JP2006165457A - 熱電モジュール、熱電ユニット及び熱電モジュールの取付け方法 - Google Patents

熱電モジュール、熱電ユニット及び熱電モジュールの取付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 端子を熱から保護することができると共に基板を固定するための空間を確保して容易に固定する。
【解決手段】 直列に接続された熱電素子9a、9bのうち、両端部の熱電素子9a、9bに対向する基板19の領域に孔19aを設け、配線11aを基板19の裏側から孔19aを通じて熱電素子9a、9bに固定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、熱電モジュール、熱電ユニット及び熱電モジュールの取付け方法に関する。
周知のように、熱電モジュールは、P型熱電素子とN型熱電素子とを電極を介して交互に直列接続したものである。このような熱電モジュールは、P型熱電素子及びN型熱電素子の両端の温度差に基づいて各熱電素子の起電力に熱電素子の個数を乗算した出力電圧の電源として機能したり、あるいは外部から電流を流すことによってP型熱電素子及びN型熱電素子の両端に温度差を発生させて冷却あるいは加熱するものである。
例えば特許文献1には、上記熱電モジュールの一例として図16に示すような構造が開示されている。すなわち、特許文献1の熱電モジュールは、交互に配列したP型熱電素子101及びN型熱電素子102の上面に上側金属電極104を、また下面に下側金属電極105を設けることによりP型熱電素子101及びN型熱電素子102を交互に直列接続し、さらに下側金属電極105に対向するように下側セラミック基板103を、また上側金属電極104に対向するように上側セラミック基板107をそれぞれ設け、上側セラミック基板107を吸熱側に、また下側セラミック基板103を放熱側にそれぞれ圧接固定したものである。
また、例えば特許文献2には、上面と下面とが電極で相互接続されたP型熱電素子及びN型熱電素子の下面に板状の絶縁体を設け、当該絶縁体を介してP型熱電素子及びN型熱電素子を水冷ジャケットに貼り付け接合した熱電モジュールが開示されている。この熱電モジュールでは、熱流が上方から注ぐように開放されており、P型熱電素子及びN型熱電素子の上面(高温側)と下面(低温側:水冷ジャケット側)との温度差によって電力を発生する。なお、上記熱電モジュールの構成については、下記の特許文献3、4にも開示されている。
特開2002−124706号公報 特開2002−171776号公報 特開2003−092435号公報 特開2002−353524号公報
ところで、特許文献1の熱電モジュールでは、直列に接続されたP型熱電素子101及びN型熱電素子102の端部に位置する金属電極105がセラミック基板103上に沿って熱電素子の外側まで延び、端子105Aとされている。この端子105Aに配線106が電気的に固定されている。このように端子105Aが基板の上面に設けられて熱にさらされているため、配線106の熱損傷を招く可能性があった。
一方、特許文献2の熱電モジュールでは、熱流が降注ぐP型熱電素子及びN型熱電素子の上面側は開放状態になっており、P型熱電素子及びN型熱電素子の下面を絶縁体を介して水冷ジャケットに貼り付け接合するものなので、P型熱電素子及びN型熱電素子の下面が水冷ジャケットに十分な力で圧着されないので熱伝導が良好ではなく、よって熱電モジュールとしての性能が低下するという問題点がある。
また、熱電モジュールをフレーム状部材に複数固定した熱電ユニットとして機器に取り付ける場合がある。このような熱電ユニットでは、熱電モジュールの集積率を極力高めることが要求されている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、以下の点を目的とするものである。
(1)熱電モジュールにおける配線を熱から保護する。
(2)熱電モジュールを取り付ける場合における圧接力を高める。
(3)熱電モジュールを取り付ける場合における集積率を高める。
本発明においては、上記の課題を解決するために以下の解決手段を採用する。
熱電モジュールに係わる第1の解決手段として、基板と、該基板の表面に複数配設されると共に直列接続された熱電素子と、両端部に位置する各熱電素子に接続された外部接続用の配線とを備えた熱電モジュールにおいて、前記配線は、前記基板の裏側に設けられ、該基板に設けられた孔を介して各熱電素子に接続される、という手段を採用する。
本発明によれば、配線を基板の裏側から熱電素子に接続するので、配線や当該配線と熱電素子との接続部位の熱による損傷を防ぐことができる。
また、熱電モジュールに係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、基板の縁部には、基板を固定するための空きスペースとしての押さえ代が形成される、という手段を採用する。
押さえ代を利用して熱電モジュールを取り付けることができるので、当該取り付けにおける圧接力を高めることができる。
熱電ユニットに係わる第1の解決手段として、所定の枠体と、互いに直列接続された複数の熱電素子が基板の表面に複数配設されると共に、基板の縁部に空きスペースとしての押さえ代が設けられた複数の熱電モジュールと、各押さえ代を枠体との間に共に挟み込んで各熱電モジュールを固定する押さえ板とを具備する、という手段を採用する。
この発明によれば、押さえ代を利用して熱電モジュールを枠体に取り付けることができるので、当該取り付けにおける圧接力を高めることができると共に、熱電モジュールの集積率を高めることができる。
熱電ユニットに係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、各熱電モジュールは、押さえ代が互いに突き合う状態で枠体上に配置されている、という手段を採用する。
この発明によれば、各熱電モジュールの押さえ代が互いに突き合う状態で配置されているので、1枚の押さえ代を用いて複数の熱電モジュールを枠体に取り付けることが可能である。
熱電ユニットに係わる第3の解決手段として、上記第1または第2の解決手段において、ボルトで押さえ板を枠体に締結することにより各押さえ代を押さえ板によって挟み込む、という手段を採用する。
この発明によれば、熱電モジュールを枠体に取り付ける場合の圧接力を高めることができると共に、この圧接力の調節が容易である。
熱電ユニットに係わる第4の解決手段として、上記第1〜第3いずれかの解決手段において、各熱電モジュールは、基板の裏側に設けられ、該基板に形成された孔を介して両端部に位置する熱電素子に接続される配線によって相互接続される、あるいは/及び外部に接続される、という手段を採用する。
この発明によれば、配線を基板の裏側から熱電素子に接続するので、配線や当該配線と熱電素子との接続部位の熱による損傷を防ぐことができる。
熱電ユニットに係わる第5の解決手段として、上記第4の解決手段において、配線は枠体に形成された配線用溝内に敷設される、という手段を採用する。
この発明によれば、配線の耐熱性を確保することが可能であると共に配線間の干渉を回避することができる。
また、熱電モジュールの取付け方法に係わる第1の解決手段として、基板と、該基板の表面に複数配設されると共に直列接続された熱電素子とを備えた熱電モジュールの取付け方法において、基板の縁部に基板を固定するための押さえ代としての空きスペースを形成し、互いの押さえ代を突き合わせた状態で複数の熱電モジュールを並べて配置し、突き合わされた状態の各押さえ代を押さえ板によって対象物との間に共に挟み込むことによって固定する、という手段を採用する。
この発明によれば、押さえ代を利用して熱電モジュールを対象物に取り付けることができるので、当該取り付けにおける圧接力を高めることができると共に、熱電モジュールの集積率を高めることができる。
熱電モジュールの取付け方法に係わる第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、各熱電モジュールは、押さえ代が互いに突き合う状態で対象物上に配置されている、という手段を採用する。
この発明によれば、各熱電モジュールの押さえ代が互いに突き合う状態で配置されているので、1枚の押さえ代を用いて複数の熱電モジュールを対象物に取り付けることが可能である。
熱電モジュールの取付け方法に係わる第3の解決手段として、ボルトで押さえ板を枠体に締結することにより各押さえ代を押さえ板によって挟み込む、という手段を採用する。
この発明によれば、熱電モジュールを枠体に取り付ける場合の圧接力を高めることができると共に、この圧接力の調節が容易である。
熱電モジュールの取付け方法に係わる第4の解決手段として、各熱電モジュールは、基板の裏側に設けられ、該基板に形成された孔を介して両端部に位置する熱電素子に接続される配線によって相互接続される、あるいは/及び外部に接続される、という手段を採用する。
本発明によれば、配線を基板の裏側から熱電素子に接続するので、配線や当該配線と熱電素子との接続部位の熱による損傷を防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係わる熱電モジュールを示す斜視図、図2は複数の熱電モジュールが配置された抵抗過熱炉を示す概略断面図である。これら図に示すように、本熱電モジュールは、バッチ式の抵抗加熱炉に適用するためのものである。
先に抵抗加熱炉8の概要について説明すると、この抵抗加熱炉8は、外側に水冷ジャケット7(対象物)を備えた炉内に、一側に雰囲気ガス供給管1を、また他側に廃ガス管2をそれぞれ接続し、且つ、内部でワーク4を加熱する電気ヒータ5を貫通状態に備え、さらに外側を断熱材3aで覆ってなる加熱室3を設け、且つ、上記断熱材3aの外側と上記水冷ジャケット7との間に空間部6を形成し、該空間部6を真空又はガス雰囲気として運転するものである。
このような抵抗加熱炉8では、ユニット化された多数の熱電モジュール9を、上記水冷ジャケット7に接するように炉内面に、上記断熱材3aとは非接触に張り付け、且つ、上記各熱電モジュール9を、ダイオード等の逆流防止器10を備えた電力回収ライン11を介して蓄電装置12に接続し、該蓄電装置12からの電力供給ライン13を、抵抗加熱炉8の個別制御器14に接続し、上記加熱室3内を加熱したときに断熱材3aから水冷ジャケット7に流れる放射熱を主とする熱流15を基に、各熱電モジュール9により熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、蓄電装置12で回収した電力を制御器14に供給する。
上記熱電モジュール9は、図1に示すように、それぞれ複数のP型熱電素子9aとN型熱電素子9bとを基板19上に交互に並べ、これら熱電素子9aと9bとが直列に導通するように、熱電素子9aと9bの高温側となる一端部同士を電極17により順次連結している。また、図3に示したように、低温側となる熱電素子9a、9bの他端部同士は電極18により順次連結され、両端に位置する電極18が電力回収ライン11に接続するようになっている。基板19としては、セラミック基板(アルミナや窒化アルミ等)が用いられる。
また、図4に示すように、直列に接続された熱電素子9a、9bのうち、端部の熱電素子9a、9bに対向する基板19の領域には孔19aが設けられ、端部の熱電素子9a、9bには電気的に接続する端子18Aが、基板19の裏側から前記孔19aを通じて熱電素子9a、9bに固定されている。上記端子18Aには、電力回収ラインの配線11aが固定される。上記端子18Aは、熱伝導性の高い素材で形成されており、熱損失を少なくすることができる。
なお、上記孔19aと端子18Aの組み合わせは、直列に配置された熱電素子9a、9bの両端、すなわち熱電モジュール毎に2個所設けられ、基板19の1辺の両隅に位置している。
すなわち、熱電モジュール9では、従来端子が設けられていた位置(図16の符号105A)が、熱電素子9a、9bおよび端子が存在しない空きスペース25となる。また、この空きスペース25は、基板19の隅に位置し、端子18Aは空きスペース25に隣り合った基板19の縁部裏面に位置する。
このような抵抗加熱炉8では、加熱室3内に配置されたワーク4をヒータ5により加熱すると、その熱の多くが断熱材3aを通して水冷ジャケット7に伝えられるが、このとき、断熱材3aから流れる熱流15のほとんどは放射熱であるため、この熱エネルギーは水冷ジャケット7へ到達する前に熱電モジュール9の高温側受熱面にて受けられ、低温側に伝えられることで電気エネルギーに変換される。これにより、発生した直流電力は電力回収ライン11により蓄電装置12に回収され、制御器14等の直流で動作する機器に供給される。したがって、このように電力回収を行うことで、抵抗加熱炉8の消費電力を低減することができる。
ここで、熱電モジュール9の低温側は基板19を介して水冷ジャケット7に接しているが、高温側は断熱材3aに対し非接触としてあり、しかも各熱電素子9a,9bには締付力が作用していないので、高温側は熱応力を受けにくく、そのため、各熱電素子9a,9bの破壊をなくすことができ、発電不能となってしまうような事態の発生を未然に防ぐことができる。
また、図4に示すように、熱電モジュール9の裏側に設けられた配線11aは、水冷ジャケット7に形成された配線用溝7aに嵌まり込む状態で敷線される。こうすることにより、配線11aの耐熱性を確保することが可能であると共に配線間の干渉を回避することができる。
また、本熱電モジュール9によれば、端子18Aおよび配線11aが基板19の裏側(低温側)に位置しているため、熱による損傷を防ぐことができる。また、配線の取り回し、接続、検査が簡便となる。また、端子18Aを基板19の裏側に設けたため、配線のためのスペースが基板19の上面に必要なくなる。したがって空きスペース25にまで熱電素子を設ければ、利用効率をさらに向上させることもできる。
さらに、この熱電モジュール9は、高温側を炉内断熱材3aに対し非接触としてあって、主として放射伝熱を受ける構造としてあるため、高温側に絶縁体を配置する必要がなく、熱電素子9a,9bに熱が伝わり易くなることから、熱電モジュール9自体の組み立てが簡単となり、安価に製作することができる。更に、ヒータ5の電源を切って加熱室3を冷却する場合にも、断熱材3aからは暫くの間熱流15が発しているので、この熱流15を用いて発電することができて有利となる。
次に、本熱電モジュール9の変形例について、図5〜図15を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した熱電モジュール9と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す熱電モジュール9Aにおいて、電熱素子9a、9bは、基板19の四隅を空けた状態で配置されている。基板四隅のうち、一辺の両端に位置する領域は、従来端子が設けられていた位置(図16の符号105A)の空きスペース25である。以後、本例においては空きスペース25を押さえ代26として使用する。対向する辺の両端は、熱電素子9a、9bの配置を工夫することにより熱電素子9a、9bが位置していない押さえ代26,26である。
このような熱電モジュール9Aは、図6に示すように押さえ代26が挟み込まれることにより固定される。詳細には、水冷ジャケット(壁体)7に固定される押さえ板27が基板19の四隅に対応して4枚設けられ、さらに、押さえ板27を貫通して水冷ジャケット7に螺合するボルト28が4枚の押さえ板27に対応してそれぞれ設けられている。ボルト28により押さえ板27を水冷ジャケット7に固定する際に、押さえ代26を押さえ板27と水冷ジャケット7との間に挟み込む。これにより基板19が水冷ジャケット7に固定される。
このように、押さえ板27を用いて熱電モジュール9Aを固定することで、以下の効果を得ることができる。
ロウ付けの場合、基板19と大型の水冷ジャケット7との間にロウ材を均一に溶かし入れて固化させることは困難であり、接着剤を用いた場合では接着剤の膜厚を均一にして固化させ、取り付け取り外しすることは困難である。本実施形態のように押さえ板27により基板19を挟み込むことで、基板19と大型の水冷ジャケット7との間に熱伝導性グリースなどを挿入しておくことで、基板19と水冷ジャケット7とが密着し、熱伝導を高く保つことができる。また取付け、取り外しの作業が容易である。
図7(a)は、上記熱電モジュール9Aの変形例に係わる熱電モジュール9Bの斜視図であり、図7(b)は図7(a)から熱電素子9a、9b及び電極17を省略した斜視図である。 図8(a)は、上記熱電モジュール9Aの別の変形例に係わる熱電モジュール9Cの斜視図であり、図8(b)は図8(a)から熱電素子9a、9b及び電極17を省略した斜視図である。 図9(a)は、上記熱電モジュール9Aのさらに別の変形例に係わる熱電モジュール9Dの斜視図であり、図9(b)は図9(a)から熱電素子9a、9b及び電極17を省略した斜視図である。 図10(a)は、上記熱電モジュール9Aのさらに別の変形例に係わる熱電モジュール9Eの斜視図であり、図10(b)は図10(a)から熱電素子9a、9b及び電極17を省略した斜視図である。
これらの変形例に係わる熱電モジュール9A〜9Eのように熱電素子9a、9bの配置を適宜変更して、押さえ代26の大きさ・数を適宜選択することができる。例えば図8の例のように基板19の隅ではなく、辺の縁部に押さえ代を設けることができる。
また、上記各変形例に係わる熱電モジュール9A〜9Eにおいて、図11に示すように、基板19上面の押さえ代26の位置に断熱材(断熱手段)30を設けてもよい。断熱材30は、熱電モジュール9を水冷ジャケット7に取付けた後に設ける。断熱材30の材料としては、熱伝導率の小さい絶縁体、空間の空いた多孔質体や粉体などを用いることができる。これにより熱は熱電素子の部分にのみ流れ、熱効率の低下を防止することができる。
さらに、図12に示すように、2枚を重ねたカスケードタイプの熱電モジュールとすることもできる。1段目の熱電モジュール9−1は、上述した各熱電モジュール9,9A〜9Eと同様の構成であるが、熱電素子9a、9bの上面に集熱板31が固定されている。集熱板31の上面に2段目の熱電モジュール9−2が締結具(例えばボルトとナットの組)32により固定されている。熱電モジュール9−2も上述した各熱電モジュール9,9A〜9Eと同様の構成である。
詳細には、1段目の熱電モジュール9−1の押さえ代26と位置を合わせて2段目の熱電モジュール9−2に空きスペース29が形成されるように熱電素子9a、9bを配置する。2段目の熱電モジュール9−2の基板19と1段目の熱電モジュール9−1の集熱板31とを貫通するように締結具32により1段目の熱モジュール9−1と2段目の熱モジュール9−2とを固定する。1段目の熱モジュール9−1は上述した押さえ板27により固定すればよい。
図13は、複数の熱電モジュール9Aを枠体(図示略)上に一面に配置して構成された熱電ユニットである。なお、この図13では、熱電モジュール9Aを用いた熱電ユニットを示しているが、他の変形例に係わる熱電モジュール9B〜9Eを用いて熱電ユニットを構成しても良い。
本熱電ユニットは、各熱電モジュール9Aの押さえ代26を突き合わせて複数の熱電モジュール9Aを配置する。隣り合った熱電モジュール9Aは、突き合わされた熱電モジュールの辺を中心として、熱電素子9a、9bおよび電極17,18が線対称の位置に配置されている。すなわち、隣り合った熱電モジュール9Aは、熱電素子9a、9bおよび電極17,18の配置が鏡像の関係となっている。そして、熱電モジュール9Aの隅部に面した二つの押さえ代26、26を、押さえ板27によって水冷ジャケット7との間に共に挟み込んで固定する。
このような熱電ユニットでは、押さえ代26を隣り合わせて熱電モジュール9Aを配置し、ひとつの押さえ板27により隣り合った熱電モジュール9Aを共に固定するので、熱電モジュール9Aを略密着させて配置することができる。したがって高い効率を得ることができる。
また、このような熱電ユニットでは、複数の熱電モジュール9Aが枠体を介して上述した水冷ジャケット7等に取り付けられるので、枠体において熱電モジュール9Aに当接する面には上述した水冷ジャケット7の配線用溝7aに相当する配線用溝が形成されており、各熱電モジュール9Aの配線11aは、この配線用溝に嵌まり込む状態で敷線される。これによって、配線11aの耐熱性を確保することが可能であると共に配線間の干渉を回避することができる。
なお、この熱電ユニットでは複数の熱電モジュール9Aを一列に配置しているが、図14のように熱電モジュール9Aを2次元に配置してもよい。また、この図14に示す熱電ユニットは各熱電モジュール9Aの4隅を固定するものであるが、図15に示すように、熱電素子9a、9bの配置が熱電モジュール9Aとは異なる熱電モジュール9Fを用いることにより熱電モジュール9Fの2隅を固定するようにしても良い。
また、各熱電モジュールの熱電素子9a、9bは、熱電モジュール9を超えて直列に接続してもよい。その場合は、基板19の裏側において、適宜配線35を用いて熱電モジュール9を跨って隣り合った熱電モジュール9の端子18A同士を接続することで、熱電素子9a、9bを直列に接続することができる。(隣り合った熱電モジュール9の熱電素子9a、9bおよび電極17,18の配置が鏡像の関係となっているため、基板19の縁部に位置した端子18Aも隣り合って位置する。このため配線35による接続が容易である。なお、このような配線を容易とするためには、少なくとも端子18Aが隣り合った熱電モジュール9の互いに隣接した位置にあればよい。また、押さえ板27による固定を容易とするためには、少なくとも押さえ代26が線対称に位置していればよい。)
なお、上記の各例においては熱電素子が四角柱形状の例について示したが、熱電素子が円筒形状の場合も同様に適用可能である。基板に円筒状の孔を設けて、円筒形状の端子を孔を通して基板の裏側に導けばよい。
また、上記の熱電モジュールが適用されるのは、図2に示した抵抗加熱炉8に限らないのは言うまでもない。また、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の一実施形態に係わる熱電モジュールの斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる同熱電モジュールが取付けられた抵抗加熱炉の概要図である。 本発明の一実施形態に係わる同熱電モジュールの熱電素子と高温側の電極とを図示省略した斜視図である。 本発明の一実施形態に係わる同熱電モジュールの端部熱電素子近傍を示した縦断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールを固定した状態を示した斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの図であり、(a)は斜視図であり、(b)は熱電素子及び高温側電極を省略した斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの図であり、(a)は斜視図であり、(b)は熱電素子及び高温側電極を省略した斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの図であり、(a)は斜視図であり、(b)は熱電素子及び高温側電極を省略した斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの図であり、(a)は斜視図であり、(b)は熱電素子及び高温側電極を省略した斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールの図であり、断熱材を備えた熱電モジュールの端部熱電素子近傍を示した縦断面図である。 本発明の一実施形態において、カスケードタイプの熱電モジュールを示した縦断面図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールを複数備えた熱電ユニットの斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールを複数備えた熱電ユニットの斜視図である。 本発明の一実施形態の変形例に係わる熱電モジュールを複数備えた熱電ユニットの斜視図である。 従来の熱電モジュールの斜視図である。
符号の説明
7…水冷ジャケット(対象物)、9,9A〜9F…熱電モジュール、9a、9b…熱電素子、11a…配線、17…電極、18…電極、18A…端子、19…基板、19a…孔、25…空きスペース、26…押さえ代、27…押さえ板、28…ボルト


Claims (11)

  1. 基板と、該基板の表面に複数配設されると共に直列接続された熱電素子と、両端部に位置する各熱電素子に接続された外部接続用の配線とを備えた熱電モジュールにおいて、
    前記配線は、前記基板の裏側に設けられ、該基板に設けられた孔を介して各熱電素子に接続されることを特徴とする熱電モジュール。
  2. 基板の縁部には、基板を固定するための空きスペースとしての押さえ代が基板の周縁部に形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
  3. 所定の枠体と、
    互いに直列接続された複数の熱電素子が基板の表面に複数配設されると共に、基板の縁部に空きスペースとしての押さえ代が設けられた複数の熱電モジュールと、
    各押さえ代を枠体との間に共に挟み込んで各熱電モジュールを固定する押さえ板と
    を具備することを特徴とする熱電ユニット。
  4. 各熱電モジュールは、押さえ代が互いに突き合う状態で枠体上に配置されていることを特徴とする請求項3記載の熱電ユニット。
  5. ボルトで押さえ板を枠体に締結することにより各押さえ代を押さえ板によって挟み込むことを特徴とする請求項3または4記載の熱電ユニット。
  6. 各熱電モジュールは、基板の裏側に設けられ、該基板に形成された孔を介して両端部に位置する熱電素子に接続される配線によって相互接続される、あるいは/及び外部に接続されることを特徴とする請求項3〜5いずれかに記載の熱電ユニット。
  7. 配線は枠体に形成された配線用溝内に敷設されることを特徴とする請求項6記載の熱電ユニット。
  8. 基板と、該基板の表面に複数配設されると共に直列接続された熱電素子とを備えた熱電モジュールの取付け方法において、
    基板の縁部に基板を固定するための押さえ代としての空きスペースを形成し、
    互いの押さえ代を突き合わせた状態で複数の熱電モジュールを並べて配置し、
    突き合わされた状態の各押さえ代を押さえ板によって対象物との間に共に挟み込むことによって固定する
    ことを特徴とする熱電モジュールの取付け方法。
  9. 各熱電モジュールは、押さえ代が互いに突き合う状態で対象物上に配置されていることを特徴とする請求項8記載の熱電モジュールの取付け方法。
  10. ボルトで押さえ板を対象物に締結することにより各押さえ代を押さえ板によって挟み込むことを特徴とする請求項8または9記載の熱電モジュールの取付け方法。
  11. 各熱電モジュールは、基板の裏側に設けられ、該基板に形成された孔を介して両端部に位置する熱電素子に接続される配線によって相互接続される、あるいは/及び外部に接続されることを特徴とする請求項8〜10いずれかに記載の熱電モジュールの取付け方法。

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