JP3719438B2 - 車両検知システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両検知システム、及びこのシステムの保守方法に関するものである。特に、美観を損ねにくく、車両の誤認を低減して高い精度で、かつより低電力で車両を検知するのに最適な車両検知システム、及びこのシステムの保守方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、交通量や占有率などの交通流を調べるために車両を検知する車両検知器として、ループ検知器や超音波検知器などがよく知られている。
【0003】
ループ検知器は、ループコイルを道路に埋設しておき、車両がコイル上を通過する際のインダクタンスの変化を検出することで車両を検知するものである。
【0004】
超音波検知器は、一般に、自ら超音波を発してその反射波を感知するいわゆるアクティブセンサが用いられており、超音波を送波し、車両からの反射波と道路からの反射波とが戻ってくるまでの時間差を検出して車両を検知するものである。このような超音波検知器として、例えば、特許文献1に記載のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開昭60-78373号公報(特許請求の範囲参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の車両検知器では、以下の問題があった。
ループ検知器は、ループコイルを道路に埋設しなければならず、埋設作業が必要であるだけでなく、橋梁などでは埋設スペースが確保しにくく、適用できない恐れがある。
【0007】
一方、超音波検知器は、(1)美観をよりよくするために道路の側方に設置した場合、車両を精度よく検知することが困難である、(2)消費電力が大きくコスト高になり易い、という問題がある。
(1) 一般に、超音波検知器は、道路を通過する車両に対してほぼ垂直に送波できるように、送波部/受波部が道路を通過する車両のほぼ真上に位置するように設置する必要がある。従って、超音波検知器は、道路傍の支柱に水平材を取り付け、この水平材に送波部/受波部が道路や車両に対してほぼ真下を向くように固定されている。そのため、水平材は、超音波検知器が車両のほぼ真上に位置するように道路の中ほどまで突出できる程度の長さが必要である。しかし、水平材が道路の中ほど上方に突出して支柱に取り付けられることで、美観を損なうだけでなく、設置コストが高いという問題がある。特に、道路に複数の車線がある場合、各車線毎に車両検知器を設置するには、道路の両側の支柱を繋ぐような長尺な水平材が必要であり、上記の問題が顕著である。
【0008】
そこで、このような比較的長尺な水平材を除去し、或いは水平材を短くして、上記のようないわゆる直上式の設置ではなく、超音波検知器を車両の斜め上方に位置するように支柱に取り付ける、いわゆるサイドファイア式に設置することが考えられる。しかし、この場合、送波部/受波部が道路や車両に対して斜め下を向いているため、風雨の影響や多重反射の影響を受けて、車両を誤認する恐れがある。具体的には、横降りの雨などが超音波振動子に当たって振動子が固有振動周波数で振動した場合や、車両から直接返ってくる反射波以外のマルチパスで返ってくる反射波を受波した場合などで、車両有りと判断されることがある。
【0009】
(2) 超音波検知器は、アクティブセンサであるため、消費電力が大きい傾向にある。そのため、超音波検知器の電力は、通常、ケーブルなどの有線による供給が行われている。従って、電力供給のためのケーブル接続工事が必要であるばかりでなく、消費電力が大きいことからコスト高になり易い。
【0010】
そこで、本発明の主目的は、美観を損ないにくく、車両の誤認を低減して検知精度が高く、かつ消費電力を減らして車両を検知できる車両検知システムを提供することにある。
【0011】
また、本発明の別の目的は、上記車両システムに適した保守方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パッシブ(受動的)に赤外線を感知する手段を用いることで上記目的を達成する。
【0013】
即ち、本発明は、道路上の監視範囲を通過する車両を検知する車両検知システムであって、検知対象が発する赤外線を感知するセンサと、前記センサから得られた入力レベル値を用いて、車両の有無を判定する車両有無判定手段とを具えることを特徴とする。
【0014】
本発明は、自ら発した赤外線を感知することなく検知対象が発する赤外線を感知するセンサを用いることで、従来の超音波検知器のように車両検知器を道路面に向かって真下向きでなく車両の側方に設置されても、風雨などの影響を受ける恐れが少なく車両の誤認を低減することが可能である。そのため、本発明システムは、車両の側方から車両の検知を行っても、高い精度で車両を検知することが可能である。また、本発明は、パッシブに赤外線を感知するセンサを用いるため、従来の超音波検知器に用いられているようなアクティブセンサと比較して、消費電力が少ない。超音波検知器は、一般に消費電力が大きく、通常、太陽電池などによる電力供給が困難であり、有線による電力供給が必要である。これに対し、本発明では、パッシブセンサを用いるため、センサを連続作動しても消費電力が小さく、太陽電池などによる電源にて電力供給も可能である。このように本発明は、パッシブセンサを用いることで、消費電力の減少を実現し、コストの低減をも図ることができる。更に、有線による電力供給でなくてもよいため、ケーブルの接続工事なども不要である。
【0015】
加えて、本発明システムは、赤外線を感知するセンサを用いることで、検知精度を低下させることなく、センサを間欠的に作動させることができる。検知対象が発する赤外線がセンサに到達する時間は、ns(ナノ秒)オーダーであり、従来の超音波検知器と比較して実質的に無視できる程度の時間である。そのため、1回の車両の検知に対して、従来の超音波検知器では、測定時間30ms程度と処理時間30ms程度とで約60ms必要であったのが、本発明システムでは、実質的にその半分、処理時間の30ms程度で車両を検知することができる。従って、本発明システムは、従来の超音波検知器のように連続作動させず、センサを間欠的に作動させても、検知精度が低下することがない。以下、本発明をより詳しく説明する。
【0016】
物体が発する赤外線の量は、ステファン・ボルツマンの法則により、物体の絶対温度のほぼ4乗に比例すると共に、物体の放射率εに比例する。道路上の物体、例えば、道路面や道路を走行する車両の放射率εは、通常、ほぼ同等(通常0.9以上)であり大差がないことが多い。そのため、赤外線を感知するセンサを道路面の方向に向けて設置しておけば、道路などの車両以外の物体と温度が異なる車両が道路面を通過した際、センサが感知する赤外線の量が変化することで、車両を検知することができる。このようなセンサとして、本発明では、自ら発した赤外線を感知せず、検知対象が発する赤外線を感知するセンサ、いわゆるパッシブセンサを具えることを規定する。上記センサは、赤外線が有する熱効果によって温められて温度の上昇によって生じる電気的性質の変化を検出できるものが好ましい。このようなセンサとして、特に、赤外線により熱電対に発生した温度変化を熱起電力として出力するサーモパイル素子を用いることが好ましい。また、本発明システムは、熱起電力の出力が大きいサーモパイル素子を用いたり、回路構成や後述するように車両判定のアルゴリズムに用いる値を工夫することで、焦電センサなどの他のセンサを用いることなく、サーモパイル素子のみでも十分に赤外線の感知を行って、車両を検知することができる。特に、サーモパイル素子は、焦電センサと異なり、後述するように渋滞中などで停止している車両をも検出することができるため、有用である。
【0017】
本発明システムにおいてセンサとしてサーモパイル素子を用いる場合、基本回路には、サーモパイル素子と、この素子の起電力を増幅するアンプと、増幅された電圧を読み取り、この値を用いて車両の有無を判定する判定手段(例えば、CPUなど)とを具える。このような回路において、上記アンプは、交流成分だけでなく、直流成分をも増幅する構成が挙げられる。また、アンプを複数具えて、サーモパイル素子側に接続されるアンプAには、増幅率の比較的大きいものを用い、判定手段に接続されるアンプBには、増幅率の比較的小さいものを用いると共に、アンプBは、アンプAの出力とリファレンス電圧との差を増幅する構成などが挙げられる。このように複数のアンプを用い、アンプBにリファレンス電圧を入力することにより、判定手段のダイナミックレンジを向上させることができる。
【0018】
上記センサやアンプは、断続的に作動させてもよい。この場合、タイマなどを用いてセンサやアンプの電源のON/OFFを制御することが望ましい。即ち、タイマにより一定周期において一定時間のみセンサやアンプを作動させて、赤外線の感知を行ってもよい。
【0019】
本発明システムにおいて、上記センサから得られた入力レベル値を用いた車両の有無の判定は、入力レベル値をそのまま用いて行ってもよいし、適当な演算を行って入力レベル値に基づく演算値を用いて行なってもよい。前者の場合、車両有無判定手段では、パターンマッチングによる判定や、ニューラルネットによる判定などを行うことが挙げられる。後者の場合、車両以外の物体が発する赤外線量に基づく値を背景レベルとし、この背景レベルと入力レベル値との差に基づく値を比較値とし、車両有無判定手段は、比較値が閾値以上の場合、車両の存在を判定する構成が挙げられる。
【0020】
入力レベル値に基づく演算値を用いる構成の場合、まず、上記センサによりパッシブに赤外線を感知する。そして、センサから得られた入力レベル値と背景レベルとの差に基づく値が閾値以上の場合、車両有りと判定される。入力レベル値と背景レベルとの差に基づく値が閾値未満の場合、車両無しと判定される。このとき、背景レベルを後述するように固定値(設定値)とする場合、例えば、得られた入力レベル値を消去するなどして処理が終了する。背景レベルを変動値とする場合、得られた入力レベル値を背景レベルに用いるために記憶させたり、背景レベルを演算値とする場合は、所定の演算などの処理を行う。そして、判定結果を信号制御機や管理センターなどに送信する。
【0021】
上記車両の有無の判定において、入力レベル値に対して用いる背景レベルは、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値とする。この背景レベルは、例えば、季節毎や1日の時間毎などで予め固定値(設定値)を決めておき、この固定値を設定して用いてもよいが、上記センサや背景レベル用に別途設けたサーミスタなどのセンサが検知した測定データに基づく値を用いてもよい。例えば、上記センサで車両以外からの赤外線の量を随時検出しておき、この検出した赤外線の量に基づく値を用いることが挙げられる。測定データを用いると、背景レベルが実際の環境の値に近似しているため、より精密な検知を行うことができる。背景レベルは、判定の際の直前に検知した値を用いてもよいが、実際の環境では、何らかの影響で瞬間的な変化が起こり得るため、1回の検知で得られた値のみを用いた場合、車両を誤認する恐れがある。そこで、車両以外の物体が発する赤外線の量に基づく値により背景レベルを演算する背景レベル演算手段を具え、背景レベルは、演算値とすることが好ましい。例えば、複数回車両以外からの赤外線を検出して蓄積しておき、その平均値を演算し、この演算値を背景レベルとして用いてもよい。なお、背景レベルの検出用のセンサと車両の検知用のセンサとを同一のものを用いると、背景レベルの検出用のセンサを設ける必要がない。
【0022】
また、入力レベル値を用いた指数平滑法による演算値を背景レベルとして用いてもよい。指数平滑法は、一般にf0=α×d-1+(1-α)f-1=f-1+α×(d-1-f-1)と表され(f0:次期予測値、α:平滑係数、d-1:前期の実績値、f-1:前期の予測値)、前期の実績値(ここでは、入力レベル値)を反映させることができる。そのため、背景レベルが実際の環境(路面状況)に即したより的確な値となり得る。より具体的には、平滑係数αで決まる追従速度で背景レベルを入力レベル値に追従させる。平滑係数αは、一定値としてもよいが、前回の車両判定結果に応じて変化させると、車両の赤外線の量(温度)に左右されずに背景レベルをより確実に把握することができて好ましい。例えば、前回の車両判定結果が車両有りの場合、渋滞時などでは、現在の入力レベル値は、車両からの赤外線により得られた値であると考えられる。従って、渋滞時などでは追従速度を大きくすると異常な背景レベルとなるため、追従速度を比較的小さくする又は0にすることが好ましい。即ち、平滑係数αを比較的小さく或いは0にする。このとき、前期の実績値(ここでは、入力レベル値)をほとんど関与させず前回の背景レベルをほぼそのまま用いることになる。一方、前回の車両判定結果が車両無しの場合、現在の入力レベル値は、車両以外から、即ち、道路からの赤外線により得られた値であると考えられる。従って、追従速度を比較的大きくする、即ち、平滑係数αを比較的大きくして、前期の実績値(ここでは、現在の入力レベル値)による補正を行うことが好ましい。
【0023】
本発明において背景レベルと入力レベル値との差に基づく値、即ち閾値と比較する比較値としては、入力レベル値と背景レベルとの差をそのまま用いてもよい。しかし、本発明者らが検討した結果、入力レベル値と背景レベルとの差をそのまま用いると、渋滞時などで赤外線の量の変化が穏やかに行われた場合や、車両の温度変化(赤外線の量の変化)が大きく入力レベル値が背景レベルと同様となる時が存在する場合などでは、車両無しと判定される可能性があるとの知見を得た。そして、上記のような場合に対しては、瞬間的な入力レベル値ではなく、一定時間内の入力レベル値を積算した値を用いることが有効であり、同積算値を用いることで、赤外線の放射量の変化における本質的な傾向を把握でき、車両の検知をより精度よく行うことができるとの知見も得た。そこで、背景レベルと入力レベル値との差に基づく値として、入力レベル値と背景レベルとの差を一定時間積算した値を用いることを提案する。
【0024】
また、背景レベルと入力レベル値との差に加えて、入力レベル値の単位時間当たりの変化量を比較値として用いることが好ましいとの知見も得た。そこで、比較値として、更に、上記変化量を用いることを提案する。この変化量は、例えば、直前の入力レベル値と現在の入力レベル値との差でもよいが、少し前の入力レベル値と現在の入力レベル値との差、例えば、10ms毎に入力レベル値を測定する場合、160ms前の入力レベル値との差とする方がより有効である。また、この変化量は、背景レベルを加味して演算していないことから、背景レベルによる影響を受けないため、入力レベル値と背景レベルとの差が小さくとも、入力レベル値が変化している間は、車両が存在しているとの判定を得易い。従って、上記と同様に車両の認識できない場合などを低減する。このような比較値を用いた車両の有無の判定は、例えば、背景レベルと入力レベル値との差により第一の判定を行い、更に上記変化量により第二の判定を行うことで行ってもよい。具体的には、背景レベルと入力レベル値との差が閾値以上の場合、車両有りと判定する。同差が閾値未満の場合、車両無しと判定し、次に上記変化量による判定を行うと、車両の誤認を低減し、より正確に車両の存在を検知することができる。
【0025】
更に、比較値として、上記入力レベル値と背景レベルとの差を一定時間積算した値と、上記入力レベル値の単位時間当たりの変化量とを併用することがより好ましい。上記積算した値を比較値として単独で用いると、この値が0(ゼロ)となることがあるが、それでも入力レベル値が変化している間は、上記変化量を用いることで車両が存在しているとの判定を得易い。このように積算した値だけでなく、変化量をも考慮した値を車両判定のアルゴリズムに用いることで、焦電センサなどの別個のセンサを具えずサーモパイル素子のみでも、焦電センサと同等以上の機能を有することができる。
【0026】
本発明において判定に用いる閾値(スレッショルド)は、一定値としてもよいが、実際の環境に応じて変化させることが好ましい。例えば、赤外線の量の変化(温度変化)が大きいとき、即ち、分散が大きいときは、閾値を比較的大きな値とし、赤外線の量の変化(温度変化)が小さいとき、即ち、分散が小さいときは、閾値を比較的小さな値としてもよい。これらの閾値は、演算により求めてもよく、例えば、閾値を設定値+補正値として、補正値を変化させることで閾値を変化させてもよい。このとき、補正値は、入力レベル値に基づいて変化させることが好ましい。また、補正値は、前回の車両判定結果に応じて変化させると、閾値が大きくなりすぎることを防止することができて好ましい。例えば、前回の車両判定結果が車両有りの場合、補正値を比較的小さくし、前回の車両判定結果が車両無しの場合、補正値を比較的大きくすることが好ましい。この場合、一旦、車両有りとの判定が得られると、車両有りとの判定を継続し易く、例えば、渋滞中などで車両停止中は車両有りとの判定を継続し、車両が走行を開始する際、車両有りとの判定を停止し易い状態にできる。
【0027】
なお、車両有りから車両無しの状態に移行する際は、一定の保持時間を持たせて、車両有りとの判定を延長させることが望ましい。車両によっては、温度分布にばらつきがあり、温度のばらつきによって赤外線の量もばらつきが生じることから、1台の車両を2台以上と誤認する恐れがある。そのため、上記のような保持時間を追加することで、誤認を効果的に抑制することができる。このような補填は、極めて短時間にのみ車両無しとなること、例えば、複数台の車両が比較的短い車間距離で高速に走行することは、現実的にありえないために実現できる。保持時間としては、例えば、115ms程度が挙げられる。
【0028】
背景レベルの演算、比較値の演算や閾値の演算、その他車両の有無の判定などの処理は、公知の中央演算処理装置(CPU)などを用いて行うとよい。
【0029】
車両判定手段から得られた結果は、集計しておき、信号制御機や管理センターなどに送信する。結果の送信は、有線にて行ってもよいが、上記システムに更に集計結果を無線により送信する無線通信手段を具えておき、無線により送信してもよい。このとき、無線通信手段に電力を間欠的に供給する電源制御部を具えておき、一定時間のみ電力の供給を行うと、電力をより低減することができて好ましい。電源制御部は、例えば、タイマなどを具えておき、一定周期で一定時間のみ電源をONにして、電源がONのときにのみ、集計結果の受信及び送信を行うようにする。
【0030】
本発明システムにおいてセンサや車両有無判定手段が正常に動作しているかどうかを点検する、即ち保守を行うことが望まれる。このような点検は、車両有無判定手段にケーブルなどを接続して、このケーブルを介してパソコンなどの機器により保守用データを送信し、送信したデータが機器に返送されるか確認することで行ってもよい。しかし、有線による点検では、有線接続用のボックスやコネクタ類を設置しておいたり、接続作業が必要となる。このような器具の設置や接続作業を低減する又はなくすため、無線による点検が好ましい。即ち、本発明車両検知システムの保守方法では、システムの保守を無線通信手段に保守用データを無線にて送信して行うことを特徴とする。このような無線による保守では、パソコンなどの保守用機器には、IrDAなどの無線インターフェースを具えるものを用いるとよい。
【0031】
更に、無線通信手段に電力を間欠的に供給する場合などでも効率的に保守を行うことができるように、保守用データの受信の有無を判定する保守判定部を具えることが好ましい。即ち、無線通信手段の電源がONのとき、この保守判定部を作動させて、保守用データの受信の有無を判定し、データの受信があったとき、保守を行うことが好ましい。なお、無線通信手段の電源がONのとき、保守判定部とデータの送信を行う送受信部の双方を作動させてもよいし、各部を別個に作動させてもよい。前者の場合、無線通信手段の電源がONのとき、パソコンなどの保守用機器から送信された保守用データを受信し、返信データを同機器に送信する。一方、保守用データの受信がなかった場合、車両判定手段からの結果を受信し、信号制御機や管理センターなどに送信する動作を行う。後者の場合、保守データの送受信を行うために無線通信手段の電源がONの場合と、信号制御機などにデータを送信などするために無線通信手段の電源がONの場合とが存在することになる。従って、無線通信手段の電源のON/OFFは、各場合に合わせて、タイマなどの制御部により制御してもよい。
【0032】
本発明システムにおいて上記センサは、道路際に設けられている支柱に対し、いわゆるサイドファイア式に設置して、赤外線の感知を道路の側方から行ってもよい。即ち、道路の側方から車両を監視してもよい。具体的には、上記センサの取り付け位置を道路面から車両の高さ以上とする場合、道路や車両などに対しセンサが斜め下を向くように支柱に取り付け、車両を斜め上方から監視してもよい。取り付け位置を道路面から車両の高さ未満とする場合、車両などに対しセンサが水平方向に向くように支柱に取り付け、車両をほぼ真横から監視してもよい。
【0033】
複数の車線の車両を検知する場合、車線数に対応した複数のセンサを用いる。このとき、本発明システムに複数のセンサを一体に具えてもよいし、一つのセンサを具える本発明システムを複数用いてもよい。前者の場合、本発明システム内の各センサの位置をずらして具え、道路際に設けられている支柱に対してこの本発明システムをいわゆるサイドファイア式に設置することで、複数の車線を一つの本発明システムで監視することができる。後者の場合、同支柱に対して各センサの位置をずらして上記と同様にいわゆるサイドファイア式に設置してもよいが、例えば、センサの設置個所に近い側の車線を通過する車両が大型で、同設置個所に遠い側の車線を通過する車両が小型であると、大型車両により小型車両の赤外線が遮断されてしまう恐れがある。そこで、支柱に水平材を配して、各車線を通過する車両を検知できるように適当な間隔でこの水平材に各センサを設置してもよい。このとき、本発明システムは、各センサが車両のほぼ真上に配置されていなくても、十分に車両の検知を行うことができるため、上記水平材は、車両のほぼ真上に各センサが配置されるような長尺なものである必要がなく、比較的短いものでよい。
【0034】
本発明システムは、赤外線を感知するセンサを用いることで、センサが道路を通過する車両のほぼ真上でなく道路の側方に設置されていても、車両を誤認することが少なく高精度の検知が可能である。また、本発明システムは、従来の超音波検知器のように設置の際に長尺な水平材を全く用いなくてもよく、或いは水平材を用いたとしても、従来の水平材よりも短いものでよく、美観を損なうことが少ない。
【0035】
更に、本発明システムには、赤外線を感知するエリアを絞って適当な範囲に調整でき、かつ赤外線をセンサに集め易くするために、サーモパイル素子などのセンサの検知方向前方には、赤外線透過レンズを具えることが好ましい。赤外線透過レンズは、赤外線を透過するものであればよく、特に形状は問わない。例えば、一面が球面状でもよい。また、赤外線透過レンズは、特に、ZnSから形成されるものが好ましい。赤外線透過レンズとして、従来Ge(ゲルマニウム)などから形成されるものが知られているが、従来のレンズでは、ガラス系やシリコン系の補助材が必要である。しかし、本発明者らが検討した結果、ZnSからなるレンズは、耐候性に優れており、これ自体を外部に露出させても十分使用に耐え得るとの知見を得た。この知見に基づき、本発明に好ましい構成として、ZnSから形成されるレンズを規定する。
【0036】
また、本発明システムは、サーモパイル素子などのセンサを収納する筐体を具えることが好ましい。このような筐体は、軽量のアルミニウムなどから形成されるものが好ましい。そして、上記赤外線透過レンズは、この筐体に収納されるサーモパイル素子などのセンサと焦点距離が合うように筐体に配置する。このとき、筐体内でサーモパイル素子などのセンサを支持する支持部と、赤外線透過レンズを支持する支持部とを別個に設けてもよいが、一体に形成された支持部でもよい。一体に形成された支持部とする場合、この支持部には、サーモパイル素子などのセンサ及び赤外線透過レンズを配置した際、適切な焦点距離となるように、それぞれ上記センサ、レンズの配置個所を形成することが好適である。このような支持部を用いると、サーモパイル素子などのセンサ及び赤外線透過レンズを適宜各配置箇所に配置することで、焦点距離を適切に合わせられる一体部材が得られ、筐体の所定の場所に配置する際、焦点距離の調整を行う必要がなく、筐体への設置作業が容易にできて好ましい。
【0037】
上記筐体には、赤外線透過レンズの指向角を目的の方向に合わせるための照準部を具えることが好ましい。サーモパイル素子などのセンサ及び赤外線透過レンズを具えた筐体を支柱に設置する際、同レンズの指向角を目的の方向に合わせる必要がある。そこで、照準部を具える筐体を用いると、筐体に配置された赤外線透過レンズの指向角が容易に把握できて、設置作業性がよい。照準部は、指向角を目的の方向に合わせることができるものであればよく、例えば、凹状突起と、凸状突起とを組み合わせた突起などの目印を設けたり、レーザポインタなどを設ける構成が挙げられる。前者の場合、より具体的には、筐体の一面において一端に凹状突起、他端に凸状突起を具え、凹状突起の凹みから凸状突起を確認し、この凹みと凸状突起の凸部とを繋ぐ直線を目的の方向に合わせることで、指向角を適切な方向にできる構成が挙げられる。
【0038】
本発明システムでは、上記センサと、センサからの測定データに基づき車両の有無の判定を行う車両有無判定手段とは、一体に具えていてもよいし、別個に具えていてもよい。前者の場合、例えば、センサと車両有無判定などを行うCPUなどとを上記筐体に収納して、これを検知部としてもよい。後者の場合、センサを筐体に収納してこれを検知部としてもよい。このとき、車両有無判定などを行うCPUなどを制御ボックスなどに収納し、上記筐体を道路傍の支柱に設置し、上記制御ボックスをこの支柱と同一の支柱、又はこの支柱近傍に設置してもよい。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<車両検知システムの処理動作の説明>
まず、本発明車両検知システムの動作を説明する。
(実施例1)
図1は、タイマ制御によりセンサを間欠的に作動させる本発明車両検知システムであって、有線で集計結果を送信する場合の機能ブロック図である。このシステムは、車両などが発する赤外線を感知し、この感知結果(入力レベル値)と背景レベルとを比較して、入力レベル値と背景レベルとの差と閾値との大小関係により、車両の有無を判定するものである。即ち、この例では、背景レベルと入力レベル値との差に基づく値(比較値)として、入力レベル値と背景レベルとの差をそのまま用いる。具体的な構成要素は、以下のとおりである。
【0040】
(1) (センサ部10)
車両や道路などの検知対象が発する赤外線を感知するセンサとして本例では、サーモパイル素子10aを用いた。特に、出力の大きいサーモパイル素子を用いた。また、センサ部10に具えるサーモパイル素子10a及びアンプ10bは、タイマ1により一定周期で電源のON/OFFが行われ、間欠的に作動する構成である。
【0041】
(2) (感知処理部11)
センサ部10から得られた入力レベル値を一時的に記憶したり、入力レベル値と背景レベルとを比較したり、背景レベルの演算(本例では、車両以外からの赤外線による入力レベル値を蓄積して平均をとり、この平均値を背景レベルとする)などの処理を行う処理部である。より詳しくは、車両以外からの赤外線による入力レベル値を背景値として記憶するメモリ(記憶手段)、車両有無判定手段(本例では、センサ部10から得られた入力レベル値とメモリから読み出した背景レベルとを比較して、入力レベル値と背景レベルとの差が閾値以上の場合、車両の存在を判定する)などを具える。これらの処理には、適宜中央処理装置(CPU)を用いている。
【0042】
その他、本例に示す本発明システムでは、センサ部10や処理部11の電力供給用に太陽電池部12を具え、太陽電池12aにより電力を供給しているが、通常の有線による供給などでもよい。
【0043】
このような本発明車両検知システムは、タイマ1によりセンサ部10が作動すると、検出対象が発する赤外線をセンサ部10内のサーモパイル素子10aが感知する。サーモパイル素子10aに生じた起電力をアンプ10bにより増幅して感知処理部11に送り、A/D変換器11aでデジタル信号に変して、入力レベル値を得る。この入力レベル値と、背景レベルとを比較して、その差が閾値以上かどうかで、車両の有無を判定する。そして、感知処理部11から得られたデータは感知集計結果に集計して、有線で信号制御機や交通管理センターなどに送る。
【0044】
上記システムによる車両検知の操作手順を具体的に説明する。図2は、タイマ1の制御手順を示すフローチャート、図3は、感知処理部における処理手順を示すフローチャートである。
【0045】
まず、センサ(本例では、サーモパイル素子)及びアンプを間欠的に作動させるタイマ1について説明する(図2参照)。タイマ1は、例えば、1ms周期でカウントアップを行い(ステップ20)、60ms周期での電源のON/OFFを制御する。60ms周期のうち、30msにセンサ及びアンプの電源をONにして作動開始させ、30〜60msの30ms間電源をONにして赤外線の感知を行わせ(ステップ21)、60msになったら電源をOFFにする(ステップ22)。また、40msに感知処理部の処理を開始させる(ステップ23)。そして、60msになったらリセットし(ステップ24)、新たにカウントアップを始め、これを繰り返す。本例では、感知処理部の処理開始時間(40ms)をセンサ及びアンプの作動開始時間(30ms)よりも10ms遅らせているが、同時としてももちろんよい。また、カウントアップの周期、センサ及びアンプの電源ONの開始時間や作動時間、リセットの周期などは、適宜変更してもよい。
【0046】
次に、感知処理部の処理について説明する(図3参照)。タイマ1によりセンサの作動に伴い、感知処理部の処理が始まる(ステップ30)。感知処理部には、センサから得られた起電力が増幅されて送られ、入力レベル値を得る(ステップ31)。そして、得られた入力レベル値と、後述のようにしてメモリに記憶された背景レベルとを比較する(ステップ32)。入力レベル値と、メモリから読み出した背景レベルとの差(温度変化)が閾値以上の場合、車両有りと判定し(ステップ33)、感知集計結果に「車両有り」と書き込む(ステップ34)。
【0047】
一方、入力レベル値と、メモリから読み出した背景レベルの差(温度変化)が閾値未満の場合、車両無しと判定する(ステップ35)。即ち、センサは、背景(道路など)を検出したことになる。そこで、感知集計結果に「車両無し」と書き込む(ステップ36)。そして、得られた入力レベル値を保存して(ステップ37)、過去100回の保存した入力レベル値の平均値を演算し、この演算値を背景レベルとしてメモリに記憶する(ステップ38)。
【0048】
ステップ34及び36から得られた感知集計結果は、有線を介して信号制御機などに送る。
【0049】
このように本発明車両検知システムは、消費電力のより小さいパッシブセンサを用いることで消費電力の低減を実現する。更に、本例では、タイマ1によりセンサ及びアンプの電源のON/OFFを制御して、センサやアンプを断続的に作動することで消費電力の更なる低減を実現する。
【0050】
(実施例2)
上記の例では、感知集計結果を有線により信号制御機や管理センターなどに送信する場合を説明したが、無線通信部(無線通信手段)を具えておき、感知集計結果の送信を赤外線などの光や電波などを用いて無線で行ってもよい。図4は、タイマ制御によりセンサを間欠的に作動させる本発明車両検知システムであって、無線通信部を具えるシステムの機能ブロック図である。基本構成は、図1と同様であり、無線通信部13を具える点が異なる。無線通信部13は、無線制御部13aと、アンテナなどを有する送受信部13bを具えており、感知処理部11から送られてきた集計結果を信号制御機や管理センターなどに送信するものである。本例では、タイマ2(図示せず)を用いた電源制御部により、無線通信手段(本例では、送受信部13b)に電力を間欠的に供給し、一定周期で一定時間のみ送受信部13bに電力が投入され、送受信を行う。図5は、タイマ2の制御手順を示すフローチャート、図6は、無線制御部における処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
図5に示すようにタイマ2は、例えば、10ms周期でカウントアップを行い(ステップ50)、60s周期で送受信部の電源のON/OFFを制御する。60s周期のうち、0〜500msの500ms間送受信部の電源をONにして、感知処理結果の送受信を行い(ステップ51)、500msになったら送受信部の電源をOFFにして送受信をやめる(ステップ52)。また、100msに無線制御部の処理を開始させる(ステップ53)。そして、60sになったらリセットし(ステップ54)、新たにカウントアップを始め、これを繰り返す。本例では、無線制御部の処理開始時間(100ms)を送受信部の作動開始時間(0ms)よりも100ms遅らせているが、同時としてももちろんよい。また、カウントアップの周期、送受信部の電源ONの開始時間や作動時間、リセットの周期などは、適宜変更してもよい。
【0052】
図6に示すように送受信部の電源ONに伴い、無線制御部の処理が始まる(ステップ60)。無線制御部では、感知処理部からの感知集計結果を読み込み(ステップ61)、送受信部を介して読み込んだ結果を信号制御機や管理センターなどに送信する(ステップ62)。送信後は、メモリに記憶された感知集計結果をクリアにする(ステップ63)。なお、感知集計結果をクリアにせず蓄積しておき、最新の感知集計結果のみを送信するようにしてもよい。
【0053】
このような本発明車両検知システムは、電源制御部(本例では、タイマ2)によって感知集計結果の信号制御機などへの送信を断続的に行うことで、感知集結果の送信をより低電力で行うことができ、消費電力の低減を図ることができる。なお、実施例1や2に示したタイマ1及び2は、同期させても用いてもよいし、同期させなくてもよい。
【0054】
(実施例3)
上記実施例1及び2では、入力レベルと背景レベルの差に基づく値として、同差をそのまま比較値として用いる構成を示した。また、センサやアンプを間欠的に作動させる構成を示した。次に、同差に基づいて演算した値を比較値として用いると共に、センサやアンプを連続的に作動させる構成を説明する。図7は、センサを連続的に作動させる本発明車両検知システムであって、無線通信部を有するシステムの機能ブロック図である。このシステムの基本的構成要素は、図4に示す実施例2とほぼ同様であるが、センサ部10のセンサ(本例ではサーモパイル素子10a)及びアンプ10bの電源制御を行うタイマ1を具えていない点が異なる。また、このシステムでは、後述するように感知処理部11が背景レベルの演算や車両の有無の判定だけでなく、入力レベル値と背景レベルとの差を用いた比較値の演算、閾値の演算なども行う点が異なる。以下、より詳しく説明する。
【0055】
本例のシステムは、実施例1及び2と同様に、検出対象が発する赤外線をセンサ部10に有するセンサ(本例ではサーモパイル素子10a)で感知し、素子10aに生じた起電力をアンプ10bにて増幅して感知処理部11に送り、A/D変換器11aでデジタル信号に変換して、入力レベル値を得る。そして、この入力レベル値と背景レベルとの差に基づく値(比較値)を演算し、この比較値が閾値以上かどうかで、車両の有無を判定する。その後、実施例2と同様に、感知処理部11から得られた結果を集計して無線通信部13に送り、送受信部13bを介して信号制御機や交通管理センターなどに集計結果を送る。
【0056】
上記システムによる車両検知の操作手順を具体的に説明する。図8は、感知処理部における処理手順を示すフローチャートである。本例において感知処理部は、センサの作動に伴い処理が始まる(ステップ70)。処理開始直後は、背景レベルと閾値の初期学習を行う(ステップ71)。CPUによっては車両が走行している際のデータから背景となるデータのみを割り出すことが困難な場合も考えられる。そのため、背景レベルの初期学習中は、車両の判定を行わないことが好ましい。従って、センサや感知処理部の電源は、車両がいないときにONにしたり、或いはリセットなどのトリガを設けておくことが好ましい。背景レベルの初期学習は、車両がいないときに行うため、できるだけ短い時間、例えば1秒程度とすることが好ましい。背景レベルの初期学習としては、具体的には、例えば、車両が存在していないときの入力レベル値の平均値をとることが挙げられる。一方、車両が存在している際に背景レベルの初期学習を行う場合は、例えば、一定時間の入力レベル値の最頻値をとってもよい。
【0057】
そして、背景レベルの初期学習が済んだ後、一定時間(例えば、10秒程度)閾値の学習を行う。閾値は、初期値を十分に大きくしておけば、学習により自動的に適切な値に下がる。このような手順で初期学習を行わせることで、背景レベル及び閾値共により正常な値、即ち、実際の環境により即した値をとることができる。得られた背景レベル及び閾値は、メモリに保存する。
【0058】
上記初期学習の後、車両の有無の判定を始める。まず、感知処理部は、センサから得られた起電力が増幅されて送られ、入力レベル値を得る(ステップ72)。この入力レベル値を基に後述する手順で比較値を演算する(ステップ73)。また、この入力レベル値を基に後述する手順で閾値を演算する(ステップ74)。そして、入力レベル値に基づき演算された比較値と閾値とを比較する(ステップ75)。比較値が閾値以上の場合、車両有りと判定し(ステップ76)、感知集計結果に「車両有り」と書き込み、メモリに保存する(ステップ77)。本例では、入力レベル値も保存しておき(ステップ79)、後述する背景レベルの演算に用いる。
【0059】
一方、比較値が閾値未満の場合、車両無しと判定し(ステップ78)、同様に感知集計結果に「車両無し」と書き込み、メモリに保存する(ステップ77)。このとき、センサは、道路などの背景を検出したことになる。そこで、この判定に用いた入力レベル値は、演算に用いるために保存し(ステップ79)、この入力レベル値を用いて背景レベルの演算を行う(ステップ80)。
【0060】
無線通信手段は、ステップ77で得られた感知集計結果が保存されていないかを適宜確認し、上述の手順と同様にして集計結果を信号制御機などに送る(図5、6参照)。なお、上記信号制御機などへの集計結果の送信は、無線通信手段の送受信部の電源がONのときに行う。送受信部の電源がOFFのときは、そのまま保存しておき、ONになってから送信する。
【0061】
次に、本例に示すシステムに用いる背景レベルについて説明する。上記実施例1では、背景レベルとして、車両無しの判定が得られた入力レベル値の平均値を用いていたが、本例では、指数平滑法による演算値を背景レベルとして用いる。具体的には、入力レベル値をbn、次回の判定に用いる背景レベルをan、平滑係数をαとするとき、an=an-1+α×(bn-an-1)を背景レベルとして用いる(an-1は前回の車両判定に用いた背景レベル)。また、本例において平滑係数αは、車両の温度に左右されず、実際の環境により即した背景レベルとなるように前回の車両判定結果に応じて変化させる。具体的には、前回の判定結果が車両有りのときは、平滑係数αをより小さい値(αON)、例えば0とし、前回の判定結果が車両無しのときは、平滑係数αを比較的大きな値(αOFF)、例えば、0.025とする。このような指数平滑法による背景レベルを用いることで、実際の環境に即したより的確な値が得られ、より正確な車両の判定を行うことができる。
【0062】
背景レベルを演算する手順を説明する。図9は、背景レベルの演算手順を示すフローチャートである。まず、メモリから前回の車両判定結果を呼び出し、判定結果が車両有りかどうかを確認する(ステップ90)。前回の判定が車両有りの場合、平滑係数は、αONを選択する(ステップ91)。また、前回の判定が車両無しの場合、平滑係数は、αOFFを選択する(ステップ92)。そして、入力レベル値bn、メモリから呼び出した前回の背景レベルan-1及び選択された平滑係数を上記背景レベルの演算式an=an-1+α×(bn-an-1)に代入して、背景レベルを演算する(ステップ93)。
【0063】
次に、本例に示すシステムに用いる比較値について説明する。上記実施例1では、比較値として、入力レベル値と背景レベルとの差をそのまま用いたが、本例では、この差に基づき演算した値を比較値として用いる。具体的には、入力レベル値bnと前回の背景レベルan-1との差分(背景差分と呼ぶ)を求め、この背景差分の一定時間における積算値を比較値とする。このように入力レベル値と背景レベルとの差に基づく演算値を比較値とすることで、車両の誤認や認識できない場合などを低減する。
【0064】
この比較値の演算する手順を説明する。図10は、比較値の演算手順を示すフローチャートであり、比較値として積算値を用いる場合を示す。まず、入力レベル値と背景レベルとの差分(背景差分)を演算する(ステップ100)。本例において背景差分Snは、bnとan-1との差の絶対値、即ち、Sn=|bn-an-1|とする。次に、この背景差分Snを一定時間積算した積算値In=ΣSkを演算する(ステップ101)。本例では、センサにて一定時間毎、例えば、10ms毎に入力レベル値を測定して背景差分を求め、一定時間、例えば、160ms分の背景差分、即ち、16回分の背景差分を積算する。本例では、このようにして得られた積算値Inを比較値として用いる。なお、積算時間や積算回数などは適宜変更してもよい。後述する積算値及び入力レベル値の単位時間当たりの変化量を比較値とする場合についても同様である。
【0065】
別の比較値について説明する。上記積算値だけでは、0をとる場合があり、このとき、車両を誤認する恐れがある。そこで、比較値として、積算値と入力レベル値の単位時間当たりの変化量とを用いた演算値を利用することが好適である。具体的には、上記と同様に入力レベル値と前回の背景レベルとの差分(背景差分)を求め、この背景差分の一定時間における積算値を求める。次に、変化量を求め、更に、この変化量の平均値を求める。この平均値を定数倍したものを今回の積算に加えて比較値とする。このように積算値だけでなく、変化量をも用いて演算した値を比較値とすることで、車両の誤認や認識できない場合などを更に低減する。また、このように変化量をも考慮した値をアルゴリズムに用いることで、焦電センサなどの他のセンサを用いることなく、サーモパイル素子のみでも十分に赤外線の感知を行って、車両の有無を判定することができる。
【0066】
この比較値を演算する手順を説明する。図11は、比較値の演算手順を示すフローチャートであり、比較値として積算値及び変化量を用いる場合を示す。まず、図10と同様に入力レベル値と背景レベルの差分、即ち、背景差分Sn=|bn-an-1|を演算する(ステップ100)。次に、この背景差分Snを一定時間積算した積算値In=ΣSkを演算する(ステップ101)。本例では、上記と同様に16回分の背景差分Snを積算する。次に、入力レベル値の単位時間当たりの変化量Dnを演算する(ステップ102)。本例では、直前の入力レベル値との差ではなく、少し前の入力レベル値との差とした。具体的には、例えば、10ms毎に入力レベル値を測定する場合、160ms前の入力レベル値bn-16との差の絶対値|bn-bn-16|を変化量とする。次に、この変化量Dnの平均値Bnを演算する(ステップ103)。本例では、特定個数、例えば、8個分の変化量の平均をとる。即ち、平均値Bn=1/8×ΣDk(但し、k=n-7〜n)とする。そして、積算値Inと平均値Bnの定数倍との和を演算して、比較値を求める(ステップ104)。即ち、本例において比較値は、In+Bn×A(但し、Aは定数、例えばA=40)より得られる。定数Aは、積算値In、平均値Bnをそれぞれどの程度関与させるかによって決定される任意の値である。なお、各ステップの演算値は、次回の演算に用いることができるように、メモリに保存しておく。また、平均値を求める特定個数や、定数Aは適宜変更してもよい。
【0067】
次に、本例に示すシステムに用いる閾値について説明する。閾値も実際の環境に応じて変化させることが好ましい。本例では、赤外線量の変化、即ち、温度変化の大小で閾値を異ならせる。ここで、温度変化の大小は、前回の車両判定結果に伴って生じる傾向にある。そこで、本例では、前回の車両判定結果に応じて閾値を変化させる。具体的には、設定値を最低値とし、設定値に補正値を加えることで、環境に追従させる。従って、本例では、この補正値を前回の車両判定結果に応じて変化させる。本例において補正値は、前回の補正値に積算値の平均値に基づく値を加えたものとする。具体的には、今回の補正値=前回の補正値+{(積算値の平均値×β)-前回の補正値}×θとする(但し、βは補正係数、θは定数、例えば0.01とする)。そして、前回の車両判定結果に応じて補正値を変化させるために、βを変化させる。より具体的には、前回の判定結果が車両有りのときは、補正係数βをより小さい値(βON)、例えば12とし、前回の判定結果が車両無しのときは、補正係数βを比較的大きな値(βOFF)、例えば36とする。このように補正値を変化させて閾値を異ならせることで、一旦、車両有りとの判定が得られると、車両ありとの判定を継続し易い。また、渋滞中などで車両停止中は、車両有りとの判定を継続し易く、停止していた車両が走行を始めると車両無しとの判定が行い易い状態にすることができる。なお、このように閾値を演算にて求める場合、場合によっては、閾値が大きくなりすぎることもある。そこで、閾値には、最大値を設けておくことが好ましい。
【0068】
この閾値を演算する手順を説明する。図12は、閾値の演算手順を示すフローチャートである。まず、積算値の平均値を演算する(ステップ110)。本例では、積算値Inの平均1/16×Inとする。従って、上記と同様に、例えば、10ms毎に入力レベル値を測定して背景差分を求め、160ms分の背景差分、即ち、16回分の背景差分を積算した積算値Inを16で割ったものを用いる。メモリに保存された積算値Inを呼び出して用いてもよい。次に、背景レベルの演算のときと同様にメモリから前回の車両判定結果を呼び出し、判定結果が車両有りかどうかを確認する(ステップ111)。前回の判定が車両有りの場合、補正係数は、βON(図12ではβL)を選択する(ステップ112)。この補正係数βONを用いて補正値CLを演算する(ステップ113)。即ち、CL=前回の補正値+{(1/16×In×βON)-前回の補正値}×0.01を求める(θ=0.01とする)。そして、この補正値CLを設定値(例えば1000)に加えて、閾値L'を演算する(ステップ114)。更に、閾値L'にヒステリシス係数をかけて閾値Lを演算する(ステップ115)。
【0069】
本例では、閾値Lとして、ヒステリシス係数×[設定値+〔前回の補正値+{(積算値の平均値×β)-前回の補正値}×θ〕]を用いる。閾値Lにのみヒステリシス係数をかけることで、後述する閾値Hとの差が付け易く、比較値が閾値付近を変動した際、車両有りの判定と車両無しの判定とが非常に短時間に繰り返し生じるといった過剰な判定を防止することができる。ヒステリシス係数は、例えば、補正係数がβONの場合:0.9、補正係数がβOFFの場合:1が挙げられる。
【0070】
一方、前回の判定が車両無しの場合、補正係数は、βOFF(図12ではβH)を選択する(ステップ116)。この補正係数βOFFを用いて補正値CHを演算する(ステップ117)。即ち、CH=前回の補正値+{(1/16×In×βOFF)-前回の補正値}×0.01を求める(θ=0.01とする)。そして、この補正値CHを設定値(例えば1000)に加えて、閾値Hを演算する(ステップ118)。
【0071】
なお、補正係数β、平均値を求める特定個数、定数θは適宜変更してもよい。特に、比較値として、積算値のみを用いる場合と積算値及び変化量を用いる場合とでは、これらの値を変更することで閾値を異ならせてもよいし、その他の演算により閾値を異ならせてもよい。また、各ステップの演算値は、次回の演算に用いることができるように、メモリに保存しておく。
【0072】
図13、14は、本発明車両検知システムを作動させた際のグラフであり、図13(A)は、晴天における入力レベル値、背景レベル及び判定結果を示し、(B)は、閾値L及び閾値H、比較値を示し、図14(A)は、雨天における入力レベル値、背景レベル及び判定結果を示し、(B)は、閾値L及び閾値H、比較値を示す。また、図13、14において、(A)及び(B)の両グラフの横軸は時間の経過を示し、両グラフの時間は対応しているものとする。晴天の場合、図13(A)に示すように入力レベル値の振幅が比較的大きいことから、車両有りの場合と車両無しの場合とにおける入力レベル値と背景レベルとの差が比較的明確に示されている。しかし、図13(B)に示すように入力レベル値に基づく演算を行った比較値の方が、同差がよりはっきりと表されていることがわかる。従って、比較値として、入力レベル値と背景レベルとの差に基づく演算値を用いることで、入力レベル値と背景レベルの差をそのまま比較値とするよりも、車両の検知がより的確に行えることがわかる。
【0073】
図13(B)に示すグラフに基づく判定を詳しく説明すると、例えば、時間taを考える。時間taの前回の車両判定結果は、図13(A)に示すように車両無しである。従って、閾値はHを選択し、比較値と閾値Hとを比較すると、比較値≧閾値Hより車両有りと判定する。即ち、時間taは車両有りと判定される。そして、時間taの次の判定には、前回(時間ta)の判定が車両有りであるから、閾値はLを選択する。次に、例えば、時間tbを考える。時間tbの前回の車両判定結果は、図13(A)に示すように車両有りである。従って、閾値はLを用い、比較値と閾値Lとを比較すると、比較値<閾値Lより車両無しと判定する。即ち、時間tbは車両無しと判定される。ただし、本例では、後述する感知保持時間の分だけ車両有りの時間が延長される構成である。そして、時間tbの次の判定には、前回(時間tb)の判定が車両無しであるから、閾値はHを選択する。なお、本例では、判定結果のグラフにおいて、右肩が階段状になっているのは、車両有りとの判定から車両無しとの判定に移行する際、車両の誤認を効果的に抑制するために一定の保持時間を持たせているためである。本例では、115ms程度とした。
【0074】
一方、雨天の場合、図14(A)に示すように入力レベル値の振幅が比較的小さくことから、車両有りの場合と車両無しの場合とにおける入力レベル値と背景レベルとの差が比較的小さい。また、例えば、車両のルーフなどの部分の入力レベル値は、背景レベルよりも小さくなる時間帯があるが、エンジンなどの部分は、背景レベルよりも高い傾向にある。従って、背景レベルよりも小さい入力レベル値と同大きい入力レベル値とが連続する場合(例えば、図14(A)に示す区間T)、入力レベル値と背景レベルとの差をそのまま用いると、同一の車両のものであるか、別の車両のものであるか判定しにくい。しかし、図14(B)に示すように、入力レベル値に基づく演算を行った比較値、特に上記積算値や上記変化量をも考慮した比較値を用いると、入力レベル値と背景レベルとの差がより明確に示され、車両の検知がより的確に行えることがわかる。例えば、時間tCのように、車両が渋滞しており、かつ入力レベル値と背景レベルとの差が小さくても、特に積算値を考慮した比較値を用いることで、車両有りとの判定を的確にすることができる。また、例えば、図14(A)に示す区間Tのように背景レベルよりも小さい入力レベル値と同大きい入力レベル値とが連続しても、特に上記変化量を考慮していることで、同一の車両の入力レベル値か、別の車両の入力レベル値かをより正確に検知できる。この例では、同一の車両の入力レベル値であることがわかる。
【0075】
図14(B)に示すグラフに基づく判定は、上記図13の場合と同様に行うとよい。例えば、時間tdを考えると、時間tdの前回の車両判定結果は、図14(A)に示すように車両無しであるため、閾値はHを選択し、比較値と閾値Hとを比較すると、比較値≧閾値Hより車両有りと判定する。時間tdの次の判定には、前回(時間td)の判定が車両有りであるから、閾値Lを選択する。また、例えば、時間teを考える。時間teの前回の車両判定結果は、図14(A)に示すように車両有りであるため、閾値はLを用い、比較値と閾値Lとを比較すると、比較値<閾値Lより車両無しと判定する。そして、時間teの次の判定には、前回(時間te)の判定が車両無しであるから、閾値Hを選択する。なお、本例では、図示していないが、上記晴天の場合と同様に115ms程度の感知保持時間を持たし、この保持時間分だけ車両有りの時間が延長される構成である。そのため、時間tfのように比較値の値から、一瞬車両無しの状態であっても、図14(A)に示すように車両有りとなる。
【0076】
このような本発明車両検知システムは、車両の側方から車両の検知を行っても、精度よく行うことができる。また、消費電力のより小さいパッシブセンサを用いることで、センサやアンプを連続的に作動させても消費電力の低減を実現することができる。
【0077】
上記の例では、サーモパイル素子のみを用いても精度よく車両の検知が行えるように、出力の大きなサーモパイル素子を用いること、アルゴリズムに用いる値を特定の演算値とすることを述べた。その他、精度よく車両の検知を行う構成として、回路構成を工夫してもよい。図15は、本発明車両検知システムにおいて、サーモパイル素子とCPUとの接続状態を模式的に示した回路図である。先に説明したように、回路には、サーモパイル素子10aと、CPUなどの感知処理部11とを具えると共に、素子10aに生じた起電力を増幅して感知処理部11に送るアンプとを具える。本例では、図15に示すように二つのアンプ10b、10cを具え、素子10aに接続されるアンプ10bは、増幅率が大きいもの(図15では1000倍)、CPUに接続されるアンプ10cは、増幅率が小さいもの(同10倍)とする。そして、アンプ10cは、D/A変換器11bに接続することによって、リファレンス電圧を加えてアンプ10bの出力とリファレンス電圧との差を増幅する構成である。この構成により、CPUのダイナミックレンジを向上させて、処理を適切に行うことができる。なお、加えるリファレンス電圧は、アンプ10cの電位を適宜調べて調整してもよい。また、本例においてリファレンス電圧は、CPUにて調整する。
【0078】
<車両感知システムの保守方法>
本発明システムが適正に作動しているか点検(保守)を行うにあたり、上記実施例2及び3で示したように無線通信手段を具える場合、この無線通信手段を用いて無線で行うことが好ましい。具体的には、無線インターフェース(本例ではIrDA)を具える保守用機器(本例ではパソコン)により、保守用データを無線通信手段の送受信部に送信し、保守用機器に返信されてきたデータ(例えば、エラー処理のデータなど)を作業者が確認することで保守を行う。このように無線にて保守を行うことで、有線による保守の場合に必要な接続ボックスやコネクタ類の設置が不要となり、システムの部品点数を低減する又はなくすことができる。また、これらの設置作業や接続作業がなく、保守作業性がよい。
【0079】
上記無線通信手段を用いた本発明システムの保守は、無線通信手段(送受信部)の電源がONのときに行う。実施例2に示すように送受信部に電力が間欠的に供給される場合、保守を行うときに電源がONになっていない、即ち、OFFになっていることが考えられる。無線通信手段の消費電力の低減を図るには、送受信部の電源がONのときに保守を行うことが好ましい。そこで、本発明では、無線通信手段に保守用データの受信の有無を判定する保守判定部を具えることを提案する。本例において保守判定部は、上記と同様のCPUとした。この保守判定部は、送受信部の電源がONのとき、同様に電力が供給されて作動し、保守用データが送信されていないかどうかを判定する。そして、保守用データの受信があったとき、上記データの送受信による保守を行う。保守用データの受信がないときは、感知処理部からの集計結果を受信し、信号制御機や管理センターなどに送信する動作を行う。
【0080】
なお、任意に保守用データを送信しても、送受信部の電源がONのときにしかデータの受信がされない。従って、送受信部が保守用データを確実に受信するために保守用データの送信時間は、送受信部の電源のON/OFF制御周期(実施例2では60s)よりも長くすることが好ましい。
【0081】
上記では、無線通信手段の送受信部の電源と、保守判定部の電源とを同期させているが異ならせてもよい。例えば、送受信部の電源のON/OFF制御周期を保守判定部の電源のON/OFF制御周期よりも長くする場合、両電源を同期させていると、保守効率が悪くなる恐れがある。従って、両電源のON/OFFを別個に制御させてもよい。
【0082】
<車両検知システムの構造説明>
次に、上記本発明車両検知システムの機械的な構造を説明する。図16(A)は、本発明システムに用いる検知部の正面図、(B)は、そのA-A断面図、図17はレンズ部分の断面を示す拡大模式図である。図16に示す検知部1は、検知対象が発する赤外線を感知するセンサとしてサーモパイル素子10aと、素子10aから得られた入力レベル値を用いて、車両の有無を判定する車両有無判定手段としてCPU基板15'とを一体に具える構成である。
【0083】
本例において検知部1は、図16に示すように筐体2にサーモパイル素子10aを収納している。サーモパイル素子10aは、基板15に実装されて筐体2に配置される。また、基板15は、コネクタなどを介してCPU基板15'に接続される。
【0084】
筐体2は、軽量なアルミニウムから形成される箱状体である。本例では、後述するように照準機構を具えるものを用いる。また、図16に示す検知部1は、筐体2の外周にカバー3を具える構成である。
【0085】
また、本例では、サーモパイル素子10aの検知方向前方(図16(B)において左方)に、赤外線透過レンズ16を一面(図16(B)では球面)が露出するように配置している。本例では、ZnSから形成される球面状のレンズを用いている。ZnSから形成されるレンズは、耐候性に優れるため、ガラス系やシリコン系の補助材を別途配置しなくてもよい。
【0086】
これらサーモパイル素子10a及び赤外線透過レンズ16は、支持部17により支持されて、筐体2に配置される。本例において支持部17は、図17に示すようにサーモパイル素子10aと赤外線透過レンズ16との双方を支持するものであり、一体に形成したものである。また、この支持部17は、サーモパイル素子10a及び赤外線透過レンズ16を配置した際、適切な焦点距離となるように適当な空間17aを設けて素子10a及びレンズ16の設置個所を形成している。従って、サーモパイル素子10a及び赤外線透過レンズ16を支持部17の所定の設置個所に配置すると、自動的に焦点距離が合うことになる。このような支持部を用いると、容易に焦点距離を合わせることができ、素子10a及びレンズ16を支持部17に配置して一体となった部材を筐体2に取り付ける際、焦点距離の調整がいらず筐体2への取付作業性に優れる。なお、本例では、サーモパイル素子10aを実装した基板15は、支持部17に配置した後、ネジ18で支持部17に固定する。赤外線透過レンズ16は、レンズ押え19を介し、同様にネジ18で支持部17に固定する。
【0087】
図18は、本発明車両検知システムに用いる検知部の概略を示す斜視図である。検知部1は、図18に示すように筐体2の外部に赤外線透過レンズ(図17参照)の指向角を目的の方向に容易に合わせることができるように、レンズの指向角を合わせる照準部4を具える。本例では、筐体2の一面において、一端に凹状突起4aを設け、他端に凸状突起4bを設けている。これらの突起4a、4bは、凹状突起4aの凹みと凸状突起4bの凸部とを繋ぐ直線方向を目的の方向とすると、指向角を適切に合わせることができるように設けている。従って、後述するように検知部1を支柱などに設置する際、作業者は、凹状突起4aの凹みから凸状突起4bに向かって覗きながら、凹状突起4aの凹みと凸状突起4bの凸部とを繋ぐ直線が目的の方向になるように設置位置を調整するとよい。なお、図18において筐体2の端面(図18では左端面)に設けられた円形状の穴5は、赤外線透過レンズを突出させて配置させるために設けたものである。また、図18に示す検知部は、カバーを取り外した状態を示す。
【0088】
<適用例>
《一車線を走行する車両の検知》
次に、本発明車両検知システムの適用例を説明する。図19は、道路傍の支柱に本発明システムの検知部を取り付けた状態を示す模式図であり、(A)は、センサと車両有無判定手段とを一体に具える検知部を取り付けた例、(B)は、センサと車両有無判定手段とを別個に具える検知部を取り付けた例である。検知部1は、上記のようにセンサとなるサーモパイル素子10aと、車両の有無の判定などを行う感知処理部11とを筐体2に一体に具えた構成であり、図19(A)に示すように支柱200にこの筐体2が取り付けられると、上記実施例で説明したような一連の処理動作を行うことで車両の有無を検知する。また、検知部1'は、サーモパイル素子10aのみを筐体2に収納し、感知処理部11を制御ボックス14に収納した構成であり、図19(B)に示すように筐体2を支柱200の上方に取り付け、制御ボックス14をこの支柱200の下方に取り付けられると、同様に上記実施例に説明したような一連の処理動作を行うことで車両の有無を検知する。なお、制御ボックス14には、感知集計結果を有線で送信しない場合、無線通信部なども具えるとよい。図19(A)において無線通信部13は、通信の際に信号が遮られにくく、感知処理部11や太陽電池部12などと接続するためのケーブルによる配線を短くできることから、支柱200の上方に取り付けいるが、筐体2内に配置してもよい。また、図19(A)及び(B)では、サーモパイル素子10aや処理部11などの電力供給用に太陽電池部12を支柱200の上方に取り付けている。
【0089】
サーモパイル素子10aを収納する上記筐体2は、図19(A)及び(B)に示すように道路201の側方に設置し、車両203や道路などが発する赤外線を感知する。より具体的には、筐体2が、道路201面から所望の高さ(本例では約5.5m)において、道路201上の監視範囲202(図19において破線で囲まれた矩形部分)の幅Wが所望の大きさ(本例では1.2m)となるように、道路201傍の支柱200の軸方向に対して一定の角度に傾けて取り付ける。上記のように照準機構を具えておくと、赤外線透過レンズの指向角を目的の方向に合わせ易く好ましい。このように配置されることで、筐体2内のサーモパイル素子10aは、従来の超音波検知器のように車両などからの物理量をほぼ真上からでなく道路201の側方から検出する。しかし、本発明検知部1、1'は、赤外線を感知するセンサを具えることで、道路の側方に設置されても、従来の超音波検知器のように車両の誤認が少なく、かつ低電力で優れた検知を行うことができる。特に、赤外線の感知にサーモパイル素子を用いることで、上記のように渋滞中などで停止している車両をも的確に検知することができる。
【0090】
上記本発明システムにおいてサーモパイル素子を一つ具える場合、一車線を監視することができる。従って、複数の車線を監視できるような監視範囲となるように、例えば、センサを収納する筐体の位置を調整して支柱に設置した場合、道路の側方からでもいずれかの車線を通過した車両を検出することができる。
【0091】
《複数の車線を走行する車両の検知▲1▼》
上記は、一回の監視において一車線に通過する車両を検知する場合を説明したが、次に、一回の検知において複数の車線を通過する車両を検知する場合を説明する。図20は、複数のサーモパイル素子を具える本発明システムの検知部において素子部分の拡大模式図であり、図21は、この検知部の監視範囲を示す説明図である。複数の車線を監視する場合は、図20に示すように複数のサーモパイル素子10aを筐体2内に具えるとよい。このとき、各サーモパイル素子10aは、位置をずらして筐体2内に具えることで、複数の車線を通過する車両からの赤外線を区別して感知することができる。そのため、検知部1"は、監視範囲(図21において一点差線の楕円部分)を複数の車線とすることができ、道路の側方に設置されても、一つの筐体で複数の車線の車両検知が実現できる。従って、この検知部1"は、従来の超音波検知器のように設置に際して比較的長尺な水平材を必要せず(図21参照)、美観を損なうことがない。
【0092】
《複数の車線を走行する車両の検知▲2▼》
上記では、一つの筐体に複数のセンサ(上記の例ではサーモパイル素子)を具える検知部を説明したが、一つの筐体に一つのセンサを有する検知部を車線数に適合させて複数配置してももちろんよい。図22は、複数の車線に対して、一つの筐体に一つのサーモパイル素子を具える検知部をそれぞれ配置した状態を示す説明図である。一つの筐体に複数のセンサを具える検知部を図21に示すように水平材を用いずいわゆるサイドファイア式に設置した場合、筐体2の設置個所に近い側の車線を通過する車両が大きく、同遠い側の車線を通過する車両が小さいと、大きい車両に小さい車両が隠されてしまい、遠い側の車線を通過する車両の赤外線をうまく検知できない恐れがある。そこで、一つの筐体2に一つのサーモパイル素子10aを具える検知部1を複数用意し、各車線に対して、それぞれ筐体2を配置してもよい。各筐体2は、図22に示すように支柱200に水平材204を配し、この水平材204に配置するとよい。このとき、検知部1は、車両の側方からでも車両からの赤外線を十分に感知することができるため、水平材204は、比較的短くてもよい。具体的には、検知部1が車両203のほぼ真上ではなく、図22に示すように車両203の斜め上方に位置するように配置できるような長さの水平材204を用いるとよい。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明車両検知システムによれば、検知対象が発する赤外線をパッシブに感知するセンサを用いることで、車両を誤認することが少なく、高い精度で車両検知を行うことができるという優れた効果を奏し得る。特に、自ら発した赤外線ではなく、検知対象が発する赤外線を感知するパッシブセンサを用いることで、従来の超音波検知器のようなアクティブセンサに比較して非常に消費電力が少なく、太陽電池などでも十分に作動させることができる。そのため、ケーブルなどの有線を用いた電力供給設備と比較して、簡便に設置することができて作業性がよいだけでなく、経済性にも優れる。また、従来の超音波検知器を用いた車両の検知と比較して、車両の検知の時間が非常に短くできるため、センサを間欠的に作動させることができ、消費電力をより低減して、低コストにすることが可能である。
【0094】
更に、本発明システムにおいて、車両の判定結果を無線により送信する無線送信手段を具える場合、電力の供給を間欠的に行うことで、データの送信などに必要な消費電力をより低減することができる。また、この無線通信手段を用いて無線により本発明システムの保守を行うことで、有線を用いた保守と比較して、設備の簡易化、作業性の向上を図ることができる。特に、無線送信手段に電力の供給を間欠的に行う場合、電源がONのときのみ保守を行うと、消費電力の更なる低減を図ることができる。
【0095】
加えて、本発明車両検知システムは、高い検知精度を有しており、従来のように水平材を用いて道路面に対してほぼ垂直でなく道路の側方に設置されても、車両を十分検知することができる。そのため、本発明車両検知システムは、従来のように比較的大きな水平材を用いることなく設置できるため、取り付け条件が緩く、適用範囲が広いと推測される。また、比較的大きな水平材を用いることがないため、美観を損ねることもなく、設置コストが高くなることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】タイマ制御によりセンサを間欠的に作動させる本発明車両検知システムであって、有線で集計結果を送信する場合の機能ブロック図である。
【図2】実施例1においてタイマ1の制御手順を示すフローチャートである。
【図3】実施例1の感知処理部における処理手順を示すフローチャートである。
【図4】タイマ制御によりセンサを間欠的に作動させる本発明車両検知システムであって、無線通信部で集計結果を送信する場合の機能ブロック図である。
【図5】実施例2においてタイマ2の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】無線制御部における処理手順を示すフローチャートである。
【図7】センサを連続的に作動させる本発明車両検知システムであって、無線通信部で集計結果を送信する場合の機能ブロック図である。
【図8】実施例3の感知処理部における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】実施例3において背景レベルの演算手順を示すフローチャートである。
【図10】実施例3において比較値の演算手順を示すフローチャートであり、比較値として積算値を用いる場合示す。
【図11】実施例3において比較値の演算手順を示すフローチャートであり、比較値として積算値及び変化量を用いる場合を示す。
【図12】実施例3において閾値の演算手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明車両検知システムを晴天時に作動させた際のグラフであり、(A)は入力レベル値、背景レベル及び判定結果を示し、(B)は、閾値L及び閾値H、比較値を示す。
【図14】本発明車両検知システムを雨天時に作動させた際のグラフであり、(A)は入力レベル値、背景レベル及び判定結果を示し、(B)は、閾値L及び閾値H、比較値を示す。
【図15】本発明車両検知システムにおいて、サーモパイル素子とCPUとの接続状態を模式的に示した回路図である。
【図16】 (A)は、本発明車両検知システムに用いる検知部の正面図、(B)は、そのA-A断面図である。
【図17】本発明車両検知システムに用いる検知部においてレンズ部分の断面を示す拡大模式図である。
【図18】本発明車両検知システムに用いる検知部の概略を示す斜視図である。
【図19】道路傍の支柱に検知部を取り付けた状態を示す模式図であり、(A)は、センサと車両有無判定手段とを一体に具える例、(B)は、センサと車両有無判定手段とを別個に具える例である。
【図20】複数のサーモパイル素子を具える検知部の素子部分の拡大模式図である。
【図21】複数のサーモパイル素子を具える検知部の監視範囲を示す説明図である。
【図22】複数の車線に対して、一つの筐体に一つのサーモパイル素子を具える検知部をそれぞれ配置した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1、1'、1" 検知部 2 筐体 3 カバー 4 照準部 4a 凹状突起
4b 凸状突起 5 穴
10 センサ部 10a サーモパイル素子 10b、10c アンプ 11 感知処理部
11a A/D変換器 11b D/A変換器 12 太陽電池部 12a 太陽電池
13 無線通信部 13a 無線制御部 13b 送受信部 14 制御ボックス
15 基板 15' CPU基板 16 赤外線透過レンズ 17 支持部 17a 空間
18 ネジ 19レンズ押え
200 支柱 201 道路 202 監視範囲 203 車両 204 水平材

Claims (17)

  1. 道路上の監視範囲を通過する車両を検知する車両検知システムであって、
    検知対象が発する赤外線を感知するセンサと、
    前記センサから得られた入力レベル値と演算した背景レベルとの差に基づく値を比較値とし、この比較値と閾値とを比較して、車両の有無を判定する車両有無判定手段と、
    入力レベル値を随時検出し、得られた入力レベル値を用いて前回の車両判定結果に応じて前記背景レベルを変動させる背景レベル演算手段とを具え、
    前記閾値として、設定値に補正値を加えたものを用い、前記補正値を前回の車両判定結果に応じて変化させることを特徴とする車両検知システム。
  2. 比較値として、入力レベル値と背景レベルとの差を一定時間積算した値を用いることを特徴とする請求項 1に記載の車両検知システム。
  3. 比較値として、入力レベル値の単位時間当たりの変化量を用いることを特徴とする請求項 1 又は 2に記載の車両検知システム。
  4. 背景レベルとして、入力レベル値と前回の車両判定結果に応じて変化される係数とに基づく演算値を用いることを特徴とする請求項 1 3 のいずれかに記載の車両検知システム。
  5. 背景レベルとして、指数平滑法による演算値を用い、平滑係数を前回の車両判定結果に応じて変化させることを特徴とする請求項 1 3 のいずれかに記載の車両検知システム。
  6. センサとして、サーモパイル素子を用いることを特徴とする請求項 1 5 のいずれかに記載の車両検知システム。
  7. センサとして、サーモパイル素子のみを用いることを特徴とする請求項 1 5 のいずれかに記載の車両検知システム。
  8. センサは、サーモパイル素子であり、
    このサーモパイル素子の起電力を増幅するアンプを具え、
    車両有無判定手段は、前記アンプにより増幅された値を用いて車両の有無の判定を行い、
    前記アンプとして、増幅率が異なる第一アンプと第二アンプとを具え、
    増幅率が大きい第一アンプは、素子側に接続され、
    増幅率が小さい第二アンプは、車両有無判定手段側に接続され、第一アンプの出力とリファレンス電圧との差を増幅することを特徴とする請求項 1 5 のいずれかに記載の車両検知システム。
  9. センサとして、複数のサーモパイル素子を有することを特徴とする請求項 6 8のいずれかに記載の車両検知システム。
  10. 更に、サーモパイル素子の検知方向前方に配置される赤外線透過レンズを具え、
    前記赤外線透過レンズは、ZnSから形成されるものであることを特徴とする請求項 6 9 のいずれかに記載の車両検知システム。
  11. サーモパイル素子と、赤外線透過レンズとを支持するように一体に形成された支持部を具えることを特徴とする請求項 10に記載の車両検知システム。
  12. 更に、サーモパイル素子を収納する筐体を具え、前記筐体には、赤外線透過レンズの指向角を目的の方向に合わせるための照準部を具えることを特徴とする請求項 10 又は 11に記載の車両検知システム。
  13. 赤外線の感知は、道路の側方から行うことを特徴とする請求項 1 12のいずれかに記載の車両検知システム。
  14. 更に、車両判定手段から得られた結果を無線により送信する無線通信手段を具えることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の車両検知システム。
  15. 無線通信手段に電力を間欠的に供給する電源制御部を具えることを特徴とする請求項14に記載の車両検知システム。
  16. 請求項14又は15に記載された車両検知システムの保守は、無線通信手段に保守用データを無線にて送信して行うことを特徴とする車両検知システムの保守方法。
  17. 無線通信手段には、保守用データの受信の有無を判定する保守判定部を具え、無線通信手段の電源がONのとき、保守判定部において保守用データの受信の有無を判定し、車両検知システムの保守は、保守用データの受信があったときのみ行うことを特徴とする請求項16に記載の車両検知システムの保守方法。
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