JP2006167579A - 合流式下水道の消毒システム - Google Patents

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泰彦 永森
Nobuyuki Ashikaga
伸行 足利
Yuichi Kabasawa
裕一 椛沢
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Abstract

【課題】 流入下水の水量や水質の計測手段を備えていない雨水排除施設においても容易に実施と管理が可能で、雨天時に合流式下水道からの放流水に対して適切な消毒を実施可能な合流式下水道の消毒システムを提供すること。
【解決手段】 下水処理場5の前段に、下水処理場5を通さずに雨水を放流する雨水排除施設3,4を設けた合流式下水道の消毒システムであって、雨量計などによる降雨情報に基いて下水管路2における流量を予測し、この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測し、これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する。この決定された消毒剤注入率に従って、消毒剤注入装置8により、雨水排除施設3,4からの放流水へ消毒剤を注入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水処理場の前段に、雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムに関する。
合流式下水道は、一般家庭や各種工場などからの排水と雨水とを合わせて流すものであり、通常時は下水処理場により所定の水処理を施した後、河川などに放流している。これに対し降雨時は、雨水が加わるため下水水量が増大し、下水処理場の処理能力を越える場合は、越流堰やポンプ場などによる雨水排除施設により雨水を直接放流することが行われている。この場合、雨水は下水処理場を通っていないため、放流しても問題が生じないように消毒剤により消毒する必要がある。
すなわち、合流式下水道における消毒設備の主たる目的は、流入する下水に対して、処理水が定められた条件を満足するような消毒処理がなされる量の消毒剤を注入することである。定められた条件とは、一般的には「処理水中に含まれる大腸菌群が3000個/mL以下」であると認知されている。消毒剤の注入量を増すと消毒効果は上がり、処理水中の大腸菌群は低減するが、必要以上の消毒剤を注入すると未反応の消毒剤が処理水と共に放流され、放流水域環境へ影響を及ぼすことが懸念されている。このため、消毒剤の注入量は、処理水が定められた条件を満足できる必要十分量であることが望まれる。
合流式下水道において、適切な消毒剤の注入量を決定するにあたって困難な点は、雨天時に合流管に流入する雨水は、晴天時の下水よりもはるかに水量および水質の変動が大きいことから、雨天時の下水に対する消毒は、水量と水質の変動に対応しなければならないことである。合流式下水道の消毒設備において、消毒剤の注入量を決定する方法として、消毒設備の流入下水の水量および水質を計測し、計測された水量と水質に基づいて消毒剤の注入量を演算する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
上記の方法は、消毒設備が流入下水の水質および水量を計測する手段を備え、その流入下水の水量と水質に基づいて消毒剤注入装置を制御する構成となっている。そのため必要な計測手段を備えていない場合、実施が困難であり、仮に実施する場合、計測手段の設置や管理のために多くの費用と時間を要するという問題がある。合流式下水道の雨水排除施設である越流堰や場外ポンプ場では、水質計測手段を備えていない場合や管理者が常駐していない場合も多い。
特開2003−260470号公報
このように、実際に消毒が行われる越流堰や場外ポンプ場などによる雨水排除施設では、水質計測手段を備えていない場合や管理者が常駐していない場合も多く、従来技術では効果的な消毒を行うこと難しかった。
本発明考案の目的は、流入下水の水量や水質の計測手段を備えていない雨水排除施設においても容易に実施と管理が可能で、雨天時に合流式下水道からの放流水に対して適切な消毒を実施可能な合流式下水道の消毒システムを提供することにある。
本発明の合流式下水道の消毒システムは、下水処理場の前段に、雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムであって、降雨情報に基いて下水管路における流量を予測する流量予測手段と、この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測する汚濁負荷流出量予測手段と、これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する注入率演算手段と、この決定された消毒剤注入率に従って前記雨水排除施設からの放流水へ消毒剤を注入する消毒剤注入装置とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の合流式下水道の消毒システムは、消毒剤注入装置から消毒剤貯留量のデータを入手して保持し、この消毒剤貯留量が設定値以下になると消毒剤補充信号を出力する消毒剤貯留量データベースを備えた構成でもよい。
また、本発明の合流式下水道の消毒システムは、消毒剤貯留量データベースのデータから求まる実際の消毒剤注入量に基き、所定の関係式により放流水における消毒剤残留量を求める消毒剤残留量演算手段を備え、この消毒剤残留量演算手段により求められた消毒剤残留量により注入率演算手段で決定された消毒剤注入率を補正するように構成してもよい。
また、本発明の合流式下水道の消毒システムは、流量予測手段で予測された下水流量と、汚濁負荷流出量予測手段で予測された汚濁負荷流出量と、注入率演算手段で決定された消毒剤注入率と、消毒剤残留量演算手段で求められた消毒剤残留量とをそれぞれ表示する情報表示装置を設けてもよい。
また、本発明の合流式下水道の消毒システムは、下水処理場の前段に、それぞれ雨水を放流する雨水排除施設が複数設けられ、注入率演算手段は、雨水排除手段毎に設けられた各消毒剤注入装置に対して、決定された消毒剤注入率をそれぞれ出力する構成でもよい。
また、本発明の合流式下水道の消毒システムは、雨水排除施設は複数設けられ、且つ流入側の下水管路は相互に流通可能に連結され、また、消毒剤注入装置は前記複数の雨水排除施設毎に設けられており、さらに、前記消毒剤貯留量データベースから各消毒剤注入装置における消毒剤貯留量データを入手し、消毒剤貯留量の少ない消毒剤注入装置に対応する雨水排除施設からの放流水量が少なくなるように、前記各消毒剤貯留量に従って、各雨水排除施設からの放流水量を決定する放流水量演算手段を設けた構成でもよい。
さらに、本発明では、流量予測手段と、汚濁負荷流出量予測手段と、注入率演算手段とを下水処理場に設けたり、あるいは雨水排除施設毎に設けたりした構成としてもよい。
本発明によれば、雨天時における合流式下水道からの放流水に対して、流入下水の水量や水質の計測手段を備えていない雨水排除施設においても消毒の実施と管理が容易に可能で、適切な消毒を行うことができる。
以下、本発明による合流式下水道の消毒システムの一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は合流式下水道の消毒システムの全体構成を示している。図1において、2は下水配管で、地上に設けられた雨水ます1と連通しており、この雨水ます1により、雨天時に地上に降った雨水の一部が流入して通常の下水と合流される。したがって、この下水配管2を、以下、合流管と呼ぶ。
3は越流堰、4はポンプ場で、これらにはそれぞれ合流管2が連結され、それぞれ降雨時における雨水排除施設として機能する。すなわち、越流堰3では、堰を超えた下水は雨水吐口から、例えば、図示のように河川へと放流される。一方、堰を超えない下水はしゃ集管を通して下水処理場5へ流下する。また、ポンプ場4では、通常は送水ポンプ6によって下水を下水処理場5に送水し、合流管2からの流入量が所定量以上となった場合は、放流ポンプ7によって、同じく河川へ放流する。下水処理場5は、流入下水に対し所定の水処理を施した後、河川などに放流する。
8は消毒剤注入装置で、雨水排除施設である越流堰3やポンプ場4から河川への放流水へ消毒剤を注入する。
9は雨水消毒システムで、流量予測手段10、汚濁負荷流出量予測手段11、注入率演算手段12を含む。流量予測手段10は、レーダー雨量計13や地上雨量計14の情報に基づいて管路2における下水の流量を予測する。予測手法は、公知のRRL法などを用いればよく、降雨量から下水の流入量を予測することができる。
汚濁負荷流出量予測手段11は、同じくレーダー雨量計13や地上雨量計14の情報と、流量予測手段10によって予測された下水流量とに基づいて汚濁負荷量を予測する。この汚濁負荷量の予測手法としては、例えば、予め降雨量や下水流量と実際の汚濁負荷流出量との関係を把握しておき、この関係を用いて現時点の降雨量や下水流量に対応した汚濁負荷量を予測するものとする。
注入率演算手段12は、予測された流量と汚濁負荷量に基づいて、雨水排除施設3,4における消毒剤注入装置8の薬剤注入率を演算する。すなわち、予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基き、水中における薬剤の消費量などを考慮した予め設定された演算式により、放流水に対する消毒剤注入率を決定する。
上記構成において、雨天時に地上への降雨の一部は雨水ます1を通して合流管2に流入し、下水に混入して、下水処理場5の前段に設けられた越流堰3やポンプ場4による雨水排除施設に流入する。雨天時、越流堰3の堰を超えた下水は雨水吐口から河川へと放流される。堰を超えない下水はしゃ集管を通して下水処理場5へ流下する。ポンプ場4では、通常は送水ポンプ6によって下水を下水処理場5に送水するが、雨天により流入量が所定量以上となった場合は、下水処理場5で処理しきれない下水を放流ポンプ7によって河川へ放流する。
越流堰3とポンプ場4から河川へ放流される雨天時の下水に対して、消毒剤注入装置8は消毒剤を注入する。この場合、雨水消毒システム9では、流量予測手段10と汚濁負荷流出量予測手段11が、レーダー雨量計13や地上雨量計14により計測された降雨情報に基づいて、河川流域の合流式下水道の管路2の任意地点の下水の流量および汚濁負荷量を予測する。このため、合流式下水道2に配置された越流堰3やポンプ場4における流入下水の水量および流入汚濁負荷量を予測することができる。
注入率演算手段12は、この予測された流入下水の水量と流入汚濁負荷量とに基づいて、各越流堰3、ポンプ場4における放流水への薬剤注入率を決定する。決定された注入率は各雨水排除施設3,4の消毒剤注入装置8に送信され、消毒剤注入装置8はこの薬剤注入率に従って河川への放流水に消毒剤を注入し、消毒を実施する。
このように、合流式下水道に配置された複数の雨水排除施設3,4における流入下水の水量および流入汚濁負荷流出量を予測することで、流入下水の水量や水質の計測手段を備えていない雨水排除施設3,4においても、消毒剤の注入量を決定することができる。また、流入水量と水質の計測手段や消毒剤の注入量の決定手段を個々の雨水排除施設が備える必要がないため、従来よりも容易に実施できる。
図1では、雨水消毒システム9は、河川に隣接する複数の下水処理場5の処理区域を含む河川流域全体の雨水排除施設3,4の消毒剤注入装置8に注入率を与えている。この他に、図2で示すように、下水処理場5に雨水消毒システム9を設け、下水処理場5の処理区域の雨水排除施設3,4の消毒剤注入装置8に注入率を与えてもよい。さらに、図3で示すように、個々の雨水排除施設3,4の消毒剤注入装置8に雨水消毒システム9を設け、それぞれの消毒剤注入装置8で注入率を決定してもよい。
次に、図4で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、図1に示した雨水消毒システム9に、消毒剤貯留量データベース15を追加している。消毒剤貯留量データベース15は、消毒剤注入装置8から消毒剤貯留量に関する情報を受信し、保持する。そして、消毒剤貯留量が所定値を下回った場合、消毒剤補給信号16を出力する。
上記構成において、消毒剤注入装置8は注入率演算装置12で演算された注入率に従って所定量の消毒剤を河川への放流水に注入する。消毒剤貯留量データベース15は、消毒剤の注入によって変動した消毒剤の貯留量に関する情報、例えば、消毒剤使用量、消毒剤貯留槽の液位、消毒剤貯留槽における消毒剤の有効消毒剤濃度、などを消毒剤注入装置8から受信する。
消毒剤貯留量データベース15では、消毒剤注入装置8から送信された消毒剤の貯留量に関する情報に基づいて各消毒剤注入装置8における消毒剤の貯留量を計算し、保持する。そして、貯留量があらかじめ設定された所定値を下回った場合、消毒剤補給信号16を出力する。
このように、雨水消毒システム9にて各消毒剤注入装置8における消毒剤の貯留量を把握し、管理することで、各雨水排除施設3,4に管理者が常駐しなくとも消毒剤の補給指示が可能となる。その結果、消毒剤の管理不徹底による放流水への消毒未実施が防止され、適切な消毒が実施できる。
次に、図5で示す実施の形態を説明する。図5では、図4に示した雨水消毒システム9に対して消毒剤残留量演算手段17を追加すると共に河川流域情報表示装置18を新たに設けている。
消毒剤残留量演算手段17は、消毒剤貯留量データベース15より出力される消毒剤の貯留量に基づいて、放流水中に含まれる消毒剤の残留量を演算し出力する。すなわち、消毒剤貯留量データベース15のデータから、消毒剤注入装置8により放流水に注入された実際の消毒剤注入量が求まるので、消毒剤残留量演算手段17に設定された関係式に、この実際の消毒剤注入量を入力することにより、放流水における消毒剤の残留量を求めることができる。
前記注入率演算手段12は、消毒剤残留量演算手段17により求められた消毒剤残留量により消毒剤注入率を補正する
情報表示装置18は、図示していないが、河川流域の地図情報を備え、流量予測手段10で予測された下水流量19と、汚濁負荷流出量予測手段11で予測された汚濁負荷流出量20と、注入率演算手段12で決定された消毒剤注入率21と、消毒剤残留量演算手段17で求められた消毒剤残留量22とをそれぞれ表示する。
上記構成において、消毒剤注入装置8は、注入率演算手段12で演算された注入率に従って河川への放流水に対して消毒剤を注入する。消毒剤の注入によって変動した消毒剤の貯留量に関する情報は消毒剤貯留量データベース15に送信される。消毒剤貯留量データベース15は、消毒剤注入装置8から送信された消毒剤の貯留量に関する情報に基づいて各消毒剤注入装置8の消毒剤の貯留量を計算し、保持する。消毒剤残留量演算手段17は、消毒剤貯留量データベース15に記録されている消毒剤注入装置8の消毒剤貯留量を基にして、消毒処理に伴って発生した河川への放流水中に残留する消毒剤量を演算する。
すなわち、注入率演算手段12は、流量と汚濁負荷量とに基づいて演算した消毒剤の注入率を決定するが、消毒剤残留量演算手段17により、実際の放流水における消毒剤残留量が求まるので、この消毒剤残留量によって薬剤注入率を補正する。例えば、残留量が所定値より大きい場合、消毒剤注入装置8nによる注入量Rnに補正係数αn(αn<1)を乗じて補正された注入量Rn’を満足する注入率を出力する。
流域河川情報表示装置18は、前述のように、河川流域の地図情報、例えば、国土地理院の地形図、管路網地図、などを有し、その上に、流量予測手段10によって予測された下水流量19、汚濁負荷流出量予測手段11によって予測された汚濁負荷量20、注入量演算手段12によって演算された消毒剤注入率21、消毒剤残留量演算手段17によって演算された放流水中の消毒剤残留量22を重ねて表示する。
このように、河川への放流水中の消毒剤の残留量に基づいて消毒剤の注入量を補正することで、消毒剤の過剰な注入を抑制することが可能となり、雨天時に河川流域の合流式下水道からの河川への放流水に対して適切な消毒を実施できる。また、河川流域の地図情報と、下水流量、汚濁負荷量、消毒剤注入量、消毒剤残留量を重ねて表示することで消毒剤の河川への投入量および残留量が明らかになり、消毒剤の注入量の管理が容易になる。
次に、図6で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、雨水排除施設として、複数のポンプ場41,42が設けられている。これら複数のポンプ場41,42は、下水処理場5への送水ポンプ61,62と、放流用のポンプ71,72とを有する。また、流入側の下水管路2は相互に流通可能に連結され、さらに、これら複数のポンプ場41,42毎に消毒剤注入装置81,82が設けられている。
また、雨水消毒システム9には放流水量演算手段23を新たに設けている。この放流水量演算手段23は、消毒剤貯留量データベース15から、各消毒剤注入装置81,82における消毒剤貯留量データを入手し、消毒剤貯留量の少ない消毒剤注入装置(例えば、81とする)に対応するポンプ場41からの放流水量が少なくなるように、各消毒剤貯留量に従って、各ポンプ場41,42からの放流水量を決定し、放流ポンプ71,72の運転割合を制御する。
上記構成において、河川流域の合流式下水道のポンプ場41では、送水ポンプ61によって下水を下水処理場5へ送水し、流入量が所定量以上となった場合は放流ポンプ71によって河川へ放流する。同じく、ポンプ場42では、送水ポンプ62によって下水を下水処理場5に送水し、流入量が所定量以上となった場合は放流ポンプ72によって河川へ放流する。ポンプ場41と42につながる合流管2は接続されており、送水ポンプ61および62の送水量と放流ポンプ71および72の放流量と管路流量とによって、相互に下水が流入できるように構成されている。
雨水消毒システム9では、消毒剤貯留量データベース15が、各消毒剤注入装置81および82より消毒剤貯留量に関する情報を受信しており、放流水量演算手段23は、この情報を入手して、消毒剤注入装置81および82の消毒剤貯留量に基づく放流ポンプ71および72による放水量、送水ポンプ61および62の送水量を決定し、出力する。また、流量予測手段10にも同様の送水量を出力する。放流ポンプ71,72および送水ポンプ61,62は、放流水量演算手段23から出力されたそれぞれの放流量、送水量を満足すべく運転制御される。
すなわち、消毒剤注入装置81および82は、注入率演算手段12で演算された注入率に従って所定量の消毒剤を河川への放流水に注入する。消毒剤の注入量は降雨状況によって異なるため、例えば、消毒剤注入装置81の消毒剤貯留量が消毒剤注入装置82と比較して少なく、次に予測される下水の流入状況に必要な消毒剤注入量に対して十分でないということもあり得る。
このような場合、放流水量演算手段23は、消毒剤貯留量データベース15における消毒剤注入装置81および82の消毒剤貯留量に基づいて、例えば、消毒剤貯留量の少ない消毒剤注入装置81の消毒剤貯留量に相応する放流水量となるように、ポンプ場41の放流ポンプ71の放流量を調整する。そして、放流ポンプ71における放流量の調整分を吸収するように、ポンプ場41の送水ポンプ61の送水量とポンプ場42の送水ポンプ62の送水量と放流ポンプ72の放流量とを調整する。この場合、流量予測手段10は、放流水量演算手段23によって調整された送水量に基づいて予測された流量を補正する。
このように、消毒剤注入装置81,82の消毒剤貯留量に基づいて複数のポンプ場41,42の送水ポンプ61,62および放流ポンプ71,72の送水量を調節することで、特定の消毒剤注入装置の消毒剤の不足に対応することができ、雨天時に河川流域の合流式下水道から河川への放流水に対して適切な消毒を実施できる。
本発明による合流式下水道の消毒システムの一実施の形態を示す模式図である。 本発明における、消毒システムを下水処理場に設けた実施の形態を示す模式図である。 本発明における、消毒システムを下水処理場に設けた実施の形態を示す模式図である。 本発明における、消毒剤貯留量データベースを設けた実施の形態を示す模式図である。 本発明における、消毒剤残留量演算手段を追加し、かつ情報表示装置を設けた実施の形態を示す模式図である。 本発明における、放流水量演算手段を設けた実施の形態を示す模式図である。
符号の説明
2 下水配管(合流管)
3、4,41,42 雨水排除施設
5 下水処理場
8,81,82 消毒剤注入装置
10 流量予測手段
11 汚濁負荷流出量演算手段
12 注入率演算手段
15 消毒剤貯留量データベース
16 消毒剤補充信号
17 消毒剤残留量演算手段
18 情報表示装置
23 放流水量演算手段

Claims (8)

  1. 下水処理場の前段に、雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムであって、
    降雨情報に基いて下水管路における流量を予測する流量予測手段と、
    この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測する汚濁負荷流出量予測手段と、
    これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する注入率演算手段と、
    この決定された消毒剤注入率に従って前記雨水排除施設からの放流水へ消毒剤を注入する消毒剤注入装置と、
    を備えたことを特徴とする合流式下水道の消毒システム。
  2. 下水処理場の前段に、雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムであって、
    降雨情報に基いて下水管路における流量を予測する流量予測手段と、
    この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測する汚濁負荷流出量予測手段と、
    これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する注入量演算手段と、
    この決定された消毒剤注入率に従って前記雨水排除施設からの放流水へ消毒剤を注入する消毒剤注入装置と、
    この消毒剤注入装置から消毒剤貯留量のデータを入手して保持し、この消毒剤貯留量が設定値以下になると消毒剤補充信号を出力する消毒剤貯留量データベースと、
    を備えたことを特徴とする合流式下水道の消毒システム。
  3. 下水処理場の前段に、下雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムであって、
    降雨情報に基いて下水管路における流量を予測する流量予測手段と、
    この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測する汚濁負荷流出量予測手段と、
    これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する注入率演算手段と、
    この決定された消毒剤注入率に従って前記雨水排除施設からの放流水へ消毒剤を注入する消毒剤注入装置と、
    この消毒剤注入装置から消毒剤貯留量のデータを入手して保持し、この消毒剤貯留量が設定値以下になると消毒剤補充信号を出力する消毒剤貯留量データベースと、
    この消毒剤貯留量データベースのデータから求まる実際の消毒剤注入量に基き、所定の関係式により放流水における消毒剤残留量を求める消毒剤残留量演算手段とを備え、
    前記注入率演算手段は、前記消毒剤残留量演算手段により求められた消毒剤残留量により消毒剤注入率を補正する
    ことを特徴とする合流式下水道の消毒システム。
  4. 流量予測手段で予測された下水流量と、汚濁負荷流出量予測手段で予測された汚濁負荷流出量と、注入率演算手段で決定された消毒剤注入率と、消毒剤残留量演算手段で求められた消毒剤残留量とをそれぞれ表示する情報表示装置を設けたことを特徴とする請求項3に記載の合流式下水道の消毒システム。
  5. 下水処理場の前段には、それぞれ雨水を放流する雨水排除施設が複数設けられ、注入率演算手段は、雨水排除手段毎に設けられた各消毒剤注入装置に対して、決定された消毒剤注入率をそれぞれ出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の合流式下水道の消毒システム。
  6. 下水処理場の前段に、雨水を放流する雨水排除施設を設けた合流式下水道の消毒システムであって、
    降雨情報に基いて下水管路における流量を予測する流量予測手段と、
    この予測された流量に基づき汚濁負荷流出量を予測する汚濁負荷流出量予測手段と、
    これら予測された下水管路の流量と汚濁負荷流出量とに基いて予め設定された演算式により消毒剤注入率を決定する注入率演算手段と、
    この決定された消毒剤注入率に従って前記雨水排除施設からの放流水へ消毒剤を注入する消毒剤注入装置と、
    この消毒剤注入装置から消毒剤貯留量のデータを入手して保持する消毒剤貯留量データベースとを備え、
    前記雨水排除施設は複数設けられ、且つ流入側の下水管路は相互に流通可能に連結され、また、前記消毒剤注入装置は前記複数の雨水排除施設毎に設けられており、
    さらに、前記消毒剤貯留量データベースから各消毒剤注入装置における消毒剤貯留量データを入手し、消毒剤貯留量の少ない消毒剤注入装置に対応する雨水排除施設からの放流水量が少なくなるように、前記各消毒剤貯留量に従って、各雨水排除施設からの放流水量を決定する放流水量演算手段を設けた
    ことを特徴とする合流式下水道の消毒システム。
  7. 流量予測手段と、汚濁負荷流出量予測手段と、注入率演算手段とを下水処理場に設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の合流式下水道の消毒システム。
  8. 流量予測手段と、汚濁負荷流出量予測手段と、注入率演算手段とを雨水排除施設毎に設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の合流式下水道の消毒システム。
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