JP2006161862A - 木質系住宅用の制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】木質系住宅の梁間に形成される比較的高さの低い空間内に収容した状態で設置可能な木質系住宅用の制振装置を提供する。
【解決手段】木質系住宅の天井部に並列状に配設された2本の梁5、5の互いに対向する側面に取付けられて対向配置された一対のL型ブラケット1、1と、各L型ブラケット1、1に2個づつ取付けられた合計4個のゴムマウント(ばね部材)3、…、3とそれらのゴムマウント3、…、3に弾性支持された1個のマス部材4とからなり主振動系たる前記木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパ2と、から構成されている。L型ブラケット1、1の下端面からマス部材4の上端面までの高さが250mm以下とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば戸建住宅や集合住宅等の木質系住宅において、交通振動や風等により発生する振動を抑制するために設置される木質系住宅用の制振装置に関する。
一般住宅や集合住宅等の建築構造物では、交通振動や風等の外力が加振力として作用することによって振動が発生する場合がある。特に、近年では、一般住宅でも2階建や3階建が多くなってきており、そのような住宅においては、交通振動による微振動が、例えば就寝時における不快振動等の原因となることから問題となる場合もある。
なお、建築構造物の振動低減装置としては、従来より、高層ビルやタワー等の高層建築物の揺れを軽減するためのダンパ装置が提案されているが、これら高層建築物用ダンパ装置は、非常に大掛かりで想定される振動エネルギも極めて大きいものであることから、一般住宅に適用すると、高コストであるばかりか、振動エネルギが小さい交通振動等に対して充分な低減効果を得ることが難しいという問題があった。
そこで、近年では、一般住宅用の制振装置として、特許文献1〜4等において、一般住宅用の比較的コンパクトな制振装置が幾つか提案されている。これらの制振装置は、例えば図7〜図9に示すように、住宅等の天井を構成する構造部材に固定されるフレーム6等の剛性のベース部材に対して、所定質量の一つのマス部材8を、複数のゴムマウント7、…、7等のばね部材を介して弾性支持させることにより、主振動系たる一般住宅に対して作用する副振動系を構成するようになっている。これらの制振装置は、例えば一般住宅の屋根裏等の天井部に設置することにより、交通振動等に対して有効な制振効果を発揮し得るものとされている。
ところが、上記特許文献1〜4に開示された制振装置は、例えば複数本のI型鋼を組付けて矩形枠体状に形成したフレーム6等の上にゴムマウント7、…、7及びマス部材8からなる副振動系が設置される構造になるため、フレーム6を含めた制振装置の高さ寸法が270mm以上となる。そのため、比較的高さが高いI型鋼等の梁が使用される鉄骨系住宅においては、2本の梁間に形成される空間内に制振装置を収容した状態に設置することが可能であるが、断面が矩形で通常250〜270mm程度の高さの木材の梁が使用される木質系住宅においては、制振装置の高さが梁の高さよりも高くなってしまうことから、梁間に形成される空間内に制振装置を収容した状態に設置することができなかった。
特開2000−193019号公報 特開2000−193020号公報 特開2003−343644号公報 特開2003−343645号公報
発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、木質系住宅の梁間に形成される比較的高さの低い空間内に収容した状態で設置可能な木質系住宅用の制振装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する本発明に係る木質系住宅用の制振装置は、木質系住宅の天井部に並列状に配設された2本の梁の互いに対向する側面に取付けられて対向配置される一対のL型ブラケットと、各該L型ブラケットに取付けられた複数個のばね部材と該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなり主振動系たる前記木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパと、から構成され、前記L型ブラケットの下端面から前記マス部材の上端面までの高さが250mm以下とされていることを特徴としている。
本発明の制振装置は、主振動系たる木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパが、2本の梁の互いに対向する側面に取付けられる一対のL型ブラケット上に配設され、L型ブラケットの下端面からマス部材の上端面までの高さが250mm以下とされていることから、高さが低くコンパクトになる。そのため、スペース効率が向上し、木質系住宅の梁間に形成される比較的高さの低い空間内に、制振装置を収容した状態で設置することが可能となる。
また、本発明の制振装置において採用されるL型ブラケットは、従来の前記制振装置において採用されていたフレーム等のベース部材に比べて大幅に軽量化することが可能であることから、制振装置のトータル重量を低減することができるので、木質系住宅への重量負荷を軽減することができる。これにより、木質系住宅の基礎の補強や設計変更等を回避しつつ、制振装置を設置することが可能となる。
また、従来の制振装置に採用されていた、複数本のI型鋼を組付けて矩形枠体状に形成したフレームに代わり、本発明の制振装置では距離を隔てて対向配置される一対のL型ブラケットが採用されていることから、定期点検時等においてばね部材の調整作業を行う際には、一対のL型ブラケットの間からばね部材を容易に視ることができ且つ作業者の手が容易にばね部材に届くようになるため、調整作業がし易くなる。
また、上記のばね部材の調整作業等は、住宅の屋根が勾配屋根であれば作業者が屋根裏に入って屋根裏側(天井部の上方側)から行えるが、住宅の屋根がフラット屋根であると作業者が屋根裏に入れないため天井部の下方側からしか行えない。そのため、複数本のI型鋼を組付けて矩形枠体状に形成したフレームを用いる従来の制振装置の場合には、屋根裏側(天井部の上方側)から作業を行う場合と天井部の下方側から作業を行う場合とで、フレームに対するばね部材の取付位置をI型鋼の外側部分か内側部分かに変更する必要があるため、二つの仕様のフレームを必要としていた。しかし、本発明の制振装置の場合には、天井部の上方から作業を行う場合と天井部の下方から作業を行う場合とで、L型ブラケットに対するばね部材の取付位置を変える必要がないことから、L型ブラケットの仕様が一つで済むため、従来の前記制振装置に比べて低コスト化を図ることができる。
本発明において、L型ブラケットとしては、梁の側面に取付けられる取付基板と、取付基板の下端から直角方向に延出する支持基板と、支持基板と取付基板の両端部どうしを連結する一対の補強板とからなるものが好適に採用される。このL型ブラケットは、例えば鉄系等の金属材料により形成することができ、その材料の強度や比重、或いはマス部材の質量や大きさ等を考慮して、その大きさ(厚さ)や形状が適宜決定される。
L型ブラケットの補強板は、マス部材の抜け落ちを阻止するストッパ部を有するように形成されることが好ましい。このストッパ部は、L型ブラケット上でばね部材により弾性支持されたマス部材が、振動入力により横揺れした際にばね部材から離脱して或いはばね部材とともにL型ブラケットから離脱して抜け落ちるのを阻止する部位に設けられる。これにより、制振装置に対して、マス部材の脱落を防止するフェイルセーフ機構の構造が付与される。
一対のL型ブラケットは、それぞれの両端部どうしが一対の連結部材により連結されて一体化されていることが好ましい。このようにすれば、一対のL型ブラケットの相対位置が確実に定まり、L型ブラケットに設けられる取付孔等の位置も精度良く位置決めされるので、L型ブラケットやばね部材、マス部材等の取付けが容易になる。また、L型ブラケットの剛性を高めることができるので、制振装置を設置後のL型ブラケットの反りや変形を防止することができる。この連結部材は、剛性等を考慮して、例えば鉄系等の金属により棒状に形成されたものを好適に採用することができる。また、連結部材とL型ブラケットの連結手段としては、例えば溶接やボルト締め等の従来より公知の手段を適宜採用することができる。
本発明の木質系住宅用の制振装置は、高さが低くコンパクトになるため、木質系住宅の梁間に形成される比較的高さの低い空間内に、制振装置を収容した状態で設置することができる。また、制振装置のトータル重量を低減するとこができることから、木質系住宅への重量負荷を軽減することができるため、木質系住宅の基礎の補強や設計変更等を回避しつつ設置することができる。また、一対のL型ブラケットが採用されていることから、定期点検時等におけるばね部材の調整作業等を容易に行うことができ、L型ブラケットの仕様も一つにすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態に係る木質系住宅用の制振装置の平面図であり、図2はその制振装置の正面図であり、図3はその制振装置の断面図であって図1のIII −III 線矢視断面図である。
本実施形態の木質系住宅用の制振装置は、図1〜図3に示すように、木質系住宅の天井部に並列状に離間して配設された2本の梁5、5の互いに対向する側面に取付けられて対向配置される一対のL型ブラケット1、1と、各L型ブラケット1、1に2個づつ取付けられた合計4個のばね部材としてのゴムマウント3、…、3とそれらゴムマウント3、…、3上に載置固定されてゴムマウント3、…、3に弾性支持された1個のマス部材4とからなり主振動系たる木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパ2と、から構成されている。
各L型ブラケット1、1は、厚さ約4.5mmの鉄系金属板により形成されており、梁5の側面に取付けられる長方形板状の取付基板11と、取付基板11の長辺側一端から直角方向に屈曲延出する長方形板状の支持基板12と、支持基板12と取付基板11の長手方向両端部どうしを連結する一対の補強板13、13とからなる。取付基板11の長手方向において距離を隔てた所定の4ヶ所の部位には、取付ねじ(図示せず)が挿通される長円形状の挿通孔11a、…、11a(図3参照)が設けられている。この挿通孔11a、…、11aは、取付基板11の長手方向に長くなるように形成されていることにより、挿通孔11a、…、11aに挿通される取付ねじの長手方向における取付位置の調整が可能とされている。
支持基板12の長手方向両端部の2ヶ所には、ゴムマウント3、…、3が取付けられる取付孔(図示せず)が設けられている。また、支持基板12の長手方向中央部には、マス部材4に設けられたストッパボルト43が挿通係合される係合孔(図示せず)が設けられている。この係合孔(図示せず)には、緩衝用のゴムスリーブ12aが装着されている。補強板13、13は、略直角三角形の板状に形成されており、略直角をなす二辺の端面が取付基板11と支持基板12に溶接により接合されている。これにより、取付基板11と支持基板12は、支持基板12上に載置固定されるゴムマウント3、…、3とマス部材4からなるマスダンパ2の荷重が作用したときに、それらのなす略直角の角度が広がるように変形するのを防止すべく補強されている。
上記のように構成された一対のL型ブラケット1、1は、木質系住宅の天井部に並列状に離間して配設された2本の梁5、5の互いに対向する側面に対して、取付基板11、11の各挿通孔11a、…、11aに挿通される取付ねじ(図示せず)により、それぞれの取付基板11、11の外側面全体が密着する状態に取付けられて対向配置されている。これにより、一対のL型ブラケット1、1の両支持基板12、12は、水平方向に広がる同一平面上に位置し、水平方向において対向する端面どうしが所定距離を隔てた状態に配置されている。
マスダンパ2に用いられている4個のゴムマウント3、…、3は、ゴム積層型のものが採用されており、長手方向両側部分に両端がそれぞれ上方に傾斜する傾斜部をもつ矩形平板形状に形成されて互いに距離を隔てて積層配置された複数枚の金属プレートと、それら金属プレートの長手方向両端部の傾斜部どうしを連結する複数のゴム弾性体と、最下層の金属プレートとL型ブラケット1、1とを連結固定する第1取付部材と、最上層の金属プレートとマス部材4とを連結固定する第2取付部材と、から構成されている。ここでの第1取付部材と第2取付部材は、各金属プレートに固着された取付ボルトとこれらの取付ボルトに螺着されるナットとからなる。
これら4個のゴムマウント3、…、3は、各L型ブラケット1、1の支持基板12、12に設けられた取付孔(図示せず)に第1取付部材を介して取付けられており、各L型ブラケット1、1の支持基板12、12に2個づつ取付けられて四角形状の4箇所に配置されている。この場合、4個のゴムマウント3、…、3は、対角線上で対向する2個のゴムマウント3、3どうしが、それらの長手方向が略平行となる状態で対向するように取付けられている。なお、図2及び図3においては、ゴムマウント3のみが正面視で示されている。
マスダンパ2に用いられているマス部材4は、矩形平板状の本体マス41と、本体マス41の下面に着脱自在に固定される質量調整用の補助マス45とから構成されている。本体マス41は、薄い矩形の鉄系金属板が複数枚重ね合わせられて、ボルト及びナットからなる緊締部材42、42により2箇所で緊締されて一体化されたものである。この本体マス41は、4個のゴムマウント3、…、3上に載置されたその角部下面の4箇所が第2取付部材で固定されており、これにより、鉛直方向において4個のゴムマウント3、…、3で弾性支持されている。この場合、L型ブラケット1、1の下端面から本体マス41の上端面までの高さHが250mm以下とされていることにより、断面が矩形の木材の梁5、5の高さ(250〜270mm程度)よりも制振装置の高さが充分に低くなるようにされ、コンパクト化が図られている。
この本体マス41の所定の2箇所の部位には、その下面から鉛直方向に突出して、各L型ブラケット1、1の支持基板12、12に設けられた係合孔(図示せず)に挿通係合されたストッパボルト43、43が設けられている。このストッパボルト43、43が設けられているによって、水平方向の過大な振動が入力したときに、L型ブラケット1、1に対するマス部材4の水平方向への所定以上の変位が規制されるようになっている。
補助マス45は、本体マス41よりも充分に薄肉で且つ平面形状も小さくされて、本体マス41の外周縁部から突出することなく本体マス41の下面に重ね合わせて固定される矩形平板形状の鉄系金属板が採用されている。この補助マス45は、本体マス41とL型ブラケット1、1の支持基板12、12との間の空間に複数枚配設することができる程に薄肉とされており、必要に応じて、1枚或いは2枚以上を重ね合わせて本体マス41に固定することにより、補助マス45の装着枚数に応じてマス部材4の実質的な質量を変更設定することが可能とされている。
この補助マス45は、幅方向一方の端縁部からそれぞれ直線的且つ互いに平行に延びる二条のスリット46、46を有し、これらのスリット46、46に挿通される3本の固定ボルト47によって、本実施形態では複数枚の補助マス45が本体マス41に対して固定されている。この場合、3本の固定ボルト47の挿通用の穴がスリット46、46で形成されていることから、全ての固定ボルト47を緩めて本体マス41の下面側に隙間を形成するだけで、補助マス45を本体マス41の下面に沿って側方にスライドさせることにより、補助マス45を本体マス41に対して容易に着脱することが可能となっている。
以上のように構成された本実施形態の制振装置は、木質系住宅の天井部に並列状に離間して配設された2本の梁5、5の対向する側面に対して、一対のL型ブラケット1、1が対向配置された状態に取付けられることにより、複数個のものが設置される。本実施形態の場合には、四つの制振装置が、天井部の略中央部に位置する2本の梁5、5の間に、梁5、5の長手方向において適宜距離を隔てた状態に設置される。即ち、主振動系たる木質系住宅の充分な振動低減効果が得られるようにするには、制振装置のマス部材4の総合質量は、木質系住宅のマスとしての質量の1〜2%程度必要であるが、マス部材4を四つに分割した状態で用いることにより、分割された四つのマス部材4の固有振動数を微妙に異なるように設定して、問題となる振動周波数に対して幅をもたせて、広範囲に効くようにさせている。
この場合、四つの制振装置の各マスダンパ2、…、2は、同一の周波数域にチューニングされていてもよいが、例えば各ゴムマウント3、…、3のばね定数やマス部材4の補助マス45を調整することによって、各マスダンパ2、…、2を二つ以上の異なる周波数域にチューニングされている。これにより、例えば部材の温度変化や家財道具の搬入に伴う家屋のマス変化等に伴って、制振すべき木質系住宅自体の固有振動数が変化した場合や、マス部材4の質量やゴムマウント3、…、3のばね定数等に製造上の誤差等が発生した場合等においても、木質系住宅に対する制振効果を安定して得ることが可能となる。
以上のように、本実施形態の制振装置は、主振動系たる木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパ2が、2本の梁5、5の互いに対向する側面に取付けられる一対のL型ブラケット1、1上に配設されており、且つL型ブラケット1、1の下端面からマス部材4の上端面までの高さが250mm以下とされている。これにより、制振装置の高さが梁5、5の高さよりも充分に低くされ、コンパクト化されているため、スペース効率が向上し、木質系住宅の梁5、5間に形成される比較的高さの低い空間内に、制振装置を収容した状態で設置することができる。
また、本実施形態の制振装置において採用されるL型ブラケット1、1は、従来の前記制振装置において採用されていたフレーム等のベース部材に比べて大幅に軽量化されていることから、制振装置のトータル重量を低減するとこができるので、木質系住宅への重量負荷を軽減することができる。これにより、木質系住宅の基礎の補強や設計変更等を回避しつつ、制振装置を設置することが可能となる。
また、本実施形態の制振装置では、従来の制振装置に採用されていた、複数本のI型鋼を組付けて矩形枠体状に形成したフレームに代わり、距離を隔てて対向配置される一対のL型ブラケット1、1が採用されていることから、定期点検時等においてゴムマウント3、…、3やマス部材4の調整作業を行う際には、一対のL型ブラケット1、1の間からゴムマウント3、…、3やマス部材4を容易に視ることができ、且つ作業者の手がそれらの部材に容易に届くようになるため、調整作業を容易に行うことができる。
さらに、本実施形態の制振装置は、定期点検時等のゴムマウント3、…、3やマス部材4の調整作業を行う際に、天井部の上方側(屋根裏側)から行う場合と下方側から行う場合とで、L型ブラケット1、1に対するゴムマウント3、…、3の取付位置を変える必要がないことから、L型ブラケット1、1の仕様が一つで済むため、従来の前記制振装置に比べて低コスト化を図ることができる。
なお、上記実施形態において用いられる一対のL型ブラケット1、1の補強板13、13に対して、図4に示すように、マス部材4の抜け落ちを阻止するストッパ部13a、13aを設けることができる。このストッパ部13a、13aは、一対のL型ブラケット1、1が対向する方向において向かい合う補強板13、13どうしの関連によって設けられるものであって、略直角三角形に形成された上記実施形態の補強板13、13に対して、内側へ下降傾斜する辺の中央より上方部分に上方及び内方へ突出するように設けられている。即ち、このストッパ部13a、13aは、向かい合った二つの補強板13、13の間に形成される空間の幅寸法が、一対のL型ブラケット1、1が対向する方向におけるマス部材4の幅寸法よりも小さくなるように形成されている。
このようにストッパ部13a、13aが設けられていることによって、L型ブラケット1、1上でゴムマウント3、…、3により弾性支持されたマス部材4が振動入力により横揺れした際に、ゴムマウント3、…、3から離脱して或いはゴムマウント3、…、3とともにL型ブラケット1、1から離脱して抜け落ちるのを阻止することができる。これにより、制振装置に対して、マス部材4の脱落を防止するフェイルセーフ機構の構造を付与することができる。
また、上記実施形態において用いられる一対のL型ブラケット1、1に対して、図5及び図6に示すように、一対のL型ブラケット1、1のそれぞれの両端部どうしを連結するように接合される連結部材15、15を設けることができる。この場合、連結部材15、15は、鉄系金属により所定長さの棒状に形成されており、その両端がL型ブラケット1、1の各支持基板12、12に溶接により接合されている。このように連結部材15、15を設けることによって、一対のL型ブラケット1、1の相対位置を確実に定めることができ、L型ブラケット1、1の取付基板11、11に設けられる挿通孔(図示せず)や支持基板12、12に設けられる取付孔12bの位置も精度良く位置決めされるので、L型ブラケット1、1やゴムマウント3、…、3、マス部材4等の取付けを容易に行うことができる。また、L型ブラケット1、1の剛性を高めることができるので、制振装置を設置後のL型ブラケット1、1の反りや変形を防止することができる。
また、L型ブラケット1、1と連結部材15、15との連結手段としては、ボルト締めによる方法もあり、この方法で連結して、精度良く位置決めし、L型ブラケット1、1やばね部材、マス部材等の取付けを容易に行うこともできる。このボルト締めの場合には、L型ブラケット1、1やばね部材、マス部材等の取付け後に、場合によっては連結部材15、15を取り外すこともできる。
本発明の実施形態に係る木質系住宅用の制振装置の平面図である。 本発明の実施形態に係る木質系住宅用の制振装置の正面図である。 本発明の実施形態に係る木質系住宅用の制振装置の断面図であって図1のIII −III 線矢視断面図である。 本発明に係るL型ブラケットの他の実施形態を示す正面図である。 本発明に係るL型ブラケットのその他の実施形態を示す平面図である。 図5に示されたL型ブラケットの正面図である。 従来の制振装置の平面図である。 従来の制振装置の正面図である。 従来の制振装置の側面図である。
符号の説明
1…L型ブラケット 2…マスダンパ 3、7…ゴムマウント(ばね部材)
4、8…マス部材 5…梁 6…フレーム 11…取付基板
11a…挿通孔 12…支持基板 12a……ゴムスリーブ
12b……取付孔 13…補強板 13a…ストッパ部 15…連結部材
41…本体マス 42…緊締部材 43…ストッパボルト 45…補助マス
46…スリット 47…固定ボルト

Claims (4)

  1. 木質系住宅の天井部に並列状に配設された2本の梁の互いに対向する側面に取付けられて対向配置される一対のL型ブラケットと、
    各該L型ブラケットに取付けられた複数個のばね部材と該ばね部材に弾性支持されたマス部材とからなり主振動系たる前記木質系住宅に対して副振動系を構成するマスダンパと、から構成され、
    前記L型ブラケットの下端面から前記マス部材の上端面までの高さが250mm以下とされていることを特徴とする木質系住宅用の制振装置。
  2. 前記L型ブラケットは、前記梁の側面に取付けられる取付基板と、該取付基板の下端から直角方向に延出する支持基板と、該支持基板と前記取付基板の両端部どうしを連結する一対の補強板とからなる請求項1に記載の木質系住宅用の制振装置。
  3. 前記補強板は、前記マス部材の抜け落ち阻止するストッパ部を有する請求項2に記載の木質系住宅用の制振装置。
  4. 一対の前記L型ブラケットは、それぞれの両端部どうしが一対の連結部材により連結されて一体化されている請求項1〜3に記載の木質系住宅用の制振装置。
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