JP2013506178A - 光学センサおよび磁気センサを用いて車両の存在を連続的に検出するための方法および装置 - Google Patents
光学センサおよび磁気センサを用いて車両の存在を連続的に検出するための方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
本発明では、車両の下の床材上でこの車両の到着または出発時に引き起こされる照明の急激な変化を検出することと、この検出をセンサ上に存在する車両に帰することができるに足る大きさの磁気外乱のみを検出するようにその感度が調節されている磁気センサを起動するために用いることとに基づいて、車両を連続して非断続的に検出するための方法および装置が記述されている。光センサおよび磁気センサの双方は、能動型の電子コンポーネントまたはこれらの固有または共有の電力供給源を必要とすることなくデジタルコントローラへ直接に接続される。検出器は、固定式であっても携帯式であってもよく、無線であってもケーブルで接続されてもよく、かつセンサネットワークとは独立して動作しても、その一部として動作してもよい。
Description
本発明は、ある特定のエリア内に車両が存在するかどうかを確定するための方法および装置に関し、より具体的には、前記エリア内の床材に配置される光センサおよび磁気センサに基づく方法に関する。
本発明の目的は、車両によりもたらされる遮光状態を検出する受動型光学センサと、前記遮光状態の原因がセンサ上に車両が存在することにあるか、或いは照明を減じる原因が別にあるかを確定する磁気センサとを用いて、所定のエリア内に車両が存在するかどうかを連続的に検出するための方法を開発することである。本発明の第2の目的は、所定のエリア内に車両が存在するか否かを示す出力信号を提供し、かつ、バッテリで十分に動作することができる低エネルギー消費量を有する装置を開発することである。
所定のエリア内に車両が存在しているかどうかを知ることは、駐車場、踏切、非常口、出入管理、警備区域および特定のエリアにおける車両の存在または不在に基づく決定が下されなければならない他のアプリケーションの管理において一般に必要とされる。何らかの形式の屋根によって覆われたエリアでは、特定のエリアにおける車両の存在は、屋根から吊され、または屋根に取り付けられた構造物から吊り下げられかつ管理が望まれるエリアの直上に位置づけられる1つ以上の1つ以上のセンサによって確認される場合がある。これを実行する一般的な方法は、例えば超音波または赤外線である何らかのタイプの放射線に基づくセンサによるものであるが、その理由は、エミッタとレシーバとの間の経過時間がエミッタにより発せられる放射線が床から、または車両のルーフでもあり得る別のより近いオブジェクトから反射されるかどうかに依存することにある。管理を希望する特有のエリア毎のセンサを必要としない別のソリューションは、1つ以上のテレビカメラを関心対象エリアへと方向づけて設置することである。画像分析アルゴリズムの手段によれば、カメラによってカバーされるエリア内に存在する車両の数を確定することが可能である。このソリューションは、他の車両の後に部分的または完全に隠れている車両を検出できなければならないこと、かつ、1つ以上のカメラを設置するための補助物を有する必要があるため、技術的にはさらに複雑である。建物内では、この補助物は壁または天井に固定され得るが、屋根のないエリアでは、何らかの類の支柱を装備する必要がある。
カメラより安価な代替例は、管理を希望する各ロットの床材に検出器を設置することであり得る。検出に際しては、通常は天井から当てられる何らかのタイプの放射線の放射および受信に基づく方法のうちの1つまたは他の方法が適応される場合がある。しかし、周囲の何らかの先行状態に車両の存在がもたらす変化を捕捉する受動的システムに依存する検出の方が簡単である。さらに、受動型検出器は、放射線(高周波、光学的、機械的超音波)の放射および受信に基づく自らが放射線を発しなければならない検出器とは違って、前記事前状態を生成する必要がないことからエネルギー消費量が低くなる。大型駐車場、および概して各監視対象ロットへの即時給電を見込んだインフラが存在しない場所においては、各検出器へバッテリから給電する可能性が据付けコストを下げる。これらの事例において、検出器品質における別の重要な点は、そのエネルギー消費量が可能な限り少ないものでなければならないことにある。
地面で測定されることが可能でありかつ車両が通ると変わる物理的大きさは、車輪が上を通るエレメントにおける機械的応力である。したがって、Antonio Hernando Grandeらの国際公開第1996/01461号は、車両の車輪が、金属製の支柱へ固定される一方の端を有しかつそのもう一方の端は非晶質磁性材料ストリップが接着されている半円支柱へ固定されるワイヤ上を通過する時点で生成される機械的応力を検出することに基づく駐車車両を検出するための装置について記述している。このストリップは、車輪がワイヤ上を通過することにより誘発される動電力を集める巻線の中核部を形成する。車両の通過に起因する短い一過性の変化を検出する圧電センサ、気送管および誘導コイルの場合がそうであるように、このセンサは、絶えず活動状態でなければならず、必然的にエネルギーが消費され、しかも静止した車両を検出できないことは認識されるであろう。さらに、たとえば別の駐車場所へと向かう際にセンサ上を通る車両は、各場所のセンサ上を通る度に信号を生じさせるが、最終的にある特定の場所に駐車すれば、検出計数は実際に駐車している車両の数より多くなる。
車両の通過によって変わり、単にその存在によっても変わる別の物理的大きさは磁場であるが、その理由は、車両の過剰な強磁性体は車両が存在する間持続する地球磁場の外乱を引き起こすことにある。この外乱は、たとえば磁気抵抗センサ(磁気抵抗、異方性磁気抵抗、あるいは巨大磁気抵抗効果に基づく)によって検出される場合があり、よってこの方法は、車両の通過を検出する目的で多く適用されていて、車両の存在の検出を目的とするものはさほど多くない(例えば、M.J.Caruso,L.S.Withanawasam,"Vehicle Detection and Compass Applications using AMR Magnetic Sensors"http://www.ssec.honeywell.com/magnetic/datasheets/amr.pdf;P.Ripka,"Magnetic sensors for traffic control,"Proceedings of the International Symposium on Measurement and Control in Robotics (ISMCR 99),Tokyo, vol.10,pp.241−246,1999、G.Rouse,H.French, H.Sasaki"A solid−state vehicle detector for roadway applications,"IEEE Proceedings on Vehicle Navigation and Information Systems Conference, Seattle,USA,pp.11−16,July 1995;S.V.Marshall,"Vehicle Detection Using a Magnetic Field Sensor,"IEEE Transactions on Vehicular Technology,vol.27,no.2,pp.65−68,May 1978;R.Lao,D.Czajkowski,"Magnetoresistors for Automobile Detection and Traffic Control,"Sensors,pp.70−73,April 1996を参照されたい)。車両を検出するためには、緯度により地上の異なる地点で変わる地球磁場の卓越成分方向の磁気外乱を測定することで足りるが、他の方向を測定することによって車両を検出することも可能である。
磁気抵抗器に基づくこれら全てのアプリケーションに共通する1つの問題点は、これらの抵抗器の電気抵抗が約1kΩから5kΩであり、故に絶えず給電されれば短時間でバッテリが空になることに起因して、これらのセンサのエネルギー消費量が比較的大きいことにある。センサが2つ以上存在する場合、例えば車両を検出するための磁気センサと、環境状態(気温、雨、氷等)を確定するための幾つかの固有センサとを含むセンサノードにおいて、システムがたとえばRobert Kavalerの米国特許出願公開第20060202863A1号明細書に開示されているような有線接続を有していなければ、エネルギー消費問題はさらに深刻になる。さらに、車両検出用に適用される磁気抵抗器ベースの磁力計の改良は、測定された磁気外乱に対応するデジタル信号を取得するための手段としてアナログ−デジタル変換器を用いるが、この変換器は、たとえばGordon F.RouseおよびWilliam M.Volnaに付与された米国特許第5491475号明細書、および、James A.RodrianおよびDonald R.Jankeに付与された米国特許第6546344号明細書に記述されているように、増幅器によって取得される磁気センサからの出力を調整することを要求する。増幅器、フィルタ等を有するこれらの信号調整回路は、追加的なエネルギー消費量を含意する。
エネルギー消費量を減らすための1つの自明なシステムは、既定の時間間隔で検出器を断続的に給電するためのものである。 しかしながら、存在または不在を確実に検出することが望まれる場合には、この間隔は十分に短いものでなければならず、よって必然的に省エネルギーはエリアの占有率に大きく依存することになる。Charles Howardの米国特許出願公開第200201090856号明細書は、磁気センサが連続動作状態でなければならないことを回避するためのソリューションを開示している。これは、車両に起因して生じる地面の振動を検出し、かつ、振動が生じると磁気センサを起動して一定時間振動がなければ磁気センサを停止させる振動センサを用いることから成る。このソリューションの効力は、一方で、連続検出が希望される場合には絶えず活性化していなければならない振動センサのエネルギー消費量に依存し、かつ、特定エリアにおける車両の存在の指針と見なされ得る振動信号の認識にも依存する。しかしながら、何れにしても、振動センサは動きのない車両の存在を検出することができない。米国特許出願公開第200201090856号明細書に引用されている振動センサは、4.5Vで給電される場合のエネルギー消費量が0.5mAであるエレクトレットマイクロフォンEM9765−422、および5Vで給電される場合の典型的なエネルギー消費量が0.6mAである加速度計ADXL202である。これらの消費量レートへは、使用される振動センサの出力信号を調整するために必要とされるコンポーネント、その信号の伝達先であるコントローラ、およびシステム全体の電源のエネルギー消費量も加える必要がある。
現在までに入手可能な情報の分析は、特定エリアにおける車両の存在を連続的かつ確実に検出するための方法と、車両が不在である場合のエネルギー消費量が30マイクロワット(3Vの給電で10マイクロアンペア)未満である方法は存在しないことを示している。私達は、低レベルの照明を検出すると同一地点における磁気センサを起動して低減された照明レベルが磁気外乱によるものであるかどうかを確認させる光学センサを床材へ置くことによって、絶えず給電される磁気センサのエネルギー消費量より、または振動センサが車両の接近を示す信号を検出すると起動される磁気センサのそれより遙かに少ないエネルギー消費量で車両の存在の確実な連続検出が可能になることを発見している。
私達は、所定のエリア内に車両が存在しているかどうかを、管理を希望するエリアの床材に配置されかつ車両によって生じる陰を検出する受動型光学センサから成りかつその情報から給電が制御される検出器によって、およびこの陰がセンサ上の車両に起因するものであるか、逆に照明は他の理由で低減されたのかを確定する磁気抵抗センサの測定値によって検出するための新規方法および装置を開発した。検出器は、固定式であっても携帯式であってもよく、無線であってもケーブルで接続されてもよく、センサネットワークとは独立して動作しても、その一部として動作してもよい。
開発した装置は、受動型光学センサおよび磁気センサが対応する電子インタフェースによって接続されるデジタルコントローラと、通信回路(トランシーバまたはモデム)と、コントローラおよびトランシーバ/モデムへ電流を供給するが前記2つのセンサの何れへも接続されない給電システムとに基づくものであり、たとえば、米国特許出願公開第200201090856号明細書に開示されている、これらのセンサが、これらのセンサを断続的に起動できるようにする回路によって給電源へ接続される発明とは異なる。私達の発明では、コントローラおよびトランシーバ/モデムの双方が通常はそのエネルギー消費量が極めて少ないスタンバイ状態にあり、かつ光学センサのためのインタフェース回路および磁気センサのためのインタフェース回路はコントローラの異なる出力端子へ接続されるが、これは、これらの端子の各々が、コントローラが製造される超小型電子技術の論理電圧レベルに関して高い(デジタル「1」)または低い(デジタル「0」)電圧レベルを有すること、または一方の端子を高インピーダンス(HZ)状態に置くことを規定する。これらの接続により、光学センサおよび磁気センサは、各センサを給電源へ接続する必要なしにコントローラから給電される。センサのこのコントローラからの給電は、各センサのインタフェース回路の設計が、コントローラのポートが必要な電流、即ちなおも極く低いものであるべき、または、ごく短時間に渡って流れるべき電流を供給できるように保証するものであれば可能になる。
光学センサのためのインタフェース回路は、デジタルコントローラの2つの入力端子へ接続される出力を有し、これらの端子のうちの一方(EA)はアナログ−デジタル変換器へ接続され、もう一方(EI)は、論理状態「1」および「0」に対応する2つの電圧レベル間に遷移があるとコントローラを中断できるようにされ得る入力に対応する。磁気センサのためのインタフェース回路は、望ましくはセンサが位置決めされるエリア内の磁場の値を測定できるように、コントローラの1つ以上の入力端子へ接続される。1軸上の磁場Bを測定する磁気センサは、センサが位置決めされる緯度に依存して地球磁場の卓越成分方向を測定するように、または地球磁場の成分が同様に大きい別の方向を測定するように準備されてもよい。コントローラにより実行される動作の調子は、後に説明するように、センサにより提供される情報に依存して利用可能な様々なものの中から選択され得るクロック信号の周波数によって決定される。
装置は、オンに切換されるとスタンバイ状態に留まり、光学センサはコントローラから給電され、そのインタフェース回路の設計によって極めて低い電流ドレインを有し、一方で、磁気センサのインタフェース回路および当然ながら磁気センサは供給電圧を受けない。コントローラは、クロック信号を必要としないモードで動作し、外部割り込みが存在するときにのみこのモードから出ることができる。光学センサにより検出される照明が既定値Eminを下回れば、そのインタフェース回路の出力電圧は、コントローラがその入力EIにおける変化をスタンバイ状態を脱して磁場の測定を開始することを要求するものとして解釈するほど十分に変化する。この目的に沿って、コントローラは高速クロックによる動作へと移行し、磁気センサを起動し、そのインタフェース回路の1つ以上の出力を測定し、これらの測定値から磁場の値Bmを計算する。次に、コントローラはこの値Bmを、車両が存在しないときに測定して得られた基準値Brefと比較し、変化が所定値Bv1より大きければ、磁気センサ上に車両が存在するものと見なされ、「存在」(場所が占有されていること)を示す信号が発生される。磁場は、測定値Bmと基準値Brefとの差が依然としてBvより大きいかどうかを確認するために、T1秒毎に連続して測定されてもよい。BmとBrefとの差がBvより少なければ、車両は出発したものと見なされ、よって結果的に「不在」信号(場所は空いている)が発生され、磁気センサ回路への給電が中断され、スタンバイ状態が再開される。時間T1は、そのエリアにおける占有率および車両の出入りにしたがって選ばれてもよい。たとえば、高い占有率および低い移動度を有するエリアの場合、T1は長くてもよい。
光学センサが低レベルの照明を検出した直後に、磁場の測定値Bmと磁場の基準値Brefとの差が値Bvより少なければ、車両存在(場所は占有されている)信号は発せられず、Bvより大きい変化が検出された場合に辿るものとは異なるルーチンへと進む。陰はセンサ上の車両の存在に起因するものではなく、他の原因によるものと見なされる(日暮れとなって人工照明はない、センサ上に物体が存在する、近傍の車が濃い影を投げかけている、他)。この他のルーチンでは、その入力EAへ接続される信号および先に測定されているような磁場の値から照明の値がT2秒毎に測定される。これらの周期的測定の何れかにおいて、磁場の測定値Bmと基準値Brefとの差がB vより多ければ「存在」信号が発生され、測定は、この差がBvより少なくなるか、測定された照明がEminを超えるまで続けられる。何れの場合も、「不在」信号が発生されてスタンバイ状態に入る。任意の時間に、照明がEminを超えていてBmとBrefとの差がvより多ければ、それまでに存在の検出が存在しているか否かに関わらず警報信号が発生される。 これまでに行った開示から、光学センサは常時起動されることが推測されるであろう。即ち、検出器上に車両が存在しない間、光センサは照明の突然の低減を検出できるように絶えず起動され、車両が存在していれば、光センサは、車両の出発を検出できるように活性状態を続け、かつ磁気センサは車両が引き続き存在することを周期的に確認する。光センサは暗がりを検出しているが、磁気センサは磁気外乱を検出していないことから車両の存在に関して疑いがある場合、光学センサは、暗がりの原因の消失を検出するために絶えず起動され、その間、照明および磁場の値が周期的に測定される。照明は高値であっても磁場センサが重大な磁気外乱を検出すれば、警報が発せられる。
エネルギー消費量を減らすために、デジタルコントローラは、状態を変えると、その新しい状態で実行しなければならないタスクに最も適するクロック周波数を選択する。 したがって、たとえば、EIを中断するためのスタンバイでは、全てのクロック発振器が停止され、Bの測定間の中間期では、低周波数クロックが選択され、一方でBの測定および信号伝達の間は高周波数クロックが選択される。同じくエネルギー消費量を減らすために、光学センサおよび磁気センサのインタフェース回路は能動型の電子コンポーネントを含まない。検出器がしばらくの間使用されないのであれば、トランシーバまたはモデムはスタンバイ状態に留めおかれることが可能であって、コントローラ、発振器、アナログ−デジタル変換器、他の内部周辺機器は全て使用不可にされることが可能であり、光学センサは、検出器の電力供給源へ直に接続されず電圧をプログラムし得るコントローラの端子へ接続されることから、非活性化される場合もある。
基準値Brefは、センサが位置決めされる場所で、車両および近傍の強磁性体が存在しない状態で磁場を測定することにより取得される。測定は、磁力計を用いて行われても、装置自体の磁気センサを用いて行われてもよく、後者の場合、測定は周期的に更新されることが可能である。この更新は、車両が不在の状態で行われなければならない。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、マイクロコントローラ103へ接続される受動型光学センサ101と磁気センサ102を示し、マイクロコントローラ103は無線トランシーバ104へ接続される。マイクロコントローラは、アナログ−デジタル変換器を含む。電力供給源105はマイクロコントローラとトランシーバへ接続されるが、前記センサへもそれらのインタフェース回路へも接続されない。前記センサとインタフェース回路は、必要なときにマイクロコントローラ自体によってのみ給電される。
バッテリにより給電される場合に、より大きいエネルギー効率を取得し、このようにして装置の活性寿命を延ばすためには、電子インタフェースのエネルギー消費量が極少であるセンサと低起動状態で消費電力が極少であるデジタルコントローラとトランシーバとを用いて低い電源電圧(たとえば3V)を選び、これを、常時必然的に起動されなければならないアイテムのみが給電されているように管理することが必要である。図2は、受動型光学センサがLDR(光依存抵抗器)であり、そのインタフェース回路が電圧分割器である、装置の好適な一実施形態を示している。但し、抵抗器Rsは、LDRが照明され、よってその抵抗が低値を有すると電流消費量が極少となるように高値を有するべく選択される。たとえば、Rs=920kΩであって、マイクロコントローラが3Vで給電されれば、日中にLDRを流れる電流は約3マイクロアンペアである。分割器の出力は、マイクロコントローラのアナログ入力(P2.0はEAとして行動する)および外部割り込みの入力(P2.1はEIとして行動する)へ接続される。電圧分割器へ印加される電圧は、マイクロコントローラの出力P2.2における電圧である。必要条件を満たすLDRは、モントリオール(カナダ、ケベック州)所在のSilonex社製NORPS−12であり、適切なマイクロコントローラは、ダラス(米国、テキサス州)所在のTexas Instruments社製MSP430F2274であってもよく、これは、集積型アナログ−デジタル変換器およびその1つ(LPM4)はエネルギー消費量が僅か0.1マイクロアンペアである5つの低電力動作モードを有する。
磁気センサは磁気抵抗器ブリッジであり、そのインタフェース回路は、E.Cifuentes、O.Casas、F.ReverterおよびR.Pallas Arenyにより’Direct Interface circuit to linearize resistive sensor bridges, Sensors and Actuators A, Vol.147 (2008), 210−215’に記述されているようなキャパシタCおよび抵抗器Rpである。このインタフェースにおいて、ブリッジは1つの入力ノードと3つの出力ノードとを有し、入力ノードはマイクロコントローラの出力ポート(図2におけるP1.1)および反対側の端子が接地されるキャパシタCへ接続され、一方で各出力はマイクロコントローラの異なる入力(P2.3、P3.7およびP3.6)へ接続される。測定プロセスは、キャパシタCをコントローラ出力(P1.1)における高値に設定された電圧によって(連続して)荷電し、次に前記キャパシタを抵抗器ブリッジを介して毎回異なるルートを用いて放電することから成り、前記ルートは、マイクロコントローラの異なる2つのポートを高インピーダンス状態における入力として、かつ第3のポートをレベル0の出力として設定することにより決定される。適切な磁気センサは、エデンプレイリー(米国、ミネソタ州)所在のNVE Corporation社製AAH002である。Cが1マイクロファラッド、Rpが120Ωになるように選択することにより、ミリ秒レベルの測定時間が得られる。これらは、駐車している車両、またはゆっくりと移動しつつある車両を検出するに足るものである。
この好適な実施形態では、トランシーバは無線であり、無線でアンテナへ接続される。低電力スタンバイ状態(1マイクロアンペア)を有するトランシーバは、ハイウィカム(英国、バッキンガムシャー、HP10 9QQ)所在のTelegesis社製ETXR2である。電力供給源は、バッテリと、3V電圧調整器とから成る。3V出力を有する低電力調整器は、Taiwan Semiconductor社製TS9011である。適切なバッテリは、キリヤットエクロン(イスラエル)所在のTadiran Batteries社製TL−5135、または他の任意の高容量、小容積のバッテリであってもよい。
特定エリアにおける優れた車両存在または不在検出を達成するためには、一方で、センサ上に車両が存在する場合の、かつ周囲の異なる照明状態、即ち自然光または人工光でのセンサ位置における地面レベルでの照明水準を認識すること、かつ他方では、前記エリアにおける地球磁場の卓越方向または磁場成分が大きい他の任意の方向、および装置上に駐車された車両により生じる磁気外乱を認識することが必要である。一般的に言えば、水平成分は赤道方向へ卓越し、かつ垂直成分は両極および緯度45゜の方向へ卓越するが、両成分は類似している。
図3は、晴天日(2009年2月27日、12時30分)の屋外で、床材内における光学センサによりセンサ上に車両が存在した状態で受信された照明の変化に関して行った2つの実験の結果を示す。一方の実験では、光学センサにカバーは付されず、もう一方の実験では、それが一般的な使用状態であるが、透明のプラスチックカバーで保護された。双方の実験で、照明は約1000分の1に低減され、よって検出は確実である。プラスチックカバーの存在は照明を5分の1程度にしか低減せず、よってカバーが汚れていても必ずしも誤りには繋がらない。しかしながら、照明低減の原因が車両にあったとする絶対的保証はなく、よってこの意味において磁気外乱を測定することは重要である。
図4は、夜間に、屋外駐車場における慣例にしたがって人工的に照明され、かつ照明器具から一定の距離を置いて存在する図3の実験と同じエリアで行われた2つの実験を示している。センサ上に車両が存在しないでも照明レベルは極めて低く、よって、磁気センサが起動される起点となる照明の最小値Eminは、例えばマイクロコントローラのアナログ−デジタル変換器を介して測定される周囲照明へと徐々に適応していくことが望ましい場合がある。しかしながら、何れにしても、実験は、車両が存在すれば照明はさらに大きく、40分の1程度まで低減することを示している。しかしながら、図4の「B」が示す短い一時的な変化によって示されるように、センサの近くを通る人の影でも車両と同程度に照明を低減させる場合があり、よってこの意味において磁気外乱を検出することは重要である。
図5は、(スペイン、バルセロナ州カステルデフェルスにおいて)二軸車両がエリアに進入し、そこに約10秒間留まり、次いで出発した際に、管理対象エリアの中心部に配置された図2の磁気センサによって磁気外乱が垂直方向に測定された3つの実験を示している。各実験は、異なる車両を用いて行われた。磁気外乱は車両モデル毎に異なるが、変化のパターンは類似していて、二軸(およびこれらの軸の一方の上に存在するエンジン)に対応する2つの大きいピーク、およびこれより小さい、車両中央部分に対応する変化の存在が観察される。さらに、変動パターンは、車両から一定の距離に配置された磁気センサによって取得される、Moon Ho Kang外がExperimental study of a vehicle detector with an AMR sensor,Sensors and Actuators A,118 (2005),pp 278−284において示しているような、磁気外乱の測定方向に依存して単極性であれ双極性であれ単一の移行から成るパターンとは異なることも観察される。したがって、管理を希望するエリアの床材上へ磁気センサを置くことは、より遠くに置かれる磁気センサよりもより詳細な磁気外乱の認識を可能にする。
これらの実験結果は、車両の常時検出を可能にするためにBv=5マイクロテスラという外乱値の選択を可能にする。しかしながら、これより遙かに小さい、但しこれよりはるかにセンサに近接する強磁性体も類似する値の磁気外乱を生じさせる可能性がある。したがって、追加的な関心事は、センサに近接する小さい物体は検出器の直上にあるときにしか照明を低減させないことに起因して、光センサを常時起動させておくことにある。他方で、車両の磁気外乱が50マイクロテスラを超えることはほとんどないことから、マイクロコントローラは、こうした場合に車両の存在を考慮しないようにプログラムされることも可能である。
本発明特許には、車両の存在または不在を確定することが望まれるエリア内の床材に設置され、デジタルコントローラへ接続される光センサおよび磁気センサを用いて車両を検出するための方法および装置が記述されている。光センサが陰の存在を検出すると、磁場を測定する磁気抵抗センサが起動され、かつ車両不在時に対するその変動が予め画定された所定のしきい値を超えていれば、コントローラは検出器上に車両が存在するものと見なし、無線式であってもよいトランシーバによってこれを伝達する。磁場の変動が予め画定されたしきい値を超えていなければ、陰の原因は車両ではないものと見なされ、磁気センサは、十分に大きい変動が検出されるか、照明が増大するまで周期的測定を行う。照明が高値であって磁場の変動が予め画定されたしきい値を超えれば、警報信号が発せられる。両センサはコントローラへのみ接続されて電力供給源へは接続されず、かつそれらの接続は、センサが起動されると電流消費を下げる活性コンポーネントを含まないインタフェース回路によるものである。光センサは、排出量が3マイクロアンペア未満である高インピーダンス回路内に存在し、よってこれは、検出器による消費量にほとんど影響を与えることなく連続起動されてもよい。
本発明ならびに好適な実施形態について十分に説明したが、添付の請求の範囲に規定された本発明の範囲を逸脱することなく本発明の構成および使用される材料を修正可能である点は、唯一、付け加えられるべきである。
本発明は、ある特定のエリア内に車両が存在するかどうかを確定するための方法および装置に関し、より具体的には、前記エリア内の床材に配置される照明レベルセンサおよび磁気センサに基づく方法に関する。
本発明の目的は、車両によりもたらされる遮光状態を検出する受動型光学センサと、前記遮光状態の原因がセンサ上に車両が存在することにあるか、或いは照明レベルを減じる原因が別にあるかを確定する磁気センサとを用いて、所定のエリア内に車両が存在するかどうかを連続的に検出するための方法を開発することである。本発明の第2の目的は、所定のエリア内に車両が存在するか否かを示す出力信号を提供し、かつ、バッテリで十分に動作することができる低エネルギー消費量を有する装置を開発することである。
所定のエリア内に車両が存在しているかどうかを知ることは、駐車場、踏切、非常口、出入管理、警備区域および特定のエリアにおける車両の存在または不在に基づく決定が下されなければならない他のアプリケーションの管理において一般に必要とされる。何らかの形式の屋根によって覆われたエリアでは、特定のエリアにおける車両の存在は、屋根から吊され、または屋根に取り付けられた構造物から吊り下げられかつ管理が望まれるエリアの直上に位置づけられる1つ以上の1つ以上のセンサによって確認される場合がある。これを実行する一般的な方法は、例えば超音波または赤外線である何らかのタイプの放射線に基づくセンサによるものであるが、その理由は、エミッタとレシーバとの間の経過時間がエミッタにより発せられる放射線が床から、または車両のルーフでもあり得る別のより近いオブジェクトから反射されるかどうかに依存することにある。管理を希望する特有のエリア毎のセンサを必要としない別のソリューションは、1つ以上のテレビカメラを関心対象エリアへと方向づけて設置することである。画像分析アルゴリズムの手段によれば、カメラによってカバーされるエリア内に存在する車両の数を確定することが可能である。このソリューションは、他の車両の後に部分的または完全に隠れている車両を検出できなければならないこと、かつ、1つ以上のカメラを設置するための補助物を有する必要があるため、技術的にはさらに複雑である。建物内では、この補助物は壁または天井に固定され得るが、屋根のないエリアでは、何らかの類の支柱を装備する必要がある。
カメラより安価な代替例は、管理を希望する各ロットの床材に検出器を設置することであり得る。検出に際しては、通常は天井から当てられる何らかのタイプの放射線の放射および受信に基づく方法のうちの1つまたは他の方法が適応される場合がある。しかし、周囲の何らかの先行状態に車両の存在がもたらす変化を捕捉する受動的システムに依存する検出の方が簡単である。さらに、受動型検出器は、放射線(高周波、光学的、機械的超音波)の放射および受信に基づく自らが放射線を発しなければならない検出器とは違って、前記事前状態を生成する必要がないことからエネルギー消費量が低くなる。大型駐車場、および概して各監視対象ロットへの即時給電を見込んだインフラが存在しない場所においては、各検出器へバッテリから給電する可能性が据付けコストを下げる。これらの事例において、検出器品質における別の重要な点は、そのエネルギー消費量が可能な限り少ないものでなければならないことにある。
地面で測定されることが可能でありかつ車両が通ると変わる物理的大きさは、車輪が上を通るエレメントにおける機械的応力である。したがって、Antonio Hernando Grandeらの国際公開第1996/01461号は、車両の車輪が、金属製の支柱へ固定される一方の端を有しかつそのもう一方の端は非晶質磁性材料ストリップが接着されている半円支柱へ固定されるワイヤ上を通過する時点で生成される機械的応力を検出することに基づく駐車車両を検出するための装置について記述している。このストリップは、車輪がワイヤ上を通過することにより誘発される動電力を集める巻線の中核部を形成する。車両の通過に起因する短い一過性の変化を検出する圧電センサ、気送管および誘導コイルの場合がそうであるように、このセンサは、絶えず活動状態でなければならず、必然的にエネルギーが消費され、しかも静止した車両を検出できないことは認識されるであろう。さらに、たとえば別の駐車場所へと向かう際にセンサ上を通る車両は、各場所のセンサ上を通る度に信号を生じさせるが、最終的にある特定の場所に駐車すれば、検出計数は実際に駐車している車両の数より多くなる。
車両の通過によって変わり、単にその存在によっても変わる別の物理的大きさは磁場であるが、その理由は、車両の過剰な強磁性体は車両が存在する間持続する地球磁場の外乱を引き起こすことにある。この外乱は、たとえば磁気抵抗センサ(磁気抵抗、異方性磁気抵抗、あるいは巨大磁気抵抗効果に基づく)によって検出される場合があり、よってこの方法は、車両の通過を検出する目的で多く適用されていて、車両の存在の検出を目的とするものはさほど多くない(例えば、M.J.Caruso,L.S.Withanawasam,"Vehicle Detection and Compass Applications using AMR Magnetic Sensors"http://www.ssec.honeywell.com/magnetic/datasheets/amr.pdf;P.Ripka,"Magnetic sensors for traffic control,"Proceedings of the International Symposium on Measurement and Control in Robotics (ISMCR 99),Tokyo, vol.10,pp.241−246,1999、G.Rouse,H.French, H.Sasaki"A solid−state vehicle detector for roadway applications,"IEEE Proceedings on Vehicle Navigation and Information Systems Conference, Seattle,USA,pp.11−16,July 1995;S.V.Marshall,"Vehicle Detection Using a Magnetic Field Sensor,"IEEE Transactions on Vehicular Technology,vol.27,no.2,pp.65−68,May 1978;R.Lao,D.Czajkowski,"Magnetoresistors for Automobile Detection and Traffic Control,"Sensors,pp.70−73,April 1996を参照されたい)。車両を検出するためには、緯度により地上の異なる地点で変わる地球磁場の卓越成分方向の磁気外乱を測定することで足りるが、他の方向を測定することによって車両を検出することも可能である。
磁気抵抗器に基づくこれら全てのアプリケーションに共通する1つの問題点は、これらの抵抗器の電気抵抗が約1kΩから5kΩであり、故に絶えず給電されれば短時間でバッテリが空になることに起因して、これらのセンサのエネルギー消費量が比較的大きいことにある。センサが2つ以上存在する場合、例えば車両を検出するための磁気センサと、環境状態(気温、雨、氷等)を確定するための幾つかの固有センサとを含むセンサノードにおいて、システムがたとえばRobert Kavalerの米国特許出願公開第20060202863A1号明細書に開示されているような有線接続を有していなければ、エネルギー消費問題はさらに深刻になる。さらに、車両検出用に適用される磁気抵抗器ベースの磁力計の改良は、測定された磁気外乱に対応するデジタル信号を取得するための手段としてアナログ−デジタル変換器を用いるが、この変換器は、たとえばGordon F.RouseおよびWilliam M.Volnaに付与された米国特許第5491475号明細書、および、James A.RodrianおよびDonald R.Jankeに付与された米国特許第6546344号明細書に記述されているように、増幅器によって取得される磁気センサからの出力を調整することを要求する。増幅器、フィルタ等を有するこれらの信号調整回路は、追加的なエネルギー消費量を含意する。
エネルギー消費量を減らすための1つの自明なシステムは、既定の時間間隔で検出器を断続的に給電するためのものである。 しかしながら、存在または不在を確実に検出することが望まれる場合には、この間隔は十分に短いものでなければならず、よって必然的に省エネルギーはエリアの占有率に大きく依存することになる。Charles Howardの米国特許出願公開第200201090856号明細書は、磁気センサが連続動作状態でなければならないことを回避するためのソリューションを開示している。これは、車両に起因して生じる地面の振動を検出し、かつ、振動が生じると磁気センサを起動して一定時間振動がなければ磁気センサを停止させる振動センサを用いることから成る。このソリューションの効力は、一方で、連続検出が希望される場合には絶えず活性化していなければならない振動センサのエネルギー消費量に依存し、かつ、特定エリアにおける車両の存在の指針と見なされ得る振動信号の認識にも依存する。しかしながら、何れにしても、振動センサは動きのない車両の存在を検出することができない。米国特許出願公開第200201090856号明細書に引用されている振動センサは、4.5Vで給電される場合のエネルギー消費量が0.5mAであるエレクトレットマイクロフォンEM9765−422、および5Vで給電される場合の典型的なエネルギー消費量が0.6mAである加速度計ADXL202である。これらの消費量レートへは、使用される振動センサの出力信号を調整するために必要とされるコンポーネント、その信号の伝達先であるコントローラ、およびシステム全体の電源のエネルギー消費量も加える必要がある。
国際公開第2006/063079A2号は、マイクロプロセッサと、ある実施形態では超音波、赤外線、レーダ、レーザ、容量型または光電型等の能動型センサへ結合される受動型磁気センサとを含む、車両の存在を検出するための検出器アセンブリを開示している。この検出器アセンブリの動作方法は、マイクロコントローラが車両の存在を検出するために磁気センサを周期的に起動し、前記磁気センサによって車両が検出されると、能動型センサがこの存在を確定するために起動されることに存する。検出を実行する開始位置は、明記されていない。
現在までに入手可能な情報の分析は、特定エリアにおける車両の存在を連続的かつ確実に検出するための方法と、車両が不在である場合のエネルギー消費量が30マイクロワット(3Vの給電で10マイクロアンペア)未満である方法は存在しないことを示している。私達は、低レベルの照明を検出すると同一地点における磁気センサを起動して低減された照明レベルが磁気外乱によるものであるかどうかを確認させる光学センサを床材へ置くことによって、絶えず給電される磁気センサのエネルギー消費量より、または振動センサが車両の接近を示す信号を検出すると起動される磁気センサのそれより遙かに少ないエネルギー消費量で車両の存在の確実な連続検出が可能になることを発見している。
私達は、所定のエリア内に車両が存在しているかどうかを、管理を希望するエリアの床材に配置され、かつ、車両によって生じる陰を検出する受動型光学センサから成り、かつ、その情報から給電が制御される検出器によって、および、この陰がセンサ上の車両に起因するものであるか、逆に照明が他の理由で低減されたのかを確定する磁気抵抗センサによる測定値によって、検出するための新規方法および装置を開発した。検出器は、固定式であっても携帯式であってもよく、無線であってもケーブルで接続されてもよく、センサネットワークとは独立して動作しても、その一部として動作してもよい。
開発した装置は、受動型光学センサおよび磁気センサが対応する電子インタフェースによって接続されるデジタルコントローラと、通信回路(トランシーバまたはモデム)と、コントローラおよびトランシーバ/モデムへ電流を供給するが前記2つのセンサの何れへも接続されない給電システムとに基づくものであり、たとえば、米国特許出願公開第200201090856号明細書に開示されている、これらのセンサが、これらのセンサを断続的に起動できるようにする回路によって給電源へ接続される発明とは異なる。私達の発明では、コントローラおよびトランシーバ/モデムの双方が通常はそのエネルギー消費量が極めて少ないスタンバイ状態にあり、かつ光学センサのためのインタフェース回路および磁気センサのためのインタフェース回路はコントローラの異なる出力端子へ接続されるが、これは、これらの端子の各々が、コントローラが製造される超小型電子技術の論理電圧レベルに関して高い(デジタル「1」)または低い(デジタル「0」)電圧レベルを有すること、または一方の端子を高インピーダンス(HZ)状態に置くことを規定する。これらの接続により、光学センサおよび磁気センサは、各センサを給電源へ接続する必要なしにコントローラから給電される。センサのこのコントローラからの給電は、各センサのインタフェース回路の設計が、コントローラのポートが必要な電流、即ちなおも極く低いものであるべき、または、ごく短時間に渡って流れるべき電流を供給できるように保証するものであれば可能になる。
光学センサのためのインタフェース回路は、デジタルコントローラの2つの入力端子へ接続される出力を有し、これらの端子のうちの一方(EA)はアナログ−デジタル変換器へ接続され、もう一方(EI)は、論理状態「1」および「0」に対応する2つの電圧レベル間に遷移があるとコントローラを中断できるようにされ得る入力に対応する。磁気センサのためのインタフェース回路は、望ましくはセンサが位置決めされるエリア内の磁場の値を測定できるように、コントローラの1つ以上の入力端子へ接続される。1軸上の磁場Bを測定する磁気センサは、センサが位置決めされる緯度に依存して地球磁場の卓越成分方向を測定するように、または地球磁場の成分が同様に大きい別の方向を測定するように準備されてもよい。コントローラにより実行される動作のタイミングは、後に説明するように、センサにより提供される情報に依存して利用可能な様々なものの中から選択され得るクロック信号の周波数によって決定される。
装置は、オンに切換されるとスタンバイ状態に留まり、光学センサはコントローラから給電され、そのインタフェース回路の設計によって極めて低い電流ドレインを有し、一方で、磁気センサのインタフェース回路および当然ながら磁気センサは供給電圧を受けない。コントローラは、クロック信号を必要としないモードで動作し、外部割り込みが存在するときにのみこのモードから出ることができる。光学センサにより検出される照明レベルが既定値Eminを下回れば、そのインタフェース回路の出力電圧は、コントローラがその入力EIにおける変化をスタンバイ状態を脱して磁場の測定を開始することを要求するものとして解釈するほど十分に変化する。この目的に沿って、コントローラは高速クロックによる動作へと移行し、磁気センサを起動し、そのインタフェース回路の1つ以上の出力を測定し、これらの測定値から磁場の値Bmを計算する。次に、コントローラはこの値Bmを、車両が存在しないときに測定して得られた基準値Brefと比較し、変化が所定値Bvより大きければ、磁気センサ上に車両が存在するものと見なされ、「存在」(場所が占有されていること)を示す信号が発生される。磁場は、測定値Bmと基準値Brefとの差が依然としてBvより大きいかどうかを確認するために、T1秒毎に連続して測定されてもよい。BmとBrefとの差がBvより少なければ、車両は出発したものと見なされ、よって結果的に「不在」信号(場所は空いている)が発生され、磁気センサ回路への給電が中断され、スタンバイ状態が再開される。時間T1は、そのエリアにおける占有率および車両の出入りにしたがって選ばれてもよい。たとえば、高い占有率および低い移動度を有するエリアの場合、T1は長くてもよい。
光学センサが低レベルの照明を検出した直後に、磁場の測定値Bmと磁場の基準値Brefとの差が値Bvより少なければ、車両存在(場所は占有されている)信号は発せられず、Bvより大きい変化が検出された場合に辿るものとは異なるルーチンへと進む。陰はセンサ上の車両の存在に起因するものではなく、他の原因によるものと見なされる(日暮れとなって人工照明はない、センサ上に物体が存在する、近傍の車が濃い影を投げかけている、他)。この他のルーチンでは、その入力EAへ接続される信号および先に測定されているような磁場の値から照明レベルの値がT2秒毎に測定される。これらの周期的測定の何れかにおいて、磁場の測定値Bmと基準値Brefとの差がBvより多ければ「存在」信号が発生され、測定は、この差がBvより少なくなるか、測定された照明レベルがEminを超えるまで続けられる。何れの場合も、「不在」信号が発生されてスタンバイ状態に入る。任意の時間に、照明レベルがEminを超えていてBmとBrefとの差がBvより多ければ、それまでに存在の検出が存在しているか否かに関わらず警報信号が発生される。
これまでに行った開示から、光学センサは常時起動されることが推測されるであろう。即ち、検出器上に車両が存在しない間、照明レベルセンサは照明レベルの突然の低減を検出できるように絶えず起動され、車両が存在していれば、照明レベルセンサは、車両の出発を検出できるように活性状態を続け、かつ磁気センサは車両が引き続き存在することを周期的に確認する。照明レベルセンサは暗がりを検出しているが、磁気センサは磁気外乱を検出していないことから車両の存在に関して疑いがある場合、光学センサは、暗がりの原因の消失を検出するために絶えず起動され、その間、照明レベルおよび磁場の値が周期的に測定される。照明レベルは高値であっても磁場センサが重大な磁気外乱を検出すれば、警報が発せられる。
エネルギー消費量を減らすために、デジタルコントローラは、状態を変えると、その新しい状態で実行しなければならないタスクに最も適するクロック周波数を選択する。 したがって、たとえば、EIを中断するためのスタンバイでは、全てのクロック発振器が停止され、Bの測定間の中間期では、低周波数クロックが選択され、一方でBの測定および信号伝達の間は高周波数クロックが選択される。同じくエネルギー消費量を減らすために、光学センサおよび磁気センサのインタフェース回路は能動型の電子コンポーネントを含まない。検出器がしばらくの間使用されないのであれば、トランシーバまたはモデムはスタンバイ状態に留めおかれることが可能であって、コントローラ、発振器、アナログ−デジタル変換器、他の内部周辺機器は全て使用不可にされることが可能であり、光学センサは、検出器の電力供給源へ直に接続されず電圧をプログラムし得るコントローラの端子へ接続されることから、非活性化される場合もある。
基準値Brefは、センサが位置決めされる場所で、車両および近傍の強磁性体が存在しない状態で磁場を測定することにより取得される。測定は、磁力計を用いて行われても、装置自体の磁気センサを用いて行われてもよく、後者の場合、測定は周期的に更新されることが可能である。この更新は、車両が不在の状態で行われなければならない。
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、マイクロコントローラ103へ接続される受動型光学センサ101と磁気センサ102を示し、マイクロコントローラ103は無線トランシーバ104へ接続される。マイクロコントローラは、アナログ−デジタル変換器を含む。電力供給源105はマイクロコントローラとトランシーバへ接続されるが、前記センサへもそれらのインタフェース回路へも接続されない。前記センサとインタフェース回路は、必要なときにマイクロコントローラ自体によってのみ給電される。
バッテリにより給電される場合に、より大きいエネルギー効率を取得し、このようにして装置の活性寿命を延ばすためには、電子インタフェースのエネルギー消費量が極少であるセンサと低起動状態で消費電力が極少であるデジタルコントローラとトランシーバとを用いて低い電源電圧(たとえば3V)を選び、これを、常時必然的に起動されなければならないアイテムのみが給電されているように管理することが必要である。図2は、受動型光学センサがLDR(光依存抵抗器)であり、そのインタフェース回路が電圧分割器である、装置の好適な一実施形態を示している。但し、抵抗器Rsは、LDRが照明され、よってその抵抗が低値を有すると電流消費量が極少となるように高値を有するべく選択される。たとえば、Rs=920kΩであって、マイクロコントローラが3Vで給電されれば、日中にLDRを流れる電流は約3マイクロアンペアである。電圧分割器の出力は、マイクロコントローラのアナログ入力(P2.0はEAとして行動する)および外部割り込みの入力(P2.1はEIとして行動する)へ接続される。電圧分割器へ印加される電圧は、マイクロコントローラの出力P2.2における電圧である。必要条件を満たすLDRは、モントリオール(カナダ、ケベック州)所在のSilonex社製NORPS−12であり、適切なマイクロコントローラは、ダラス(米国、テキサス州)所在のTexas Instruments社製MSP430F2274であってもよく、これは、集積型アナログ−デジタル変換器およびその1つ(LPM4)はエネルギー消費量が僅か0.1マイクロアンペアである5つの低電力動作モードを有する。
磁気センサは磁気抵抗器ブリッジであり、そのインタフェース回路は、E.Sifuentes、O.Casas、F.ReverterおよびR.Pallas Arenyにより’Direct Interface circuit to linearize resistive sensor bridges, Sensors and Actuators A, Vol.147 (2008), 210−215’に記述されているようなキャパシタCおよび抵抗器Rpである。このインタフェースにおいて、ブリッジは1つの入力ノードと3つの出力ノードとを有し、入力ノードはマイクロコントローラの出力ポート(図2におけるP1.1)および反対側の端子が接地されるキャパシタCへ接続され、一方で各出力はマイクロコントローラの異なる入力(P2.3、P3.7およびP3.6)へ接続される。測定プロセスは、キャパシタCをコントローラ出力(P1.1)における高値に設定された電圧によって(連続して)荷電し、次に前記キャパシタを抵抗器ブリッジを介して毎回異なるルートを用いて放電することから成り、前記ルートは、マイクロコントローラの異なる2つのポートを高インピーダンス状態における入力として、かつ第3のポートをレベル0の出力として設定することにより決定される。適切な磁気センサは、エデンプレイリー(米国、ミネソタ州)所在のNVE Corporation社製AAH002である。Cが1マイクロファラッド、Rpが120Ωになるように選択することにより、ミリ秒レベルの測定時間が得られる。これらは、駐車している車両、またはゆっくりと移動しつつある車両を検出するに足るものである。
この好適な実施形態では、トランシーバは無線であり、無線でアンテナへ接続される。低電力スタンバイ状態(1マイクロアンペア)を有するトランシーバは、ハイウィカム(英国、バッキンガムシャー、HP10 9QQ)所在のTelegesis社製ETXR2である。電力供給源は、バッテリと、3V電圧調整器とから成る。3V出力を有する低電力調整器は、Taiwan Semiconductor社製TS9011である。適切なバッテリは、キリヤットエクロン(イスラエル)所在のTadiran Batteries社製TL−5135、または他の任意の高容量、小容積のバッテリであってもよい。
特定エリアにおける優れた車両存在または不在検出を達成するためには、一方で、センサ上に車両が存在する場合の、かつ周囲の異なる照明レベルの状態、即ち自然光または人工光でのセンサ位置における地面レベルでの照明レベルの水準を認識すること、かつ他方では、前記エリアにおける地球磁場の卓越方向または磁場成分が大きい他の任意の方向、および装置上に駐車された車両により生じる磁気外乱を認識することが必要である。一般的に言えば、水平成分は赤道方向へ卓越し、かつ垂直成分は両極および緯度45゜の方向へ卓越するが、両成分は類似している。
図3は、晴天日(2009年2月27日、12時30分)の屋外で、床材内における光学センサによりセンサ上に車両が存在した状態で受信された照明レベルの変化に関して行った2つの実験の結果を示す。一方の実験では、光学センサにカバーは付されず、もう一方の実験では、それが一般的な使用状態であるが、透明のプラスチックカバーで保護された。双方の実験で、照明レベルは約1000分の1に低減され、よって検出は確実である。プラスチックカバーの存在は照明レベルを5分の1程度にしか低減せず、よってカバーが汚れていても必ずしも誤りには繋がらない。しかしながら、照明レベルの低減の原因が車両にあったとする絶対的保証はなく、よってこの意味において磁気外乱を測定することは重要である。
図4は、夜間に、屋外駐車場における慣例にしたがって人工的に照明され、かつ照明器具から一定の距離を置いて存在する図3の実験と同じエリアで行われた2つの実験を示している。センサ上に車両が存在しないでも照明レベルは極めて低く、よって、磁気センサが起動される起点となる照明レベルの最小値Eminは、例えばマイクロコントローラのアナログ−デジタル変換器を介して測定される周囲照明へと徐々に適応していくことが望ましい場合がある。しかしながら、何れにしても、実験は、車両が存在すれば照明レベルはさらに大きく、40分の1程度まで低減することを示している。しかしながら、図4の「B」が示す短い一時的な変化によって示されるように、センサの近くを通る人の影でも車両と同程度に照明レベルを低減させる場合があり、よってこの意味において磁気外乱を検出することは重要である。
図5は、(スペイン、バルセロナ州カステルデフェルスにおいて)二軸車両がエリアに進入し、そこに約10秒間留まり、次いで出発した際に、管理対象エリアの中心部に配置された図2の磁気センサによって磁気外乱が垂直方向に測定された3つの実験を示している。各実験は、異なる車両を用いて行われた。磁気外乱は車両モデル毎に異なるが、変化のパターンは類似していて、二軸(およびこれらの軸の一方の上に存在するエンジン)に対応する2つの大きいピーク、およびこれより小さい、車両中央部分に対応する変化の存在が観察される。さらに、変動パターンは、車両から一定の距離に配置された磁気センサによって取得される、Moon Ho Kang外がExperimental study of a vehicle detector with an AMR sensor,Sensors and Actuators A,118 (2005),pp 278−284において示しているような、磁気外乱の測定方向に依存して単極性であれ双極性であれ単一の移行から成るパターンとは異なることも観察される。したがって、管理を希望するエリアの床材上へ磁気センサを置くことは、より遠くに置かれる磁気センサよりもより詳細な磁気外乱の認識を可能にする。
これらの実験結果は、車両の常時検出を可能にするためにBv=5マイクロテスラという外乱値の選択を可能にする。しかしながら、これより遙かに小さい、但しこれよりはるかにセンサに近接する強磁性体も類似する値の磁気外乱を生じさせる可能性がある。したがって、追加的な関心事は、センサに近接する小さい物体は検出器の直上にあるときにしか照明レベルを低減させないことに起因して、光センサを常時起動させておくことにある。他方で、車両の磁気外乱が50マイクロテスラを超えることはほとんどないことから、マイクロコントローラは、こうした場合に車両の存在を考慮しないようにプログラムされることも可能である。
本発明特許には、車両の存在または不在を確定することが望まれるエリア内の床材に設置され、デジタルコントローラへ接続される照明レベルセンサおよび磁気センサを用いて車両を検出するための方法および装置が記述されている。照明レベルセンサが陰の存在を検出すると、磁場を測定する磁気抵抗センサが起動され、かつ車両不在時に対するその変動が予め画定された所定のしきい値を超えていれば、コントローラは検出器上に車両が存在するものと見なし、無線式であってもよいトランシーバによってこれを伝達する。磁場の変動が予め画定されたしきい値を超えていなければ、陰の原因は車両ではないものと見なされ、磁気センサは、十分に大きい変動が検出されるか、照明レベルが増大するまで周期的測定を行う。照明レベルが高値であって磁場の変動が予め画定されたしきい値を超えれば、警報信号が発せられる。両センサはコントローラへのみ接続されて電力供給源へは接続されず、かつそれらの接続は、センサが起動されると電流消費を下げる活性コンポーネントを含まないインタフェース回路によるものである。照明レベルセンサは、排出量が3マイクロアンペア未満である高インピーダンス回路内に存在し、よってこれは、検出器による消費量にほとんど影響を与えることなく連続起動されてもよい。
本発明ならびに好適な実施形態について十分に説明したが、添付の請求の範囲に規定された本発明の範囲を逸脱することなく本発明の構成および使用される材料を修正可能である点は、唯一、付け加えられるべきである。
Claims (6)
- 所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための方法であって、
地面から実行され、かつ、光センサおよび磁場センサに基づく二重測定原理を用いる方法。 - 前記光センサは、車両である可能性のあるものを検出すると、デジタルコントローラをその低電力消費状態から覚醒させ、
前記デジタルコントローラは、前記磁場センサを、前記磁場センサが使用されるエリアの緯度に従い地球磁場が大きい方向の磁気外乱の定量化から車両の存在を確定し得るように起動する、請求項1に記載の所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための方法。 - 前記光センサは抵抗式(光依存抵抗器、LDR)であり、前記磁場センサは磁気抵抗器ブリッジである、請求項1または2に記載の所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための装置。
- 前記LDRセンサのインタフェース回路は、前記デジタルコントローラの出力から給電される電圧分割器であり、同時に、前記電圧分割器の出力として、外部割り込み入力および前記コントローラのアナログ−デジタル変換器の入力へ直接かつ同時的に接続される、請求項3に記載の所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための装置。
- 前記磁場センサは、前記デジタルコントローラのデジタル入力ポートおよび出力ポートへ直接に、前記センサと前記コントローラとの間に能動型の電子コンポーネントが存在することなく接続される、請求項3に記載の所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための装置。
- エネルギー消費量を減らすために、前記デジタルコントローラの動作モードおよびクロック周波数は、前記コントローラ自体により給電される前記装置の前記2つのセンサを用いて取得される信号に依存して動的に変わる、請求項3に記載の所定のエリア内に止まっている車両の存在を連続的に検出するための装置。
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