものであるため、画像管理ファイルPINにおける2番目以降のピクチャエントリの並び順が、そのまま対応する音声の先頭からのその画像ファイルが対応付けられた位置の順番を表すこととなる。
このようにしてこのボイスケープフォーマットでは、この画像管理ファイルPINに基づいて、その用件フォルダの代表画像や各ブックマーク画像の音声に対する対応位置を検索することができる。またこのように音声ファイルとこれに関連付けられた各ブックマーク画像の画像ファイルとを同一のフォルダ(用件フォルダ)内に収納することによって、これらデータを外部のパーソナルコンピュータに取り込んでエクスプローラで見たときに、音声ファイルと画像ファイルとの関連を認識し易く、この結果ユーザが誤って音声ファイルや画像ファイルを削除するのを抑止し得るようになされている。
(2)本実施の形態による用件フォルダ編集システム40の構成
(2−1)用件フォルダ編集システム40の構成
ここで図9は、このようなカメラ付きICレコーダ1に対する各種設定や、用件フォルダの追加若しくはコピー、又はカメラ付きICレコーダ1内に保存された用件フォルダの視聴若しくは編集等をパーソナルコンピュータ1を用いて行い得るようになされた用件フォルダ編集システム40を示すものである。この用件フォルダ編集システム40は、かかるカメラ付きICレコーダ1及びパーソナルコンピュータ41がUSBケーブル42を介して接続されることにより構成されている。
パーソナルコンピュータ41は、一般家庭に設置される汎用のものであり、図10に示すように、CPU50、各種プログラムが格納されたROM51、CPU50のワークメモリとしてのRAM52、各種アプリケーションソフトウェアが格納されたハードディスク装置53、画像データに対して所定の信号処理を施す画像処理部54、音声データに対してディジタル/アナログ変換処理等の所定の信号処理を施す音声処理部55、インタフェース56、USBコネクタ57がバス58を介して相互に接続されることにより本体部59が構成されている。またインタフェース56にはキーボード60及びマウス61が接続されると共に、画像処理部54にはディスプレイ62が接続され、音声処理部55にはスピーカ63が接続されている。
さらにハードディスク装置53には、カメラ付きICレコーダ1のメーカからCD−ROMに記録されて提供されたものをインストールし、又はユーザがインターネット等のネットワークを通じて当該メーカのホームページからダウンロードした、上述のような用件フォルダの視聴又は編集等の機能を有するアプリケーションソフトウェア(以下、これを用件フォルダ編集用アプリと呼ぶ)が格納されている。
そしてCPU50は、キーボード60やマウス61が操作されて用件フォルダ編集用アプリの起動命令が入力されると、ハードディスク装置53から当該用件フォルダ編集用アプリを読み出して、これをRAM52に展開する。
またCPU50は、この後この用件フォルダ編集用アプリやユーザ操作に基づき、必要に応じて画像処理部54を制御することにより、後述のようなメインウインド70(図11)等の各種GUI(Graphical User Interface)をディスプレイ62に表示させる一方、必要に応じてUSBコネクタ57を介して接続されたカメラ付きICレコーダ1と通信を行うことにより、当該カメラ付きICレコーダ1との間で用件フォルダのファイルデータや図7について上述した管理ファイルMSFのファイルデータの読書きを行ったり、カメラ付きICレコーダ1に対してユーザ操作に応じた各種設定を行う。
さらにCPU50は、かかるカメラ付きICレコーダ1から用件フォルダのファイルデータや管理ファイルMSFのファイルデータを読み出したときには、必要に応じて用件フォルダ内の対応するブックマーク画像の画像ファイルのデータ(以下、これを画像ファイルデータと呼ぶ)や、管理ファイルのファイルデータに基づく所定の管理データを画像処理部54に与えることにより、この画像ファイルデータや管理データに基づく画像や管理情報をディスプレイ62に表示されたGUI内の対応する位置に表示させる。またCPU50は、必要に応じてカメラ付きICレコーダ1から読み出した用件フォルダ内の音声ファイルのファイルデータ(以下、これを音声ファイルデータと呼ぶ)を音声処理部55に与えることにより、当該音声ファイルデータに基づく音声をスピーカ31から出力させる。
(2−2)メインウインド70の構成
ここで、CPU50は、用件フォルダ編集用アプリの起動時、USBケーブル42を介してカメラ付きICレコーダ1と通信することにより、管理ファイルMSF(図7)のファイルデータを当該カメラ付きICレコーダ1から読み出すと共に、この後この管理ファイルMSFのファイルデータ等に基づいて画像処理部54を制御することにより、図11に示すようなメインウインド70をディスプレイ62に表示させる。
このメインウインド70は、ツールバー71、ICレコーダ情報表示部72、パーソナルコンピュータ情報表示部73、サムネイル表示部74及びプレーヤ部75から構成されるもので、ツールバー71には、「ファイル」、「編集」及び「表示」等のこの用件フォルダ編集用アプリによって行える内容の項目名やその内容のアイコンが表示される。
そしてユーザは、このツールバー71に表示されたICレコーダ設定機能に対応付けられたアイコン71Aをクリックすることによって所定の設定ウインド(図示せず)をこのメインウインド70に重ねて表示させることができ、この設定ウインドを用いてカメラ付きICレコーダ1の各種設定を行うことができる。
ICレコーダ情報表示部72は、デバイス選択コンボボックス80、残量表示欄81、フォルダ情報表示欄82及び用件フォルダ表示欄83から構成され、カメラ付きICレコーダ1から読み出した当該カメラ付きICレコーダ1に設定されているユーザ名やそのカメラ付きICレコーダ1の機種名が最上段に表示されると共に、当該カメラ付きICレコーダ1の録音可能な残量時間が残量表示欄81に表示される。
またICレコーダ情報表示部72では、カメラ付きICレコーダ1から読み出した管理フォイルMSF(図7)のファイルデータに基づいて、当該カメラ付きICレコーダ1において設定されている各フォルダ(図6における「FOLDER1」〜「FOLDER4」)のフォルダ名やそのフォルダ内に収納されている用件フォルダの数がフォルダ情報表示欄82に一覧表示される。
そしてICレコーダ情報表示部72においては、フォルダ情報表示欄82に表示された各フォルダの中から所望の1つのフォルダをマウス操作により選択することによって、そのフォルダに収納されている各用件フォルダのフォルダ名や録音日時及び録音時間等の所定の情報をテキスト形式で用件フォルダ表示欄83に一覧表示させることができる。
なおICレコーダ情報表示部72では、このときの設定を変えることによって、かかるテキスト形式での一覧表示に代えて、図12に示すように、ICレコーダ情報表示部72のフォルダ情報表示欄82において選択したフォルダ内に登録されている各用件フォルダの代表画像のサムネイル画像P10〜P12を用件フォルダ表示欄83に一覧表示させることもできる。
そしてユーザは、この用件フォルダ表示欄83にテキスト情報又はサムネイル画像P10〜P12が表示された各用件フォルダの中から、所望する用件フォルダをマウス操作により1つ選択することができる。そして1つの用件フォルダが選択されると、その用件フォルダ内の各ブックマーク画像のサムネイル画像P20〜P23が、当該ブックマーク画像が関連づけられた録音音声のタイムコードと共にサムネイル表示部74内に一覧表示される。
またこのときプレーヤ部75の上段には、その用件フォルダに設定されたユーザ名と、上述のようにして選択された用件フォルダのファイル名と、その用件フォルダの録音日時と、その用件フォルダの全録音時間のうちの現在の再生時間とがそれぞれ表示される。
さらに上述のように1つの用件フォルダが選択されると、プレーヤ部75の下段に設けられた各種基本的な操作を行うための複数のボタン90A〜90Jからなる基本操作ボタン群90が活性表示される。かくしてユーザは、この活性表示された基本操作ボタン群90のうちの再生ボタン90A、停止ボタン90B、早送り再生ボタン90C又は早戻し再生ボタン90Dをクリックすることによって、パーソナルコンピュータ41上においてかかる用件フォルダを再生させたり、当該再生を停止させたり、例えば20秒早送りして3秒間再生する動作を繰り返す早送り再生を実行させたり又は例えば20秒早戻しして3秒間再生する動作を繰り返す早戻し再生を実行させることができる。
なお基本操作ボタン群90には、この他イージーサーチボタン90E、90F、ブックマークジャンプボタン90G、90H及び用件切替えボタン90I、90Jが設けられており、このうちイージーサーチボタン90E、90Fをクリックすることによって、そのときパーソナルコンピュータ41上で再生されている用件フォルダについて、10秒だけ早送りして再生動作に戻る早送りイージーサーチ又は3秒だけ戻って再生動作に戻る早戻しイージーサーチを実行させることができる。
またブックマークジャンプボタン90G、90Hをクリックすることによって、パーソナルコンピュータ41上で再生されている用件フォルダの再生位置を前又は次のブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にまでジャンプさせることができ、用件切替えボタン90I、90Jをクリックすることによって、再生対象の用件フォルダをICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83に表示された前又は次の用件フォルダに切り替えることができる。
なおメインウインド70では、サムネイル表示部74内に表示されたサムネイル画像P20〜P22の中から所望のサムネイル画像P20〜P22をダブルクリックすることによっても、対応する用件フォルダをパーソナルコンピュータ41上においてそのサムネイル画像P20〜P22が関連付けられた音声位置から再生させることができる。かくしてユーザは、サムネイル表示部74内に表示されたサムネイル画像P20〜P22に基づいて、対応する用件フォルダの所望位置に迅速にアクセスすることができる。
一方、基本操作ボタン群90の右横には再生スライダーバー91が設けられており、上述のように1つの用件フォルダが選択されたときには、その用件フォルダに含まれる音声ファイルの最初、中央及び最後のタイムコードが再生スライダーバー91に沿ってその下側にそれぞれ表示される。そしてその用件フォルダをパーソナルコンピュータ41上で再生しているときには、現在の再生位置に合わせてスライダ91Aが右方向に順次移動するように表示される。
また再生スライダーバー91の上側には、その用件フォルダ内の各ブックマーク画像が関連付けられたタイムコード位置にそれぞれ対応させて、しおり形状のマーク(以下、これをブックマークと呼ぶ)92が表示される。
そして用件フォルダの再生時、スライダ91がいずれかのブックマーク92と対応付けられたタイムコード位置を経過したとき(すなわち音声フォルダの再生位置がいずれかのブックマーク画像と関連付けられたタイムコード位置を経過したとき)には、そのブックマーク92が例えば赤色に強調表示されると共に、サムネイル表示部74に表示されたサムネイル画像P20〜P22のうちのそのブックマーク92(そのタイムコードに関連付けられたブックマーク画像)と対応するサムネイル画像P20〜P22が赤枠で囲まれるように強調表示され、当該サムネイル画像P20〜P22の下側に表示されたタイムコードが例えば赤色で強調表示される。かくしてユーザは、これらの強調表示に基づいて、全体から見た現在の再生位置を容易に認識することができる。
さらにこのとき再生スライダーバー91の右側に設けられたピクチャウインド93には、サムネイル表示部74に表示されたサムネイル画像P20〜P22のうちのかかる強調表示されたブックマーク92と対応付けられたサムネイル画像P20〜P22のもとのブックマーク画像(すなわち音声フォルダのそのタイムコードに関連付けられたブックマーク画像)が表示される。
この場合ピクチャウインド93は、その右上に表示された拡大ボタン93Aをクリックすることによって、図13に示すように、メインウインド70から分離させた状態に拡大表示させることができ、これによりそのブックマーク画像をより詳細に目視確認することができる。またこの拡大表示されたピクチャウインド94は、その右上に表示された閉ボタン94Aをクリックすることによって、図11のようにもとの位置に縮小表示させることができる。
さらにプレーヤ部75の中段には、用件フォルダ再生時における音量をオン/オフするためのミュートボタン95や、音量設定用のスライダーバー96などの各種操作ボタン及びいくつかのスライダーバーが設けられており、これらをクリックやドロップアンドドラッグ操作することによって、対応する機能を発揮させることができる。
またプレーヤ部75の中段の最も右側には編集ボタン97が設けられており、この編集ボタン97をクリックすることによって所定の編集ウインド(図示せず)をこのメインウインド70に重ねて表示させることができる。かくしてユーザは、この編集ウインドを用いて、そのとき選択している用件フォルダ内の音声ファイルに基づく録音音声に対して各ブックマーク画像が関連付けられた位置を変更する等の編集作業を行うことができる。
他方、パーソナルコンピュータ情報表示部73は、フォルダ情報表示欄100及びファイル情報表示欄101から構成されている。そしてフォルダ情報表示欄100には、そのパーソナルコンピュータ41内の各フォルダのフォルダ構造が階層的に表示され、当該フォルダ情報表示欄100に表示された各フォルダの中からユーザ操作により指定された1つのフォルダに収納されている各ファイルのうち、用件フォルダ編集用アプリが取り扱える所定フォーマットの音声ファイルのファイル名や作成日時等の情報がファイル情報表示欄101に表示される。
そしてこのメインウインド70では、ICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ情報表示欄83に表示された各用件フォルダの中から1つの用件フォルダを選択すると共に、パーソナルコンピュータ情報表示部73のフォルダ情報表示欄100に表示された各フォルダの中から1つのフォルダを選択し、この後ICレコーダ情報表示部72及びパーソナルコンピュータ情報表示部73間に表示された保存ボタン102をクリックすることによって、カメラ付きICレコーダ1からそのICレコーダ情報表示部72において選択した用件フォルダのファイルデータを読み込ませて、そのコピーをパーソナルコンピュータ情報表示部73において選択したパーソナルコンピュータ41内のフォルダ内に格納させることができる。
またメインウインド70では、これと逆に、パーソナルコンピュータ情報表示部73のファイル情報表示欄101に表示された各音声ファイルの中から1つの音声ファイルを選択すると共に、ICレコーダ情報表示部72のフォルダ情報表示欄82に表示された各フォルダの中から1つのフォルダを選択し、この後ICレコーダ情報表示部72及びパーソナルコンピュータ情報表示部73間に表示された追加ボタン103をクリックすることによって、パーソナルコンピュータ情報表示部73において選択した音声ファイルのファイルデータをカメラ付きICレコーダ1に転送させて、これをカメラ付きICレコーダ1内のフラッシュメモリ29(図4)内に格納させることができる。このときカメラ付きICレコーダ1では、かかる音声ファイルのファイルデータが、ICレコーダ情報表示部72において選択したフォルダ内に新たに作成した用件フォルダに収納した状態に格納され、これに応じて管理ファイルMSF(図7)のファイルデータが更新される。
(2−3)メール添付送信機能
ここで本実施の形態の場合、パーソナルコンピュータ41では、ユーザが選択した所望の用件フォルダファイルを汎用性のあるファイル形式に自動的に変換した後、当該用件ファイルを電子メールに添付して送信し得るようになされている。
すなわちCPU50(図10)は、上述のようなメインウインド70(図11)において、ICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83に一覧表示されている各用件フォルダの中から1つの用件フォルダが選択された後、ツールバー71に表示された電子メール機能に対応するアイコン71Cがクリックされると、図14に示す添付ファイル設定画面110をメインウインド70上に重畳表示させる。
この添付ファイル設定画面110には、「用件のみ」、「先頭の画像1枚のみ」及び「用件と先頭の画像1枚のみ」の3種類の設定項目欄M1〜M3を有し、当該各設定項目欄の下段には「OK」及び「キャンセル」の各ボタンBT1、BT2が設定表示されている。
このうち「用件のみ」の設定項目欄M1が選択された場合、用件フォルダのうち音声ファイルのみが送信対象となるように設定される。また「先頭の画像1枚のみ」の設定項目欄M2が選択された場合、用件フォルダのうち先頭の代表画像を表す画像ファイルのみが送信対象となるように設定される。さらに「用件と先頭の画像1枚のみ」の設定項目欄M3が選択された場合、用件フォルダを構成する音声ファイル及び先頭の代表画像を表す画像ファイルが送信対象となるように設定される。
なお、ICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83に表示されている各用件フォルダのうちボイスケープフォーマット以外のフォーマットでなる用件フォルダが選択された場合には、添付ファイル設定画面110では、「用件のみ」の設定項目欄M1が活性表示されるものの、「先頭の画像1枚のみ」及び「用件と先頭の画像1枚のみ」の設定項目欄M2、M3は非活性表示される。
続いてCPU50は、送信対象として選択された用件フォルダがボイスケープフォーマットである場合には、当該用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルを既存の汎用性のある音声画像等の再生用アプリケーション(例えば、フラッシュプレーヤ(マクロメディア社)やメディアプレーヤ(マイクロソフト社)など)上で関連付けて再生し得るようにファイル形式を変換させる。その際、CPU50は、ファイル形式の変換状況を数値及びグラフで表した図15に示すようなファイル形式変換画面115をメインウインド70上に重畳表示させる。
因みに、変換可能なフォーマットの種類は、ユーザがツールバー71に表示されたオプションに対応するアイコン71Dをクリックすることにより、所定の選択画面に列挙された複数種類の再生用アプリケーションとして表される。
かかるフォーマット変換が終了すると、CPU50は、電子メール機能に応じたプログラムを起動して、図16に示すメール設定画面120をメインウインド70上に重畳表示させる。このメール設定画面120は、ユーザが通常設定しているメールソフトの種類に応じた画面構成でなり、本実施の形態の場合には「宛先」、「CC」及び「件名」を表す各入力欄M10〜M12と、添付ファイルが指定されたときのみ表示される「添付」を表す設定表示欄M13と、メール内容を表示入力するための文章入力欄M14とを有する。
かかるメール設定画面120のうち「添付」を表す設定表示欄M13には、指定された用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルの名称及びファイル形式名が表示される。また文章入力欄M14には、指定した用件フォルダに応じた再生用アプリケーションをプラグインとしてインターネット上の所定のWebサイトからダウンロードすることが可能なように、該当するURL(Uniform Resource Locator)等のリンクを貼り付けておくようになされている。
このメール設定画面120においてユーザが各種の設定内容を入力した後、所望の送信先に送信すると、かかるパーソナルコンピュータ41からは、汎用性のある再生用アプリケーションで再生可能なファイル形式に変換された所望の用件ファイルが電子メールに添付された状態で、インターネットを介して送信先のパーソナルコンピュータ(図示せず)に送信される。
このようにして送信先のパーソナルコンピュータでは、予めインストールされ又は必要に応じてダウンロードした再生用アプリケーションを用いることにより、受信した電子メールに添付されている用件フォルダのうち音声ファイルに基づく音声を聴いたり、当該音声に合わせて画像ファイルに基づく画像を目視したりすることができる。
この本実施の形態においては、ユーザが所望の用件フォルダを選択する方法として、メインウインド70のICレコーダ情報表示部72における用件フォルダ表示部83に表示された各用件フォルダの中から選択するようにした場合について述べたが、サムネイル表示部74に列挙表示された複数のサムネイル画像P20〜P22の中から選択するようにしても良い。
この場合、CPU50は、メインウインド70のサムネイル表示部74内に表示されたサムネイル画像P20〜P22の中からユーザにより1つのサムネイル画像P20〜P22が右クリックされると、図17に示す操作選択画面125をメインウインド70上に重畳表示させる。
この操作選択画面には、「再生」、「画像をPCへ保存」、「タイトル画像に設定」、「ブックマークへの編集」及び「メール送信」の各操作項目M20〜M24が列挙されている。このうち「メール送信」の操作項目M24が選択された場合、CPU50は、当該操作選択画面125に代えて、図18に示す添付ファイル設定画面130をメインウインド70上に重畳表示させる。
この添付ファイル設定画面130には、「用件のみ」、「選択した画像1枚のみ」及び「用件と選択した画像1枚のみ」の3種類の設定項目欄M30〜M32を有し、当該各設定項目欄M30〜M32の下段には「OK」及び「キャンセル」の各ボタンBT1、BT2が設定表示されている。
このうち「用件のみ」の設定項目欄M30が選択された場合、用件フォルダのうち音声ファイルのみが送信対象となるように設定される。また「選択した画像1枚のみ」の設定項目欄M31が選択された場合、用件フォルダのうち選択したサムネイル画像を表す画像ファイルのみが送信対象となるように設定される。さらに「用件と選択した画像1枚のみ」の設定項目欄M32が選択された場合、用件フォルダを構成する音声ファイル及び選択したサムネイル画像を表す画像ファイルが送信対象となるように設定される。
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、カメラ付きICレコーダ1とUSBケーブル42を介して接続されたパーソナルコンピュータ41では、用件フォルダ編集用アプリの起動後、ディスプレイ62上にメインウインド70を表示させた状態で、ユーザがICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83又はサムネイル表示部74から所望の用件フォルダ又はサムネイル画像を選択すると、添付ファイル設定画面110、130がメインウインド70上に重畳表示される。
このときユーザはメインウインド70内のICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83に表示されている各用件フォルダや、サムネイル表示部74に表示されている各サムネイル画像を直接マウスを用いて選択するだけで、対応する用件フォルダを電子メールに添付する添付ファイルとして設定することができることから、用件フォルダの名称等をキーボードを用いて所定の入力項目に入力する場合と比較して、ユーザにとって格段と操作性を向上させることができる。
続いてユーザは、この添付ファイル設定画面110、130を用いて所望の用件フォルダを選択すると、その用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルは、汎用性のある再生用アプリケーションで関連付けて再生可能なファイル形式に変換される。
そしてユーザがファイル形式を変換した用件フォルダを電子メールに添付して所望の送信先に送信すると、当該送信先のパーソナルコンピュータでは、予めインストールされ又は必要に応じてダウンロードした再生用アプリケーションを用いて、受信した用件フォルダを再生することにより、当該用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルに基づく音声及び画像を出力することができる。
この結果、送信先のパーソナルコンピュータをもつユーザは、用件フォルダのうち音声ファイルに基づく音声を聴きながら、その音声に合わせて画像ファイルに基づく画像を目視することができる。
なお、送信元のパーソナルコンピュータにおいて、電子メールのメール内容に、指定した用件フォルダに対応する再生用アプリケーションをダウンロード可能なURL等のリンクを貼り付けておくことにより、送信先のパーソナルコンピュータにおいて当該再生用アプリケーションが予めインストールされていなくても、容易に用件フォルダを再生することができる。
以上の構成によれば、パーソナルコンピュータ41において、カメラ付きICレコーダ1から各用件フォルダを取得しておき、ディスプレイ62上に用件フォルダ編集用アプリに基づくメインウインドを表示させた状態で、ICレコーダ情報表示部72の用件フォルダ表示欄83又はサムネイル表示部からユーザによって所望の用件フォルダ又はサムネイル画像が選択されると、対応する用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルを汎用性のある再生用アプリケーションで関連付けて再生可能なファイル形式に変換した後、当該用件フォルダを電子メールの添付ファイルとして送信先に送信するようにしたことにより、送信先のパーソナルコンピュータにおいて受信した用件フォルダを構成する音声ファイル及び画像ファイルを関連付けて再生することができ、かくしてユーザの使い勝手を格段と向上し得るパーソナルコンピュータ41を実現できる。
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明をカメラ付きICレコーダ1から各用件フォルダを取得可能なパーソナルコンピュータ41に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、用件フォルダ編集システム40を構成する機器であれば、1又は複数の音声位置にそれぞれ画像情報が関連付けられた音声情報を再生する再生装置など種々のデータ処理装置に広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、パーソナルコンピュータ41及びカメラ付きICレコーダ1をUSBケーブル42を介して接続することで、上述のようにパーソナルコンピュータ41上でカメラ付きICレコーダ1内に保存された用件ファイルを再生等できるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばカメラ付きICレコーダ1のフラッシュメモリ29を着脱自在とし、これをパーソナルコンピュータ41に装着することで、当該フラッシュメモリ29に格納されている用件ファイルを再生等できるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、各種命令を入力するためのGUIとしてのメインウインド70を図11のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用することができる。
さらに上述の実施の形態においては、ディスプレイ(表示手段)62上のメインウインド70におけるICレコーダ情報表示部72内の用件フォルダ表示欄83に表示された各用件フォルダを、用件単位でファイル化された音声情報の第1の表示形態として表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、音声情報のファイルを用件単位でユーザに目視確認させることができれば、種々の表示形態に広く適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、ディスプレイ(表示手段)62上のメインウインド70におけるサムネイル表示部74に表示された各サムネイル画像を、各音声情報のファイルとそれぞれ関連付けられた画像情報の第2の表示形態として表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、音声情報のファイルを用件単位でユーザに目視確認させることができれば、種々の表示形態に広く適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、選択された用件フォルダ(第1の表示形態)を表す用件について、当該用件を構成する音声情報のファイルを所定の再生用アプリケーションで再生可能な形式に変換する形式変換手段として、ファイル形式変換画面115(図15)を用いた変換処理を実行するCPU50を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ユーザが指定する種々多様な再生用アプリケーションに変換することができれば、種々の構成のものに広く適用することができる。この場合、音声情報のファイル及び各画像情報を1つの用件とする場合には、これらを関連付けて再生可能な形式に変換する再生用アプリケーションに用いるようにすれば良い。
さらに上述の実施の形態においては、音声情報のファイルとこれに関連する画像情報とを1つの用件とする場合、1枚の画像のみを画像情報とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、複数枚の画像を画像情報とするようにしても良い。この場合、再生用アプリケーションとしては、複数の画像を音声ファイルの時系列に合わせて再生可能なように動画に近いタイプのものを適用すれば良い。
1……カメラ付きICレコーダ、24、50……CPU、29……フラッシュメモリ、40……用件ファイル編集システム、41……パーソナルコンピュータ、60、……キーボード、61……マウス、62……ディスプレイ、63……スピーカ、70……メインウインド、74……サムネイル表示部、90、122……基本操作ボタン群、90A、122A……再生ボタン、91、123……再生スライダーバー、92……ブックマーク、93、94……ピクチャウインド、110、130……添付ファイル設定画面、115……ファイル形式変換画面、120……メール設定画面、125……操作選択画面、P20〜P22……サムネイル画像。