JP2006170642A - バイオセンサアレイ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大規模で高精度のバイオセンサを提供するためには各サイトの温度を高精度に制御する必要がある。
【解決手段】基板と、該基板上にマトリクス状に配置した多数の加熱装置と、該加熱装置に電流を供給する電力配線と、該加熱装置に対応してマトリクス状に配列された薄膜トランジスターと、該薄膜トランジスターに制御信号を与えるゲート配線と、上記加熱装置及び該薄膜トランジスターに対応する位置にマトリクス状に形成されDNAプローブを担持するセンサとを有することを特徴とするバイオセンサアレイ。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイオセンサアレイ及びその製造方法に関するものであって、このバイオセンサアレイは、特に多種類のDNAのハイブリダイゼーション反応を同時に検出又は迅速に検出するDNAチップに好適なバイセンサアレイに関する。
分子生物学や生化学では病気の診断などに遺伝子の解析が進められている。この場合、試料中のターゲット分子とハイブリダイゼーションする分子を探索し同定する手法が用いられている。特に、DNAを同定することにより診断に有用な情報を得ることができる。これまでにマトリクス状に設定したバイオチップ上にDNAプローブを担持したDNAチップが実用化されている。これは、バイオチップ上で検査対象となるDNAをハイブリダイゼーションすることによりDNA配列を解析、同定するものである。しかし、DNAによってハイブリダイゼーションの最適温度が異なるため精度の高い解析ができなかった。
そこで、温度を変えながら蛍光強度を測定することにより、各温度における各サイトの状態を測定し精度を高める試みが下記特許文献1に記載されている。
また、各サイトごとに温度を独立に制御して最適温度に設定する試みが下記特許文献2に記載されている。
特開2001‐255328号公報 特開2001‐235469号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法では温度の上昇にともなう時間が必要となり、迅速な解析ができないという欠点がある。
また、上記特許文献2に記載の発明では各サイトに配線を引き回す構成となる。このため、大規模なマトリクスに適用できず多種のDNAに対応できるチップの製造が難しいという欠点がある。
そこで、本発明は、各サイトの温度を独立に制御することにより解析の制度を高め、また大規模なマトリクスに対応できるバイオセンサを提供することを目的とする。
本発明は、基板と、該基板上にマトリクス状に配置した多数の加熱装置と、該加熱装置に電流を供給する電力配線と、該加熱装置に対応してマトリクス状に配列された薄膜トランジスターと、該薄膜トランジスターに制御信号を与えるゲート配線と、上記加熱装置及び該薄膜トランジスターに対応する位置にマトリクス状に形成されDNAプローブを担持し、又は担持することができる領域を有するセンサとを有することを特徴とするバイオセンサアレイを提供するものである。
本発明によれば、ゲート配線電極とヒーター電力配線により所定の加熱装置を選択でき、各サイトの加熱装置に個別に電力を供給することが可能になる。このため、各サイトの温度を個別に制御することが可能になる。また、TFTによるスイッチングを導入することにより大規模なマトリクスに対応することが可能になる。さらに、各サイトのセンサにより温度を計測することにより高精度の解析を進めることができる。
本発明では、所望の加熱装置を駆動するために薄膜トランジスターを介して目的のセンササイトをセレクトする方法を考えた。図1に本発明の回路模式図を示す。この場合、加熱装置としてヒーターを適用している。各ヒーター1に薄膜トランジスター(TFT: Thin Film Transistor)2を配し、ゲート電極配線3を加えた。このゲート電極配線3とヒーター電力配線4をセレクトし、ヒーター電力配線からヒーターに電力を供給することにより所望のヒーターを駆動することが可能になる。また、同時にTFT5を介してセンサ6に信号配線7から電流を流しその電流値あるいは電圧値から温度を測定する。この値をもとにヒーター電力線の電流を設定し温度を制御する。
図2は本発明によるバイオセンサの一例の1サイトを示す平面模式図であり、図3はその断面模式図(A−A’断面)を示す。このデバイスを形成するためには、まず基板8上にヒーター1を形成する。この方法としては、例えば、TaN膜、TaSi膜などをスパッタリング法により形成し、フォトリソグラフィー工程によりパターン化する。その後、ヒーター膜を熱処理し安定化する。
この上に、TFTを形成する。ヒーター膜を形成した後、TFTを形成するのは、ヒーター膜の熱的安定性を十分に確保するためにヒーター膜を500℃以上の高温で熱処理するため、先にTFTを形成するとこの熱処理工程でTFT特性が劣化するおそれがあるためである。また、TFTの場合、Si基板に形成するトランジスターと異なり、基板を半導体以外のもの、例えば絶縁体を使用することができるので、熱伝導率が低減できるため高精度の温度制御が可能となる。また、ガラスなどの安価な材料を使用できるためコスト低減も可能になる。
TFTは逆スタガ、正スタガ、コプラナ構造が考えられる。図2、図3では、逆スタガ構造の平面模式図と断面模式図を示している。逆スタガ構造の場合、まず層間絶縁層9を形成する。ついでフォトリソグラフィー法によりスルーホール10を形成する。さらに、ゲート電極配線3とコモン電極配線11を形成する。これらの配線電極にはAl、Cr、Mo、Ta、Ti、W、Nb、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au及びそれらの合金を有するものが考えられる。また、コンタクト特性及び電気導電度を向上するため、異なる種類の金属膜を積層しても良い。これらの材料をスパッタリング法あるいは蒸着法で成膜し、フォトリソグラフィー工程でパターニングする。この際、コモン電極配線11はスルーホール10を介してヒーター膜1と電気的に接続する。
この上にゲート絶縁層12を形成する。ゲート絶縁層12としては窒素あるいは酸素を含有するSi膜が考えられる。この膜の形成法としては、PECVD法などがある。窒素を含むSi膜はSiHとNHやNなどを原料ガスとし、これらにHやArなどの希ガスを加えても良い。また、酸素を含むSi膜は、SiH、Si(O(C))(TEOS)、Oなどを原料ガスとして、成膜室に導入し、RF放電を行い、原料ガスを分解し、成膜する。
この上に、半導体層13、コンタクト層14を成膜する。半導体層13には、Siを主成分とした薄膜を適用する。半導体層としては、非晶質Si、結晶質Si、微結晶Si等が考えられる。SiにIV族成分(C、Ge、Sn)を混入しても良い。IV族成分を混入することにより結晶性を向上することが可能になる。コンタクト層にはPなどのV族元素あるいはBなどのIII族元素をドープしたSi膜やSiにIV族元素を混入した膜を適用する。
これらの膜の形成方法には、PECVD法、熱CVD法などがある。窒素を含むSi膜はSiHなどを原料ガスとし、これらにHやArなどの希ガスを加えても良い。これらのガスを成膜室に導入しPECVD法などにより分解して成膜する。IV族元素を添加するためには、SiH、SiなどのSi2n+2(n:整数)、SiF、GeHなどGe2n+2(n:整数)、GeFや、CH、SnH、F、H、Arなどの希ガスを混合しPECVD法、熱CVD法などで形成する。また、Pを含有するSi膜は、PHとSi2n+2と混合しPECVD法、熱CVD法などにより形成する。
ついで、フォトリソグラフィー法によりコンタクト層14、半導体層13を島状に加工し、さらにフォトリソグラフィーによりゲート絶縁層12と層間絶縁膜9にヒーターとなる薄膜に接続するようにスルーホール15を形成する。ついで、金属膜を形成する。この金属としては、Al、Cr、Mo、Ta、Ti、W、Nb、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au及びそれらの合金を有するものが考えられる。また、コンタクト特性及び電気導電度を向上するため、異なる種類の金属膜を積層しても良い。金属層をフォトリソグラフィーにより加工し、ソース電極16、ヒーター電力配線4及び信号配線7を形成する。この際、ソース電極16とヒーター1と前記のスルーホール15で接続する。
ついで、ソース電極16とヒーター電力配線4あるいは信号配線7の間にあるコンタクト層をエッチングする。この上に保護層17を形成する。保護層としては、窒素を含むSiや酸素を含むSiなどが考えられる。ついで、フォトリソグラフィーによりスルーホール18及びゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホールを形成する。ついで、金属膜あるいは半導体膜をスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィー法によりセンサ6に加工する。ここで、金属膜や半導体膜は温度により抵抗率が変わるためセンサとして機能する。
この後、熱的な絶縁性を確保する溝19を加工するため、WSi膜を成膜した後、フォトリソグラフィーによりWSi膜を加工し、それをマスクとしてRIEにより溝のエッチング加工をする。溝19の加工後、WSi膜を除去する。図2、図3において、薄膜トランジスターの領域にバイオセンサ領域が形成される。このセンサ領域に予めDNAプローブを担持しても良いし、測定時に所望のDNAセンサを担持することもできる。
図4及び図5に、ヒーターの発熱をサイト面に均一に拡散するために、均熱層を設けたデバイスの1サイトの平面模式図と断面模式図(B−B’断面)を示す。均熱層20は第2の保護層21を形成した後、溝19の形成前に形成する。均熱層としては金属、半導体、絶縁物などが考えられる。この上に第3の保護層を形成しない場合、耐蝕性の優れた材料を適用する必要がある。この材料としては、Au等の貴金属、グラファイトやダイヤモンド薄膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC; Diamond Like Carbon)膜などの炭素を含む材料が考えられる。これらの膜をスパッタリングあるいはCVD法で形成した後、フォトリソグラフィー法によりパターニングする。この層により温度を均一化でき反応を精度良く制御することが可能になる。
また、図6に示した断面模式図のようにさらに第3の保護層22を形成しても良い。この場合、均熱層20の耐蝕性はあまり重要で無くなり材料選択の範囲を広げることができる。この場合、均熱層は第2の保護層21を形成した後、形成加工し、その後第3の保護層22を形成し、フォトリソグラフィー法によりゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホールを形成した後、溝18を形成する。
TFTとして正スタガ構造を採用する場合の断面模式図を図7に示す。逆スタガの場合について記述したように、ヒーター1を作製する。ついで、絶縁層8を形成した後、スルーホール15を形成する。この上に、ヒーター電力配線4及び信号配線7を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。この際、ソース電極16は、スルーホール18を介してヒーター1と電気的に接続する。この上に、コンタクト層14を形成する。コンタクト層としては、逆スタガの場合と同様にIII族あるいはV族をドープしたSi膜などが考えられる。コンタクト層はフォトリソグラフィーにより加工する。また、コンタクト層はヒーター電力配線4及びソース電極16と積層して成膜し、同時にフォトリソグラフィー法により一括して加工しても良い。ついで、半導体層13を形成する。半導体層としては逆スタガの場合と同様にSiを主成分とした材料を適用する。半導体層はフォトリソグラフィーにより島状に加工する。ついでゲート絶縁層を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。
ついで、ゲート電極配線3を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。この上に保護層17を形成する。保護層としては、窒素を含むSiや酸素を含むSiなどが考えられる。ついで、フォトリソグラフィーによりスルーホール18を形成する。
この後、前述の逆スタガ型TFTを用いた場合と同様に、センサ6を形成し、第2の保護層21、均熱層20、ゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホール、溝19を形成しバイオセンサを完成する。
TFTとしてコプラナ構造を採用する場合の断面模式図を図8に示す。前述の逆スタガの場合と同様に、ヒーター1を作製する。この上に層間絶縁層9を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。ついで、半導体層13を形成する。材料としてはSiを主成分としたものが挙げられる。半導体層はフォトリソグラフィー工程により島状に加工する。この上に、ゲート絶縁層12を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。さらに、この上にゲート電極を形成した。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。また、SiにIII族あるいはV族元素をドープして低抵抗化したものも適用可能である。ゲート電極配線はフォトリソグラフィー工程により加工する。
さらに、不純物活性層21を形成するために、BなどのIII族元素あるいはPなどのV族元素イオンを注入する。ついで、この上に層間絶縁層9を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。ついで、フォトリソグラフィー法により、スルーホール15を層間絶縁層9とゲート絶縁層12に形成する。ついで、ヒーター電力配線4、ソース電極16、信号配線7を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。
この上に保護層17を形成する。この材料としては、前述の逆スタガ構造TFTの場合に記述したものが考えられる。ついでフォトリソグラフィー法によりスルーホール18を形成し、さらにセンサ6を成膜加工する。この上に第2の保護層21を成膜した後、フォトリソグラフィーによりゲート電極配線、コモン電極配線、ヒーター電力配線、信号配線の端子部にスルーホールを形成する。
この後、前述の逆スタガ型TFTを用いた場合と同様に、溝19を形成しバイオセンサを完成する。
以上の工程により作製したバイオセンサは、ゲート電極配線3とヒーター電力配線4により所定のヒーターを選択でき、液体移動に必要な電流を指定したヒーターに供給することが可能になる。また、ゲート電極配線と信号線を選択することにより所定のセンサを選択でき温度などを計測することが可能である。温度などの計測データを基にヒーターに流す電流を決定し各サイトを所定の温度に設定することが可能になる。DNAチップとして適用する場合、担持したDNAのハイブリダイゼーションの適正温度に設定することにより精度高い解析を短時間ですることが可能になる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。
以下、本発明の第1実施例を図2及び図3を用いて説明する。まず石英基板上にヒーター1としてTaN膜をスパッタリングにより形成した。ついでフォトリソグラフィー工程によりパターン化した。さらに600℃で熱処理した。さらにTEOSを原料としたPECVD法によりSiO膜を500nm堆積した。さらにフォトリソグラフィー法によりスルーホール10を形成した。
この上に、TFTを形成した。まず、ゲート電極配線3とコモン電極配線11を形成した。これは、CrMo合金をスパッタリング法により成膜した後、フォトリソグラフィー工程でコモン電極配線及びコンタクト膜にパターニングした。この際、コモン電極配線11はヒーター1と電気的に接続する。
この上にゲート絶縁層3を形成した。ゲート絶縁層としてSiN膜をPECVD法でSiH、NH、Nを原料ガスとして形成した。さらに半導体層13としてa−Si膜を形成した。a−Si膜は、PECVD法によりSiHとHを用いて形成した。ついで、コンタクト層14としてnSi膜をPECVD法により形成した。nSi膜は、SiH、PH、Hを原料としたPECVD法で形成した。
ついで、フォトリソグラフィー法によりコンタクト層14、半導体層13を島状に加工し、さらにフォトリソグラフィーによりゲート絶縁層12にヒーターに接続するようにスルーホール15を形成した。ついで、CrMo膜をスパッタリング法で形成した。CrMo膜をフォトリソグラフィーにより加工し、ソース電極16及びヒーター電力配線4、信号配線7を形成した。この際、ソース電極17とヒーター1を前記のスルーホール15を通して接続した。
ついで、ソース電極16とヒーター電力配線4及び信号配線7の間にあるnSi膜をエッチングした。オーバエッチしa−Si膜も若干エッチングした。この上に保護層17としてSiN膜をPECVD法でSiH、NH、Nの混合ガスを用いて形成した。さらに、保護層17にフォトリソグラフィー工程によりスルーホール18及びゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホールを形成した。その後、Pt膜をスパッタリング法で成膜した後、フォトリソグラフィーにより加工しセンサ6を形成した。
この後、溝を加工するため、WSi膜をスパッタリング法により成膜しフォトリソグラフィーによりWSi膜を加工し、それをマスクとしてRIEにより溝のエッチング加工をした。溝の加工後、WSi膜をエッチングにより除去した。
この後、各サイトにプローブDNAを担持した。ゲート電極を走査することによりセンサに定電流を流し、発生する電圧から各サイトの温度を測定した。この値を基に各サイトのヒーターに供給する電流を決定し、ゲート電極配線で走査し各サイトのヒーターに電流を供給し温度をプローブDNAのハイブリダイゼーションに最適な温度に設定した。このチップ上に蛍光標識した試料DNAを供給しハイブリダイゼーションし、その後励起光を照射して蛍光強度を測定した。この方法により、短時間で高精度の試料DNA解析をすることができた。
本発明の第2実施例を図4及び図5を用いて説明する。実施例1と同様な方法でヒーター1、層間絶縁層9、TFT、保護層17、センサ6を形成した。ついで第2の保護層21としてSiN膜をPECVD法により形成した。さらに、その上にスパッタリング法によりグラファイト膜を成膜し、フォトリソグラフィー法により均熱層20を加工した。この後、実施例1と同様の方法で溝を加工した。
この後、各サイトにプローブDNAを担持した。ゲート電極を走査することによりセンサ6に定電流を流し、発生する電圧から各サイトの温度を測定した。この値を基に各サイトのヒーターに供給する電流を決定し、ゲート電極配線で走査し各サイトのヒーターに電流を供給し温度をプローブDNAのハイブリダイゼーションに最適な温度に設定した。このチップ上に蛍光標識した試料DNAを供給しハイブリダイゼーションし、その後励起光を照射して蛍光強度を測定した。この方法により、短時間で高精度の試料DNA解析をすることができた。
本発明の第3実施例を図6を用いて説明する。実施例2と同様な方法でヒーター1、層間絶縁層9、TFT、保護層17、センサ、第2の保護層21を形成した。ついで、スパッタリング法によりAuを成膜した後、フォトリソグラフィー法により均熱層20を加工した。この上に、第3の保護層としてSi膜をPECVD法により形成した。この後実施例1と同様の方法で溝を加工した。
この後、各サイトにプローブDNAを担持した。ゲート電極を走査することによりセンサ6に定電流を流し、発生する電圧から各サイトの温度を測定した。この値を基に各サイトのヒーターに供給する電流を決定し、ゲート電極配線で走査し各サイトのヒーターに電流を供給し温度をプローブDNAのハイブリダイゼーションに最適な温度に設定した。このチップ上に蛍光標識した試料DNAを供給しハイブリダイゼーションし、その後励起光を照射して蛍光強度を測定した。この方法により、短時間で高精度の試料DNA解析をすることができた。
本発明の第4実施例を図7を用いて説明する。実施例1と同様な方法でガラス基板上にヒーター1を形成した。ついで層間絶縁層9としてSi膜をPECVD法により成膜した後、フォトリソグラフィー法によりスルーホール10を形成した。ついで、スパッタリング法でCrMo膜を成膜した。さらにPECVD法によりnSi膜を実施例1と同様な方法で形成し、フォトリソグラフィー法を用いnSi膜とCrMo膜を一括エッチし、ヒーター電力配線4、信号配線7、ソース電極16に加工した。
ついで、半導体層としてa−Si膜を実施例1と同様な方法で成膜した後、フォトリソグラフィー法で島状に加工した。この際、nSi膜も一括エッチした。さらに、ゲート絶縁層12としてSiN膜を実施例1と同様の方法で成膜した後、フォトリソグラフィー法により、ゲート絶縁層12と層間絶縁層9にスルーホールを形成した。
ついで、Cr膜をスパッタリングで成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてゲート電極配線3、コモン電極配線4に加工した。ついで、保護膜17としてSiN膜を実施例と同様の方法で形成し、フォトリソグラフィー法を用いてスルーホール18を形成した。ついで、a−Si膜をPECVD法により成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてセンサ6に加工した。さらに、第2の保護層21としてSi膜をPECVD法により成膜し、その上にPt膜をスパッタリング法により形成した。ついでフォトリソグラフィー法により均熱層20に加工し、さらに第3の保護層22としてSiN膜をPECVD法により形成した。さらに、フォトリソグラフィー法により、ゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホールを形成した。ついで、実施例1と同様の方法で溝19を加工した。
この後、各サイトにプローブDNAを担持し、実施例1と同様の方法で試料DNAを解析した。この方法により、短時間で高精度の解析をすることができた。
本発明の第5実施例を図8を用いて説明する。実施例1と同様な方法で石英基板上にヒーター1を形成した。ついで層間絶縁層9としてSiO膜をPECVD法により成膜した後、フォトリソグラフィー法によりスルーホール10を形成した。ついで、PECVD法によりa−Si膜を成膜した。さらに600℃でアニールし膜中の水素を低減した後、エキシマレーザを用いたレーザアニールにより結晶化した。ついで結晶化したSiをフォトリソグラフィー法を用いて島状に加工し半導体層13を形成した。ついでゲート絶縁層12としてSiO膜をPECVD法により成膜し、さらにスパッタリング法によりMoW膜を形成した。MoW膜をフォトリソグラフィー法を用いてゲート電極配線3、コモン電極配線11に加工した。ついで、イオン打ち込みによりBを打ち込み600℃でアニールし活性化し、不純物活性層を形成した。
ついで、保護膜17としてSiO膜をPECVD法で成膜した後、フォトリソグラフィー法を用いてスルーホールを形成した。ついで、Pt膜をスパッタリング法により成膜し、フォトリソグラフィー法を用いてセンサ6に加工した。さらに、第2の保護層21としてSiN膜をPECVD法により成膜した後、その上にDLC膜をμ波CVD法により形成した。ついでフォトリソグラフィー法により均熱層20に加工した。ついで、実施例1と同様の方法で、ゲート電極配線3、コモン電極配線11、ヒーター電力配線4、信号配線7の端子部のスルーホールを形成し、溝19を加工した。
この後、各サイトにプローブDNAを担持し、実施例1と同様の方法で試料DNAを解析した。この方法により、短時間で高精度の解析をすることができた。
本発明の実施例によるバイオセンサの回路模式図。 本発明の第1実施例によるバイオセンサの1サイトの平面模式図。 図2に示す第1実施例のバイオセンサの断面模式図。 本発明の第2実施例によるバイオセンサの平面模式図。 図4に示す第2実施例によるバイオセンサの断面模式図。 本発明の第3実施例によるバイオセンサの断面模式図。 本発明の第4実施例によるバイオセンサの断面模式図。 本発明の第5実施例によるバイオセンサの断面模式図。
符号の説明
1…ヒーター、2…薄膜トランジスター(TFT)、3…ゲート電極配線、4…ヒーター電力配線、5…TFT、6…センサ、7…信号配線、8…基板、9…層間絶縁層、10…スルーホール、11…コモン電極配線、12…ゲート絶縁層、13…半導体層、14…コンタクト層、15…スルーホール、16…ソース電極、17…保護層、18…スルーホール、19…溝、20…均熱層、21…第2の保護層、22…第3の保護層、23…不純物活性層。

Claims (16)

  1. 基板と、該基板上にマトリクス状に配置した多数の加熱装置と、該加熱装置に電流を供給する電力配線と、該加熱装置に対応してマトリクス状に配列された薄膜トランジスターと、該薄膜トランジスターに制御信号を与えるゲート配線と、上記加熱装置及び該薄膜トランジスターに対応する位置にマトリクス状に形成されDNAプローブを担持したセンサとを有することを特徴とするバイオセンサアレイ。
  2. 基板と、該基板上にマトリクス状に配置した多数の加熱装置と、該加熱装置に電流を供給する電力配線と、該加熱装置に対応してマトリクス状に配列された薄膜トランジスターと、該薄膜トランジスターに制御信号を与えるゲート配線と、上記加熱装置及び該薄膜トランジスターに対応する位置にマトリクス状に形成されDNAプローブを担持するためのセンサ領域を有することを特徴とするバイオセンサアレイ。
  3. 該薄膜トランジスターを介してセンサからの電気信号を測定し温度を計測することを特徴とする請求項1又は2記載のバイオセンサアレイ。
  4. 上記薄膜トランジスターが、逆スタガ構造、正スタガ構造及びコプラナ構造のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオセンサアレイ。
  5. 上記薄膜トランジスターがSiを含む半導体材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオセンサアレイ。
  6. 上記薄膜トランジスターの半導体層が結晶質又は非晶質であることを特徴とする請求項1記載のバイオセンサアレイ。
  7. 上記薄膜トランジスターを介して上記センサからの電気信号を計測し、さらに別の薄膜トランジスターを介して上記加熱装置に電流を流し温度を制御することを特徴とする請求項1記載のバイオセンサアレイ。
  8. 上記加熱装置上にさらに均熱層を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のバイオセンサアレイ。
  9. 上記均熱層が金属膜からなることを特徴とする請求項8記載のバイオセンサアレイ。
  10. 上記均熱層が炭素を含む物質からなることを特徴とする請求項8記載のバイオセンサアレイ。
  11. 各センサの周辺の領域に溝を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載のバイオセンサアレイ。
  12. 基板面にマトリクス状に加熱装置アレイを形成するステップ、ヒーターアレイ上に薄膜トランジスターアレイを形成するステップ、必要な配線を形成するステップ、ヒーターアレイ及び薄膜トランジスターアレイ上にセンサアレイを形成するステップ、及び該センサアレイ面にDNAプローブを担持するステップを有するバイオセンサアレイの製造方法。
  13. 更にセンサアレイの周辺の空き領域に断熱溝を加工するステップを有することを特徴とする請求項12記載のバイオセンサアレイの製造方法。
  14. 加熱装置アレイを形成した後、他の要素を形成する前に、他の要素を形成する温度よりも高い温度で該加熱装置アレイを熱処理するステップを有することを特徴とする請求項12記載のバイオセンサアレイの製造方法。
  15. 500℃以上の熱プロセスを用いて加熱装置アレイを形成した後、薄膜トランジスターを形成することを特徴とする請求項12記載のバイオセンサアレイの製造方法。
  16. 薄膜トランジスターを形成した後、各センサ周辺の配線の無い領域に溝を形成するステップを有することを特徴とする請求項12記載のバイオセンサアレイの製造方法。
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