JP2008117552A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゴム栓30がホルダ40からの押圧力により弾性変形し、そのゴム栓30の弾性復元力によって端子金具20の前端がキャビティ11の前面壁11Fに当接するので、端子金具20の挿抜方向へのガタ付きが防止される。ホルダ40には、電線26との干渉を回避する逃がし溝44が形成されているが、この逃がし溝44は、電線26の軸線方向と略直角な方向へ開放された形態となっているので、ホルダ40を電線26に予め外嵌させておく必要がなく、組付作業を行い易い。
【選択図】図1
Description
そのため、ランスが端子金具に係止した状態では、端子金具の前端とキャビティの前面壁との間に隙間が生じ、コネクタが振動を受けたような場合には、この隙間の分だけ端子金具が挿抜方向にガタ付きを生じるおそれがある。この端子金具のガタ付きは、この端子金具と相手側端子との間で微摺動摩耗という不具合を生じさせる原因となる。
なお、上記した特許文献1のコネクタでは、ゴム栓の後方への抜けを規制可能なリヤホルダを設けているので、端子金具が抜け方向へ移動することは規制されるが、端子金具の前端とキャビティの前面壁との間には隙間が空いているので、ゴム栓の弾性変形を伴いつつ端子金具が挿抜方向へガタ付く可能性がある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の挿抜方向へのガタ付きを防止することを目的とする。
ゴム栓がホルダからの押圧力により弾性変形し、そのゴム栓の弾性復元力によって端子金具の前端がキャビティの前面壁に当接するので、端子金具の挿抜方向へのガタ付きが防止される。このとき、ゴム栓は、ホルダによって端子金具の挿抜方向に押し潰されるように弾性変形し、それ以上の潰れ変形を生じ難くなっているので、端子金具が、ゴム栓を潰れ変形させつつ後方すなわち抜け方向へ移動するおそれはない。
また、ホルダには電線との干渉を回避する逃がし溝が形成されているが、この逃がし溝は、電線の軸線方向と略直角な方向へ開放された形態となっているので、ホルダを電線に予め外嵌させておく必要がなく、組付作業が良好となる。
なお、各電線毎に個別にゴム栓を外嵌して防水を図るタイプのコネクタでは、ゴム栓を端子金具に固着しておくことが可能であることから、ゴム栓を抜止めする手段は必要がないのであるが、本発明では、ゴム栓を抜止めする手段としても利用することが可能な形態のホルダを、ゴム栓を前方へ押圧するための手段として機能させているところに特徴を有している。
ホルダ側のテーパ面が、ゴム栓のテーパ面よりも後方まで延びているので、ホルダからの押圧力によってゴム栓の後端部が後方へ逃げるように弾性変形しても、その逃げた後端部に対してホルダからの押圧力を付与することができ、ホルダによる押圧機能が十分に発揮される。
ゴム栓は、その外周面におけるシール機能に加えて、フランジ部の前端面においてもシール機能を発揮するので、シール性能に優れる。
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。本実施形態のコネクタは、合成樹脂製のハウジング10内に、前後方向に延びる複数のキャビティ11を横並びに形成し、後方から各キャビティ11内に端子金具20を挿入したものであり、防水手段として各端子金具20毎に個別にゴム栓30が用いられている。
まず、電線26の前端部とゴム栓30を端子金具20の電線圧着部22に固着し、この電線26とゴム栓30が固着された端子金具20を後方からキャビティ11内に挿入する。挿入の過程では、角筒部21がランス12を下方へ弾性撓みさせる。そして、端子金具20がキャビティ11の前面壁11Fに当接する正規挿入位置に達するか、若しくは正規挿入位置に達する直前に至ると、ランス12が弾性復帰して抜止め孔23に係止、若しくは係止可能となり、このランス12の係止作用によって端子金具20が抜止め状態とされる。このとき、端子金具20を後方へ引っ張ってランス12を抜止め孔23の前縁に係止させた状態にすると、端子金具20の前端とキャビティ11の前面壁11Fとの間には、ランス12の円滑な弾性復帰動作を確保するための寸法設定に起因する隙間が空く。
また、ホルダ40には、電線26との干渉を回避する逃がし溝44が形成されているが、この逃がし溝44は、電線26の軸線方向と略直角な方向へ開放された形態となっているので、ホルダ40を電線26に予め外嵌させておく必要がなく、組付作業を行い易い。
次に、本発明の実施形態2を図9を参照して説明する。本実施形態2のコネクタは、ゴム栓50とホルダ60を上記実施形態1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施形態1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用および効果の説明は省略する。
ハウジング10に対するホルダ60の組付手順は、実施形態1と同様なので、説明は省略する。ハウジング10にホルダ60を組み付けた状態では、ホルダ60の押圧力付与面66とテーパ面63が、ゴム栓50の押圧力受け面53とテーパ面56を前方へ押圧することにより、シール部51が前後に圧縮変形させられた状態でゴム栓50と電線26と端子金具20が前方へ弾性的に押し動かされ、端子金具20の前端がキャビティ11の前面壁11Fに突き当たる。また、ホルダ60の押圧力によりフランジ部52の前端面がハウジング10の後端面におけるキャビティ11の開口縁の周縁領域に対して液密状に密着する。なお、ホルダ60の本体部61の前面はハウジング10の後端面から後方へ離間している。さらに、ホルダ60のテーパ面63の後端部は、ゴム栓50のテーパ面56の後端よりも更に後方に位置している。また、ホルダ60の拡径部64とゴム栓50の小径部54との間には隙間が空いており、フランジ部52の外周面と凹部65の内周面との間にも隙間が空いている。
本発明は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1および2ではゴム栓に対するホルダの押圧面を、キャビティに対する端子金具の挿抜方向と直角な面と、挿抜方向に対して傾斜したテーパ面とによって構成したが、本発明によれば、押圧面は、挿抜方向と直角な面のみとしてもよく、挿抜方向に対して傾斜したテーパ面のみとしてもよい。
(2)上記実施形態1において、ホルダのテーパ面をゴム栓のテーパ面よりも後方へ延びる形態としてもよい。
(3)上記実施形態1および2において、ホルダのテーパ面の後端をゴム栓のテーパ面の後端よりも前方の位置に設定してもよい。
(4)上記実施形態2において、フランジ部の後端面を、端子金具の挿抜方向に対して傾斜したテーパ面としてもよい。
11…キャビティ
11F…キャビティの前面壁
12…ランス
20…端子金具
30…ゴム栓
34…テーパ面
40…ホルダ
44…逃がし溝
47…テーパ面
50…ゴム栓
52…フランジ部
56…テーパ面
60…ホルダ
62…逃がし溝
63…テーパ面
Claims (3)
- ハウジングに形成したキャビティ内に後方から端子金具が挿入され、
前記キャビティの内壁に沿って形成したランスの係止作用により、前記端子金具が抜止めされ、
前記端子金具の後端部に接続されて軸線を前後方向に向けた電線には、ゴム栓が外嵌され、
前記ゴム栓が前記キャビティの後端部内周に密着することで、前記電線の外周と前記キャビティの内周との隙間がシールされているコネクタにおいて、
前記ハウジングには、前記ゴム栓を弾性変形させるように前方へ押圧するホルダが組み付けられ、
前記ゴム栓の弾性復元力により、前記端子金具の前端が前記キャビティの前面壁に当接されており、
前記ホルダには、前記電線の軸線方向と略直角な方向へ開放された形態であって、前記電線との干渉を回避する逃がし溝が形成されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記ゴム栓と前記ホルダとの当接領域の少なくとも一部が、前記キャビティに対する前記端子金具の挿抜方向に対して傾斜したテーパ面とされており、
前記ホルダ側のテーパ面が、前記ゴム栓のテーパ面よりも後方まで延びていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。 - 前記ゴム栓の外周にフランジ部が形成され、
前記フランジ部が、前記ハウジングの後端面における前記キャビティの開口縁に沿った環状領域に密着されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
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