JP2004170400A - 寸法測定方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
パターンの微細化によって測定するパターンのテーパの幅が小さくなる場合でもテーパ形状が測定可能で、パターンの線幅の管理に使用できるだけでなく、製造工程における管理項目として必要なテーパ形状を測定可能なパターン寸法測定方法を提供する。
【解決手段】
顕微鏡の照明に反射照明と透過照明を採用し、パターン上部の検出に反射照明にて、パターン下部の検出に透過照明にて照射するか、または、反射と透過照明を同時に照射することにより、検出する箇所のテーパ部の境界の検出が容易となり、パターンのテーパ幅を測定ができるようにした。
【選択図】 図11
Description
また、測定点は、基板上の経験的に選んだ複数のパターンについて行い、製品が新規に開発された時点では、その測定点数も多くなり、製品の製作数が多くなるにつれて必要な測定点が経験的に分かってくるために、少ない測定点数での測定に成っていく。
図1の寸法測定装置は、顕微鏡 101 によって得られた試料(測定対象物) 102 の像を二次元センサ(この例では、TV(テレビジョン)カメラ 103 )で撮像し、測定部 104 内にあるフレームメモリに撮り込み、フレームメモリ内の輝度レベルデータから寸法を求めるものである。
図2は、図1の寸法測定装置のビデオモニタ 6 に表示された測定画面 106 と測定画面 106 内のカメラ画像表示エリア 107 の表示例を示す図である。
図3は、試料 102 として、マスク基板のパターン(ガラス基板上のクロム蒸着パターン)を用い、そのパターンの表面の反射照明時の測定画像を表示した図である。
反射照明時には、光が上から試料に照射され、試料からの反射光を撮像する。試料がガラス基板上に形成されたクロム蒸着パターンの場合には、クロムでは反射率が高く顕微鏡に入射する光量が多いが、ガラス部分ではほとんど透過するため、反射率が低く、顕微鏡に入射する光量が少ない。また、クロムパターン形成でもテーパ部分では反射光が斜めに出て行くので、顕微鏡に入射する光量は少なくなる。尚、白い部分(クロムパターンの上面平坦部)の幅は、図3の例では、5 μm である。
Wr =( Rr − Lr )× C ‥‥‥式(1)
ここで、C は補正係数であり、前もって既知のサンプルを測定して補正係数を求めておく。
図4において、黒地部 401 はクロムの配線パターン部分を示し、白地部 402 は透明ガラスであることを示している。図4に示す画像において、図5で説明したと同様に基準ライン 303 上の輝度の濃度分布を測定すると図6で示すものとなる。また、黒地部 401 の部分を中心として一部だけ表示している。例えば、1番地が1画素に相当する。この最大値 N は、水平方向の画素数と対応している。
透過照明時には、光が下から試料に照射され、試料からの透過光を撮像する。試料がガラス基板上に形成されたクロム蒸着パターンの場合には、クロムでは透過率が悪く顕微鏡に入射する光量がほぼゼロになるが、ガラス部分ではほとんど透過するため、顕微鏡に入射する光量が多い。また、クロムパターン形成でもテーパ部分では透過光が斜めに出て行くので、顕微鏡に入射する光量は少なくなる。尚、黒い部分(クロムパターンの下面)の幅は、図4の例では、6 μm である。
図6の場合には、図4の基準ライン 303 上の輝度分布は、図5に示すものと逆転し、最高輝度 100 %は、透明ガラス部の部分の輝度であり、最低輝度 0 %は、クロムパターンの上面部の部分の輝度である。これは、反射光か透過光かによって輝度の濃度分布が逆転するためである。
従って、1 番地から N 番地に向かって、輝度が減少する方向で輝度が中間の 50 %になる番地をエッジ部 Lt 、輝度が増加する方向で輝度が中間の 50 %になる番地をエッジ部 Rt とする。
そして、前述の式(1) の様に表すならば、式(2) によって、エッジ部 Lt とエッジ部 Rt とからボトム部の線幅寸法 Wt が求められる。
Wt =( Rt − Lt )× C′ ‥‥‥式(2)
ここで、C′は補正係数であり、前述の C と同様、前もって既知のサンプルを測定して補正係数を求めておく。
例えば、液晶パネルの高精細化に伴い、液晶パネルの製造工程において、例えば、LCD 基板上に、各画素毎に形成される薄膜トランジスタのパターンの線幅が、例えば 5 μm ± 0.5 μm のように、微細化している。液晶パネル(または、液晶ディスプレイ)には、例えば、TFT( Thin Film Transistor )、STN( Super Twisted Nematic )、DSTN( Dual-scan Super Twisted Nematic )、PDP 等の方式がある。またパターンの微細化と共に、パターンの断面形状も台形から、より立体的な四角(□)の形状(即ち、パターンのテーパ部分が無い形状)が要求されてきており、そのためにパターン形成時のレジスト塗布状態、及び、レジスト剥離後の実際のパターン状態での配線パターン部の断面形状を検査すること、即ち、パターンのテーパ(傾斜)部分(テーパの幅)の測定が不可欠となってきている。
即ち、上述の技術では、テーパの幅が分解能より十分大きければパターンの上部と下部の検出が可能である。しかし、パターンのテーパの幅が小さくなると、テーパの幅が分解能に近づくため、パターンの違いを認識ができなくなる。その結果、テーパの幅や傾き等の測定が不可能となる。
従って、パターンの線幅の管理には使用できるが、製造工程における管理項目として必要なテーパ形状の測定が出来ない欠点がある。
従って、パターンの線幅の管理には使用できるが、製造工程における管理項目として必要なテーパ形状の測定が出来ない欠点がある。
本発明の目的は、上記のような欠点を除去し、パターンの微細化によって測定するパターンのテーパの幅が小さい場合でも線幅測定及びその断面形状、即ちテーパ形状が測定可能で、パターンの線幅の管理に使用できるだけでなく、製造工程における管理項目として必要なテーパ形状を測定可能なパターン寸法測定方法及び装置を提供することにある。
即ち、本発明は、顕微鏡の照明に反射照明と透過照明を採用し、パターン上部の検出に反射照明にて、パターン下部の検出に透過照明にて照射するか、または、反射と透過照明を同時に照射することにより、検出する箇所のテーパ部の境界の検出が容易となり、パターンのテーパ幅を測定ができるようにしたものである。
即ち、本発明の寸法測定方法は、基板上に形成された配線パターンを顕微鏡を介して撮像装置で撮像し、撮像装置から得られる映像信号を処理する信号処理部および配線パターンを照明する反射および透過照明装置とを有する配線パターンの寸法測定装置を用いる配線パターンの寸法測定方法において、信号処理部で、反射照明装置から照射される反射光により配線パターンの上部エッジ部の位置を検出し、透過照明装置から照射される透過照明により配線パターンの下部エッジ部の位置を検出し、検出された配線パターンの上部エッジ部の位置と検出された配線パターンの下部エッジ部の位置とから配線パターンの寸法を測定するものである。
また、本発明の寸法測定方法において、好ましくは、配線パターンの上部エッジ部の位置および配線パターンの下部エッジ部の位置は、それぞれ撮像装置から得られる配線パターンの輝度信号レベルに基づいて演算されるものである。
また、本発明の寸法測定方法において、好ましくは、配線パターンの寸法は、顕微鏡と配線パターンとの距離情報に基づいて演算されるものである。
また、本発明の寸法測定方法において、好ましくは、距離情報は、配線パターンと反射光および透過光の合焦点位置との間の距離であるものである。
また、本発明の寸法測定方法において、好ましくは、反射照明装置と透過照明装置を同時に配線パターンに照射し、配線パターンの寸法を測定するものである。
また、本発明の配線パターンの寸法測定装置において、好ましくは、更に、焦点位置検出部を有するものである。
また、本発明の配線パターンの寸法測定装置において、好ましくは、焦点位置検出部は、反射照明および透過照明の合焦点位置を画像処理装置に入力し、画像処理装置は、反射照明および透過照明の合焦点位置に基づいて配線パターンの厚みを演算するものである。
また、本発明の配線パターンの寸法測定装置において、好ましくは、顕微鏡は、共焦点顕微鏡であるものである。
また、本発明の寸法測定方法は、上記第1の位置座標と共に、上記顕微鏡と上記パターンとの距離情報を取得し、上記第1と第2の位置座標及び上記距離情報に基いて上記パターンの寸法を測定するものである。
また、本発明の寸法測定方法の上記距離情報は、
上記反射照明と上記透過照明それぞれで同焦点位置の高さであることを特徴とするものである。
即ち、パターンの微細化等によりテーパの幅が小さい場合でも、確実に寸法測定が可能となり、更に、反射光と透過光を同時に照射することによって、測定が効率的に行えることで、測定や検査のタクトタイムを短縮でき、結果的に製品の製作時間が短くなることでコストを削減できるという効果がある。
試料(測定対象物) 102 の像(被写体像)は、顕微鏡 101 の対物レンズ 3 で拡大される。拡大された被写体像は、TV カメラ 103 によって映像信号に変換され、測定部 5 に出力される。
測定部 5 は、顕微鏡 101 に組込まれた反射用照明ランプ 7 の照明電源部 8 と透過用照明ランプ 9 の照明電源部 10 を後述するように制御し、TV カメラ 103 が取得した映像信号の輝度情報から、試料 102 のパターンの線幅やテーパ幅を測定し、測定した結果や必要な情報をビデオモニタ 6 に出力する。ビデオモニタ 6 は被写体像と測定結果を表示する。反射用照明ランプ 7 と透過用照明ランプ 9 は、例えば、ハロゲンランプである。
測定部 5 は、図示しない入出力機器によって、操作員が操作を行なう。
この例は、下記の関係が、パターン上部とパターン下部で輝度値についてある場合である。
パターン上部 20 の輝度値>下地パターン 14 の輝度値
このとき、パターン上部 20 の右エッジ部( L )16 とパターン下部 14 の左エッジ部、すなわち、テーパ部19の右エッジ部( R )17 は、それぞれ図5で説明した手法と同様に、輝度値の差の 50 %の部分の画素の番地として検出される。更に、一般的な画像処理方法により式(3) に示すような寸法計測が可能となる。
W =( R − L )× K ‥‥‥式(3)
ここで、K は補正係数であり、前記式(1) (2) と同様に、前もって既知のサンプルを測定して定められる。R はパターン下部の左エッジ部 17 の番地、L はパターン上部 20 の右エッジ部 16 の番地である。
また、図9では、パターン上部 20 の輝度値を 100 %、一番輝度の低い部分の輝度値を 0 %とすると、下地パターン 14 の輝度値は 5 〜 10 %である。
尚、図9では、例えば、顕微鏡 101 の対物レンズが 20 倍、中間レンズが約 3.3 倍のものを使用している。倍率の関係で、輝度分布の曲線は、なまっていない。しかし、例えば、顕微鏡 101 の対物レンズが 50 倍、中間レンズが約 3.3 倍のものを使用すると、輝度分布の曲線は、なまってくる。
パターン上部 20 の輝度値>下地パターン 14 の輝度値
(a) は撮像画像 11 、(b) は撮像画像 11 の基準ライン 12 でのパターン断面 13 を示す。(c) は撮像画 11 の基準ライン 12 上の輝度分布 15′である。また、矢印は、光の進路を模式的に表したものである。
次に、顕微鏡 101 に組込まれた透過用照明ランプ 9 により測定対象物 11 を照射する照明を透過照明に切替える。
この時、図11(d) に示すように、パターン上部 20 とテーパ部 19 とでは光が十分に透過せず、下地パターン 14 では光が透過するため、図11(e) に示すような輝度分布 15″が得られる。このため、パターン下部の左エッジ部 17 の検出が可能となる。
以上で得られたパターン上部の右エッジ部 16 とパターン下部の左エッジ部 17 とから、式(3) による寸法計測が可能となる。
上記説明では、パターンの右側のテーパ部について左と右のエッジを検出する説明をしたが、パターンの左側のテーパ部についても同様に寸法計測ができることは言うまでもない。
また、下地パターン 14 では、光の殆どが透過するため、輝度分布の輝度差が最も大きくなる。
この状態は、図9で説明した、測定するパターンのテーパの幅が大きく、傾斜が緩やかな場合の輝度分布となるため、最も安定した計測処理が可能となる。
また、TV カメラ 103 で得られる映像信号についても、1回の処理で済むため、生産のためのタクトタイムも向上する。
上記までの実施例では、パターンの高さは、製作の条件として、常に所定の高さが実現できるとして寸法測定を行ってきた。しかし、実際のパターンでは、必ずばらつきがあり、一定の高さであることはない。従って、ここで説明するように、高さ方向の測定も重要である。
従って、輝度分布 Cr のようになる。この輝度分布の 1 から N 番地(画素数に対応する)に向かって輝度が 50 %になる番地をエッジ部 Lr とする。エッジ部 Lr は、パターン左側のトップ部のエッジ部 71 に相当する。また、この時の合焦点位置座標( Z 軸座標)は、スケール 80 によって測定され、測定部 5 に与えられるトップ部の番地 Zr( Z 軸方向の位置(番地)に対応するスケール座標)である。
上記に述べたと同様に、パターン右側のトップ部のエッジ 73 とボトム部のエッジ 74 についても、対応する番地(フレームメモリ番地と Z 軸方向の位置)を測定できる。
TL =( Lt − Lr )× C″ ‥‥‥式(4)
ここで、C″は補正係数である。尚、前述の C ,C′と同様、前もって既知のサンプルを測定して補正係数を求めておく。
HL = Zt − Zr ‥‥‥式(5)
DL = tan ー1( HL ÷ TL) ‥‥‥式(6)
尚、DL は、90 度に近い方が微細なパターンとして優れているか、または好まれる。この角度を求め、前もって設定した値と比較することで、製品またはパターンの良否の判定を行うことができる。
また、顕微鏡 101 としては、パターンのトップ側とボトム側が分解できる共焦点顕微鏡(コンフォーカル)を用いる。( Z 軸方向分解能:0.1 μm )
高さ方向については、共焦点顕微鏡(コンフォーカル)には、0.1 μm の分解能しかないが、別途レーザー干渉計を用いて高分解能化しても良い。
また、上述の実施例では、輝度が 50 %になるところをエッジ部としたが、測定する物体(試料)によって適宜設定し、変更することができることは言うまでもない。
Claims (9)
- 基板上に形成された配線パターンを顕微鏡を介して撮像装置で撮像し、上記撮像装置から得られる映像信号を処理する信号処理部および上記配線パターンを照明する反射および透過照明装置とを有する配線パターンの寸法測定装置を用いる配線パターンの寸法測定方法において、
上記信号処理部で、上記反射照明装置から照射される反射光により上記配線パターンの上部エッジ部の位置を検出し、上記透過照明装置から照射される透過照明により上記配線パターンの下部エッジ部の位置を検出し、上記検出された配線パターンの上部エッジ部の位置と上記検出された配線パターンの下部エッジ部の位置とから上記配線パターンの寸法を測定することを特徴とする寸法測定方法。 - 請求項1記載の寸法測定方法において、上記配線パターンの上部エッジ部の位置および上記配線パターンの下部エッジ部の位置は、それぞれ上記撮像装置から得られる上記配線パターンの輝度信号レベルに基づいて演算されることを特徴とする寸法測定方法。
- 請求項1記載の寸法測定方法において、上記配線パターンの寸法は、上記顕微鏡と上記配線パターンとの距離情報に基づいて演算されることを特徴とする寸法測定方法。
- 請求項3記載の寸法測定方法において、上記距離情報は、上記配線パターンと上記反射光および透過光の合焦点位置との間の距離であることを特徴とする寸法測定方法。
- 請求項1記載の寸法測定方法において、上記反射照明装置と上記透過照明装置を同時に上記配線パターンに照射し、上記配線パターンの寸法を測定することを特徴とする寸法測定方法。
- 基板上に形成された配線パターンを有する測定試料を搭載する載置台と、上記配線パターンを拡大する顕微鏡と、上記顕微鏡で拡大された配線パターン像を映像信号に変換する撮像装置と、上記映像信号を処理する画像処理装置および上記配線パターンを照明する反射および透過照明装置および上記反射および透過照明装置を制御する照明制御部とを有し、上記照明制御部は、上記反射および透過照明を同時または個別に上記配線パターンに照射するように制御することを特徴とする配線パターンの寸法測定装置。
- 請求項6記載の配線パターンの寸法測定装置において、更に、焦点位置検出部を有することを特徴とする配線パターンの寸法測定装置。
- 請求項7記載の配線パターンの寸法測定装置において、上記焦点位置検出部は、上記反射照明および上記透過照明の合焦点位置を上記画像処理装置に入力し、上記画像処理装置は、上記反射照明および上記透過照明の合焦点位置に基づいて上記配線パターンの厚みを演算することを特徴とする配線パターンの寸法測定装置。
- 請求項8記載の配線パターンの寸法測定装置において、上記顕微鏡は、共焦点顕微鏡であることを特徴とする配線パターンの寸法測定装置。
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