JP2006170878A - 電子回路デバイス、および、その測定方法 - Google Patents

電子回路デバイス、および、その測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】IC内部出力TRの高精度測定方法。
【解決手段】ICチップ21内のトランジスタ23,24は、制御回路22によってオンとオフが切り替えられる。同じICチップ21内に、第1外部端子29の2つの対トランジスタ結合点と電圧モニタ用外部端子48との間、第2外部端子35の2つの対トランジスタ結合点と電圧モニタ用外部端子48との間にそれぞれ結合する4つの電圧モニタ・スイッチ41〜44が形成されている。これらの電圧モニタ・スイッチ41〜44は、デコード回路51によってスイッチング動作が制御される。これによりICテスタは、第1または第2外部端子29または35の対トランジスタ結合点の電圧を測定することができる。この測定値を、コンタクト・プローブ71と73を介した測定時の電圧から引くことにより、接触抵抗成分を求めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2つの外部端子から電流を入出力して動作するトランジスタを内部に含む電子回路デバイスと、前記2つの外部端子間抵抗の測定ステップを含む電子回路デバイスの測定方法とに関する。
半導体集積回路(IC)デバイスにおいて、たとえば、その内部のトランジスタをスイッチング動作させることによって、そのデバイスのパッケージの外側にある2つのピン(外部端子)間をハイインピーダンスあるいはローインピーダンスにして大電流を制御する動作を実行することがある。このためにデバイス内部に制御回路を備え、トランジスタのオンとオフを切り替える。このような電流制御は、電力を無駄なく負荷に伝えるために設計された、たとえば、DC/DC変換器や電力供給がスイッチを介して流れる回路などに適用される。
このようなデバイスに対し、2つの外部端子間に大きな電流を流して、この外部端子間の抵抗を測定するテストを行うことがある。一般には、このようなテストは、2つの外部端子の各々をコンタクト・プローブに接続し、2つのコンタクト・プローブに接続された抵抗をテスタにより測定することによって実行される。
このテスト時に、電流経路に寄生的につながる抵抗成分などにより高い精度での測定が困難となる。以下、このことをより詳細に述べる。
通常、2つの外部端子間の抵抗は、ICチップ内に形成されているトランジスタの主要電流チャネルの抵抗、ICチップ内の配線、ICチップとパッケージの接続抵抗、接続体(ワイヤまたは外部端子)の内部抵抗、外部端子とテストピン(コンタクト・プローブ)との接触抵抗を含む。このうちコンタクト・プローブと外部端子との接触抵抗は測定ごとに変動し、不確定な要素になり得る。また、トランジスタの主要電流チャネルの抵抗以外に、どの程度の抵抗成分が存在するかが不明である。
したがって、トランジスタをオンしたときのオン抵抗の測定時に、オン抵抗以外の抵抗成分がパッケージの組み立てや測定によってばらついている可能性があり、その値も未知であることから、測定値から、この他の抵抗成分(統計的に得られた平均の抵抗値、あるいは、予想値)を差し引くだけでは、実際のオン抵抗を正確に見積もることが困難である。このことから、オン抵抗の規格を満足する良品が不合格になり、あるいは逆に、オン抵抗の規格から外れた不良品が合格と判断されることがある。また、非常に小さなパッケージがテストされる場合に極めて小型で高価なプローブピンを用いる必要があり、このテストの精度を保つにはプローブピンに絶え間なく保全を必要とし、結果として非常にコストがかかる。
この問題を克服する1つの方法は、4点測定法を用いることである。
4点測定法においては、電流は外部端子の第1のペアを介して測定対象の電子回路デバイスに供給される。この第1のペアを介した電流供給ラインをフォースラインという。電子回路デバイスに電流が供給された結果として、第1のペアとは別に設けた外部端子の第2のペアに電圧差が生じる。この電圧差をテスタの電圧計により読み取る。この電圧測定用の外部端子ペア(第2のペア)に接続された電圧測定経路をセンスラインという。
このとき電圧計の入力インピーダンスが極めて高く、センスラインに殆ど電流が流れないことから、外部端子の第2のペアにより測定された電圧差は、第1のペアを構成する各外部端子とプローブピンとの接触抵抗に起因する電圧降下を含まない。
しかし、パッケージング後に4点測定法を用いてテストが実行される場合に、パッケージに設けられている2つの外部端子の各々に対して、それぞれ2つのコンタクト・プローブを確実に接触させる必要があることから、この方法もコストがかかる。また、狭ピッチの半ボール形状を有する外部端子を有するパッケージ、たとえばBGA(Ball Grid Array)においては、1つの外部端子に2つのコンタクト・プローブを接触させることは困難である。
また、トランジスタの抵抗を2つの外部端子を介して測定するために設計されたデバイスおよびテスト技術として、デバイス内部に2つのトランジスタを設け、この2つのトランジスタを制御して、オン抵抗以外の等価直列抵抗成分を求める方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
この方法は、2つの外部端子の各々に対し1つのコンタクト・プローブを接触させることから、上記4点測定法のような接触に関する困難性はない。また、デバイス設計において本来1つのトランジスタを2つのトランジスタに分けて形成する必要があり、幾分かはトランジスタの占有面積が大きくなることもあるが、4点測定法に比べるとコスト的な不利益は僅かである。
図12は、特許文献1に記載の技術が適用された電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときに電子回路デバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。
電子回路デバイス110は、内部にICチップ100を収容しているパッケージ製品である。ICチップ100内に、第1および第2トランジスタ112aと112b、これらに電力を供給するためのパッド101a,101b,102aおよび102b、ならびに、第1および第2トランジスタ112aと112bの各ゲートに結合されている制御回路103が形成されている。
第1トランジスタ112aのソースとドレインの一方にパッド101aが接続され、他方にパッド102aが接続されている。同様に、第2トランジスタ112bのソースとドレインの一方にパッド101bが接続され、他方にパッド102bが接続されている。
電子回路デバイス110は、外部端子114と116とを有する。外部端子114にパッド101aと101bが内部接続体、たとえばワイヤにより接続され、外部端子116にパッド102aと102bが同様に内部接続体により接続されている。
外部端子114にコンタクト・プローブ115を介してテスタ内の電圧源118を接続する。外部端子116にコンタクト・プローブ117を介してテスタ内の電流源119を接続する。電流源119とコンタクト・プローブ117との接続中点と接地電位との間にテスタ内の電圧計120を接続する。
このようにしてテスタに接続されテスト中の電子回路デバイス110を、とくに被テストデバイス(Device Under Test)と称する。
第1および第2トランジスタ112aと112bは、ICチップ100内の機能回路、たとえばDC/DC変換回路の一部であり、ある電圧がソースとドレイン間に印加されることにより、その一方側に接続されている外部の負荷に電流を流す動作を行う。
この通常の動作モードにおいては、第1および第2トランジスタ112aと112bは同期してオン(導電性)、オフ(ほぼ非導電性)が切り替えられる。つまり、通常の動作モードにおいては、第1トランジスタ112aがオンのときは第2トランジスタ112bもオン、第1トランジスタ112aがオフのときは第2トランジスタ112bもオフするように、制御回路103が、第1および第2トランジスタ112aと112bのゲート電圧を制御する。第1および第2トランジスタ112aと112bの双方がオン(導電性)のときに外部端子114と116の間の抵抗は、トランジスタ112a,112bの主要電流チャネルの抵抗、およびこれらの主要電流チャネルを出力に接続する導体(配線、パッド、ワイヤ、外部端子など)の抵抗によって実質的に決定される。
通常の動作モードにおいて、第1および第2のトランジスタ112a,112bの主要電流チャネルが外部端子114と116の間に並列に接続されていることから電流が2つの経路に分流される。このことから、各トランジスタからパッドまでの電流経路おいて電流密度が緩和され、エレクトロマイグレーションの発生が有効に防止される。
図12に示す第1および第2トランジスタ112a,112bをDC/DC変換回路内の出力制御用に用いる場合、外部端子114と116の間の抵抗は、DC/DC変換の効率にとって主要なパラメータとなる。この効率が仕様に適合することを確かめるために、パッケージング後の電子回路デバイス110が基板に実装される前に、電子回路デバイス110の外部端子114と116との間の抵抗を測定することが望まれる。
この抵抗は、たとえば100〜500[mΩ]の範囲内でなければならない。抵抗が指定された値よりも高いときには、電子回路デバイス110は不合格とされる。外部端子114とコンタクト・プローブ115、および、外部端子116とコンタクト・プローブ117とは、ハンドラ(handler)を用いて機械的に接触させ、この測定を実行することが好ましい。
しかしながら、このようなハンドラ(handler)を用いての接触における接触抵抗は、通常、不安定であり、たとえば、50〜500[mΩ]の間で変化することがある。つまり、接触抵抗は、その電子回路デバイスに必要とされる端子間抵抗の仕様に既定された下限値(たとえば100[mΩ])を超えて大きく変化し得る。この場合、端子間抵抗の測定値の信頼性が極めて低く、測定精度の向上が望まれる。
この問題を解決するために、制御回路103によって、第1および第2トランジスタ112a,112bがテスト動作モードになることができるようにする。
テスト動作モードにおいては、制御回路103は、トランジスタ112a,112bのいずれか一方をオン(導電性)にし、他方をオフ(ほぼ非導電性)にする。制御回路103は、トランジスタ112a,112bの両方をテスト動作モードにおいて同時にオンするようにしてもよいが、同時にオンすることは通常の動作モードにおいてすでに得られていることから、これは必ずしも必要なことではない。
図13は、図12の回路がハンドラに接続されトランジスタ112a,112bの両方がオン(導電性)であるときの、これらトランジスタとハンドラにおける等価的な抵抗を示す回路図である。以下、この図13に加え、必要に応じて図12を参照しつつ特許文献1の記載に基づいて予想される背景技術の測定方法を記述する。
図13に示す抵抗は、第1および第2トランジスタ112a,112bのオン抵抗R1,R2と、それらの並列配置に対して直列に等価的に接続される抵抗(等価直列抵抗)Rcpとからなる。オン抵抗R1,R2は、トランジスタ112a,112bの各主要電流チャネルの抵抗、および、これらのチャネルが互いに接続されているノード間の総てのデバイス内付加抵抗に対応する。等価直列接触抵抗Rcpは、これらのノードからテスタ内の電圧源118あるいは電流源119までの抵抗に対応する。
図12を参照すると、等価直列接触抵抗Rcpには、ハンドラ内のコンタクト・プローブ115と電子回路デバイスの外部端子114との接触抵抗、コンタクト・プローブ117と外部端子116との接触抵抗、ならびに、前記導体(配線、パッド、ワイヤ、外部端子など)の抵抗が含まれる。
図13において、通常の動作モードにおいて3つの抵抗、すなわち2つのオン抵抗R1,R2と1つの等価直列接触抵抗Rcpの合成抵抗は、電圧源118の供給電圧(一定電圧)からの降下電圧を電圧計120により測定したときの測定値と、電流源119が流す一定電流の値とを用いた計算によって求めることができる。また、第1および第2トランジスタ112a,112b(図12参照)の一方をオン、他方をオフし、逆に、一方をオフし他方をオンしたときに、オン抵抗R1またはR2と等価直列接触抵抗Rcpの合成抵抗は、上記同様な計算によって求めることができる。つまり、求めようとする抵抗値が3つ、測定が3回であることから、未知数が3つの3連立方程式を解くことによって、オン抵抗R1,R2および等価直列接触抵抗Rcpの値が算出できる。
つまり、トランジスタ112a,112bの両方の主要電流チャネルが導電性である通常の動作モードにおいては、接触抵抗Rcpが抵抗R1,R2の並列抵抗R1//R2(=R1*R2/(R1+R2))に対して直列に接続されていることから、ハンドラを介して測定される抵抗は、合成抵抗Z(=R1//R2+Rcp)に等しい。
一方、第1トランジスタ112aが導電性であり第2トランジスタ112bが非導電性であるテスト動作モードにおいて、ハンドラを介して測定される抵抗は、合成抵抗X(=Rcp+R1)に等しい。逆に、第1トランジスタ112aが非導電性であり第2トランジスタ112bが導電性であるテスト動作モードにおいて、ハンドラを介して測定される抵抗は、合成抵抗Y(=Rcp+R2)に等しい。
等価直列接触抵抗Rcpは予測不能ではあるが、以上をまとめると次式(1-1)〜(1-4)が成立することが特許文献1に記載されている。
[数1]
R1//R2=SQRT[Z*(Z−X−Y)+X*Y] …(1-1)
Rcp=Z−R1//R2 …(1-2)
R1=X−(Z−R1//R2) …(1-3)
R2=Y−(Z−R1//R2) …(1-4)
特許文献1の記載によれば、3つの抵抗X,Y,Zの連続的な測定から個々の抵抗R1,R2および接触抵抗Rcpおよび並列抵抗R1//R2を算出するために、3つの抵抗X,Y,Zの連続的な測定に必要とされる期間の間においては、これらが充分に一定値を維持している。ここで、"SQRT"は平方根の関数を意味し、いかなる“u”に対してもSQRT(u)*SQRT(u)=uである。したがって、外部端子114と116とハンドラのプローブとの間の不安定な接触抵抗を含む接触抵抗Rcpが未知であるにもかかわらず、通常の動作モードにおいて使用されるトランジスタ112a,112bの並列抵抗R1//R2がテストされ得る。同様に、個々の抵抗R1,R2がこの方法でテストされ得る。さらに、接触抵抗Rcpが閾値よりも高くなり、ハンドラに問題があることを意味する場合に、警告信号が与えられるようにすることもできる。
このようにして、接触抵抗を、トランジスタの抵抗の測定値から除くことができる。
特表2003−532082号公報
ところが、特許文献1に記載されている方法によれば、求めた等価直列接触抵抗(Rcp)が異常に大きくなった場合に、それが、ハンドラ内のコンタクト・プローブと外部端子との接触抵抗によるものか、あるいは、他の抵抗成分、すなわちデバイス内の導体(配線、パッド、ワイヤ、外部端子など)の抵抗によるものかが不明である。
このような場合、通常、デバイスの外部端子とコンタクト・プローブとを一旦非接触とし、その後、再度両者を接触させて測定を行い、これを何度か繰り返す。それでも改善が見られない場合は、コンタクト・プローブのメンテナンスまたは交換などの対策を行った後、さらに何度か測定を繰り返す。
このような煩雑な操作を行い、それでも改善が見られない場合は、抵抗値の増大の原因がプローブの接触抵抗ではなくデバイス内部の抵抗の増大であると推定できる。
ただし、接触抵抗の値そのものが不明であることから、不良解析が手間取り、このことが測定コストおよび開発コストの増大につながる。また、接触抵抗を含まない端子間抵抗値の規格を設定できないことから、デバイスの品質管理も不十分である。
本発明が解決しようとする課題は、デバイス内のトランジスタのオン抵抗を含む外部端子間の抵抗の測定値から接触抵抗成分を分離でき、これにより不良解析を容易にし、また、デバイスの品質管理をしやすくすることである。
本発明に係る電子回路デバイスは、第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタを内部回路に含む電子回路デバイスであって、前記トランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって形成され、電圧モニタ用外部端子と、前記第1および第2のトランジスタの少なくとも一方において、前記第1外部端子の対トランジスタ結合点と前記電圧モニタ用外部端子との間、前記第2外部端子の対トランジスタ結合点と前記電圧モニタ用外部端子との間にそれぞれ結合するように前記内部回路に形成されている少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチと、前記第1および第2トランジスタの一方をオンし他方をオフする動作、一方をオフし他方をオンする動作、双方をオンする動作を切り替える第1制御回路と、前記少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチのスイッチング動作を制御し、前記第1または第2外部端子の前記対トランジスタ結合点の電圧を前記電圧モニタ用外部端子から出力可能にする第2制御回路と、を有する。
この電子回路デバイスにおいては、第1外部端子と第2外部端子との間に互いに並列に接続されている第1トランジスタと第2トランジスタは、第1制御回路の制御によって通常の動作時に共にオンし、テスト時に一方がオンし、他方がオフし、さらに、この状態を切り替えるように動作する。
また、第1および第2トランジスタの少なくとも一方のチャネル方向両側に2つの電圧モニタ・スイッチが設けられている。その制御を行う第2制御回路は、テスト時にオンしている第1または第2トランジスタ側と反対側の他のトランジスタ側で電圧モニタ・スイッチをオンさせる場合、このオンした電圧モニタ・スイッチを通る電圧センスラインがデバイス内部から、第1または第2外部端子に接続される。
本発明に係る電子回路デバイスの測定方法は、第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって内部回路に形成されている電子回路デバイスに対し、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の抵抗を測定する電子回路デバイスの測定方法であって、前記第1および第2トランジスタの各々に対し、前記第1外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、前記第2外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、を前記内部回路に予め形成しておき、前記測定において、前記第1トランジスタに一定電流を流したときに、前記第2トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第1測定ステップと、前記第1トランジスタに一定電流を流したときに、前記第2トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第2測定ステップと、前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第3測定ステップと、前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第4測定ステップと、前記第1〜第4測定ステップで得られた測定結果に基づいて、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の端子間抵抗を算出する端子間抵抗算出ステップと、を含む。
本発明に係る電子回路デバイスの他の測定方法は、第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって内部回路に形成されている電子回路デバイスに対し、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の抵抗を測定する電子回路デバイスの測定方法であって、前記第1トランジスタに対し、前記第1外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、前記第2外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、を前記内部回路に予め形成しておき、前記測定において、前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第1測定ステップと、前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第2測定ステップと、前記第1および第2測定ステップの結果から、前記第1および第2外部端子に前記一定電流を流すための接点の接触抵抗を算出する接触抵抗算出ステップと、前記第1トランジスタに接続されている2つの電圧モニタ・スイッチを共にオフし、前記第1および第2トランジスタの合計で前記一定電流の2倍の電流を流したときに、前記第1および第2外部端子に前記電流の入出力経路で電位差を測定する第3測定ステップと、前記第3測定ステップの測定結果から、前記接触抵抗算出ステップで得られた接触抵抗を引いて、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の端子間抵抗を算出する端子間抵抗算出ステップと、を含む。
本発明によれば、オンした電圧モニタ・スイッチを通る電圧センスラインがデバイス内部から、第1または第2外部端子に接続されることから、その電圧測定値が、第1または第2外部端子に対し電流を入出力させるための接点における接触抵抗の影響を受けずに誤差が小さいことから、測定精度が向上している。
このため、接触抵抗を含まない電子回路デバイス外部からの抵抗(より正確には、外部端子間から電子回路デバイス内部を見た時の等価抵抗)を、測定条件によらず精度よく測定することができる。また、その結果として、第1および第2外部端子間の抵抗の測定値から接触抵抗成分を分離でき、デバイス内部の抵抗成分の異常を精度よく検出できる。このことは、不良解析を容易にする。また、接触抵抗を含まない端子間抵抗の規格化が可能であり、これによりデバイスの品質管理が容易になる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に述べる。
本発明は、ある電圧がソースとドレイン間に印加され、ゲートに印加される電圧に応じてオン/オフすることにより電流を負荷に流すトランジスタを含む回路を有する電子回路デバイスに広く適用できる。
電子回路デバイスとしては、半導体ウェハ、半導体ウェハから切り出したチップ(集積回路;IC)、当該チップをパッケージに収容したIC製品、幾つかのIC製品および個別半導体部品を小型基板に実装したモジュール製品のいずれであってもよい。以下、ICチップをパッケージ収容したIC製品を前提とする。パッケージとしては、0Pパッケージ、TSSOPパッケージのような標準的なインラインパッケージ、若しくは、BGA(Ball Grid Array)やフリップチップなどの高密度パッケージの形態など任意である。
回路の機能は任意であるが、たとえば同期整流型のDC−DCコンバータ、レギュレータ、D級オーディオアンプ、その他の回路の出力段(ドライバ、バッファなど)といった、出力電圧や出力電流を正確に制御する必要がある回路に対し、いわゆるケルビン接点を用いた測定を行う場合に本発明は好適に実施できる。
とくに本発明は、電子回路デバイスの外部リード(外部端子)に1接点で接続することが必須なパッケージの形態、たとえばBGAやフリップチップ実装に有用である。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。図1において、テスト対象である電子回路デバイス20、コンタクト・プローブ71,73,75,77〜79、シリアル信号を出力するデジタル信号発生部80と電源部および計測部を装備したコンピュータ内蔵のICテスタを示す。なおコンタクト・プローブを固定するソケットのハウジング、ハンドラ、テストヘッド、デバイスインターフェースボードなどは図示していない。
電子回路デバイス20は、内部にICチップ21を収容しているパッケージ製品である。
ICチップ21内に、第1および第2トランジスタ23,24、これらに電力を供給するための第1パッド25,第3パッド26,第4パッド31および第2パッド32、ならびに、第1および第2トランジスタ23,24の各ゲートに結合されている制御回路22を有する。この制御回路22は、本発明における「第1制御回路」に該当する。
第1トランジスタ23のソースとドレインの一方に第1パッド25が接続され、他方に第2パッド32が接続されている。同様に、第2トランジスタ24のソースとドレインの一方に第3パッド26が接続され、他方に第4パッド31が接続されている。
電子回路デバイス20は、第1および第2外部端子29,35を有する。第1外部端子29に対し第1パッド25と第3パッド26が内部接続体、たとえばワイヤ27と28により接続され、第2外部端子35に対し第4パッド31と第2パッド32が同様に内部接続体、たとえばワイヤ33と34により接続されている。
第1外部端子29にコンタクト・プローブ71を介してICテスタ内の電圧源72が接続されている。第2外部端子35にコンタクト・プローブ73を介してICテスタ内の電流源74が接続されている。
このようにしてICテスタに接続されテスト中の電子回路デバイス20を、とくに被テストデバイス(Device Under Test)と称する。
第1および第2トランジスタ23,24は、ICチップ21内の機能回路、たとえばDC/DC変換回路の一部であり、ある電圧がソースとドレイン間に印加されることにより、その一方側に接続されている外部の負荷に電流を流す動作を行う。
この通常の動作モードにおいては、第1および第2トランジスタ23,24は同期してオン(導電性)、オフ(ほぼ非導電性)が切り替えられる。つまり、通常の動作モードにおいては、第1トランジスタ23がオンのときは第2トランジスタ24もオン、第1トランジスタ23がオフのときは第2トランジスタ24もオフするように、制御回路22が、第1および第2トランジスタ23,24のゲート電圧を制御する。第1および第2トランジスタ23,24の双方がオン(導電性)のときに第1および第2外部端子29,35の間の抵抗は、第1および第2トランジスタ23,24の主要電流チャネルの抵抗、およびこれらの主要電流チャネルを出力に接続する導体(配線、パッド、ワイヤ、外部端子など)の抵抗によって実質的に決定される。
通常の動作モードにおいて、第1および第2のトランジスタ23,24の主要電流チャネルが第1および第2外部端子29,35の間に並列に接続されていることから電流が2つの経路に分流される。このことから、各トランジスタからパッドまでの電流経路おいて電流密度が緩和され、エレクトロマイグレーションの発生が有効に防止される。
本実施の形態のICチップ21において、第1トランジスタ23のソースとドレイン、第2トランジスタ24のソースとドレインの各々に対し、電圧モニタ・スイッチ41〜44が1つずつ設けられている。電圧モニタ・スイッチ41が第1トランジスタ23のドレインに接続され、電圧モニタ・スイッチ42が第2トランジスタ24のドレインに接続され、電圧モニタ・スイッチ43が第2トランジスタ24のソースに接続され、電圧モニタ・スイッチ44が第1トランジスタ23のソースに接続されている。これら4つの電圧モニタ・スイッチ41〜44は、共通の内部配線(センスラインの一部)45を介してICチップ21の電圧モニタ・パッド46に接続されている。電圧モニタ・パッド46は、電子回路デバイス20のパッケージに設けられている電圧モニタ用外部端子48にワイヤ47により接続されている。電圧モニタ用外部端子48はコンタクト・プローブ75と接触し、これによりICテスタ内の電圧計76に接続されている。
電圧モニタ・スイッチ41〜44は、単独のスイッチ素子あるいは複数のスイッチ素子を組み合わせた回路からなる。電圧モニタ・スイッチ41〜44は、テスト時に第1または第2外部端子29,35、あるいは、トランジスタのノード電圧をモニタするためのフォースラインとなる内部配線45を確保するために設けたものである。
なお、内部配線45に接続される電圧モニタ・スイッチは、図1に示す4個の電圧モニタ・スイッチ41〜44のみに限定されるわけでなく、必要に応じ追加できる。
電圧モニタ・スイッチ41〜44の制御は、本実施の形態においてICチップ21内に設けたデコード回路51によって実行される。デコード回路51は、本発明の「第2制御回路」に該当する。
デコード回路51は、電子回路デバイス20内部の様々な状態を制御するための回路であり、3線入力形式のラインが接続される制御入力端子52,53および54と電気的につながっている。
シリアル3線入力形式の制御信号は、入力データDATA、クロック信号CLK、ストローブ信号STBからなるシリアル制御信号であり、これらがICテスタ内のデジタル信号発生部80からケーブル、コンタクト・プローブ77〜79を介して制御入力端子52〜54に入力される。
なお、シリアル制御信号はシリアル3線に限らず、シリアル2線など他の形態でもよい。シリアル2線の形態を有するものとしては、IICバスなどが挙げられる。
デコード回路51は、制御入力端子52から入力される制御データDATA、および、制御入力端子54から入力されるストローブ信号STBを、制御入力端子53から入力されるクロックCLKに同期してデコードする。
制御データDATAは、第1および第2トランジスタ23,24、ならびに、電圧モニタ・スイッチ41〜44の導電性と非導電性の状態を決める元となるデータである。このため制御データDATAには、通常の動作モードに対応するアドレスのほかに、トランジスタの特性測定を指示するテストモードに対応するアドレスが割り当てられている。
ストローブ信号STBは、本来はディスイネーブル機能を有効/無効にするなどの目的で入力されるものであるが、ここでは、通常の動作モードとテストモードとを切り替えるために用いられ、そのためのアドレスが割り当てられている。
通常の動作モードにおいて、デコード回路51は不図示の他の回路部分を制御するための制御信号83〜(任意)を出力する。
テストモードにおいて、デコード回路51は、そのデコード結果に応じて電圧モニタ・スイッチ41〜44の何れか1つをオンし、他をオフするためのスイッチ制御信号63〜66を電圧モニタ・スイッチ41〜44の制御ノードに出力する。
さらに、デコード回路51は、通常の動作モードおよびテストモードにおいて、制御回路22を制御するための制御信号61およびクロック信号62を出力する。
制御回路22は、通常の動作モードにおいて、デコード回路51からの制御信号およびクロック信号61に応じて、第1および第2トランジスタ23,24を同時にオンまたはオフさせる。また、制御回路22は、テストモードにおいて、デコード回路51からの制御信号およびクロック信号61に応じて、第1および第2トランジスタ23,24の何れか一方をオン、他方をオフし、さらに所定のシーケンスに応じて、その状態を切り替える。
これらのトランジスタを含む回路が同期整流型のDC−DC変換回路の場合、その出力メインスイッチ用MOSFETおよび同期整流用MOSFETを制御するPWM(Pulse Width Modulation)コントロール回路が、この制御回路22に該当する。なお、この具体例の回路は、後述する第3の実施の形態において図示し、詳述する。
図2に電圧モニタ・スイッチの具体例を示す。
図2(A)に示す1つの電圧モニタ・スイッチを、図2(B)に示すトランスファゲート構成により実現することができる。図2(C)には、その制御入力ノードCONTに印加される電圧のレベルに応じてスイッチのオンとオフの動作の対応を図表により示す。
図2(B)に示す電圧モニタ・スイッチにおいて、PMOSデバイスMPとNMOSデバイスMNとのソース同士、ドレイン同士が接続され、その一方の共通接続点が入力ノードSinに接続され、他方の共通接続点が出力ノードSoutに接続されている。PMOSデバイスMPのゲートにCMOSインバータINVの出力が接続され、CMOSインバータINVの入力とNMOSデバイスMNのゲートが制御入力ノードCONTに接続されている。
測定において内部配線45へ接続される電圧計76(図1参照)の入力インピーダンスは、通常10MΩ以上と十分高い。このため内部配線45に電流がほとんど流れず、図2(B)に示すトランスミッションゲートの抵抗成分(オン抵抗;たとえば1kΩ)および入力電圧レベルの変化による抵抗変化分ΔR(たとえば、500Ω)による測定誤差は問題とならない。図2(B)に示すCMOSインバータINVは、制御入力ノードCONTから入力された所定の制御電圧を反転し、PMOSデバイスMPのゲートに与える。ここでは、図2(C)に示すように、制御電圧がHレベルの時、トランスミッションゲート(PMOSデバイスMPおよびNMOSデバイスMN)がオンし、Lレベルの時にオフする。制御入力ノードCONTは、図1において制御回路22に接続され、制御回路22から制御電圧(制御信号63〜66)がクロックCLKに同期して供給される。
つぎに、このように構成される電子回路デバイス20の測定方法を、図1および図3を参照しつつ述べる。
図3は、図1における第1および第2トランジスタ23,24、4つの電圧モニタ・スイッチ41〜44、それらのフォースライン(電圧源72と電流源74による電流経路)とセンスラインの等価回路図である。図3においては、電子回路デバイス20がハンドラに接続された測定時に、フォースラインとセンスラインに直接関係する等価回路成分のみ示し、図1に示す制御回路22やデコード回路51は図示していない。
電子回路デバイス内の第1トランジスタ23は、第1トランジスタのスイッチ23Sと主要電流チャネルの内部抵抗Ron1との直列接続回路により等価的に表されており、第2トランジスタ24は、第2トランジスタのスイッチ24Sと主要電流チャネルの内部抵抗Ron2との直列接続回路により等価的に表されている。なお、トランジスタの内部抵抗は、本来、そのオンとオフとでは大きく値が変化するものである。ただし図3におけるフォースラインにおいては、第1,第2トランジスタ23または24がオンのときにのみ、その内部抵抗値が測定に関与する性質上、以下、これらの内部抵抗Ron1,Ron2のことを単に「オン抵抗」と称する。
図3において、抵抗Raは、第1外部端子29から第1トランジスタ23に対する結合点(内部ノード)NDin1までの等価抵抗を示し、抵抗Rbは、第1外部端子29から第2トランジスタ24に対する結合点(内部ノード)NDin2までの等価抵抗を示し、抵抗Rdは、第2外部端子35から第2トランジスタ24に対する結合点(内部ノード)NDin3までの等価抵抗を示し、抵抗Reは、第2外部端子35から第1トランジスタ24に対する結合点(内部ノード)NDin4までの等価抵抗を示す。
また、接触抵抗Rc1とRc1は、第1外部端子29から電圧源72までのコンタクト・プローブの接触抵抗を含んだ等価抵抗を示し、接触抵抗Rc2は、第2外部端子35から電流源74までのコンタクト・プローブの接触抵抗を含んだ等価抵抗を示す。
なお、先ほど述べたようにセンスラインへ接続される電圧計76の入力インピーダンスは十分高いことから、センスラインには電流はほとんど流れない。したがって電圧モニタ・スイッチ41,42,43および44のオン抵抗やテスト端子から電圧計76までの抵抗は無視できることから、これらの抵抗を図3において省略している。
また、第1および第2外部端子29,35の導体抵抗は、ボンディングワイヤ、ボンディングパッド、コンタクト・プローブの接触抵抗などの等価抵抗に対し十分小さいので電気的にショートと見なしてもよいし、抵抗Ra〜Rdのそれぞれ、あるいは、接触抵抗Rc1とRc2のそれぞれに含ませてもよい。
この測定の基本的コンセプトは、電子回路デバイス内部と電子回路デバイス外部にまたがって4点測定法を実現するものである。また、この測定の目的は、図3において第1外部端子29と第2外部端子35から電子回路デバイス内部を見た時の等価抵抗(以下、端子間抵抗という)の値を精度よく測定すること、さらに、各抵抗成分を分離して不良解析等を容易にすることである。
測定対象の端子間抵抗Rxの値は、コンタクト・プローブの接触抵抗を無視すると、第1トランジスタ23を通るフォースラインの分岐路の抵抗値Rx1と、第2トランジスタ24を通るフォースラインの分岐路の抵抗値Rx2とを用いて、次式(2)により表すことができる。
[数2]
Rx=Rx1//Rx2
=(Ra+Ron1+Re)//(Rb+Ron2+Rd)…(2)
しかし、実際の端子間抵抗の測定値には上記接触抵抗が加わる。第1外部端子29または第2外部端子35とコンタクト・プローブとの接続点における接触抵抗は通常、非常に不安定であり、たとえば、50〜500[mΩ]の間で変動する。また、この接触抵抗は、直接、その値を測定することができず、それによって測定誤差が発生する。
そこで、本実施の形態においては、第1および第2トランジスタのスイッチ23Sと24Sのオン抵抗を別々に測定により求めてから、第1および外部端子29と35から電子回路デバイス内部を見た時に上記式(2)に示す端子間抵抗Rxを精度よく測定する。
以下、この測定方法を、現実的な数値例を用い、図4に示すフロー図に沿ってステップごとに記述する。なお、図3において、より具体化する目的で各等価回路の抵抗に、現実的な数値例を付記しているが、これらの抵抗値は測定前において未知である。
図4のステップST1において第1回目の測定(測定1)を行う。
このとき図1を参照すると、所定の入力データDATA、クロック信号CLK、ストローブ信号STBのシリアル3線入力を、制御入力端子52,53および54に供給する。このシリアル3線入力がデコード回路51でデコードされ、制御信号61とクロック信号62が制御回路22に出力される。すると制御回路22から、所定の制御信号18と19が第1および第2トランジスタ23,24に供給され、第1トランジスタのスイッチ23Sがオンし、第2トランジスタのスイッチ24Sがオフする。同様に、制御信号63〜66に応じて電圧モニタ・スイッチ42がオンし、電圧モニタ・スイッチ41,43および44がオフする。
つぎに、図1に示す電圧源72を所定の電圧値に設定し、電子回路デバイス20に電圧を供給する。ここでは電源電圧Vddを3.3[V]とする。電流源74を所定の電流値に設定し、電子回路デバイス20に電流Isinkを流す。ここでは電流Isinkの値を500[mA]とする。
この状態で、電圧計76によりトランジスタに実際に供給される電圧値を測定し、これを「V1」と記憶する。ここで測定値V1は、抵抗Rbおよび電圧モニタ・スイッチ42には電流が(ほとんど)流れないことから、第1外部端子29のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。測定値V1は、図3から明らかなように電源電圧Vddから接触抵抗Rc1における降下電圧を引いた値をとり、次式(3)により表される。
[数3]
V1=Vdd−Rc1*Isink
=3.3[V]−Rc1*500[mA]
=3.25[V] …(3)
図4に示すステップST2において、第2回目の測定(測定2)を行う。
図1を参照すると、ここでも前記ステップST1と同様に所定のシリアル3線入力を供給し、第1トランジスタのスイッチ23Sをオン、第2トランジスタのスイッチ24Sをオフする。また測定1と異なり、測定2においては電圧モニタ・スイッチ43をオン、電圧モニタ・スイッチ41,42および44をオフする。
この状態で、電圧計76により第2外部端子35のノード(電圧センスポイント)の電圧値を測定する。これを「V2」と記憶する。ここで、電圧値V2は、抵抗Rdおよび電圧モニタ・スイッチ43には電流が(ほとんど)流れないことから、第2外部端子35のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。このとき図3より明らかなように、電圧値V2は次式(4)により表される。
[数4]
V2=Vdd−(Rc1+Ra+Ron1+Re)*Isink
=3.3[V]−(Rc1+Ra+Ron1+Re)*500[mA]
=3.08[V] …(4)
図4に示すステップST3において、第3回目の測定(測定3)を行う。
図1を参照すると、上記と同様に所定のシリアル3線入力を供給するが、このときのシリアル3線入力に応じて、ここでは上記測定1,2とは逆に、第1トランジスタのスイッチ23Sをオフ、第2トランジスタのスイッチ24Sをオンする。また電圧モニタ・スイッチ41をオン、電圧モニタ・スイッチ42,43および44をオフする。
この状態で、電圧計76の電圧値を測定する。これを「V3」と記憶する。ここで、電圧値V3は、抵抗Raおよび電圧モニタ・スイッチ41には電流が(ほとんど)流れないことから、第1外部端子29のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。このとき図3より明らかなように、電圧値V3は次式(5)により表される。
[数5]
V3=Vdd−Rc1*Isink
=3.3[V]−Rc1*500[mA]
=3.25[V] …(5)
なお、ステップST3にてステップST1と同じ電流を流している場合、同じ結果となるはずなので、この測定3は省略してもよい。
図4に示すステップST4において、第4回目の測定(測定4)を行う。
図1を参照すると、ステップST3と同様に所定のシリアル3線入力を供給し、第1トランジスタのスイッチ23Sをオフ、第2トランジスタのスイッチ24Sをオンする。また測定3と異なり、測定4においては電圧モニタ・スイッチ44をオン、電圧モニタ・スイッチ41,42および43をオフする。
この状態で、電圧計76の電圧値を測定する。これを「V4」と記憶する。ここで、電圧値V4の値は、抵抗Reおよび電圧モニタ・スイッチ44には電流が(ほとんど)流れないことから、第2外部端子35のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。このとき図3より明らかなように、電圧値V4は次式(6)により表される。
[数6]
V4=Vdd−(Rc1+Rb+Ron2+Rd)*Isink
=3.3[V]−(Rc1+Rb+Ron2+Rd)*500[mA]
=3.13[V] …(6)
図4に示すステップST5において、上記測定1〜4(ステップST1〜ST4)により得られた結果から、第1および第2外部端子29,35から電子回路デバイス内部を見た時の端子間抵抗Rxを算出する。端子間抵抗Rxは第1トランジスタ23(第1トランジスタのスイッチ23S)側経路の抵抗値Rx1(=Ra+Ron1+Re)と、第2トランジスタ24(第2トランジスタのスイッチ24S)側経路の抵抗値Rx2(=Rb+Ron2+Rd)との合成抵抗である。抵抗値Rx1を次式(7-1)により、抵抗値Rx2を次式(7-2)により求める。
[数7]
Rx1=(V1−V2)/Isink
=[(3.25−3.08)[V]/500[mA]
=340[mΩ] …(7-1)
Rx2=(V3−V4)/Isink
=(3.25−3.13)[V]/500[mA]
=240[mΩ] …(7-2)
よって、第1および第2外部端子29,35から電子回路デバイス20内部を見た時の端子間抵抗Rxは、次式(8)から値が求まる。
[数8]
Rx=Rx1//Rx2≒140[mΩ]…(8)
これで所望の端子間抵抗Rxの算出が達成されたが、さらに望むならば、各抵抗値を算出することができる。その算出は以下のように行う。
まず、接触抵抗Rc1の値は、前記式(3)または(5)からRc1=100[mΩ]と求まる。電圧源72と電流源74を入れ替えて前記ステップST1(およびステップST3)の測定を行えば、同様にして、もう片方の接触抵抗Rc2が求まる。
つぎに、上記ステップST1〜ST4の4回の測定を再度行うが、このとき外部端子のノード電圧を測定するのではなく、第1あるいは第2トランジスタ23,24の内部ノードNDin1〜NDin4を測定するように電圧モニタ・スイッチ41〜44を切り替える。
より詳細には、ステップST1(測定1)において、電圧モニタ・スイッチ42の代わりに電圧モニタ・スイッチ41をオンし、他の電圧モニタ・スイッチ42〜44がオフするように制御する。このときの測定値を「v1」とすると、これを前記測定値V1から引いた(V1−v1)が抵抗Raの電圧降下分であり、これを電流値Isink=500[mA]で割ると抵抗Raの値が求まる。
同様に、ステップST2において電圧モニタ・スイッチ44のみオンして行った測定2の結果から抵抗Reの値を求め、ステップST3において電圧モニタ・スイッチ42のみオンして行った測定3の結果から抵抗Rbの値を求め、さらに、ステップST4において電圧モニタ・スイッチ43のみオンして行った測定4の結果から抵抗Rdの値を求める。
最後に、このようにして求めた抵抗Ra〜Reの値と接触抵抗Rc1の値を、前記式(7)に代入することによって第1トランジスタ23のオン抵抗Ron1を求め、同様に、これらを前記式(6)に代入することによって第2トランジスタ24のオン抵抗Ron2を求める。
本実施の形態においては、多少手間がかかるが以上の方法によって、全ての抵抗成分を求めることが可能である。
ところで、たとえば抵抗Ra〜Reの1つが他の3つより抵抗値が大きい場合は、ボンディングが十分でない、あるいは、エレクトロマイクレーションが起きかかっているなどの理由により将来市場不良となる可能性が高い。本実施の形態では、抵抗Ra〜Reの測定を行うことにより、このような準不良を未然にスクリーニングすることが可能である。なお、断線の場合は測定結果が異常となることから、断線は比較的検出しやすい。
また、本実施の形態では接触抵抗Rc1とRc2の値も分かることから、その値が異常に大きいときはテストのやり直し、テスト結果のスクリーニングが可能である。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、第1および第2トランジスタの片側にのみ電圧測定用のスイッチを設けた場合に関する。
図5に、第2の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。図5においては、ICテスタ内の構成のうち、電圧源72、電流源74、電圧計76と76Aのみを示している。電圧計76は本例で新たに設けたものであり、電流源74とコンタクト・プローブ73との接続中点と接地電位との間に接続されている。
第2実施の形態におけるICチップ21内の回路が、図1と異なる点は、第1および第2トランジスタ23,24のいずれか一方、ここでは第1トランジスタ23のドレイン側とソース側のみ、電圧モニタ・スイッチ41と44を設け、図1における電圧モニタ・スイッチ42と43を省略している。
制御回路22は、通常動作モードにおいては第1および第2トランジスタ23,24の主要電流チャネルを同時に導電性にし、同時にほぼ非導電性にすることは第1の実施の形態と同じである。ただし、本実施の形態においてテスト動作モードでは、電圧モニタ・スイッチ41および44が接続されている方のトランジスタ、ここでは第1トランジスタ23のみ、その主要電流チャネルをほぼ非導通の状態にする。
デコード回路51からは電圧モニタ・スイッチ41と44を制御する制御信号63と66が出力され、その一方をオン、他方をオフとし、この状態を切り替えるようになっている。
なお、電圧計76Aは、第1外部端子29と第2外部端子35間の差電圧が測定するときに用いるものであり、図5に示すように接続してもよいが、より望ましくは、フローティングタイプの差電圧計を、直接、第1外部端子29と第2外部端子35との間に接続するとよい。
以上の相違点以外は、図5は図1と同じであり、同じ構成は同一符号を付して説明を省略する。
つぎに、第2実施の形態における端子間電圧Rxの測定方法を、図5および図6を参照しながらステップごとに記述する。
図6は、図3と同様な、第1および第2トランジスタ、電圧モニタ・スイッチ、それらのフォースラインとセンスラインの等価回路図である。
なお、ここではとくにフロー図を示さないが、各ステップの内容は第1の実施の形態と異なるが図4を援用できる。
ステップST1において第1回目の測定(測定1)を行う。
このとき図5を参照すると、所定の入力データDATA、クロック信号CLK、ストローブ信号STBのシリアル3線入力を、制御入力端子52,53および54に供給する。このシリアル3線入力がデコード回路51でデコードされ、制御信号61とクロック信号62が制御回路22に出力される。すると制御回路22から、所定の制御信号18と19が第1および第2トランジスタ23,24に供給され、第1トランジスタのスイッチ23Sがオフし、第2トランジスタのスイッチ24Sがオンする。同様に、制御信号63と66に応じて電圧モニタ・スイッチ41がオンし、電圧モニタ・スイッチ44がオフする。
つぎに、図5に示す電圧源72を所定の電圧値に設定し、電子回路デバイス20に電圧を供給する。ここでは電源電圧Vddを3.3[V]とする。電流源74を所定の電流値に設定し、電子回路デバイス20に電流Isinkを流す。ここでは電流Isinkの値を500[mA]とする。
この状態で、電圧計76によりトランジスタに実際に供給される電圧値を測定し、これを「V11」と記憶する。ここで測定値V11は、抵抗Raおよび電圧モニタ・スイッチ41には電流が(ほとんど)流れないことから、第1外部端子29のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。測定値V11は、図6から明らかなように電源電圧Vddから接触抵抗Rc1における降下電圧を引いた値をとり、次式(9-1)により表される。また式(9-1)を変形すると次式(9-2)が得られる。
[数9]
V11=Vdd−Rc1*Isink
=3.3[V]−Rc1*500[mA]…(9-1)
Rc1=2(3.3−V11)[Ω] …(9-2)
上記式(9-2)より、測定値V11に応じて接触抵抗Rc1の値が一意に決まる。なお、式(9-2)における電圧(3.3−V11)[V]は、第1外部端子29のノードから電圧源72までの降下電圧成分Vd1を表す。このことを次式(10)に示す。
[数10]
Vd1=(3.3−V11)[V]…(10)
ステップST2において、第2回目の測定(測定2)を行う。
図5を参照すると、ここでも前記ステップST1と同様に所定のシリアル3線入力を供給するが、ここでは入力データに応じて電圧モニタ・スイッチ41がオフ、電圧モニタ・スイッチ44がオンに切り替わる。このときステップST1に引き続いて、第1トランジスタのスイッチ23Sはオフ、第2トランジスタのスイッチ24Sはオンのままの状態を維持する。
この状態で、電圧計76により第2外部端子35のノード(電圧センスポイント)の電圧値を測定する。これを「V12」と記憶する。ここで、電圧値V12は、抵抗Reおよび電圧モニタ・スイッチ44には電流が(ほとんど)流れないことから、第2外部端子35のノード(電圧センスポイント)での電圧値を示す。
続いてステップST3において、電圧計76Aの電圧値を測定する(第3回目の測定:測定3)。これを「V13」と記憶する。
このとき図6より明らかなように、第2外部端子35のノードから電流源74までの降下電圧成分Vd2は、次式(11-1)により与えられ、また、この式から接触抵抗Rc2を求めるための式として次式(11-2)が与えられる。
[数11]
Vd2=V12−V13 …(11-1)
Rc2=Vd2/Isink
=2(V12−V13)[Ω]…(11-2)
上記式(11-2)より、測定値V12とV13に応じて接触抵抗Rc2の値が一意に決まる。
上記ステップST1とST2から、図6の測定状態で、2つの接触抵抗Rc1とRc2の各値が得られる。
ステップST4において、第4回目の測定(測定4)を行う。
図1を参照すると、上記と同様に所定のシリアル3線入力を供給するが、このときのシリアル3線入力に応じて、ここでは第1および第2トランジスタのスイッチ23Sと24Sを共にオンする。また電圧モニタ・スイッチ41と44を共にオフする。
ここでは第1および第2トランジスタ23,24が共にオン状態であることから、電流源74を比較的大きな所定の電流値に変更設定し、電子回路デバイス20に、この電流を流す。ここで設定する電流値Isink2は今までの2倍の1[A]とする。この状態で、電圧計76Aの電圧値を測定する。これを「V14」と記憶する。ここで接触抵抗Rc1およびRc2による電圧降下分を含んだ第1外部端子29と第2外部端子35間の電圧を「V15」とすると、この値は次式(12)により表される。
[数12]
V15=Vdd−V14
=(3.3−V14)[V]…(12)
先ほど求めた2つの接触抵抗の電圧降下分Vd1(式(10))とVd2(式(11-1))の合計を「V16」とすると、この値は、前記式(9-2)と(11-2)を用いて次式(13)により表される。
[数13]
V16=Vd1+Vd2
=(Rc1+Rc2)*Isink2
={2(3.3−V11)+2(V12−V13)}*1
=2(3.3+V12−V11−V13)[V]…(13)
以上より、第1外部端子29と第2外部端子35における電子回路デバイス内部の等価抵抗値、すなわち端子間抵抗Rxは、前記式(12)と(13)を用いて次式(14)により求めることができる。
[数14]
Rx=(V15−V16)/Isink2
={(3.3−V14)−2(3.3+V12−V11−V13)}/1
={2(V11+V13)−(2V12+V14+3.3)}[Ω]…(14)
上記式(14)より、測定値V11〜V14に応じて端子間抵抗Rxの値が計算により一意に決まる。このように、第2実施の形態においては、2つの外部端子29と35の各接触抵抗Rc1とRc2を各々求め、それらを用いて電圧降下分Vd1とVd2を算出し、得られた測定結果からの演算によって端子間抵抗Rxの値を求めることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、第1の実施の形態に対する変形であり、第1および第2外部端子29と35のそれぞれが複数設けられ、これに応じてICチップ内のパッド数も増やす場合に関する。このような変形は、エレクトロマイグレーション耐性を高めるなどの要請に応えるためである。
図7に、第3の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。図7においては、ICテスタ内の構成のうち、電圧源72、電流源74および電圧計76のみを示している。
図7は、図1の場合よりさらに出力電流を増やしたい(この例では、約2倍にしたい)ときに、その対処として第1外部端子29a,29b、第2外部端子35a,35bと、従来の2倍の外部端子数としている。また、ICチップ21内のパッドも各々2倍としている。つまり、第1パッド25a,25b、第3パッド26a,26b、第4パッド31a,31b、第2パッド32a,32bと電流の入出力パッドを合計8パッドとして従来の4パッドの2倍にしている。
第1パッド25a,25bは各々ワイヤ27a,27bによって1つの第1外部端子29aにボンディングされている。同様に、第3パッド26a,26bは各々ワイヤ28a,28bによって1つの第1外部端子29bにボンディングされ、第4パッド31a,31bは各々ワイヤ33a,33bによって1つの第2外部端子35aにボンディングされ、第2パッド32a,32bは各々ワイヤ34a,34bによって1つの第2外部端子35bにボンディングされている。
なお必要に応じて、第1および第2外部端子の数、パッド数を3倍、4倍、・・・と増やしてもよいが、ここでは2倍にした場合を例示している。なお、電流密度を減らす意味では主要電流チャネル(並列接続のトランジスタ)の数を増やしてもよいが、そうすると電子回路デバイス内部のデバイスおよび配線の面積が増え、レイアウトの都合上、好ましくないことがある。また、一般に、エレクトロマイグレーションがパッドの端面で発生しやすい。そこで、本例では主要チャネル数はそのままとし、パッド数を増やすようにしている。
第3の実施の形態においては、さらに、2つの第1外部端子29aと29bを導体81によって電気的にショートしている。同様に、2つの第2外部端子35aと35bを導体82によって電気的にショートしている。これらの導体81と82は、測定の都合上、コンタクト・プローブ71a〜73bよりデバイス内部側に設けることが望まれる。したがって、パッケージにおいて導体81と82による端子間接続を実現することが好ましい。
図8(B)は、端子間接続を行ったBGAパッケージの断面図である。参考として図8(A)に、端子間接続を行っていない通常のBGAパッケージの断面を示す。
一般に、パッケージの基板90は単層または複数層の絶縁体からなり、絶縁体表面(および絶縁体間)に導体からなり所定のパターン形状を有する配線が形成されている。この配線のパターン設計時に、必要な箇所を予めショートするようにして端子間接続を実現できる。
図示例のものは基板90が単層であり、そのパッケージ内側の面にはワイヤボンディング用のランドを含む内部配線91が形成されている。また、基板90パッケージ外側面には、外部端子としての半田ボール92を形成するための外部配線93が形成されている。外部配線93の一部、および、外部配線93が形成されていない基板90の外側面はレジスト膜94に覆われ、これにより外部配線93の所定位置に半田ボール92が形成される領域が確保される。内部配線91と外部配線93は、基板90のスルーホールに埋め込んだ導体95により接続されている。
通常のパッケージ構造においては、図8(A)に示すように、半田ボール(外部端子)92が形成される外部配線93Aと、他の半田ボール92が形成される外部配線93Bは予め分離してパターン設計がなされる。
これに対し、本実施の形態におけるBGAパッケージ構造においては、図8(B)に示すように、対応する2つの半田ボール92(図7における第1外部端子29aと29b、あるいは、第2外部端子35aと35bに対応)が形成される外部配線93が一体に形成されている。これにより、図7における導体81または82による端子間接続が実現されている。
このとき、半田ボールが測定時にハンドラあるいはソケットの端子と接触する位置よりデバイス内側で端子間接続がとられていることが重要である。これによって、外部端子の接触抵抗を含まない位置での電圧測定が可能となる。また、この端子間接続はパッケージ設計の軽微な変更で対処でき、これがコスト増加要因とならない。
なお、端子間接続を、内部配線91でとることもできる。また、端子間接続の適用対象はBGAパッケージに限らない。他の形態のパッケージにおいても、ほぼ同様にして、パッケージの配線パターン設計時に、その内側配線または外側配線(あるいは、多層の場合は、基板内の配線)において必要な箇所を必要か数だけ予めショートするとよい。
図7において言及した以外の構成は、図1と同様であり、同一符号を付してその説明を省略する。また、測定方法は第1の実施の形態と同じであることから、その説明も省略する。
図1に示す構成では、1本のワイヤが断線すれば、その測定値が異常となることから検出が容易であることは既に述べたとおりである。
ところが、図7に示す構成では、1本のワイヤが断線しても他のワイヤが同じ第1または第1外部端子に接続している限り、測定1〜4(ステップST1〜ST4)における測定値が大きく変化しないことから、異常の検出が比較的難しい。
ここで、以下、ワイヤの1本が断線していた場合の検出方法を、図7および図11を参照しつつステップごとに述べる。
図9は、図3と同様な、第1および第2トランジスタ、電圧モニタ・スイッチ、それらのフォースラインとセンスラインの等価回路図である。
この図9が図3と異なる点は、図3における1つの抵抗Raが図9では2つの並列抵抗Ra1とRa2とにより置き換わっている。同様に、抵抗Rbが2つの並列抵抗Rb1とRb2とにより、抵抗Rcが2つの並列抵抗Rc1とRc2とにより、抵抗Rdが2つの並列抵抗Rd1とRd2とにより、それぞれ置き換わっている。
他の構成は図3と同じであることから、ここでの説明を省略する。
断線検出の方法としては、第1の実施の形態において既に述べた抵抗Ra〜Rbの値を求める方法において、その各抵抗値が正常値の約2倍になっていれば片側が断線しているとして、検出可能である。
以下の述べる方法は、この方法と基本的には同じであるが、ここでは断線検出に特化した手順を、図9において抵抗Rb2を構成するワイヤ28bが断線、非断線とで測定電圧に違いが生じることによって検出する方法において述べる。なお、図9において説明に必要な箇所の具体的な抵抗値を付記している。これらの抵抗値は本来、未知であるが、以下の記載では、これらの抵抗値にある現実的な値を与えたときに、得られることが予想される測定電圧値を計算によって求めることにより、断線時と非断線時とにおいて測定電圧の差が十分検出可能なレベルであるか否かを検証する。
図7を参照すると、ステップST1において所定の入力データDATA、クロック信号CLK、ストローブ信号STBのシリアル3線入力を、制御入力端子52,53および54に供給する。このシリアル3線入力がデコード回路51でデコードされ、制御信号61とクロック信号62が制御回路22に出力される。すると制御回路22から、所定の制御信号18と19が第1および第2トランジスタ23,24に供給され、第1トランジスタのスイッチ23Sがオフし、第2トランジスタのスイッチ24Sがオンする。同様に、制御信号63と66に応じて電圧モニタ・スイッチ41がオンし、電圧モニタ・スイッチ42,43および44がオフする。
つぎに、図7に示す電圧源72を所定の電圧値に設定し、電子回路デバイス20に電圧を供給する。ここでは電源電圧Vddを3.3[V]とする。電流源74を所定の電流値に設定し、電子回路デバイス20に電流Isinkを流す。ここでは電流Isinkの値を1[A]とする。
この状態で、電圧計76によりトランジスタに実際に供給される電圧値を測定し、これを「V21」と記憶する。ここで測定値V21は、並列抵抗Ra1とRa2および電圧モニタ・スイッチ41には電流が(ほとんど)流れないことから、第1外部端子29aと29bの短絡ノードNDex(導体81)での電圧値を示す。測定値V21は、図9から明らかなように電源電圧Vddから接触抵抗Rc1における降下電圧を引いた値をとり、次式(15)により表される。
[数15]
V21=Vdd−Rc1*Isink
=3.3[V]−100[mΩ]*1[A]
=3.20[V] …(15)
図7を参照すると、ステップST2において、前記ステップST1と同様に所定のシリアル3線入力を供給するが、ここでは入力データに応じて電圧モニタ・スイッチ41がオフ、電圧モニタ・スイッチ42がオンに切り替わる。このときステップST1に引き続いて、第1トランジスタのスイッチ23Sはオフ、第2トランジスタのスイッチ24Sはオンのままの状態を維持する。
この状態で、電圧計76により電圧値を測定する。これを「V22」と記憶する。ここで、電圧値V22は、センスラインが接続された第2トランジスタ24の内部ノードNDin2での電圧値を示す。測定値V22は、図9から明らかなように電源電圧Vddから接触抵抗Rc1および並列抵抗(抵抗値Rb1//Rb2)における各降下電圧を引いた値をとり、次式(16)により表される。
[数16]
V22=Vdd−(Rc1+Rb1//Rb2)*Isink
=3.3[V]−(100+10)[mΩ]*1[A]
=3.19[V] …(16)
ここで、第2トランジスタ24の内部ノードNDin2と第1外部端子29aと29bとの短絡ノードNDexとの間の電圧差を「V23」とすると、電圧差V23は、上記式(15)と(16)から次式(17)により与えられる。
[数17]
V23=V22−V21
=10[mV]…(17)
一方、図9においてワイヤ28bが断線している場合は、前記式(16)において、並列抵抗値Rb1//Rb2(=10[mΩ])が、抵抗値Rb1(=20[mΩ])に置き換わることから、電圧値V22が「3.09[V]」となる。その結果、上記式(17)に示す電圧差V23が「20[mV]」となる。
よって、ワイヤ28bが断線と、非遮断とでは差電圧は約10[mV]となり、電圧計の精度を5Vレンジで12ビット以上とすると、この差電圧は十分検出できるレベルである。
上記ステップST1とST2を、スイッチ制御により検出対象を、残りの第1外部端子29a側、第2外部端子35a側、第2外部端子35b側と切り替えながら行う。これにより、全部で8ステップ(=2ステップ×4)の測定および計算により、図7に示す電子回路デバイス部分の断線検出が可能である。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、その基本は第1の実施の形態と同じであるが、より現実的な回路への適用を考慮した構成を例示するものである。このような回路としては、先に述べた出力段が縦続接続された、たとえば同期整流方式のDC/DC変換回路、バッファやアンプのインバータ出力段などが挙げられる。
図10に、このようなデバイス内部回路の一例として、同期整流型のDC−DCコンバータのダウンコンバート側の回路を示す。
この回路130において、たとえば5Vの一定電圧が入力される外部入力端子130と、たとえば接地電圧で保持される共通電圧端子(グランド端子)140との間に、出力メインスイッチ用トランジスタ131と、同期整流用トランジスタ132が縦続接続されている。これら2つのPMOSトランジスタの接続中点と外部出力端子139との間にチョークコイルが接続されている。また、外部出力端子139とグランド端子140との間に、ダウンコンバートレベルを既定する分割抵抗(2つの抵抗)135と136、平滑コンデンサ137が互いに並列に接続されている。また、とくに図示していないが実使用時には、外部出力端子139とグランド端子140に外部の負荷が接続される。
出力メインスイッチ用トランジスタ131と、同期整流用トランジスタ132との各ゲート、2つの抵抗135と136の接続中点に、PWMコントロール回路(PWM CONT.)133が接続されている。
この回路130は、入力電圧(5V)が分割抵抗135と136により生じる基準電圧Vrefに応じたレベル(たとえば、3.3V)にダウンコンバートして外部出力端子139から出力するものである。PWMコントロール回路133は、ディーティ比が可変な矩形波を出力メインスイッチ用トランジスタ131に出力する。出力メインスイッチ用トランジスタ131は、PMOSトランジスタであることから、その低レベルでオンし、高レベルでオフしてスイッチング動作する。一方、PWMコントロール回路133は、出力メインスイッチ制御用とは逆位相の矩形波を同期整流用トランジスタ(PMOSトランジスタ)132に出力する。
PWMコントロール回路133は、これら2つの逆位相の矩形波について、そのディーティ比を基準電圧Vrefに応じて変化させるフォードバック制御を行う。
正位相の矩形波が出力メインスイッチ用トランジスタ131に出力され、このトランジスタがスイッチ動作し、オン期間のみ入力から電流が出力(負荷)および分割抵抗135,136に流れる。これによりチョークコイル134および平滑コンデンサ137が充電される。
一方、出力メインスイッチ用トランジスタ131がオフするほぼ同時に、逆位相で駆動される同期整流用トランジスタ132がオンし、逆起電力によりオン状態の同期整流用トランジスタ132を介して瞬時にチョークコイル134および平滑コンデンサ137が放電される。
このように2つの逆位相で断続的にスイッチング動作する2つのトランジスタの中点電位は常に変動し得るが、出力電圧レベルは、チョークコイル134と平滑コンデンサ137により平滑化され一定値をとる。その出力電圧レベルは分割抵抗135と136により基準電圧Vrefに変換されてPWMコントロール回路133に戻される。
起動直後や入力電圧(電源電圧)の変動などに起因して、基準電圧Vrefが出力を3.3Vとするための規定値より上がりすぎることがある。このときPWMコントロール回路133は、出力メインスイッチ用トランジスタ131のオン期間の割合が今までより長くなるように出力している矩形波のディーティ比を変える。このため、いままでより単位時間当たりに分割抵抗135,136を流れる電流量が増えて、基準電圧Vrefが下げられる。
逆の場合は、出力メインスイッチ用トランジスタ131のオン期間がより短くなるような制御によって基準電圧Vrefが上げられる。
以上の結果として、外部出力端子139からは一定で安定した3.3Vの出力電圧が得られる。
図11は、このような縦続接続された2つのトランジスタのそれぞれに対応して、並列接続された第1および第2トランジスタ対を設け、合計4つのトランジスタの配置例を示すデバイス内およびテスタ内の構成図である。なお、図11においては、図1と同じ構成は、同一符号を付している。
図1に存在する第1トランジスタ23に、新たに他の第1トランジスタ141を縦続接続させ、同様に、第2トランジスタ24に、新たに他の第2トランジスタ142を縦続接続させている。なお、この新たに設けた第1および第2トランジスタ対141,142は、図11においてはNMOSトランジスタとなっているが、これはインバータ出力段を想定したためであり、図10に示す直流のダウンコンバート回路に適合させるにはPMOSトランジスタに変更するとよい。
以上のトランジスタの縦続接続構成に対応して、外部端子149、コンタクト・プローブ152、これにワイヤ147と148によって接続する2つのパッド145と146、ならびに、2つの電圧モニタ・スイッチ143と144を追加している。また、制御回路22とデコード回路51は、新たに設けた第1および第2トランジスタ対141と142、および、電圧モニタ・スイッチ143と144を付加的に制御できるように構成されている。
これによって、図11に示すようにICテスタの電圧源72、電流源74および電圧計76を接続させた状態で、新たに設けた第1および第2トランジスタ対141と142に対しても、第1の実施の形態に記載した方法と同様に、その主要電流チャネルの抵抗を含む端子間電圧Rxの測定が可能である。また、個々の抵抗の値も、第1の実施の形態に記載した方法と同様に測定可能である。
なお、この測定時に第1実施の形態では第2外部端子(「2nd」と表示)として機能していた外部端子35が、ここでは第1外部端子(「(1st)」と表示)として共用されている。また、第1の実施の形態では第4パッド(「4th」と表示)として機能していたパッド31が、ここでは第3パッド(「(3rd)」と表示)として共用されている。同様に、第1の実施の形態では第2パッド(「2nd」と表示)として機能していたパッド32が、ここでは第1パッド(「(1st)」と表示)として共用されている。また、電圧モニタ・スイッチ43と44も第1および第4の実施の形態で共用されている。
以上述べてきた第1〜第4の実施の形態において、測定ステップのシーケンス(スイッチ制御の順序、タイミングなど)は、3線シリアルデータとしてICテスタ側から入力した。
これに対し、このシーケンスを電子回路デバイス20内の不図示のコンピュータベース構成、たとえばCPU(Central Processing Unit)あるいはマイクロコンピュータが、その内部(あるいは外部)に格納されているプログラムに記述されたものを用いて指示し、これを制御回路が実行するようにしてもよい。この場合、制御回路としては、とくに図示しないが多数のシフトレジスタによって、第1およびトランジスタを含む各スイッチを所定のタイミングで順次オンまたはオフさせる構成が採用可能である。
第1〜第4の実施の形態によれば、以下の利益が得られる。
本発明の実施の形態においては、プローブコンタクトと被テストデバイス(電子回路デバイス)の外部端子との接触で発生する、予測できない非常に不安定な接触抵抗による測定誤差を回避し、外部端子間から電子回路デバイス内部を見た時の等価抵抗値を精度よく測定することができる。
このため、絶え間なく保全を必要とする高価なプローブを使用する必要が無くなり、測定コストを抑えることができる。
また、測定のために増加する外部端子数を全体で1本とし、電子回路デバイスの外部端子の増加を抑制することができる。
テスト動作モード制御用の制御(デコード)回路は、電子回路デバイス内に従来からある通常動作モード制御用の制御(デコード)回路に、新たに必要な部分のみ追加した構成で実現できる。または、電子回路デバイス内に新規にテスト動作モード制御用の制御(デコード)回路を専用に装備しても実現できる。なお電子回路デバイス外部とのインターフェース構成は任意である。
とくに第1、第3および第4の本実施の形態においては、端子間抵抗Rxのみならず、外部端子に等価的に並列に接続されている個々の内部抵抗(Ra〜Rd)の値を知ることができる。また、全ての実施の形態において、外部端子の接触抵抗Rc1とRc2の値を知ることができる。
さらに、とくに第3の実施の形態(他の実施の形態でも可能)に示すように1つの外部端子に多数のワイヤが接続されている場合でも、わずか1本のワイヤの断線に起因した測定電圧差を有効に検出できる。
本発明は、2つの外部端子から電流を入出力して動作するトランジスタを内部に含む電子回路デバイスと、前記2つの外部端子間抵抗の測定ステップを含む電子回路デバイスの測定の用途に広く適用できる。
第1の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。 (A)は1つの電圧モニタ・スイッチの回路シンボル、(B)は具体例としてのトランスファゲートの回路図である。また、(C)は、制御入力ノードに印加される電圧のレベルに応じてスイッチのオンとオフの動作の対応を示す図表である。 第1の実施の形態における、第1および第2トランジスタ、4つの電圧モニタ・スイッチ、それらのフォースラインとセンスラインの等価回路図である。 第1の実施の形態における測定方法の各ステップを示すフローチャートである。 第2の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。 第2の実施の形態における、第1および第2トランジスタ、電圧モニタ・スイッチ、それらのフォースラインとセンスラインの等価回路図である。 第3の実施の形態において、電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときにデバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。 (A)は端子間接続を行っていない通常のBGAパッケージの断面図、(B)は端子間接続を行っている第3実施の形態に係るBGAパッケージの断面図である。 第3実施の形態における、第1および第2トランジスタ、電圧モニタ・スイッチ、それらのフォースラインとセンスラインの等価回路図である。 デバイス内部回路の一例として、同期整流型のDC−DCコンバータのダウンコンバート側部分を示す回路図である。 第4の実施の形態において、縦続接続された2つのトランジスタのそれぞれに対応して、並列接続された第1および第2トランジスタ対を設けた配置例を示すデバイス内およびテスタ内の構成図である。 特許文献1に記載の技術が適用された電子回路デバイスを測定のためにテスタに接続したときに、電子回路デバイス内およびテスタ内の主要構成を示す回路図である。 図12に示す回路の測定時の等価的な抵抗を示す回路図である。
符号の説明
20…電子回路デバイス、21…ICチップ、22…制御回路、23…第1トランジスタ、24…第2トランジスタ、25…第1パッド、26…第3パッド、29…第1外部端子、31…第4パッド、32…第2パッド、35…第2外部端子、41〜44…電圧モニタ・スイッチ、46…電圧モニタ・パッド、48…電圧モニタ用外部端子、51…デコーダ回路、72…電圧源、74…電流源、76,76A…電圧計、81,82…導体、141…第1トランジスタ、142…第2トランジスタ、143,144…電圧モニタ・スイッチ、149…第2外部端子、Rx…端子間抵抗、Rc1,Rc2…接触抵抗、Ron1,Ron2…オン抵抗、NDin1〜NDin4…内部ノード

Claims (9)

  1. 第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタを内部回路に含む電子回路デバイスであって、
    前記トランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって形成され、
    電圧モニタ用外部端子と、
    前記第1および第2のトランジスタの少なくとも一方において、前記第1外部端子の対トランジスタ結合点と前記電圧モニタ用外部端子との間、前記第2外部端子の対トランジスタ結合点と前記電圧モニタ用外部端子との間にそれぞれ結合するように前記内部回路に形成されている少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチと、
    前記第1および第2トランジスタの一方をオンし他方をオフする動作、一方をオフし他方をオンする動作、双方をオンする動作を切り替える第1制御回路と、
    前記少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチのスイッチング動作を制御し、前記第1または第2外部端子の前記対トランジスタ結合点の電圧を前記電圧モニタ用外部端子から出力可能にする第2制御回路と、
    を有する電子回路デバイス。
  2. 前記電圧モニタ・スイッチが、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタのそれぞれに対し2つずつ、合計4つ設けられている
    請求項1に記載の電子回路デバイス。
  3. 前記第2制御回路は、前記第1制御回路の制御によってオンしている第1または第2トランジスタが接続されている第1または第2外部端子に共通に接続されている2つの電圧モニタ・スイッチのうち、前記オンしている第1または第2トランジスタ以外のもう片方の第1または第2トランジスタに接続されている電圧モニタ・スイッチをオンさせる
    請求項2に記載の電子回路デバイス。
  4. 前記内部回路は、電子回路デバイスのパッケージに収容されている半導体集積回路であり、
    前記半導体集積回路に、前記第1および第2トランジスタ、前記少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチ、前記第1および第2制御回路、前記第1トランジスタが直列に結合している第1および第2パッド、前記第2トランジスタが直列に結合している第3および第4パッド、ならびに、前記少なくとも2つの電圧モニタ・スイッチに共通に結合している電圧モニタ・パッドが形成され、
    前記第1および第3パッドの各々が、前記パッケージに設けられている1つの前記第1外部端子に対しワイヤによりパッケージ内部で接続され、
    前記第2および第4パッドの各々が、前記パッケージに設けられている1つの前記第2外部端子に対しワイヤによりパッケージ内部で接続され、
    前記電圧モニタ・パッドが前記電圧モニタ用外部端子にワイヤによりパッケージ内部で接続されている
    請求項3に記載の電子回路デバイス。
  5. 前記第1〜第4パッドの各々、前記第1および第2外部端子の各々が複数設けられ、
    複数の前記第1パッドが1つの前記第1外部端子に対しそれぞれワイヤにより接続され、複数の前記第3パッドが他の1つの前記第1外部端子に対しそれぞれワイヤにより接続され、
    複数の前記第2パッドが1つの前記第2外部端子に対しそれぞれワイヤにより接続され、複数の前記第4パッドが他の1つの前記第2外部端子に対しそれぞれワイヤにより接続され、
    前記複数の第1外部端子同士、前記複数の第2外部端子同士が、それぞれ、前記パッケージに形成されている導体により電気的に接続されている
    請求項4に記載の電子回路デバイス。
  6. 第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって内部回路に形成されている電子回路デバイスに対し、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の抵抗を測定する電子回路デバイスの測定方法であって、
    前記第1および第2トランジスタの各々に対し、前記第1外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、前記第2外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチとを前記内部回路に予め形成しておき、
    前記測定において、
    前記第1トランジスタに一定電流を流したときに、前記第2トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第1測定ステップと、
    前記第1トランジスタに一定電流を流したときに、前記第2トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第2測定ステップと、
    前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第3測定ステップと、
    前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第4測定ステップと、
    前記第1〜第4測定ステップで得られた測定結果に基づいて、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の端子間抵抗を算出する端子間抵抗算出ステップと、
    を含む電子回路デバイスの測定方法。
  7. 前記第1〜第4測定ステップで得られた測定結果と、前記抵抗算出ステップにより得られた前記抵抗の値とに基づいて、前記第1および第2外部端子に電流を流すための接点を接触させるときの各接触抵抗、前記第1および第2外部端子から前記第1および第2トランジスタまでの各デバイス内抵抗、ならびに、前記第1および第2トランジスタのオン抵抗の各抵抗成分を算出する抵抗成分算出ステップを、
    さらに含む請求項6に記載の電子回路デバイスの測定方法。
  8. 前記第1および第2外部端子の各々を複数設けている場合、複数の第1外部端子同士、複数の第2外部端子同士を前記回路デバイスのパッケージで予め電気的に接続しておき、
    前記測定において、
    前記第1〜第4測定ステップにそれぞれ対応し、前記一定電流を流している前記第1または第2トランジスタの2つの電流入出力ノードにおいて、その一方または他方の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第1〜第4の内部ノード測定ステップと、
    前記第1〜第4の内部ノード測定ステップの測定結果と、前記第1〜第4の測定ステップの測定結果に基づいて、前記複数の第1外部端子、前記複数の第2外部端子に対する内部結線の未接続または断線を検出する結線不良の検出ステップと、
    をさらに含む請求項6に記載の電子回路デバイスの測定方法。
  9. 第1外部端子と第2外部端子との間に直列に結合するトランジスタが、前記第1外部端子と前記第2外部端子の間に並列に結合する第1および第2トランジスタによって内部回路に形成されている電子回路デバイスに対し、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の抵抗を測定する電子回路デバイスの測定方法であって、
    前記第1トランジスタに対し、前記第1外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチと、前記第2外部端子の電圧をモニタするときにオンする電圧モニタ・スイッチとを前記内部回路に予め形成しておき、
    前記測定において、
    前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第1外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第1測定ステップと、
    前記第2トランジスタに一定電流を流したときに、前記第1トランジスタ側の対応する電圧モニタ・スイッチをオンすることによって、前記第2外部端子の電圧を、前記内部回路に予め形成している電圧モニタ・パッド、これに接続している電圧モニタ用外部端子を介して測定する第2測定ステップと、
    前記第1および第2測定ステップの結果から、前記第1および第2外部端子に前記一定電流を流すための接点の接触抵抗を算出する接触抵抗算出ステップと、
    前記第1トランジスタに接続されている2つの電圧モニタ・スイッチを共にオフし、前記第1および第2トランジスタの合計で前記一定電流の2倍の電流を流したときに、前記第1および第2外部端子に前記電流の入出力経路で電位差を測定する第3測定ステップと、
    前記第3測定ステップの測定結果から、前記接触抵抗算出ステップで得られた接触抵抗を引いて、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間の端子間抵抗を算出する端子間抵抗算出ステップと、
    を含む電子回路デバイスの測定方法。
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