JP2006161945A

JP2006161945A - 真空断熱材

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Publication number: JP2006161945A
Application number: JP2004353718A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Tsujii; 篤辻井
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 2004-12-07
Filing date: 2004-12-07
Publication date: 2006-06-22
Anticipated expiration: 2024-12-07
Also published as: JP4649969B2

Abstract

【課題】外装体を通して熱移動により断熱効果が低下するヒートブリッジ現象が少なく、外装体のガスバリア性が高く長期にわたって内部の真空状態が保たれ、良好な断熱性能を有する真空断熱材を提供する。
【解決手段】断熱性のコア材300 を表裏の外装体内に封入し、内部を真空排気した構成の真空断熱材10であって、表裏のいずれか一方の外装体を、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムＡ100 とし、他方の外装体を、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に２層有する積層フィルムＢ200 とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、冷蔵庫、自動販売機、ジャーポットなどの保冷・保温機器に取り付けて、断熱効果を発揮する真空断熱材に関するものである。

従来、冷蔵庫、自動販売機、ジャーポットなどの保冷・保温機器には、種々の断熱材が使用されており、特に、断熱性能の優れた断熱材としては、断熱性コア材を外装体内に封入し、内部を真空排気した構成の真空断熱材が使用されていた。この外装体は、外部からのガス（空気）の侵入を防ぎ、内部を長期真空状態に保持するために、ガスバリア性に優れたものである必要があった。そこで、従来は、高いバリア性を付与するために、バリア層として、６〜２０μｍ程度の厚みのアルミニウム箔層を構成層中にもつ外装材が用いられていた。

しかし、アルミニウム箔層を構成層中にもつ外装材は、ガスバリア性には優れているが、アルミニウム自体の熱伝導率が高いため、アルミニウム箔層を介して熱が伝わり、断熱効果が低下する、所謂、ヒートブリッジ現象の問題があった。このヒートブリッジ現象を解決するために、バリア層として、アルミニウム箔層の代わりに、比較的に熱伝導率が小さいステンレス箔層を用いる方法（例えば、特許文献１参照）、セラミック蒸着フィルム層を用いる方法（例えば、特許文献２参照）、アルミニウム蒸着フィルム層を用いる方法などが知られていた。
特開平８−１５９３７６号公報特開平８−１５２２５８号公報

しかしながら、バリア層としてステンレス箔層を用いた方法では、なお、ステンレスの熱伝導率が高いため、ヒートブリッジ現象の低減が不十分であった。また、バリア層としてセラミック蒸着フィルム層を用いた方法やアルミニウム蒸着フィルム層を用いる方法は、ヒートブリッジ現象の低減は十分であったが、ガスバリア性が不十分であり、長期間にわたって真空状態を保つことが不可能であった。

本発明は、上述の従来の真空断熱材における問題点を解決したものであり、外装体を通して熱移動により断熱効果が低下するヒートブリッジ現象が少なく、外装体のガスバリア性が高く長期にわたって内部の真空状態が保たれ、良好な断熱性能を有する真空断熱材を提供するものである。

すなわち、本発明の第１の発明は、断熱性コア材を表裏の外装体内に封入し、内部を真空排気した構成の真空断熱材において、表裏のいずれか一方の外装体が、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムであり、かつ、他方の外装体が、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に少なくとも２層有する積層フィルムであることを特徴とする真空断熱材である。

そして、本発明の第２の発明は、表裏のいずれか一方の外装体が、〔外側〕ポリエチレンテレフタレートフィルム層／ナイロンフィルム層／アルミニウム箔層／高密度ポリエチ
レンフィルム層〔コア材側〕構成の積層フィルムであり、かつ、他方の外装体が、〔外側〕凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／ナイロンフィルム層／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／高密度ポリエチレンフィルム層〔コア材側〕構成の積層フィルムであることを特徴とする第１の発明に記載の真空断熱材である。

本発明の真空断熱材は、表裏のいずれか一方の外装体に、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムを用いているが、他方の外装体に、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に少なくとも２層有する積層フィルムを用いたものであり、無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層は、アルミニウム箔層と比較して熱の伝導が悪いため、従来の表裏の外装体に、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムを用いた真空断熱材と比較して、外装体を通して熱移動により断熱効果が低下するヒートブリッジ現象が少ない。

また、本発明の真空断熱材は、表裏のいずれか一方の外装体に、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムを用い、他方の外装体に、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に２層有する積層フィルムを用いたものであり、外装体のガスバリア性が高いため、長期にわたって内部の真空状態が保たれ、断熱性能が良好に維持される。

本発明の真空断熱材は、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムかなる表裏のいずれか一方の外装体と、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に２層有する積層フィルムとからなる他方の外装体との内部に、断熱性コア材を真空排気して封入したものである。

以下に、本発明の具体的な実施例を図を用いて説明する。

図１（ａ）は、本実施例の真空断熱材の構造を示す断面図であり、図１（ｂ）は、表側の積層フィルムＡの構成を示す断面図で、図１（ｃ）は、裏側の積層フィルムＢの構成を示す断面図である。また、図２は、比較例２の真空断熱材の表側及び裏側の積層フィルムＣの構成を示す断面図である。

本実施例の真空断熱材は、まず、１２μｍ厚のポリエチレンテレフタレートフィルムにウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して１５μｍ厚のナイロンフィルムを貼り合わせ、この２層の積層フィルムのナイロンフィルム面にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して６μｍ厚のアルミニウム箔を貼り合わせ、この３層の積層フィルムのアルミニウム箔にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して５０μｍ厚の高密度ポリエチレンを貼り合わせて、図１（ｂ）に示す〔外側〕ポリエチレンテレフタレートフィルム層（１１０）／ナイロンフィルム層（１２０）／アルミニウム箔層（１３０）／高密度ポリエチレンフィルム層（１４０）〔コア材側〕構成の積層フィルムＡ（１００）を作製し、次に、１２μｍ厚の無機酸化物蒸着層を２層有するバリアフィルムである凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して２５μｍ厚のナイロンフィルムを貼り合わせ、この２層の積層フィルムのナイロンフィルム面にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して１２μｍ厚の無機酸化物蒸着層を２層有するバリアフィルムである凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）を貼り合わせ、この３層の積層フィルムのＧＸフィルムにウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して５０μｍ厚の高密度ポリエチレンを貼り合わせて、図１（ｃ）に示す〔外側〕凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層（２１０）／ナイロンフィルム層（２２０）／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層（２３０）／
高密度ポリエチレンフィルム層（２４０）〔コア材側〕構成の積層フィルムＢ（２００）を作製し、次に、上述した積層フィルムＡと積層フィルムＢを用い、表側の外装体が積層フィルムＡ（１００）で裏側の外装体が積層フィルムＢ（２００）からなる包装袋を作製し、そして、内側に断熱性コア材（３００）として粉末シリカの成形体を真空密封して、図１（ａ）に示す実施例１の真空断熱材（１０）を作製したものである。なお、積層フィルムのコア側に用いられる高密度ポリエチレン層は、シーラント層であり、真空断熱材の端面からのバリア低下を防止して真空度維持のために、密度０．９４１〜０．９６５の高密度ポリエチレンが用いられる。また、ナイロンフィルム層は、耐ピンホール性を付与するために用いるものである。なお、積層フィルムＢの構成順は、〔外側〕ナイロンフィルム層／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／高密度ポリエチレンフィルム層〔コア材側〕構成又は〔外側〕凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／ナイロンフィルム層／高密度ポリエチレンフィルム層〔コア材側〕構成としてもよい。

＜比較例１＞
実施例で作製した図１（ｂ）に示す積層フィルムＡ（１００）を用い、実施例と同様に、表側の外装体と裏側の外装体が積層フィルムＡからなる包装袋を作製し、そして、内側に断熱性コア材として粉末シリカの成形体を真空密封して、比較例１の真空断熱材を作製した。

＜比較例２＞
１２μｍ厚の無機酸化物蒸着層を１層有するバリアフィルムである凸版印刷株式会社製ＧＬフィルム（商品名）にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して２５μｍ厚のナイロンフィルムを貼り合わせ、この２層の積層フィルムのナイロンフィルム面にウレタン系接着材を３ｇ／ｍ²塗布して５０μｍ厚の高密度ポリエチレンを貼り合わせて、図２に示す〔外側〕凸版印刷株式会社製ＧＬフィルム（商品名）層（４１０）／ナイロンフィルム層（４２０）／高密度ポリエチレンフィルム層（４３０）〔コア材側〕構成の積層フィルムＣ（４００）を作製し、次に、この積層フィルムＣを用い、実施例と同様に、表側の外装体と裏側の外装体が積層フィルムＣからなる包装袋を作製し、そして、内側に断熱性コア材として粉末シリカの成形体を真空密封して、比較例２の真空断熱材を作製した。

＜特性評価＞
次に、実施例、比較例１及び比較例２の３種類の真空断熱材について、その特性を比較評価した。評価結果を表１及び表２に示す。表１は、真空断熱材のガスバリア性及び熱伝導の特性評価結果であり、表２は、外装体である積層フィルムの防湿性及び突刺強度の特性評価結果である。

表１の真空断熱材の特性評価結果に示されているように、実施例の真空断熱材は、表側の外装体は、バリア層としてアルミニウム箔層を有する積層フィルムであるが、裏面の外装体は、バリア層とする凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層を２層有する積層フィルムであり、真空断熱材の外装体を通しての熱の移動が少なく、従って、比較例１の真空断熱材と比較して断熱効果の低下が少ない。また、比較例２の真空断熱材と比較してバリア性が良好なことにより、長期にわたって表裏の外装体内の真空状態が保たれ、良好な断熱性能が長期維持される。

なお、表２の積層フィルムの特性評価結果に示されているように、積層フィルムＡは、防湿性が極めて良好であり、突刺強度が強い。積層フィルムＢは、他の積層フィルムＡ及
び積層フィルムＣと比較して突刺強度に劣り、積層フィルムＣは、防湿性が積層フィルムＡに比較して劣る。

（ａ）は、本発明の実施例の真空断熱材の構造を示す断面図であり、（ｂ）は、その表側に用いられた積層フィルムＡの構成を示す断面図で、（ｃ）は、裏側に用いられた積層フィルムＢの構成を示す断面図である。比較例２の真空断熱材の表側及び裏側に用いられた積層フィルムＣの構成を示す断面図である。

符号の説明

１０……真空断熱材
１００……積層フィルムＡ
１１０……ポリエチレンテレフタレートフィルム層
１２０，２２０，４２０……ナイロンフィルム層
１３０……アルミニウム箔層
１４０，２４０，４３０……高密度ポリエチレンフィルム層
２００……積層フィルムＢ
２１０，２３０……凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層
３００……断熱性コア材
４００……積層フィルムＣ
４１０……凸版印刷株式会社製ＧＬフィルム（商品名）層

Claims

断熱性コア材を表裏の外装体内に封入し、内部を真空排気した構成の真空断熱材において、表裏のいずれか一方の外装体が、ガスバリア層としてアルミニウム箔層を構成層中に有する積層フィルムであり、かつ、他方の外装体が、ガスバリア層として無機酸化物蒸着層を多層有するバリアフィルム層を構成層中に少なくとも２層有する積層フィルムであることを特徴とする真空断熱材。
表裏のいずれか一方の外装体が、〔外側〕ポリエチレンテレフタレートフィルム層／ナイロンフィルム層／アルミニウム箔層／高密度ポリエチレンフィルム層〔コア材側〕構成の積層フィルムであり、かつ、他方の外装体が、〔外側〕凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／ナイロンフィルム層／凸版印刷株式会社製ＧＸフィルム（商品名）層／高密度ポリエチレンフィルム層〔コア材側〕構成の積層フィルムであることを特徴とする請求項１記載の真空断熱材。