JP2010196369A - 雨水排水制御装置 - Google Patents

雨水排水制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010196369A
JP2010196369A JP2009042618A JP2009042618A JP2010196369A JP 2010196369 A JP2010196369 A JP 2010196369A JP 2009042618 A JP2009042618 A JP 2009042618A JP 2009042618 A JP2009042618 A JP 2009042618A JP 2010196369 A JP2010196369 A JP 2010196369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inflow
amount
water
load
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009042618A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihiro Nagaiwa
明弘 長岩
Kyosuke Katayama
恭介 片山
Soichi Tonari
聡一 斗成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2009042618A priority Critical patent/JP2010196369A/ja
Publication of JP2010196369A publication Critical patent/JP2010196369A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Sewage (AREA)

Abstract

【課題】汚濁負荷堆積量を、計測された流出汚濁負荷量からオンラインで精度よく算出するモデルを備えた雨水排水制御装置を提供する。
【解決手段】下水道からのポンプ井2への流入量を計測するセンサー22の計測値から前記ポンプ井2への流入量を所定の時間周期で求め、ポンプ井2に流入した流入水に対する水質センサー21の計測値から汚濁の発生負荷量を前記時間周期で求め、ある時刻における発生負荷量と、その時刻における下水の流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、ポンプ井2までの経路に堆積した汚濁の負荷量を前記時間周期で求める。そして、流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計23により計測された降雨量とからポンプ井2への流入量を予測し、ある時刻における堆積負荷量と、予測流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、汚濁の発生負荷量の予測値を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、降雨時にポンプ場に流入する下水流入水の水質を予測し、予測された水質を用いて雨水排水施設等を制御する雨水排水制御装置に関する。
一般に、合流式の下水道施設では、下水道の排水流域に降雨があった場合、雨水が下水道管内に流入する。下水道管の終端部にはポンプ井を有するポンプ場や処理場が設けられ、雨水を含む流入水を処理施設備に送水したり、河川などに排水(雨天時越流水とも言う)したりする。
このポンプ井に流入する雨水には、屋根や道路などの地表に堆積され、雨によって流された汚濁物質が含まれる。また、家庭からの排水などの汚水中に含まれる汚濁物質は、晴天時の流れが少ないときに下水道管管内に沈降する。この沈降して堆積した汚濁物質は、雨天時の流れが多いときに洗い流されてポンプ井に流入する。したがって、雨天時にポンプ井に流入する雨水には、多くの汚濁物質が含まれる。このような汚濁負荷量が高い雨水が、下水処理場において処理されずに河川や海などに排水されると、それらの水域の環境を汚染することになる。
そこで、合流式下水道の雨天時の越流水の水質の改善(合流改善と呼ばれている)のため、流出(あるいは河川放流)する汚濁負荷量を削減する制御が求められている。この汚濁負荷量削減の制御には、例えば、雨水貯留施設の流入ゲートを制御する発明(例えば、特許文献1、又は特許文献4参照)、雨水ポンプ、汚水ポンプを制御する発明(例えば、特許文献2参照)、下水処理/河川放流を制御する、あるいは雨水貯留施設の流入ゲートを制御する発明(例えば、特許文献3参照)などがある。
これらの汚濁負荷量を削減する制御には、汚濁負荷量の予測が用いられているものがある。この汚濁負荷量の予測手法、あるいは予測モデルには、次のような方法や装置が知られている。
(A)分布型モデル:
雨天時に下水道から流出する汚濁負荷量の計算には、分布型モデルと呼ばれる計算モデルがしばしば用いられている(例えば、特許文献5又は非特許文献1参照)。
(B)オンライン、自己回帰モデル:
オンライン水質データを入力して、簡易な計算で、オンラインで予測する方法のひとつである(例えば、特許文献2参照)。
(C)堆積量を用いた予測モデル:
汚濁物質の堆積量とその流出を考え合わせたモデルで、簡単な計算で予測できる予測モデルの例である(例えば、特許文献3,6、又は非特許文献2参照)。
特開2007−16551号公報 特開2006−187682号公報 特開2000−240576号公報 特開2001−182135号公報 特開2006−184206号公報 特開2007−283274号公報
「流出解析モデル利活用マニュアルの改訂について」、第43回下水道研究発表会講演集II-2-2-1,pp.296-298,2006. 「合流式下水道の改善対策に関する調査研究」、下水道協会誌,Vol.24,No.280,pp.35-53,1987.
しかし、(A)の分布型モデルでは、モデルが詳細に記述されており、例えば、上記特許文献5に示されたように、モデル構築が煩雑で手間がかかるという課題がある。さらに,このようにモデルが詳細に記述されているために計算に処理能力と時間がかかり、小さな計算機で可能な簡単な計算で、オンラインの制御に適用できる速い計算ができないという問題がある。
また、(B)のオンライン、自己回帰モデルでは、直近の予測しかできない。これは次の理由による。汚濁負荷の流出プロセスは、雨で道路や下水道管に堆積している汚濁物質が流出するプロセスである。このため汚濁負荷堆積量の減少に伴い、急激に流出汚濁負荷量が減少する。この汚濁負荷堆積量の減少、すなわち、現在の堆積負荷量を考慮していない予測モデルでは、先の時刻の予測は誤差が大きくなり、長時間先の精度のよい予測ができない。
さらに、(C)の堆積量を用いた予測モデルでは、堆積量は晴天時の負荷と晴天日数(時間)に基づいて計算するモデルを合わせて適用されている。例えば、非特許文献2に開示されているモデル(土研(建設省・土木研究所)モデルと呼ばれている)は、次の(式1)、(式2)により、汚濁負荷量を予測している。
Figure 2010196369
ここで、堆積負荷量Pは、(式2)により求まり、DLにより、時間t(ここではLDがない晴天時間)に増加する。
しかし、このような堆積負荷量Pを用いた予測モデルでは、この堆積量の計算、すなわち晴天日数(時間)により比例的に堆積量が増加する計算に堆積量に誤差が生じると、予測する流出汚濁負荷量も誤差を生じる。
本発明の目的は、この汚濁負荷堆積量を、計測された流出汚濁負荷量からオンラインで精度よく算出するモデルを備えた雨水排水制御装置を提供することにある。
本発明の雨水排水制御装置は、下水道からのポンプ井への流入量を計測するセンサーの計測値から前記ポンプ井への流入量を所定の時間周期で求める流入量演算部と、前記ポンプ井への流入水に対する水質センサーの計測値から汚濁の発生負荷量を前記時間周期で求め、ある時刻における前記発生負荷量と、同時刻における前記下水の流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、前記ポンプ井までの経路の汚濁の堆積負荷量を求める堆積負荷量演算部と、前記流入量演算部で求められた流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計により計測された降雨量とからポンプ井への所定時間先の流入量を予測する流入量予測部と、前記ある時刻における堆積負荷量と、前記流入量予測部で求められた予測流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、汚濁の発生負荷量の所定時間先の予測値を求める水質予測部とを備えたことを特徴とする。
また、本発明の雨水排水制御装置は、下水道からのポンプ井への流入量を計測するセンサーの計測値から前記ポンプ井への流入量を所定の時間周期で求める流入量演算部と、前記ポンプ井への流入水に対する水質センサーの計測値を汚濁の発生負荷量として逐次記憶しておく汚濁負荷量データ保存部と、この汚濁負荷量データ保存部に保存された降雨日以外のデータを晴天日の汚濁負荷量としてその数日分の平均値を求める平均値演算部と、水質センサーにより計測された雨天日の計測値から、前記晴天日の汚濁発生量の平均値を減算した雨天時負荷発生量を前記時間周期で求める雨天時負荷量演算部と、この雨天時負荷量演算部で求められたある時刻における発生負荷量と、その時刻における前記下水の流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、前記ポンプ井までの経路の汚濁の堆積負荷量を求める堆積負荷量演算部と、前記流入量演算部で求められた流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計により計測された降雨量とからポンプ井への所定時間先の流入量を予測する流入量予測部と、前記ある時刻における堆積負荷量と、前記流入量予測部で求められた予測流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、汚濁の発生負荷量の所定時間先の予測値を求める水質予測部とを備えた構成でもよい。
本発明では、前記ポンプ井に対して、前記流入水を放流するための排水ポンプと、この流入水に対して所定の処理を施す処理設備に送水する送水ポンプとが設けられ、前記水質予測部で予測される流入水の水質が放流可であれば前記排水ポンプを運転制御し、放流不可であれば前記送水ポンプを運転制御する機器制御演算手段を備えた構成としてもよい。
また、本発明では、前記ポンプ井に対して、このポンプ井への流入下水を分岐する分岐路、及びこの分岐路に設けられた流入弁を介して分岐した流入水を受け入れて貯留する貯留池を設け、前記貯留池には、貯留水を放流するための貯留水排水ポンプと、この貯留水に対して所定の処理を施す処理設備に送水する貯留水送水ポンプと、この貯留水の水質を測定する貯留水水質センサーとを設け、前記機器制御演算手段は、前記水質予測部で予測される流入水の水質が放流不可であり、かつ前記流入量予測部で予測された流入量が前記処理設備の処理量を超える場合、又は前記予測流入量が予め設定した量を超える場合は、前記貯留池への流入弁を開制御し、前記貯留池からの排水に当っては、前記貯留水水質センサーの計測値が放流可であれば前記貯留水排水ポンプを運転制御し、放流不可であれば前記貯留水送水ポンプを運転制御するように構成してもよい。
さらに、本発明では、前記水質予測部で予測される予測結果を表示する表示装置を有する構成でもよい。
本発明によれば、計測された流入汚濁負荷量から堆積負荷量を算定することにより、今後変化する流入汚濁負荷量を簡易にオンラインで予測するとともに、精度よく予測することで効果的な合流改善制御を実現して、河川などへの流出汚濁負荷量を削減することができる。
本発明による雨水排水制御装置の一実施の形態を示すシステム構成図である。 同上一実施の形態における制御装置の詳細な構成例を説明する機能ブロック図である。 本発明の他の実施の形態を示すシステム構成図である。 これらの実施の形態における制御装置の他の構成例を説明する機能ブロック図である。 これらの実施の形態における制御装置の水質予測手段に監視制御支援情報表示装置を設けた構成例を示すシステム構成図である。
以下、本発明による雨水排水制御装置の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1において、1は下水道を構成する下水管であり、この下水管1の終端部にはポンプ場10のポンプ井2が設けられている。このポンプ井2には下水管1によって、一般家庭からの生活排水などのほか、雨天時の雨水が流入する。ポンプ場10には、このポンプ井2に対して、送水ポンプ4と排水ポンプ5とが設けられている。送水ポンプ4は、ポンプ井2に流入した流入水を図示しない処理設備に送水する。この処理設備は、送られてきた処理水に対して生物処理などの所定の処理を施す。排水ポンプ5は、同流入水を河川などに放流するために用いられる。また、このポンプ井2は、水質センサー21と水位センサー22とを有する。水質センサー21は、下水管1からの流入水の濁度を検出する、また、水位センサー22は、下水管1からの流入水の流量を得るために用いられる。
30は制御装置であり、この制御装置30は、ポンプ井2に設けられた水質センサー21、水位センサー22、及び雨量計23の計測値を入力して所定の演算処理を行い、その結果を送水ポンプ4、排水ポンプ5への制御信号として出力する。なお、雨量計23は、下水管1が設置された下水処理領域に設けられ、その領域の降雨量を計測する。この制御装置30は、コンピュータなどによって実現されるもので、機能実現手段として流入量予測手段31、水質予測手段32、機器制御演算手段33を有する。
ここで、本発明は、雨天時に、ポンプ井2に現在流入している流入水の水質及び流量から、ポンプ井2までの経路の汚濁の堆積負荷量を求め、この時々刻々変化する汚濁の堆積負荷量と、流入量予測により求まる流入量予測値を用いて所定時間先の汚濁の発生負荷量予測値を求めるものである。
本発明者は、汚濁の堆積負荷量は、ポンプ井への流入水の水質がオンラインで得られれば、前記(式1)式を逆算することにより逐次得られることを見出し、以下に示す(式3)により汚濁の堆積負荷量を得ることとした。また、発生負荷量予測値は、以下に示す(式4)で得ることとした。
Figure 2010196369
上記(式3)及び(式4)において、流入水における現在の汚濁の発生負荷量LD(t)は水質センサー21で、また、現在の流入量Q(t)は水位センサー22によりオンラインで計測された実測値である。さらに、負荷流出量係数C、及び限界流量Qは、予め与えられたパラメータであり、過去の流入負荷量の解析値から与えることができる。なお、Pについて、上記説明では管内堆積負荷量と記載されているが、下水管内に堆積したものに限らず、一般家屋の屋根や地表上に堆積した汚濁物を含んでおり、単に堆積負荷量とも呼ぶ。また、限界流量Qとは、降雨により下水管内1内の流量がこの限界流量Qを超えると、下水管1内に堆積された汚濁物が巻き揚げられて、流入水とともにポンプ井2に流入する流量をいう。制御装置30はこのような演算処理を実行するものであり、図2は、この制御装置30の各機能実現手段31,32,33の詳細構成を示している。
図2において、流入量予測手段31は、流入量演算部35と流入量予測部36とを有する。流入量演算部35は、ポンプ井2の水位センサー22の計測値から、ポンプ井2への流入量を所定の時間周期で求める。流入量予測部36は、流入量演算部35で求められた流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計23により計測された降雨量とから、ポンプ井2への所定時間先の流入量を予測する。この流入量を予測する方法としては、例えば特開平6−322808号公報などに開示されている、RRL法または修正RRL法を用いた演算手法を用いればよい。
水質予測手段32は、水質予測部37及び堆積負荷量演算部38を有する。堆積負荷量演算部38は、まず、ポンプ井2に流入した流入水に対する水質センサー21の計測値から汚濁の発生負荷量を所定の時間周期で求める。次に、ある時刻における発生負荷量LD(t)と、その時刻における下水の流入量Q(t)の、予め設定された限界流量値Qを超えた値及び負荷流出量係数Cとから、前記(式3)によりポンプ井2までの経路の汚濁の堆積負荷量P (t)を所定の時間周期で求める。
Figure 2010196369
機器制御演算手段33は、水質予測部37で予測された流入水の水質に応じて排水ポンプ5又は送水ポンプ4のいずれかを運転制御する。すなわち、流入水の水質が設定レベル以上によく、河川などに放流可であれば排水ポンプ5を運転制御し、ポンプ井2内の流入水を河川などに排水させる。これに対して、流入水の水質が悪く、河川などに放流不可であれば送水ポンプ4を運転制御し、ポンプ井2内の流入水を図示しない処理場に送水して所定の処理を受けさせる。
上記構成において、下水管1を流れてきた雨水は,ポンプ場10のポンプ井2に入る。ポンプ井2の雨水は、送水ポンプ4により処理設備に送水されて処理されるか、あるいは処理を施されずに排水ポンプ5により河川などに排水される。このとき制御装置30は、送水ポンプ4又は排水ポンプ5を選択することによって、雨水を処理設備に送水するか、河川などに排水するかを制御する。
例えば、汚濁負荷量が高い雨水は河川などに放流しないように制御すると、河川などに流出する汚濁負荷量を効果的に削減することができる。しかし、送水ポンプ4や排水ポンプ5の運転には時間がかかるため、汚濁負荷量の変化を予測してこれらを制御しなければ適切なタイミングで動作させることはできなくなる。そして、そのことにより、流出汚濁負荷量の削減効果の低下を招く。
このため、制御装置30は、ポンプ井2に設置された水質センサー21と水位センサー22と、対象となる下水処理流域における降雨量を測定する雨量計23を入力情報として、流入量予測手段31による流入量予測値と、流入水質予測手段32による汚濁負荷量の予測値とを求め、機器制御演算手段33により送水ポンプ4又は排水ポンプ5の制御量を演算して、送水ポンプ4又は排水ポンプ5に出力する。
流入量予測手段31では、流入量演算部35により、水位センサー22によって計測された水位の増減から、ポンプ井2に流入して来る流入量を演算する。流入量予測部36では、流入量演算部35で演算された流入量と、雨量計23で測定された降雨量とから、ポンプ井2に流入して来る所定時間先の流入量を予測する。
流入水質予測手段32では、まず堆積負荷量演算部38により、水質センサー21で計測された流入水質と流入量演算部35で演算された流入量とから、(式3)により堆積負荷量を演算する。次に、水質予測部37では、演算された堆積負荷量と流入量予測値とから、(式4)により汚濁負荷量の予測値を予測する。
機器制御演算手段33では、汚濁負荷量の予測値から、送水ポンプ4と排水ポンプ5の起動と停止、および運転量を演算して、それらに対する制御量として出力する。
このように、計測された流入汚濁負荷量から堆積負荷量を算定することにより、今後変化する流入汚濁負荷量を簡易にオンラインで精度よく予測することができる。また、この予測結果で、送水ポンプ4と排水ポンプ5を制御することで、効果的な合流改善制御を実現して、河川などへの流出汚濁負荷量を削減することができる。
次に、図3で示す実施の形態を説明する。この実施の形態では、図1で示した実施の形態と同様に、下水管1の終端部にポンプ場10のポンプ井2が設けられ、このポンプ場10にはポンプ井2に対して、図示しない処理設備への送水ポンプ4と河川などに放流するための排水ポンプ5とが設けられている。また、このポンプ井2には、流入水の濁度を検出する水質センサー21と流入流量を計測するため水位センサー22が設けられている。
さらに、この実施の形態では、ポンプ井2を有するポンプ場10に対し、貯留池51を有する貯留施設50が設けられている。貯留池51は、下水管1からの分岐路11に連結しており、ポンプ井2への流入下水を、分岐路11に設けられた流入弁52を介して流入させ、貯留する。また、この貯留池51には、貯留水を放流するための排水ポンプ(以下、貯留水排水ポンプと呼ぶ)55と、この貯留水に対して所定の処理を施す処理設備への送水ポンプ(以下、貯留水送水ポンプと呼ぶ)54と、この貯留水の水質を測定する水質センサー(以下、貯留水水質センサーと呼ぶ)56とが設けられている。
制御装置301は、図1で示した実施の形態の制御装置30と同様に、ポンプ井2に設けられた水質センサー21、水位センサー22、及び雨量計23の計測値を入力し、所定の演算処理を行い、その結果を送水ポンプ4、排水ポンプ5への制御信号として出力するもので、機能実現手段として流入量予測手段31、水質予測手段32、機器制御演算手段333を有する。
ここで、流入量予測手段31、水質予測手段32は図1で示したものと同じ機能を有する。これに対し、機器制御演算手段333は、上述した送水ポンプ4、排水ポンプ5に対する制御機能のほかに、貯留施設50側の流入弁52に対する制御機能、及び貯留水水質センサー56からの計測値に基づく貯留水送水ポンプ54、貯留水排水ポンプ55に対する制御機能を有する。
すなわち、流入弁52は、水質予測手段32で予測される流入水の水質が放流不可であり、かつ流入量予測部で予測された流入量が処理設備の処理量を超える場合、又は予測流入量が予め設定した量を超える場合は開制御され、貯留池51へ流入水を導く。また、貯留池51からの排水に当っては、貯留水水質センサー56の計測値が放流可であれば貯留水排水ポンプ55を運転制御し、放流不可であれば貯留水送水ポンプ54を運転制御する。
上記構成において、ポンプ場10のポンプ井2に流入してきた雨水は、上述した条件の下、制御装置301による制御により流入弁52を開けることで、貯留池51に流入させる。貯留池51に貯留された雨水は、降雨終了後、貯留水送水ポンプ54により、処理設備に送水されて処理されるか、あるいは処理を施されずに貯留水排水ポンプ55により、河川などに排水される。このように、制御装置301は、貯留水送水ポンプ54と貯留水排水ポンプ55を制御操作することによって、雨水を処理設備に送水するか、河川などに排水するかを制御する。
ここで、制御装置301による流入弁52の制御は、前述のように水質予測手段32の予測結果を用い行われるが、詳細は次の手順のとおりである。
手順1:流入量予測手段31による流入量予測値が、送水ポンプ4の排水能力より小さいか、ポンプ井2を溢れさせないとき、流入弁52は閉じて、排水ポンプ5は停止して、送水ポンプ4により処理場に送水される。
手順2:流入量予測手段31による流入量予測値が、送水ポンプ4の排水能力より大きく、ポンプ井2を溢れさせるとき、かつ流入水質予測装置32による汚濁負荷量予測値が低いと予測されたとき、流入弁52は閉じて、排水ポンプ5により河川などに排水される。
手順3:排水ポンプ5により河川に排水されてもなおポンプ井2を溢れさせるとき、流入弁52を開けて雨水を貯留池51に流入させる。これによりポンプ井2からの溢水と流域の浸水を回避することができる。
手順4:流入量予測手段31による流入量予測値が送水ポンプ4の排水能力より大きく、ポンプ井2を溢れさせ、かつ流入水質予測手段32による汚濁負荷量予測値が高いと予測されたとき、流入弁52を開けて雨水を貯留池51に流入させる。これにより汚濁負荷量の高い雨水が河川に排水されて、水域の環境を汚染することを避けることができる。
また、貯留池51に貯留された雨水を排水する際、降雨終了後に、水質センサーの56の水質に基づいて、汚濁負荷量が高くて処理が必要なときは貯留水送水ポンプ54により、貯留水を処理設備に送水し、所定の処理を施させる。これに対し、貯留水の汚濁負荷量が低くて処理が必要でないときは、貯留水排水ポンプ55により貯留水を河川などに排水される。
このように、ポンプ井2に流入する流入水の、今後変化する流入汚濁負荷量及び流入量を簡易にオンラインで精度よく予測するので、貯留池51の利用を適切に行うことができ、また、降雨終了後の貯留池からの排水も、その水質に応じて適切に行うことができる。これらの結果、効果的な合流改善制御を実現して、河川などへの流出汚濁負荷量を削減することができる。
次に、図4を用いて、図1及び図3で示した水質予測手段32に対応する別の構成例(水質予測手段322とする)を説明する。この図4の水質予測手段322は、図2に示した水質予測手段32に比べ、さらに、汚濁負荷量データ保存部39と,平均値演算部40と,雨天時負荷量演算部41とを加えたものである。
汚濁負荷量データ保存部39は、ポンプ井2に流入した流入水に対する水質センサー21の計測値を汚濁の発生負荷量として逐次記憶しておく。平均値演算部40は、この汚濁負荷量データ保存部39に保存された降雨日以外のデータを晴天日の汚濁負荷量としてその数日分の平均値を求める。すなわち、データ保存部39に保存された晴天時の汚濁負荷量を入力して、例えば、過去一週間分の、10分毎の晴天時の汚濁負荷量の平均値を演算する。雨天時負荷量演算部41は、水質センサーにより計測された雨天日の計測値から、晴天日の汚濁発生量の平均値を減算した発生負荷量を前述した所定の時間周期で求める。このようにして求められた発生負荷量は、前述の実施の形態と同じ堆積負荷量演算部38に与えられる。
堆積負荷量演算部38は、前記(式3)により、この雨天時負荷量演算部41で求められたある時刻における発生負荷量LD(t)と、その時刻における下水の流入量Q(t)の、予め設定された限界流量値Qを超えた値及び負荷流出量係数Cとから、ポンプ井2までの経路に堆積した汚濁の負荷量P (t)を、前述した所定の時間周期で求める。
Figure 2010196369
この図4の水質予測手段322は、計測された雨天時の汚濁負荷量から晴天時の汚濁負荷量の平均値を引くことにより、降雨によって流されてきた屋根や道路などの地表の汚濁物質や下水道管管内に沈降していた汚濁物質による汚濁負荷量をより正確に把握することができる。これにより堆積負荷量演算部38において、堆積負荷量をより正確に演算することができる。したがって流入水質予測を正確に予測することができ、より的確な負荷量削減制御が可能になる。
水質予測手段32(322も同じ)は、図5で示すように、監視制御支援情報表示装置63を有する構成でもよい。この場合、水質予測手段32で演算された流入水質予測値は、監視制御支援情報表示装置63に出力されて表示される。ここでは、降雨量や流入量予測値、あるいは制御出力量を併せて表示してもよい。これにより施設の運転員や管理者は、施設の状況と共に、それに基づく機器の運転状況を確認することができる。
1…下水道の下水管
2…ポンプ井
4…送水ポンプ
5…排水ポンプ
11…分岐路
21、56…水質センサー
22…水位センサー
23…雨量計
33…機器制御演算手段
35…流入量演算部
36…流入量予測部
37…水質予測部
38…堆積負荷量演算部
39…汚濁負荷量データ保存部
40…平均値演算部
41…雨天時負荷量演算部
51…貯留池
52…流入弁
54…貯留水送水ポンプ
55…貯留水排水ポンプ

Claims (5)

  1. 下水道からのポンプ井への流入量を計測するセンサーの計測値から前記ポンプ井への流入量を所定の時間周期で求める流入量演算部と、
    前記ポンプ井への流入水に対する水質センサーの計測値から汚濁の発生負荷量を前記時間周期で求め、ある時刻における前記発生負荷量と、同時刻における前記下水の流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、前記ポンプ井までの経路の汚濁の堆積負荷量を求める堆積負荷量演算部と、
    前記流入量演算部で求められた流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計により計測された降雨量とからポンプ井への所定時間先の流入量を予測する流入量予測部と、
    前記ある時刻における堆積負荷量と、前記流入量予測部で求められた予測流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、汚濁の発生負荷量の所定時間先の予測値を求める水質予測部と、
    を備えたことを特徴とする雨水排水制御装置。
  2. 下水道からのポンプ井への流入量を計測するセンサーの計測値から前記ポンプ井への流入量を所定の時間周期で求める流入量演算部と、
    前記ポンプ井への流入水に対する水質センサーの計測値を汚濁の発生負荷量として逐次記憶しておく汚濁負荷量データ保存部と、
    この汚濁負荷量データ保存部に保存された降雨日以外のデータを晴天日の汚濁負荷量としてその数日分の平均値を求める平均値演算部と、
    水質センサーにより計測された雨天日の計測値から、前記晴天日の汚濁発生量の平均値を減算した雨天時負荷発生量を前記時間周期で求める雨天時負荷量演算部と、
    この雨天時負荷量演算部で求められたある時刻における発生負荷量と、その時刻における前記下水の流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、前記ポンプ井までの経路の汚濁の堆積負荷量を求める堆積負荷量演算部と、
    前記流入量演算部で求められた流入量実測値と予め設定された対象流域の雨量計により計測された降雨量とからポンプ井への所定時間先の流入量を予測する流入量予測部と、
    前記ある時刻における堆積負荷量と、前記流入量予測部で求められた予測流入量の、予め設定された限界流量値を超えた値とから、汚濁の発生負荷量の所定時間先の予測値を求める水質予測部と
    を備えたことを特徴とする雨水排水制御装置。
  3. 前記ポンプ井に対して、前記流入水を放流するための排水ポンプと、この流入水に対して所定の処理を施す処理設備に送水する送水ポンプとが設けられ、前記水質予測部で予測される流入水の水質が放流可であれば前記排水ポンプを運転制御し、放流不可であれば前記送水ポンプを運転制御する機器制御演算手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の雨水排水制御装置。
  4. 前記ポンプ井に対して、このポンプ井への流入下水を分岐する分岐路、及びこの分岐路に設けられた流入弁を介して分岐した流入水を受け入れて貯留する貯留池を設け、
    前記貯留池には、貯留水を放流するための貯留水排水ポンプと、この貯留水に対して所定の処理を施す処理設備に送水する貯留水送水ポンプと、この貯留水の水質を測定する貯留水水質センサーとを設け、
    前記機器制御演算手段は、前記水質予測部で予測される流入水の水質が放流不可であり、かつ前記流入量予測部で予測された流入量が前記処理設備の処理量を超える場合、又は前記予測流入量が予め設定した量を超える場合は、前記貯留池への流入弁を開制御し、
    前記貯留池からの排水に当っては、前記貯留水水質センサーの計測値が放流可であれば前記貯留水排水ポンプを運転制御し、放流不可であれば前記貯留水送水ポンプを運転制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載の雨水排水制御装置。
  5. 前記水質予測部で予測される予測結果を表示する表示装置を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の雨水排水制御装置。
JP2009042618A 2009-02-25 2009-02-25 雨水排水制御装置 Pending JP2010196369A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042618A JP2010196369A (ja) 2009-02-25 2009-02-25 雨水排水制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009042618A JP2010196369A (ja) 2009-02-25 2009-02-25 雨水排水制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010196369A true JP2010196369A (ja) 2010-09-09

Family

ID=42821354

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009042618A Pending JP2010196369A (ja) 2009-02-25 2009-02-25 雨水排水制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010196369A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102926452A (zh) * 2012-11-27 2013-02-13 重庆大学 一种道路雨水离线控制系统
KR101278973B1 (ko) 2012-11-14 2013-07-02 (유)한성산기 지능형 양,배수장 관리시스템
CN104060675A (zh) * 2013-03-21 2014-09-24 上海市城市排水有限公司 城市废水集水井均恒水位排放系统及其排放方法
CN105911931A (zh) * 2016-06-20 2016-08-31 福州台江区超人电子有限公司 一种雨水排放记录系统
JP2016183456A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 富士通株式会社 太陽光発電装置、センシング装置及び情報処理システム
CN107842088A (zh) * 2017-09-30 2018-03-27 武汉圣禹排水系统有限公司 一种带有调蓄设施和在线处理设施的排水系统及排水控制方法
JP2018111977A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
CN109052851A (zh) * 2018-09-03 2018-12-21 黄姣雅 分散生活污水生态净化系统
CN109610596A (zh) * 2018-11-19 2019-04-12 温州丰成建设有限公司 基于雨水压力传感的市政管道
CN110984344A (zh) * 2019-11-29 2020-04-10 中国中建设计集团有限公司 排水检查井防溢流装置及方法
CN111485623A (zh) * 2020-04-02 2020-08-04 杭州伯利特阀门有限公司 一种雨污智能分离系统

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101278973B1 (ko) 2012-11-14 2013-07-02 (유)한성산기 지능형 양,배수장 관리시스템
CN102926452B (zh) * 2012-11-27 2014-07-30 重庆大学 一种道路雨水离线控制系统
CN102926452A (zh) * 2012-11-27 2013-02-13 重庆大学 一种道路雨水离线控制系统
CN104060675A (zh) * 2013-03-21 2014-09-24 上海市城市排水有限公司 城市废水集水井均恒水位排放系统及其排放方法
CN104060675B (zh) * 2013-03-21 2015-12-09 上海市城市排水有限公司 城市废水集水井均恒水位排放系统及其排放方法
JP2016183456A (ja) * 2015-03-25 2016-10-20 富士通株式会社 太陽光発電装置、センシング装置及び情報処理システム
CN105911931B (zh) * 2016-06-20 2018-05-22 福州准点信息科技有限公司 一种雨水排放记录系统
CN105911931A (zh) * 2016-06-20 2016-08-31 福州台江区超人电子有限公司 一种雨水排放记录系统
JP2018111977A (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
WO2018131303A1 (ja) * 2017-01-11 2018-07-19 株式会社日立製作所 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
CN107842088A (zh) * 2017-09-30 2018-03-27 武汉圣禹排水系统有限公司 一种带有调蓄设施和在线处理设施的排水系统及排水控制方法
CN109052851A (zh) * 2018-09-03 2018-12-21 黄姣雅 分散生活污水生态净化系统
CN109610596A (zh) * 2018-11-19 2019-04-12 温州丰成建设有限公司 基于雨水压力传感的市政管道
CN109610596B (zh) * 2018-11-19 2021-02-09 温州丰成建设有限公司 基于雨水压力传感的市政管道
CN110984344A (zh) * 2019-11-29 2020-04-10 中国中建设计集团有限公司 排水检查井防溢流装置及方法
CN111485623A (zh) * 2020-04-02 2020-08-04 杭州伯利特阀门有限公司 一种雨污智能分离系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010196369A (ja) 雨水排水制御装置
CN103343570A (zh) 合流制调蓄池实时控制系统及其控制方法
Xue et al. Development of integrated catchment and water quality model for urban rivers
JP4427509B2 (ja) 雨水貯留施設運用システム
JP6845775B2 (ja) 水処理制御装置及び水処理システム
JP4364151B2 (ja) 水質予測装置および水質制御装置
KR101158052B1 (ko) 유출오염부하 저감을 위한 처리시스템 및 처리방법
JP5189968B2 (ja) 下水処理システム及びその運用方法並びに改善方法
KR20130090278A (ko) 유역모델링 기반 저류조 실시간 운영시스템 및 운영방법
JP4358101B2 (ja) 下水流入水の水質予測方法及び雨水排水支援システム
JP4488970B2 (ja) 合流式下水設備の運転管理システム
JP7122989B2 (ja) 水処理プラント運転支援装置及び水処理プラント
KR101277227B1 (ko) 실시간 제어를 통한 저류조 운영시스템 및 운영방법
JP4739293B2 (ja) 雨水ポンプの制御装置
Nielsen et al. Implementation and design of a flexible RTC strategy in the sewage system in Kolding, Denmark
JP6749254B2 (ja) 下水道設備の監視制御装置及び下水ポンプ場の運転制御方法
JP3749800B2 (ja) 下水道の雨水排水制御装置
JP3625367B2 (ja) 下水道システムの貯留設備運用支援装置
JP4439831B2 (ja) 合流式下水道処理設備の水質改善制御装置
JP2002001381A (ja) 下水処理システム及び排水制御システム
JP4398821B2 (ja) 雨水排水制御システム
JP2010133191A (ja) 下水道施設の浸水対策システム
JP3294074B2 (ja) 雨水ポンプ制御装置及び制御方法
JP2010084493A (ja) 合流式のポンプ場での排水運転支援装置及びその運転方法
JP4908333B2 (ja) ポンプ制御装置