JP2006164632A - シールドコネクタ - Google Patents

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Tetsuya Shinozaki
哲也 篠崎
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Abstract


【課題】 シールドシェル同士の接続部分おけるノイズの漏出を防止する。
【解決手段】 互いに嵌合可能な一対のハウジング10,30の双方に、端子金具14,33を収容するとともに、端子金具14,33を包囲する形態のシールドシェル25,34を取り付けた。両ハウジング10,30を嵌合すると、第1シールドシェル25に第2シールドシェル34が内嵌され、双方のシールドシェル25,34同士が接触する。第1シールドシェル25の内周面に設けた当接面28に対して、第2シールドシェル34の前端縁34Fが当接するようにしたので、双方のシールドシェル25,34の接続部分において隙間が生じることがなく、シールドシェル25,34外へのノイズの漏出が防止される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、シールドコネクタに関するものである。
シールドコネクタとして、互いに嵌合可能な一対のハウジング内に端子金具を収容するとともに、双方のハウジングに端子金具を包囲する形態のシールドシェルを取り付け、両ハウジングを嵌合したときに一方のハウジングのシールドシェルが他方のハウジングのシールドシェルに内嵌され、双方のシールドシェルの周面同士が接触するようにしたものがある。尚、シールドコネクタとしては、特許文献1に開示されているもの等がある。
特開2004−171832公報
上記のようにシールドシェルの周面同士を接触させるシールドコネクタでは、一方のシールドシェルの外周面と他方のシールドシェルの内周面との間に僅かな隙間が生じることは避けられないため、この隙間からノイズがシールドシェル外へ漏出することが懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シールドシェル同士の接続部分おけるノイズの漏出を防止することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、互いに嵌合可能な一対のハウジングの双方に、端子金具と、前記端子金具を包囲する形態のシールドシェルを取り付け、前記一対のハウジングを嵌合したときに一方の前記シールドシェルに他方の前記シールドシェルが内嵌され、双方のシールドシェル同士が接触するようにしたシールドコネクタにおいて、前記一方のシールドシェルの内周面には、前記他方のシールドシェルの前端縁を当接させる当接手段が設けられている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記一方のシールドシェルの前端部がテーパ状に形成され、このテーパ状領域の周面が前記当接手段とされているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記当接手段が、前記一方のシールドシェルを全周に亘ってリブ状に叩き出した形態とされているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
一方のシールドシェルの内周面に設けた当接手段に対して、他方のシールドシェルの前端縁が当接するようにしたので、双方のシールドシェルの接続部分において隙間が生じることがなく、シールドシェル外へのノイズの漏出が防止される。
<請求項2の発明>
当接手段がテーパ状をなしているので、他方のシールドシェルの前端部が少々変形した場合でも、その変形を矯正しつつ、両シールドシェルを確実に接続させることができる。
<請求項3の発明>
他方のシールドシェルの前端縁が当接手段に対して突き当たることにより、両シールドシェルが接続される。
<実施形態1>
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図7を参照して説明する。
本実施形態のシールドコネクタCaは、嵌合・離脱を可能とされた第1ハウジング10(本発明の構成要件である一方のハウジング)と第2ハウジング30(本発明の構成要件である他方のハウジング)とからなる。
第1ハウジング10は、合成樹脂製であり、左右に並ぶとともに後端部において互いに連結されたブロック状をなす3つの端子収容部11と、この3つの端子収容部11を包囲する略角筒状の筒状嵌合部12とを一体成形したものである。各端子収容部11内には、夫々、キャビティ13が形成されており、各キャビティ13内には、夫々、後方から第1端子金具14が挿入されている。第1端子金具14の後端には、芯線15aの外周を絶縁被覆15bで包囲した非シールドタイプの電線15が接続されており、この電線15は、端子収容部11の後端面から後方へ導出されている。
筒状嵌合部12は、前後方向において、端子収容部11の前端から、端子収容部11の後端よりも更に後方の位置に至る領域に亘って形成されている。端子収容部11と外周面と筒状嵌合部12との間には、前方に開放されるとともに全周に亘って連続する方形の嵌合空間16が構成されている。筒状嵌合部12内における端子収容部11よりも後方の領域は、図示しないハーネス側シェルの端末部を収容するための収容空間17となっている。尚、ハーネス側シェルは、第1ハウジング10から後方へ導出される3本の電線15をまとめて包囲することで、この3本の電線15を一括してシールドする機能を有する。また、端子収容部11の外周上面及び外周下面の後端部には、夫々、端子収容部11と筒状嵌合部12とを一定の位置関係を保つように連結する連結部18が左右一対ずつ形成されている。
第1ハウジング10には、筒状嵌合部12の左右両外側面に形成した支持軸19を中心として回動可能なレバー20が取り付けられている。レバー20の板状をなす左右両アーム部21は、筒状嵌合部12の外側面に沿って配され、アーム部21の内面(筒状嵌合部12との対向面)にはカム溝22が形成されている。一方、筒状嵌合部12には、その左右両側壁の前端から後方へ直線状に切欠した形態の逃がし溝23が形成され、この逃がし溝23内には第2ハウジング30のカムフォロア36が進入するようになっている。
筒状嵌合部12の内周面(上面及び左右両側面)のうち嵌合空間16の略後半部分と対応する領域は、前方(嵌合空間16の開口側)に向かって端子収容部11の外周から離間するように傾斜したテーパ状受け面24となっている。尚、テーパ状受け面25は、筒状嵌合部12の下面側の内周には形成されていない。
第1ハウジング10には第1シールドシェル25が取り付けられている。第1シールドシェル25は、金属板材(例えば、アルミニウム合金など)に対し、複数回のプレスを繰り返して徐々に変形させる深絞り加工を施すことにより、周方向において継ぎ目のない概ね角筒状に成形されたものである。第1シールドシェル25の上下両面板における略前半部分には、夫々、連結部18と対応する左右一対ずつのスリット26が、上下両面板の前端から後方へ切欠した形態で形成されている。尚、第1シールドシェル25の前端は、筒状嵌合部12の逃がし溝23よりも少し後方に位置する。
かかる第1シールドシェル25は、第1ハウジング10に対し、その後方から筒状嵌合部12の内周に沿うように組み付けられる。組付けの過程では、スリット26が連結部18に嵌合される。そして、第1シールドシェル25が正規の組付位置に達すると、第1シールドシェル25の外周面が筒状嵌合部12の内周面の大部分の領域に密着するとともに、第1シールドシェル25の略前半部分が嵌合空間16の略後半領域内に配され、第1シールドシェル25の略後半部分が収容空間17内に配される。この第1シールドシェル25は、キャビティ13内に挿入されている第1端子金具14の略後半領域と、電線15における筒状嵌合部12内に収容されている領域を、概ね全周に亘って包囲する。
この第1シールドシェル25のうち嵌合空間16内に位置する略前半部分は、前方に向かって拡開した形態のテーパ状領域27となっている。つまり、上面板のテーパ状領域27と下面板のテーパ状領域27の上下方向の間隔が、前方に向かって次第に拡がる形態となっており、左面板のテーパ状領域27と右面板のテーパ状領域27の左右の間隔が、前方に向かって次第に拡がる形態となっている。換言すると、テーパ状領域27は、嵌合空間16の奥に向かって縮径する形態である。かかるテーパ状領域27は、筒状嵌合部12の内周のテーパ状受け面24に対して密着している。そして、テーパ状領域27の内周面は、第2シールドシェル34を当接させるための当接面28(本発明の構成要件である当接手段)となっている。
第2ハウジング30は、合成樹脂製であり、その前端側部分には嵌合空間16内に嵌入されるフード部31が形成されている。フード部31内は、前方に開放された3つの嵌合凹部32に仕切られており、各嵌合凹部32内には、夫々、細長い雄形をなす第2端子金具33の前端部が収容されている。第2ハウジング30の外周には、角筒状をなす第2シールドシェル34がほぼ密着するように取り付けられている。第2シールドシェル34は、上下2つの分割体34a,34bを合体させたものであり、第2ハウジング30の前端から後端に至る全領域をほぼ全周に亘って包囲している。
この第2シールドシェル34の上面板と下面板の上下方向の間隔は全長に亘って一定であり、その間隔の寸法は、第1シールドシェル25の上面板の当接面28と下面板の当接面28の最小上下間隔よりも大きく、且つ第1シールドシェル25の上面板の当接面28と下面板の当接面28の最大上下間隔よりも小さい寸法とされている。一方、第2シールドシェル34の左側面板と右側面板の左右方向の間隔は全長に亘って一定であり、その間隔の寸法は、第1シールドシェル25の左側面板の当接面28と右側面板の当接面28の最小左右間隔よりも大きく、且つ第1シールドシェル25の左側面板の当接面28と右側面板の当接面28の最大左右間隔よりも小さい寸法とされている。
また、第2ハウジング30の左右両外側面には、第1ハウジング10の逃がし溝23に嵌合される嵌合突部35が形成されているともに、嵌合突部35の外側面には、外方へ突出する円柱形のカムフォロア36が形成されている。尚、第2シールドシェル34における嵌合突部35と対応する部分は切欠されている。また、第2ハウジング30の後端部には、第1ハウジング10に取り付けられるハーネス側シェルと同様のハーネス側シェル(図示せず)が取り付けられるようになっている。
次に、本実施形態の作用を説明する。
両ハウジング10,30を嵌合する際には、フード部31を浅く嵌合空間16内に嵌入させるとともに、嵌合凹部32内に端子収容部11を浅く嵌入させる。すると、カムフォロア36がカム溝22の入口に進入するので、この状態からレバー20を回動させると、カムフォロア36とカム溝22との係合によるカム作用により、両ハウジング10,30が互いに引き寄せられて嵌合が進む。嵌合の途中では、第1シールドシェル25の前端部の内側に第2シールドシェル34の前端部が入り込み、両シールドシェル25,34がその周面同士を対向させるように重なり合う状態となる。この状態から更に両ハウジング10,30の嵌合を進めると、両ハウジング10,30が正規嵌合位置に至る直前で、第2シールドシェル34の前端部34Fが第1シールドシェル25のテーパ状をなす当接面28に対して斜めに擦るように当接する。そして、この状態から両ハウジング10,30が正規嵌合位置に至るまでの間、第2シールドシェル34の前端34Fと当接面28との当接状態が保たれる。つまり、第2シールドシェル34の前端34Fの外周縁が第2シールドシェル34の当接面28(内周面)に対して当接しつつ、両ハウジング10,30の嵌合が進む。
両ハウジング10,30が嵌合した状態では、第1シールドシェル25の内側に第2シールドシェル34が入り込むことで、両シールドシェル25,34の前端部同士が径方向に重なる状態となるとともに、第2シールドシェル34の前端縁34Fと当接面28との当接によって、両シールドシェル25,34が導通可能な状態に接続される。また、第2端子金具33の前端部が端子収容部11内に進入して第1端子金具14に対して導通可能に接続される。第1端子金具14の略後半部分は、上記のように第1シールドシェル25によって包囲されているが、両ハウジング10,30が嵌合されることにより、第1端子金具14の略前半部分が第2シールドシェル34によって包囲された状態となる。これにより、第1ハウジング10及び第2ハウジング30内において両端子金具14,33によって構成される導電路は、両シールドシェル25,34によってシールドされることになる。
上述のように本実施形態においては、第1シールドシェル25の内周面にテーパ状の当接面28(当接手段)を設け、このテーパ状の当接面28に第2シールドシェル34の前端縁34Fを当接させるようにしたので、双方のシールドシェル25,34の接続部分において隙間が生じることがなく、シールドシェル25,34の重なり部分における外部へのノイズの漏出が防止される。
また、当接面28がテーパ状をなしているので、第2シールドシェル34の前端部34Fが少々変形した場合でも、その変形を矯正しつつ、両シールドシェル25,34を確実に接続させることができる。
さらに、第1シールドシェル25の下面側の部分は、筒状嵌合部12の内周面と非接触であって、上下方向に弾性撓みし得るので、第2シールドシェル34の前端部34Fに対して下方から弾性的に当接するようになるので、両シールドシェル25,34の間では、上下方向において適正な接触圧が確保される。
<実施形態2>
次に、本発明を具体化した実施形態2を図8ないし図10を参照して説明する。本実施形態2のシールドコネクタCbは、第1シールドシェル40を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
第1シールドシェル40における嵌合空間16内に臨む領域には、叩き出し等によって内周側へ周方向に沿ってリブ状をなすように突出させた形態の当接部41(本発明の構成要件である当接手段)が形成されている。両ハウジング10,30が正規嵌合状態に至ると、第2シールドシェル34の前端34Fが当接部41に対して前方から突き当たるように当接し、もって、両シールドシェル34,40が導通可能に接続される。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では複数本の非シールド電線を一括してシールドするタイプのものについて説明したが、本発明は、シールド電線を用いたシールドコネクタにも適用できる。
(2)上記実施形態ではレバーの操作によって両ハウジングを嵌合するようにしたが、本発明は、レバーを用いずにハウジング同士を嵌合するシールドコネクタにも適用できる。
(3)上記実施形態1ではテーパ状の当接手段を前方に向かって拡径する形態としたが、本発明によれば、テーパ状の当接手段を前方に向かって拡径する形態とし、そのテーパ状領域の外周面に相手側のシールドシェルを当接させるようにしてもよい。
(4)上記実施形態1ではテーパ状の当接手段を一方のシールドシェルのみに設けたが、本発明によれば、両方のシールドシェルにテーパ状の当接手段を設けてもよい。
(5)上記実施形態2では当接手段を内周側へ叩き出した形態としたが、本発明によれば、当接手段を外周側へ叩き出した形態としてもよい。
実施形態1における第1ハウジングの断面図 第2ハウジングの断面図 両ハウジングを嵌合した状態の断面図 第1ハウジングの側面図 第1ハウジングの正面図 第2ハウジングの側面図 シールドシェル同士の接続部分をあらわす部分拡大断面図 実施形態2の第1ハウジングの断面図 両ハウジングを嵌合した状態の断面図 シールドシェル同士の接続部分をあらわす部分拡大断面図
符号の説明
Ca…シールドコネクタ
10…第1ハウジング
14…第1端子金具
25…第1シールドシェル(一方のシールドシェル)
27…テーパ状領域
28…当接面(当接手段)
30…第2ハウジング
33…第2端子金具
34…第2シールドシェル(他方のシールドシェル)
Cb…シールドコネクタ
40…第1シールドシェル
41…当接部(当接手段)

Claims (3)

  1. 互いに嵌合可能な一対のハウジングの双方に、端子金具と、前記端子金具を包囲する形態のシールドシェルを取り付け、
    前記一対のハウジングを嵌合したときに一方の前記シールドシェルに他方の前記シールドシェルが内嵌され、双方のシールドシェル同士が接触するようにしたシールドコネクタにおいて、
    前記一方のシールドシェルの内周面には、前記他方のシールドシェルの前端縁を当接させる当接手段が設けられている構成としたことを特徴とするシールドコネクタ。
  2. 前記一方のシールドシェルの前端部がテーパ状に形成され、このテーパ状領域の周面が前記当接手段とされていることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ。
  3. 前記当接手段が、前記一方のシールドシェルを全周に亘ってリブ状に叩き出した形態とされていることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017212196A (ja) * 2016-05-20 2017-11-30 矢崎総業株式会社 雌雄コネクタ

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