JP2006169952A - 制振壁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物に振動が生じた場合により効果的に機能する制振壁構造の提供
【解決手段】制振壁構造1は、左右一対の固定片3,4から架構面7の中央部に向かって延在した左右一対の支承部8,9と、支承部8,9にそれぞれピン係合14,15で連結され、建物に振動が生じた際に支承部8,9から振動が伝わり、先端が梁3,4に対して、建物に作用する振動の歪よりも大きく振れ動く可動片10と、主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカが100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合した粘弾性体21,22の両側にプレートを固着した制振部材11,12であって、可動片10の先端と横梁5,6との間に配設し、一方のプレート23を可動片10に固定し、他方のプレート24,25を横梁5,6に固定した制振部材とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は建物の制振壁構造に関するものである。
建物の制振壁構造は、地震や、強風、交通振動などで建物に横揺れを生じさせる力が作用したときに、建物の横揺れを軽減し、早期に減衰させる機能を壁に持たせたものである。
制振壁構造には、建物の振動に応じて粘弾性体をせん断変形させることにより振動を減衰させるように構成したものが知られている。例えば、特開2004−270208号では、上側の梁に第1の制振板を固定し、下側の梁に第2の制振板を固定し、該第1の制振板と第2制振板を、隙間を隔てて重なり合わせ、その間に粘弾性体を介装したものが記載されている。この制振壁は、地震などの振動が生じたときに、上側の梁と下側の梁の相対変位に応じて粘弾性体をせん断変形させ、その変形により振動を吸収し、減衰させるようになっている。
特開2004−270208号
粘弾性体はせん断変形量を大きくすればするほど振動を吸収したり、減衰させたりする機能をより効果的に発揮させることができる。しかし、建物の振動に応じて粘弾性体をせん断変形させることにより振動を減衰させるように構成した制振壁構造では、設計上、梁や柱などの骨組は変形量をそれ程大きくすることはできない。このため、建物に振動が生じた場合でも粘弾性体に十分な変形を与えることができず、制振壁構造が機能しない場合がある。
また、地震だけでなく、台風などの強風時の風揺れ、交通振動などの様々な振動に対して揺れを軽減し、早期に減衰させるようにするには、様々な振幅、周波数の振動に対応することが必要である。また、日本のように季節間で気温の差があるような場合にも外気温に関らず必要な機能を確保することが必要である。
本発明に係る制振壁構造は、建物の骨組を構成する柱及び梁で囲まれた空間に組み付けられ、左右一対の固定片と、上下一対の横梁と、左右一対の固定片から、固定片と横梁とで囲まれる架構面の中央部に向かって延在した左右一対の支承部と、左右一対の支承部の先端部にそれぞれピン係合で連結され、架構面の中央部から上下の横梁に向かって延在し、建物に振動が生じた際に前記支承部から振動が伝わり、先端が上下の横梁に対して、建物に作用する振動よりも大きく振れ動く可動片と、主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%の配合した粘弾性体の両側にプレートを固着した制振部材であって、可動片の先端と横梁との間に配設し、一方のプレートを可動片に固定し、他方のプレートを横梁に固定した制振部材とを備えたものである。
本発明に係る制振壁構造によれば、建物の骨組を構成する柱及び梁で囲まれた空間に、左右一対の固定片と、上下一対の横梁を組み付け、固定片と横梁とで囲まれる架構面の中央部に向かって延在した左右一対の支承部を設け、その先端部に、架構面の中央部において上下の横梁に向かって延在した可動片をピン係合している。可動片の先端と梁との間には粘弾性体の両側にプレートを固着した制振部材を配設し、一方のプレートを可動片に固定し、他方のプレートを横梁に固定している。地震などの振動が生じると、支承部から可動片に振動が伝わり、可動片の先端は架構面を構成している上下の横梁に対して相対的に振れ動き、制振部材の粘弾性体にせん断変形が生じる。可動片は建物に作用する振動に比べて大きく振れ動くので、建物に生じる揺れが小さくても粘弾性体を大きくせん断変形させることができ、このせん断変形により地震時の建物に作用するエネルギを効率良く吸収でき、建物の揺れを早期に減衰させることができる。
また、粘弾性体には主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合した粘弾性体を用いている。この粘弾性体は歪依存性、周波数依存性が共に小さく、大地震の揺れ、台風などの強風時の風揺れ、交通振動などの様々な振動に対応することができ、また、温度依存性も小さく、日本のように季節間で気温差があるような地域でも外気温に関らず必要な機能を確保することができる。
以下、本発明に係る制振壁構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同様の作用を奏する部材、部位には同じ符号を付して説明する。
この制振壁構造1は、図1に示すように、建物の骨組に設置される上下のパネル梁材30と左右のパネル柱材31と、上下パネル板材32で囲まれた空間に組み込まれている。この実施形態では、制振壁構造1は、固定片3,4及び横梁5,6と、一対の支承片8,9と、可動片10と、一対の制振部材11,12とで構成されている。固定片3,4は左右一対のパネル柱材31にそれぞれ固定されており、横梁5,6は固定片3,4に回動自在なピン係合13で連結されている。固定片3,4と横梁5,6は建物の揺れたときに、左右のパネル柱材31の変形に応じて変形するようになっている。
支承片8,9は、この実施形態では、左右一対の固定片3,4にそれぞれ固定され、固定片3,4及び横梁5,6で囲まれた架構面7の中央部に向かって延在している。
可動片10は架構面7の中央部において上下の横梁5,6に向かって延在した部材で、架構面7の中央部で向い合った支承片8,9の先端部にそれぞれピン係合14,15している。この実施形態では、図1に示すように、可動片10の中央部の水平方向に離れた位置をそれぞれ支承片8,9に回動自在にピン係合14,15している。
制振部材11,12は、粘弾性体21,22の両側にプレート23、24、25を固着したものであって、可動片10の先端と横梁5,6との間に配設して、一方のプレート23を可動片10に固定し、他方のプレート24,25を横梁5,6に固定したものである。この実施形態では、制振部材11,12は、それぞれ図2(a)〜(c)に示すように、中央に可動片10に取り付けるプレート23を配し、その両側面にそれぞれ粘弾性体21,22を配し、その外側に横梁5,6に取り付けるプレート24,25を配している。
横梁5,6に取り付ける2枚のプレート24,25は横長の長方形の板材であり、他方、可動片10に取り付けるプレート23は縦長の長方形部材である。粘弾性体21,22はプレート23,24,25を縦横に重ねた領域に収まる略正方形の部材で形成されている。この制振部材11,12は可動片10に取り付けるプレート23を中央に配設し、その両側面にそれぞれ粘弾性体21,22を配設し、粘弾性体21,22の外側にそれぞれ横梁5,6に固定するプレート24,25を配設して、粘弾性体21,22をそれぞれその両側に配設したプレート23,24,25に加硫接着したものである。なお、粘弾性体21,22の中央部および各プレート23,24,25には、これらを貫通した貫通孔26が形成されているが、この貫通孔26は加硫時のゴムの抜け道としての機能及び内部から熱エネルギを付与する機能を備えている。
横梁5,6に固定するプレート24,25の両側には、プレート24,25の間隔を保つスペーサ27,28を取り付けており、図3に示すように、斯かるスペーサ27,28を介して横梁5,6に取り付けている。制振部材11,12は図1に示すように、上下の横梁5,6の中央部にそれぞれ取り付けられ、上側の横梁5,6に取り付けた制振部材11,12の中央のプレート23は下向きに延在し、下側の横梁5,6に取り付けた制振部材11,12の中央のプレート23は上向きに延在しており、それぞれ可動片10の上下端部に連結されている。
建物に振動を生じさせる力が作用すると、左右のパネル柱材31の変位に応じて、固定片3,4及び横梁5,6の矩形形状は歪み、その変形に応じて支承片8,9に振動が伝わる。可動片10は中央部の水平方向に離れた位置14,15をそれぞれ支承片8,9に回動自在にピン係合しており、支承片8,9とのピン係合している位置14,15がずれるのに応じて傾く。これにより可動片10の両端部は上下の横梁5,6に対して振れ動く。図示例の制振壁構造では、図4に示すように、固定片3,4を構成する部材が右に傾くと、図中左側の支承片8の可動片10をピン係合している位置14は少し下に下がり、右側の支承片9の可動片10をピン係合している位置15は少し上に上がり、可動片10は左周りに大きく傾く。これにより、振動による固定片3,4及び横梁5,6の変位量に比べて可動片10の先端及び可動片10の先端に取り付けた制振部材11,12の中央のプレート23を大きく振れ動かすことができ、図5に示すように、粘弾性体21,22を大きくせん断変形させることができる。このときの変位の増幅倍率は図1中のL/lとなる。
地震などの振動が生じると、パネル柱材31の変位に追従する固定片3,4と横梁5,6で形成される矩形形状の歪に比べて、可動片10の先端は大きく振れ動き、粘弾性体21,22を大きくせん断変形させることができ、このせん断変形により吸収されるエネルギにより、地震時に建物に作用するエネルギを効率良く吸収でき、建物の揺れを早期に減衰させることができる。また、可動片10を介在させて制振部材11,12の粘弾性体21,22を変形させるので、建物に生じる揺れが小さい場合でも制振部材11,12が機能する。このため、地震に比べて振動が小さい強風時の揺れや交通振動などでも制振部材11,12を機能させることができる。
次に、粘弾性体21,22について詳述する。
一般的な粘弾性材料は、振幅の増加に連れて剛性が増加し、抵抗力が大きくなる。振幅が大きくなるにつれて剛性が大きくなる性質をもつ粘弾性体を用いると、建物の加速度応答や各部応力の過大な上昇が生じる。そこで、振幅が増加しても剛性の増加が頭打ちになる性質を備えた粘弾性体を用いることが望ましい。特に、本発明では、支承片8,9、可動片10を介して、建物に作用する振動の振幅に比べて、粘弾性体21,22を大きくせん断変形させるものであるから、歪依存性について上記の性質を備えたものを用いることによる効果は大きい。
また、交通振動などの環境振動から台風時の風揺れ、大地震に至るまでの幅広い振幅領域で機能する必要があるため、歪依存性が小さい粘弾性体を用いる。すなわち、小歪から大歪振幅まで安定した振動エネルギ吸収能力を発揮するものを用いる。
具体的には、0.01≦γ≦3.5の領域でHeq>0.20の安定したエネルギ吸収能力が必要とされる。このため大振幅領域において抵抗力が大きくならないように、γ>1.0の領域において、γの増加とともにKeq/(S/D)が減少することを特徴とする。例えば、0.45≦{Keq/(S/D)(γ=3.0)}/{Keq/(S/D)(γ=1.0)}<0.75の粘弾性体を用いるとよい。
なお、ここで動的粘弾性試験における等価粘性減衰定数(等価減衰定数)(Heq)および等価せん断弾性率(Geq=Keq/(S/D))とは、粘弾性材料のせん断変形を生じさせる正弦波加振を行い、その際の履歴ループ(ヒステリシス曲線)を測定し、その結果に基づいて計算されるものである。図6に基づいて説明すると、Heqは下記の式(数1)、Keq/(S/D)は下記の式(数2)にて計算される数値である。
Heq=ΔW/2πW (数1)
W:剪断変形の弾性エネルギ(図1において示される2つの三角形の面積。単位はkgf・cm)
ΔW:剪断変形により吸収するエネルギの合計(図6において示されるヒステリシス曲線で囲まれた面積。単位はkgf・cm)
Geq=Keq/(S/D)=F/UBE/(S/D)(数2)
F:最大変位を与えるときの荷重(単位はkgf)
BE:最大変位(単位はcm)
S/D:試験サンプルの形状係数(サンプル剪断面積/サンプル剪断隙間,単位はcm)
また、一般的な粘弾性材料は、振動周波数の増加に伴い、Geq(=Keq/(S/D))〔N/mm2〕が著しく増加する。例えば、一般的な粘弾性体では、20℃では、0.1Hzのときと2.0HzのときではGeqの値が2〜3倍に増加する。交通振動の卓越周波数は通常4Hz〜7Hzに分布し、地震動は0.1Hz〜20Hz程度に分布するので、これらの周波数に対して剛性や減衰性能の点で比較的安定した性質を備えた粘弾性体を用いることが望ましい。具体的には、より入力周波数分布領域が広範囲に及ぶ地震動に対応する必要がある。制振材が家屋に付与する減衰性能は、概ね制震材の有する剛性(ここでは等価せん断弾性率(Geq))と減衰定数(ここでは等価粘性減衰定数(等価減衰定数)(Heq))との積で表現することができる。周波数依存性の評価は、一定の温度条件の下で、斯かる積の値が、ある周波数の時を基準として、上述した地震動の0.1Hz〜20Hzの範囲で±50%以内であればよい。
また、一般的に粘弾性体は、低温時に剛性が高くなり、高温時に剛性が低くなる。日本は一年を通じて気温の変化が大きく、−10℃〜40℃程度の温度範囲に対して剛性や減衰性能の点で比較的安定した性質を備えた粘弾性体を用いることが望ましい。
例えば、制振壁構造の使用環境が−10℃〜40℃であれば、20℃のGeq(等価せん断弾性率)を基準として、低温側は−10℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=−10℃)と、20℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=20℃)の比、Geq(t=−10℃)/Geq(t=20℃)≦2.2とし、高温側は、40℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=40℃)と、20℃のときの等価せん断弾性率Geq(t=20℃)の比、Geq(t=40℃)/Geq(t=20℃)≧0.6とするとよい。
この実施形態では、粘弾性体21,22に、上述した歪依存性、周波数依存性、温度依存性を持たせるため、主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合した高減衰ゴムを用いた。
斯かる高減衰ゴムを用いることにより、上述した歪依存性、周波数依存性、温度依存性を満足することができる。特に、20℃での性能がHeq≧0.2、0.35≦Geq≦6.0(N/mm2 )の範囲にあって、かつ、Geqの温度依存性が−10℃/20℃≦2.2、40℃/20℃≧0.6(ともに、周波数0.1Hz、せん断歪±100%)を実現でき、上記のように、支承片8,9及び可動片10を介して制振部材の粘弾性体21,22を大きくせん断変形させるようにした制振壁構造の機能を十分に発揮させることができる。
図7は、上記構成からなる粘弾性体のシリカ(重量部)の添加量とシラン化合物(重量%)の配合量を変更したものである。本評価において、基材ゴムとして、天然ゴムを用い、シラン化合物にはフェニルトリエトキシシランを用い、その他、粘着付与剤を10重量%の割合で添加した。
実施例1は基材ゴム100重量部に対してシリカを135重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を17重量%配合したものである。この場合、20℃でのHepが0.23で0.2より高く、上述した制振壁構造の機能を十分に発揮させることができる。また、−10℃/20℃でのGeqの変化率が2.1と2.2以下であり、低温側の温度依存性が低く、また40℃/20℃でのGeqの変化率が0.71と0.60以上であり、高温側の温度依存性が低いので、上述した制振壁構造の制振部材としての機能を十分に発揮させることができる。
比較例1は、基材ゴム100重量部に対してシリカを90重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を22重量%配合したものである。この場合、20℃でのHeqが0.15で0.2よりも低く、上述した制振壁構造の機能を十分に発揮させることができない。
また、比較例2は、基材ゴム100重量部に対してシリカを135重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を7重量%配合したものである。この場合、20℃でのHeqが0.19で0.2よりも低くので、上述した制振壁構造の機能を十分に発揮させることができない。また加工性も悪い。
また、比較例3は、基材ゴム100重量部に対してシリカを135重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を35重量%配合したものである。この場合、シラン化合物の添加量を増やしたが、シラン化合物を増やした効果はあまり得られず、材料コストが嵩み、経済的でない。
また、比較例4は、基材ゴム100重量部に対してシリカを160重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を20重量%配合したものである。この場合、40℃/20℃でのGeqの変化率が0.58と0.6よりも小さく、高温側の温度依存性が高いので、上述した制振壁構造の機能を十分に発揮させることができない。また加工性も悪い。
なお、シラン化合物は、下記の一般式で:
Figure 2006169952
〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 のうちの少なくとも1つはアルコキシ基、またはハロゲン原子を示し、他は同一または異なって水素原子、アルキル基またはアリール基を示す。〕で表されるシラン化合物とを含有するゴム組成物の加硫成形により形成される。また、基材ゴムとしては、主鎖にC−C結合を有する種々のゴムがいずれも使用可能である。具体的には天然ゴム(NR)の他、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などがあげられる。これらはそれぞれ単独で使用される他、2種以上を併用することもできる。
上記の基材ゴムに添加されるシリカとしては、ゴムの補強剤として使用される、親水性あるいは疎水性の種々のシリカが使用可能である。上記シリカの添加量は、基材ゴム100重量部に対して100〜150重量部に限定される。この理由は前述したとおりである。
前記一般式(1) で表されるシラン化合物において、R1 〜R4 に相当するアルコキシ基としては、Cn 2n+1Oで表される種々の炭素数のものがあげられるが、とくに炭素数が1〜2であるメトキシ、エトキシが好ましいものとしてあげられる。またハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素などがあげられる。
アルキル基としては、Cn 2n+1で表される種々の炭素数のものがあげられるが、とくにその炭素数は1〜20程度であるのが好ましい。かかるアルキル基としては、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどがあげられる。
またアリール基としては、たとえばフェニル、トリル、キシリル、ビフェニリル、o−テルフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどがあげられる。かかるシラン化合物の具体例としては、これに限定されないがたとえば、n−ヘキシルトリメトキシシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシランなどがあげられる。
ゴム組成物には上記以外にもたとえば、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、シリカ以外の補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、粘着性付与剤その他、各種の添加剤を添加してもよい。上記のうち加硫剤としては、たとえば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物などがあげられ、このうち有機含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−ジチオビスモルホリンなどがあげられ、有機過酸化物としては、たとえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシドなどがあげられる。
また加硫促進剤としては、たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどのチウラム系加硫促進剤;ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカーバミン酸テルルなどのジチオカーバミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素などのチオウレア類などの有機促進剤や、あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)などの無機促進剤があげられる。
加硫促進助剤としては、たとえばステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸などの脂肪酸や、あるいは亜鉛華などの金属酸化物などがあげられる。加硫遅延剤としては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸などの芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミンなどのニトロソ化合物などがあげられる。
上記加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤および加硫遅延剤は、その合計の配合量が、基材ゴム100重量部に対して4〜15重量部程度程度であるのが好ましい。老化防止剤としては、たとえば2−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類;フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミンなどのアミン類;ジ−t−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノールなどのフェノール類などがあげられる。
老化防止剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して1.5〜5重量部程度が好ましい。シリカ以外の補強剤としては主にカーボンブラックが使用される他、ケイ酸塩系のホワイトカーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレーなどの無機補強剤や、あるいはクマロン・インデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共重合体)などの有機補強剤も使用できる。
また充填剤としては、たとえば炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土などがあげられる。上記シリカ以外の補強剤および/または充填剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度が好ましい。軟化剤としては、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸など)、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどの、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟化剤があげられる。
軟化剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して10〜100重量部程度が好ましい。可塑剤としては、たとえばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェートなどの各種可塑剤があげられる。可塑剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜20重量部程度が好ましい。
さらに粘着性付与剤としては、たとえばクマロン・インデン樹脂、芳香族系樹脂、芳香族・脂肪族混合系樹脂、ロジン系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などがあげられる。粘着性付与剤の配合量は、基材ゴム100重量部に対して5〜50重量部程度であるのが好ましい。
上記以外にも、ゴム組成物にはたとえば分散剤、溶剤などを適宜配合してもよい。ゴム組成物は、上記の各成分を、たとえば密閉式混練機などを用いて混練することで製造される。そして粘弾性体は、たとえば上記ゴム組成物をローラーヘッド押出機などを用いてシート状に成形し、所定の形状を有するようにこのシートを打ち抜いた後、打ち抜いたシートを、所定の厚みを有するように複数枚、積層した状態で、所定の型内で加熱して加硫成形するなどして製造される。
以上、本発明の一実施形態に係る制振壁構造を説明したが、本発明に係る制振壁構造は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図1に示す制振壁構造1は、可動片10の中央部の水平方向に離れた位置14,15をそれぞれ支承片8,9に回動自在にピン係合したものを例示したが、これは建物に作用する振動の振幅よりも大きな振幅が、支承片8,9及び可動片10を介して制振部材の粘弾性体21,22に作用するようにしたものであり、本発明ではピン係合の位置は上記の実施形態に限定されない。
また、上述した実施形態では、支承部として機能する支承片8,9は固定片3,4を構成する部材に固定した構造を例示したが、図8に示すように、支承部8’,9’は固定片3’,4’を構成する部材に一体的に設けてもよい。なお、図8に図示された制振壁構造1’において、図1に記載した制振壁構造1と同様の作用を奏する部材、部位には同じ符号を付している。
本発明の一実施形態に係る制振壁構造を示す正面図。 (a)は制振部材を示す平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は(a)の右側面図。 制振部材の設置状態を示す斜視図。 本発明の一実施形態に係る制振壁構造に振動が作用した状態を示す正面図。 制振部材に振動が作用した状態を示す平面図。 ヒステリシス曲線測定結果より等価粘性減衰定数を計算する方法を示した図。 本発明に係る制振壁構造に用いる粘弾性体の評価を示す図。 本発明の変形例に係る制振壁構造を示す正面図。
符号の説明
1 制振壁構造
3,4 固定片
5,6 横梁
7 架構面
8,9 支承片
10 可動片
11,12 制振部材
13,14,15 ピン係合
21,22 粘弾性体
23,24,25 プレート
26 貫通孔
27,28 スペーサ

Claims (1)

  1. 建物の骨組を構成する柱及び梁で囲まれた空間に組み付けられ、
    左右一対の固定片と、
    上下一対の横梁と、
    前記左右一対の固定片から、前記固定片と横梁とで囲まれる架構面の中央部に向かって延在した左右一対の支承部と、
    前記左右一対の支承部の先端部にそれぞれピン係合で連結され、前記架構面の中央部から上下の横梁に向かって延在し、建物に振動が生じた際に前記支承部から振動が伝わり、先端が上下の横梁に対して、前記建物に作用する振動よりも大きく振れ動く可動片と、
    主鎖にC−C結合を有する基材ゴム100重量部に対してシリカを100〜150重量部添加し、そのシリカに対してシラン化合物を10〜30重量%配合した粘弾性体の両側にプレートを固着した制振部材であって、前記可動片の先端と横梁との間に配設し、一方のプレートを可動片に固定し、他方のプレートを横梁に固定した制振部材とを備えた制振壁構造。

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JP2017039864A (ja) * 2015-08-20 2017-02-23 住友ゴム工業株式会社 高減衰組成物、粘弾性ダンパおよび粘弾性支承

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