JPWO2017119471A1 - ワイヤーソー切断方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】切断効率を大幅に向上して作業時間を短縮できるようにしたワイヤーソー切断方法を提供する。
【解決手段】ワイヤーに複数の切削用ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともにワイヤーソーを走行させて切断対象物を切断するにあたり、切削用ビーズ(11)の押付け力ベクトル(T1)とワイヤーソー(10)の走行速度ベクトル(F1)との合成ベクトル(C1)の指向方向が切削用ビーズの最適切断方向ベクトルに近づくように、切削用ビーズの押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を設定し又は調整するようにした。

Description

この発明はワイヤーソー切断方法及びその装置に関し、特に切断効率を大幅に向上して作業時間を短縮できるようにした方法及び装置に関する。
最近、原子力発電所の廃炉問題が注目を集めているが、かかる廃炉には建屋などの鉄筋コンクリート構造物、金属構造物の安全な解体を必要とする。建屋などの解体には爆破、ウォータージェットあるいは切断ブレードなど種々な方法が知られているが、廃炉建屋、発電設備解体にはワイヤーソーを用いた切断方法も提案されている。
例えば、複数の超硬質ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーをステンレス製熱交換器に巻き付け、ワイヤーソーに100〜180kgfの張力を掛けながらワイヤーソーを3〜10m/secの速度で走行させることによってステンレス製熱交換器を切断解体するという方法が知られているが(特許文献1)、かかる設定条件にて異なる寸法の構造物や異なる材質の構造物を切断解体した場合、期待されるような効率的切断が行えず、放射線量の高い放射線管理区域内での長い作業時間を必要とし、放射線の被爆が懸念される。
これに対し、本件出願人は、切削用ビーズのシャンクを、送り方向後方になるにつれて外径が増大するように凸状に膨出する曲面形状を少なくともその一部に有する形状とし、シャンクの曲面形状部分の外表面に切削ダイヤモンドの層を形成し、複数の切削用ビーズをワイヤーに所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、鉄筋コンクリート構造物などの切断対象物に押し付けるとともに、このワイヤーソーを5〜20m/secの範囲内で駆動モータのトルクが最大となるような速度でもって走行させ、切断対象物を切断する技術を提案するに至った(特許文献2、特許文献3)。
また、本件出願人は、送り方向側端面を凸部と凹部の組合せ曲面状に形成した第1の切削用ビーズと、送り方向反対側端面を凸部と凹部の組合せ曲面形状に形成した第2の切削用ビーズとをワイヤーに所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、鉄筋コンクリート構造物などの切断対象物に押し付けるとともに、このワイヤーソーを10〜20m/secの範囲内の速度でもって走行させ、切断対象物を切断する技術を提案するに至った(特許文献4)。
特開2005−153071号公報 特開2015−136853号公報 特開2015−136767号公報 特許第5831860号公報
特許文献2〜4記載のワイヤーソー切断方法は特許文献1記載の方法に比較して作業時間を短縮できることが確認されているが、切断理論が明確ではなく、切断物の材質がコンクリートや各種金属など多様で、しかも大きさなども異なるものからなる原子力発電所の構造物の切断解体に適用するためにはワイヤーソー切断理論を詳細に解析し適正な条件を確立し、切断効率を大幅に向上させ、又使用するワイヤーの切断可能な寿命を延長することによって切断作業時間をさらに短縮することが望まれている。
本発明はかかる状況においてなされたもので、ワイヤーソーの切断効率を大幅に向上し且つワイヤー寿命を延長することによって作業時間を短縮できるようにしたワイヤーソー切断方法を提供することを課題とする。
そこで、本発明に係るワイヤーソー切断方法は、ワイヤーに複数の切削用ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともに、ワイヤーソーを中心軸線廻りに回転させながら走行させて切断対象物を切断するにあたり、ワイヤーソーの走行方向の前方側に後方になるにつれて拡径するような凸状曲面を有するか又はワイヤーソーの回転方向に沿って曲線状の前端縁を有する複数の切削用ビーズを用い、切削用ビーズの最大負荷点における切削用ビーズの押付け力ベクトルとワイヤーソーの走行速度ベクトルとの合成ベクトルの指向方向が切削用ビーズの最適切断方向ベクトルに近づくように、切削用ビーズの切断対象物への押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を設定し又は調整するようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係るワイヤーソー切断装置は、ワイヤーに複数の切削用ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともに、ワイヤーソーを中心軸線廻りに回転させながら走行させて切断対象物を切断するワイヤーソーによって切断対象物を切断するようにしたワイヤーソー切断装置において、ワイヤーソー走行方向の前方側に後方になるにつれて拡径するような凸状曲面を有するか又はワイヤーソー回転方向に沿って曲線状の前端縁を有する複数の切削用ビーズをワイヤーに所定のピッチで付設してなる無端状のワイヤーソーと、該ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともに上記ワイヤーソーの走行を案内する複数のガイドプーリーと、最高速度17m/secを限度として上記ワイヤーソーを走行させる得るような最小の外周径を有する駆動プーリーと、該駆動プーリーを回転駆動させる駆動モータと、上記駆動プーリーに張力を付与する張力付与手段と、上記駆動プーリーの回転トルクがワイヤーソー走行速度3m/sec以上17m/sec以下の範囲内の間で一定トルクとなるように上記駆動モータを制御するとともに、切削用ビーズの最大負荷点における切削用ビーズの押付け力ベクトルとワイヤーソーの走行速度ベクトルとの合成ベクトルの指向方向が切削用ビーズの最適切断方向ベクトルに近づくように、切削用ビーズの押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を切断中にワイヤーソーの走行を維持したまま任意に設定し又は調整し得るコントローラと、を備えたことを特徴とする。
ここで、切削用ビーズの最大負荷点について説明すると、切断対象物30が中実の断面四角形状の場合、切断開始時は図10(a)に示されるように、ワイヤーソーが強く当たる角部で切断用ビーズの負荷が最も大きく、角部が最大負荷点Pとなる。切断が進行すると、図10(b)に示されるように、角部が切断されて次第に丸い形状となり、それに伴い最大負荷点Pは次第に中央に向けて移動する。切断が更に進行すると、図10(c)に示されるように、切断対象物の上半部は次第に断面半円形状に近づき、最大負荷点Pは半円形状の頂点に向けて移動する。つまり、切削用ビーズの最大負荷点Pは切断対象物の形状によって変化し、四角形状の場合には角部から中央頂点に向けて移動し、円形状の場合には中央頂点が最大負荷点Pとなる。
また、円筒状の場合には切断開始当初は図11(a)に示されるように、中央頂点が最大負荷点Pとなり、切断が進行するにつれ、図11(b)に示されるように、横幅方向に移動して両側角部が最大負荷点Pとなり、最大横幅の位置を過ぎると円筒の横幅の減少に伴い角部の間隔、つまり最大負荷点Pの間隔が狭くなる。
さらに、四角筒状の場合には切断開始当初は図12の(a)に示されるように、ワイヤーソーが強く当たる角部で最も負荷が大きく、角部が最大負荷点Pとなり、切断が進行するに伴い最大負荷Pが横略方向に広がって両側壁に移動し、両側壁に沿って最大負荷点Pが下方に移動する。
以上のように、切断用チップの最大負荷点は切断対象物の形状によって決定する必要があることが分かる。
次に、ワイヤーソーの仕事について解析する。図1に示されるように、駆動プーリーの回転数(rpm)をA、ワイヤーソーを引く力(kgf)をF、ワイヤー張力(kgf)をT、切断対象物へのワイヤーソーの接触長(m)をL、ワイヤーソーの走行速度(m/s)をVとすると、ワイヤーソーの1秒間の仕事量はW=F×Vである。Fは切断対象物に接触している個々の切削用ビーズがワイヤーソーの走行を停止させようとする力の総和と考えることができる。
ワイヤーの走行時に切断対象物に接触している切削用ビーズに掛かる力の大きさと向きを表すベクトルを分析すると、1)駆動プーリーの回転によって発生するワイヤーソーを引く力Fの分力のベクトル(F1)、2)ワイヤーにかかるテンションTによって個々の切削用ビーズにかかる分力のベクトル(T1)、3)分力ベクトルT1によって生まれる個々の切断ビーズの切断対象物にかかる押し付ける分力のベクトル(P1)、4)分力ベクトルT1によって生まれる個々の切断ビーズの走行方向への分力のベクトル(S1)となり、個々の切削用ビーズが持つ切断力の方向と大きさを表すベクトル(C1)はF1+S1ベクトル(切削用ビーズ走行方向)と個々の切削用ビーズが切断対象物を押さえる分力ベクトル(P1)の合成となる。このベクトル(C1)は個々の切削用ビーズ11が持つ切断力として働く。
また、図5において個々の切削用ビーズ11の切断で発生した切削屑12は切断の経過に伴って切断対象物の切削面に滞留し、これが個々の切削用ビーズ11の進行を妨げる力(k1)となる。
図2の(a)〜(c)に示されるように、切断で発生した切削屑12が切断の経過に伴って切断対象物の切削面に滞留すると、切削屑12と切削用ビーズ11の摩擦及び切削用ビーズ11の高速走行による摩擦によって熱13が発生し、これがワイヤーソーの仕事の損失となる。ワイヤーソーの総重量は切断に必要な力の大きさからすると、十分に無視することができる大きさである。ただ、水中切断の場合には無視できない大きさの抵抗(M)が加わることがある。
すなわち、ワイヤーソーの仕事は概ね次の関係式によって表すことができる。
W=F×V={(C1×V+k1×V)×ビーズの数}+摩擦による発熱
ここで、FはTに起因し、Tは切断対象物に接触する切削用ビーズ個々に与えた合成力(C1)と切削用ビーズの進行を妨げる力(k1)の総和に近似的に等しい。切断対象物の切断距離Lに与えた仕事Wが切断に変わるには合成力(C1)を増大させることが重要である。
そのためには、1)滞留切削屑を排除してk1を小さくすること、2)滞留切削屑を排除し、切削用ビーズを円滑に回転させること、3)張力(T)を上昇させて切断面方向への分力を集中させること、4)切削用ビーズ個々の運動エネルギーは1/2・(C1+k1)V2であるので、走行速度を低減させること、が重要であると理解できる。つまり、切削用ビーズの押付け力を大きくし、走行速度を落とし、切削屑を排除し、摩擦熱を少なくすれば、飛躍的に切断エネルギーに変換できる。
しかし、切削用ビーズの押付け力を無限に大きくし、走行速度を限りなくゼロに落とすと、切削用ビーズの押付け力ベクトルとワイヤーソーの走行速度ベクトルの合成ベクトルの指向する方向が切削用ビーズの効率的切断を生む適正なベクトル方向よりも切断対象物方向を指向するため、ワイヤー走行による切削用ビーズの切断対象物への過度な衝突現象が生じ、場合によってはワイヤーの破断や切削用ビーズの過度な摩耗の原因となるため、走行速度Vと合成力C1の調和が重要である。
また、切削用ビーズの全周に付着するダイヤモンド砥粒が切断進行に伴い適切に脱落して切削能力を維持するように、ワイヤーソーには予め捻じりを与えて切削用ビーズをワイヤー廻りに回転させながら走行させるのがよいことは既に知られている。
本発明の特徴の1つは切削用ビーズの押付け力ベクトルとワイヤーソーの走行速度ベクトルの合成ベクトルの指向する方向が切削用ビーズの切断対象物に対して最適な切断の方向に近づくように、切削用ビーズの押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を設定し又は調整する、好ましくは切断中に任意に設定し又は調整するようにした点にある。
これにより、切断効率を大幅に向上でき、例えば原子力発電所の建屋を短時間で解体することができるので、放射線被爆の懸念を解消できる。
また、本発明の切断方法は原子力発電所の建屋の解体に限定されず、橋梁、大型プラント、大型建造物などの解体に適用することができる。
ここで、切削用ビーズの最適な切断方向は切断対象物の物性や形状によって異なるので、切断対象物の物性や形状に応じて予め求めるが、切断中に観察される切断の速度や切断の状況に応じて切削用ビーズの押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を設定し又は調整することによって、ビーズの押付け力ベクトルとワイヤーソーの走行速度ベクトルとの合成ベクトルの指向方向を切削用ビーズの適正な(最適な)切断方向に近づけるようにすることもできる。
すなわち、切削用ビーズの切断対象物への押付け力及びワイヤーソーの走行速度の両方又は一方を切断中にワイヤーソーの走行を維持したまま任意に設定し又は調整するようにすることもできる。
具体的には、切断対象物がCrMo系材料のような高硬度の材料の場合には効率よく切断を行えるように、切削用ビーズの最適切断方向ベクトルを押付け力ベクトル側に近づくように設定し、低硬度の材料の場合には切削用ビーズの切断対象物への過度な衝突現象が生じないように、ワイヤーソーの走行速度ベクトル側に近づくように設定するのがよい。また、切断対象物が角部のある形状の場合には切削用ビーズの切断対象物への過度な衝突現象が生じないように、切削用ビーズの最適切断方向ベクトルを走行速度ベクトル側に近づくように設定し、角部のない形状の場合には効率よく切断を行えるように、押付け力ベクトル側に近づくように設定するのがよい。
すなわち、切削用ビーズの最適切断方向ベクトルを、低硬度又は低靱性の切断対象物に対する最適切断方向ベクトルが高硬度又は高靱性の切断対象物に対する最適切断方向ベクトルに比較してワイヤーソーの走行速度ベクトルに近づき、角部のある切断対象物に対する最適切断方向ベクトルが角部のない切断対象物に対する最適切断方向ベクトルに比較してワイヤーソーの走行速度ベクトルに近づくように設定するのがよい。
切削用ビーズの押付け力はワイヤーソーの張力の大きさと切断面に接触する切削用ビーズの数とによって決まり、ワイヤーソーの張力は大きければ大きいほど切削用ビーズの切断対象物への押付け力を大きくすることができる。しかし、ワイヤーソーの張力を大きくしすぎると、ワイヤーの破断による事故が懸念される。そこで、ワイヤーソーの破断強度に安全率を乗じた大きさを上限とするのがよい。
例えば、現在流通しているワイヤーソーはロープ径がφ5mm前後で切削用ビーズ径φ9〜12mm、切削用ビーズ長2〜8mm、破断強度2000kgfのものが多い。かかるワイヤーソーを採用する場合、安全率50%とし、ワイヤーソーの張力の上限を1000kgfとし、それ以下の範囲内で大きな張力を加えるのが好ましい。特に、切断の状況に応じてワイヤーソーの張力を切断中に適宜に調整できるようにするのがよい。
ワイヤーソーの走行速度は上述のように低速であるほど、切断エネルギーに向上できるとともに、切削屑がワイヤーソーに付着して排出されるので、3m/sec以上とする。この走行速度3m/sec以上としたのは前述したように切削用ビーズの最適な切削方向ベクトルよりも過度に下方に向くことにより切削用ビーズが切断対象物に過度に衝突することとなり、ワイヤーの破断や切削用ビーズの過度な摩耗が極端に発生する限界の下限速度である。
走行速度が17m/secを超えると、図2の(d)に示されるように、ワイヤーソーの切削用ビーズ11が切断対象物の切断面から浮き上がる現象が起きることが判明した。つまり、図3に示されるように、ワイヤーソーの走行による運動エネルギーはワイヤー速度の増加に伴って増大するが、走行速度が17m/secを超えると、熱エネルギーが飛躍的に増加するものの、切断エネルギーは実質的に増加しないことが判明した。そこで、ワイヤーソーの走行速度を3m/sec以上17m/sec以下の範囲内から選択される速度とするのが好ましい。
具体的には、切断対象物が金属の場合、走行速度を10m/sec以下、切削用ビーズの個々の押付け力を平均3kgf/個以上とするのがよく、コンクリートの場合には走行速度を14m/sec以下、切削用ビーズの個々の押付け力を平均1.5kgf/個以上とするのがよい。
ところで、切削屑は粉流体の挙動を示し、切削用ビーズと切断面との間に滞留すると、切削用ビーズと滞留切削屑が擦れ合い、摩擦熱が発生し、エネルギー損失を招来する。また、切削屑の滞留量が多くなると、切削用ビーズの最適な接触を阻害したり、最悪は雨天時の自動車走行のタイヤのハイドロプレーニング現象のように切削用ビーズが切削屑の上に浮き上がる現象を起こす。従って、切断効率が大幅に向上し、単位時間当りの切断量が多くなると、切削屑の発生量も大幅に増大するので、切削屑をどのように排出するかが重要となってくる。
そこで、ワイヤーソーの走行経路を集塵カバーで覆い、集塵カバーのワイヤーソーの走行手前側からエアーを送給して切断面に滞留する切削屑を切断面から離脱させ、ワイヤーソーの走行側から離脱した切削屑とともにエアーを吸引し、切削屑をフィルターによって分離した後、吸引したエアーの全部又は一部を集塵カバー内に戻して送給エアーに利用する。このとき、エアーの送給速度や吸引速度をワイヤーソーの走行速度よりも高速として切削屑が円滑に排出されるようにし、しかもエアーの吸引量を送給量よりも多くなるようにすると、集塵カバーに囲まれた領域が減圧され、切削屑などの粉塵が周囲に飛散するのを防止できる。
また、ワイヤーソーに切削剤を与え、ワイヤーソーの冷却と洗浄をするとともに、切削用ビーズの摩擦を少なくするが、上述の送給エアーを利用して切削剤を与えるようにすることもできる。切削剤には適量の水、界面活性剤及び潤滑剤を用いることができ、これを送給エアーを利用してワイヤーソーに吹き付けるようにするのがよい。
本発明に係るワイヤーソー切断方法は乾式切断に適用するとその効果が大きいが、湿式切断にも適用することができる。
また、本発明に係るワイヤーソー切断方法は図4に示されるような引き切り方式であってもよく、図6に示されるような押し切り方式であってもよく、解体現場の状況に応じて選択するのがよい。
また、ワイヤーソーの切削用砥粒はダイヤモンド砥粒が好ましいが、他の超硬質砥粒であってもよい。切削用砥粒は焼結、メッキ、ロウ付けによって切削用ビーズのシャンクに固着することができる。
ところで、切削用ビーズに、図7に示されるような円筒形状の切削用ビーズを採用した場合、走行速度ベクトルはμ×mで表される。但し、μ:切断対象物の摩擦抵抗、m:切削用ビーズが切断対象物を押さえる押付け力である。
走行速度ベクトルは押付け力mの大きさに影響され、又押付け力ベクトルは主にワイヤーの張力の大きさに影響される。切断力ベクトルの大きさは走行速度ベクトルと押付け力ベクトルの大きさによって決定される。したがって、切削用ビーズ1個の切削量Δtは切削用ビーズの切断対象物を押さえる力、つまりワイヤー張力によって決まる。ワイヤーソーによる切断対象物の切削量及び切削速度は、切削量Σ=Δt×切削用ビーズの数、切削速度Σt/時間、である。
押付け力が大きいと、切削用ビーズの前側下端部100に力が集中し、その部位の砥粒の磨耗が激しくなる。また、切削用ビーズを切断対象物の方向に転倒させるような力(転倒力)101が発生し、切削用ビーズが切断対象物に引っ掛かりやすくなる。切削用ビーズの下辺主要部102の砥粒は転倒力101の影響を受け、切断よりも発熱作用の原因となる。実際には切削用ビーズの前側下端部100の磨耗が激しいので、ワイヤーソーの張力を上げすぎないことが要求されている。
これに対し、本件発明者は次の点に着目するに至った。
切削用ビーズの形状を、1個の切断量Δtを任意に設定できるとともに、張力の設定範囲を広げることのできる形状とすることにより、切断ベクトルの設定範囲を広げることができ、各種金属材料からコンクリートまでの種々の物性に適合した切断ベクトルを設定することができる。
また、切削屑を適正に除去し、切削用ビーズの砥粒が切断対象物に適正に押し付けられるようにする。
さらに、ワイヤーソー単位メートル当りの切削用ビーズの数を多くし、ワイヤーソーの走行速度を下げることにより、ワイヤーソーの走行速度を低下させても単位時間当りの切断量を増加させ、切削用ビーズと切断対象物との摩擦による発熱を少なくし、前述の切断ベクトルの適正な設定と切削用ビーズの適正な押付けと相まって切削用ビーズ1個当りの走行エネルギーは発熱よりも切断エネルギーに変換することができる。
切削用ビーズ上の砥粒が切断対象物の切断面側壁との接触で磨耗しないようにするとともに、金属切断時に砥粒への不純物の付着を防止することが重要である。
そこで、切削用ビーズを図8に示されるような形状とすると、切断ベクトルは押付け力ベクトルに近い方向から走行速度ベクトルに近い方向までの何れの方向であっても砥粒が適正に切断対象物に接し、又切断ベクトルが過度に下方を指向した場合には切削用ビーズが切断対象物に引っ掛かることなく切断対象物上に浮き上がろうとし、この作用によって切断対象物の物性に適した切断ベクトルを作り出すことができ、ひいては適正な切断量Δtを設定することができる。
しかしながら、個々の切削用ビーズによって切削された切削屑が図8に示されるように、切削用ビーズの走行方向に存在し、この切削屑がワイヤーソーの走行を阻害し砥粒の無駄な磨耗を招来し、摩擦による熱の発生などの問題を引き起こすので、適正な切断ベクトルの発生を阻害する原因になるので、前述のようにワイヤーソー走行路を切削屑を気体や液体の流れを作ることで常に清浄にする。
これらの対策によって切削用ビーズ1個当りの切断量Δtを適正に設定することがてき、その切削用ビーズが定ピッチで連続して固定されたワイヤーソー全体としての切断速度を向上できると考えられる。
換言すると、本願発明ではワイヤーソーの張力を高くして低速度で切断するという考え方であるのに対し、従来の方法ではワイヤーソーの張力を低くして高速度で切断するという考え方であったと言える。
この場合、ワイヤーソーの走行速度を低速にしても単位メートル当りの切削用ビーズの数を増加させると、仕事×切削用ビーズ数によりワイヤーソーとしての総仕事量を増やすことができる。この点、従来の方法では総仕事量を増やすためにはワイヤーソーの走行速度をより一層増加させなければならず、ワイヤー破断や過度の発熱問題が発生していたのと異なる点である。
すなわち、本発明によれば、切削用ビーズの径がφ9〜12mmの範囲内の径、切削用ビーズの長さが2〜8mmの範囲内の長さ、切削用ビーズの単位メートル当りの数が60個以上250個以下の数、ワイヤーの破断強度が2000kgf、ワイヤーソーの走行速度が3〜17m/sの範囲内の速度、ワイヤー張力(T)による切削用ビーズ1個当りの切断対象物への平均押付け力が1.5kgf以上という具体的な条件を提案することができる。
図9は本発明に係るワイヤーソー切断方法において用いられる切削用ビーズの形状の他の例を示す。本例では切削用ビーズ11のワイヤーソー走行方向の前端面が凸状の端面40aと凹状の端面40bを滑らかな曲面で連続させた形状をなしており、凸状の端面40aで切断対象物が切削されると、切削屑が滑らかに連続する凹状端面40bによって径方向に排出され、切削屑の排出が効率よく行われる結果、切削屑がワイヤーソーの走行を阻害し砥粒の無駄な磨耗を招来し、摩擦による熱の発生などの問題を引き起こすことが少ないので、前述の場合と同様に切削用ビーズ1個当りの切断量Δtを適正に設定することができ、その切削用ビーズが定ピッチで連続して固定されたワイヤーソー全体としての切断速度を向上できる。
なお、凸状端面及び凹状端面としたが、切削屑の径方向への排除機能を考慮すると、切削用ビーズ11はワイヤーソー10の回転方向に沿って滑らかな曲線状の前端縁を有する形状とすればよい。
本発明に係るワイヤーソー切断理論を説明するための図である。 上記切断理論を説明するための図である。 ワイヤーの運動エネルギーとワイヤー速度に対する切断エネルギー及び熱エネルギーの関係を示す図である。外周形状を電界モード分布に対応する形状に形成した例を示す平面図である。 本発明に係るワイヤーソー切断装置の好ましい実施形態を示す概略構成図である。 上記実施形態における切削用ビーズの挙動を示す図である。 第2の実施形態を示す概略構成図である。 従来の円筒形状の切削ビーズを用いる場合における問題点を説明するための図である。 本発明に係るワイヤーソー切断方法における切削用ビーズの形状の例を示す図である。 本発明に係るワイヤーソー切断方法における切削用ビーズの形状の他の例を示す図である。 中実四角形切断対象物に対する切削用ビーズの最大負荷点を説明するための図である。 円筒切断対象物に対する切削用ビーズの最大負荷点を説明するための図である。 角筒切断対象物に対する切削用ビーズの最大負荷点を説明するための図である。
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図4及び図5は本発明に係るワイヤーソー切断装置の好ましい実施形態を示す。図において、ワイヤーソー10は例えば破断強度の2000kgfのワイヤーにビーズ径φ10mm(φ9〜13mm)、シャンク長8mm(2〜8mm)の切削用ビーズ11を60〜250個/mの数だけ間隔をあけて固定して構成され、切削用ビーズ11にはワイヤーソー10の走行方向前方側から後方側に向けて次第に外径が増大するような凸状曲面に形成されている。
このワイヤーソー10は両端が接続されて無端状に組み立てられ、ワイヤーソー10は切断対象物、例えば鉄筋コンクリート構造物30に切断予定のラインによって掛けわたされ、左右のガイドプーリー21を経て駆動プーリー20に無端状にかつ捻じりを与えられて張架されている。
駆動プーリー20には広範囲の回転域で一定の回転トルクを発生するサーボモータ等の駆動モータ22の駆動軸が直接又は減速ギア群を経て連結され、又駆動プーリー20には引っ張り機構23が緩衝装置32を介して設けられ、駆動モータ22及び引っ張り機構23はワイヤーソー10の張力が1000kgf以下の範囲内の張力になり、これによって1個の切削用ビーズ11の押付け力が1.5kgf以上の大きさとなり、又ワイヤーソー10の走行速度を3m/sec以上17m/sec以下の範囲内から選択される速度となるようにコントローラ24によって制御されるようになっている。
コントローラ24はワイヤーソー10の張力及びワイヤーソー10の走行速度を検知して表示する機能を備え、作業者が切断作業中に張力及び走行速度の表示を見ながら摘まみを操作することによって駆動モータ22及び引っ張り機構23に対する制御信号を与えて駆動モータ22のトルクやワイヤーソー10の張力を変更できるようになっている。なお、緩衝装置32は駆動プーリー20の引っ張り力Tがワイヤー走行により脈動するのを防止し、所定の引っ張り力に実質的に一定に維持されるようにコントロールするためのものである。
また、切断対象物20にはワイヤーソー10の走行経路を覆って集塵カバー25が設けられ、集塵カバー25には集塵カバー25内にエアーを送給する送給口28がワイヤーソー10の走行手前側に形成され、ワイヤーソー10の走行側には集塵カバー25内のエアーを吸引する吸引口26が形成され、吸引口26にはバッグフィルターなどの除塵装置27が設けられ、除塵後のエアーの一部が送給口28に戻されるようになっている。
ここで、送給口28からのエアーの送給速度や吸引口26からのエアー吸引速度はワイヤーソー10の走行速度よりも高速に設定され、しかもエアーの吸引量がエアーの送給量よりも多くなるように設定される。
今、図5に示されるように、切削用ビーズ11の押付け力ベクトルP1とワイヤーソー10の走行速度ベクトルF1+S1の合成ベクトルをC1としたとき、ワイヤーソー10の走行速度ベクトルをF1+S1からF1’+S1に低下させると、合成ベクトルC1’は押付け力の方向に近づく。また、切削用ビーズ11の押付け力を大きくすると、同様に、合成ベクトルは押付け力の方向に近づけることができる。
そこで、送給口28から集塵カバー25内にエアーを送給し、吸引口26からエアー吸引して切削屑12を排出し、同時に、コントローラ24によって駆動モータ22の回転数を低くなるように、又引っ張り機構23の張力Tを大きくなるように制御することによって切断対象物30を効率よく、短時間で切断することができ、且つ切削屑12を順次切断面から排出することにより切削用ビーズが円滑に回転し、ビーズの片摩耗が解消、又切削屑によるビーズの摩耗も軽減され切削用ビーズの切削寿命も長くなった。
本件発明者らの実験によれば、30mmφ×10本の鉄筋を配筋した1m×1mのコンクリートブロックを、ワイヤー張力を100kg、ワイヤーソー10の走行速度9m/sで切断したところ、15分で乾式切断できることが確認された。
図6は第2の実施形態を示し、図において図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では4つのガイドプーリー21と駆動プーリー20とによってワイヤーソー10を押し切り方向に掛け渡しており、このように押し切り方式で切断することもできる。
本件発明者らの実験によれば、30cm×30cmの機械構造用炭素鋼S35Cのブロックを切断したところ、25分で切断できることが確認された。なお、金属材料の場合には発熱が多くなるので、ノズル29によって冷却水を噴霧するのがよい。
10 ワイヤーソー 11 切削用ビーズ
12 切削屑 20 駆動プーリー
21 ガイドプーリー 22 駆動モータ
23 引っ張り機構 24 コントローラ
30 切断対象物

Claims (11)

  1. ワイヤーに複数の切削用ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともに、ワイヤーソーを中心軸線廻りに回転させながら走行させて切断対象物を切断するにあたり、
    ワイヤーソー(10)の走行方向前方側に後方になるにつれて拡径するような凸状曲面を有するか又はワイヤーソー(10)の回転方向に沿って曲線状の前端縁を有する複数の各切削用ビーズ(11)を用い、切削用ビーズ(11)の最大負荷点における切削用ビーズ(11)の押付け力ベクトル(T1)とワイヤーソーの走行速度ベクトル(F1)との合成ベクトル(C1)の指向方向が切削用ビーズ(11)の最適切断方向ベクトルに近づくように、切削用ビーズ(11)の切断対象物への押付け力及びワイヤーソー(10)の走行速度の両方又は一方を設定し又は調整するようにしたことを特徴とするワイヤーソー切断方法。
  2. 切削用ビーズ(11)の最適切断方向ベクトルを、低硬度又は低靱性の切断対象物に対する最適切断方向ベクトルが高硬度又は高靱性の切断対象物に対する最適切断方向ベクトルに比較してワイヤーソーの走行速度ベクトル(F1)に近づき、角部のある切断対象物に対する最適切断方向ベクトルが角部のない切断対象物に対する最適切断方向ベクトルに比較してワイヤーソーの走行速度ベクトル(F1)に近づくように設定するようにした請求項1記載のワイヤーソー切断方法。
  3. 切削用ビーズ(11)の切断対象物への押付け力及びワイヤーソー(10)の走行速度の両方又は一方を切断中にワイヤーソー(10)の走行を維持したまま任意に設定し又は調整するようにした請求項1記載のワイヤーソー切断方法。
  4. 切削用ビーズ(11)の径がφ9〜12mmの範囲内の径、切削用ビーズ(11)の長さが2〜8mmの範囲内の長さ、切削用ビーズ(11)の単位メートル当りの数が60個以上250個以下の数、ワイヤーの破断強度が2000kgf、ワイヤーソー(10)の走行速度が3〜17m/sの範囲内の速度、ワイヤー張力(T)による切削用ビーズ(11)1個当りの切断対象物への平均押付け力が1.5kgf以上である請求項1記載のワイヤーソー切断方法。
  5. 金属製の切断対象物を切断するにあたり、ワイヤーソー(10)の走行速度が10m/sec以下であり、ワイヤーソー(10)の切削用ビーズ(11)の1個あたりの切断対象物への平均押付け力が3kgf以上である請求項4記載のワイヤーソー切断方法。
  6. コンクリート製の切断対象物を切断するにあたり、ワイヤーソー(10)の走行速度が14m/sec以下であり、ワイヤーソー(10)の切削用ビーズ(11)の1個あたりの切断対象物への平均押付け力が1.5kgf以上である請求項4記載のワイヤーソー切断方法。
  7. 切断対象物におけるワイヤーソー(10)の走行経路を集塵カバー(25)で覆い、該集塵カバー(25)のワイヤーソー(10)の走行側からエアーを吸引し、除塵後の吸引エアーの一部をワイヤーソー(10)走行手前側に戻して集塵カバー(25)にエアーを送給し、エアーの吸引速度及び送給速度をワイヤーソー(10)の走行速度よりも高速とし、エアーの吸引量を送給量よりも多くするようにした請求項1記載のワイヤーソー切断方法。
  8. ワイヤーに複数の切削用ビーズを所定のピッチで付設してなるワイヤーソーを複数のガイドプーリーと駆動プーリーとの間に無端状に掛け渡し、ワイヤーソーを切断対象物に押し付けるとともに、ワイヤーソーを中心軸線廻りに回転させながら走行させて切断対象物を切断するワイヤーソーによって切断対象物を切断するようにしたワイヤーソー切断装置において、
    ワイヤーソー走行方向の前方側に後方になるにつれて拡径するような凸状曲面を有するか又はワイヤーソー回転方向に沿って曲線状の前端縁を有する複数の切削用ビーズ(11)をワイヤーに所定のピッチで付設してなる無端状のワイヤーソー(10)と、
    該ワイヤーソー(10)を切断対象物(30)に押し付けるとともに上記ワイヤーソー(10)の走行を案内する複数のガイドプーリー(21)と、
    3m/sec以上17m/sec以下の範囲内の速度で上記ワイヤーソー(10)を走行させるような最小の外周径を有する駆動プーリー(20)と、
    該駆動プーリー(20)を回転駆動させる駆動モータ(22)と、
    上記駆動プーリー(20)に張力を作用させる張力付与手段(23)と、
    上記駆動プーリー(20)の回転トルクがワイヤーソー走行速度3m/sec以上17m/sec以下の範囲内の間で一定トルクとなるように上記駆動モータ(22)を制御するとともに、切削用ビーズ(11)の最大負荷点における上記切削用ビーズ(11)の押付け力ベクトル(T1)とワイヤーソー(10)の走行速度ベクトル(F1)との合成ベクトル(C1)の指向方向が切削用ビーズ(11)の最適切断方向ベクトルに近づくように、切削用ビーズ(11)の押付け力及びワイヤーソー(10)の走行速度の両方又は一方を切断中にワイヤーソーの走行を維持したまま任意に設定し又は調整し得るコントローラ(24)と、
    を備えたことを特徴とするワイヤーソー切断装置。
  9. 上記コントローラ(24)が、上記駆動プーリー(20)の張力及びワイヤーソー(10)の走行速度を検知し表示する機能を有する請求項8記載のワイヤーソー切断装置。
  10. 上記ワイヤーソー(10)を周回ごとに洗浄する洗浄装置を更に備えた請求項8記載のワイヤーソー切断装置。
  11. 上記洗浄装置が、ワイヤーソー(10)と切断対象物との接触部位に気体又は液体の流れを連続的又は間欠的に発生させ、切削屑を排出するようになした請求10記載のワイヤーソー切断装置。
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