JP2006161679A - 2サイクルエンジンの点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有効かつ効果的に燃焼改善を図り、同時に冷却性能等を向上し得る2サイクルエンジンの点火装置を提供する。
【解決手段】1気筒に2つの点火プラグ17A,17Bを、車両進行方向に沿って前後に並置する。シリンダヘッド13に形成される燃焼室43の中央部に一方の点火プラグ17Aを、シリンダブロック13に形成される排気ポート24aと対向する掃気ポート23側に他方の点火プラグ17Bをそれぞれ配設する。シリンダヘッド14に形成される冷却水ジャケット37内に、冷却水が排気ポート24a側から掃気ポート23側へ流れるように冷却水の流れを規制するガイドリブを設ける。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車両に搭載される特に水冷式の2サイクル並列多気筒エンジンの点火装置に関する。
自動二輪車あるいはスノーモービル等の車両に搭載されるエンジンにおいて、点火プラグは一般に燃焼室の中央部に配置される。これにより火炎が燃焼室全体に均一に広がるようにしている。
一方特に、シリンダボアが大きいエンジンにあっては、燃焼室の中央部に配置された単一の点火プラグだけでは燃焼が必ずしも十分に行われない場合がある。そして、そのままでは混合気の燃え残りが排気に流れ込んでしまい、排気ガスの浄化が難しくなる等の問題が生じる。
そこで従来、排気ガスを浄化し燃焼を改善するために、たとえば1気筒当り複数の点火プラグを配置するという手段がある。たとえば特許文献1に開示されるように、2サイクルエンジンにおいて、燃焼室の中央部と中央部から放射状の位置とに複数の点火プラグが装着される。
特開昭59−180067号公報
上述のように1気筒当り複数の点火プラグを配置することで燃焼効率を改善し、排気ガスを浄化するが、特に水冷式エンジンの場合にはシリンダヘッドの冷却水の流れと点火プラグの配設位置の関係が問題になる。すなわち、複数の点火プラグを配置すると、却って冷却水の流れの邪魔になることがある。一方、単一の点火プラグの場合、前述したように必ずしも良好な燃焼が行われない場合がある。
また、複数の点火プラグの配設方法(位置)によっては、点火プラグ自体あるいはプラグキャップの着脱方向が気筒間で重なってしまうこともある。このように従来の点火装置では、燃焼の改善と冷却性能あるいは取扱性等とを両立させるのが必ずしも容易でないのが実情であった。
本発明はかかる実情に鑑み、有効かつ効果的に燃焼改善を図り、同時に冷却性能等を向上し得る2サイクルエンジンの点火装置を提供することを目的とする。
本発明の2サイクルエンジンの点火装置は、車両に搭載される水冷式の2サイクルエンジンの点火装置であって、1気筒に2つの点火プラグを、車両進行方向に沿って前後に並置したことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの点火装置において、シリンダヘッドに形成される燃焼室の中央部に一方の前記点火プラグを、シリンダブロックに形成される排気ポートと対向する掃気ポート側に他方の前記点火プラグをそれぞれ配設したことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの点火装置において、前記シリンダヘッドに形成される冷却水ジャケット内に、冷却水が前記排気ポート側から前記掃気ポート側へ流れるように前記冷却水の流れを規制するガイドリブを設けたことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの点火装置において、前記エンジンは多気筒エンジンであって、車幅方向にクランク軸を配置するとともに、シリンダを傾斜させて搭載し、傾斜した前記シリンダの上部側に前記排気ポートを設けたことを特徴とする。
また、本発明の2サイクルエンジンの点火装置において、前記排気ポートを車両前方に向けて前記エンジンを雪上車に搭載したことを特徴とする。
本発明によれば、2つの点火プラグを持つことで、燃焼室およびシリンダ内の混合気を完全燃焼させ、排気ポートから極めてクリーンな排気ガスを排気することができる。この場合、一方の点火プラグを燃焼室の中央部に配置し、他方の点火プラグをブーストポート側に配置することで、混合気の流れに沿って燃焼させることがでるため、混合気を完全燃焼させてクリーンな排気ガスを形成する。
また、冷却水ジャケットにガイドリブを設けて冷却水の流れを規制し、2つの点火プラグの両側を流れるように整然と分岐させ、これによりシリンダヘッドまわりをムラなく均等に冷却することができる。2つの点火プラグを持ちながらもスムースな冷却水の流れを形成し、シリンダヘッドを効率よく冷却し、エンジン出力の向上を図るとともに、冷却不良による不正燃焼を防止して結果的に排気ガスをクリーンにする。
以下、図面に基づき、本発明による2サイクルエンジンの点火装置における好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明の適用例として雪上車100を示している。ここでまず、雪上車100の全体概略構成について説明する。雪上車100において前後方向に延びた車体フレーム101は前部フレーム102と後部フレーム103を有し、前部フレーム102の下部には左右一対の操舵用そり104が左右方向に向くように回動自在に支持され、後部フレーム103の下部にはトラックベルト105を循環させる駆動用のクローラ106が配置されている。なお、図1において、雪上車100の車両前方を矢印Frにより、また車両後方を矢印Rrによりそれぞれ示す。
クローラ106は、後部フレーム103の前端に配置された駆動輪107と、後端に配置された従動輪108と、複数個の中間輪109と、サスペンション機構110と、各車輪の周囲に巻かけられて循環するトラックベルト105とを含んでいる。
車体フレーム101はモノコックフレーム構造を有し、後述するエンジンユニット10およびその付帯装置等が搭載される前部フレーム(エンジンマウントフレーム)102において、その主部102aから前部分が上方に突出形成され、操舵用そり104を支持するためのフロントサスペンション111の上部を収容するようになっている。また、前部フレーム102の主部102aから後部分が斜め後ろ上方に立ち上がる形状で、クローラ106の駆動輪107の上方付近を収容するようになっており、後部フレーム103と連続的かつ一体的に形成されている。
後部フレーム103は、クローラ106全体をその下方に収容するカバー兼用として構成され、車両前後方向で後端部まで延設されている。また、後部フレーム103の上方には鞍形のシート112が配置され、該シート112の車幅方向両側には、シート112よりも一段低く形成されたステップ113が設けられている。
雪上車100の前側部分においてエンジンルーム114を形成する前部カバー115が設けられ、シート112と前部カバー115との間のほぼ車幅方向中央部にはステアリングシャフトが立設される。ステアリングシャフトの上端にはバーハンドル116がやや後方に傾いて水平方向左右に延設される。バーハンドル116の前方至近位置には、ウインドシールド117が立設されており、該ウインドシールド117の基部から前部カバー115が略流線形状に前方に向かいなだらかに下がった概略船底を逆さにした形状を呈している。バーハンドル116によりステアリングシャフトを介して操舵用そり104を操作し得るようになっている。なお、ウインドシールド117の基部の車幅方向中央部にはヘッドライト(前照灯)を装備している。
つぎに、本発明の実施形態に係るエンジンユニット10まわりを説明する。この実施形態において雪上車100は、2サイクル並列多気筒(この例では2気筒)エンジンを搭載し、このエンジンの動力を駆動輪107に伝達してトラックベルト105を走行駆動するようにしている。
図1に示されるようにエンジンユニット10は、そのシリンダを後方へ傾斜させて雪上車100に搭載される。この場合、エンジンルーム114内において、エンジンユニット10の前方にエアクリーナ装置118を搭載し、エンジン前部から吸気するようになっている。また、燃焼ガスをエンジン前部から排気するため、排気パイプ119もエンジンユニット10の前方に配置される。この例では水冷式エンジンであり、そのためのヒートエクスチェンジャ120はエンジン後方に配置される。
エンジンユニット10の基本構造において、図2〜図4を参照してクランクケース11はクランクケースアッパ11Aおよびクランクケースロア11Bからなり、それらの合せ面にクランクシャフト12が支持される。クランクシャフト12は雪上車100の車幅方向(左右方向)に配置され、クランクシャフト12の軸方向に沿って2つの気筒が並列配置される(図4)。クランクケースアッパ11Aの上部にはシリンダ13が結合し、シリンダ13にはシリンダヘッド14が結合する。前述したようにシリンダ13(およびシリンダヘッド14)は、図2等に示されるように後方Rrへ傾斜する。
シリンダ13内に往復動可能に収容されたピストン15は、コンロッド16を介してクランクシャフト12と連結する。シリンダヘッド14に前後方向に並置された2つの点火プラグ17A,17Bを有し、一方の点火プラグ17A(Fr側)は略シリンダ軸線上に配置される。クランクケース11(クランクケースアッパ11A)の前部には吸気マニホールド18が突設され、その内部の吸気ポート18aを介してクランクケース11内に混合気が供給される。吸気ポート18aは吸気パイプ19を介してエアクリーナ装置118と接続し、エアクリーナ装置118からの吸気量がスロットルバルブ20によって制御されるようになっている。吸気ポート18aの入口にはリードバルブ21が装着されるとともに、吸気パイプ19には燃料インジェクタ22が配設される。
クランクケース11はシリンダ13の周囲に配設された複数のブーストポート23を介して、シリンダ13と連通する。シリンダ13の前上部には排気マニホールド24が突設され、排気ポート24aから燃焼ガスが排気される。この排気ポート24aは吸気ポート18aと同様に、前方Frに向けて開口する。排気ポート24aは排気パイプ119と接続し、排気パイプ119へ排気される排気量が補助バルブ25によって制御されるようになっている。
つぎに、図5等に示されるように排気ポート24aの反対側、すなわち後方Rr側のクランクケース11(クランクケースロア11B)にウォータポンプ26が配設される。後述するようにシリンダ13まわりには冷却水ジャケットが形成され、ウォータポンプ26から吐出される冷却水を冷却水ジャケットに流通させるようになっている。
ウォータポンプ26は図4等に示すように、2つの気筒(シリンダ13)の略中央にてクランクケースロア11Bの後面に配置される。クランクケースロア11B内には図5に示すように、クランクシャフト12の軸心方向と略直角に、かつ略水平方向にポンプ駆動軸27が配置され、該クランクシャフト12と対向する位置にポンプ駆動軸27に一体的に設けられたネジ歯車28を介して、クランクシャフト12の動力でポンプ駆動軸27を回転駆動するようになっている。
ポンプ駆動軸27はウォータポンプ26と連結し、これを駆動する。すなわち、クランクケースロア11Bの後面に設けられたポンプ室29内には、ポンプ駆動軸27に軸着したインペラ30が収容され、インペラ30はポンプ室29内で回転する。ウォータポンプ26に近接してウォータポンプ26の冷却水供給側に、ポンプ内に冷却水を導入するための冷却水入口部31が突設されたサーモスタットキャップ32が配設され、冷却水入口部31は、冷却水ホース33(図1参照)を介してヒートエクスチェンジャ120に接続されている。
ウォータポンプ26の冷却水吐出側には、冷却水を吐出するための冷却水出口部34が突出形成され、冷却水ホース35および冷却水入口部36を介してシリンダヘッド14内部に形成された冷却水通路であるウォータジャケット37に接続されている。
ウォータポンプ26のポンプカバー38は、ウォータポンプ26のハウジングを構成するとともに、クランクケースロア11Bのジャケットカバーを兼用するように構成され、その内側に冷却水通路39を構成する。クランクケースロア11Bの冷却水入口部31が設けられる冷却水通路40には、冷却水の温度に応じてその流量を制御するサーモスタット41が設けられ、サーモスタット41を覆うようにサーモスタットキャップ32が配設されている。サーモスタット41は、ヒートエクスチェンジャ120からウォータポンプ26に供給される冷却水の導入を制御する主弁41aと、エンジン本体からバイパスされてウォータポンプ26へ直接供給される冷却水の導入を制御する副弁41bとを備えている。
冷却水通路40は、連通孔を介してポンプカバー38の冷却水通路39と連通するとともに、クランクケースロア11Bの壁部に形成された冷却水バイパス通路を介して、クランクケースアッパ11Aおよびクランクケースロア11B間で形成されたウォータジャケット42(温水ジャケット)と連通している。上述の冷却水バイパス通路は、副弁41bと対向する位置に開口形成され、該副弁41bによって開閉される。
シリンダヘッド14には図3あるいは図5等に示すように、内部の燃焼室43を包囲するようにウォータジャケット37が形成されている。ここで、シリンダ13まわりには排気ポート24aの下部付近に形成されたウォータジャケット44Aを有する。このウォータジャケット44Aは、クランクケースアッパ11Aの部位にも形成される。シリンダヘッド14のウォータジャケット37は、排気ポート24aの上部に形成されたウォータジャケット44Bと連通し、このウォータジャケット44Bはブーストポート23側のウォータジャケット44Cと連通する。なお、ウォータジャケット44Aは、ウォータジャケット44Bと連通している。
また、ブーストポート23側のウォータジャケット44Cは図6に示すように、クランクケースアッパ11Aに形成された複数の冷却水通路45と連通し、各冷却水通路45はそれぞれウォータジャケット42と連通路する。ウォータジャケット42の端部には、冷却水(温水)出口部46が突出形成され、この冷却水出口部46は冷却水ホースを介してヒートエクスチェンジャ120に接続されている。
さて、本発明の2サイクルエンジンの点火装置において特に、前述したようにシリンダヘッド14に前後方向に並置された2つの点火プラグ17A,17Bを有し、一方の点火プラグ17Aを略シリンダ軸線上に配置し、すなわちシリンダヘッド14に形成される燃焼室43の中央部に配置し、他方の点火プラグ17Bを、シリンダブロックに形成される排気ポート24aと対向するブーストポート23(掃気ポート)側に配置する。
ここで、図7はシリンダヘッド14まわりを示している。各気筒において、燃焼室43の中央部には点火プラグ17Aを取り付けるための取付座47Aが、また、取付座47Aの後方Rr側には点火プラグ17Bを取り付けるための取付座47Bがそれぞれ形成される。図3等に示されるように取付座47Aに取り付けられた点火プラグ17Aは、シリンダ軸線に沿って装着され、また、取付座47Bに取り付けられた点火プラグ17Bは、シリンダ軸線に対して適度に傾斜して、すなわち燃焼室43の中心部に指向するように装着される。
また、シリンダヘッド14に形成される冷却水ジャケット37内には、2つの気筒が相互に隣接するシリンダヘッド14の略中央部にて一対のガイドリブ48が設けられる。ガイドリブ48は、略シリンダ13の円弧形状に沿うように湾曲形成され、冷却水入口部36側から排気ポート24a側へ延設される。一対のガイドリブ48の間に冷却水ジャケット37Aが形成される。
ガイドリブ48の前方Fr側にはガイドリブ48側から見て概略逆「ハ」字状のガイドリブ49が隔置され、ガイドリブ49によって冷却水ジャケット37Aを左右の気筒に分岐するようにしている。冷却水ジャケット37Aが各気筒に分岐してその後、冷却水ジャケット37Bが形成される。ガイドリブ48およびガイドリブ49を設けることで、後述するように冷却水の流れは、排気ポート24a側からブーストポート23側へ流れるように規制される。
上記構成において、つぎに本実施形態に係る2サイクルエンジンの点火装置の作用について説明する。まず、図示しないスタータによってエンジンユニット10が始動される。各気筒において点火プラグ17A,17Bが所定タイミングで点火され、燃焼室43(およびシリンダ13)内の混合気が爆発し、爆発後その燃焼ガスは排気ポート24aから排気される。
この間に冷却水は、ヒートエクスチェンジャ120よりサーモスタット41を介して、ウォータポンプ26内に導入される。ウォータポンプ26に導入された冷却水は、冷却水出口部34から吐出され、冷却水ホース35を通ってシリンダヘッド14の冷却水入口部36を介してエンジン内部に導入される。導入された冷却水は、シリンダヘッド14内のウォータジャケット37を通り、主に排気ポート24a上部のウォータジャケット44Bを経由してウォータジャケット44Cへと流通する。この際、ウォータジャケット44Aからの冷却水と合流し、その後冷却水通路45を通ってウォータジャケット42に集合する。
ウォータジャケット42内の温められた冷却水は、冷却水出口部46に接続された冷却水ホースを通って、ヒートエクスチェンジャ120に送られる。そして、ヒートエクスチェンジャ120内の冷却水通路を通過するうちに冷却された冷却水は、再びウォータポンプ26に供給され、エンジンに送られて前述した冷却行程を繰り返すことでエンジンの冷却が行われる。
さて、本発明の点火装置ではシリンダヘッド14に前後方向に並置された2つの点火プラグ17A,17Bを持つことで、燃焼室43およびシリンダ13内の混合気を完全燃焼させ、排気ポート24aから極めてクリーンな排気ガスを排気することができる。単一の点火プラグの場合には完全燃焼せずに未燃焼状態で排気されていた混合気をなくし、燃焼効率が大幅に向上する。
この場合、混合気はブーストポート23からシリンダヘッド14の方向に噴出するかたちで、シリンダ13内に供給される。また、燃焼ガスはブーストポート23と対向する排気ポート24aから排気される。点火プラグ17Aを燃焼室43の中央部に配置し、点火プラグ17Bをブーストポート23側に配置することで、混合気の流れに沿って燃焼させることがでるため、混合気を完全燃焼させてクリーンな排気ガスを形成する。
特に燃焼室43の中央部に配置される点火プラグ17Aは、火炎を燃焼室43およびシリンダ13内で均等に広げる上で有効に作用する。また、ブーストポート23側に配置される点火プラグ17Bは、ブーストポート23から濃い混合気が供給されるため、この位置に配置することが混合気を燃焼させる上で有効に作用する。
ここで、冷却水はウォータポンプ26から冷却水ホース35を通って、シリンダヘッド14の冷却水入口部36を介してエンジン内部に導入される。図7に示されるように冷却水Wは先ず、ガイドリブ48によって形成された冷却水ジャケット37A内を前方Frに流通する。その後、ガイドリブ49によって左右の気筒に分岐した冷却水W1は、流れ方向を反転させて各気筒の冷却水ジャケット37B内を後方Rrに流通する。この場合、冷却水W2は、点火プラグ17A,17Bの両側を流れるように整然と分岐し、これによりシリンダヘッド14まわりをムラなく均等に冷却することができる。
このように2つの点火プラグ17A,17Bを持ちながらもそれらを前後方向に並置することで、それらの取付座47A,取付座47Bによって邪魔されることなくスムースな冷却水(W2)の流れを形成する。これによりシリンダヘッド14を効率よく冷却し、エンジン出力の向上を図るとともに、冷却不良による不正燃焼を防止して結果的に排気ガスをクリーンにする。
ちなみに、たとえば仮に図8に示したように2つの点火プラグ17A,17Bを車幅方向(左右方向)に配置した場合には、冷却水W2が図示例のように流れることになる。すなわち取付座47A,取付座47Bによって邪魔されてしまい、そのままではスムースな冷却水の流れを形成することができなくなる。
また、前述したように傾斜して搭載したシリンダ13の上部側に排気ポート24aを設け、この排気ポート24a側から冷却水を流す。このように高温になる排気ポート24a側から先に冷却することで、この点でも冷却効率を高めることができる。
さらに、2つの点火プラグ17A,17Bを車両進行方向直線上に前後方向に並置することにより、並列多気筒エンジンでありながらも左右気筒間で、ハイテンションコード等を含めた点火プラグ同士の相互干渉をなくする。また、点火プラグ17A,17Bの着脱の際、左右気筒間で干渉することなく作業することができ、作業性を向上することができる。
このような点火装置を備えたエンジンユニット10を、排気ポート24aが車両前方を向くように雪上車に搭載する。2つの点火プラグ17A,17Bを持ちながらもエンジンユニット10の大型化を防止することができ、これによりコンパクトかつ高出力で排気ガスのクリーンな雪上車を実現する。
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
たとえば2つの点火プラグ17A,17Bを車両進行方向直線上に前後に並置する例を説明したが、車幅方向に適度にずらして前後に並置してもよい。また、2つの点火プラグとも燃焼室中央部から適度にずらして前後に並置してもよい。
また、2つの点火プラグを相互に隔置して両者の間にリブを設け、最も温度が高い部分に冷却水が流れるようにすることも可能である。
本発明に係る2サイクルエンジンの冷却構造を適用した雪上車の例を示す側面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの例を示す外観側面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの側断面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの後方斜視図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンの側断面図である。 本発明の実施形態における2サイクルエンジンのクランクケースまわりの後方斜視図である。 本発明の実施形態におけるシリンダヘッド内での冷却水の流れの例を示す図である。 シリンダヘッド内での冷却水の流れの参考例を示す図である。
符号の説明
10 エンジンユニット、11 クランクケース、11A クランクケースアッパ、11B クランクケースロア、12 クランクシャフト、13 シリンダ、14 シリンダヘッド、15 ピストン、16 コンロッド、17A,17B 点火プラグ、18 吸気マニホールド、18a 吸気ポート、23 ブーストポート、24 排気マニホールド、24a 排気ポート、26 ウォータポンプ、27 ポンプ駆動軸、29 ポンプ室、30 インペラ、31 冷却水入口部、32 サーモスタットキャップ、33 冷却水ホース、34 冷却水出口部、35 冷却水ホース、36 冷却水入口部、37 ウォータジャケット、38 ポンプカバー、39,40 冷却水通路、41 サーモスタット、46 冷却水(温水)出口部、47A,47B 点火プラグ取付座、48,49 ガイドリブ。

Claims (5)

  1. 車両に搭載される水冷式の2サイクルエンジンの点火装置であって、
    1気筒に2つの点火プラグを、車両進行方向に沿って前後に並置したことを特徴とする2サイクルエンジンの点火装置。
  2. シリンダヘッドに形成される燃焼室の中央部に一方の前記点火プラグを、シリンダブロックに形成される排気ポートと対向する掃気ポート側に他方の前記点火プラグをそれぞれ配設したことを特徴とする請求項1に記載の2サイクルエンジンの点火装置。
  3. 前記シリンダヘッドに形成される冷却水ジャケット内に、冷却水が前記排気ポート側から前記掃気ポート側へ流れるように前記冷却水の流れを規制するガイドリブを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の2サイクルエンジンの点火装置。
  4. 前記エンジンは多気筒エンジンであって、車幅方向にクランク軸を配置するとともに、シリンダを傾斜させて搭載し、傾斜した前記シリンダの上部側に前記排気ポートを設けたことを特徴とする請求項2または3に記載の2サイクルエンジンの点火装置。
  5. 前記排気ポートを車両前方に向けて前記エンジンを雪上車に搭載したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の2サイクルエンジンの点火装置。
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