JP2006168226A - 切断装置及びその制御方法並びにシリコン単結晶の切断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対象物の切断効率を向上させることができるとともに、ブレードの反りを防止することでブレードの長寿命化を図ることができ、更には対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる切断装置等を提供する。
【解決手段】 駆動モータ16は制御装置21から供給される電流に応じた回転数で回転して対象物としてのインゴットINを切断するためのブレード15を駆動する。昇降装置23は制御装置21からの制御信号で指示される速度でブレード15を下降させる。制御装置21は駆動モータ16の負荷電流を検出する電流検出装置22の検出結果に応じて駆動モータ16の回転数を制御してブレード15の回転数を制御し、又は昇降装置23の下降速度を制御してインゴットINの切り込み速度を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、シリコン単結晶等の対象物を切断する切断装置及びその制御方法、並びにシリコン単結晶の切断方法に関する。
CZ法(チョクラルスキー法)による単結晶引き上げによって製造されたシリコン単結晶等(対象物)は、数十センチメートル〜数メートル程度の長さがあるため、取り扱いを容易にする等の理由で所定長さのブロック状に切断され、このブロック状のシリコン単結晶がその後の工程でウェハ状に切断される。対象物をブロック状に切断するために、例えば一対のプーリーの外周面に、表面にダイヤモンドの微粉末が電着された無端帯状のブレードを巻回した切断装置が用いられている。この切断装置は、モータで上記のプーリーを回転駆動してブレードを回転させ、この回転するブレードを対象物に押し当てることによって対象物を切断する。従来の切断装置の詳細については、例えば以下の特許文献1を参照されたい。
特開2002−273724号公報
ところで、上述した従来の切断装置は、ブレードの回転数、及び切り込み速度(回転するブレードを対象物に押し当てる速度)を一定にして対象物を切断している。このため、対象物の切断中にブレードの反りが生じた場合、又は対象物を斜断した場合の何れの場合であっても、ブレードを回転させるモータ(上記のプーリーを回転させるモータ)が過負荷にならない限り対象物の切断が継続される。
対象物の切断中にブレードの反り又は斜断が生ずると、ブレードの寿命が短くなるため頻繁な交換作業が頻繁に必要となり、メンテナンスに要するコストの上昇を招くととともに、メンテナンス作業による切断装置の停止時間が長くなって対象物の効率的な切断作業を行うことができなくなるという問題があった。また、斜断が生ずると、対象物の切断ロスが大きくなって結果として製造コストの上昇を招いてしまうという問題があった。
ブレードの反り及び斜断は、ブレードの回転速度を高速にするとともに、切り込み速度を調整することにより防止することができる。しかしながら、従来の切断装置は、ブレードの回転数及び切り込み速度を一定にして対象物を切断しているため、ブレードの反り及び斜断を防ぐことができないことがある。更に、従来の切断装置は、ブレードの回転数及び切り込み速度を一定にして対象物を切断しているため切断装置の性能を100%発揮しているとは言い難い状況であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、対象物の切断効率を向上させることができるとともに、ブレードの反りを防止することでブレードの長寿命化を図ることができ、更には対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる切断装置及びその制御方法、並びにシリコン単結晶の切断方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリー(14)に巻回された無端帯状のブレード(15)と、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構(13a、16、17)とを備え、回転する前記ブレードによって対象物(IN)を切断する切断装置(10)において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置(22)と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構を制御し、前記ブレードの回転数を制御する制御装置(21)とを備えることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリー(14)に巻回された無端帯状のブレード(15)と、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構(13a、16、17)と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構(23)とを備え、回転する前記ブレードによって対象物(IN)を切断する切断装置(10)において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置(22)と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記移動機構を制御し、前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度を制御する制御装置(21)とを備えることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の第3の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリー(14)に巻回された無端帯状のブレード(15)と、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構(13a、16、17)と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構(23)とを備え、回転する前記ブレードによって対象物(IN)を切断する切断装置(10)において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置(22)と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構及び前記移動機構の少なくとも一方を制御し、前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御装置(21)とを備えることを特徴としている。
ここで、上記の第1〜第3の観点による切断装置において、前記負荷検出装置は、前記ブレードによって前記対象物を切断する際の前記駆動機構に加わる負荷を検出することにより、前記ブレードに加わる負荷を検出することを特徴としている。
より具体的には、前記駆動装置は、電流の大きさに応じて回転数が変化するモータであり、前記負荷検出装置は、前記モータに流れる電流の変化に基づいて前記モータに加わる負荷を検出することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明の切断装置の制御方法は、互いに離間して配置された一対のプーリー(14)に巻回された無端帯状のブレード(15)と、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構(13a、16、17)とを備え、回転する前記ブレードによって対象物(IN)を切断する切断装置(10)の制御方法において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出ステップと、前記負荷検出ステップの検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明のシリコン単結晶の切断方法は、無端帯状のブレード(15)によりシリコン単結晶(IN)を切断するシリコン単結晶の切断方法において、前記ブレードに加わる負荷の検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記シリコン単結晶に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御しつつ前記シリコン単結晶を切断することを特徴としている。
本発明は、対象物の切断効率を向上させることができるとともに、ブレードの反りを防止することでブレードの長寿命化を図ることができ、更には対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる切断装置及びその制御方法、並びにシリコン単結晶の切断方法を提供することを目的としてなされたものであり、この目的を達成するために、本発明の第1の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構を制御し、前記ブレードの回転数を制御する制御装置とを備えている。
この発明によると、ブレードに加わる負荷の検出結果に応じてブレードを回転させる駆動機構が制御されてブレードの回転数が制御される。これにより、切断装置の性能が100%発揮できるようブレードの回転数を設定することができるため、対象物の切断効率を向上させることができる。ここで、切断装置の性能が100%発揮されている状態とは、例えば切断による対象物の欠陥及びブレードの欠陥(刃こぼれ等)が生ずることなく、単位時間に対象物の切断数が最大である切断装置の稼働状態を意味するが、より広い意味では対象物の切断数が従来よりも多い状態で切断装置が稼働している状態を意味する。また、ブレードに反りが生じないようブレードの回転数を設定することもできるため、ブレードの長寿命化を図ることができる。更には、斜断が生じないようブレードの回転数を設定することもできるため、対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記移動機構を制御し、前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度を制御する制御装置とを備えている。
この発明によると、ブレードに加わる負荷の検出結果に応じて対象物に対するブレードの相対位置を可変させる移動機構が制御されてブレードの切り込み速度が制御される。これにより、切断装置の性能が100%発揮できるようブレードの切り込み速度を設定することができるため、対象物の切断効率を向上させることができる。また、ブレードに反りが生じないようブレードの切り込み速度を設定することもできるため、ブレードの長寿命化を図ることができる。更には、斜断が生じないようブレードの切り込み速度を設定することもできるため、対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる。
また、上記の目的を達成するために、本発明の第3の観点による切断装置は、互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構及び前記移動機構の少なくとも一方を制御し、前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御装置とを備えている。
この発明によると、ブレードに加わる負荷の検出結果に応じてブレードを回転させる駆動機構及び対象物に対するブレードの相対位置を可変させる移動機構の少なくとも一方が制御されてブレードの回転数及びブレードの切り込み速度の少なくとも一方が制御される。これにより、切断装置の性能が100%発揮できるようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することができるため、対象物の切断効率を向上させることができる。また、ブレードに反りが生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、ブレードの長寿命化を図ることができる。更には、斜断が生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる。
ここで、上記のブレードに加わる負荷の検出は、対象物の切断に影響を与えずに行う必要がある。このため、本発明は、上記の第1〜第3の観点による切断装置において、前記負荷検出装置は、前記ブレードによって前記対象物を切断する際の前記駆動機構に加わる負荷を検出することにより、前記ブレードに加わる負荷を検出している。
この発明によると、ブレードに加わる負荷を直接検出するのではなく、ブレードを駆動する駆動機構に加わる負荷を検出することで、間接的にブレードに加わる負荷を検出している。このため、対象物の切断に影響を与えることなくブレードに加わる負荷を検出することができる。
より具体的には、前記駆動装置は、電流の大きさに応じて回転数が変化するモータであり、前記負荷検出装置は、前記モータに流れる電流の変化に基づいて前記モータに加わる負荷を検出している。
この発明によると、駆動装置としてのモータに流れる電流の変化に基づいて駆動装置に加わる負荷を検出しているため、対象物の切断に影響を与えることなく極めて簡便にブレードに加わる負荷を検出することができる。
上記の目的を達成するために、本発明の切断装置の制御方法は、互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置の制御方法において、前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出ステップと、前記負荷検出ステップの検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御ステップとを含んでいる。
この発明によると、ブレードに加わる負荷の検出結果に応じてブレードの回転数及びブレードの切り込み速度の少なくとも一方が制御される。これにより、切断装置の性能が100%発揮できるようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することができるため、対象物の切断効率を向上させることができる。また、ブレードに反りが生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、ブレードの長寿命化を図ることができる。更には、斜断が生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができる。
上記の目的を達成するために、本発明のシリコン単結晶の切断方法は、無端帯状のブレードによりシリコン単結晶を切断するシリコン単結晶の切断方法において、前記ブレードに加わる負荷の検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記シリコン単結晶に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御しつつ前記シリコン単結晶を切断している。
この発明によると、ブレードに加わる負荷の検出結果に応じてブレードの回転数及びブレードの切り込み速度の少なくとも一方が制御されてシリコン単結晶が切断される。これにより、切断装置の性能が100%発揮できるようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することができるため、シリコン単結晶の切断効率を向上させることができる。また、ブレードに反りが生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、ブレードの長寿命化を図ることができる。更には、斜断が生じないようブレードの回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することもできるため、シリコン単結晶の斜断等による切断ロスを少なくすることができる。
本発明によれば、対象物の切断効率を向上させることができるとともに、ブレードの反りを防止することでブレードの長寿命化を図ることができ、更には対象物の斜断等による切断ロスを少なくすることができるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による切断装置及びその制御方法並びにシリコン単結晶の切断方法について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による切断装置の概略構成を示す斜視図である。図1に示す通り、本実施形態の切断装置10は、対象物としての略円柱形状のシリコン単結晶からなるインゴットINを、その軸線を水平にした状態で載置する台座11と、台座11の上方側で上下に昇降可能に構成された昇降台12とを含んで構成されている。
昇降台12は、台座11上のインゴットINの軸線を挟んで両側に位置するように互いに離間させて配置されるとともに、インゴットINの軸線に交差する上下方向の軸(垂直軸)の周りに回転可能に構成された一対の主軸部13を備えている。これら主軸部13の下端には、主軸部13と同軸にされ、且つ主軸部13と一体的に回転可能に構成されたプーリー14が設けられている。尚、図示は省略しているが、これらプーリー14の外周面には、全周にわたってゴム等からなる滑り止め部材が設けられており、この滑り止め部材の外周面にはプーリー14の周方向に延びる複数の溝が形成されている。
これら一対のプーリー14の外周面には、下縁に切刃が形成された無端帯状のブレード15が巻回されており、プーリー14の回転に伴って回転可能とされている。このブレード15は、無端帯状の台金の表面にダイヤモンドの微粉末が電着された構成である。ここで、一対のプーリー14は、それぞれ他方のプーリー14を向く側で外周面が露出した状態にされている。
また、昇降台12は、駆動軸部を略垂直にした状態の駆動モータ16を備える。この駆動モータ16の駆動軸部と上述した対をなす主軸部13のうちの一方とには、無端のVベルト17が巻回されており、これによって駆動軸部の回転がVベルト17を介して一方の主軸部13に伝達され、この主軸部13に取り付けられているプーリー14が回転駆動される。尚、以下の説明では、主軸部13のうち駆動モータ16によって回転駆動される側を駆動側主軸部13a、他方の主軸部13を従動側主軸部13bとする。これら駆動モータ16、Vベルト17、駆動側主軸部13aは、プーリー14を回転駆動する駆動機構を構成している。
また、昇降台12は、一対のプーリー14の間に位置する範囲の両端でブレード15を案内してこの範囲内でのブレード15のぶれを抑える一対の静圧ユニット18を備えている。切断装置10は、一対の静圧ユニット18の間に位置する範囲でインゴットINの切断を行う。更に、昇降台12は、静圧ユニット18間でブレード15に切削水を供給する切削水供給機構19を備えている。また、昇降台12は、台座11上のインゴットINに対向する位置に、この台座11上のインゴットINと平行にして、インゴットINの切断時におけるインゴットINとの干渉を避けるための断面U字形状の溝20が形成されている。
尚、切断装置10には、プーリー14の外周面を洗浄するプーリー洗浄機構を設けることが望ましい。このプーリー洗浄機構としては、例えばプーリー14の露出している外周面に洗浄液を吹き付けるスプレー機構を用いることができる。このスプレー機構は、例えば不図示の洗浄液供給源(図示省略)と、一端が洗浄液供給源に接続されるとともに他端側がプーリー14の露出している外周面に対向させた状態にして昇降台12に取り付けられた洗浄液供給管(図示省略)と、洗浄液供給管のプーリー14側の端部に先端をプーリー14に向けた状態で設けられた洗浄液噴射ノズル(図示省略)とから構成されている。
図2は、切断装置10の制御系を示すブロック図である。尚、図2においては、図1に示した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。図2に示す通り、切断装置10の制御系は、制御装置21、負荷検出装置としての電流検出装置22、及び移動機構としての昇降装置23を含んで構成される。制御装置21は、電流検出装置22の検出結果に基づいて駆動モータ16に供給する電流を制御してブレード15の回転数を制御するとともに、昇降装置23に制御信号を出力して昇降台12の上昇及び下降速度を制御する。尚、図2においては、駆動機構の一部をなす図1中のVベルト17及び駆動側主軸部13aの図示を省略している。
電流検出装置22は、制御装置21から駆動モータ16に供給される電流を検出するものである。駆動モータ16に一定の電圧を印加していても、駆動モータ16に供給される電流は駆動モータ16が駆動しているブレード15に加わる負荷(正確にはブレード15を駆動する駆動機構に加わる負荷)に応じて変化する。このため、電流検出装置22が駆動モータ16に供給される電流を検出することにより、間接的にブレード15の負荷を検出することができる。尚、以下の説明においてはブレード15に加わる負荷に応じて変化する電流を負荷電流という。昇降装置23は、制御装置21からの制御信号によって、昇降台12の両端に設けられた一対の支持柱24に沿って昇降台12を上昇させ、又は下降させるものである。昇降装置23によって昇降台12の下降速度を制御することにより、ブレード15によるインゴットINの切り込み速度を制御することができる。
以上の構成を有する切断装置10において、制御装置21が駆動モータ16に対して電流を供給すると、供給された電流に応じた回転数で駆動モータ16が回転し、駆動モータ16によってVベルト17及び駆動側主軸部13aを介してプーリー14が回転駆動されてプーリー14の外周面に巻回されたブレード15が回転する。この回転するブレード15によって一対のプーリー14の間に位置する部分でインゴットINの切断が行われる。切断装置10は、昇降台12を台座11上のインゴットINの上方に位置させ、上記のようにしてブレード15を回転させながら昇降台12を降下させると、ブレード15の下縁に形成された切刃15a(図2参照)によってインゴットINは軸線に直交する方向に切断される。
ここで、本実施形態では、インゴットINの切断効率を向上させ、ブレード15の反りを防止することでブレード15の長寿命化を図り、更にはインゴットINの斜断等による切断ロスを少なくするために、インゴットINの切断中に電流検出装置22により駆動モータ16に流れる電流を検出し(負荷検出ステップ)、電流検出装置22の検出結果に基づいて駆動モータ16の回転数及び昇降装置23によるインゴットINの切り込み速度を制御している(制御ステップ)。ここで、制御ステップにおける制御は、駆動モータ16の回転数の制御のみ、又は昇降装置23によるインゴットINの切り込み速度の制御のみであっても良く、駆動モータ16の回転数の制御と昇降装置23によるインゴットINの切り込み速度の制御とを併用しても良い。
駆動モータ16の回転数の制御、及び昇降装置23によるインゴットINの切り込み速度の制御は任意で良いが、例えば切断装置の性能が100%発揮できるようにブレード15の回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定し、ブレード15に反りが生じないようブレード15の回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定し、又は斜断が生じないようブレード15の回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定することができる。尚、切断装置の性能が100%発揮できるとともに、ブレード15に反りが生じず、且つ遮断が生じないようブレード15の回転数及び切り込み速度の少なくとも一方を設定しても良い。また、インゴットINの直径、又は断面形状に応じて回転数及び切り込み速度を変化させても良い。
具体的には、インゴットINの中心部を切断するときにはブレード15に大きな負荷が加わるためブレード15の回転数を低く設定し、インゴットINの端部(台座11上のインゴットINの上端部及び下端部)を切断するときにはブレード15に加わる負荷が小さいためブレード15の回転数を高く設定する。同様に、インゴットINの中心部を切断するときにはブレード15の切り込み速度を低く設定し、インゴットINの端部を切断するときにはブレード15の切り込み速度を高く設定する。これにより、インゴットINの端部の切断に要する時間を短縮することができ、切断効率を向上させることができる。また、ブレード15の反り又は斜断は、ブレード15に加わる負荷が大きいときに生じやすい。負荷が大きいインゴットINの中央部を切断するときに、ブレード15の回転数又は切り込み速度を低く設定することで、これらを防止することもできる。
図3は、インゴットINの切断時間と電流検出装置22で検出される負荷電流との関係を例示する図である。図3において、符号C1を付した曲線はブレード15の回転数を制御してある直径(例えば、20cm)のインゴットINを切断したときの切断時間と負荷電流との関係を示す曲線であり、符号C2を付した曲線は、回転数を一定にしてある直径(例えば、20cm)のインゴットINを切断したときの切断時間と負荷電流との関係を示す曲線である。図3において、時刻t1はインゴットINの切断開始時間である。また、時刻t2はブレード15の回転数を制御しながら(変化させながら)インゴットINを切断したときの切断終了時間である。更に、時刻t3はブレード15の回転数を一定にしてインゴットINを切断したときのときの切断終了時間である。また、符号MCを付した直線は駆動モータ16の最大負荷電流を示している。
ブレード15の回転数を制御しながらインゴットINを切断すると、ブレード15の回転数を一定にしてインゴットINを切断したときに要した時間(t3−t1)よりも短い時間(t2−t1)になっているため切断効率が向上したことが分かる。また、符号C2を付した曲線を参照すると、切断時間に応じてブレード15の切刃15aとインゴットINとが接する長さが略円柱形状のインゴットINの断面形状を反映して変化するため、負荷電流が半円形状になっている。これに対し、符号C1を付した曲線を参照すると、インゴットINの端部を切断するときにブレード15の回転数を高くしているため、負荷電流はインゴットINの断面形状を反映したものとはなっていないことが分かる。
図4は、ブレード15の回転数と電流検出装置22で検出される負荷電流及びインゴットINの切断時間との関係を例示する図である。図4において、符号C11を付した曲線はブレード15の回転数を変化させて切断長さ(ブレード15の切刃15aとインゴットINとが接する長さが)が所定の長さのインゴットINを切断したときの負荷電流の変化を示す曲線であり、符号C12を付した曲線はブレード15の回転数を変化させて切断長さが一定のインゴットINを切断したときの切断時間の変化を示す曲線である。
図4を参照すると、曲線C11を付した曲線の変化からブレード15の回転数を上昇させるにつれて負荷電流が増大することが分かり、曲線C12を付した曲線の変化からブレード15の回転数を上昇させるにつれて切断時間が短縮されるのが分かる。ブレード15の回転数は、例えば図4に示す関係を用いて適宜設定するのが望ましい。尚、図3,図4においては、ブレード15の回転数を変化させた場合の関係を示しているが、ブレード15の切り込み速度を変化させた場合も同様の関係が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の内容に限られず、本発明の範囲内で自由に変更可能である。例えば、上記実施形態ではシリコン単結晶を切断する場合を例に挙げて説明したが、他の単結晶(例えば、サファイア、ガリウム砒素(GaAs)、窒化ガリウム(GaN)、そのたの単結晶)を切断する場合にも本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、駆動モータ16の負荷電流を検出することでブレード15に加わる負荷を間接的に検出していたが、ブレード15に加わる負荷の検出方法はこの方法に限られることはなく、他の方法(例えば機械的、電気的、磁気的、光学的方法)を用いることも可能である。
本発明の一実施形態による切断装置の概略構成を示す斜視図である。 切断装置10の制御系を示すブロック図である。 インゴットINの切断時間と電流検出装置22で検出される負荷電流との関係を例示する図である。 ブレード15の回転数と電流検出装置22で検出される負荷電流及びインゴットINの切断時間との関係を例示する図である。
符号の説明
10 切断装置
13a 駆動側主軸部(駆動機構)
14 プーリー
15 ブレード
16 駆動モータ(駆動機構)
17 Vベルト(駆動機構)
21 制御装置
22 電流検出装置(負荷検出装置)
IN インゴット(対象物)

Claims (7)

  1. 互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、
    前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、
    前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構を制御し、前記ブレードの回転数を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする切断装置。
  2. 互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、
    前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、
    前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記移動機構を制御し、前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする切断装置。
  3. 互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構と、前記対象物に対する前記ブレードの相対位置を可変させる移動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置において、
    前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出装置と、
    前記負荷検出装置の検出結果に応じて前記駆動機構及び前記移動機構の少なくとも一方を制御し、前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御装置と
    を備えることを特徴とする切断装置。
  4. 前記負荷検出装置は、前記ブレードによって前記対象物を切断する際の前記駆動機構に加わる負荷を検出することにより、前記ブレードに加わる負荷を検出することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の切断装置。
  5. 前記駆動装置は、電流の大きさに応じて回転数が変化するモータであり、
    前記負荷検出装置は、前記モータに流れる電流の変化に基づいて前記モータに加わる負荷を検出する
    ことを特徴とする請求項4記載の切断装置。
  6. 互いに離間して配置された一対のプーリーに巻回された無端帯状のブレードと、前記プーリーの少なくとも一方を回転駆動して前記ブレードを回転させる駆動機構とを備え、回転する前記ブレードによって対象物を切断する切断装置の制御方法において、
    前記ブレードに加わる負荷を検出する負荷検出ステップと、
    前記負荷検出ステップの検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記対象物に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御する制御ステップと
    を含むことを特徴とする切断装置の制御方法。
  7. 無端帯状のブレードによりシリコン単結晶を切断するシリコン単結晶の切断方法において、
    前記ブレードに加わる負荷の検出結果に応じて前記ブレードの回転数及び前記シリコン単結晶に対する前記ブレードの切り込み速度の少なくとも一方を制御しつつ前記シリコン単結晶を切断することを特徴とするシリコン単結晶の切断方法。
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