JP2001232518A - マルチタッピング加工方法及びその装置 - Google Patents

マルチタッピング加工方法及びその装置

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JP2001232518A
JP2001232518A JP2000042815A JP2000042815A JP2001232518A JP 2001232518 A JP2001232518 A JP 2001232518A JP 2000042815 A JP2000042815 A JP 2000042815A JP 2000042815 A JP2000042815 A JP 2000042815A JP 2001232518 A JP2001232518 A JP 2001232518A
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Japan
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tap
work
tapping
hole
cutting
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JP2000042815A
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English (en)
Inventor
Junichi Asami
淳一 浅見
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Amada Co Ltd
Original Assignee
Amada Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切削タップを用いてタッピング加工が行われ
ても発生する切り粉によりワークに傷を付けないでタッ
ピング加工を行う。 【解決手段】 タッピング加工時に切粉を上方向にのみ
発生せしめる複数の切削タップ55を備える。この切削
タップ55をパスラインより没入して設けた回転可能な
タップタレットを回転せしめる。これらの切削タップ5
5のうちの所望の切削タップ55がタップ加工位置に割
り出され、ワークのタッピング加工すべき加工穴の周囲
がワークサポート99と協働してワーク押圧部材115
により上下方向から押圧されてワークが押えられる。所
望の切削タップ55を上昇してタッピング加工時に生じ
る切粉はワーク押圧部材115に設けた穴部137へ送
り出される。切削タップ55を用いて繰り返しタッピン
グ加工が行われても、穴部137の切粉がエア吸引力に
より吸引されて排出されるので、ワークに傷が付くこと
がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチタッピング
加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マルチタッピング加工装置として
は、回転自在なタップタレットに異なる種類のタップを
それぞれ備えた複数のタップステーション及び原点ステ
ーションが設けられている。各タップはタップタレット
に対して回転しつつ昇降する構成となっていて、タップ
を保持するタップホルダに回転と昇降を与える歯車装置
が設けられ、この歯車装置の駆動源としてタップ駆動モ
ータが設けられている。また、タップホルダを昇降せし
める駆動源としてタップタレットの下部にクイックアプ
ローチシリンダが設けられている。
【0003】また、各タップホルダを備えたタップホル
ダ本体がタップタレットに昇降可能に設けられており、
このタップホルダ本体にはタップを保持するコレットが
設けられている。
【0004】タップタレットの近傍には板状のワークに
おける加工穴の周縁部を下方向から支持するタッププレ
ートを備えたワークサポートが設けられている。
【0005】上記タッププレートの垂直上方位置には、
ワークにおける加工穴の周縁部をタッププレートと協働
して上方向から押圧するワーク押圧部材が設けられてお
り、このワーク押圧部材は例えば上部フレームの適宜位
置に設けた押圧シリンダの作動により昇降する。
【0006】例えば、複数軸のタップ軸Assyを持っ
たタップユニットとして取り付けられているマルチタッ
ピング加工装置においては、一軸毎に所定のタッピング
加工位置へ位置決めされ、タップ駆動モータが正転し、
歯車装置が回転されることにより、タップホルダ本体は
タップと同じピッチで回転しながら上昇するので、タッ
プホルダ本体にコレットを介して装着されているタップ
も回転しながら所定の高さまで上昇し、ワークがタッピ
ング加工される。
【0007】次に、前記歯車装置のタップ駆動モータが
逆転することによりタップホルダがタップと共に逆転し
ながら所定の高さまで下降し、タップはワークから外れ
る。その後、クイックアプローチシリンダが作動してタ
ップホルダが下降し、歯車装置の噛合状態が解放され、
タッピング加工が完了する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のマル
チタッピング装置においては、通常は転造タップが用い
られているが、加工精度を向上させるために転造タップ
ではなく切削タップを用いてタッピング加工が行われる
と、切粉が発生してこの切粉によりワークに傷が付いて
しまうという問題点があった。
【0009】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、切削タップを用いてタッピン
グ加工が行われても発生する切り粉によりワークに傷を
付けないでタッピング加工を行い得るマルチタッピング
方法及びその装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のマルチタッピング加工方法
は、タッピング加工時に切粉を上方向にのみ発生せしめ
る複数の切削タップを備えると共にこれらの切削タップ
をパスラインより没入して設けた回転可能なタップタレ
ットを回転せしめ、これらの切削タップのうちの所望の
切削タップをタップ加工位置に割り出し、ワークのタッ
ピング加工すべき加工穴の周囲をワークサポートと協働
してワーク押圧部材により上方向から押圧してワークを
押え、上記の所望の切削タップを上昇してタッピング加
工時に生じる切粉をワーク押圧部材に設けた穴部へ送り
出し、この穴部の切粉をエア吸引力により吸引して排出
することを特徴とするものである。
【0011】したがって、切削タップを用いて繰り返し
タッピング加工が行われても、発生する切粉がエア吸引
力により吸引されて上方向のみに排出されるので、ワー
クに傷が付くという事態が避けられる。
【0012】請求項2によるこの発明のマルチタッピン
グ加工装置は、回転可能なタップタレットをパスライン
より没入して設け、このタップタレットにタッピング加
工時に切粉を上方向にのみ発生せしめる切削タップをそ
れぞれ備えた複数のステーションを周方向へ適宜に設け
ると共に前記各切削タップを回転しつつ昇降可能に構成
し、ワークを支持するワークサポートと協働してワーク
のタッピング加工すべき加工穴の周囲を上方向から押圧
するワーク押圧部材を設け、このワーク押圧部材にタッ
ピング加工時の切粉を排出する穴部を備えると共にワー
ク押圧部材の側壁面に外気と前記穴部とを連通する複数
の吸気口を設け、前記穴部に排出された切粉を吸引すべ
くエア吸引手段に連通する吸引ダクトを前記穴部に連結
してなることを特徴とするものである。
【0013】したがって、請求項1記載の作用と同様で
あり、切削タップを用いて繰り返しタッピング加工が行
われても、発生する切粉がエア吸引力により吸引されて
上方向のみに排出されるので、ワークに傷が付くという
事態が避けられる。
【0014】請求項3によるこの発明のマルチタッピン
グ加工装置は、請求項2記載のマルチタッピング加工装
置において、前記複数の吸気口が、穴部内に渦流を発生
せしめるべくワーク押圧部材の側壁面から前記穴部の中
心方向に対してほぼ水平面で同じ側に傾斜してなること
を特徴とするものである。
【0015】したがって、複数の吸気口が穴部の中心方
向に対してほぼ水平面で同じ側に傾斜しているために、
複数の吸気口から流入するエアに渦巻き流が形成される
ので、発生する切粉は渦巻き流により確実に効率よく吸
引される。
【0016】請求項4によるこの発明のマルチタッピン
グ加工装置は、請求項2記載のマルチタッピング加工装
置において、前記ワーク押圧部材が、前記切粉排出室内
にタップ折れを検出するタップ折れ検出装置を備えてな
ることを特徴とするものである。
【0017】したがって、タップ折れ検出装置がワーク
押圧部材に内蔵されているので、省スペース化となる。
また、タッピング加工時に切削タップがワークの上方へ
突き出るときには、切削タップがタップ折れ検出装置の
検出用穴内へ挿入されるので、このときにタップ折れ検
出が効率よく行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマルチタッピング
加工方法およびその装置の実施の形態について図面を参
照して説明する。
【0019】図7を参照するに、本実施の形態に係わる
パンチプレス1は、ブリッジ型の本体フレーム3をベー
スにしており、この本体フレーム3には上下(図7にお
いて紙面に向かって表裏)に対向した上部フレーム5と
下部フレーム7が備えられている。
【0020】本体フレーム3における下部フレーム7に
は板状のワークWをパスラインの高さ位置で支持するセ
ンタテーブル9および一対のサイドテーブル11が設け
られており、センタテーブル9および一対のサイドテー
ブル11にはワークWを支持する多数のブラシ13が備
えられている。ここで、一対のサイドテーブル11は下
部フレーム7に対して前後方向であるY軸方向(図7に
おいて左右方向)へ移動可能に構成されている。
【0021】本体フレーム3にはワークWを前後、左右
(図7において上下)方向であるX軸方向へ移動位置決
めするワーク位置決め装置15が設けられている。すな
わち、本体フレーム3における上部フレーム5には左右
方向へ延伸し且つ一対のサイドテーブル11に連結した
キャレッジベース17が設けられており、このキャレッ
ジベース17はY軸サーボモータ19の駆動により前後
方向(Y軸方向)へ移動する。キャレッジベース17に
はワークWを把持するクランプ装置21を備えたキャレ
ッジ23が設けられており、このキャレッジ23はX軸
サーボモータ25の駆動により左右方向(X軸方向)へ
移動する。
【0022】上記センタテーブル9の中央部にはワーク
Wにパンチング加工(穴明け加工、バーリング加工を含
む)を行なうパンチング加工部27が設けられている。
より詳細には、本体フレーム3には上下に対向した上部
タレット29と下部タレット31が設けられており、上
部タレット29と下部タレット31はタレット用サーボ
モータ(図示省略)の駆動により同期して同方向へ回転
する。下部タレット31の中央部にはワークWをパスラ
インの高さ位置で支持する補助テーブル33が設けられ
ており、補助テーブル33には複数のブラシ35が備え
られている。
【0023】各上部、下部タレット29、31には金型
としての上部金型37、下部金型39を着脱交換可能に
備えた一対の金型ステーション41がそれぞれ設けられ
ており、一方の金型ステーション41がパンチング加工
位置に位置すると他方の金型ステーション41は金型交
換位置に位置するように構成されている。
【0024】上部フレーム5の適宜位置にはストライカ
43が昇降可能に設けられており、このストライカ43
はパンチング加工位置に所定の金型ステーション41に
位置せしめた後に、所定の金型ステーション41に備え
た上部金型37を上方向から押圧する作用を有してい
る。
【0025】上記パンチング加工部27の近傍にはワー
クWに複数種のタッピング加工を行なうタッピング加工
部45が設けられている。
【0026】タッピング加工部45について図4〜図6
を参照して詳細に説明すると、下部フレーム7における
パンチング加工部27の近接した位置には図7に示され
ているようにタップタレット47が回転可能に設けられ
ており、このタップタレット47は図4に示されている
ように内部に中空部49が備えられている。
【0027】ここで、タップタレット47は、下部フレ
ーム7に設けたタレット回転割出しモータ51の駆動に
より回転するものであって、例えば図4に示されている
ようにタップタレット47の下部の外周にタレットギヤ
47aが設けられ、このタレットギヤ47aにタレット
回転割出しモータ51の回転軸に駆動される駆動ギヤ5
1aが噛合されており、公知のショットピン装置53の
作動により所定の回転位置に回転不能に位置決め可能に
構成されている。
【0028】タップタレット47には異なる種類のタッ
プ55をそれぞれ備えた複数のタップステーション57
および原点ステーション59が設けられている。
【0029】各タップ55をタップタレット47に対し
て回転しつつ昇降させるため、タップタレット47の上
部にはタップ55を保持するタップホルダ61が回転可
能且つ昇降可能に支持されている。
【0030】より詳しくは、各タップホルダ61は図4
に示されているようにタップホルダ本体63がタップタ
レット47にベアリング65を介して昇降可能に設けら
れており、このタップホルダ本体63の上部には内面に
テーパ面を備えた穴形状のコレット装着部67が形成さ
れ、このコレット装着部67には当該コレット装着部6
7のテーパ面に嵌合するテーパ面を外周に有するコレッ
ト69が装着されている。このコレット69のほぼ中央
にはタップ55を挿入して支持可能なタップ支持穴71
が設けられ、このタップ支持穴71の底部にはタップ5
5の基部を装着するタップ保持部73が設けられてい
る。
【0031】なお、コレット69に外力が加わったとき
にタップ支持穴71に装着されたタップ55を締め付け
るようにするために、コレット69には縦方向にすり割
りが設けられている。
【0032】タップホルダ本体63の上部とコレットの
上部の外周を囲繞するタップ軸カバー75が設けられ、
このタップ軸カバー75はタップホルダ本体63の上部
外周にスプリング77を介して下方へ押し下げられるよ
うに付勢されている。つまり、タップ軸カバー75の上
面がコレットの上面を下方に押しやり、コレットの逆テ
ーパ面をタップホルダ本体63のコレット装着部67の
テーパ面に押圧すべく付勢されている。
【0033】なお、タップ軸カバー75の上面にはタッ
プが挿通可能な挿通孔79が設けられている。
【0034】また、タップホルダ本体63の下端面のほ
ぼ中央にはねじ穴81が設けられ、このねじ穴81にマ
スタ雌ねじ83が設けられている。このマスタ雌ねじ8
3に螺合するマスタ雄ねじ85がタップタレット47の
下部に昇降可能且つ回転不能に支持されており、このマ
スタ雄ねじ85にタップホルダ本体63のマスタ雌ねじ
83が螺合している。
【0035】なお、各マスタ雄ねじ85およびマスタ雌
ねじ83のピッチは対応するタップのピッチと同じであ
る。適宜のタップを回転させるため、図4に示されてい
るようにタップタレット47の下側に設けたタップ駆動
モータ87に連動連結した駆動ギア89および複数の中
間ギア91がタップタレット47の中空部49に位置す
るように設けられており、各タップホルダ本体63には
対応する中間ギア91に噛合可能な従動ギア93が一体
的に設けられている。
【0036】各従動ギア93は適宜位置まで上昇するこ
とにより対応する中間ギア91に噛合するものであっ
て、各従動ギア93を昇降させるため、タップタレット
47の下部には各タップホルダ61ごとにクイックアプ
ローチシリンダ95が内蔵されており、各マスタ雄ねじ
85が対応するクイックアプローチシリンダ95におけ
るピストンに連結されている。
【0037】タップタレット47の近傍には図5に示さ
れているようにワークWにおける加工穴Whの周縁部を
下方向から支持するタッププレート97を備えたワーク
サポート99が一対の昇降シリンダ101の作動により
昇降可能に設けられている。ここで、ワークサポート9
9が上昇することにより、ワークサポート99はセンタ
テーブル9に設けた切欠部103に嵌合可能である。
【0038】また、タップタレット47の中央部には原
点ステーション59においてワークサポート99に備え
たタッププレート97の上面がパスラインの高さ位置よ
りも所定量だけ低い高さ位置に位置するようにワークサ
ポート99を下方向から支持する円板状の第1支持ブロ
ック105が設けられており、この第1支持ブロック1
05における各タップステーション57に対応する位置
には各タップステーション57においてワークサポート
99に備えたタッププレート97の上面がパスラインの
高さ位置に位置するようにワークサポート99を下方向
から支持する第2支持ブロック107がそれぞれ一体的
に設けられている。
【0039】なお、タップタレット47における原点ス
テーション59の適宜位置には、第1支持ブロック10
5と同様の作用を有する一対の第1支持ピン109が設
けられており、タップタレット47におけるタップステ
ーション57の適宜位置には第2支持ブロック107と
同様の作用を有する一対の第2支持ピン111がそれぞ
れ設けられている。
【0040】上記ワークサポート99の一部分がタップ
タレット47の垂直上方位置に位置するように構成して
おり、このワークサポート99は図4に示されているよ
うに略山型形状をなしており、この山型形状の上面はタ
ッププレート97が形成されている。ワークサポート9
9にはタップ55が進入可能な貫通孔113がタッププ
レート97の頂部を貫通するように設けられている。
【0041】上記貫通孔113の垂直上方位置には、ワ
ークWにおける加工穴Whの周縁部をワークサポート9
9に備えられているタッププレート97と協働して上方
向から押圧するワーク押圧部材115が設けられてお
り、このワーク押圧部材115は例えば上部フレーム5
の適宜位置に設けた押圧シリンダ117のピストンロッ
ド119に取り付けられており、上記の押圧シリンダ1
17の作動により昇降する。
【0042】上記構成においてワークWに対してパンチ
ング加工を行なうときには、タレット回転割出しモータ
51の駆動によりタップタレット47を回転させて原点
ステーション59をワークサポート99の垂直下方位置
に位置せしめる。次に、昇降シリンダ101の作動によ
りワークサポート99を下降させて第1支持ブロック1
05および一対の第1支持ピン109に突当てることに
より、タッププレート97の上面がパスラインの高さ位
置よりも所定量だけ低い高さ位置に位置するように第1
支持ブロック105および一対の第1支持ピン109に
よりワークサポート99を下方向から支持する。
【0043】クランプ装置21によりワークWを把持し
た状態の下で、Y軸サーボモータ19の駆動によりキャ
レッジベース17を前後方向(Y軸方向)へ移動させる
と共に、X軸サーボモータ25の駆動によりキャレッジ
23を左右方向(X軸方向)へ移動させることにより、
ワークWを上部タレット29と下部タレット31の間に
位置決めを行なう。
【0044】このワークWの位置決めを行いつつ、スト
ライカ43を下降させて上部金型37を押圧することに
より、ワークWにパンチング加工(穴明け加工、バーリ
ング加工を含む)が行われる。
【0045】パンチング加工を行った後に、ワークWを
適宜に移動させて、ワークWにおける加工穴Whの周縁
部をワーク押圧部材115の垂直下方位置に位置せしめ
る。このとき、ワークサポート99に備えたタッププレ
ート97の上面がパスラインの高さ位置よりも所定量だ
け低い高さ位置に位置しているため、ワークWにおける
下方向へ突出したフランジ部が変形したり損傷したりす
ることを抑制することができる。
【0046】次に、昇降シリンダ101の作動によりワ
ークサポート99を一旦僅かに上昇せしめて、タップタ
レット47の回転により(所定のタップ55を備えた)
所定のタップステーション57をワーク押圧部材115
の垂直下方向位置に位置せしめる。そして、ワークサポ
ート99を下降させて特定の第2支持ブロック107及
び一対の第2支持ピン111に突当てることにより、ワ
ークサポート99の上面がパスラインの高さ位置に位置
するように所定の第2支持ブロック107及び一対の第
2支持ピン111によりワークサポート99を下方向か
ら支持する。
【0047】所定の第2支持ブロック107及び一対の
第2支持ピン111によりワークサポート99を支持し
た後に、押圧シリンダ117の作動によりワーク押圧部
材115を下降させることにより、ワーク押圧部材11
5とワークサポート99に備えたタッププレート97を
協働させて、ワークWにおける加工穴Whの周縁部を上
方向から押圧することができる。
【0048】ワークWにおける加工穴Whの周縁部を上
方向から押圧した後に、所定のクイックアプローチシリ
ンダ95の作動により所定の従動ギア93を所定のマス
タ雄ねじ85と一体的に上昇させて所定の中間ギア91
に噛合せしめる。
【0049】タッピング加工についてより詳しく説明す
ると、図4を参照するに、クイックアプローチシリンダ
95は下方に押し下げられており、タップホルダ本体6
3もマスタ雄ねじ85とマスタ雌ねじ83とを介して下
方に位置している。このとき、タップホルダ本体63の
従動ギア93は中間ギア91に噛合していない状態にあ
る。このとき、タップホルダ本体63の上部のタップ軸
カバー75の下面がベアリング65の上面に当接し且つ
タップホルダ本体63の上部のスプリング77の付勢力
により押圧されるのでタップホルダ61の全体が簡単に
は回転しない状態にある。
【0050】クイックアプローチシリンダ95にエアが
入ると、ピストンが上昇しマスタ雄ねじ85及びタップ
ホルダ本体63とコレット69も上昇するが、タップホ
ルダ本体63の上部のスプリング77の付勢力により相
変わらずタップ軸カバー75の上面がコレット69の上
面を押圧しているので、コレット69のテーパ面がタッ
プホルダ本体63のテーパ面に押圧する。この外力によ
りコレット69に設けられているすり割りが狭くなる方
向に押されるのでタップ支持穴71に装着されたタップ
55が締め付けられてコレット69にロックされてい
る。
【0051】クイックアプローチシリンダ95のピスト
ンがさらに上昇して最上昇点に達すると、タップホルダ
本体63の従動ギア93が中間ギア91に噛合する。
【0052】次いで、タップ駆動モータ87の駆動によ
り駆動ギア89及び所定の中間ギア91を介して所定の
従動ギア93を回転させる。この従動ギア93の回転に
よりタップホルダ61はタップホルダ61の下部のマス
タ雌ねじ83がマスタ雄ねじ85に沿って回転しながら
上昇するので、コレット69に保持されているタップ5
5も回転しつつ、貫通孔113を通過してワークサポー
ト99に備えたタッププレート97の上面に対して上方
向へ突出するように上昇する。マスタ雄ねじ85とタッ
プ55とは同じピッチであるので、タップ55はねじピ
ッチに合わせて回転しながら上昇し、ワークWにおける
加工穴Whの内側にタッピング加工が行なわれる。
【0053】本発明の実施の形態の主要部を構成するワ
ーク押圧部材115について図面を参照して説明する。
【0054】本実施の形態で用いられるタップ55とし
ては、タッピング加工時に切粉を上方向にのみ発生せし
める切削タップで、所謂ポイントタップと称するもので
ある。
【0055】図1ないしは図3を参照するに、ワーク押
圧部材115としては、押圧シリンダ117のピストン
ロッド119の先端に取り付けた支持部121と、この
支持部121の下端に取り付けられてワークWを上方か
ら押圧するワーク押圧部123とから構成されている。
【0056】押圧シリンダ117の下部には支持部12
1とほぼ並行して回り止めブラケット125が下方へ延
伸されており、回り止めブラケット125にはガイド穴
127が設けられており、このガイド穴127に嵌挿す
るガイド板129が上記の支持部121に図1において
右方へ突設されている。
【0057】また、上記の支持部121は筒状に設けら
れており、筒状の内部にはタップ折れを検出するタップ
折れ検出装置131が備えられている。このタップ折れ
検出装置131の下端部にはタップ55の先端を挿入可
能な検出用穴133が設けられている。
【0058】ワーク押圧部123は、本実施の形態では
内部にタッピング加工時の切粉を排出する切粉排出室1
35を備えた直方体形状をなしており、ワーク押圧部1
23の下端面には切粉排出室135に連通する穴部13
7が設けられており、この穴部137にはリング形状の
ワーク緩衝部139がワークWのタッピング加工すべき
加工穴Whの周囲を上方から押圧すべく取り付けられて
いる。例えばワーク緩衝部139は本実施の形態ではウ
レタンゴムなどの弾性材からなる。
【0059】また、ワーク押圧部123の上部には切粉
排出室135に連通する吸引ダクト141が設けられて
おり、この吸引ダクト141はエアを吸引するエア吸引
装置143に連結されている。このエア吸引装置143
としては、ペール缶などの小型の回収タンクに着脱容易
な蓋部が設けられ、しかも蓋部に排風装置と吸引ダクト
141が取り付けられたもので、排風装置の運転により
回収タンクの内部が負圧にされることにより、吸引ダク
ト141からエアを吸引し、吸引された粉塵が回収タン
ク内に貯留されるように構成されている。
【0060】また、ワーク緩衝部139の下面には、外
周側面と穴部137とを連通する複数の吸気口としての
例えば吸気用溝145が穴部137の中心方向に対して
ほぼ水平面で同じ側に傾斜するように設けられている。
したがって、複数の吸気用溝145から流入するエアに
は渦巻き流が形成される。
【0061】なお、複数の吸気用溝145の傾斜方向
は、切粉が吸気用溝145から排出されないようにタッ
プ55の回転方向と逆方向にすることが望ましい。ま
た、複数の吸気口としては上記の吸気用溝145に限定
されることなく、例えばワーク緩衝部139の側壁面に
複数の吸気用孔が貫通するように設けられても構わな
い。
【0062】また、エア吸引装置143は、例えばクイ
ックアプローチシリンダ95のピストンが上昇するとき
にONしてクイックアプローチシリンダ95のピストン
が下降するときにOFFするように連動して動作するよ
うに構成されている。
【0063】上記構成により、ワーク押圧部材115が
押圧シリンダ117の作動により下降され、ワークWに
おける加工穴Whの周縁部がワーク押圧部材115によ
りタッププレート97との協働で上方向から押圧され
る。加工穴Whがタッピング加工される時、上述したよ
うにクイックアプローチシリンダ95のピストンが上昇
するときにエア吸引装置143がONすると、吸引ダク
ト141を介してワーク押圧部材115の切粉排出室1
35内が負圧になるので、外気が複数の吸気用溝145
から流入し、穴部137で渦巻き流が形成される。この
エアは切粉排出室135、吸引ダクト141を経てエア
吸引装置143の回収タンクへ吸引される。
【0064】タップ55が回転しながら上昇してタッピ
ング加工されると、タップ55が切削タップつまりポイ
ントタップであるので、このとき発生する切粉は上方の
穴部137へ排出され、上記のエアの渦巻き流により効
率よく吸引され、切粉排出室135、吸引ダクト141
を経てエア吸引装置143の回収タンク内に貯留され
る。
【0065】なお、タップ折れ検出装置131がワーク
押圧部材115に内蔵されているので、省スペース化と
なる。また、タッピング加工時に切削タップ55がワー
クWの上方へ突き出るときには、切削タップ55がタッ
プ折れ検出装置131の検出用穴133内へ挿入される
ので、このときにタップ折れ検出が効率よく行われる。
【0066】タッピング加工終了時は、クイックアプロ
ーチシリンダ95のピストンが下降するときにエア吸引
装置143がOFFする。
【0067】以上のように、切削タップ55を用いて繰
り返しタッピング加工が行われても、発生する切粉がエ
ア吸引装置143によるエアにより上方向へのみ吸引さ
れるので、ワークWに傷が付くという事態が避けられる
と共に、回収タンク内に切粉が溜まったとしてもこの回
収タンクが上述したようにペール缶であるときは切粉を
簡単に捨てることができる。
【0068】なお、この発明は前述した実施の形態に限
定されることなく、適宜な変更を行うことによりその他
の態様で実施し得るものである。
【0069】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、切削タ
ップを用いて繰り返しタッピング加工を行っても、エア
吸引力により発生する切粉を吸引して上方向へのみ排出
するので、切粉によりワークに傷が付くという事態を避
けることができる。
【0070】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
効果と同様であり、切削タップを用いて繰り返しタッピ
ング加工を行っても、エア吸引力により発生する切粉を
吸引して上方向へのみ排出するので、切粉によりワーク
に傷が付くという事態を避けることができる。
【0071】請求項3の発明によれば、複数の吸気口が
穴部の中心方向に対して同じ側に傾斜していることか
ら、複数の吸気口から流入するエアに渦巻き流を形成で
きるので、この渦巻き流により切粉を確実に効率よく吸
引できる。
【0072】請求項4の発明によれば、タップ折れ検出
装置をワーク押圧部材に設けたので、省スペース化を図
ることができ、また、タッピング加工時に切削タップが
ワークの上方へ突き出るときには、タップ折れ検出装置
の検出用穴内へ切削タップを挿入してタップ折れ検出を
効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すもので、ワーク押圧
部材の要部断面を含む正面図である。
【図2】図1の部分的な右側面図である。
【図3】図1の矢視III−III線の底面図である。
【図4】本発明の実施の形態のタッピング加工装置の図
5におけるIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】図4における平面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線に沿った断面図であ
る。
【図7】本発明の実施の形態で使用されるタレットパン
チプレスの平面図である。
【符号の説明】
1 パンチプレス 45 タッピング加工部 47 タップタレット 55 タップ 57 タップステーション 61 タップホルダ 97 タッププレート 99 ワークサポート 115 ワーク押圧部材 117 押圧シリンダ 121 支持部 123 ワーク押圧部 131 タップ折れ検出装置 135 切粉排出室 137 穴部 139 ワーク緩衝部 141 吸引ダクト 143 エア吸引装置 145 吸気用溝(吸気口)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タッピング加工時に切粉を上方向にのみ
    発生せしめる複数の切削タップを備えると共にこれらの
    切削タップをパスラインより没入して設けた回転可能な
    タップタレットを回転せしめ、これらの切削タップのう
    ちの所望の切削タップをタップ加工位置に割り出し、ワ
    ークのタッピング加工すべき加工穴の周囲をワークサポ
    ートと協働してワーク押圧部材により上方向から押圧し
    てワークを押え、上記の所望の切削タップを上昇してタ
    ッピング加工時に生じる切粉をワーク押圧部材に設けた
    穴部へ送り出し、この穴部の切粉をエア吸引力により吸
    引して排出することを特徴とするマルチタッピング加工
    方法。
  2. 【請求項2】 回転可能なタップタレットをパスライン
    より没入して設け、このタップタレットにタッピング加
    工時に切粉を上方向にのみ発生せしめる切削タップをそ
    れぞれ備えた複数のステーションを周方向へ適宜に設け
    ると共に前記各切削タップを回転しつつ昇降可能に構成
    し、 ワークを支持するワークサポートと協働してワークのタ
    ッピング加工すべき加工穴の周囲を上方向から押圧する
    ワーク押圧部材を設け、 このワーク押圧部材にタッピング加工時の切粉を排出す
    る穴部を備えると共にワーク押圧部材の側壁面に外気と
    前記穴部とを連通する複数の吸気口を設け、前記穴部に
    排出された切粉を吸引すべくエア吸引手段に連通する吸
    引ダクトを前記穴部に連結してなることを特徴とするマ
    ルチタッピング加工装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の吸気口が、穴部内に渦流を発
    生せしめるべくワーク押圧部材の側壁面から前記穴部の
    中心方向に対してほぼ水平面で同じ側に傾斜してなるこ
    とを特徴とする請求項2記載のマルチタッピング加工装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ワーク押圧部材が、前記切粉排出室
    内にタップ折れを検出するタップ折れ検出装置を備えて
    なることを特徴とする請求項2記載のマルチタッピング
    加工装置。
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