JPH04101069A - ２サイクルエンジンの点火装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、高速で点火時期を遅角させる２サイクルエン
ジンに適用される点火装置に関するものである。

（発明の背景） ２サイクルエンジンでは、排気の脈動を利用して充填効
率の向上を図っているが（カブナシ−効果）、この場合
通常は中低速時にこの脈動が有効に作用するように排気
系を設定する。このため高速時にはこの脈動がエンジン
回転に整合できず、エンジン出力の低下を招（という問
題がある。

そこでこの問題を高速時に点火時期を遅らせることによ
り解決することが従来より行われている（高速遅角）。

すなわち高速で点火時期を遅角させることにより燃焼を
悪化させ、この結果として排気温度を上昇させることに
より排気脈動をエンジン回転に整合させるものである。

この排気脈動の整合により充填効率の向上を図り、これ
による出力向上の効果が高速遅角による燃焼の悪化によ
る出力低下を上回るようにするものである。

しかしこの高速遅角を行う時には通常燃焼が不安定にな
り、不整燃焼が発生し易くなるという問題があった。

（発明の目的） 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、高
速遅角を行う場合に、高速運転時に燃焼が不安定になる
のを防ぎ、不整燃焼の発生を防止することができる２サ
イクルエンジンの点火装置を提供することを目的とする
ものである。

（発明の構成） 本発明によればこの目的は、高速で点火時期を遅角させ
る２サイクルエンジンの点火装置において、２つの点火
栓を備え、その一方の点火栓は常に発火させる一方、他
方の点火栓は少なくとも高速遅角時に発火させることを
特徴とする２サイクルエンジンの点火装置、により達成
される。

（実施例） 第１図は本発明の一実施例の側断面図、第２図はその■
−■線断面図、第３図は進角特性図、第４Ａ、４Ｂ図は
点火回路図、第５図と第６図は自動二輪車へ搭載した状
態を示す側面図と平面図である。

第５図において符号１０はセミクレードル型車体フレー
ムであり、操向軸筒１２から下降するダウンチューブ１
４の下端から左右一対のロアチューブ１６（一方のみ図
示）が分岐している。

ロアチューブ１６は側面視略フック状に折曲され、後部
上端は１本のタンクレール１８の後端に接続されている
。

２０は後端に後輪２２（第６図参照）を保持するリヤア
ームであり、その前端はロアアーム１６にピボット軸２
４で軸支されている。リヤアーム２０には１本のクツシ
ョンユニット２６の下端がリンク２８．３０を介して連
結され、リヤアーム２０に下向きの復帰力が付与されて
いる。クツションユニット２６の上端はタンクレール１
８の後端に軸支されている。

３２は液冷式単気筒２サイクルエンジンであり、ロアチ
ューブ１６に搭載されている。このエンジン３２はクラ
ンク室予圧式であり、クランクケース３４に連結された
気化器３６は、クツションユニット２６の左側を迂回す
る吸気ダクト３７を介して、クツションユニット２６の
後方に配設されたエアクリーナ３８に連結されている。

クランクケース３４には斜前上方に起立するシリングボ
デー４０が固定され、このシリンダボデー４０の上面に
はシリングヘッド４２が固定されている。このシリンダ
ヘッド４２には略半球型の燃焼室４４が形成されている
（第１図参照）。シリンダボデー４０の前面に接続され
た排気膨張管４６は、左右のロアチューブ１６間からダ
ウンチューブ１４の前下方に延出し、さらに右側へ折曲
され、シリンダヘッド４２の右側を通って後方へ導かれ
ている。

第１図で４８はピストン、５０は掃気ポート、５２は排
気ポートである。排気ポート５２の上壁には略つづみ型
の排気制御弁５４が装着され、排気タイミングをエンジ
ン回転速度などによって変化させる。すなわち高速時に
はこの排気制御弁５４を反時計方向に回動させて排気タ
イミングを進角させ、低速時には時計方向に回動させて
遅角させる。

５６と５８とは点火栓である。点火栓５６は、燃焼室４
４の略中央にその発火部が臨むようにほぼシリング中心
軸線上に取付けられている。点火栓５８はシリング中心
軸線よりも排気ポート５２側に偏位している。この実施
例ではこの点火栓５８を排気膨張管４６の反対側に傾斜
させ、その着脱時における排気膨張管４６との干渉を防
止している。

なお冷却液は排気ポート５２側からシリングボデー４０
内に入り、シリング軸方向に沿って上昇し、シリンダヘ
ッド４２に入って下向きに反転し、掃気ポート５０側を
通りシリンダヘッド４２の排水口６０から排出され、図
示しないラジエタに導かれる。

点火栓５６．５８は、例えば第４Ａ図に示す回路により
同時に点火される。この図で６２はフライホイールマグ
ネト−６４は点火回路、６６は点火コイルである。点火
回路６４は、ＣＤＩ　（コンデンサ放電式点火装置）お
よびＣＰｔＪを備える。そして充電コイル６２ａにより
コンデンサに充電された電荷を、パルサコイル６２ｂの
タイミングを用いてエンジン回転速度に最適なタイミン
グをＣＰＵが演算し、このタイミングに点火コイル６６
に一次電流を供給する。この結果点火コイル６６の二次
側に高電圧が誘起され、この二次側コイルに直列接続さ
れた２つの点火栓５６．５８に同時に点火火花を発生さ
せる。ここにＣＰＵは第３図に示すように高速で点火時
期を遅らせるようにタイミングを演算するものである。

この実施例によれば、２つの点火栓５６．５８が常に発
火するから、高速遅角により燃焼が不安定になる場合に
も２つの点火栓５６．５８により確実に点火が行われ、
不整燃焼が防止される。

第４Ｂ図は点火回路の他の実施例を示す。この実施例で
は点火回路６４Ａは各点火柱５６．５８に対して別々の
点火回路６４ａ、６４ｂを持ち、それぞれ別々の点火コ
イル６６　ａ、　６６　ｂを介して各点火柱５６．５８
を独立に発火させる。例えば点火栓５８は高速時にのみ
発火させるように作り、点火栓５８の点火タイミングを
点火栓５６より遅らせるように時間差を持たせることが
可能である。特に点火栓５８を遅らせることはこれを排
気ポート５２側に偏位させた本実施例において特に有効
である。燃焼室４４内の混合気は燃焼室４４の頂部から
排気ポート５２方向に向って流動しているからである。

以上の実施例では一方の点火栓５６を燃焼室４４の中央
付近に臨ませたので、低中速時にはこの点火柱５６のみ
を用い、高速時にだけ点火栓５８の発火を付加すること
が可能になり、高速遅角時の運転の改善を図ることがで
きる。

（発明の効果） 本発明は以上のように、２つの点火栓のうち方を常に発
火させ、他方の点火栓を少なくとも高速遅角時に発火さ
せるようにしたものであるから、少な（とも高速遅角時
には２つの点火栓が発火することになるので、高速遅角
時の燃焼が確実になり、不整燃焼が発生しに（くなる。

このため高速遅角時の運転が円滑になる。

４、

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の側断面図、第２図はその■
−■線断面図、第３図は進角特性図、第４Ａ、４Ｂ図は
点火回路図、第５図と第６図は自動二輪車へ搭載した状
態を示す側面図と平面図である。 ３２・・・エンジン ４４・・・燃焼室、 ５６．５８・・・点火栓、 ６４．６４Ａ・・・点火回路。 特許出願人　ヤマハ発動機株式会社

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）高速で点火時期を遅角させる２サイクルエンジン
   の点火装置において、 ２つの点火栓を備え、その一方の点火栓は常に発火させ
   る一方、他方の点火栓は少なくとも高速遅角時に発火さ
   せることを特徴とする２サイクルエンジンの点火装置。
2. （２）燃焼室をほぼ半球型とし、常に発火する点火栓を
   この燃焼室の頂部中央付近に配設したことを特徴とする
   請求項（１）の２サイクルエンジンの点火装置。
3. （３）一方の点火栓を燃焼室の頂部中央付近に、他方の
   点火栓を排気ポート側に偏位させてそれぞれ配設したこ
   とを特徴とする請求項（２）の２サイクルエンジンの点
   火装置