JP2006164948A - 有機電界発光素子の製造方法および有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子の製造方法および有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を長時間、安定的に製造することができる有機電界発光素子の製造方法,及びそれを用いて製造される、高発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を提供する。
【解決手段】 一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の有機層の製造方法であって、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種含有する蒸着材料を蒸着される基板に蒸着する工程を有し、該蒸着材料を交換することなく、2回以上連続して該蒸着する工程に用いることを特徴とする有機電界発光素子の有機層の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光できる有機電界発光素子(以下、「発光素子」、または「EL素子」ともいう。)の製造方法に関し、またその製造方法により得られうる有機電界発光素子に関する。
有機電界発光(EL)素子は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。有機電界発光素子は、発光層もしくは発光層を含む複数の有機層を挟んだ対向電極から構成されており、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が発光層において再結合し、生成した励起子からの発光を利用するもの、又は前記励起子からエネルギー移動によって生成する他の分子の励起子からの発光を利用するものである。
従来、有機電界発光素子を製造するに際し、薄膜の形成を行う基本技術の1つとして、真空蒸着法が知られている。この真空蒸着法は、蒸着材料を真空槽内で蒸発源の熱と成膜用基板とを適当に組み合わせて蒸着して、薄膜を形成するものである。
蒸発源(加熱源)を作る手段も様々考えられており、例えば、比較的電気抵抗の高い金属容器(金属ボート)に電流を流し、その発熱により原料を蒸発させる、いわゆる抵抗加熱蒸着法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、原料に直接電子ビームやレーザービームを照射し、そのエネルギーで原料を蒸発させる、いわゆる電子ビーム・レーザービーム蒸着法等も知られている。
これらの中でも抵抗加熱を用いた成膜方法(抵抗加熱蒸着法)は、成膜装置の構成が簡便であり、低価格で良質の薄膜形成を実現できることから広く普及している。
前記抵抗加熱蒸着法は、融点の高いタングステン、タンタル、モリブデン等の金属材料を薄板状に加工して、電気抵抗を高くした金属板から原料又は収納容器(金属ボート)を作製し、その両端から直流電流を流し、その発熱を用いて蒸着材料(蒸発原料)を蒸発させ、蒸発ガスを供給している。発散したガスの一部が基板上に堆積し、薄膜が形成される。蒸着材料として使用できるものは、蒸気圧の比較的高いものであれば何でも良いが、収納容器と容易に化学反応するものは避ける必要がある。
量産工程においては、生産性が高く、しかも不良品率をいかに少なくするかも重要な課題である。しかし、量産工程において有機層が不均一に積層されたり、組成が均一でなかったりして、量産化ができない、或いは製品の品質が不均一等の理由により、高品質の製品を得ることが困難であった。
また、有機電界発光素子の有機薄膜の作製では、有機材料の特性上、蒸気圧が高く、分解・変性しやすいことにより、蒸着時の加熱で発光材料が分解や変性してしまうため、蒸発源に投入した材料をくり返し用いると、いわゆる輝度の低下、駆動耐久性の低下、輝度ムラ、ドット欠陥、及びリーク電流の発生等の品質の劣化やばらつきの増大が生じるという問題もあった。
有機電界発光素子の発光層は、ホスト材料に、発光材料をドーピングし、所望の発光特性に調整するといった手法が一般的に行われている。しかし、このような手法では、混合層であるホスト材料の混合量やドーピング量が僅かにずれただけでも発光特性に致命的な影響を与えてしまう。そのため、特に量産時での製品の安定製造や、高品質の素子を得ることが極めて困難であった。
このような量産工程の安定化を実現するために、いくつかの方法が提案されている。
例えば、真空室内のルツボと蒸発源は分離して形成されかつルツボは蒸発源に対して着脱自在であり、かつ蒸発源に対してルツボを取り付け及び取り外しする搬送機構を備え、成膜開始前に、搬送機構によって、成膜しようとする膜の厚みに対応する所定量の有機材料が充填された状態のルツボを蒸発源に取り付けるように構成される方法が開示されいている(例えば、特許文献1参照。)。
蒸着層の材料である蒸着材料を耐熱性媒体にコーティングしておき、真空蒸着装置内にて前記耐熱性媒体にコーティングされた蒸着材料を加熱して蒸発させ、前記蒸着層を物理的に成膜する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)
この方法は、有機層の中に含まれる蒸発層の材料である蒸発材料を耐熱性媒体にコーティングしておいてから真空蒸着装置内に供給するので、材料の飛散による真空槽内の汚染がなく、真空中での材料の連続供給が可能になり、すなわち連続生産が可能になる。
しかし、これらの方法では、蒸着時の加熱による有機材料の分解や変性に関して対策が取られておらず、前記公報中にも示唆されているように、1回の成膜工程に必要な材料をその都度供給せざるを得なかった。
特開平2000−223269号公報 特開平2004−265805号公報 「アプライド フィジックス レターズ(Appl. Phys. Lett.)」、1996年4月15日、第68巻、p.16
上記のように、高品質な有機電界発光素子を安定的に製造でき、且つ量産に適した有機電界発光素子の製造方法の開発が強く望まれていた。
本発明の目的は、高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を長時間、安定的に製造することができる有機電界発光素子の製造方法を提供することにある。
また、それを用いて製造される、高発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を提供することにある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、蒸着法により成膜される有機層の材料である蒸着材料に3座以上の配位子を有する金属錯体を含有することで、蒸着材料を交換することなく、複数回の蒸着工程に用いることができ、高品質の有機電界発光素子を簡便に連続製造でき、高品質で、性能ばらつきの少ない有機電界発光素子の製造方法を見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
<1> 一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の有機層の製造方法であって、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種含有する蒸着材料を蒸着される基板に蒸着する工程を有し、該蒸着材料を交換することなく、2回以上連続して該蒸着工程に用いることを特徴とする有機電界発光素子の有機層の製造方法。
<2> 前記蒸着する工程は、前記真空蒸着装置に設置された前記蒸着材料を2時間以上100時間以下交換することなく前記基板に蒸着を行うことを特徴とする上記<1>に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
<3> 前記3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする上記<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
<4> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
Figure 2006164948
(一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
<5> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
Figure 2006164948
(一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
<6> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする上記<1>〜<3>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法
Figure 2006164948
(一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、Z13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)
<7> 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、および銅イオンの群から選ばれることを特徴とする上記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
<8> 一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、該少なくとも一層の有機層は、上記<1>〜<7>のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法を用いて形成されることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
<9> 上記<8>に記載の有機電界発光素子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする有機電界発光素子。
<10> 有機電界発光素子が、一対の電極間に二層以上の発光層を含む有機層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、前記二層以上の発光層間に電荷発生層を有することを特徴とする上記<8>に記載の有機電界発光素子の製造方法。
<11> 上記<10>に記載の有機電界発光素子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする有機電界発光素子。
本発明によれば、高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を、長時間、安定的に製造することができる有機電界発光素子の有機層の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高い発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を、長時間、安定的に製造することができる有機電界発光素子の製造方法を提供することができる。
更に、それを用いて高発光効率を示し、かつ耐久性にも優れた有機電界発光素子を提供することができる。
本発明の有機電界発光素子の有機層の製造方法は、一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の有機層の製造方法であって、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種含有する蒸着材料を蒸着される基板に蒸着する工程(蒸着工程)を有し、該蒸着材料を交換することなく、2回以上連続して該蒸着する工程に用いることを特徴とする。
さらに、必要に応じて、以下に述べる真空蒸着装置に設置する工程(蒸着材料設置工程)及び/又は該真空蒸着装置に蒸着される基板を搬送する工程(基板搬送工程)を有してもよい。
蒸着材料に3座以上の配位子を有する金属錯体を含有することで、蒸着材料を交換することなく、複数回及び/又は長時間の蒸着工程に用いることができ、高品質の有機電界発光素子の有機層の簡便な連続製造ができる。
本発明の有機電界発光素子の有機層の製造方法、有機電界発光素子の製造方法、及び有機電界発光素子について、該有機層の製造工程及び該有機電界発光素子の要素の説明を通じて、以下に詳細に説明する。
−蒸着材料設置工程−
本発明における蒸着材料設置工程とは、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種含有する蒸着材料を真空蒸着装置に設置する工程を言う。
本発明における前記蒸着材料は、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種有する材料であり、前記有機層を形成する材料を言う。また、該金属錯体についての詳細は後述する。
該真空蒸着装置は後述の真空蒸着が可能な装置であれば特に限定されるものではなく、公知の装置が適宜選択されて用いることができる。
該蒸着材料は、いずれの形態で設置されても良いが、収納容器(原料容器)に入れて設置することが好ましい。
該蒸着材料の収納容器とは、蒸着材料を収納でき、かつ蒸着するために用いられる後述の加熱方法又は加熱以外の方法等を用いることが出来るものであれば、容器の形状や材質には特に制限はなく、また、収納容器と該方法等の装置が同一であっても別々であっても良い。
収納容器の例としては、融点の高いタングステン、タンタル、モリブデン等の金属材料を薄板状に加工して、電気抵抗を高くした金属板、いわゆる金属ボートや、セル型ルツボがあげられる。
セル型ルツボの例としては、例えば、Kセル(クヌンセンセル)と呼ばれるルツボがあげられる。Kセルは、加熱コイルの内側に例えば窒化ボロン製のルツボが配置され、ルツボの内部に適量の蒸発材料が収容される。ルツボの外側にはその温度を正確に管理するためのタンタルなどで作られた熱遮蔽板が設けられ、ルツボの下側には熱電対が設けられている。加熱コイルに電流を流すと、ルツボが加熱され、蒸発材料が蒸発する。
−基板搬送設置工程−
本発明における基板搬送設置工程とは、前記蒸着される基板を真空蒸着装置内の所定の位置に搬送し、設置する工程を言う。
該搬送としては、大気圧下での手動搬送、遠隔操作による搬送、あるいは自動搬送により基板を搬送して設置しても良く、また、真空下での遠隔操作による搬送あるいは自動搬送で基板を設置しても良いが、量産の観点から、真空下で遠隔操作および/又は自動搬送により所定の位置に基板を搬送し設置することが好ましい。該遠隔操作及び自動搬送の方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜用いることが出来る。
−蒸着工程−
本発明における前記有機層は蒸着法により成膜する。
該蒸着法とは、一般的には、通常高真空下(10-2Pa以下)において物質を加熱蒸発させ、気体状となった物質をターゲット(基板)上に付着成膜する真空蒸着法のことであるが、本明細書でいう蒸着法は、さらに広い意味で、蒸着技術すべてを含むものとし、例えば、ターゲット表面上での化学反応により膜を形成するCVD法等も、本発明における蒸着法の範囲内とする。
蒸着法の詳細についてはオーム社刊、「新判・真空ハンドブック」(株式会社アルバック編)の第8章に記載されている。
より具体的には、本発明における蒸着工程とは、前記収納容器中の前記蒸着材料を加熱等により蒸発させて、前記蒸着される基板上に製膜する工程を言う。
該加熱等とは、蒸着材料を蒸発させる方法であれば特に限定されるものではなく、加熱する方法、及び加熱以外の方法等が挙げられる。
前記蒸着材料を蒸発させる加熱方法としては、抵抗加熱法、高周波加熱法、電子ビーム加熱法、レーザー加熱法などがあるが、簡便さ(低コスト、簡単な装置で行える)の点で、抵抗加熱法が好ましい。これらの加熱方法は、前記収納容器を加熱した間接加熱であっても、また、蒸着材料を直接加熱するいずれの方法であってもよいが、抵抗加熱法が好ましい。
また、前記加熱以外の方法で材料を蒸発させる方法としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシ法などが挙げられる。
上記蒸発させる方法の中でも、抵抗加熱法が好ましい。
前記加熱温度としては、用いられる前記蒸着材料にも因るが、一般的に、100℃〜1000℃が挙げられ、100℃〜500℃が特に好ましい。
さらに、本発明は、前記3座以上の配位子を有する金属錯体を含む蒸着材料を交換することなく、2回以上連続して前記蒸着工程に用いることを特徴とする。
即ち、蒸着工程を経由して蒸着された基板の更に異なる位置に蒸着した場合も、また、異なる別の蒸着される基板に新たな蒸着をする場合においても、該蒸着材料を交換することなく連続して用いることができるということを意味する。
例えば、複数の基板に蒸着材料を蒸着する場合、まず、真空蒸着装置内で、搬送された蒸着される基板に蒸着材料が蒸着され、続いて、該基板は次の工程に搬出される。次に、該蒸着工程に搬送(入)された別の蒸着される基板に、前記同様該蒸着材料は蒸着され、該基板は次の工程に搬出される。更に、その他の蒸着される基板が該蒸着工程に搬入され、前記同様に蒸着される。
以上、これらの一連の蒸着工程において、前記蒸着材料は交換することなく2回以上連続して用いる態様である。
更に、蒸着された基板と同一の基板の異なる位置に蒸着する場合も、前記別の基板に蒸着する場合と同様である。
従来より知られている有機材料を使用した場合、加熱による材料の分解や変質が起きやすく、そのため複数回の蒸着に用いると、高品質の有機電界発光素子を連続製造して得ることが困難であったが、本発明により、蒸着材料を交換することなく、複数回の蒸着に用いることができることにより、製造時に頻繁に蒸着材料を交換したり補充したりする必要がなくなるため、蒸着材料への加熱と冷却の繰返しという過酷な条件を付与することなく、また、再高真空化操作等の必要もなく、従って、量産時の大幅な工程短縮化を図ることができる。
本発明においては、同一真空蒸着装置内に設置された蒸着材料を交換することなく、連続的に又は断続的に搬送される蒸着される基板に長時間の蒸着を行うことができる。
即ち、本発明の意図することから言えば、短時間の蒸着は下限を定義する必要はないが、量産の観点から、2時間以上が好ましい。また、長時間の上限は、所望する有機層の厚みや、使用する蒸着材料の収納容器の大きさや、蒸着速度等、さまざまな要因が複合的に関与するが、安定に製造できる範囲であれば長い方が好ましいが、製造安定性かつ量産性の観点から、100時間以下が好ましい。
以上により、例えば、真空装置内に設置された複数の基板をシャッターで切り替えながら順次蒸着を行うことも好ましく行うことができるし、同一基板上の異なる位置をシャッターで切り替えながら順次蒸着するを行うこともできる。また、長尺状の基板を連続あるいは断続的に搬送しながら、連続あるいは断続的に蒸着を行うことも好ましく行うことができる。
前記真空蒸着の真空度は、蒸着材料により特に限定されるものではなく、効率の良い蒸着が可能であればよいが、10-2Pa〜10-7Paが好ましく、中でも、10-3Pa〜10-7Paが特に好ましい。
2種以上の物質の混合物で膜形成する場合には、1つの収納容器(蒸発源)に複数の物質の混合物を入れて蒸発させてもよいが、この方法では蒸発気体中の物質組成を一定に保つのが難しく、別々の収納容器(蒸発源)から同時に分子を飛ばす方法が一般的であり、本発明においても後者が好ましい。
蒸着法で作成した有機層は、スピンコート法やインクジェット法に代表される湿式成膜法で作成した場合に比べて、溶媒やバインダ等に由来する不純物や酸素、水分を含まないため発光輝度や駆動耐久性の点で優れ、また既設の下層を溶媒により溶解する心配もなく、所望の膜厚の均一な有機層薄膜を容易に得ることができる。
さらに、蒸着時にマスキングを施すことにより、画素毎に異なる発光材料、ホスト材料を用いて異なる発光特性を持たせることができ、精細高画質のフルカラーディスプレイを作製するのに適している。
次に、本発明中の前記3座以上の配位子を有する金属錯体について説明する。
該金属錯体において金属イオンに配位する原子は特に限定されないが、酸素原子、窒素原子、炭素原子、または硫黄原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、又は炭素原子がより好ましく、窒素原子又は炭素原子が更に好ましい。
金属錯体中の金属イオンは、特に限定されないが、イリジウムイオン、白金イオン、レニウムイオン、タングステンイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、オスミウムイオン、希土類イオン(例えば、ユーロピウムイオン、カドリニウムイオン、テルビウムイオン)、パラジウムイオン、銅イオン、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、ニッケルイオン、鉛イオン、アルミニウムイオンが好ましい。
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体としては、3座以上6座以下の配位子を有する金属錯体がより好ましく、3座または4座の配位子を有する金属錯体がさらに好ましく、4座の配位子を有する金属錯体が特に好ましい。
本発明における金属錯体の配位子は鎖状、又は、環状であることが好ましく、中心金属(例えば、後述する一般式(II)で表される化合物の場合であればM11を表す。)に窒素で配位する含窒素へテロ環(例えば、ピリジン環、キノリン環、ピロール環など)を少なくとも一つ有することが好ましい。該含窒素ヘテロ環としては、含窒素6員ヘテロ環であることがより好ましい。
金属錯体の配位子が鎖状であるとは、金属錯体の配位子が環状構造をとらないことを意味する(例えば、ターピリジル配位子など。)。また、金属錯体の配位子が環状であるとは、金属錯体中の複数の配位子が互いに結合して、閉じた構造形成することを意味する(例えば、フタロシアニン配位子、クラウンエーテル配位子など。)。
本発明における金属錯体が有する配位子が鎖状配位子である場合、該金属錯体は、以下に詳述する一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
先ず、一般式(I)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。
一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、M11は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、白金イオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、白金イオン、イリジウムイオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。
一般式(I)中、L11、L12、L13、及びL14は、それぞれ独立に、M11に配位する配位子を表す。L11、L12、L13、及びL14に含まれ、かつ、M11に配位する原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子が好ましく、窒素原子、酸素原子、又は炭素原子がより好ましい。
11とL11、L12、L13、及びL14でそれぞれ形成される結合は、それぞれ独立に、共有結合であってもイオン結合であっても配位結合であってもよい。本発明における配位子とは、説明の便宜上、配位結合のみならず他のイオン結合、共有結合により形成された場合においても用いるものとする。
11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、及びL14から成る配位子は、アニオン性配位子(少なくとも一つのアニオンが金属と結合する配位子)であることが好ましい。アニオン性配位子中のアニオンの数は、1〜3が好ましく、1、2がより好ましく、2がさらに好ましい。
11に炭素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては、特に限定されないが、それぞれ独立にイミノ配位子、芳香族炭素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントラセン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばチオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など)およびこれらの互変異性体)が挙げられる。
11に窒素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、含窒素へテロ環配位子(例えば、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、及び、これらの互変異性体(なお、本発明では通常の異性体以外に次のような例も互変異性体と定義する。例えば、後述する化合物(24)の5員ヘテロ環配位子、化合物(64)の末端5員ヘテロ環配位子、化合物(145)の5員ヘテロ環配位子もピロール互変異性体と定義する。)など、アミノ配位子(アルキルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノなどが挙げられる。)、アリールアミノ配位子(例えばフェニルアミノなどが挙げられる。)、アシルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ配位子(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ配位子など)が挙げられる。これらの配位子はさらに置換されていてもよい。
11に酸素原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ配位子(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル配位子(例えばケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子など)、エーテル配位子(例えばジアルキルエーテル配位子、ジアリールエーテル配位子、フリル配位子など)などが挙げられる。
11に硫黄原子で配位するL11、L12、L13、及びL14としては特に限定されないが、それぞれ独立に、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル配位子(例えばチオケトン配位子、チオエステル配位子など)、又はチオエーテル配位子(例えばジアルキルチオエーテル配位子、ジアリールチオエーテル配位子、チオフリル配位子など)などが挙げられる。これらの置換配位子は更に置換されてもよい。
11及びL14は、それぞれ独立に、芳香族炭素環配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、エーテル配位子、アルキルチオ配位子、アリールチオ配位子、アルキルアミノ配位子、アリールアミノ配位子、アシルアミノ配位子、含窒素へテロ環配位子(例えばピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサジアゾール配位子、チアジアゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、ベンズオキサゾール配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体など)が好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、アリールアミノ配位子、並びにピリジン配位子、ピラジン配位子、イミダゾール配位子、又は、それらを含む縮配位子体(例えば、キノリン配位子、キノキサリン配位子、ベンズイミダゾール配位子など)、又は、これらの互変異性体がより好ましく、芳香族炭素環配位子、アリールオキシ配位子、アリールチオ配位子、又はアリールアミノ配位子がさらに好ましく、芳香族炭素環配位子、又はアリールオキシ配位子が特に好ましい。
12及びL13は、それぞれ独立に、M11と配位結合を形成する配位子が好ましく、M11と配位結合を形成する配位子としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズピロールなど)、及び、これらの互変異性体がより好ましく、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)がさらに好ましく、ピリジン環、及び、ピリジン環を含む縮環体(例えば、キノリン環など)が特に好ましい。
一般式(I)中、L15はM11に配位する配位子を表す。L15は1〜4座の配位子が好ましく、1〜4座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜4座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子が好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えばピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)、L11、Y12、L12、Y11、L13、Y13、L14で形成される4座配位子がより好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)、ピリジン配位子を含有するモノアニオン性2座配位子(例えば、ピコリン酸配位子、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン配位子など)がさらに好ましく、1,3−ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトン配位子など)が特に好ましい。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。但し、L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。
一般式(I)中、Y11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、連結基、単結合、または二重結合を表す。連結基としては、特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、珪素原子連結基、又は、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
11、Y12、及びY13は、それぞれ独立に、単結合、二重結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましい。Y11は、単結合、アルキレン基がより好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。Y12及びY13は、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
12、L11、L12、及びM11で形成される環、Y11、L12、L13、及びM11で形成される環、Y13、L13、L14、及びM11で形成される環は、それぞれ環員数4〜10が好ましく、環員数5〜7がより好ましく、環員数5又は6がさらに好ましい。
一般式(I)中、n11は0〜4を表す。M11が配位数4の金属の場合、n11は0であり、M11が配位数6の金属の場合、n11は1、2が好ましく、1がより好ましい。M11が配位数6でn11が1の場合L15は2座配位子を表し、M11が配位数6でn11が2の場合L15は単座配位子を表す。M11が配位数8の金属の場合、n11は1〜4が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M11が配位数8でn11が1の場合L15は4座配位子を表し、M11が配位数8でn11が2の場合L15は2座配位子を表す。n11が複数のときは、複数のL15は同じであっても異なっていてもよい。
次に、一般式(II)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。
すなわち、一般式(II)においては、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群、及びQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群が、それぞれ三座の配位子を形成する。
また、MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(II)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されないが、1価〜3価の金属イオンが好ましく、2価又は3価の金属イオンがより好ましく、3価の金属イオンがさらに好ましい。具体的には、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、銅イオン、ユーロピウムイオン、ガドリニウムイオン、テルビウムイオンが好ましく、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンがより好ましく、イリジウムイオンがさらに好ましい。
X11〜QX16は、MX1に配位する原子又はMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を表す場合、その具体的な原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、珪素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられ、好ましくは窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子であり、より好ましくは窒素原子、酸素原子である。
X11〜QX16がMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す場合、MX1に炭素原子で配位するものとしては、例えば、イミノ基、芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。
X1に窒素原子で配位するものとしては、例えば、含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていてもよい。
X1に酸素原子で配位するものとしては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。
X1に珪素原子で配位するものとしては、アルキルシリル基(好ましくは炭素数3〜30であり、たとえば、トリメチルシリル基などが挙げられる。)、アリールシリル基(好ましくは炭素数18〜30であり、例えば、トリフェニルシリル基などが挙げられる。)等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X1に硫黄原子で配位するものとしては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。
X1にリン原子で配位するものとしては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基はさらに置換されてもよい。
X11〜QX16で表される原子群として好ましくは、MX1に、炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ジアルキルホスフィノ基であり、より好ましくは炭素原子で配位する芳香族炭化水素環基、炭素原子で配位する芳香族ヘテロ環基、窒素原子で配位する含窒素芳香族ヘテロ環基である。
X1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(II)中、LX11〜LX14は、単結合、二重結合、又は連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子から選択される原子を含んで構成される連結基が好ましい。該連結の具体例を下記に示すが、これらに限定されることはない。
Figure 2006164948
これらの連結基はさらに置換されてもよく、置換基としては下記一般式(2)におけるR21〜R24で表される置換基として挙げたものが適用でき、好ましい範囲も同様である。LX11〜LX14として好ましくは、単結合、ジメチルメチレン基、ジメチルシリレン基である。
前記一般式(I)で表される化合物の好ましい形態は、以下に挙げる、一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)、及び一般式(4)で表される各化合物である。
一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(1)中、M21は金属イオンを表し、Y21は連結基、単結合、または二重結合を表す。Y22、Y23はそれぞれ単結合または連結基を表す。Q21、Q22はそれぞれ含窒素ヘテロ環を形成する原子群を表し、Q21で形成される環とY21の間の結合およびQ22で形成される環とY21の間の結合は、単結合または二重結合を表す。X21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す。R21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R21及びR22並びにR23及びR24は各々結合して環を形成してもよい。L25はM21に配位する配位子を表す。n21は0〜4の整数を表す。
一般式(1)について詳細に説明する。
一般式(1)中、M21は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M21に配位する窒素を含む環)を形成する原子群を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては、好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ベンズアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環など)及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)及び、これらの互変異性体であり、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、その縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
21、X22は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、置換または無置換の窒素原子であり、酸素原子、硫黄原子、置換された窒素原子がより好ましく、酸素原子、硫黄原子がさらに好ましく、酸素原子が特に好ましい。
21は、前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
22、Y23は、それぞれ独立に、単結合、連結基を表し、単結合が好ましい。連結基としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
22又はY23として表される連結基としては、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン連結基が好ましく、カルボニル連結基、アルケニレン連結基がより好ましく、カルボニル連結基がさらに好ましい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
21、R22、R23、及びR24は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、R21とR22またはR23とR24が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、R21とR22又はR23とR24が結合して環構造(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましい。
25は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(1)において、Q21、Q22が形成する環がピリジン環のとき、Y21は連結基を表す金属錯体であること、Q21、Q22が形成する環がピリジン環で、Y21が単結合または二重結合で、X21、X22が硫黄原子、置換または無置換の窒素原子を表す金属錯体であること、或いは、Q21、Q22が形成する環が含窒素ヘテロ5員環、または、窒素原子を2つ以上含む含窒素6員環を表す金属錯体であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(1−A)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(1−A)について説明する。
一般式(1−A)中、M31は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
31、Z32、Z33、Z34、Z35、及びZ36は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z31とZ32、Z32とZ33、Z33とZ34、Z34とZ35、Z35とZ36が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよく、Z31とT31、Z36とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
31、T32、T33、T34、T35、T36、T37、及びT38は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子がより好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、T31とT32、T32とT33、T33とT34、T35とT36、T36とT37、T37とT38が連結基を介して結合し、縮環(例えばベンゾ縮環など)を形成しても良い。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アリール基、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子がより好ましく、アリール基、ハロゲン原子がさらに好ましく、アリール基が特に好ましい。
31、X32は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるX21、X22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(2)中、M51は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、Q52は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるQ21、Q22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
53、Q54は、それぞれ独立に、含窒素へテロ環(M51に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q53、Q54で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(29)のヘテロ5員環配位子など)、チアゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(30)のヘテロ5員環配位子など)、オキサゾール誘導体の互変異性体(例えば、下記例示化合物(31)のヘテロ5員環配位子など)が好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体、チアゾール誘導体の互変異性体がより好ましく、ピロール誘導体の互変異性体、イミダゾール誘導体の互変異性体がさらに好ましく、ピロール誘導体の互変異性体が特に好ましい。
51は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
55は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51は前記n11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
51、W52は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、無置換の炭素原子、窒素原子が好ましく、無置換の炭素原子がより好ましい。
一般式(3)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(3)中、MA1、QA1、QA2、YA1、YA2、YA3、RA1、RA2、RA3、RA4、LA5、nA1は、前記一般式(1)におけるM21、Q21、Q22、Y21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−A)で表される化合物、及び下記一般式(3−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(3−A)で表される化合物について説明する
Figure 2006164948
一般式(3−A)中、M61は、前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Q62は、それぞれ独立に、環を形成する基を表す。Q61、Q62で形成される環としては特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、チオフェン環、イソチアゾール環、フラン環、イソオキサゾ−ル環、及び、その縮環体が挙げられる。
61、Q62で形成される環は、好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、チオフェン環、チアゾール環、及び、その縮環体であり、ベンゼン環、ピリジン環、及び、その縮環体がより好ましく、ベンゼン環、及び、その縮環体がさらに好ましい。
61は前記一般式(I)におけるY11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
62、Y63は、それぞれ独立に、連結基または単結合を表す。連結基としてはとくに限定されないが、例えば、カルボニル連結基、チオカルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、酸素原子連結基、窒素原子連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
62、Y63は、それぞれ独立に、単結合、カルボニル連結基、アルキレン連結基、アルケニレン基が好ましく、単結合、アルケニレン基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
65は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
61、Z62、Z63、Z64、Z65、Z66、Z67、及びZ68は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられ、また、Z61とZ62、Z62とZ63、Z63とZ64、Z65とZ66、Z66とZ67、Z67とZ68が連結基を介して結合し、縮環(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成しても良い。Q61、Q62で形成される環がそれぞれZ61、Z68と連結基を介して結合し、環を形成してもよい。
前記炭素上の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基、ハロゲン原子が好ましく、アルキルアミノ基、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、アリール基、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましく、縮環(例えばベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が特に好ましい。
一般式(3−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(3−B)中、M71は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Y72、Y73は、それぞれ独立に、前記一般式(3−A)におけるY62と同義であり、好ましい範囲も同じである。
75は前記一般式(I)におけるL15と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71は前記一般式(I)におけるn11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
71、Z72、Z73、Z74、Z75、及びZ76は、それぞれ独立に、置換または無置換の炭素原子、窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。炭素上の置換基としては、前記一般式(1)におけるR21で説明した基が挙げられる。また、R71とR72、R73とR74が連結基を介して結合し、環(例えばベンゼン環、ピリジン環)を形成してもよい。R71〜R74は前記一般式(1)におけるR21〜R24の置換基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
前記一般式(3−B)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(3−C)で表される化合物である。
一般式(3−C)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(3−C)中、RC1、RC2は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては、前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基を表す。RC3、RC4、RC5、及びRC6が表す置換基も前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基と同義である。nC3、nC6は0〜3の整数、nC4、nC5は0〜4の整数を表し、RC3、RC4、RC5、RC6をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRC3、RC4、RC5、RC6は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。RC3、RC4、RC5、RC6は、好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン原子である。
一般式(4)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(4)中、MB1、YB2、YB3、RB1、RB2、RB3、RB4、LB5、nB3、XB1、XB2は、前記一般式(1)におけるM21、Y22、Y23、R21、R22、R23、R24、L25、n21、X21、X22とそれぞれ同義であり好ましい範囲も同様である。
B1は連結基を表し、前記一般式(1)におけるY21と同様のであり、好ましくは1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数2〜8のアルキレン基を表す。
B5、RB6は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、置換基としては前記一般式(1)におけるR21ないしR24の置換基として説明したアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。ただし、YB1はRB5またはRB6と連結することはない。nB1、nB2は、それぞれ独立に、0ないし1の整数を表す。
前記一般式(4)で表される化合物の好ましい形態は、下記一般式(4−A)で表される化合物である。
一般式(4−A)で表される化合物について説明する
Figure 2006164948
一般式(4−A)中、RD3、RD4は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RD1、RD2はそれぞれ置換基を表す。RD1、RD2、RD3、及びRD4が表す置換基としては、前記一般式(4)におけるRB5、RB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。nD1、nD2は0〜4の整数を表し、RD1、RD2をそれぞれ複数個有する場合、複数個のRD1、RD2は同じであっても異なってもよく、連結して環を形成してもよい。YD1は1,2位で置換したビニル基、フェニレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環または炭素数1〜8のアルキレン基を表す。
本発明における3座配位子を有する金属錯体の好ましい形態は、下記一般式(5)で表される化合物である。
一般式(5)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(5)中、M81は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、L82、及びL83は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるL11、L12、L14と同義であり、好ましい範囲も同じである。
81、Y82は、それぞれ独立に、前記一般式(I)におけるY11、Y12と同義であり、好ましい範囲も同じである。
85はM81に配位する配位子を表す。L85は1〜3座の配位子が好ましく、1〜3座のアニオン性配位子がより好ましい。1〜3座のアニオン性配位子としては特に限定されないが、ハロゲン配位子、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子が好ましく、L81、Y81、L82、Y82、L83で形成される3座配位子がより好ましい。L85が金属を介さずにL81、L83と連結することはない。配位座の数、及び配位子の数が、金属の配位数を上回ることはない。
81は0〜5を表す。M81が配位数4の金属の場合、n81は1であり、L85は単座配位子を表す。M81が配位数6の金属の場合、n81は1〜3が好ましく、1、3がより好ましく、1がさらに好ましい。M81が配位数6でn81が1の場合L85は3座配位子を表し、M81が配位数6でn81が2の場合L85は単座配位子1つと2座配位子1つを表し、M81が配位数6でn81が3の場合L85は単座配位子を表す。M81が配位数8の金属の場合、n81は1〜5が好ましく、1、2がより好ましく、1がより好ましい。M81が配位数8でn81が1の場合L85は5座配位子を表し、n81が2の場合L85は3座配位子1つと2座配位子1つを表し、n81が3の場合L85は3座配位子1つと単座配位子2つ、または、2座配位子2つと単座配位子1つを表し、n81が4の場合L85は2座配位子1つと単座配位子3つを表し、n81が5の場合L85は単座配位子5つを表す。n81が複数のときは、複数のL85は同じであっても異なっていてもよい。
前記一般式(5)の好ましい形態は、前記一般式(5)のL81、L82、L83が炭素原子でM81に配位する芳香族炭素環またはヘテロ環、または窒素原子でM81に配位する含窒素ヘテロ環を表し、L81、L82、L83のうち少なくとも一つが含窒素ヘテロ環である。これら炭素原子で配位する芳香族炭素環、ヘテロ環および窒素原子で配位する含窒素ヘテロ環は前記一般式(I)で説明したM11に炭素原子で配位する配位子および窒素原子で配位する例が挙げられ、好ましい範囲も同様である。Y81、Y82は好ましくは単結合ないしはメチレン基を表す。
前記一般式(5)で表される化合物の他の好ましい形態は、下記一般式(5−A)で表される化合物、及び下記一般式(5−B)で表される化合物である。
先ず、一般式(5−A)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(5−A)中、M91は前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91、Q92は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、チアゾール環、オキサゾール環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)及び、これらの互変異性体が挙げられる。
91、Q92で形成される含窒素ヘテロ環は、好ましくは、ピリジン環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環、ベンズチアゾール環、ベンズイミダゾール環、インドレニン環など)、及び、これらの互変異性体であり、より好ましくはピリジン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)、及び、これらの互変異性体、さらに好ましくは、ピリジン環、及び、それらを含む縮環体(例えば、キノリン環など)であり、特に好ましくはピリジン環である。
93は含窒素へテロ環(M91に配位する窒素を含む環)を形成する基を表す。Q93で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環の互変異性体、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロールなど)が好ましく、ピロール環の互変異性体及びピロール環を含む縮環体(例えばベンズピロールなど)の互変異性体がより好ましい。
91、W92は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるW51、W52と同義であり、好ましい範囲も同じである。
95は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
91は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(5−B)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(5−B)中、M101は、前記一般式(5)におけるM81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
102は、前記一般式(1)におけるQ21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(5−A)におけるQ91と同義であり、好ましい範囲も同じである。
103は芳香環を形成する基を表す。Q103で形成される芳香環としては特に限定されないが、ベンゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、及び、それらを含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)が好ましく、ベンゼン環及びベンゼン環を含む縮環体(例えば、ナフタレン環など)がより好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
101、Y102は、それぞれ独立に、前記一般式(1)におけるY22と同義であり、好ましい範囲も同じである。
105は前記一般式(5)におけるL85と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(5)におけるn81と同義であり、好ましい範囲も同じである。
101は前記一般式(1)におけるX21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明における三座配位子を有する金属錯体の他の好ましい態様は、前記一般式(II)で表される化合物であるが、前記一般式(II)で表される化合物のうち、より好ましくは下記一般式(X2)で表される化合物であり、更に好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
先ず、一般式(X2)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(X2)中、MX2は金属イオンを表す。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表し、QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26と共に芳香環もしくは芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。LX21〜LX24は単結合、二重結合または連結基を表す。MX2とYX21〜YX26との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
一般式(X2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(X2)中、MX2は、前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX21〜YX26はMX2に配位する原子を表す。YX21〜YX26とMX2との結合は配位結合でも共有結合でもよい。YX21〜YX26としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、りん原子、ケイ素原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。QX21〜QX26は、それぞれYX21〜YX26を含んで芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環を形成する原子群を表す。この場合に形成する芳香族炭化水素環、芳香族ヘテロ環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げられ、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピラゾール環、トリアゾール環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。これらはさらに縮環を有していても置換基を有していても良い。
X21〜LX24は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(II)で表される化合物は、さらに好ましくは下記一般式(X3)で表される化合物である。
一般式(X3)について説明する。
Figure 2006164948
一般式(X3)中、MX3は金属イオンを表す。YX31〜YX36は、炭素原子、窒素原子、リン原子を表す。LX31〜LX34は単結合、二重結合または連結基を表す。MX3とYX31〜YX36との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。
X3は前記一般式(II)におけるMX1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YX31〜YX36はMX3に配位する原子を表す。YX31〜YX36とMX3との結合は配位結合でも共有結合でも良い。YX31〜YX36としては、炭素原子、窒素原子、りん原子が挙げられ、好ましくは炭素原子、窒素原子である。LX31〜LX34は前記一般式(II)におけるLX11〜LX14と同義であり好ましい範囲も同様である。
前記一般式(I)、一般式(II)、及び一般式(5)で表される化合物の具体例としては、特願2004−162849号明細書に記載の化合物(1)〜化合物(242)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006164948
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上記化合物例で代表される化合物のうち、ビピリジル又はフェナントロリンを部分構造に含む4座配位子、シッフ塩基型4座配位子、フェニルビピリジル3座配位子、ジフェニルピリジン3座配位子、ターピリジン3座配位子から選ばれる配位子を有する化合物を除いた化合物がより好ましい。
(本発明における金属錯体の合成方法)
本発明における金属錯体〔前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)で表される化合物〕は、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
本発明の金属錯体を合成する際の反応時間は反応原料の活性により異なり、特に限定されないが、1分以上5日以下が好ましく、5分以上3日以下がより好ましく、10分以上1日以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体合成の反応温度は反応の活性により異なり、特に限定されないが、0℃以上300℃以下が好ましく、5℃以上250℃以下がより好ましく、10℃以上200℃以下がさらに好ましい。
本発明の金属錯体は、目的とする錯体の部分構造を形成している配位子を適宜選択することで、前記一般式(I)、(1)、(1−A)、(2)、(3)、(3−A)、(3−B)、(3−C)、(4)、(4−A)、(5)、(5−A)、及び(5−B)、並びに前記一般式(II)、(X2)、及び(X3)で表される化合物で表される化合物は合成できる。
例えば、一般式(1−A)で表される化合物を合成する際は、6,6'−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2'−ビピリジル配位子またはその誘導体(例えば、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,10−フェナントロリン配位子、2,9−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン配位子、6,6'−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2,2'−ビピリジル配位子など)などを、金属化合物に対し、好ましくは0.1当量〜10当量、より好ましくは0.3当量〜6当量、さらに好ましくは0.5当量〜4当量加えて合成できる。一般式(1−A)で表される化合物の合成方法において、反応溶媒、反応時間、反応温度の各々は、上記本発明の金属錯体の合成方法で述べた事項と同様である。
6,6'−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−2,2'−ビピリジル配位子の誘導体は種々の公知の方法を用いて合成することができる。
例えば、2,2'−ビピリジル誘導体(例えば、1,10−フェナントロリンなど)とアニソール誘導体(例えば、4−フルオロアニソールなど)をJournal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法で反応させることにより合成することができる。また、ハロゲン化された2,2'−ビピリジル誘導体(例えば、2,9−ジブロモ−1,10−フェナントロリンなど)と2−メトキシフェニルボロン酸誘導体など(例えば、2−メトキシ−5−フルオロフェニルボロン酸など)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことにより合成することができる。また、2,2'−ビピリジルボロン酸誘導体(例えば6,6'−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロリル)−2,2'−ビピリジルなど)とハロゲン化されたアニソール誘導体(例えば2−ブロモアニソールなど)を出発物質として鈴木カップリング反応を行った後、メチル基を脱保護する(Journal of Organic Chemistry, 741, 11,(1946)に記載の方法、または、ピリジン塩酸塩中で加熱するなどの方法を用いる)ことによっても合成することができる。
本発明における金属錯体の配位子が前述の通り環状配位子である場合、該金属錯体は、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
以下、下記一般式(III)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、Z13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。
一般式(III)中、Q11は、Q11が結合する炭素原子2つとこれらの炭素原子に直接結合している窒素原子とを含んで、含窒素へテロ環を形成する原子群を表す。Q11で形成される含窒素へテロ環の環員数としては特に限定されないが、環員数12〜20が好ましく、環員数14〜16がより好ましく、環員数16がさらに好ましい。
11、Z12、及びZ13はそれぞれ独立に、置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z11、Z12、及びZ13の組合せとしては、Z11、Z12、及びZ13の少なくとも1つが窒素原子であることが好ましい。
炭素原子上の置換基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
これらの置換基の中でも、炭素原子上の置換基としては、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子が好ましく、より好ましくはアリール基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはフェニル基、フッ素原子である。
窒素原子上の置換基としては、前記炭素原子上の置換基として例示した置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)中、MY1は配位子を更に有してもよい金属イオンを表し、他に配位子を有さない金属イオンがより好ましい。
Y1で表される金属イオンとしては特に限定されないが、2価または3価の金属イオンが好ましい。2価または3価の金属イオンとしては、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオン、アルミニウムイオン、イリジウムイオン、ユーロピウムイオンが好ましく、コバルトイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、パラジウムイオン、ニッケルイオン、銅イオン、白金イオン、鉛イオンがより好ましく、銅イオン、白金イオンがさらに好ましく、白金イオンが特に好ましい。MY1は、Q11に含まれる原子と結合していても結合していなくてもよく、結合している方が好ましい。
Y1が、さらに有していてもよい配位子としては、特に限定されないが、単座、もしくは、2座の配位子が好ましく、2座の配位子がより好ましい。配位する原子としては、特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、炭素原子、りん原子が好ましく、酸素原子、窒素原子、炭素原子がより好ましく、酸素原子、窒素原子がさらに好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物の好ましい例は、下記一般式(a)〜(j)で表される化合物、又はそれらの互変異性体である。
一般式(III)で表される化合物はとしては、一般式(a)及び一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(b)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましい。
また、一般式(III)で表される化合物としては、一般式(c)または一般式(g)で表される化合物も好ましい。
一般式(c)で表される化合物としては、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(f)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(e)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(d)で表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
一般式(g)で表される化合物としては、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(i)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(j)で表される化合物またはその互変異性体が好ましく、一般式(h)で表される化合物またはその互変異性体、一般式(i)で表される化合物またはその互変異性体がより好ましく、一般式(h)表される化合物またはその互変異性体がさらに好ましい。
以下、一般式(a)〜(j)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2006164948
一般式(a)で表される化合物について説明する。
一般式(a)中、Z21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、M21はそれぞれ対応する前記一般式(III)におけるZ11、Z12、Z13、Z11、Z12、Z13、MY1と同義であり、好ましい範囲も同じである。
21、Q22はそれぞれ含窒素へテロ環を形成する基を表す。Q21、Q22で形成される含窒素ヘテロ環としては特に限定されないが、ピロール環、イミダゾール環、トリアゾール環、及び、それらを含む縮環体(例えばベンズピロール)、及び、これらの互変異性体(例えば、後述の一般式(b)において、R43、R44、R45、R46が置換している含窒素5員環はピロールの互変異性体と定義する)が好ましく、ピロール環及びピロール環を含む縮環体(例えば、ベンズピロール)がより好ましい。
21、X22、X23、X24は、それぞれ独立に、置換または無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、無置換の、炭素原子、窒素原子が好ましく、窒素原子がより好ましい。
一般式(b)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(b)中、Z41、Z42、Z43、Z44、Z45、Z46、X41、X42、X43、X44、M41は前記一般式(a)におけるZ21、Z22、Z23、Z24、Z25、Z26、X21、X22、X23、X24、M21と同義であり、好ましい範囲も同じである。
43、R44、R45、R46はそれぞれ独立に水素原子、または前記一般式(III)におけるZ11又はZ12上の置換基として例示したアルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基が好ましく、アルキル基、アリール基、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がより好ましく、R43とR44またはR45とR46が結合して環構造(例えば、ベンゾ縮環、ピリジン縮環など)を形成する基がさらに好ましい。
43、R44、R45、R46はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。置換基としては前記一般式(III)におけるZ11又はZ12について炭素原子上の置換基で説明した基が挙げられる。
一般式(c)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(c)中、Z101、Z102、Z103はそれぞれ独立に置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表す。Z101、Z102、Z103の少なくとも一つが窒素原子であることが好ましい。
101、L102、L103、L104はそれぞれ独立に単結合または連結基を表す。連結としては特に限定されないが、例えば、カルボニル連結基、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、含窒素ヘテロ環連結基、酸素原子連結基、アミノ連結基、イミノ連結基、カルボニル連結基、及び、これらの組み合わせからなる連結基などが挙げられる。
101、L102、L103、L104はそれぞれ独立に単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アミノ連結基、イミノ連結基が好ましく、単結合、アルキレン連結基、アルケニレン連結基、イミノ連結基がより好ましく、単結合、アルキレン連結基がさらに好ましい。
101、Q103はそれぞれ独立にM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表す。
101に炭素原子で配位する基としては、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する6員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で配位するアリール基、炭素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、炭素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で配位するアリール基がさらに好ましい。
101に窒素原子で配位する基としては、窒素原子で配位する含窒素5員環へテロアリール基、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で配位する含窒素6員環へテロアリール基がより好ましい。
101にりん原子で配位する基としては、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基、りん原子で配位するアルコキシホスフィン基、りん原子で配位するアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するヘテロアリールオキシホスフィン基、りん原子で配位するホスフィニン基、りん原子で配位するホスホール基が好ましく、りん原子で配位するアルキルホスフィン基、りん原子で配位するアリールホスフィン基がより好ましい。
101に酸素原子で配位する基としては、オキシ基、酸素原子で配位するカルボニル基が好ましく、オキシ基がさらに好ましい。
101に硫黄原子で配位する基としては、スルフィド基、チオフェン基、チアゾール基が好ましく、チオフェン基がより好ましい。
101、Q103はM101に炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基、酸素原子で配位する基が好ましく、炭素原子で配位する基、窒素原子で配位する基がより好ましく、炭素原子で配位する基がさらに好ましい。
102はM101に窒素原子で配位する基、りん原子で配位する基、酸素原子で配位する基、または、硫黄原子で配位する基を表し、窒素原子で配位する基がより好ましい。
101は前記一般式(I)におけるM11と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(d)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(d)中、Z201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、L201、L202、L203、L204、M201はそれぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、Z101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212はそれぞれ置換または無置換の炭素原子又は窒素原子を表し、置換または無置換の炭素原子が好ましい。
一般式(e)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(e)中、Z301、Z302、Z303、Z304、Z305、Z306、Z307、Z308、Z309、Z310、L301、L302、L303、L304、M301は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(f)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(f)中、Z401、Z402、Z403、Z404、Z405、Z406、Z407、Z408、Z409、Z410、Z411、Z412、L401、L402、L403、L404、M401は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z204、Z205、Z206、Z207、Z208、Z209、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
401、X402はそれぞれ独立に酸素原子、置換又は無置換の窒素原子、硫黄原子を表し、酸素原子、置換窒素原子が好ましく、酸素原子がより好ましい。
一般式(g)で表される化合物について説明する
Figure 2006164948
一般式(g)中、Z501、Z502、Z503、L501、L502、L503、L504、Q501、Q502、Q503、M501は、それぞれ対応する前記一般式(c)におけるZ101、Z102、Z103、L101、L102、L103、L104、Q101、Q103、Q102、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(h)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(h)中、Z601、Z602、Z603、Z604、Z605、Z606、Z607、Z608、Z609、Z610、Z611、Z612、L601、L602、L603、L604、M601は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(i)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(i)中、Z701、Z702、Z703、Z704、Z705、Z706、Z707、Z708、Z709、Z710、L701、L702、L703、L704、M701はそれぞれ対応する前記一般式(d)、(c)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z206、Z210、Z212、L101、L102、L103、L104、M101と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(j)で表される化合物について説明する。
Figure 2006164948
一般式(j)中、Z801、Z802、Z803、Z804、Z805、Z806、Z807、Z808、Z809、Z810、Z811、Z812、L801、L802、L803、L804、M801、X801、X802は、それぞれ対応する前記一般式(d)、(c)、(f)におけるZ201、Z202、Z203、Z207、Z208、Z209、Z204、Z205、Z206、Z210、Z211、Z212、L101、L102、L103、L104、M101、X401、X402と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(III)で表される化合物の具体例としては、特願2004−88575記載の化合物(2)〜化合物(8)、化合物(15)〜化合物(20)、化合物(27)〜化合物(32)、化合物(36)〜化合物(38)、化合物(42)〜化合物(44)、化合物(50)〜化合物(52)、及び、化合物(57)〜化合物(154)(以下に構造を示す。)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
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Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
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Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
さらに、本発明における金属錯体の好ましい例としては、下記一般式(A−1)、下記一般式(B−1)、下記一般式(C−1)、下記一般式(D−1)、下記一般式(E−1)、及び下記一般式(F−1)で表される各化合物が挙げられる。
一般式(A−1)について説明する。
Figure 2006164948
一般式(A−1)中、MA1は金属イオンを表す。YA11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA11、LA12、LA13、LA14は連結基を表し、これらの連結基は、同一構造であっても異なる構造であっても良い。QA11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(A−1)で表される化合物について、詳細に説明する。
A1は金属イオンを表す。金属イオンとしては特に限定されることはないが、2価の金属イオンが好ましく、Pt2+、Pd2+、Cu2+、Ni2+、Co2+、Zn2+、Mg2+、Pb2+が好ましく、Pt2+、Cu2+がより好ましく、Pt2+が特に好ましい。
A11、YA14、YA15およびYA18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA11、YA14、YA15およびYA18として好ましくは、炭素原子である。
A12、YA13、YA16およびYA17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。YA12、YA13、YA16およびYA17として好ましくは、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子である。
A11、LA12、LA13、LA14は二価の連結基を表す。LA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基としては、それぞれ独立に単結合のほか、炭素、窒素、珪素、硫黄、酸素、ゲルマニウム、リン等で構成される連結基であり、より好ましくは、単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、酸素原子、硫黄原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、さらに好ましくは単結合、置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、置換珪素原子、二価の芳香族炭化水素環基、二価の芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくは、単結合、置換または無置換のメチレン基である、LA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2006164948
A11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基は、さらに置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、
ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらの置換基は更に置換されてもよい。置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シリル基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基、フッ素原子である。
A11、QA12はMA1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。QA11、QA12はそれぞれ独立にMA1に炭素原子で結合する基、窒素原子で結合する基、珪素原子で結合する基、リン原子で結合する基、酸素原子で結合する基、硫黄原子で結合する基が好ましく、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子で結合する基がより好ましく、炭素原子、窒素原子で結合する基がさらに好ましく、炭素原子で結合する基が特に好ましい。
炭素原子で結合する基としては、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する六員環へテロアリール基が好ましく、炭素原子で結合するアリール基、炭素原子で結合する含窒素五員環へテロアリール基、炭素原子で結合する含窒素六員環へテロアリール基がより好ましく、炭素原子で結合するアリール基が特に好ましい。
窒素原子で結合する基としては、置換アミノ基、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が好ましく、窒素原子で結合する含窒素へテロ五員環へテロアリール基が特に好ましい。
リン原子で結合する基としては、置換ホスフィノ基が好ましい。珪素原子で結合する基としては、置換シリル基が好ましい。酸素原子で結合する基としてはオキシ基、硫黄原子で結合する基としてはスルフィド基が好ましい。
前記一般式(A−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(A−2)、一般式(A−3)、又は一般式(A−4)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(A−2)中、MA2は金属イオンを表す。YA21、YA24、YA25およびYA28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA22、YA23、YA26およびYA27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA21、LA22、LA23、LA24は連結基を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(A−3)中、MA3は金属イオンを表す。YA31、YA34、YA35およびYA38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA32、YA33、YA36およびYA37はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA31、LA32、LA33、LA34は連結基を表す。ZA31、ZA32、ZA33およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(A−4)中、MA4は金属イオンを表す。YA41、YA44、YA45およびYA48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YA42、YA43、YA46およびYA47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LA41、LA42、LA43、LA44は連結基を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XA41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(A−2)で表される化合物について詳細に説明する。
A2、YA21、YA24、YA25、YA28、YA22、YA23、YA26、YA27、LA21、LA22、LA23、LA24はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA21、ZA22、ZA23、ZA24、ZA25およびZA26として好ましくはそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−3)で表される化合物について詳細に説明する。
A3、YA31、YA34、YA35、YA38、YA32、YA33、YA36、YA37、LA31、LA32、LA33、LA34はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A31、ZA32、ZA33、およびZA34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA31、ZA32、ZA33、およびZA34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(A−4)で表される化合物について詳細に説明する。
A4、YA41、YA44、YA45、YA48、YA42、YA43、YA46、YA47、LA41、LA42、LA43、LA44はそれぞれ対応する、一般式(A−1)中のMA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
A41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZA41、ZA42、ZA43、ZA44、ZA45およびZA46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
A41、XA42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XA41、XA42として好ましくはそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(A−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(B−1)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(B−1)中、MB1は金属イオンを表す。YB11、YB14、YB15およびYB18は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB12、YB13、YB16およびYB17はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB11、LB12、LB13、LB14は連結基を表す。QB11、QB12はMB1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(B−1)について詳細に説明する。
一般式(B−1)中、MB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14、QB11、QB12は、それぞれ対応する、一般式(A−1)中における、MA1、YA11、YA14、YA15、YA18、YA12、YA13、YA16、YA17、LA11、LA12、LA13、LA14、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(B−1)で表される化合物は、より好ましくは、下記一般式(B−2)、一般式(B−3)、又は一般式(B−4)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(B−2)中、MB2は金属イオンを表す。YB21、YB24、YB25およびYB28は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB22、YB23、YB26およびYB27はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB21、LB22、LB23、LB24は連結基を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(B−3)中、MB3は金属イオンを表す。YB31、YB34、YB35およびYB38は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB32、YB33、YB36およびYB37は、それぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB31、LB32、LB33、LB34は連結基を表す。ZB31、ZB32、ZB33およびZB34は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(B−4)中、MB4は金属イオンを表す。YB41、YB44、YB45およびYB48は、それぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。YB42、YB43、YB46およびYB47はそれぞれ独立に置換または無置換の炭素原子、置換または無置換の窒素原子、酸素原子、硫黄原子を表す。LB41、LB42、LB43、LB44は連結基を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XB41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(B−2)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−2)中、MB2、YB21、YB24、YB25、YB28、YB22、YB23、YB26、YB27、LB21、LB22、LB23、LB24はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26は、それぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB21、ZB22、ZB23、ZB24、ZB25およびZB26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−3)中、MB3、YB31、YB34、YB35、YB38、YB32、YB33、YB36、YB37、LB31、LB32、LB33、LB34はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B31、ZB32、ZB33、およびZB34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB31、ZB32、ZB33、およびZB34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(B−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(B−4)中、MB4、YB41、YB44、YB45、YB48、YB42、YB43、YB46、YB47、LB41、LB42、LB43、LB44はそれぞれ対応する、一般式(B−1)中のMB1、YB11、YB14、YB15、YB18、YB12、YB13、YB16、YB17、LB11、LB12、LB13、LB14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
B41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZB41、ZB42、ZB43、ZB44、ZB45およびZB46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
B41、XB42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XB41、XB42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(B−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、一般式(C−1)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(C−1)中、MC1は金属イオンを表す。RC11、RC12は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。RC13、RC14は、それぞれ独立に、水素原子、互いに連結して五員環を形成する置換基、または互いに連結することの無い置換基を表す。GC11、GC12は、それぞれ独立に、窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。LC11、LC12は連結基を表す。QC11、QC12はMC1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−1)について詳細に説明する。
一般式(C−1)中、MC1、LC11、LC12、QC11、QC12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C11、GC12は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは窒素原子、無置換の炭素原子であり、より好ましくは窒素原子である。
C11、RC12はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC11、RC12は互いに連結して五員環を形成してもよい。RC13、RC14はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RC13、RC14は互いに連結して五員環を形成してもよい。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、
アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、
ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
C11、RC12、RC13およびRC14で表される置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、RC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基であり、特に好ましくはRC11とRC12、RC13とRC14が互いに結合して五員環を形成する基である。
一般式(C−1)で表される化合物は、より好ましくは一般式(C−2)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(C−2)中、MC2は金属イオンを表す。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC21、GC22は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC21、LC22は連結基を表す。QC21、QC22はMC2に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(C−2)について詳細に説明する。
一般式(C−2)中、MC2、LC21、LC22、QC21、QC22、GC21、GC22はそれぞれ対応する、一般式(C−1)におけるMC1、LC11、LC12、QC11、QC12、GC11、GC12と同義であり、好ましい範囲も同様である。
C21、YC22、YC23およびYC24は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−2)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(C−3)、一般式(C−4)又は一般式(C−5)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(C−3)中、MC3は金属イオンを表す。
C31、YC32、YC33およびYC34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC31、GC32は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC31、LC32は連結基を表す。ZC31、Z C32、Z C33、Z C34、Z C35およびZ C36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(C−4)中、MC4は金属イオンを表す。
C41、YC42、YC43およびYC44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC41、GC42は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC41、LC42は連結基を表す。ZC41、ZC42、ZC43およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(C−5)中、MC5は金属イオンを表す。
C51、YC52、YC53およびYC54は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。GC51、GC52は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。LC51、LC52は連結基を表す。ZC51、Z C52、Z C53、Z C54、Z C55およびZ C56はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XC51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(C−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−3)中、MC3、LC31、LC32、GC31、GC32はそれぞれ対応する、一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC31、ZC32、ZC33、ZC34、ZC35およびZC36として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(C−4)中、MC4、LC41、LC42、GC41、GC42は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C41、ZC42、ZC43、およびZC44はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC41、ZC42、ZC43、およびZC44として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
一般式(C−5)で表される化合物について詳細に説明する。
C5、LC51、LC52、GC51、GC52は、それぞれ対応する一般式(C−1)における、MC1、LC11、LC12、GC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
C51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZC51、ZC52、ZC53、ZC54、ZC55およびZC56として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
C51、XC52はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XC51、XC52として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(C−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(D−1)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(D−1)中、MD1は金属イオンを表す。
D11、GD12は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。JD11、JD12、JD13およびJD14は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。LD11、LD12は連結基を表す。
一般式(D−1)について詳細に説明する。
一般式(D−1)中、MD1、LD11、LD12はそれぞれ対応する一般式(A−1)中における、MA1、LA11、LA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、GD12は、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D11、JD12、JD13およびJD14は、これらが結合している原子群と共に、含窒素へテロ五員環を形成するのに必要な原子群を表す。
一般式(D−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(D−2)、一般式(D−3)、又は一般式(D−4)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(D−2)中、MD2は金属イオンを表す。
D21、GD22は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表す。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD21、LD22は連結基を表す。
Figure 2006164948
一般式(D−3)中、MD3は金属イオンを表す。
D31、GD32は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D31、YD32、YD33およびYD34は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D31、XD32、XD33およびXD34は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD31−、−C(RD32)RD33−を表す。
D31、RD32およびRD33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD31、LD32は連結基を表す。
Figure 2006164948
一般式(D−4)中、MD4は金属イオンを表す。
D41、GD42は、それぞれ独立に窒素原子、置換または無置換の炭素原子を表す。
D41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD41−、−C(RD42)RD43−を表す。RD41、RD42およびRD43は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。LD41、LD42は連結基を表す。
一般式(D−2)について詳細に説明する。
D2、LD21、LD22、GD21、GD22は、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D21、YD22、YD23およびYD24は、それぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表し、好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。
D21、XD22、XD23およびXD24は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−を表し、好ましくは硫黄原子、−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、より好ましくは−NRD21−、−C(RD22)RD23−であり、さらに好ましくは−NRD21−である。
D21、RD22およびRD23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。RD21、RD22およびRD23で表される置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、置換カルボニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、メトキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、等が挙げられる。)、置換スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、
ヘテロ環基(脂肪族ヘテロ環基、芳香族ヘテロ環基がある。好ましくは、酸素原子、硫黄原子、窒素原子のいずれかを含み、好ましくは炭素数1〜50、より好ましくは炭素数1〜30、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばイミダゾリル、ピリジル、フリル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、トリアゾリル基等が挙げられる。)等が挙げられる。RD21、RD22およびRD23は好ましくはアルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくはアリール基である。
一般式(D−3)について詳細に説明する。
一般式(D−3)中、MD3、LD31、LD32、GD31、GD32は、それぞれ対応する一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、XD32、XD33およびXD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D31、YD32、YD33およびYD34はそれぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−4)について詳細に説明する。
一般式(D−4)中、MD4、LD41、LD42、GD41、GD42は、それぞれ対応する、一般式(D−1)におけるMD1、LD11、LD12、GD11、GD12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
D41、XD42、XD43およびXD44は、それぞれ対応する一般式(D−2)におけるXD21、XD22、XD23およびXD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YD41、YD42、YD43およびYD44は、それぞれ対応する、一般式(D−2)におけるYD21、YD22、YD23およびYD24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(D−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(E−1)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(E−1)中、ME1は金属イオンを表す。JE11、JE12は五員環を形成するのに必要な原子群を表す。GE11、GE12、GE13およびGE14は、それぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
一般式(E−1)について詳細に説明する。
一般式(E−1)中、ME1は一般式(A−1)におけるMA1と同義であり、また好ましい範囲も同様である。GE11、GE12、GE13およびGE14は一般式(C−1)におけるGC11、GC12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
E11、JE12は、一般式(D−1)におけるJD12〜JD14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。YE11、YE12、YE13およびYE14はそれぞれ対応する、一般式(C−2)におけるYC21〜YC24と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(E−2)、又は一般式(E−3)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(E−2)中、ME2は金属イオンを表す。GE21、GE22、GE23およびGE24はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE21、YE22、YE23、YE24、YE25およびYE26はそれぞれ独立に、窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
E21およびXE22は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE21−、−C(RE22)RE23−を表す。RE21、RE22およびRE23は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
Figure 2006164948
一般式(E−3)中、ME3は金属イオンを表す。GE31、GE32 、GE33およびGE34はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。YE31、YE32、YE33、YE34、YE35およびYE36はそれぞれ独立に窒素原子、置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XE31およびXE32は、それぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、−NRE31−、−C(RE32)RE33−を表す。RE31、RE32およびRE33は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
一般式(E−2)について詳細に説明する。
一般式(E−2)中、ME2、GE21、GE22、GE23、GE24、YE21、YE22、YE23、YE24は、それぞれ対応する一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、YE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE21、XE22は一般式(D−2)におけるXD21、XD22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−3)について詳細に説明する。
一般式(E−3)中、ME3、GE31、GE32、GE33、GE34、YE31、YE32、YE33、YE34は、それぞれ対応する、一般式(E−1)におけるME1、GE11、GE12、GE13、GE14、YE11、YE12、YE13、YE14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。XE31、XE32は対応する、一般式(E−2)におけるXE21、XE22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(E−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
本発明における金属錯体の内、好ましい化合物の一つは、下記一般式(F−1)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(F−1)中、MF1は金属イオンを表す。LF11、LF12およびLF13は連結基を表す。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。QF11、QF12はMF1に共有結合で結合する原子を含有する部分構造を表す。
一般式(F−1)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−1)中、MF1、LF11、LF12、LF13、QF11、QF12はそれぞれ対応する、一般式(A−1)におけるMA1、LA11、LA12、LA13、QA11、QA12と同義であり、また好ましい範囲も同様である。RF11、RF12、RF13およびRF14は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、RF11とRF12、RF12とRF13、RF13とRF14は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF11とRF12、RF13とRF14が形成する環は五員環である。RF11、RF12、RF13およびRF14で表される置換基としては、それぞれ対応する一般式(C−1)におけるRC11〜RC14で表される置換基として挙げたものが適用できる。RF11、RF12、RF13およびRF14として好ましくは、RF11とRF12、RF13とRF14が互いに結合して五員環を形成する基もしくは、RF12とRF13が互いに結合して芳香環を形成する基である。
一般式(F−1)で表される化合物は、より好ましくは下記一般式(F−2)、一般式(F−3)、又は一般式(F−4)で表される化合物である。
Figure 2006164948
一般式(F−2)中、MF2は金属イオンを表す。LF21、LF22およびLF23は連結基を表す。RF21、RF22、RF23およびRF24は置換基を表し、RF21とRF22、RF22とRF23、RF23とRF24は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF21とRF22、RF23とRF24が形成する環は五員環である。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(F−3)中、MF3は金属イオンを表す。LF31、LF32およびLF33は連結基を表す。RF31、RF32、RF33およびRF34は置換基を表し、RF31とRF32、RF32とRF33、RF33とRF34は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF31とRF32、RF33とRF34が形成する環は五員環である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。
Figure 2006164948
一般式(F−4)中、MF4は金属イオンを表す。LF41、LF42およびLF43は連結基を表す。RF41、RF42、RF43およびRF44は置換基を表し、RF41とRF42、RF42とRF43、RF43とRF44は可能であれば互いに連結して環を形成してもよいが、RF41とRF42、RF43とRF44が形成する環は五員環である。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45、およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。XF41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。
一般式(F−2)で表される化合物について詳細に説明する。
F2、LF21、LF22、LF23、RF21、RF22、RF23およびRF24はそれぞれ対応する一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF21、ZF22、ZF23、ZF24、ZF25およびZF26として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−3)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−3)中、MF3、LF31、LF32、LF33、RF31、RF32、RF33およびRF34はそれぞれ対応する、一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF31、ZF32、ZF33およびZF34として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
一般式(F−4)で表される化合物について詳細に説明する。
一般式(F−4)中、MF4、LF41、LF42、LF43、RF41、RF42、RF43およびRF44は一般式(F−1)におけるMF1、LF11、LF12、LF13、RF11、RF12、RF13およびRF14と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
F41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46はそれぞれ独立に窒素原子または置換もしくは無置換の炭素原子を表す。ZF41、ZF42、ZF43、ZF44、ZF45およびZF46として好ましくは置換もしくは無置換の炭素原子であり、より好ましくは無置換の炭素原子である。炭素原子に置換される置換基としては一般式(A−1)におけるLA11、LA12、LA13、LA14で表される二価の連結基の置換基としてあげたものが適用できる。
F41、XF42はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、置換もしくは無置換の窒素原子を表す。XF41、XF42として好ましくは酸素原子、硫黄原子であり、より好ましくは酸素原子である。
一般式(F−1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
Figure 2006164948
前記一般式(A−1)〜(F−1)で表される化合物は公知の方法により合成することができる。
次に、本発明の有機電界発光素子の構成に関して説明する。
本発明の有機電界発光素子は、基板上に設けられた、陽極、陰極の一対の電極間に、少なくとも一層の有機層を有して構成される。該有機層は少なくとも一層の発光層を含み、発光層以外の他の有機層としては正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などが挙げられる。
また、これらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよく、同層が積層されいてもよい。各層の形成には、それぞれ種々の材料を用いることができる。また、その他の層として保護層等を設けても良い。
<陽極>
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。
具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。
陽極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、上述した、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。透明樹脂基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料が挙げられる。
基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には、材料によって種々の方法が用いられるが、例えば、ITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は、洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
<陰極>
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
陰極は、上記化合物及びそれらの混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及びそれらの混合物を含む積層構造を採ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。
陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は、低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
<有機層>
本発明における有機層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、前述の製造方法を用いて製造される素子であり、少なくとも一層の発光層を含む有機層を有している。前述の通り、発光層以外に他の有機層を有していても良く、好ましく用いられる他の有機層としては、前記正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、及び電子注入層の他、電荷ブロック層、励起子ブロック層等の各層が挙げられる。
該3座以上の配位子を有する金属錯体(本発明の金属錯体)を含有する有機層は、蒸着法により蒸着して形成されるが、特に、該層が発光層であることが好ましい。
該本発明の金属錯体を含有しない他の有機層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に成膜することができるが、均一で一定の膜厚の薄膜が形成できる点で、蒸着法が好ましい。
本発明における3座以上の配位子を有する金属錯体を含有する有機層中の該金属錯体の含有率は、特に限定されず用いることができるが、耐久性、発光効率の観点から、全固形物質量に対して0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく2質量%〜12質量%が特に好ましい。本発明の化合物を含む有機層が複数層である場合は、個々の層が前記範囲となることが耐久性、発光効率の点で好ましい。
(発光層)
発光層は、電界印加時に、陽極、又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、又は電子注入層、電子輸送層から電子を受取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層としては、より優れた性能を得るために、あるいは高濃度の発光材料中で凝集が起こり励起状態が無輻射失活する現象(濃度消光)を防ぐために、電荷輸送機能と発光機能を分離して、発光材料をドーパントとして電荷輸送材料(ホスト材料)中にドープする態様であることが好ましい。
−電荷輸送材料(ホスト材料)−
発光層に適用されるホスト材料は、化合物を単独で用いることもできるが、複数の化合物を混合して使用しても良い。
ホスト材料としては、例えば、カルバゾールおよびその誘導体(例えば「アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)」、1999、第74巻、第3号、p.442に記載のもの)、トリベンゾアゼピンおよびその誘導体(特開平10−59943号、同10−219241号、同10−316875号、同10−324680号、同10−330365号、特開2001−97953号)、トリアゾールおよびその誘導体(米国特許第3112197号)、オキサゾールおよびその誘導体(米国特許第3257203号)、イミダゾールおよびその誘導体(特公昭37−16096号)、ポリアリールアルカンおよびその誘導体(米国特許第3615402号、同3820989号、同3542544号、特公昭45−555号、同51−10983号、特開昭51−93224号、同55−17105号、同56−4148号、同55−108667号、同55−156953号、同56−36656号)、ポリアリールベンゼノイドおよびその誘導体(特開平10−255985号、特開2002−260861号)、アリールアミンおよびその誘導体(米国特許第3567450号、同3180703号、同3240597号、同3658520号、同4232103号、同4175961号、同4012376号、特公昭49−35702号、同39−27577号、特開昭55−144250号、同56−119132号、同56−22437号、西独特許第1110518号)、スチリルアントラセンおよびその誘導体(特開昭56−46234号)、スチルベンおよびその誘導体(特開昭61−210363号、同61−228451号、同61−14642号、同61−72255号、同62−47646号、同62−36674号、同62−10652号、同62−30255号、同60−93445号、同60−94462号、同60−174749号、同60−175052号)、芳香族第三アミン化合物及びスチリルアミン化合物(特開昭63−295695号、同53−27033号、同54−58445号、同54−149634号、同54−64299号、同55−79450号、同55−144250号、同56−119132号、同61−295558号、同61−98353号、特開平8−239655号、米国特許第4127412号)、芳香族ジメチリデン系化合物(特開平6−330034号)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3180729号、同4278746号、特開昭55−88064号、同55−88065号、同49−105537号、同55−51086号、同56−80051号、同56−88141号、同57−45545号、同54−112637号、同55−74546号)、フェニレンジアミンおよびその誘導体(米国特許第3615404号、特公昭51−10105号、同46−3712号、同47−25336号、特開昭54−53435号、同54−110536号、同54−119925号)、アミノ置換カルコンおよびその誘導体(米国特許第3526501号)、フルオレノンおよびその誘導体(特開昭54−110837号)、ヒドラゾンおよびその誘導体(米国特許第3717462号、特開昭54−59143号、同55−52063号、同55−52064号、同55−46760号、同55−85495号、同57−11350号、同57−148749号)、シラザンおよびその誘導体(米国特許第4950950号)、ポルフィリン系化合物(特開昭63−295695号)、アントラキノジメタンおよびその誘導体及びアントロンおよびその誘導体(特開昭57−149259号、同58−55450号、同63−104061号、特開昭61−225151号、同61−233750号)、ジフェノキノンおよびその誘導体やチオピランジオキシドおよびその誘導体及びカルボジイミドおよびその誘導体(「ポリマー プレプリンツ、ジャパン(Polymer Preprints,Japan)」、1988、第37巻、第3号、p.681)、フルオレニリデンメタンおよびその誘導体(特開昭60−69657号、同61−143764号、同61−148159号))、ジスチリルピラジンおよびその誘導体(「ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)」、1990、p.189、特開平2−252793号、特開平5−178842号)、複素環テトラカルボン酸無水物およびその誘導体(「ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)」、1988、27巻、L269)、ポルフィリンやフタロシアニンおよびその誘導体(特開昭63−2956965号)、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体(「電子情報通信学会論文誌」、1990、C−2、p.661)、ベンゾオキサゾールおよびその誘導体を配位子とする金属錯体、及びベンゾチアゾールおよびその誘導体を配位子とする金属錯体等が挙げられる。
また、ホスト材料の三重項励起状態から発光材料へのエネルギー授受が効率的に行われるためには、ホスト材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。発光材料のT1レベルはその発光波長が短いほど高くなるので、短波な発光素子用の発光層では高T1のホスト材料が好ましく、一方でT1はホスト材料の最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)に関連し、これらは電荷の注入や輸送の能力に関わる(一般にHOMOとLUMOのエネルギー差が大きいほど電荷が注入されにくく、電気的に絶縁性が高くなる)ため、最適なT1レベルのホスト材料を選択することが重要である。
特に、発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の発光層ホスト材料のT1レベルとしては、62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
本発明の発光層を構成する材料としては、蒸着法により形成するという観点から、分子量3000以下の材料のみを含有することが好ましく、200以上2000以下であることがより好ましい。特に、ポリマーやオリゴマーといった高分子材料は揮発性が低く蒸着が難しい上に、材料自体が分子量分布を有しており、再現性の良い発光が得にくいため好ましくない。
分子量3000を超える高分子化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が難しくなり真空蒸着による薄膜形成が困難の傾向となる。
特に、200以上2000以下の範囲外の物質を選択すると、分子量200以下の低分子量化合物は揮発性が高すぎて真空蒸着に際して薄層形成することが難しく、分子量2000超える高分子量化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が困難である傾向となるためである。
また、蒸着の容易性から、発光層を構成する材料はイオン性化合物ではなく、中性分子化合物であることが好ましい。
蒸着により形成された発光層薄膜は、剥離やピンホール等の欠陥が無い均一な非結晶性薄膜(アモルファス膜)であることが好ましく、経時や熱による再結晶化が起こると発光素子の性能変化や劣化に繋がるため、融点及びガラス転位温度(Tg)は、高いことが好ましい。発光層を構成する材料の融点としては、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは250℃以上、Tgは好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。
上記のような要求性能を満たすホスト材料としては、T1レベルが高く、結晶化が起こりにくく、励起状態の寿命が長く発光効率の高さが期待できるカルバゾール誘導体が最も好ましい。
−発光材料−
本発明においては、上述のように本発明の金属錯体を使用するが、単一化合物として用いても複数用いても良い。また、他の発光材料と併用して用いることもできる。併用してもよい他の発光材料としては、一重項励起子から発光する蛍光発光性化合物、又は、三重項励起子から発光する燐光発光性化合物のいずれであってもよい。
本発明において併用して使用できる発光材料の例としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリデン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体及び白金ポルフィリン錯体等の遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
発光層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層は単一の層であっても複数層であってもよく、それぞれの発光層が異なる発光色で発光して、全体として例えば白色を発光してもよいし、単一の発光層から白色を発光してもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層は単一材料で形成されていてもよいし、複数の化合物で形成されていてもよい。例えば、ホスト材料と発光材料とを含む混合系の場合であれば、ホスト材料は単一であっても複数種の混合であってもよい。発光材料も単一であっても複数種の混合であってもよい。
本発明における発光層中における3座以上の配位子を有する金属錯体の含有率は特に限定されず用いることができるが、耐久性、発光効率の観点から、全固形物質量に対して0.1質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく2質量%〜12質量%が特に好ましい。
前記ホスト材料の含有率は特に限定されず用いることができるが、全固形物質量に対して、80質量%〜99.9質量%が好ましく、85質量%〜99質量%がより好ましく88質量%〜98質量%が特に好ましい。
次に、本発明に好ましく用いられる他の有機層について説明する。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層に含まれる材料としては、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
正孔注入層、正孔輸送層を構成する材料としては、トリベンゾアゼピンおよびその誘導体、トリアゾールおよびその誘導体、オキサゾールおよびその誘導体、オキサジアゾールおよびその誘導体、イミダゾールおよびその誘導体、ポリアリールアルカンおよびその誘導体、ポリアリールベンゼンおよびその誘導体、アリールアミンおよびその誘導体、スチリルアントラセンおよびその誘導体、スチルベンおよびその誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、8−キノリノールおよびその誘導体の金属錯体、ピラゾリンおよびその誘導体、ピラゾロンおよびその誘導体、フェニレンジアミンおよびその誘導体、アミノ置換カルコンおよびその誘導体、フルオレノンおよびその誘導体、ヒドラゾンおよびその誘導体、シラザンおよびその誘導体、ポルフィリン系化合物及び本発明の金属錯体、の群から選択される1種以上であることが好ましい。これらの化合物の好ましい例は前記併用可能なホスト材料の項で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
さらに、正孔輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が正孔輸送層へ移動しないように正孔輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層に含まれるホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす正孔輸送材料としては、特開2002−100476号公報に記載の正孔輸送材料が好ましく、好ましい範囲も同公報に記載のとおりである。
前記の化合物群のうちトリベンゾアゼピン誘導体は高T1で高い発光効率が期待でき、アリールアミン誘導体は高い安定性により耐久性向上が期待できるため、この両者から正孔輸送材料を選択することがより好ましい。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
正孔注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
正孔輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記本発明の金属錯体を含有するときの正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、蒸着法により形成するが、それを含有しないときは、特に限定されず、真空蒸着法以外に、LB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いることができる。
コーティング法の場合、該正孔注入輸送材料を樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
前記の層形成方法の中でも、正孔輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また正孔輸送層を蒸着法で設置する場合、正孔輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層に含まれる材料としては、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
電子注入層、電子輸送層に用いうる材料の具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、本発明の金属錯体、及び、それらの誘導体等が挙げられる。これらの化合物の好ましい例は、前記ホスト材料の説明で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
また、本発明の有機電界発光素子は、陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、発光層に隣接してイオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。前記陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を設けることにより正孔が発光層を貫通して電子輸送層に流れ込むことによる発光効率低下や耐久性悪化を防止することができる。
さらに、電子輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が電子輸送層へ移動しないように電子輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層ホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす他の電子輸送材料としては、特開2002−100476号公報に記載の電子輸送材料が挙げられ、その好ましい範囲も同公報に記載の通りである。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
電子注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
前記本発明の金属錯体を含有するときの電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、前記蒸着法により形成するが、それを含有しないときは、特に限定されず、真空蒸着法以外に、LB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いることができる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
前記の層形成方法の中でも、電子輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また、電子輸送層を蒸着法で設置する場合、電子輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(電荷発生層)
本発明の有機EL素子は、発光効率を向上させるため、複数の発光層の間に電荷発生層が設けた構成をとることが好ましい。
上記構成の有機EL素子は複数の発光層を有するが、本発明の製造方法で製造することにより、蒸着材料を交換することなく製造できるので、複数の発光層を有する素子の製造の簡便性をはかることができ、かつ同一の蒸着材料を複数回蒸着に使用することにより性能変化が小さいため、発光効率の高い素子を提供できると言う点で好ましい。
前記電荷発生層は、電界印加時に電荷(正孔及び電子)を発生する機能を有すると共に、発生した電荷を電荷発生層と隣接する層に注入させる機能を有する層である。
前記電荷発生層を形成する材料は、上記の機能を有する材料であれば何でもよく、単一化合物で形成されていても、複数の化合物で形成されていてもよい。
具体的には、導電性を有するものであっても、ドープされた有機層のように半導電性を有するものであっても、また、電気絶縁性を有するものであってもよく、特開平11−329748号公報[0024]〜[0025]や、特開2003−272860号公報[0012]〜[0021]、[0034]〜[0044]や、特開2004−39617号公報[0027]〜[0035]に記載の材料が挙げられる。
更に具体的には、ITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)などの透明導電材料、C60等のフラーレン類、オリゴチオフェン等の導電性有機物、金属フタロシアニン類、無金属フタロシアニン類、金属ポルフィリン類、無金属ポルフィリン類等などの導電性有機物、Ca、Ag、Al、Mg:Ag合金、Al:Li合金、Mg:Li合金などの金属材料、正孔伝導性材料、電子伝導性材料、及びそれらを混合させたものを用いてもよい。
前記正孔伝導性材料は、例えば2−TNATA、NPDなどの正孔輸送有機材料にF4−TCNQ、TCNQ、FeCl3などの電子求引性を有する酸化剤をドープさせたものや、P型導電性高分子、P型半導体などが挙げられ、前記電子伝導性材料は電子輸送有機材料に4.0eV未満の仕事関数を有する金属もしくは金属化合物をドープしたものや、N型導電性高分子、N型半導体が挙げられる。N型半導体としては、N型Si、N型CdS、N型ZnSなどが挙げられ、P型半導体としては、P型Si、P型CdTe、P型CuOなどが挙げられる。
また、前記電荷発生層として、V25などの電気絶縁性材料を用いることもできる。
前記電荷発生層は、単層でも複数積層させたものでもよい。複数積層させた構造としては、透明伝導材料や金属材料などの導電性を有する材料と正孔伝導性材料、または、電子伝導性材料を積層させた構造、上記の正孔伝導性材料と電子伝導性材料を積層させた構造の層などが挙げられる。
前記電荷発生層は、一般に、可視光の透過率が50%以上になるよう、膜厚・材料を選択することが好ましい。また膜厚は、特に限定されるものではないが、0.5〜200nmが好ましく、1〜100nmがより好ましく、3〜50nmがさらに好ましく、5〜30nmが特に好ましい。
電荷発生層の形成方法は、特に限定されるものではなく、前述した有機化合物層の形成方法を用いることができる。
電荷発生層は前記二層以上の発光層間に形成するが、電荷発生層の陽極側および陰極側には、隣接する層に電荷を注入する機能を有する材料を含んでいても良い。陽極側に隣接する層への電子の注入性を上げるため、例えば、BaO、SrO、Li2O、LiCl、LiF、MgF2、MgO、CaF2などの電子注入性化合物を電荷発生層の陽極側に積層させてもよい。
以上で挙げられた内容以外にも、特開2003−45676号公報、米国特許第6337492号、同第6107734号、同第6872472号等に記載を元にして、電荷発生層の材料を選択することができる。
(保護層)
本発明の有機電界発光素子は、水分や酸素の進入を防止するために保護層を有してもよい。保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxy などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
本発明の発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆる、トップエミッション方式であっても良い。
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用できる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号公報、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明における有機電界発光素子の駆動耐久性は、特定の輝度における輝度半減時間により測定することができる。例えば、KEITHLEY製ソ−スメジャ−ユニット2400型を用いて、直流電圧を有機電界発光素子に印加して発光させ、初期輝度2000cd/m2の条件で連続駆動試験をおこない、輝度が1000cd/m2になった時間を輝度半減時間T(1/2)として、該輝度半減時間を従来発光素子と比較することにより求めることができる。本発明においてはこの数値を用いた。
この有機電界発光素子の重要な特性値として、外部量子効率がある。外部量子効率は、「外部量子効率φ=素子から放出されたフォトン数/素子に注入された電子数」で算出され、この値が大きいほど消費電力の点で有利な素子と言える。
有機電界発光素子の外部量子効率は、「外部量子効率φ=内部量子効率×光取り出し効率」で決まる。有機化合物からの蛍光発光を利用する有機電界発光素子においては、内部量子効率の限界値が25%であり、光取り出し効率が約20%であることから、外部量子効率の限界値は約5%とされている。
素子の外部量子効率としては、消費電力を下げられる点、駆動耐久性を上げられる点で、6%以上が好ましく、12%以上が特に好ましい。
該外部量子効率の数値は、20℃で素子を駆動したときの外部量子効率の最大値、もしくは、20℃で素子を駆動した時の100〜300cd/m 2 付近(好ましくは200cd/m2)での外部量子効率の値を用いることができる。
本発明においては、KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流定電圧をEL素子に印加して発光させ、その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定し、200cd/m2における外部量子効率を算出した値を用いる。
また、発光素子の外部量子効率は、発光輝度、発光スペクトル、電流密度を測定し、その結果と比視感度曲線から算出することができる。すなわち、電流密度値を用い、入力した電子数を算出することができる。そして、発光スペクトルと比視感度曲線(スペクトル)を用いた積分計算により、発光輝度を発光したフォトン数に換算することができる。これらから外部量子効率(%)は、「(発光したフォトン数/素子に入力した電子数)×100」で計算することができる。
本発明について実施例を用いて説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
<サンプル1−1の作成>
厚さ0.7mm、2.5cm角のガラス基板にIn23含有率が95質量%であるITOタ−ゲットを用いて、DCマグネトロンスパッタ(条件:基材温度100℃、酸素圧1×10-3Pa)により、透明陽極としてのITO薄膜(厚み0.2μm)を形成した。ITO薄膜の表面抵抗は10Ω/□であった。
次に、前記透明陽極を形成した基板を洗浄容器に入れ、IPA洗浄した後、これにUV−オゾン処理を30分おこなった。
続いて、前記透明陽極を形成した基板を真空蒸着装置に設置し、この透明陽極上に銅フタロシアニンを真空蒸着法にて、0.5nm/秒の速度で膜厚10nmの正孔注入層を設けた。
その上に、4,4',4"−トリス(2−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)を真空蒸着法にて0.5nm/秒の速度で膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。
この上に発光層として、本発明の金属錯体EM−1(前記一般式(I)で表される化合物(83)に相当)、ホスト材料として化合物H−1および化合物E−1を真空蒸着法にて8/50/42の割合で共蒸着して、膜厚30nmの発光層を設けた。金属錯体の収納容器にはタングステン製の金属ボートを用い、抵抗加熱により加熱し、蒸着した。
発光層の上に、電子輸送層中の電子輸送材料としてBalq2を真空蒸着法にて0.5nm/秒の速度で膜厚10nm蒸着し、その上に、電子輸送材料としてAlq3を真空蒸着法にて0.2nm/秒の速度で蒸着して膜厚35nmの電子輸送層を設けた。真空度は0.8×10-4Paであった。
さらにこの電子輸送層上にパタ−ニングしたマスク(発光面積が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、フッ化リチウムを真空蒸着法にて蒸着して1nmの電子注入層を設けた。
この上にアルミニウムを真空蒸着法にて蒸着し0.15μmの陰極を設けた。
前記陽極及び陰極より、それぞれアルミニウムのリ−ド線を結線し、発光積層体を形成した。
得られた発光積層体をアルゴンガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、乾燥剤を設けたステンレス製の封止缶および紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ製)を用いて封止し、サンプル1−1を得た。
上記の銅フタロシアニンの蒸着から封止までの作業は、真空または窒素雰囲気下で行い、大気に暴露することなく素子作製を行った。
Figure 2006164948
<サンプル1−2〜1−5の作成>
サンプル1−1の作成に続いて、金属錯体の収納容器中の本発明の金属錯体EM−1を交換や補充することなく、それぞれ、2回,3回,10回,30回くり返し使用して、サンプル1−2〜1−5を作成した。金属錯体EM−1をくり返し使用する以外の条件は、サンプル1−1の作成と同様に行った。
<サンプル2−1〜2−5の作成>
サンプル1−1〜1−5の作成において、金属錯体EM−1の代わりにEM−2を使用した以外は、サンプル1−1〜1−5と同様に行い、サンプル2−1〜2−5を得た。
Figure 2006164948
(比較例1)
<サンプル3−1〜3−5の作成>
サンプル1−1〜1−5の作成において、金属錯体EM−1の代わりにFIrpic(2座配位子錯体)を使用した以外は、サンプル1−1〜1−5と同様に行い、サンプル3−1〜3−5を得た。
Figure 2006164948
[評価]
上記により得られた発光素子を用いて、以下の方法で外部量子効率を測定した。
−外部量子効率−
作製した発光素子の発光スペクトルの波形は、浜松フォトニクス社製のマルチ・チャンネル・アナライザーPMA−11を用いて測定した。この測定データより発光ピークの波長の値を求めた。更に、この発光スペクトルの波形と測定時の電流・輝度(200cd/m2)から外部量子効率を計算し、下記の基準に従い評価した。結果は、下記表1に記載した。
[評価基準]
◎:10%以上
○:5%以上10%未満
△:3%以上5%未満
×:3%未満
−駆動耐久性試験−
KEITHLEY製ソ−スメジャ−ユニット2400型を用いて、初期輝度300cd/m2になるように直流電圧を有機電界発光素子に印加し、連続駆動試験をおこない、輝度が150cd/m2になった時間を輝度半減時間T(1/2)とした。該輝度半減時間を下記の評価基準に従い評価した。
[評価基準]
◎:300hr以上
○:150hr以上300hr未満
△:100hr以上150未満
×:100hr未満
Figure 2006164948
表1より明らかな通り、蒸着回数2回以降の本発明の有機電界発光素子の製造方法により得られた素子は、蒸着回数1回のものと同様に、発光効率、耐久性に優れ、かつ蒸着繰り返し変動に対する性能変動が少なく優れていることが理解できる。
(実施例2)
<サンプル4−1〜4−5の作成>
長時間連続蒸着のシミュレートのために、下記の通りサンプル4−1〜4−5を作成し、評価を行った。すなわち、金属錯体を蒸着温度であらかじめ所望の時間加熱した後、素子作成の蒸着に用いることで、長時間連続蒸着時の性能を評価する方法である。
サンプル1−1の作成方法において、金属錯体EM-1を蒸着する前に、下記表2に示した時間、金属錯体EM-1の蒸着温度で加熱(以後、「前加熱」と称する)した後、前記金属錯体の蒸着を行った。前加熱の間は基板に蒸着されないようにシャッターを用いて遮蔽し、所望の時間、前加熱した後、シャッターを開けて蒸着を行った。それ以外はサンプル1−1と同様に作成、評価した。
<サンプル5−1〜5−5の作成>
サンプル4−1〜4−5の作成において、金属錯体EM−1の代わりにEM−2を使用した以外は、サンプル4−1〜4−5と同様に行い、サンプル5−1〜5−5を得た。
上記により得られた発光素子を用いて、実施例1と同様にして評価した。結果を下記表2に示した。
Figure 2006164948
上記表2より明らかなように、本発明の有機電界発光素子の製造方法により得られた素子は、前加熱による性能変動が少なく優れていることが分かる。
(実施例3)
上記実施例1のサンプル1−1において、有機電界発光素子の構成を下記構成A〜Cに変更して発光光源を作製し、実施例1と同様に、良好な結果を得ることができる。
ここで、サンプル作成の際には、金属錯体の収納容器中の本発明の金属錯体EM−1を交換や補充することなく、くり返し使用する。
<構成A>
(陽極)ITO(基板)
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[40nm]
(電子注入層)MgAg(10:1)[5nm],Ag[5nm]
(電荷発生層)ITO[20nm]
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[40nm]
(電子注入層)LiF[0.5nm]
(陰極)Al[100nm]
<構成B>
(陽極)ITO(基板)
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[30nm]
(電子注入層)Alq−Li(1:1)[10nm]
(電荷発生層)V25[20nm]
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[40nm]
(電子注入層)LiF[0.5nm]
(陰極)Al[100nm]
<構成C>
(陽極)ITO(基板)
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[30nm]
(電子注入層)MgAg(10:1)[5nm],Ag[5nm]
(電荷発生層)2TNATA(99.7%),F4TCNQ(0.3%)の混合層[30nm]
(正孔注入層)CuPc(銅フタロシアニン)[10nm]
(正孔輸送層)NPD[30nm]
(発光層)mCP(95%),EM−1(5%)の混合層[30nm]
(正孔ブロック層)Balq2[10nm]
(電子輸送層)Alq3[40nm]
(電子注入層)LiF[0.5nm]
(陰極)Al[100nm]
上記で用いた、CuPC、mCP、NPD、2TNATA、F4TCNQの構造を以下に示す。
Figure 2006164948
Figure 2006164948
尚、上記実施例3の有機電界発光素子の層構成Bを図1に記載のような層構成とすることにより、電荷発生層を多層有する有機電界発光素子として得ることができる。発光層を含む有機層3,5,7,9は同一層構成であっても異なっていてもよい。電荷発生層4,6,8は同一層構成であっても異なっていてもよい。
本発明の電荷発生層を有する有機電界発光素子の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3、5、7、9 発光層を含む有機層
4、6、8 電荷発生層
10 陰極
20 有機電界発光素子
21 電源

Claims (11)

  1. 一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の有機層の製造方法であって、3座以上の配位子を有する金属錯体を少なくとも一種含有する蒸着材料を蒸着される基板に蒸着する工程を有し、該蒸着材料を交換することなく、2回以上連続して該蒸着工程に用いることを特徴とする有機電界発光素子の有機層の製造方法。
  2. 前記蒸着する工程は、前記真空蒸着装置に設置された前記蒸着材料を2時間以上100時間以下交換することなく前記基板に蒸着を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
  3. 前記3座以上の配位子が、鎖状配位子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
  4. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
    Figure 2006164948
    (一般式(I)中、M11は金属イオンを表し、L11〜L15はそれぞれM11に配位する配位子を表す。L11とL14との間に原子群がさらに存在して環状配位子を形成することは無い。L15はL11及びL14の両方と結合して環状配位子を形成することはない。Y11、Y12、Y13はそれぞれ連結基、単結合、または二重結合を表す。また、Y11、Y12、又はY13が連結基である場合、L11とY12、Y12とL12、L12とY11、Y11とL13、L13とY13、Y13とL14の間の結合は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。n11は0〜4を表す。)
  5. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(II)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
    Figure 2006164948
    (一般式(II)中、MX1は金属イオンを表す。QX11〜QX16はMX1に配位する原子またはMX1に配位する原子を含んだ原子群を表す。LX11〜LX14は単結合、二重結合または連結基を表す。すなわち、QX11−LX11−QX12−LX12−QX13からなる原子群およびQX14−LX13−QX15−LX14−QX16からなる原子群はそれぞれ三座の配位子である。MX1とQX11〜QX16との結合は、それぞれ配位結合でも共有結合でもよい。)
  6. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体が、下記一般式(III)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
    Figure 2006164948
    (一般式(III)中、Q11は含窒素へテロ環を形成する原子群を表し、Z11、Z12、Z13はそれぞれ置換又は無置換の、炭素原子又は窒素原子を表し、MY1は更に配位子を有しても良い金属イオンを表す。)
  7. 前記3座以上の配位子を有する金属錯体中の金属イオンが、白金イオン、イリジウムイオン、レニウムイオン、パラジウムイオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオン、および銅イオンの群から選ばれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法。
  8. 一対の電極間に少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、該少なくとも一層の有機層は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子の有機層の製造方法を用いて形成されることを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の有機電界発光素子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする有機電界発光素子。
  10. 有機電界発光素子が、一対の電極間に二層以上の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子の製造方法であって、前記二層以上の発光層間に電荷発生層を有することを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子の製造方法。
  11. 請求項10に記載の有機電界発光素子の製造方法を用いて製造されることを特徴とする有機電界発光素子。
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