JP2006164145A - 車両検知方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 埋設費用の問題と人との誤検知、及び、頻繁なメンテナンスの問題を解消できると共に、磁気センサーの近くを重量車両が通ったり、或いは、近くに電車の架線や高圧線等が架設されていたとしても、誤検知を起こすことがなく、且つ、車両の構造や車種に関係無く正確な検知が得られるように工夫した車両検知方法とその装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも二つのセンサー8,9の夫々に、車両の長手方向と地面に垂直な方向、及び、車幅方向に磁界検出感度を持つ各磁気検出素子を設け、これ等各センサー8,9を車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の距離を隔てて連接配置して、上記各磁気検出素子が検出した磁気出力の差分を合成し、この合成値がしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも二つのセンサー8,9の夫々に、車両の長手方向と地面に垂直な方向、及び、車幅方向に磁界検出感度を持つ各磁気検出素子を設け、これ等各センサー8,9を車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の距離を隔てて連接配置して、上記各磁気検出素子が検出した磁気出力の差分を合成し、この合成値がしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気を用いて駐車場等の駐車スペース上に車両が駐車又は在車しているか否かを検知することができる車両検知方法とその装置に関するものである。
従来より、駐車スペース上の車両の存否を検出する手段として、特許文献1に示されているループコイルを用いて車両を検知するループ式車両感知器と、特許文献2に示されている光センサーを用いて車両を検知する車両検知装置と、特許文献3に示されている磁気センサーを用いて車両を検知する車両検知方法が存在する。
特許文献1に記載のループ式車両感知器は、駐車スペース又は車両通過路の地表下に埋設したループコイルのインダクタンスが、車両の接近により生ずる変化分を捕らえて車両を感知するものである。
また、特許文献2に記載の車両検知装置は、駐車スペースもしくは通過場所をはさんで、複数の光電スイッチを備える投光器とを対峙させ、車両が来ると光電スイッチと受光スイッチとの間に張られた交軸が遮られる事により、車両を検出するものである。
更に、上記特許文献3に記載の車両検知方法は、駐車スペースもしくは通過幅内の地面に磁気センサーを配置して、車両を検知するものであって、、磁気センサーは、それぞれ車両の長手であるX軸方向、地面に垂直なZ軸方向、車両の幅方向であるY軸方向に磁界検出感度を持つ3つの磁気検出素子を含み、この磁気センサーによりX軸方向とZ軸方向、更にY軸方向を加えた3方向における外部磁界の強度変化を計測し、車両の無い状態を基準として、3方向における外部磁界の強度変化の絶対値の和が所定のしきい値を超えるか否かにより、車両の検知を行うものである。
特開昭49−11099号公報
特開平11−53594号公報
特開平9−211144号公報
しかし、上記特許文献1に記載のループ式車両感知器は、ループそのものを地表下に埋設する必要があり、多大な埋設費用が発生するという問題があった。
また、上記特許文献2に記載された投光器と受光器を使用して車両を検知する車両検知装置の場合は、車両と人との区別がつかず、誤検知したり、降雪、降雨の影響により感度が鈍くなったり、時が経つに従って投光器の発光面や受光器の受光面にほこりが付着したりして、頻繁にメンテナンスをしないと正常な機能を保てないという問題があった。
更に上記特許文献3に記載の車両検知方法に付いては、上記特許文献1、2に記載された装置が有する埋設費用の問題と、人との誤検知の問題、及び、頻繁なメンテナンスの問題は解決されているが、磁気センサーの近くをトラックやバス等の重量車両が通ったり、磁気センサーの近隣に電車の架線や高圧線が架設されていると、地磁気が大きく変動し、あたかも車両が存在するというような誤検知を起こすという問題があった。また、車両の構造(エンジンの配置位置や車台の構造等)や、車種によっては、部分的に3軸の合成値に落ち込みが見られて、正確な検知を得られないという問題もあった。
本発明は上述した各問題を解決するために開発されたものであって、その技術的課題は、埋設費用の問題と人との誤検知、及び、頻繁なメンテナンスの問題を解消できると共に、センサーの近くを重量車両が通ったり、或いは、近くに電車の架線や高圧線等が架設されていたとしても、誤検知を起こすことがなく、且つ、車両の構造や車種に関係無く正確な検知が得られるように工夫した車両検知方法とその装置を提供することである。
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る車両検知方法は、駐車場等の駐車スペースにおいて、地磁気の変化から車両の存在を検知する車両検知方法であって、車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子とを夫々備え、且つ、車両の長手方向或いは車幅の方向、又は、地面に対して垂直な方向に間隔をあけて設置された複数の磁気センサーにより、車両の長手方向の磁気出力と地面に対して垂直方向の磁気出力を夫々検出して、これ等検出された車両の長手方向と地面に対して垂直方向の各磁気出力の差分を合成すると共に、車両が無い状態を基準にして、これ等合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出することを特徴としている。
(2) また、本発明の請求項2に係る車両検知方法は、前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子によって検出された磁気出力を合成する一方、各磁気センサーの上記各磁気検出素子によって検出された各磁気出力の差分を合成して、車両が無い状態を基準にして、上記磁気出力の合成値がしきい値を超えるか否か、及び、上記磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出することを特徴としている。
(3) また、本発明の請求項3に係る車両検知方法は、前記各磁気センサーには、前記X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子に加えて、車両の車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子が具備されていて、これ等各磁気センサーの各磁気検出素子が検出した各磁気出力の差分を合成すると共に、車両の無い状態を基準にして、これ等差分の合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出することを特徴としている。
(4) また、本発明の請求項4に係る車両検知方法は、前記車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、前記地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子と、前記車両の車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子とによって検出された各磁気出力を合成する一方、これ等各磁気検出素子が検出した各磁気出力の差分を合成して、車両の無い状態を基準にして、上記各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、上記差分の合成値が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出することを特徴としている。
(5) 更に本発明の請求項5に係る車両検知方法は、前記各磁気センサーの各磁気検出素子による検知の結果、各磁気センサーの各磁気検出素子による磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定することを特徴としている。
(6) 次に、本発明の請求項6に係る車両検知装置は、駐車場等の駐車スペースに設置して、地磁気の変化から車両の存在を検知するように構成した車両検知装置であって、車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子とを夫々備える複数の磁気センサーを、上記の駐車スペース上に車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の間隔を保って並設する一方、これ等各磁気センサーの各磁気検出素子によって検出された磁気出力を授受する制御部には、上記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両長手方向の磁気出力の差分と、地面に対して垂直方向の磁気出力の差分を合成する2軸磁気出力差分合成手段と、車両が無い状態を基準にして、2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を設けたことを特徴としている。
(7) また、本発明の請求項7に係る車両検知装置は、前記の制御部に、前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両の長手方向及び地面に対して垂直方向の各磁気出力を合成する2軸磁気出力合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記2軸磁気出力合成手段によって合成された磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えているか否か、及び、前記2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成地が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴としている。
(8) また、本発明の請求項8に係る車両検知装置は、前記各磁気センサーに、前記X軸磁気検出素子と、Z軸磁気検出素子と、車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子とを設けると共に、これ等の各磁気センサーを、前記駐車スペース上に車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の間隔を保って並設する一方、前記制御部には、上記各磁気センサーの各Y軸磁気検出素子が検出した車両の車幅方向の磁気出力の差分と、上記各X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子が検出した、車両長手方向と地面に対し垂直方向の各磁気出力の差分を合成する3軸磁気出力差分合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された上記各磁気検出素子による各磁気出力の差分合成値が、所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴としている。
(9) また、本発明の請求項9に係る車両検知装置は、前記制御部に、前記X軸とY軸とZ軸の各磁気検出素子によって検出された各磁気出力を合成する3軸磁気出力合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力合成手段によって合成された各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、前記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えるか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴としている。
(10) また、本発明の請求項10に係る車両検知装置は、前記制御部に設けた車両有無判定手段に、前記各磁気検出素子による車両検知の結果、各磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定する車両有無判定機能を具備せしめたことを特徴としている。
(11) 更に本発明の請求項11に係る車両検知装置は、前記制御部と各磁気検出素子を含む各磁気センサーの全体を、車両が乗っても破損しない頑強なケース体内に収めて、駐車スペース上に設置するように構成したことを特徴としている。
上記(1)〜(10)で述べた各手段によれば、複数(例えば二つ)の磁気センサー間で各軸方向の磁気出力の差分を算出し、それらを合成したものを車両有り無しの判定に使用したので、磁気センサーの近くをトラックやバス等の重量車両が通ったり、磁気センサーの近隣に電車の架線や高圧線が架設されて地磁気が大きく変動したとしても、複数の磁気センサーは各軸で同じような挙動を示し、結局、差分を合成すると出力レベルが0近くになるため、誤検知を防止することが可能となる。
車両の構造(エンジンの位置、フレームの構造等)によっては、一つの磁気センサーでは合成出力値が落ち込んで車両を検知できない事があるが、上記の手段によれば複数の磁気センサーをある程度の距離(5cm〜50cm)を隔てて連接配置し、その差分合成値で車の有無を検知するように構成したので、複数の磁気センサーの差分合成値では出力の落ち込みが少なく、検知ミスを防止することができた。
また、複数の磁気センサーの差分合成値だけで車両の有り無しを判断すると、車両検知後に車がすこし移動した場合に、車両の構造により、複数の磁気センサーの差分合成値が落ち込む場合がある。このままだと車両無しとし、検知ミスをする場合が生じるが、本発明では前記(5)と(10)の項で述べた各手段の如く、車両検知後に再度算出した合成値のうちどちらか一方、或いは、両方が所定のしきい値を超えれば、車両有りと判定する判定装置を備えたので、検知ミスを防止することが可能になった。
更に上記(11)で述べた手段によれば、制御部や各磁気検出素子及び磁気センサーを含む車両検知装置の全体を、車両が乗っても破損の心配がない頑強なケース体内に収めて、そのまま駐車スペース上に設置できるように構成したので、駐車スペースへの設置に際して地表下に埋設する必要がなく、工事費を大幅に削減することを可能にする。
以上述べた次第で、本発明に係る車両検知方法及びその装置によれば、駐車場等において車両の駐車又は在車の状態を、人や重量車両の通過、或いは、電車の架線や高圧線等に影響されて誤検知することなく、正確に検知することができると共に、埋設費用や頻繁なメンテナンスが不要で、比較的安いコストで実施できる経済性を備えるため、特に、有料駐車場等における車両の検知に使用して好適なものである。
以下に、上述した本発明に係る車両検知方法及びその装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の構成を説明したブロック図であって、図中、符号10で全体的に示したのは本発明に係る車両検知装置であって、1は当該車両検知装置10の制御部の中心を構成するCPUで、このCPU1に接続したバス2には、前記請求項に記載した各種のプログラム手段を実現するソフトウエアーを格納したROM3と、各種データを格納するRAM4と、A/Dコンバータ5及びI/Oインターフェース6が接続されている。
また、上記のA/Dコンバータ5には、車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子と、更には、車両の車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子(これ等各検出素子はいずれも図示省略)と、を夫々具備した複数の磁気センサー、即ち、図面では第1のセンサー8と第2のセンサー9とから成る二つのセンサーが接続され、更に上記のI/Oインターフェース6には、上記の各センサー8,9,10が車両を検知した場合に、車両検出信号を出力する出力部7が接続されている。
更に前記RAM4には、前記各請求項に記載した各手段、即ち、上記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両長手方向の磁気出力の差分と、地面に対して垂直方向の磁気出力の差分を合成する2軸磁気出力差分合成手段と、車両が無い状態を基準にして、2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項6参照)、
前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両の長手方向及び地面に対して垂直方向の各磁気出力を合成する2軸磁気出力合成手段、車両が無い状態を基準にして、上記2軸磁気出力合成手段によって合成された磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えているか否か、及び、前記2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成地が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項7参照)、
上記各磁気センサーの各Y軸磁気検出素子が検出した車両の車幅方向の磁気出力の差分と、上記各X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子が検出した、車両長手方向と地面に対し垂直方向の各磁気出力の差分を合成する3軸磁気出力差分合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された上記各磁気検出素子による各磁気出力の差分合成値が、所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項8参照)、
前記X軸とY軸とZ軸の各磁気検出素子によって検出された各磁気出力を合成する3軸磁気出力合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力合成手段によって合成された各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、前記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えるか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項9参照)、
及び、前記各磁気検出素子による車両検知の結果、各磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定する車両有無判定機能を備えた前記車両有無判定手段(請求項10参照)、を実現するためのソフトウエアー(プログラム)が格納されている。
前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両の長手方向及び地面に対して垂直方向の各磁気出力を合成する2軸磁気出力合成手段、車両が無い状態を基準にして、上記2軸磁気出力合成手段によって合成された磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えているか否か、及び、前記2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成地が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項7参照)、
上記各磁気センサーの各Y軸磁気検出素子が検出した車両の車幅方向の磁気出力の差分と、上記各X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子が検出した、車両長手方向と地面に対し垂直方向の各磁気出力の差分を合成する3軸磁気出力差分合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された上記各磁気検出素子による各磁気出力の差分合成値が、所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項8参照)、
前記X軸とY軸とZ軸の各磁気検出素子によって検出された各磁気出力を合成する3軸磁気出力合成手段と、車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力合成手段によって合成された各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、前記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えるか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段(請求項9参照)、
及び、前記各磁気検出素子による車両検知の結果、各磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定する車両有無判定機能を備えた前記車両有無判定手段(請求項10参照)、を実現するためのソフトウエアー(プログラム)が格納されている。
図2は、本発明に係る車両検知装置10(センサーユニット)が実施されたフラップ式駐車場の構成を説明した平面図であって、車両検知装置10は車両の入出庫に邪魔にならない例えば車室20(駐車スペース)の中央部にそのまま設置されて使用されるが、設置位置が任意であること、及び、本発明がフラップ式駐車場以外の各種駐車場に対しても実施可能であることは勿論である。而して図中、21は上記の車両検知装置10が車両を検知すると、上方に回動して車両の自由な出庫を制止するフラップ盤、21Tはフラップ盤21の駆動装置であって、車両の出庫に際しては、利用客が精算機24にて駐車料金の精算を済ませると、駆動装置21Tがフラップ盤21を下方に回動して、車両の出庫を可能にするように構成されている。更に図中、22は車止め、23は車室20の地表又は地下に敷設した上記車両検知装置10とフラップ盤21と精算機24の間を繋ぐ配線を示す。
図3は、上述した車両検知装置10(センサーユニット)の全体を分解して示した斜視図であって、図中、11はベースプレート、12はこのベースプレート11に取付ける上ケース体で、これ等ベースプレート11と上ケース体12とによって構成される図中符号10Zで全体的に示したケース体は、車両が乗っても容易に破損しない頑強な構造に造られている。
更に図3に於いて、14は上記ケース体10Zの内部に取付けるプリント基板で、ここには前述した第1と第2のセンサー8,9に加えて、図1に示したCPU1、ROM3、RAM4、A/Dコンバータ5、I/Oインターフェース6等から成る本発明に係る車両検知装置10の主要構成部材(いずれも図示省略)が実装されている。
更に図中、13、13はベースプレート11を車室20の地表に固定するアンカーボルトで、13A,13Aは固定用のナット、11A,11Aはベースプレート11に設けたアンカーボルトの挿通穴を示す。また、15…は上記のプリント基板14を上ケース体12の内部に固定する非磁性体で作った止めビス、14A…はプリンタオ基板14に設けた止めビス15…用の穴、12B…は上ケース体12の内定面に設けた止めビス15…用のネジ筒体、16,16は上ケース体12をベースプレート11に固定する止めビスで、12A,12Aは上ケース体12に設けた止めビス16,16用の穴、11B,11Bはベースプレート11に設けた止めビス16,16用のネジ穴を示す。
また、前述した第1と第2のセンサー8,9は、車両の長手方向又は車幅方向に例えば5cm〜50cmの連接配置距離をあけてプリント基板14に実装され、更に、二つ以上の磁気センサーを設ける場合には、同様に第1と第2のセンサー8,9に対して例えば5cm〜50cmの連接配置距離をあけて、プリント基板14に実装される仕組みに成っている。
図4は、本発明による車両有無検出の手順を示したフローチャートであって、ここでは夫々X,Y,Zの3軸方向に磁界検出感度を持つ二つの磁気センサー8,9を用いて車両の有無を検出する手順が説明されている。
始めのステップS1において、最初に磁界に変化が現れると、X軸差分、Y軸差分、Z軸差分の合成値を演算する。演算式は例えば次のようなものである。
(X1−X2)2+(Y1−Y2)2+(Z1−Z2)2の平方根。
(X1−X2)2+(Y1−Y2)2+(Z1−Z2)2の平方根。
次いで、ステップS2では、差分合成値がしきい値A以下であれば車両ではないと判断する。差分合成値がしきい値A以上であれば、ステップS3に進んでセンサー出力X1,X2,Y1,Y2,Z1,Z2を0にリセットし、次いで、ステップS4に進んで車両有りと判断して在車状態をONとして、次のステップS5に進む。
ステップS5では、在車状態ONの時にX軸差分、Y軸差分、Z軸差分の合成値を演算し、次のステップS6で合成値がしきい値A以上であれば、ステップS4に進んで引き続き車両有りとするが、しきい値A以下となった場合は、ステップS7に進んで第1のセンサー8のX1出力変化、Y1出力変化、Z1出力変化の合成値を演算して、ステップS8に進む。演算式は例えば次のようなものである。
δX1 2+δY1 2+δZ1 2の平方根。
δX1 2+δY1 2+δZ1 2の平方根。
ステップS8では、第1のセンサー8の各軸合成出力変化がしきい値B以上であるか否かが判断され、第1のセンサー8の各軸合成出力変化がしきい値B以上であれば、ステップS4に進んで車両有りと判断するが、しきい値B以下であれば、ステップS9に進んで、今度は第2のセンサー9のX2出力変化、Y2出力変化、Z2出力変化の合成値を演算して、ステップS10に進む。ステップS10でも第2のセンサー9の出力変化がしきい値B以上であれば、ステップS4に進んで車両有りと判断するが、しきい値B以下であれば、ステップS11に進んで車両無し(出庫した)と判断し、スタートに戻って処理を繰り返す。
次に、図5(A)は、車両S1,S2が駐車している車室20の近くを、大型トラック等の重量車両TKが通った時の、第1のセンサー8と第2のセンサー9における各軸合成値Tの出力変化を表した図であり、また、図5(B)は、両センサー8,9における差分合成値Kの出力変化を表した図である。
この様に、車室20の近くを大型トラック等の重量車両TKが通ったとしても、両センサー8,9の連接配置距離(例えば5cm〜50cm)に比較して十分に遠いため、両センサー8,9の各軸合成値Tの出力変化はほぼ同一となる。従って、差分合成値Kの出力変化はほとんどなく、トラックやバス等の重量車両TKが通ったり、磁気センサーの近隣に電車の架線や高圧線が架設されていることによって生ずるノイズを排除することができる。
次に、図6は車両SNの構造(エンジンの位置やフレームの構造等)によっては、各センサー8,9の各軸合成値が落ち込む事例(図E)と、その際の両センサー8,9の差分合成値がどのように変化しているかを表した図(図D)を示したものである。各軸の合成値が落ち込むところでの、X軸、Y軸、Z軸の夫々の出力波形(図A,B,C)は、波形の傾きが大きいので差分としては大きくなる。従って、差分の合成値は図(D)に示すように十分大きく、確実に車両を検知できるレベルである。尚、図中ZAとZB,及び、ZA’とZB’は、第1のセンサー8と第2のセンサー9のセンサー出力波形とセンサー出力合成値を示す。
また、図7(A),(B)は、車両SNの構造((エンジンの位置、フレームの構造等))によっては両センサー8,9の出力波形ZA,ZBにも、また差分合成値ZWにも出力の落ち込みが見られる事例を示したものである。
図8は、両センサー8,9の差分合成値にも出力の落ち込みが見られる場合に、第1のセンサー8の各軸の出力変化ZA(図A,B,C)と、その合成値ZA’(図D)がどのように変化しているかを表した図である。この場合、差分合成値がしきい値Aを下まわった場合でも、第1のセンサー8の各軸出力変化の合成値がしきい値Bを上回っている(図E)ので、継続して車両有りと判定する(図F)。
8 第1のセンサー(磁気センサー)
9 第2のセンサー(磁気センサー)
10 車両検知装置
10Z ケース体
20 車室(駐車スペース)
9 第2のセンサー(磁気センサー)
10 車両検知装置
10Z ケース体
20 車室(駐車スペース)
Claims (11)
- 駐車場等の駐車スペースにおいて、地磁気の変化から車両の存在を検知する車両検知方法であって、
車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子とを夫々備え、且つ、車両の長手方向或いは車幅の方向、又は、地面に対して垂直な方向に間隔をあけて設置された複数の磁気センサーにより、車両の長手方向の磁気出力と地面に対して垂直方向の磁気出力を夫々検出して、これ等検出された車両の長手方向と地面に対して垂直方向の各磁気出力の差分を合成すると共に、車両が無い状態を基準にして、これ等合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出することを特徴とする車両検知方法。 - 前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子によって検出された磁気出力を合成する一方、各磁気センサーの上記各磁気検出素子によって検出された各磁気出力の差分を合成して、車両が無い状態を基準にして、上記磁気出力の合成値がしきい値を超えるか否か、及び、上記磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両検知方法。
- 前記各磁気センサーには、前記X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子に加えて、車両の車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子が具備されていて、これ等各磁気センサーの各磁気検出素子が検出した各磁気出力の差分を合成すると共に、車両の無い状態を基準にして、これ等差分の合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両検知方法。
- 前記車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、前記地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子と、前記車両の車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子とによって検出された各磁気出力を合成する一方、これ等各磁気検出素子が検出した各磁気出力の差分を合成して、車両の無い状態を基準にして、上記各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、上記差分の合成値が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の車両検知方法。
- 前記各磁気センサーの各磁気検出素子による検知の結果、各磁気センサーの各磁気検出素子による磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定することを特徴とする請求項2又は4に記載の車両検知方法。
- 駐車場等の駐車スペースに設置して、地磁気の変化から車両の存在を検知するように構成した車両検知装置であって、
車両の長手方向に磁界検出感度を持つX軸磁気検出素子と、地面に対して垂直な方向に磁界検出感度を持つZ軸磁気検出素子とを夫々備える複数の磁気センサーを、上記の駐車スペース上に車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の間隔を保って並設する一方、
これ等各磁気センサーの各磁気検出素子によって検出された磁気出力を授受する制御部には、
上記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両長手方向の磁気出力の差分と、地面に対して垂直方向の磁気出力の差分を合成する2軸磁気出力差分合成手段と、
車両が無い状態を基準にして、2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成値が所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を設けたことを特徴とする車両検知装置。 - 前記の制御部に、
前記各磁気センサーの各X軸磁気検出素子と各Z軸磁気検出素子が検出した車両の長手方向及び地面に対して垂直方向の各磁気出力を合成する2軸磁気出力合成手段と、
車両が無い状態を基準にして、上記2軸磁気出力合成手段によって合成された磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えているか否か、及び、前記2軸磁気出力差分合成手段によって合成された差分合成地が所定のしきい値を超えているか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴とする請求項6に記載の車両検知装置。 - 前記各磁気センサーに、前記X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子と、車幅方向に磁界検出感度を持つY軸磁気検出素子とを設けると共に、これ等の各磁気センサーを、前記駐車スペース上に車両の長手方向或いは車幅方向、又は、地面に対して垂直な方向にある程度の間隔を保って並設する一方、
前記制御部には、
上記各磁気センサーの各Y軸磁気検出素子が検出した車両の車幅方向の磁気出力の差分と、上記各X軸磁気検出素子とZ軸磁気検出素子が検出した、車両長手方向と地面に対し垂直方向の各磁気出力の差分を合成する3軸磁気出力差分合成手段と、
車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された上記各磁気検出素子による各磁気出力の差分合成値が、所定のしきい値を超えているか否かにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴とする請求項6又は7に記載の車両検知装置。 - 前記制御部に、
前記X軸とY軸とZ軸の各磁気検出素子によって検出された各磁気出力を合成する3軸磁気出力合成手段と、
車両が無い状態を基準にして、上記3軸磁気出力合成手段によって合成された各磁気出力の合成値が所定のしきい値を超えるか否か、及び、前記3軸磁気出力差分合成手段によって合成された各磁気出力の差分合成値が所定のしきい値を超えるか否かの組合せにより、車両の有無を検出する車両有無判定手段と、を具備せしめたことを特徴とする請求項6、7又は8に記載の車両検知装置。 - 前記制御部に設けた車両有無判定手段に、前記各磁気検出素子による車両検知の結果、各磁気出力の合成値と、各磁気出力の差分合成値のいずれか一方、又は、双方が所定のしきい値を超えていれば、車両有りと判定する車両有無判定機能を具備せしめたことを特徴とする請求項7又は9に記載の車両検知装置。
- 前記制御部と各磁気検出素子を含む各磁気センサーの全体を、車両が乗っても破損しない頑強なケース体内に収めて、駐車スペース上に設置するように構成したことを特徴とする請求項6、7、8、9又は10に記載の車両検知装置。
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