JP2006170041A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン始動時に吸気バルブのカム軸位相やリフト量の変化に左右されずに、全気筒同時噴射の噴射時期を適正時期に設定できるようにする。
【解決手段】 エンジン始動時に吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量とに基づいて算出した吸気バルブの開弁時期変化量を全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算して全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定する。そして、クランク角センサ(又は可変バルブタイミング装置の駆動モータに設けたモータ回転位置センサ)の出力信号に基づいて判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行する。これにより、吸気バルブのカム軸位相やリフト量の変化に応じて吸気バルブの開弁時期が変化するのに対応して全気筒同時噴射の噴射時期を変化させて、全気筒同時噴射の噴射時期を吸気バルブの開弁時期(吸気開始時期)に応じた適正時期に設定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、内燃機関の始動時に全気筒に同時に燃料を噴射する全気筒同時噴射を行う内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
一般に、内燃機関の運転中は、クランク角センサとカム角センサの出力信号に基づいて気筒判別して、各気筒の燃料噴射弁でそれぞれ各気筒の吸気行程に応じたタイミングで燃料を噴射する独立噴射を行うようにしているが、内燃機関の始動時は、スタータによりクランキングを開始して気筒判別が完了するまで独立噴射を行うことができない。
そこで、特許文献1(特開平11−324779号公報)に記載されているように、内燃機関の始動時に気筒判別が完了するまでは、全気筒の燃料噴射弁で同時に燃料を噴射する全気筒同時噴射(回転非同期噴射)を行うことで、気筒判別完了前から燃料噴射を開始して始動性を向上させるようにしたものがある。このものでは、吸気バルブの閉弁時期を全気筒同時噴射の噴射開始時期に設定することで、吸気バルブの閉弁直前に燃料噴射することを防止するようにしている。
特開平11−324779号公報(第2頁、第2図等)
近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミッション低減等を目的として、吸気バルブのバルブタイミング(カム軸位相)やリフト量等のバルブ開閉特性を変化させる可変バルブ装置を採用したものが増加しつつあり、更に始動時性能を向上させるために、始動時から吸気バルブのバルブ開閉特性を変化させることが要求されるようになってきている。
ところで、吸気バルブのバルブ開閉特性を変化させると、先の吸気気筒の吸気バルブの閉弁時期とその次の吸気気筒の吸気バルブの開弁時期との関係が変化する。しかし、上記特許文献1の技術では、内燃機関の始動時に、吸気バルブの閉弁時期を全気筒同時噴射の噴射開始時期とするため、吸気バルブのバルブ開閉特性の変化によって、先の吸気気筒の吸気バルブの閉弁時期(つまり噴射開始時期)とその次の吸気気筒の吸気バルブの開弁時期(つまり吸気開始時期)との関係が変化すると、全気筒同時噴射の噴射時期が吸気開始時期に対して変化してしまい、その分、気筒内に吸入される燃料量が変化して始動性が低下する可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、内燃機関の始動時に吸気バルブのバルブタイミング(カム軸位相)やリフト量の変化に左右されずに、全気筒同時噴射の噴射時期を適正時期に設定することができ、始動性を向上させることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の吸気バルブのカム軸位相を変化させて該吸気バルブの開閉タイミングを可変する可変バルブタイミング装置と、吸気バルブのリフト量を変化させる可変バルブリフト装置と、内燃機関の始動時に全気筒の燃料噴射弁で同時に燃料を噴射する全気筒同時噴射を行う全気筒同時噴射制御手段とを備えたシステムにおいて、吸気バルブ開弁時期算出手段によって内燃機関の始動時に吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量とに基づいて吸気バルブの開弁時期を算出し、この吸気バルブの開弁時期に基づいて始動時の全気筒同時噴射の噴射時期を設定するようにしたものである。
このようにすれば、内燃機関の始動時に、吸気バルブのカム軸位相(バルブタイミング)やリフト量が変化した場合でも、吸気バルブのカム軸位相やリフト量の変化に応じて吸気バルブの開弁時期が変化するのに対応して全気筒同時噴射の噴射時期を変化させることができるので、吸気バルブのカム軸位相やリフト量の変化に左右されずに、全気筒同時噴射の噴射時期を吸気バルブの開弁時期(つまり吸気開始時期)に応じた適正時期に設定することができ、始動性を向上させることができる。
この場合、請求項2のように、内燃機関の始動時に吸気バルブの開弁時期の変化量を全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算して全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定するようにすると良い。このようにすれば、吸気バルブの開弁時期(つまり吸気開始時期)と全気筒同時噴射の噴射開始時期との関係を一定に保つことができ、気筒内の混合気形成を安定化させることができる。
一般に、吸気バルブのリフト量が小さくなると、吸気バルブの開弁期間が短くなるため、全気筒同時噴射の噴射パルス幅(噴射時間)によっては、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも遅くなって、その吸気気筒に対する噴射燃料を筒内に吸入しきれなくなる可能性がある。
そこで、請求項3のように、内燃機関の始動時に吸気バルブのリフト量が小さい場合に、全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにすると良い。このようにすれば、吸気バルブのリフト量が小さくなって吸気バルブの開弁期間が短くなったときに、全気筒同時噴射の噴射時期を進角して、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも遅くなることを防止することができ、その吸気気筒に対する噴射燃料を確実に筒内に吸入することができる。
或は、請求項4のように、内燃機関の始動時に吸気バルブのリフト量が小さい場合に全気筒同時噴射の噴射パルス幅と機関回転速度とに基づいて該全気筒同時噴射の噴射終了時期を推定し、その噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期よりも遅くなると予測される場合に、全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにしても良い。噴射パルス幅と機関回転速度とを用いれば、噴射パルス幅(噴射開始から噴射終了までの時間)をクランク角に変換して噴射終了時期を精度良く推定することができる。この請求項4のようにすれば、推定した全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期よりも遅くなると予測されるときのみ、全気筒同時噴射の噴射時期を進角して、全気筒同時噴射の噴射終了時期を該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも進角側に補正するという制御が可能となり、噴射時期の進角補正を必要最小限にとどめることができて、不必要な進角補正を行わずに済む。
更に、請求項5のように、内燃機関の始動時に冷却水温に応じて全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにしても良い。このようにすれば、冷却水温(機関温度や燃料温度の代用情報)が低くなるほど噴射燃料が霧化し難くなるのに応じて全気筒同時噴射の噴射時期を進角して噴射燃料の霧化時間を稼ぐことができる。
また、吸気バルブの開弁時期を算出する場合には、例えば、吸気バルブが基準カム軸位相且つ基準リフト量のときの基準開弁時期を記憶しておき、カム軸位相変化量(実カム軸位相−基準カム軸位相)に応じた開弁時期変化量と、リフト変化量(実リフト量−基準リフト量)に応じた開弁時期変化量とを求めて、両者を基準開弁時期に加算することで、吸気バルブの開弁時期を求めるようにしても良いが、請求項6のように、予め記憶されている吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量と開弁時期との関係に基づいて吸気バルブの開弁時期を算出するようにしても良い。つまり、吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量と開弁時期との関係を予めマップ又は数式等にして記憶しておき、このマップ又は数式等を用いて吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量とに応じた開弁時期を算出する。このようにすれば、吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量から直接、吸気バルブの開弁時期を算出することができ、制御装置の演算負荷を軽減することができる。
一般に、内燃機関の制御システムには、内燃機関のクランク軸が所定クランク角回転する毎にクランク角信号を出力すると共に基準クランク角位置で基準クランク角位置信号を出力するクランク角センサが備えられているため、請求項7のように、内燃機関の始動時にクランク角センサの出力信号に基づいて全気筒同時噴射の噴射開始時期を制御するようにしても良い。このようにすれば、クランク角センサの出力信号に基づいてクランク角位置を判定して全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行することができ、全気筒同時噴射の噴射開始時期を精度良く制御することができる。
ところで、クランク角センサは、コスト等を考慮して電磁ピックアップ方式のクランク角センサが使用されることが多いが、この電磁ピックアップ方式のクランク角センサは、クランク軸と一体的に回転するシグナルロータの回転に伴って発生する誘導起電力をパルス信号として出力する構成であるため、シグナルロータの回転速度が非常に遅いクランキング開始直後の極低回転領域では、十分なパルス信号を(誘導起電力)を出力することができない。このため、電磁ピックアップ方式のクランク角センサのパルス信号に基づいてクランク角位置を判定するシステムでは、クランキング開始直後の極低回転領域を通り過ぎた後に最初の基準クランク角位置信号が出力されてからしかクランク角位置を精度良く判定することができず、クランキング開始後の早い時期からは全気筒同時噴射を開始できないことがある。
本出願人は、モータを駆動源とする新開発の可変バルブタイミング装置を研究・開発している。このモータ駆動式の可変バルブタイミング装置の特徴は、駆動源となる駆動モータが吸気バルブのカム軸と同期して回転することでクランク軸に対する吸気バルブのカム軸位相を現状維持し、吸気バルブのカム軸の回転速度に対して駆動モータの回転速度を変化させることで吸気バルブのカム軸位相を変化させて吸気バルブの開閉タイミングを可変する構成である。この可変バルブタイミング装置では、駆動モータの回転速度や回転量を精度良く制御してカム軸位相を精度良く制御するために、駆動モータのモータ回転位置信号を出力するホールセンサ等のモータ回転位置センサを設ける必要がある。また、吸気バルブのカム軸位相を現状維持するときにクランク軸によって回転駆動される吸気バルブのカム軸と駆動モータとが同期して回転し、駆動モータの回転速度を変化させることで吸気バルブのカム軸位相が変化するため、駆動モータの回転状態がクランク軸の回転状態の情報となり、モータ回転位置センサの出力信号に基づいたモータ回転位置からクランク角位置を判定することができる。
これらの事情を考慮して、請求項8のように、上記モータ駆動式の可変バルブタイミング装置を搭載したシステムにおいて、駆動モータのモータ回転位置信号を出力するモータ回転位置センサを設け、内燃機関の始動時にモータ回転位置センサの出力信号に基づいて全気筒同時噴射の噴射開始時期を制御するようにしても良い。
このようにすれば、モータ回転位置センサの出力信号に基づいたモータ回転位置からクランク角位置を判定して全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行することができ、全気筒同時噴射の噴射開始時期を精度良く制御することができる。モータ回転位置センサ(例えばホールセンサ等)は、駆動モータの回転速度(クランク軸の回転速度)が非常に遅い極低回転領域でも、モータ回転位置信号を出力することができるため、クランキング開始直後の極低回転領域からモータ回転位置信号に基づいてクランク角位置を判定することができ、クランキング開始後の早い時期から全気筒同時噴射を開始することができる。しかも、可変バルブタイミング装置のモータ回転位置センサを、クランク角位置検出用のセンサとして兼用するため、低コスト化の要求も満たすことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を5つの実施例1〜5を用いて説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18には、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、各気筒の吸気マニホールド20の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒24が設けられ、この触媒24の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ25(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26が取り付けられている。更に、エンジン油温が油温センサ27によって検出され、吸気温が吸気温センサ28によって検出される。
また、図2に示すように、エンジン11は、クランク軸29からの動力がタイミングチェーン30(又はタイミングベルト)により各スプロケット31、32を介して吸気側カム軸33と排気側カム軸34とに伝達されるようになっている。更に、吸気側カム軸33側には、モータ駆動式の可変バルブタイミング装置35が設けられている。この可変バルブタイミング装置35によってクランク軸29に対する吸気側カム軸33の回転位相(以下「カム軸位相」という)を変化させることで、吸気側カム軸33によって開閉駆動される吸気バルブ36のカム軸位相を変化させるようになっている。また、吸気バルブ36側には、モータ駆動式の可変バルブリフト装置37(図1参照)が設けられ、この可変バルブリフト装置37によって、図4に示すように、吸気バルブ36のリフト量と開弁期間を変化させるようになっている。
また、図2に示すように、クランク軸29の外周側には、クランク軸29と一体的に回転するシグナルロータ(図示せず)に対向するようにクランク角センサ38が取り付けられ、吸気側カム軸33の外周側には、吸気側カム軸33と一体的に回転するシグナルロータ(図示せず)に対向するようにカム角センサ39が取り付けられている。クランク角センサ38は、クランク軸29の回転に伴って基準クランク角位置(シグナルロータの欠歯部の位置)以外の領域では所定クランク角毎に等間隔のパルス信号(クランク角信号)を出力し、基準クランク角位置では間隔が長いパルス信号(基準クランク角位置信号)を出力する。一方、カム角センサ39は、吸気側カム軸33の回転に伴って所定カム角位置でパルス信号(気筒判別信号)を出力する。
これら各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)40に入力される。このECU40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁21の燃料噴射量や点火プラグ22の点火時期を制御する。
次に、図3に基づいて可変バルブタイミング装置35の概略構成を説明する。可変バルブタイミング装置35の位相可変機構41は、吸気側カム軸33と同心状に配置された内歯付きのアウタギヤ42と、このアウタギヤ42の内周側に同心状に配置された外歯付きのインナギヤ43と、これらアウタギヤ42とインナギヤ43との間に配置されて両者に噛み合う遊星ギヤ44とから構成されている。アウタギヤ42は、クランク軸29と同期して回転するスプロケット31と一体的に回転するように設けられ、インナギヤ43は、吸気側カム軸33と一体的に回転するように設けられている。また、遊星ギヤ44は、アウタギヤ42とインナギヤ43に噛み合った状態でインナギヤ43の回りを円軌道を描くように旋回することで、アウタギヤ42の回転力をインナギヤ43に伝達する役割を果たすと共に、インナギヤ43の回転速度(吸気側カム軸33の回転速度)に対する遊星ギヤ44の旋回速度(公転速度)を変化させることで、アウタギヤ42に対するインナギヤ43の回転位相(カム軸位相)を調整するようになっている。
一方、エンジン11には、遊星ギヤ44の旋回速度を可変するための駆動モータ45が設けられている。この駆動モータ45の回転軸46は、吸気側カム軸33、アウタギヤ42及びインナギヤ43と同軸上に配置され、この駆動モータ45の回転軸46と遊星ギヤ44の支持軸47とが、径方向に延びる連結部材48を介して連結されている。これにより、駆動モータ45の回転に伴って、遊星ギヤ44が支持軸47を中心に回転(自転)しながらインナギヤ43の外周の円軌道を旋回(公転)できるようになっている。また、駆動モータ45には、モータ回転位置信号を出力するホールセンサ等のモータ回転位置センサ49が取り付けられている。
この可変バルブタイミング装置35は、駆動モータ45の非駆動時に、駆動モータ45の回転軸46が吸気側カム軸33と同期して回転するように構成され、駆動モータ45の回転速度RMが吸気側カム軸33の回転速度RCに一致して、遊星ギヤ44の公転速度がインナギヤ43の回転速度(アウタギヤ42の回転速度)に一致していると、アウタギヤ42とインナギヤ43との回転位相の差が現状維持されて、吸気バルブ36のカム軸位相が現状維持されるようになっている。
そして、吸気バルブ36のカム軸位相を進角する場合には、駆動モータ45の回転速度RMを吸気側カム軸33の回転速度RCよりも速くして、遊星ギヤ44の公転速度をインナギヤ43の回転速度よりも速くする。これにより、アウタギヤ42に対するインナギヤ43の回転位相が進角されて、カム軸位相が進角される。
一方、吸気バルブ36のカム軸位相を遅角する場合には、駆動モータ45の回転速度RMを吸気側カム軸33の回転速度RCよりも遅くして、遊星ギヤ44の公転速度をインナギヤ43の回転速度よりも遅くする。これにより、アウタギヤ42に対するインナギヤ43の回転位相が遅角されて、カム軸位相が遅角される。
このように、可変バルブタイミング装置35は、吸気バルブ36のカム軸位相を現状維持するときにクランク軸29によって回転駆動される吸気側カム軸33と駆動モータ45とが同期して回転し、駆動モータ45の回転速度を変化させることで吸気バルブ36のカム軸位相が変化するため、モータ回転位置センサ49の出力信号に基づいて吸気バルブ36のカム軸位相を検出することができる。また、モータ回転位置センサ49(例えばホールセンサ等)は、エンジン停止して駆動モータ45の回転速度が0のときでも、モータ回転位置信号を出力することができるため、エンジン停止中(クランキング開始前)でも、モータ回転位置センサ49の出力信号に基づいて吸気バルブ36のカム軸位相を検出することができる。
ECU40は、可変バルブ制御プログラム(図示せず)を実行することで、エンジン始動時やエンジン運転中に可変バルブタイミング装置35と可変バルブリフト装置37を制御して、吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量を制御する。
また、ECU40は、後述する図5の全気筒同時噴射制御プログラムを実行することで、エンジン始動時に気筒判別が完了するまでの期間は、全気筒の燃料噴射弁21で全気筒に同時に燃料を噴射する全気筒同時噴射を行う。その際、吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量とに基づいて吸気バルブ36の開弁時期を算出して、その吸気バルブ36の開弁時期変化量を全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算して全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定し、クランク角センサ38の出力信号に基づいてクランク角位置を判定して全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行する。
以下、ECU40が実行する図5の全気筒同時噴射制御プログラムの処理内容を説明する。
図5に示す全気筒同時噴射制御プログラムは、ECU40の電源オン中に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう全気筒同時噴射制御手段としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、クランク角センサ38の基準クランク角位置信号とカム角センサ39の気筒判別信号とに基づいた気筒判別が完了したか否かを判定する。
その結果、気筒判別完了前であると判定された場合には、ステップ102に進み、環境条件の情報(冷却水温、エンジン油温、吸気温、大気圧等)を読み込んだ後、ステップ103で、可変バルブタイミング装置35のモータ回転位置センサ49の出力信号に基づいて吸気バルブ36の実カム軸位相を検出し、ステップ104で、可変バルブリフト装置37のモータの駆動量等に基づいて吸気バルブ36の実リフト量を検出する。
この後、ステップ105に進み、吸気バルブ36の実カム軸位相と実リフト量とに応じた吸気バルブ36の開弁時期をマップ又は数式等により算出する。この吸気バルブ36の開弁時期のマップ又は数式は、予め、実験データ、設計データ等に基づいて吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量と開弁時期との関係をマップ化又は数式化したものであり、ECU40のROMに記憶されている。この吸気バルブ36の開弁時期のマップ又は数式を用いることによって、吸気バルブ36が基準カム軸位相且つ基準リフト量のときの基準開弁時期(例えば吸気TDC)に、カム軸位相変化量(実カム軸位相−基準カム軸位相)に応じた開弁時期変化量と、リフト変化量(実リフト量−基準リフト量)に応じた開弁時期変化量とを加算した値が、吸気バルブ36の開弁時期として算出されるようになっている。このステップ105の処理が特許請求の範囲でいう吸気バルブ開弁時期算出手段としての役割を果たす。
この後、ステップ106に進み、環境条件の情報(冷却水温、エンジン油温、吸気温、大気圧等のうちの1つ以上)に基づいて全気筒同時噴射の燃料噴射量を算出し、その燃料噴射量に応じた噴射パルス幅(噴射時間)を算出した後、ステップ107に進み、吸気バルブ36の開弁時期変化量を全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算した位置を、全気筒同時噴射の噴射開始時期として設定する。
この後、ステップ108に進み、クランキング中であるか否かを、例えば、スタータがオンされているか否かによって判定し、クランキング中であると判定されれば、ステップ109に進み、クランク角センサ38の出力信号(基準クランク角位置信号とクランク角信号)を用いて基準クランク角位置を基準にして判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となったか否かを判定する。
その後、クランク角センサ38の出力信号に基づいて判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で、ステップ110に進み、全気筒の燃料噴射弁21で同時に燃料を全気筒に噴射して全気筒同時噴射を行う。
以上説明した本実施例1の全気筒同時噴射制御の実行例を図6のタイムチャートを用いて説明する。
エンジン始動時に、吸気バルブ36の実カム軸位相が基準カム軸位相で、実リフト量が基準リフト量の場合には、吸気バルブ36の基準開弁時期θv から所定クランク角Δθ0 (例えば30℃A)だけ遅角した位置を、全気筒同時噴射の通常噴射開始時期θi0(θi0=θv +Δθ0 )として設定する。そして、クランク角センサ38の出力信号(基準クランク角位置信号とクランク角信号)を用いて基準クランク角位置を基準にして判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の通常噴射開始時期θi0(θi0=θv +Δθ0 )となった時点で、全気筒同時噴射を行う。
また、エンジン始動時に、吸気バルブ36の実カム軸位相が基準カム軸位相よりも遅角されて、実リフト量が基準リフト量の場合には、全気筒同時噴射の通常噴射開始時期θi0に、カム軸位相変化量(実カム軸位相−基準カム軸位相)に応じた開弁時期変化量Δθvt(例えば60℃A)を加算した位置を、全気筒同時噴射の噴射開始時期θi (θi =θi0+Δθvt)として設定する。そして、クランク角センサ38の出力信号を用いて基準クランク角位置を基準にして判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期θi (θi =θi0+Δθvt)となった時点で、全気筒同時噴射を行う。
また、エンジン始動時に、吸気バルブ36の実カム軸位相が基準カム軸位相よりも遅角されて、実リフト量が基準リフト量よりも小さくされた低リフト量の場合には、全気筒同時噴射の通常噴射開始時期θi0に、カム軸位相変化量(実カム軸位相−基準カム軸位相)に応じた開弁時期変化量Δθvt(例えば60℃A)と、リフト変化量(実リフト量−基準リフト量)に応じた開弁時期変化量Δθvl(例えば40℃A)とを加算した位置を、全気筒同時噴射の噴射開始時期θi (θi =θi0+Δθvt+Δθvl)として設定する。そして、クランク角センサ38の出力信号を用いて基準クランク角位置を基準にして判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期θi (θi =θi0+Δθvt+Δθvl)となった時点で、全気筒同時噴射を行う。
以上説明した本実施例1では、エンジン始動時に、吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量とに基づいて吸気バルブ36の開弁時期を算出し、その吸気バルブ36の開弁時期の変化量を全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算した位置を、全気筒同時噴射の噴射開始時期として設定するようにしたので、エンジン始動時に吸気バルブ36のカム軸位相やリフト量が変化した場合でも、吸気バルブ36のカム軸位相やリフト量の変化に応じて吸気バルブ36の開弁時期が変化するのに対応して全気筒同時噴射の噴射時期を変化させることができ、吸気バルブ36のカム軸位相やリフト量の変化に左右されずに、全気筒同時噴射の噴射時期を吸気バルブ36の開弁時期(つまり吸気開始時期)に応じた適正時期に設定することができて、気筒内の混合気形成を安定化させることができ、始動性を向上させることができる。
また、本実施例1では、吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量と開弁時期との関係を予めマップ化又は数式化して記憶しておき、このマップ又は数式等を用いて吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量とに応じた開弁時期を算出するようにしたので、吸気バルブ36のカム軸位相とリフト量から直接、吸気バルブ36の開弁時期を算出することができ、ECU40の演算負荷を軽減することができる利点がある。
また、本実施例1では、クランク角センサ38の出力信号(基準クランク角位置信号とクランク角信号)を用いて基準クランク角位置を基準にして判定したクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行するようにしたので、全気筒同時噴射の噴射開始時期を精度良く制御することができる。
一般に、吸気バルブ36のリフト量が小さくなると、吸気バルブ36の開弁期間が短くなるため、全気筒同時噴射の噴射パルス幅(噴射時間)によっては、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも遅くなって、その吸気気筒に対する噴射燃料を筒内に吸入しきれなくなる可能性がある。
そこで、本発明の実施例2では、図7に示す全気筒同時噴射制御プログラムを実行することで、吸気バルブ36のリフト量が小さい場合に、全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにしている。図7のプログラムは、前記実施例1で説明した図5のプログラムのステップ107とステップ108の間にステップ107aとステップ107bの処理を追加したものであり、それ以外の処理は図5と同じである。
図7に示す全気筒同時噴射制御プログラムでは、ステップ107で、全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定した後、ステップ107aに進み、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下であるか否かを判定する。
その結果、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下であると判定された場合には、ステップ107bに進み、全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正する。この場合、進角補正量は、演算処理の簡略化のために固定値としても良いが、吸気バルブ36の実リフト量が小さくなるほど進角補正量が大きくなるようにしても良い。
この後、クランキング中にクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で、全気筒同時噴射を行う(ステップ108〜110)。
以上説明した本実施例2では、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下の場合に、全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正するようにしたので、吸気バルブ36のリフト量が小さくなって吸気バルブ36の開弁期間が短くなったときに、全気筒同時噴射の噴射時期を進角して、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも遅くなることを防止することができ、その吸気気筒に対する噴射燃料を確実に筒内に吸入することができる。
本発明の実施例3では、図8に示す全気筒同時噴射制御プログラムを実行することで、吸気バルブ36のリフト量が小さい場合に全気筒同時噴射の噴射パルス幅とエンジン回転速度とに基づいて該全気筒同時噴射の噴射終了時期を推定し、その噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期よりも遅くなると予測される場合に、全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにしている。図8のプログラムは、上記実施例1で説明した図5のプログラムのステップ107とステップ108の間にステップ107c〜107fの処理を追加したものであり、それ以外の処理は図5と同じである。
図8に示す全気筒同時噴射制御プログラムでは、ステップ107で、全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定した後、ステップ107cに進み、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下であるか否かを判定する。
その結果、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下であると判定された場合には、ステップ107dに進み、エンジン回転速度を用いて全気筒同時噴射の噴射パルス幅(噴射開始から噴射終了までの時間)をクランク角に変換して全気筒同時噴射の噴射終了時期を推定する。
この後、ステップ107eに進み、推定した全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期(吸気バルブ36の閉弁時期)よりも遅くなるか否かを判定する。その結果、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期よりも遅くなると判定された場合には、ステップ107fに進み、全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正する。この場合、進角補正量は、全気筒同時噴射の噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気可能時期(吸気バルブ36の閉弁時期)よりも進角側となるように設定する。
この後、クランキング中にクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で、全気筒同時噴射を行う(ステップ108〜110)。
以上説明した本実施例3では、吸気バルブ36の実リフト量が所定値以下の場合に全気筒同時噴射の噴射パルス幅とエンジン回転速度とに基づいて該全気筒同時噴射の噴射終了時期を推定し、その噴射終了時期が吸気可能時期よりも遅くなると予測される場合に、全気筒同時噴射の噴射時期を進角するようにしたので、推定した全気筒同時噴射の噴射終了時期が吸気可能時期よりも遅くなると予測されるときのみ、全気筒同時噴射の噴射時期を進角して、全気筒同時噴射の噴射終了時期を吸気終了時期よりも進角側に補正するという制御が可能となり、噴射時期の進角補正を必要最小限にとどめることができて、不必要な進角補正を行わずに済む。
本発明の実施例3では、図9に示す全気筒同時噴射制御プログラムを実行することで、冷却水温に応じて全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正するようにしている。図9のプログラムは、上記実施例1で説明した図5のプログラムのステップ107とステップ108の間にステップ107gとステップ107hの処理を追加したものであり、それ以外の処理は図5と同じである。
図9に示す全気筒同時噴射制御プログラムでは、ステップ107で、全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定した後、ステップ107gに進み、現在の冷却水温に応じた進角補正量をマップ又は数式等を用いて算出する。この進角補正量のマップ又は数式は、冷却水温(エンジン温度や燃料温度の代用情報)が低くなるほど進角補正量が大きくなるように設定されている。
この後、ステップ107hに進み、冷却水温に応じた進角補正量だけ全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正した後、クランキング中にクランク角位置が全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で、全気筒同時噴射を行う(ステップ108〜110)。
以上説明した本実施例4では、冷却水温(エンジン温度や燃料温度の代用情報)に応じて全気筒同時噴射の噴射開始時期を進角補正するようにしたので、エンジン温度や燃料温度が低くなるほど噴射燃料が霧化し難くなるのに応じて全気筒同時噴射の噴射時期を進角して噴射燃料の霧化時間を稼ぐことができる。
ところで、クランク角センサ38は、コスト等を考慮して電磁ピックアップ方式のクランク角センサが使用されることが多いが、この電磁ピックアップ方式のクランク角センサ38は、クランク軸29と一体的に回転するシグナルロータの回転に伴って発生する誘導起電力をパルス信号として出力する構成であるため、シグナルロータの回転速度が非常に遅いクランキング開始直後の極低回転領域では、十分なパルス信号を(誘導起電力)を出力することができない。このため、電磁ピックアップ方式のクランク角センサ38のパルス信号に基づいてクランク角位置を判定するシステムでは、クランキング開始直後の極低回転領域を通り過ぎた後に最初の基準クランク角位置信号が出力されてからしかクランク角位置を精度良く判定することができず、クランキング開始後の早い時期からは全気筒同時噴射を開始できないことがある。
上記実施例1で説明したモータ駆動式の可変バルブタイミング装置35では、駆動モータ45の回転速度や回転量を精度良く制御して吸気バルブ36のカム軸位相を精度良く制御するために、駆動モータ45のモータ回転位置信号を出力するホールセンサ等のモータ回転位置センサ49を設ける必要がある。また、カム軸位相(クランク軸29に対する吸気側カム軸33の回転位相)を現状維持するときにクランク軸29によって回転駆動される吸気側カム軸33と駆動モータ45とが同期して回転し、駆動モータ45の回転速度を変化させることで吸気バルブ36のカム軸位相が変化するため、駆動モータ45の回転状態がクランク軸29の回転状態の情報となり、モータ回転位置センサ49の出力信号に基づいたモータ回転位置からクランク角位置を判定することができる。
これらの事情を考慮して、本発明の実施例5では、モータ回転位置センサ49の出力信号に基づいたモータ回転位置からクランク角位置を判定して全気筒同時噴射の噴射開始時期となった時点で全気筒同時噴射を実行するようにしている。これにより、全気筒同時噴射の噴射開始時期を精度良く制御することができる。モータ回転位置センサ49(例えばホールセンサ等)は、駆動モータ45の回転速度(クランク軸29の回転速度)が非常に遅い極低回転領域でも、モータ回転位置信号を出力することができるため、クランキング開始直後の極低回転領域からモータ回転位置信号に基づいてクランク角位置を判定することができ、クランキング開始後の早い時期から全気筒同時噴射を開始することができる。しかも、可変バルブタイミング装置35のモータ回転位置センサ49を、クランク角位置検出用のセンサとして兼用するため、低コスト化の要求も満たすことができる。
尚、上記各実施例1〜5では、可変バルブタイミング装置35の位相可変機構41を遊星歯車機構を用いて構成したが、これに限定されず、他の方式の位相可変機構を用いても良い。更に、駆動モータの回転速度をカム軸の回転速度に対して変化させることで吸気バルブ36のカム軸位相を変化させる方式に限定されず、可変バルブタイミング装置の構成は、適宜変更しても良い。
また、可変バルブリフト装置37は、リフト量を連続的に変化させる構成に限定されず、リフト量を2段階又は3段階以上で変化させる構成としても良い。
本発明の実施例1におけるエンジン制御システム全体の概略構成図である。 可変バルブタイミング制御システムの概略構成図である。 可変バルブタイミング装置の概略構成図である。 可変バルブリフト装置によるリフト量の可変動作を説明するためのバルブリフト特性図である。 実施例1の全気筒同時噴射制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の全気筒同時噴射制御の実行例を示すタイムチャートである。 実施例2の全気筒同時噴射制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の全気筒同時噴射制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4の全気筒同時噴射制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、29…クランク軸、33…吸気側カム軸、35…可変バルブタイミング装置、36…吸気バルブ、37…可変バルブリフト装置、38…クランク角センサ、39…カム角センサ、40…ECU(全気筒同時噴射制御手段,吸気バルブ開弁時期算出手段)、45…駆動モータ、49…モータ回転位置センサ

Claims (8)

  1. 内燃機関の吸気バルブのカム軸位相を変化させて該吸気バルブの開閉タイミングを可変する可変バルブタイミング装置と、前記吸気バルブのリフト量を変化させる可変バルブリフト装置と、内燃機関の始動時に全気筒に同時に燃料を噴射する全気筒同時噴射を行う全気筒同時噴射制御手段とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    内燃機関の始動時に前記吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量とに基づいて前記吸気バルブの開弁時期を算出する吸気バルブ開弁時期算出手段を備え、
    前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記吸気バルブ開弁時期算出手段で算出した前記吸気バルブの開弁時期に基づいて前記全気筒同時噴射の噴射時期を設定することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記吸気バルブ開弁時期算出手段で算出した前記吸気バルブの開弁時期の変化量を前記全気筒同時噴射の通常噴射開始時期に加算して前記全気筒同時噴射の噴射開始時期を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記吸気バルブのリフト量が小さい場合に前記全気筒同時噴射の噴射時期を進角することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記吸気バルブのリフト量が小さい場合に前記全気筒同時噴射の噴射パルス幅と機関回転速度とに基づいて該全気筒同時噴射の噴射終了時期を推定し、その噴射終了時期が該全気筒同時噴射に対応する吸気気筒の吸気終了時期よりも遅くなると予測される場合に、前記全気筒同時噴射の噴射時期を進角することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に冷却水温に応じて前記全気筒同時噴射の噴射時期を進角することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記吸気バルブ開弁時期算出手段は、予め記憶されている前記吸気バルブのカム軸位相変化量とリフト量と開弁時期との関係に基づいて前記吸気バルブの開弁時期を算出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 内燃機関のクランク軸が所定クランク角回転する毎にクランク角信号を出力すると共に基準クランク角位置で基準クランク角位置信号を出力するクランク角センサを備え、
    前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記クランク角センサの出力信号に基づいて前記全気筒同時噴射の噴射開始時期を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 前記可変バルブタイミング装置は、駆動源となる駆動モータが前記吸気バルブのカム軸と同期して回転することで前記吸気バルブのカム軸位相を現状維持し、前記カム軸の回転速度に対して前記駆動モータの回転速度を変化させることで前記カム軸位相を変化させるように構成されて、前記駆動モータのモータ回転位置信号を出力するモータ回転位置センサを備え、
    前記全気筒同時噴射制御手段は、内燃機関の始動時に前記モータ回転位置センサの出力信号に基づいて前記全気筒同時噴射の噴射開始時期を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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US9052029B2 (en) 2011-12-12 2015-06-09 Hyundai Motor Company Apparatus and method for controlling actuator that controls opening and closing of intake valve

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