JP2006170869A - 測定装置の校正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
反射照明時の校正用スタンダードスケール(マスク)は、照明光が透過しないクロムなどの材料で透明ガラス基板上に所定の膜パターンを形成している。そのようなマスクの膜パターンでは、エッジ部分はテーパ状で、エッジ部に光が照射されると、対物レンズに反射光が入射せずに外部に逸れてしまう。一方、膜パターンの無い部分では光が透過され、やはり対物レンズに反射光が入射しない。
そのため、反射照明時、エッジ部のテーパ状の部分と膜パターンの無い部分を区別することはできず、エッジを含めた幅を計測することができず、正確な校正を行うことができなかった。
【解決手段】
透明ガラス基板に所定のパターンを形成した後、透明ガラス基板全体を覆うように反射する材質の膜を形成したマスクを用意し、該マスクを用いて反射照明時の校正を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、撮像装置を使用して、透明基板上に形成した膜パターンの線幅等を測定する測定装置に関する。
線幅等を測定する測定装置は、光学顕微鏡と CCD カメラ等の撮像装置を使用して、透明基板(半導体ウェハや透明ガラス基板)上に形成された、配線パターンや電極パターン等の膜パターン等の線幅や間隔を測定するものである。本発明に関する測定装置は、特に、透明ガラス基板上に形成された、膜パターン(例えば、薄膜パターン)や半導体集積回路等のリソグラフィ用マスクの膜パターンの、線幅や間隔などの測定を行う装置である。
従来の技術を、図2及び図4〜図7によって説明する。
まず図6によって、透過照明を使用した線幅測定装置について説明する。図6は、線幅測定装置の略構成を示すブロック図で、透過照明時の測定について説明するための図である。24 は撮像装置、25 は反射照明用光源、26 はハーフミラー、27 は対物レンズ、28 は XYZ ステージ、29 は被測定対象物、30 はハーフミラー 26 や対物レンズ 27 を含む光学的顕微鏡、31 は画像処理・制御装置、32 はコンデンサレンズ、33 は透過照明用光源、310 はモニタである。撮像装置 24 は、例えば、CCD カメラである。図6の線幅測定装置は、大別すると透過照明用光源 33 、光学的顕微鏡 30 、XYZ ステージ 28 、撮像装置 24 、及び、画像処理・制御装置 31 とで構成される。
XYZ ステージ 28 の XY 面は、光学的顕微鏡 30 の光軸と垂直となるように構成されている。従って、被測定対象物 29 の平坦部も光学的顕微鏡 30 の光軸とほぼ垂直となる。即ち、XYZ ステージ 28 の Z 軸方向は、光学的顕微鏡 30 の光軸と平行となっている。
図6において、XYZ ステージ 28 は、被測定対象物 29 を固定する試料台であり、オペレータ及び制御プログラムから制御され、X 方向(水平方向の1)、Y 方向(水平方向の他の1)、Z 方向(垂直方向)の3次元の方向に移動することで、焦点合わせや位置制御を行う。本明細書では、本発明の記載に必要の無い駆動機構及び、画像処理・制御装置 31 との関連は図示していない。その他、画像処理・制御装置 31 には、オペレータが測定装置を操作するための操作器や、透過照明用光源 33 、光学的顕微鏡 30 、撮像装置 24 と信号を送受し合い、それらからの情報を受取り、あるいはそれらに信号を送ってそれらを制御する機能を有するが、図5(後述)及び図6では省略し、図示していない。
以下、本明細書では、本発明の記載に必要の無い記述や図面は省略する。
尚、従来の測定装置の基本的な構成の説明は、図8によって後述する。
図6において、透過照明用光源 33 から出力された光は、コンデンサレンズ 32 を透過し、被測定対象物 29 に入射する。被測定対象物 29 が入射光を透過するものであれば、入射光は、被測定対象物 29 を透過して、対物レンズ 27 に入射し、更に、ハーフミラー 26 を透過して撮像装置 24 に入射する。
撮像装置 24 は、入射された入射光を輝度レベルに対応した電気信号に変換し、画像処理・制御装置 31 に映像信号として出力する。
画像処理・制御装置 31 は、入力された映像信号をデジタル信号に変換し、画像処理を行い、膜パターンの線幅や間隔等を測定する。
線幅測定装置は、比較測定装置である。このため、既知の線幅の膜パターンを形成した透明ガラス基板を校正用スタンダードスケールとして用い、校正する必要がある。図4によって、校正用スタンダードスケールとしての透明ガラス基板(以下、校正用スタンダードスケールに使用するための透明ガラス基板をマスクと称する)を説明する。
図4は、従来の反射照明時に使用するマスクの概略を示す斜視図である。53 は透明ガラス基板、52 は透明ガラス基板 53 上に形成されたマスクの膜パターンである。
図4において、マスクは、主に透明ガラス基板 53 にクロムなどを蒸着等することによって膜パターン 52 を形成している。蒸着等によって所定の寸法の膜パターンにする処理については、例えば、エッチングやスパッタリング等の周知のリソグラフィ技術を用いる。
膜パターン 52 は、透明ガラス基板 53 の光の透過率がほぼ 100 %であるのに比べ、光の透過率が 0 %に近い材質で構成されている。
尚、輝度値の差が判別できる範囲であれば、下記の関係が成立していればよい。即ち、
透明ガラス基板 53 の光の透過率>膜パターン 52 の光の透過率
である。
図7は、従来の透過照明時での被測定対象物の映像を説明するための図である。
図7を使用して、透過照明時の従来のマスクを線幅測定装置で撮像した映像について説明する。
図4のマスクは、図6の XYZ ステージ 28 上に、被測定対象物 29 として固定(膜パターン 52 が透明ガラス基板 53 の上にあるように固定)されている。
図7(a) はマスクの断面図で、透過用照明光源 33 から出力された光は、コンデンサレンズ 32 を通過し、入射光 41 、42 、43 、44 、45 のようにマスクの真下から、膜パターン 52 及び透明ガラス基板 53 にほぼ垂直に、入射する。尚、入射光は説明のために模式的に5本だけ示しているが、光の特性からして実際にすべてを描写できないことは周知のことである。
入射光 41 と 45 は、膜パターン 52 の無い透明ガラス基板 53 に入射し、透明ガラス基板 53 を透過して、対物レンズ 27 に入射する。一方、入射光 42 、43 、及び 44 は、透明ガラス基板 53 に入射して、透明ガラス基板 53 を透過するが、膜パターン 52 で反射されるため、対物レンズ 27 に入射することがないか、透過率が低いため、小さな輝度レベルの入射光としてしか検出されない。
このようにして、得られた顕微鏡の映像は、図7(c) に示す映像 48 のように映し出される。映像 48 は、例えば、図6に示すモニタ 310 の表示部に所定の形式で表示される。
即ち、映像 48 の、ある水平ライン 49 で見た輝度値(輝度レベル)の高低は、図7(b) に示す輝度波形 50 のようになる。このとき、2値化しきい値レベルを最大の輝度値と最小の輝度値との中間(例えば、50 %)としたとき、映像 48 は、その輝度レベル(2値化しきい値)より輝度値が大きい領域は白く、輝度値が小さい領域は黒く表示される。
このように、図4のようなマスクの膜パターン 52 の線幅を測定する場合には、透過光像である映像 48 を撮像装置 24 で撮像し、撮像された映像信号を画像処理・制御部 31 に出力する。画像処理・制御部 31 は、入力された映像信号をデジタル化して、図7(c) の黒い領域 46 の幅を測定する。
図7から明らかなように、黒い領域 46 の幅は膜パターン 52 のエッジのテーパ状の部分 47 を含んでいない。
次に、図5によって、反射照明を使用した線幅測定装置について説明する。図5は、線幅測定装置の略構成を示すブロック図で、反射照明時の測定について説明するための図である。図4、図6〜図7と同じ参照番号は、同じ機能のものである。
図5において、反射照明用光源 25 から出力された光は、ハーフミラー 26 で方向を 90 度曲げられ、対物レンズ 27 を通過し、被測定対象物 29 に入射する。
被測定対象物 29 の表面に入射した光のうち、膜パターン(例えば、図4の膜パターン 52 )に入射した光は、膜パターン 29 表面で反射し、反射した光が対物レンズ 27 に戻り、対物レンズ 27 及びハーフミラー 26 を通過して、撮像装置 24 に入射する。
被測定対象物 29 の表面に入射した光のうち、膜パターンに入射せず、直接透明ガラス基板(例えば、図4の透明ガラス基板 53 )に入射した光は、反射せず(反射率 0 %の場合)透明ガラス基板を透過して、光学的顕微鏡 30 の対物レンズ 27 には戻ってこない。また、反射しても反射率が低いので、暗い輝度の映像信号しか得られない。
撮像装置 24 は、入射された光を電気信号に変換し、映像信号として画像処理・制御装置 31 に出力する。
画像処理・制御装置 31 は、入力された映像信号をデジタル信号に変換し、画像処理を行い、膜パターンの線幅や間隔等を測定する。
反射照明時でのマスクは、透過照明時と同様のマスクを使用し、マスクに対して、対物レンズ 27 内部から投光することで真上からマスクの膜パターンに投光し、その反射光を対物レンズにより、捕らえることで像を映し出していた。
図2によって、反射照明時でのマスクの映像を説明する。図2は、従来の反射照明時での被測定対象物の映像を説明するための図である。
図4のマスクは、図6の XYZ ステージ 28 上に固定(膜パターン 52 が透明ガラス基板 53 の上にあるように固定する。)されている。
図2(a) はマスクの断面図で、反射用照明光源 25 から出力された光は、ハーフミラー 26 で 90 度反射し、対物レンズ 27 を通過し、入射光 11 、12 、13 、14 、15 のようにマスクの真上から、膜パターン 52 及び透明ガラス基板 53 にほぼ垂直に、入射する。尚、入射光は説明のために模式的に5本だけ示しているが、光の特性からして実際にすべてを描写できないことは周知のことである。
入射光 11 と 15 は、膜パターン 52 の無い透明ガラス基板 53 に直接入射し、透明ガラス基板 53 を透過していくため、対物レンズ 27 には戻ってこない(入射されない)、反射率が低いため、小さな輝度レベルの反射光としてしか検出されない。
一方、入射光 13 は、膜パターン 52 の表面で反射され、対物レンズ 27 に入射する。入射光 12 と 14 は、膜パターン 52 のエッジのテーパ状の部分 47 に入射するため、膜パターン 52 の表面で反射されるが、斜めに反射するため対物レンズ 27 には戻らない(入射しない)。
このようにして、得られた顕微鏡の映像は、図2(c) に示す映像 18 のように映し出される。映像 18 は、例えば、図6に示すモニタ 310 の表示部に所定の形式で表示される。
即ち、映像 18 の、ある水平ライン 19 で見た輝度値(輝度レベル)の高低は、図2(b) に示す輝度波形 20 のようになる。このとき、2値化しきい値レベルを最大の輝度値と最小の輝度値との中間(例えば、50 %)としたとき、映像 18 は、その輝度レベル(2値化しきい値)より輝度値が大きい領域は白く、輝度値が小さい領域は黒く表示される。
この膜パターン 52 の線幅を測定する場合は、反射光像である映像 18 を撮像装置 24 で撮像し、撮像された映像信号を画像処理・制御部 31 に出力する。画像処理・制御部 31 は、入力された映像信号をデジタル化して、図2(c) の白い領域 46′の幅を測定する。
図2から明らかなように、白い領域 46′の幅は、膜パターン 52 のエッジのテーパ状の部分 47 を含んでいない。
図8によって、従来の測定装置の構成を更に述べる。図8は、従来の測定装置の基本的な構成を示す図である。301 は被測定対象物を載置して XY 軸方向に移動する XY ステージ、303 は光学的顕微鏡、304 は撮像装置、305 は照明用光源、306 は画像処理と制御を行うための PC( Personal Computer )、310 はモニタ、302 は XY ステージ 301 または光学的顕微鏡 303 を高さ( Z 軸)方向に移動する Z 軸移動機構、308 は XY ステージ 301 ,Z 軸移動機構 302 ,光学的顕微鏡 303 ,撮像装置 304 ,等のベースである。撮像装置 304 は、例えば、CCD カメラ等のテレビジョンカメラである。図8のように、通常、寸法測定装置は、被測定物を載せる XY ステージ 301 、Z 移動機構 302 、撮像装置 304 、光源 305 、顕微鏡 303 、制御用 PC 306 、モニタ 310 、ベース 308 で構成される。
図8において、PC 306 は XY ステージ 301 、Z 移動機構 302 、撮像装置 304 、照明用光源 305 、光学的顕微鏡 303 、等を制御している。
照明用光源 305 から出力された光は、例えば光学顕微鏡 303 の光軸に沿って被測定対象物に照射され、反射光が光学的顕微鏡 303 に入射する。光学的顕微鏡 303 に入射した入射光は撮像装置 304 に入射する。こうして、光学的顕微鏡 303 により拡大された被測定対象物の画像は、撮像装置 304 により、映像信号としての電気信号に変換され、PC 306 を介してモニタ 310 に表示される。
PC 306 は、撮像装置 304 から入力された映像信号をデジタル化し、デジタル化された映像信号を画像処理することで、半導体マスクなどに形成されたパターンの幅や間隔を測定する。測定した結果は、自身または寸法測定装置内の記憶部に記憶し、また、例えば、モニタ 310 上に所定の形式に従って表示する。
尚、具体的に寸法を計測する方法等については、例えば特許文献1または特許文献2に記載されているように周知の技術で実現できる。
また、透明ガラス基板での透明とは、照射する光の特性に応じて透過する光であって、ガラスの色や材質を規定するものではない。
特開2003−279318号公報 特開2002−257517号公報
上述のマスクは、クロムなどで透明ガラス基板上に所定のパターンを蒸着したものである。膜パターンのエッジ部分はテーパ状になっており、反射照明時にエッジ部分に光が当たると、対物レンズに入射せずに外部に逸れてしまう。そのため、膜パターン、膜パターンの無い部分、エッジのテーパ状の部分、とを区別することはできず、1つの校正用の膜パターンしかないマスクでは、校正を行うことができなかった。
本発明の目的は、上記のような欠点を除去し、膜パターン、膜パターンの無い部分、エッジのテーパ状の部分、とを区別することができる線幅測定装置のマスクを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の線幅測定装置の校正用のマスクは、反射照明用と透過照明用とで異なる膜パターンを設けた校正用のマスクを作成し、そのマスクを用いて校正するものである。
即ち、本発明のマスクは、反射照明時にエッジの長さを含めた幅を測定するために、透明ガラス基板に所定の膜パターンを蒸着等で形成した後、透明ガラス基板全体にメッキ処理を行い、マスクとするものである。
また、好ましくは、本発明の測定装置の校正方法は、光学的顕微鏡を介して被測定物を撮像する撮像部と、画像処理部とを備えた測定装置の校正方法において、反射照明の校正と透過照明の校正に、それぞれ異なる構成のスタンダードスケールを用いる。
また、好ましくは、本発明の測定装置の校正方法は、透明ガラス基板上に透明ガラス基板の透過率より透過率が小さい第1の膜パターンを形成した第1のスタンダードスケールを透過照明での校正に用い、更に、第1のスタンダードスケール全体に反射率の大きい膜で覆った構成の第2のスタンダードスケールを反射照明での校正に用いる。
また、好ましくは、本発明の測定装置の校正方法は、透明ガラス基板上に透明ガラス基板の透過率より透過率が小さい第1の膜パターンを形成した領域と、さらにその第1の膜パターンまでの領域を第3の膜パターンとして別に形成して更にその第3の膜パターンとその近傍の膜パターンの無い領域とを反射率の大きい膜で覆った構成の第2の膜パターンの領域とを形成し、透過照明時の校正には、第1の膜パターンの領域を用い、反射照明時の校正には、第2の膜パターンの領域を用いるものである。
本発明によれば、撮像された映像で見ると白い領域にテーパ状のエッジ部分のみが黒く縁取られたような領域の映像となり、この黒い縁の領域の幅を測定することで、エッジ部の線幅測定が容易に実現可能となり、正確な校正ができる。
また、透過照明時には、透明ガラス基板に所定の膜パターン形成したマスクを用いることで、透過照明、反射照明ともに、エッジ部分の情報を含む校正が容易に実現可能となり、より真値に近づいた測定が可能となる。
本発明の一実施例を図3によって説明する。図3は、本発明の一実施例のマスクを説明するための図である。
図3のマスクは、エッジ部分を含めた膜パターンの幅を測定するための膜パターンを示す。図3のマスクは、図4のマスク、即ち、透明ガラス基板 53 に所定の膜パターン 52 を蒸着した後に、透明ガラス基板全体を、入射光が透過しない物質の膜パターン 51 によって覆う(例えば、メッキ処理等で覆う)ことで、膜パターンのエッジ情報を得ることが可能なマスクを反射照明時の校正に使用するマスクを作成する(図1(a) に断面を示す。)。
膜パターン 51 は、透明ガラス基板 53 の光の反射率がほぼ 0 %であるのに比べ、光の反射率がほぼ 100 %に近い材質で構成されている。
尚、輝度値の差が判別できる範囲であれば、下記の関係が成立していればよい。即ち、
透明ガラス基板 53 の光の反射率<膜パターン 51 の光の反射率
である。
また、透過照明時の校正に使用するマスクは、図4に示すような、透明ガラス基板 53 に所定の膜パターン 52 を形成したマスクを用いる。
尚、透過照明用マスクと反射照明用マスクとを同一の透明ガラス基板に形成し、透過照明時かあるいは反射照明時かに応じて校正する領域を変更しても良い。
本発明の一実施例を図1で説明する。図1は、本発明の一実施例のマスクを被測定対象物として使用した場合の映像を説明するための図である。
本発明は、従来技術で説明した測定装置、例えば、図5、図6、または図8を用いて実行できる。
本発明で反射照明用に使用するマスク(校正用スタンダードスケール)は、膜パターン形成後、クロムなどでメッキ処理等をして、透明ガラス基板全体が光を通さない材料で覆われているため、入射光のほぼ大部分を反射する。
まず、図3のマスクを、図5の測定装置の XYZ ステージ 28 上に、被測定対象物として固定(膜パターン 51 や膜パターン 52 が透明ガラス基板 53 の上にあるように固定する。)する。そして、反射用照明光源 25 から出力された光は、ハーフミラー 26 で 90 度反射し、対物レンズ 27 を通過し、入射光 1 、2 、3 、4 、5 のようにマスクの真上から、膜パターン 51 、膜パターン 52 、透明ガラス基板 53 にほぼ垂直に、入射する。尚、入射光は説明のために模式的に5本だけ示しているが、光の特性からして実際にすべてを描写できないことは周知のことである。
入射光 1 、5 は、膜パターン 52 が無く、透明ガラス基板 53 に1層のメッキ から成る膜パターン 51 があるだけの場所で、入射光は膜パターン 51 に直角に照射し、入射光と反対方向、即ち対物レンズ 27 の方向に反射する。また、入射光 3 は、透明ガラス基板上 53 に膜パターン 52 があり、更にその上に形成されている膜パターン 51 に直角に照射し、入射光と反対方向、即ち対物レンズ 27 の方向に反射する。これは、どちらも表面が平坦で、入射光に対して垂直であるためで、かつ、反射率がほぼ 100 %であるため、入射光のほとんどが対物レンズ 27 の方向に反射する。
また、入射光 2 と 4 は、膜パターン 52 のエッジのテーパ状になっている部分、に入射されたため、対物レンズ 27 の方向からは逸れて行く。これは、テーパ状即ち斜めであるため、入射光が斜めに膜パターン 51 に斜めに入射して斜め方向に反射し、かつ、反射率がほぼ 100 %であるため、入射光のほとんどが対物レンズ 27 の方向には入射しないためである。
このため、マスクに入射する光の光量が各部分同一でその光量を VI とし、マスクにあたって反射し対物レンズ 27 に戻って入射する光量を VO とすると、
入射光 1 と 5(光量 VI1 )、即ち、膜パターン 52 が無く、透明ガラス基板 53 に1層のメッキ から成る膜パターン 51 に照射され、対物レンズ 27 の戻ってくる光量 VO1 は、 VO1 ≒ VI1 である。
また、入射光 3(光量 VI3 )、即ち、透明ガラス基板上 53 に膜パターン 52 があり、更にその上に形成されている膜パターン 51 に照射され、対物レンズ 27 の戻ってくる光量 VO3 は、 VO3 ≒ VI3 である。
また、入射光 2 と 4(光量 VI2 )、即ち、膜パターン 52 のエッジのテーパ状になっている部分に照射され、対物レンズ 27 に戻ってくる光量 VO2 は、 VO2 ≒ 0 である。(ただし、VI1 = VI2 = VI3
従って、対物レンズ 27 に戻ってこない(入射しない)反射光の部分が暗く(入射光量 0 )、入射する部分は明るく(入射光量 100 %)なるように撮像装置 24 で映像が取得される。
このようにして得られた映像は、図1(c) に示す映像 9 のように映し出され、映像 9 の所定の水平ライン 10 で見た輝度値の高低は、図1(a) に示す輝度波形 21 のようになる。
即ち、映像 9 の、ある水平ライン 10 で見た輝度値(輝度レベル)の高低は、図1(b) に示す輝度波形 21 のようになる。このとき、2値化しきい値レベルを最大の輝度値と最小の輝度値との中間(例えば、50 %)としたとき、映像 9 は、その輝度レベル(2値化しきい値)より輝度値が大きい領域は白く、輝度値が小さい領域は黒く表示される。
膜パターン 52 の線幅を測定するには、図1(c) の2つの黒い領域のそれぞれの外縁部間 L1 を測定することで可能となる。図1からも明らかなように、黒い領域は膜パターン 52 のエッジのテーパ状の部分を含む線幅となっており、これを測定することで、エッジのテーパ部を含めた膜パターン 52 の線幅を測定することができる。
そして、測定値とそのマスクの膜パターンとしてあらかじめ定められている標準値との誤差を検出し、測定器の校正を行う。
尚、透過照明による校正には、図4のマスクを用い、上述のような測定を行ってマスクの所定の膜パターンの線幅等を測定し、測定値とそのマスクの膜パターンとしてあらかじめ定められている標準値との誤差を検出し、測定器の校正を行う。
以上のように、測定装置において、透過照明時には、透明ガラス基板に所定の膜パターンを形成したマスクを用いて校正し、反射像明示には、透明ガラス基板に所定の膜パターンを形成し更に全面に入射光を反射する材質で膜を形成したマスクを用いて校正することによって、精度の高い校正を行うことができる。
従って、校正の再現性と信頼性の高い測定が可能な測定装置を提供することができる。
即ち、所定の膜パターンを形成した後に、メッキ処理等によって透明ガラス基板全体に入射光に対してほぼ全反射する膜パターンを形成したマスクを反射照明時のマスクとすることで、エッジ部分がテーパ状になっているため、光が対物レンズを逸れる方向に反射し、撮像された映像で見ると白い領域にテーパ状のエッジ部分のみが黒く縁取られたような領域の映像となる。この黒い縁の領域の幅を測定することで、従来のマスクでは測定できなかった、エッジ部の線幅測定が容易に実現可能となり、正確な校正ができる。
また、透過照明時には、従来のように、透明ガラス基板に所定の透明ガラス基板に比べて透過率が小さい膜パターン形成しただけのマスクを用いることで、透過照明、反射照明ともに、エッジ部分の情報を含む校正が容易に実現可能となり、より真値に近づいた測定が可能となる。
尚、上記の実施例では、輝度値の最大と最小の中間値(即ち、最大輝度値を 100 %、最小輝度値を 0 %としたとき、50 %の輝度値)にしきい値を設定し、2値化することによって、白と黒のコントラストの高い映像を得たが、2値化しきい値は、50 %に限らず、装置や被測定対象物の種類等に応じて適宜変更しても良いことは自明である。更に、2値化せず、輝度を階調的に変化させて表示しても良い。
本発明の一実施例のマスクを被測定対象物として使用した場合の映像を説明するための図。 従来の透過照明時での被測定対象物の映像を説明するための図。 本発明の一実施例のマスクを説明するための図。 従来の反射照明時に使用するマスクの概略を示す斜視図。 反射照明時の線幅測定を説明するための図。 透過照明時の線幅測定を説明するための図。 従来の透過照明時での被測定対象物の映像を説明するための図。 従来の測定装置の基本的な構成を示す図。
符号の説明
1〜5:入射光、 10:水平ライン、 11〜15:入射光18:映像、 19:水平ライン、 20,21:輝度波形、 24:撮像装置、 25:反射照明用光源、 26:ハーフミラー、 27:対物レンズ、 28:XYZ ステージ、 29:被測定対象物、 30:光学的顕微鏡、 31:画像処理・制御装置、 32:コンデンサレンズ、 33:透過照明用光源、 41〜45:入射光、46,46′:領域、 47:テーパ状の部分、 48:映像、 49:水平ライン、 50:輝度波形、 51:膜、 52:膜パターン、 53:透明ガラス基板、 301:XYステージ、 302:Z軸移動機構、 303:光学的顕微鏡、 304:撮像装置、 305:照明用光源、 306:PC、 308:ベース、 310:モニタ

Claims (2)

  1. 光学的顕微鏡を介して被測定物を撮像する撮像部と、画像処理部とを備えた測定装置の校正方法において、
    反射照明の校正と透過照明の校正のために、それぞれ異なる構成のスタンダードスケールを用いることを特徴とする測定装置の校正方法。
  2. 請求項1記載の測定装置の校正方法において、透明ガラス基板上に該透明ガラス基板の透過率より透過率が小さい第1の膜パターンを形成した第1のスタンダードスケールを透過照明での校正に用い、更に、上記第1のスタンダードスケール全体に反射率の大きい膜で覆った構成の第2のスタンダードスケールを反射照明での校正に用いることを特徴とする測定装置の校正方法。

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