JP2006167851A - 板材加工機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 板材に傷を付けることなくタッピング加工等の切削加工および板材送りができる板材加工機を提供する。
【解決手段】 板材Wにタッピング加工などの切削加工を施す板材加工機であって、板材Wの上方から板材Wの加工部位に切削加工を施す切削工具16と、板材支持部材18と、切粉排出通路24と、板材送り手段10とを備える。板材支持部材18は、板材Wの下面を支持し、前記切削工具16が進入可能でかつ切削加工より発生した切粉を排出するための孔19を有する。切粉排出通路24は、前記板材支持部材18の孔19に通じるものである。前記板材送り手段10は、板材Wを切削工具16の位置に送る手段である。前記板材支持部材18には、板材Wの下面を支持するブラシ23を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、板材にタッピング加工などの切削加工を施す板材加工機に関する。
タッピング装置付きのパンチプレスでは、板材に孔をパンチ加工した後に、その加工孔に形成される下向きのバーリング等の成形加工部の内周にタッピング装置でタッピング加工を施す場合がある。上記タッピング加工では、例えば図6に示すように、タッピング工具の進入と、タッピング加工により発生した切粉を排出するための孔29を有するダクトキャップ28で板材の加工部位が支持される。また、タッピング加工において板材を確実に支持するために、前記ダクトキャップ28は金属製とされる。
しかし、上記タッピング加工は、金属製のダクトキャップ28の上に板材の加工部位を位置させて行われるので、板材に裏傷が付くという問題点を有する。また、タッピング加工により発生した切粉をダクトキャップ28の孔29に通じる切粉排出通路から吸引排出する際に、板材とダクトキャップ28とが密着状態となるので、板材を板材送り手段で移動させるときにも板材がダクトキャップ28と擦れて、さらに板材に裏傷が付くことになる。板材移動時に付く裏傷は、移動時の切粉吸引排出を停止することで防止できるが、板材の複数部位にタッピング加工を施す場合には、板材の移動の度に切粉吸引排出を停止しなければならない。そのため、吸引オフの制御が難しく、吸引モータの耐久性に悪影響を及ぼすだけでなく、サイクルタイムも長くなるという新たな問題が生じる。
この発明の目的は、板材に傷を付けることなく切削加工および板材送りができる板材加工機を提供することである。
この発明の他の目的は、下向きの成形加工部があっても、その成形加工部を潰すことがなく、また板材支持部材に傷を付けることがないようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、切粉の排出が円滑になされ、また吸引の断続が不要で制御で簡単であり、かつ加工時間を吸引の断続で長引かせることがないものとすることである。
この発明の板材加工機は、板材にタッピング加工などの切削加工を施す板材加工機であって、板材の上方から板材の加工部位に切削加工を施す切削工具と、板材の下面を支持し、前記切削工具が進入可能でかつ切削加工より発生した切粉を排出するための孔を有する板材支持部材と、前記孔に通じる切粉排出通路と、板材を切削工具の位置に送る板材送り手段とよりなり、前記板材支持部材に、板材の下面を支持するブラシを設けたものである。
この構成によると、板材を移動させてその加工部位を板材支持部材に位置させるとき、板材の下面がブラシで支持される。そのため、タッピング加工等の切削加工に支障を来すことなく、板材移動や切削加工に伴い板材支持部材との干渉で板材に裏傷が付くことが防止される。切削加工時は、切削工具の押し付け力で板材がブラシを撓ませることにより、板材支持部材の上面で安定して板材を支持することができる。
この発明において、前記板材の加工部位は、下向きの成形加工部が形成され、切削工具は成形加工部内を切削するものであり、前記ブラシは、下向きの成形加工部が板材支持部材に接触しない高さ位置に支持するものとしても良い。前記成形加工部は、例えばバーリング加工部である。
この構成の場合、下向きの成形加工部が板材支持部材に接触しない高さにブラシで板材を支持するため、板材移動時に板材の下向きの成形加工部が板材支持部材に接触せず、成形加工部を潰したり、板材支持部材に傷を付けることもない。タッピング加工等の切削加工時は、切削工具の押し付け力で板材がブラシを撓ませることにより、成形加工部がその撓んだブラシを介して板材支持部材上に押し付けられ、あるいは板材支持部材の切粉排出用の孔内に侵入するが、切削工具は真上から押し付け、この間、板材は停止状態を保つため、下向きの成形加工部が損傷することが回避される。
この発明において、前記切粉排出通路に接続されて切粉を吸引する吸引手段を設け、この吸引手段は、板材の複数の加工部位を切削工具に移動させる際にも吸引作用を維持するように制御されるものとしても良い。
この構成の場合、タッピング加工に伴い発生した切粉を吸引手段の吸引作用で板材支持部材の前記孔から切粉排出通路を経て外部に円滑に排出できる。板材の複数の加工部位を順次切削工具の位置に移動させる際にも、吸引手段の吸引作用が維持されるが、板材と板材支持部材との間にブラシが介在することから吸引エアが抜けるので、板材が板材支持部材に密着したまま移動することが回避される。そのため、吸引したままで板材移動により板材に裏傷が付くことを防止できる。また、吸引手段の吸引作用を、加工部位を切削工具の位置に入れ替える度に中断させずに継続させることから、吸引手段の制御が容易になり、吸引モータの耐久性にも問題がないし、サイクルタイムも短くできる。
この発明の板材加工機は、板材にタッピング加工などの切削加工を施す板材加工機であって、板材の上方から板材の加工部位に切削加工を施す切削工具と、板材の下面を支持し、前記切削工具が進入可能でかつ切削加工より発生した切粉を排出するための孔を有する板材支持部材と、前記孔に通じる切粉排出通路と、板材を切削工具の位置に送る板材送り手段とよりなり、前記板材支持部材に、板材の下面を支持するブラシを設けたため、板材に傷を付けることなく切削加工および板材送りができる。
前記板材の加工部位が、下向きの成形加工部が形成され、切削工具は成形加工部内を切削するものであり、前記ブラシは、下向きの成形加工部が板材支持部材に接触しない高さ位置に支持するものとした場合は、下向きの成形加工部があっても、その成形加工部を潰すことがなく、また板材支持部材に傷を付けることがない。
前記切粉排出通路に接続されて切粉を吸引する吸引手段を設け、この吸引手段は、板材の複数の加工部位を切削工具に移動させる際にも吸引作用を維持するように制御されるものとした場合は、切粉の排出が円滑になされ、また吸引の断続が不要で制御で簡単であり、かつ加工時間を吸引の断続で長引かせることがない。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1はこの実施形態の板材加工機の概略構成を示す破断平面図、図2はその側面図である。この板材加工機はタッピング装置付きタレットパンチプレスであって、フレーム1における上フレーム部1aおよび下フレーム部1bに、上下のタレット2,3が互いに同心の垂直軸心周りに回転自在に支持されている。これら上下のタレット2,3には、金型である複数のパンチ4およびダイ5が円周方向に並べて設置されている。タレット2,3上の複数のパンチ4およびダイ5のうちのいずれかは、バーリング加工等の形成加工を行うものとされている。パンチ4は、パンチ位置Pに割り出された状態で、ラム6により昇降駆動される。ラム6は、ガイド部材を介して上フレーム部1aに昇降自在に支持され、パンチ加工手段7で昇降駆動される。パンチ加工手段7は板材Wのパンチ加工を行う加工手段となるものである。上下のタレット2,3は、フレーム1に設置された共通のモータ(図示せず)により、チェーン等の駆動伝達系を介して互いに同期回転させられる。パンチ加工手段7は、例えばサーボモータ8とその回転を直線運動に変換する運動変換機構9とからなる。
板材送り手段10は、テーブル11上に載せられた板材Wの任意箇所をパンチ位置Pや後述するタッピング加工位置へ送る手段である。この板材送り手段10は、前後(Y方向)移動するキャリッジ12に、左右(X方向)移動するクロススライド13を設置し、板材Wの端部を把持するワークホルダ14をクロススライド13に取付けたものとしてある。テーブル11は、下フレーム部1bの上面における前部両側辺から下タレット3の内外周辺にわたって設けられた固定テーブル11Aと、下フレーム部1bの上面における中央に設けられた昇降可能なテーブル11Bと、レール15上を前後に移動する両側のスライドテーブル11Cとよりなる。
上フレーム部1aの前記上タレット2から外れた前端位置には、前記パンチ加工手段7とは別の加工手段である切削工具16が設置されている。この切削工具16は、図示しない昇降機構により昇降され、モータ17により回転駆動されるタッピング工具であって、上フレーム部1aの前端左方位置から下方に向けて設置され、板材Wの加工部位にタッピング加工を施す。一方、下フレーム部1b上における下タレット3から外れた固定テーブル11Aの前記切削工具16と対向する位置には、図3および図4に平面図および断面図で示すように、切削工具16が進入可能で、かつタッピング加工で発生した切粉を排出するための孔19を有するダクトキャップである板材支持部材18が設けられている。このタレットパンチプレスでは、図5のように板材Wにパンチ加工を施すことで孔20と共に形成される下向きの成形加工部21内に、前記切削工具16によるタッピング加工が行われる。
前記テーブル11の上面には、板材Wの移動を円滑にするための樹脂製ブラシ22が植設されており、ブラシ22の上に板材Wが支持される。下タレット3の上面中央のタレット内テーブル30にも、テーブル11上と同様にブラシ22が設けられている。このタレット内テーブル30も、前記中央の昇降可能なテーブル11Bと同様に、昇降自在である。テーブル11による板材支持レベル(ブラシ22の上端レベル)は、加工時以外のときダイ5の上面高さよりも若干高い位置に設定され、これにより板材Wがダイ5から浮かせた状態で支持される。また、前記板材支持部材18における孔19の周囲の上面にも、樹脂製ブラシ23が植設されており、このブラシ23の上端レベルは、テーブル11のブラシ22の上端レベルに揃えれられている。この場合のブラシ23の上端レベルは、板材Wの前記成形加工部21が板材支持部材18に接触しない高さ位置に板材Wを支持できるように設定されている。
固定テーブル11Aにおける前記板材支持部材18の下方には、図4のように板材支持部材18の孔19に通じる密封箱状の切粉排出通路24が設けられている。この切粉排出通路24の上半部は板材支持部材18の孔19から落下する切粉を底部に案内するシュート部24aとされ、底部には切粉を受ける切粉ボックス25が配置されている。この切粉ボックス25にダクト26を介してポンプ等からなる吸引手段27が接続されている。この吸引手段27により、タッピング加工により生じた切粉が前記切粉排出通路24からダクト26を経て外部に排出される。
このタレットパンチプレスによる板材Wへのタッピング加工の動作を説明する。切削工具16によるタッピング加工に先立ち、板材Wのタッピング加工予定部位にパンチ加工が施され、孔20(図5)が明けられる。また、孔20の周囲にバーリング部である成形加工部21が設けられる。次に、板材送り手段10で板材Wを移動させて、加工孔20の部位がタッピング加工位置である前記板材支持部材18の上に位置合わせされる。板材Wはブラシ22,23で支持されるので、前記加工孔20の部位に形成される下向きの成形加工部21(図5)が板材支持部材18に接触することはなく、ブラシ22,23が樹脂製であることもあって、板材Wの移動に伴い裏傷が付くことはなく、前記成形加工部21を潰すこともない。また、成形加工部21により板材支持部材18を傷付けることもない。この状態で、板材Wの成形加工部21の内周に切削工具16によるタッピング加工が行われる。このとき、板材支持部材18と板材Wの間にブラシ23が介在することから、金属製のダクトキャップで板材Wを直接支持する場合に比べて、板材支持の安定性は多少低下するもののタッピング加工に支障を来すことはなく、タッピング加工に伴い板材支持部材18との干渉で板材Wに裏傷が付くのを確実に防止できる。
タッピング加工中には吸引手段27が駆動され、タッピング加工に伴い発生した切粉が板材支持部材18の孔19から、切粉排出通路24およびダクト26を経て外部に円滑に排出される。板材Wにタッピング加工部位、つまり加工孔20が複数あって、これらの加工部位を順次、切削工具16の位置に移動させる際にも、前記吸引手段27はその吸引作用を維持するように制御される。このように吸引作用を維持しながら板材Wを移動させても、板材Wと板材支持部材18との間にブラシ23が介在することから、ブラシ23の隙間から吸引エアが抜けて板材Wが板材支持部材18に密着したまま移動するのを回避できて、この移動により板材Wに裏傷が付くのを防止できる。また、吸引手段27の吸引作用を、加工部位を切削工具16の位置に入れ替える度に中断させず継続させるので、吸引手段27の制御が容易になり、吸引モータの耐久性にも問題がないし、サイクルタイムも短くできる。
この発明の一実施形態にかかる板材加工機の部分破断平面図である。 同板材加工機の側面図である。 同板材加工機における固定テーブルの部分拡大平面図である。 同板材加工機における切粉排出通路および吸引手段の構成を示す概念図である。 板材へのタッピング加工例を示す断面図である。 従来例の説明図である。
符号の説明
10…板材送り手段
16…切削工具
18…板材支持部材
19…孔
21…成形加工部
23…ブラシ
24…切粉排出通路
27…吸引手段
W…板材

Claims (3)

  1. 板材にタッピング加工などの切削加工を施す板材加工機であって、板材の上方から板材の加工部位に切削加工を施す切削工具と、板材の下面を支持し、前記切削工具が進入可能でかつ切削加工より発生した切粉を排出するための孔を有する板材支持部材と、前記孔に通じる切粉排出通路と、板材を切削工具の位置に送る板材送り手段とよりなり、前記板材支持部材に、板材の下面を支持するブラシを設けた板材加工機。
  2. 前記板材の加工部位は、下向きの成形加工部が形成され、切削工具は成形加工部内を切削するものであり、前記ブラシは、下向きの成形加工部が板材支持部材に接触しない高さ位置に支持するものとした請求項1記載の板材加工機。
  3. 前記切粉排出通路に接続されて切粉を吸引する吸引手段を設け、この吸引手段は、板材の複数の加工部位を切削工具に移動させる際にも吸引作用を維持するように制御されるものとした請求項1または請求項2記載の板材加工機。
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