JP2006161036A - 共重合法による変性フェノール樹脂の製造方法及び変性フェノール樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、フェノール化合物及び変性フェノール化合物を共重合させることによる変性フェノール樹脂の製造方法及びその変性フェノール樹脂に関する。
フェノ−ル化合物とアルデヒド化合物とを反応させて得られるフェノール樹脂は、耐熱性が高く、絶縁性にも優れ、成形材料、電子材料をはじめ、数々の工業分野で応用されている。
しかし、フェノール樹脂は、時間の経過ともにそのフェノール性水酸基が化学変化し、樹脂が変色したり、品質が低下したりするという問題があった。また、技術の進歩に伴い、樹脂により高い耐熱性が要求される場面もあり、そのような場合には、通常のフェノール樹脂では耐熱性において不十分であった。
このような変色・品質低下に対する問題の解決や耐熱性の向上については、フェノール樹脂のフェノール性水酸基に他の置換基を導入して当該水酸基を修飾することが有効と考えられ、当該水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を製造するための様々な方法が検討されている。例えば、ノボラック樹脂にイサト酸無水物を樹脂の溶融温度で反応させることにより、フェノール性水酸基をアントラニル化する検討が行われている(例えば、特許文献1参照)。また、有機カルボン酸無水物をノボラック樹脂に反応させることにより、有機カルボン酸変性ノボラック樹脂の合成検討が行われている(例えば、特許文献2及び3参照)。さらに、フェノール性水酸基に予め他の置換基を導入した化合物とアルデヒド類を用いて合成した樹脂について、当該置換基を脱離又は転移させてフェノール性水酸基に再変換する方法が検討されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、いずれの場合においても、定量的にフェノール性水酸基を修飾するのは非常に困難であり、ノボラック樹脂の粘度や立体構造上の問題などから、修飾できる分子量領域や変性率に制限がある。特に、高分子量タイプのノボラック樹脂への修飾は非常に困難である。また、フェノール性水酸基が一部エーテル化された変性フェノール樹脂をフェノール樹脂から得ることは、反応条件の過酷さを考えると、工業的には困難である。
さらに、いずれの場合においても、一旦樹脂を製造した上で、更なる反応により置換基を導入、脱離等しているため、工程数が多く、工業化には適していない。
さらに、いずれの場合においても、一旦樹脂を製造した上で、更なる反応により置換基を導入、脱離等しているため、工程数が多く、工業化には適していない。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善された、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノ−ル樹脂を、簡便な製造方法により提供することである。
また、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善され、しかも、有機溶媒への溶解性が改善された、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を、簡便な製造方法により提供することである。
さらにまた、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善され、しかも、柔軟性に優れ、キャスト法によるフィルム化も可能な、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を、簡便な製造方法により提供することである。
また、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善され、しかも、有機溶媒への溶解性が改善された、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を、簡便な製造方法により提供することである。
さらにまた、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善され、しかも、柔軟性に優れ、キャスト法によるフィルム化も可能な、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を、簡便な製造方法により提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、予めフェノール性水酸基が修飾されている後述の式(I)又は式(I’)で表される化合物及び後述の式(II)又は式(II’)で表されるフェノール化合物とアルデヒド類とを酸触媒の存在化で反応させることにより、樹脂の合成工程の段階で、定量的にフェノール性水酸基が修飾された変性フェノール樹脂を製造できることを見出した。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 式(I)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、jは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物よりなる原料化合物A及び式(II)
で表される化合物よりなる原料化合物A及び式(II)
(式中、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物よりなる原料化合物Bを、パラホルムアルデヒド及び式(III)
で表される化合物よりなる原料化合物Bを、パラホルムアルデヒド及び式(III)
(式中、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1つのアルデヒド類と酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする変性フェノール樹脂の製造方法。
[2] 酸触媒が、有機スルホン酸又は硫酸である[1]記載の製造方法。
[3] 酢酸とハロゲン系溶媒の混合溶媒の存在下で反応が行なわれる[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] ハロゲン系溶媒がクロロホルム、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンから選ばれる少なくとも1つである[3]記載の製造方法。
[5] 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
式(IV)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1つのアルデヒド類と酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする変性フェノール樹脂の製造方法。
[2] 酸触媒が、有機スルホン酸又は硫酸である[1]記載の製造方法。
[3] 酢酸とハロゲン系溶媒の混合溶媒の存在下で反応が行なわれる[1]又は[2]記載の製造方法。
[4] ハロゲン系溶媒がクロロホルム、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンから選ばれる少なくとも1つである[3]記載の製造方法。
[5] 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]
式(IV)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[7] 式(V)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[7] 式(V)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、mは1〜20000の整数を示し、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[8] [6]又は[7]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[9] 原料化合物Aに代えて、式(I’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[8] [6]又は[7]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[9] 原料化合物Aに代えて、式(I’)
(式中、R1’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、jは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR1’が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である原料化合物A’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 原料化合物A’がジフェニルエーテルであるか、又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[9]記載の製造方法。
[11] 式(IV’)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR1’が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である原料化合物A’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[10] 原料化合物A’がジフェニルエーテルであるか、又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[9]記載の製造方法。
[11] 式(IV’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合せて1〜20000の整数を示し(ただし、m’は1以上である。)、n’は1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[12] 式(V’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[12] 式(V’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合わせて1〜20000の整数を示し(但し、m’は1以上である。)、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[13] [11]又は[12]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[14] 原料化合物Bに代えて、式(II’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[13] [11]又は[12]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[14] 原料化合物Bに代えて、式(II’)
(式中、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[15] 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物B’がビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[14]記載の製造方法。
[16] 式(IV’’)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[15] 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物B’がビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[14]記載の製造方法。
[16] 式(IV’’)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有するn個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[17] 式(V’’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[17] 式(V’’)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、mは1〜20000の整数を示し、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有する(o+o’)個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[18] [16]又は[17]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[19] 原料化合物Aに代えて、式(I’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[18] [16]又は[17]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
[19] 原料化合物Aに代えて、式(I’)
(式中、R1’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、jは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR1’が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である原料化合物A’を使用し、かつ
原料化合物Bに代えて、
式(II’)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR1’が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である原料化合物A’を使用し、かつ
原料化合物Bに代えて、
式(II’)
(式中、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[20] 原料化合物Bがジフェニルエーテルであるか又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物BがビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール若しくはクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[19]記載の製造方法。
[21] 式(IV’’’)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[20] 原料化合物Bがジフェニルエーテルであるか又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物BがビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール若しくはクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである[19]記載の製造方法。
[21] 式(IV’’’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合せて1〜20000の整数を示し(ただし、m’は1以上である。)、n’は1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有するn’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[22] 式(V’’’)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[22] 式(V’’’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合わせて1〜20000の整数を示し(但し、m’は1以上である。)、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有する(o+o’)個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[23] [21]又は[22]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。
[23] [21]又は[22]記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
本発明によれば、樹脂の合成工程で、フェノール性水酸基に他の置換基が導入されたフェノール樹脂(変性フェノール樹脂)を製造することができ、従来のフェノール樹脂のフェノール性水酸基を修飾する方法より簡便である。特に、従来の方法では得ることが困難な、フェノール性水酸基の一部がエーテル化された変性フェノール樹脂を容易な工程により得ることができる。
また、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物(I)と化合物(II)との配合比、或いは、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物(I’)と化合物(II’)との配合比を変えることにより、容易に、フェノール樹脂の変性率の定量的なコントロールが可能である。さらに、得られる変性フェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されているため、成形材料、電子材料をはじめとする数々の工業分野にて、より高い耐熱性、安定性が求められる場面において適用できる。
また、フェノール性水酸基が一部修飾されているため、耐アルカリ性や有機溶剤に対する溶解性も向上し、レジスト用途にも有用である。
また、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物としてフェノール性水酸基をフェノキシ基(置換又は非置換のフェノキシ基)で置換した化合物を少なくとも使用することで、柔軟性に優れた変性フェノール樹脂を達成することができ、従来のフェノール樹脂(変性フェノール樹脂)では困難であったキャスト法によるフィルム化も可能なフェノール樹脂を得ることができる。
さらに本発明によれば、反応時に分岐が化合物(II)のベンゼン環より起こるため、分岐度が制御されたフェノール樹脂の合成にも有用である。
また、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物(I)と化合物(II)との配合比、或いは、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物(I’)と化合物(II’)との配合比を変えることにより、容易に、フェノール樹脂の変性率の定量的なコントロールが可能である。さらに、得られる変性フェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されているため、成形材料、電子材料をはじめとする数々の工業分野にて、より高い耐熱性、安定性が求められる場面において適用できる。
また、フェノール性水酸基が一部修飾されているため、耐アルカリ性や有機溶剤に対する溶解性も向上し、レジスト用途にも有用である。
また、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物としてフェノール性水酸基をフェノキシ基(置換又は非置換のフェノキシ基)で置換した化合物を少なくとも使用することで、柔軟性に優れた変性フェノール樹脂を達成することができ、従来のフェノール樹脂(変性フェノール樹脂)では困難であったキャスト法によるフィルム化も可能なフェノール樹脂を得ることができる。
さらに本発明によれば、反応時に分岐が化合物(II)のベンゼン環より起こるため、分岐度が制御されたフェノール樹脂の合成にも有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は第1〜第4の態様を含む。
先ず、本発明の第1の態様について説明する。
本発明の第1の態様は、化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類(パラホルムアルデヒド及び/又は化合物(III))とを酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする。
本発明は第1〜第4の態様を含む。
先ず、本発明の第1の態様について説明する。
本発明の第1の態様は、化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類(パラホルムアルデヒド及び/又は化合物(III))とを酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする。
化合物(I)について
R1で示される「炭素数1〜10のアルキル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
R1で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デセニル基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数2〜4のアルケニル基である。
R1で示される「炭素数1〜10のアルキル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
R1で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、1−オクテニル基、1−ノネニル基、1−デセニル基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、特に好ましくは炭素数2〜4のアルケニル基である。
R1で示される「炭素数2〜10のアシル基」の例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、デセノイル基等の炭素数2〜10のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等の炭素数7〜10のアリールカルボニル基;ベンジルカルボニル基等の炭素数8〜10のアリールアルキルカルボニル基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数2〜7のアシル基である。
R1で示される「炭素数3〜12のシクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、特に好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基である。
R1で示される「炭素数3〜12のシクロアルキル基」の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、特に好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基である。
R1は、原料の入手の容易さ、脱離・転位反応の容易さ、樹脂合成時の安定性などの観点からは、炭素数2〜10のアシル基、アリル基、メチル基などが好ましく、特に好ましくはアセチル基、ベンゾイル基、メチル基である。
R2で示される「炭素数1〜10のアルキル基」としては、上記R1で示される「炭素数1〜10のアルキル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。
R2で示される「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」の例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12の芳香族基;ベンジル基、フェニルエチル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基;トルイル基、tert−ブチルフェニル基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基が挙げられ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、より好ましくは炭素数が6〜7の芳香族炭化水素基である。
R2で示される「炭素数1〜10のアルコキシル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシル基である。
R2で示される「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」の例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の炭素数6〜12の芳香族基;ベンジル基、フェニルエチル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基;トルイル基、tert−ブチルフェニル基等の炭素数1〜4のアルキル基で置換されたフェニル基が挙げられ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、より好ましくは炭素数が6〜7の芳香族炭化水素基である。
R2で示される「炭素数1〜10のアルコキシル基」は、直鎖状でも分岐状でもよく、例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基等を挙げることができ、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルコキシル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルコキシル基である。
R2としては、原料の入手の容易さなどの観点からは、メチル基、tert−ブチル基が好ましい。
ベンゼン環上の置換基R2の数を示すjは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1の整数である。
同一ベンゼン環上にR2が複数ある場合(jが2又は3である場合)には、それらは同一でも異なっていても良い。また、化合物(I)上の反応の活性点は、主にオルト位及びパラ位であるから、オルト位及びパラ位のうち、2以上がR2で占められることは好ましくない。
同一ベンゼン環上にR2が複数ある場合(jが2又は3である場合)には、それらは同一でも異なっていても良い。また、化合物(I)上の反応の活性点は、主にオルト位及びパラ位であるから、オルト位及びパラ位のうち、2以上がR2で占められることは好ましくない。
化合物(I)として、原料の入手の容易さ、生成する変性フェノール樹脂の耐熱性・安定性向上の観点から最も好ましくは、アニソールである。
化合物(I)は、1種または2種以上を使用することができる。
化合物(I)は、1種または2種以上を使用することができる。
化合物(II)について
R3で示される「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」は、それぞれ、上記R2で示される「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」の定義と同様である。
R3としては、原料の入手の容易さなどの観点からは、メチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシル基が好ましい。
R3で示される「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」は、それぞれ、上記R2で示される「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」の定義と同様である。
R3としては、原料の入手の容易さなどの観点からは、メチル基、tert−ブチル基、ヒドロキシル基が好ましい。
ベンゼン環上の置換基R3の数を示すkは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1の整数である。
同一ベンゼン環上にR3が複数ある場合(kが2又は3である場合)には、それらは同一でも異なっていても良い。また、化合物(II)上の反応の活性点は、主にオルト位及びパラ位であるから、オルト位及びパラ位のうち、2以上がR3で占められることは好ましくない。
同一ベンゼン環上にR3が複数ある場合(kが2又は3である場合)には、それらは同一でも異なっていても良い。また、化合物(II)上の反応の活性点は、主にオルト位及びパラ位であるから、オルト位及びパラ位のうち、2以上がR3で占められることは好ましくない。
化合物(II)として、原料の入手の容易さ、生成する変性フェノール樹脂の工業的汎用性の観点から最も好ましくは、フェノール、クレゾール(例、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール)、レゾルシノールである。
化合物(II)は、1種または2種以上を使用することができる。
化合物(II)は、1種または2種以上を使用することができる。
化合物(III)について
R4で示される「炭素数1〜10のアルキル基」としては、上記R1で示される「炭素数1〜10のアルキル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。
R4で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」としては、上記R1で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、より好ましくは、炭素数2〜4のアルケニル基である。
R4で示される「炭素数1〜10のアルキル基」としては、上記R1で示される「炭素数1〜10のアルキル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜4のアルキル基である。
R4で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」としては、上記R1で示される「炭素数2〜10のアルケニル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数2〜6のアルケニル基であり、より好ましくは、炭素数2〜4のアルケニル基である。
R4で示される「炭素数3〜12のシクロアルキル基」としては、上記R1で示される「炭素数3〜12のシクロアルキル基」と同じものが例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくは炭素数3〜6のシクロアルキル基である。
R4で示される「ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」としては、上記R1で示される「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」と同じもの及びそれらの芳香環がヒドロキシル基で置換されたもの(例、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシベンジル基等)が例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜7の芳香族炭化水素基である。
R4で示される「ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」としては、上記R1で示される「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」と同じもの及びそれらの芳香環がヒドロキシル基で置換されたもの(例、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシベンジル基等)が例示でき、立体障害による反応性の観点から、好ましくはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜7の芳香族炭化水素基である。
R4は、原料の入手の容易さや反応性からは、水素、メチル基、プロピル基、フェニル基、ヒドロキシフェニル基が好ましく、特に好ましくは水素、メチル基である。
反応に用いる、化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類は公知化合物であり、公知の方法により合成して入手することができる。また、市販品があるものについては市販品をそのまま用いることもできる。
化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類との反応操作は、反応が進行する限り特に制限はなく、例えば、公知のノボラック樹脂の合成の反応操作が適用できる。
具体的な反応操作の例としては、化合物(I)、化合物(II)とアルデヒド類を混合し、必要に応じて溶媒を加え、そこに酸触媒を添加する方法が挙げられる。
具体的な反応操作の例としては、化合物(I)、化合物(II)とアルデヒド類を混合し、必要に応じて溶媒を加え、そこに酸触媒を添加する方法が挙げられる。
得られる変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基の修飾率は、化合物(I)及び化合物(II)の配合比を変えることによって調整することができるものであるため、化合物(I)及び化合物(II)の配合比は、得られるフェノール樹脂の用途やその求められる機能に応じて適宜選択されるが、一般に、化合物(I)は、化合物(I)及び化合物(II)の合計量のうち、5〜95モル%配合されることが好ましく、20〜80モル%配合されることがより好ましく、45〜55モル%配合されることがとりわけ好ましい。配合量が5モル%より小さいと、得られる共重合体が有するフェノール性水酸基が多いため、耐熱性の向上や変色・品質低下の改善効果があまり得られないおそれがあり、95モル%より多いと、得られる共重合体が有するフェノール性水酸基が少なく、ヘキサミン、エポキシ樹脂で硬化させるような従来のノボラック樹脂の用途に使用できなくなるおそれがある。
酸触媒は、酸性を示す化合物であれば特に限定なく使用でき、具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、燐酸などの無機酸、蓚酸、酢酸、トリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などの有機スルホン酸などを使用することができる。これらは単独でも2種以上で用いてもよい。酸触媒は、触媒活性の観点から有機スルホン酸、硫酸を使用することが好ましい。
添加する酸触媒の量は、使用する酸の種類や活性により適宜設定されるが、化合物(I)及び化合物(II)の合計量に対して10〜500モル%が好ましい。経済的な面、反応終了後の除去操作の観点から、特に好ましくは30〜300モル%である。
添加する酸触媒の量は、使用する酸の種類や活性により適宜設定されるが、化合物(I)及び化合物(II)の合計量に対して10〜500モル%が好ましい。経済的な面、反応終了後の除去操作の観点から、特に好ましくは30〜300モル%である。
反応は溶媒を用いて行ってもよく、溶媒を使用することにより円滑に反応を進行させることができる。溶媒は、反応を阻害するものでない限り制限はなく、例としては、酢酸などの有機カルボン酸;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのセロソルブ類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢酸セロソルブ類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのカルビトール類;ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどの酢酸カルビトール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO);アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;トルエンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒などを使用することができ、これらは単独でも2種以上の混合溶媒であってもよい。これらのうち、好ましくは酢酸とハロゲン系溶媒との混合溶媒であり、酢酸とハロゲン系溶媒との混合溶媒において好ましいハロゲン系溶媒としては、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼンである。酢酸とハロゲン系溶媒の好ましい配合比(体積比)としては、酢酸:ハロゲン系溶媒=1:0.1〜19であり、より好ましい配合比(体積比)としては、酢酸:ハロゲン系溶媒=1:1〜5である。酢酸とハロゲン系溶媒との混合溶媒は、入手が容易であり、特に生成する変性フェノール樹脂の溶解力が高く、反応を円滑に進行させ、その結果、高分子量の変性フェノール樹脂が得られやすい。
溶媒の使用量は化合物(I)及び化合物(II)の合計1gに対し、好ましくは1〜50mLであり、より好ましくは5〜15mLである。
溶媒の使用量は化合物(I)及び化合物(II)の合計1gに対し、好ましくは1〜50mLであり、より好ましくは5〜15mLである。
アルデヒド類としては、パラホルムアルデヒド又は化合物(III)で示される化合物の
中から1種又は2種以上を用いることができる。化合物(III)で示される化合物は、上
記範囲内のものであれば使用可能であるが、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒドなどのアルキルアルデヒド類、クロトンアルデヒドなどのアルケニルアルデヒド類、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類などを使用することができる。
上記アルデヒド類としては、入手の容易さ、反応性などの観点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが特に好ましい。
中から1種又は2種以上を用いることができる。化合物(III)で示される化合物は、上
記範囲内のものであれば使用可能であるが、具体的には、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒドなどのアルキルアルデヒド類、クロトンアルデヒドなどのアルケニルアルデヒド類、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの芳香族アルデヒド類などを使用することができる。
上記アルデヒド類としては、入手の容易さ、反応性などの観点から、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒドが好ましく、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが特に好ましい。
化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類との配合比(モル比)は、特に限定されないが、〔化合物(I)及び化合物(II)の合計〕:アルデヒド類=1:0.1〜10とすることが好ましく、より好ましくは、〔化合物(I)及び化合物(II)の合計〕:アルデヒド類=1:0.2〜8であり、特に好ましくは、〔化合物(I)及び化合物(II)の合計〕:アルデヒド類=1:0.8〜1.1である。アルデヒド類の量が、1:0.1の比を下回り小さくなりすぎると、樹脂の分子量が充分に高分子量化しないことがある。また、アルデヒド類の量が1:10の比を超えて大きくなりすぎると、分子量が大きくなりすぎる傾向があり、取り扱いが困難になったり、反応条件によってはゲル化して不溶不融になったりすることがある。
なお、アルデヒド類としてパラホルムアルデヒドを用いる場合は、反応時にパラホルムアルデヒドが反応系に溶解又は熱により解重合してホルムアルデヒドを生じるので、ここで生じたホルムアルデヒドのモル数を上記アルデヒド類のモル数として、上記モル比を算出する。
なお、アルデヒド類としてパラホルムアルデヒドを用いる場合は、反応時にパラホルムアルデヒドが反応系に溶解又は熱により解重合してホルムアルデヒドを生じるので、ここで生じたホルムアルデヒドのモル数を上記アルデヒド類のモル数として、上記モル比を算出する。
反応温度としては、0℃〜150℃程度が好ましく、より好ましくは室温〜100℃であり、特に好ましくは、室温〜70℃である。温度が高くなりすぎると原料化合物が冷却装置でトラップできなくなり、場合によって脱官能基反応など様々な副反応を起こす可能性がある。また温度が低すぎる場合は、反応の進行が非常に遅く経済的ではなく、場合によっては反応が進行しないおそれがある。
反応時間は特に限定はされず、反応温度や触媒種及び量などの条件により適宜設定できる。経済的な観点から、1分〜48時間程度で完了するのが好ましく、より好ましくは、0.5〜20時間程度であり、特に好ましくは1〜10時間である。
反応混合物より、目的とする変性フェノール樹脂は、未反応物及び触媒を再沈殿、蒸留、透析等の常法に従い除去し、回収することが可能である。具体的な回収方法の例としては、反応終了後に反応混合物を、多量のメタノール、水等の変性フェノール樹脂に対する貧溶媒に投入する。この際、メタノール等の貧溶媒の量やその他の条件は適宜設定することができる。触媒は、貧溶媒に投入した後の液を中和し、変性フェノール樹脂を水洗することにより除去することができる。中和には、塩基性化合物であれば特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの無機アルカリ、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジンなどの有機アルカリなどが使用できる。水洗水の量や水洗回数は特に限定されないが、変性フェノール樹脂の用途に要求されるレベルによって適宜設定される。沈殿物を、減圧乾燥装置などを用いて乾燥することにより、変性フェノール樹脂を回収することができる。
本発明(第1の態様)において得られる変性フェノール樹脂は、式(IV)
(式中、m及びnは、それぞれ1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示し、その他の記号は前記と同義である。上記式において、樹脂の末端は、化合物(I)、化合物(II)及びそれらにアルデヒド類が付加した化合物の残基(例えば、化合物(II)がフェノールであり、アルデヒド類がパラホルムアルデヒドである場合にはメチロールフェノール残基、ジメチロールフェノール残基等。)であると考えられる。)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち式(V)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち式(V)
(式中、o及びo’は、合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示し、lは0〜2の整数を示し、その他の記号は前記と同義である。樹脂末端の構造に関しては前記と同様である。)で表される繰り返し単位)を有する。
この化合物(I)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造は、通常のフェノール樹脂(フェノールとホルムアルデヒドの重合体)及びアニソール樹脂(アニソールとパラホルムアルデヒドの重合体)について13C−NMRによりOH又はOR1の結合したベンゼン環のシフト値を測定して比較した場合に、アニソール樹脂ではアニソール部のベンゼン環からは分岐が起こらないといえることから導き出すことができる。
上記式で表される化合物は、ノボラック樹脂のフェノール性水酸基に他の置換基を導入する従来の方法では、ノボラック樹脂の分岐していないベンゼン環に結合する水酸基のみ選択的に置換基が導入されるようなことは起こらないため、得られることはない。
従って、化合物(I)と化合物(II)との共重合においては、得られる樹脂の分岐がコントロールできることになり、分子設計において極めて有用である。
特に、まず、本発明(第1の態様)の方法により、分岐がコントロールされた変性フェノール樹脂を合成し、さらに化合物(I)に由来する単位の置換基(OR1)を脱離又は転移反応によりフェノール性水酸基に変換することにより、分岐がコントロールされたフェノール樹脂を合成することもできる。
従って、化合物(I)と化合物(II)との共重合においては、得られる樹脂の分岐がコントロールできることになり、分子設計において極めて有用である。
特に、まず、本発明(第1の態様)の方法により、分岐がコントロールされた変性フェノール樹脂を合成し、さらに化合物(I)に由来する単位の置換基(OR1)を脱離又は転移反応によりフェノール性水酸基に変換することにより、分岐がコントロールされたフェノール樹脂を合成することもできる。
本発明(第1の態様)により得られる、変性フェノール樹脂の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が500〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは2000〜80000である。樹脂の数平均分子量が前記下限値未満であると融点が低いことなどから、ハンドリングに支障をきたす場合があり、前記上限値を超えると溶融・溶媒への溶解性低下などにより利用方法が制限される場合がある。
さらに、本発明(第1の態様)において得られる変性フェノール樹脂は、常法に従い、例えば、エピクロロヒドリン等と反応させることにより、容易に下記式(VI)又は式(VII)で表される繰り返し単位を有するエポキシ系樹脂に変換することができる。当該エポキシ系樹脂は、成形材料、電子材料等に適用可能である。
(式中、R1、R2、j、k、mは前記と同義であり、R3は前記と同義又はグリシジルオキシ基を示し、R4は前記と同義又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示し、p及びp’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、p’が0であることはない)。)
(式中、R1、R2、j、k、m、R3、R4は式(VI)における定義と同義であり、lは式(V)における定義と同義であり、q、q’、r及びr’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、q’及びr’が同時に0であることはない)。)
次に、本発明の第2の態様について説明する。
本発明の第2の態様は、原料化合物A(化合物(I))の代わりに、原料化合物A’(化合物(I’))を使用する点で、第1の態様と相違する。
本発明の第2の態様は、原料化合物A(化合物(I))の代わりに、原料化合物A’(化合物(I’))を使用する点で、第1の態様と相違する。
化合物(I’)について
前記第1の態様で使用する原料化合物A(化合物(I))が、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す置換基(R1)を有するのに対し、原料化合物A’(化合物(I’))は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示すだけでなく、置換されていてもよいフェニル基を示す置換基(R1’)を有する。
前記第1の態様で使用する原料化合物A(化合物(I))が、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示す置換基(R1)を有するのに対し、原料化合物A’(化合物(I’))は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示すだけでなく、置換されていてもよいフェニル基を示す置換基(R1’)を有する。
すなわち、化合物(I’)において、置換基(R1’)が示す、「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル基」、「炭素数2〜10のアシル基」及び「炭素数3〜12のシクロアルキル基」は、それぞれ、化合物(I)の置換基(R1)が示す「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル基」、「炭素数2〜10のアシル基」及び「炭素数3〜12のシクロアルキル基」と同義であり、その具体例も、化合物(I)の置換基(R1)が示す「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル基」、「炭素数2〜10のアシル基」及び「炭素数3〜12のシクロアルキル基」の具体例と同様のものが挙げられる。また、「置換されていてもよいフェニル基」としては、フェニル基及びフェニル基の芳香環が炭素数1〜10のアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜6)、炭素数2〜10のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜6)、炭素数1〜10のアルコキシル基(好ましくは炭素数1〜6)、炭素数2〜10のアシル基(好ましくは炭素数2〜7)、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基からなる置換基
で置換されたもの(当該置換基の数は1〜3である)等を挙げることができる。なお、当該「置換されていてもよいフェニル基」における置換基である、「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数3〜10のシクロアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」及び「炭素数2〜10のアシル基」の具体例としては、化合物(I)及び化合物(II)においてこれらの基の具体例としてあげたものと同様のものが挙げられる。また、当該「置換されていてもよいフェニル基」は立体障害による反応性の観点から、フェニル基が好ましい。
で置換されたもの(当該置換基の数は1〜3である)等を挙げることができる。なお、当該「置換されていてもよいフェニル基」における置換基である、「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数3〜10のシクロアルキル基」、「炭素数2〜10のアルケニル基」、「炭素数1〜10のアルコキシル基」及び「炭素数2〜10のアシル基」の具体例としては、化合物(I)及び化合物(II)においてこれらの基の具体例としてあげたものと同様のものが挙げられる。また、当該「置換されていてもよいフェニル基」は立体障害による反応性の観点から、フェニル基が好ましい。
化合物(I’)において、ベンゼン環上の置換基R2の数、その結合位置、複数ある場合の置換基の種類の異同等は、化合物(I)のそれに踏襲される。
当該第2の態様において、原料化合物A’である化合物(I’)は1種又は2種以上が使用され、そのうちの少なくとも1種は式中の置換基(R1’)が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である。当該式中の置換基(R1’)が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物としては、
ジフェニルエーテルが最も好ましい。
ジフェニルエーテルが最も好ましい。
なお、当該第2の態様において、化合物(I’)及び化合物(II)とアルデヒド類(パラホルムアルデヒド及び/又は化合物(III))との反応条件(すなわち、化合物(I’)と化合物(II)の配合比、化合物(I’)及び化合物(II)とアルデヒド類との配合比、酸触媒の種類と使用量、溶媒の種類と使用量、反応温度等)や、反応操作、反応後の目的物である変性フェノール樹脂の回収操作等は、前記第1の態様での化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類との反応でのそれらが踏襲される。
また、原料化合物A’において、化合物(I’)の式中の置換基(R1’)が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物(a1)と、式中の置換基(R1’)が置換されていてもよいフェニル基以外の基からなる化合物(a2)とを含む場合、化合物(a1)が全体の30モル%以上を占めるのが好ましく、50モル%以上を占めるのがより好ましい。化合物(a1)が全体の30モル%未満では、得られる変性フェノール樹脂の柔軟性が十分に向上し難い。
本発明の第2の態様で得られる変性フェノール樹脂は、式(IV’)
(式中、m’及びm’’は合せて1〜20000の整数(ただし、m’は1以上である。)を示し、n’は1〜20000の整数を示す。好ましくは、それぞれ、5〜20000である。R1’’、R2、R3’R4、j、kは前記と同義である。R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、sは0〜3の整数を示す。上記式において、樹脂の末端は、化合物(I’)、化合物(II)及びそれらにアルデヒド類が付加した化合物の残基(例えば、化合物(II)がフェノールであり、アルデヒド類がパラホルムアルデヒドである場合にはメチロールフェノール残基、ジメチロールフェノール残基等。)であると考えられる。)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I’)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち、式(V’)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I’)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち、式(V’)
(式中、o及びo’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示し、lは0〜2の整数を示し、その他の記号は前記と同義である。また、樹脂末端の構造に関しても前記と同様である。)で表される繰り返し単位)を有する。
なお、当該変性フェノール樹脂(式(IV’)、式(V’))において、化合物(I’)由来の置換されていてもよいフェニル基の置換基R5の数を示すsは好ましくは0〜2の整数、より好ましくは0又は1の整数である。また、R3が複数ある場合には、それらは同一でも異なっていても良い。
本発明(第2の態様)により得られる、変性フェノール樹脂の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が500〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは500〜10000である。樹脂の数平均分子量が500未満であると融点が低いことなどから、ハンドリングに支障をきたす場合があり、100000を超えると成膜性、加工性等が低下する場合がある。
本発明(第2の態様)により得られる変性フェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されるだけでなく、主鎖中にジエチルエーテル骨格が導入されることで、柔軟性に優れ、キャスト法によるフィルム化も可能な変性フェノール樹脂となる。なお、キャスト法でフィルム化する場合の溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、アセトン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらの中でもクロロホルムが好適である。
当該第2の態様において得られる変性フェノール樹脂も、前記第1の態様で得られる変性フェノール樹脂と同様に、常法に従い、例えば、エピクロロヒドリン等と反応させることにより、容易に下記式(VI’)又は式(VII’)で表される繰り返し単位を有するエポキシ系樹脂に変換することができる。
(式中、R1’’、R2、R3、R5、j、k、s、m’、m’’は前記と同義であり、R3は前記と同義又はグリシジルオキシ基を示し、R4は前記と同義又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示し、p及びp’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、p’が0であることはない)。)
(式中、R1’’、R2、j、k、s、m’、m’’、R3、R4、R5は(VI’)における定義と同義であり、lは式(V’)における定義と同義であり、q、q’、r及びr’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、q’及びr’が同時に0であることはない)。)
次に、本発明の第3の態様について説明する。
本発明の第3の態様は、原料化合物B(化合物(II))の代わりに、原料化合物B’(化合物(II’))を使用する点で、第1の態様と相違する。
本発明の第3の態様は、原料化合物B(化合物(II))の代わりに、原料化合物B’(化合物(II’))を使用する点で、第1の態様と相違する。
化合物(II’)について
前記第1の態様で原料化合物B(化合物(II))が、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示す置換基(R3)を有するのに対し、原料化合物B’(化合物(II’))は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示すだけでなく、ヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示す置換基(R3’)を有する。
前記第1の態様で原料化合物B(化合物(II))が、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示す置換基(R3)を有するのに対し、原料化合物B’(化合物(II’))は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示すだけでなく、ヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示す置換基(R3’)を有する。
すなわち、化合物(II’)において、置換基(R3’)が示す、「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」及び「炭素数1〜10のアルコキシル基」は、それぞれ、化合物(II)の置換基(R3)が示す炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」及び「炭素数1〜10のアルコキシル基」と同義であり、その具体例も、化合物(II)の置換基(R3)が示す「炭素数1〜10のアルキル基」、「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」及び「炭素数1〜10のアルコキシル基」の具体例と同様のものが挙げられる。また、「ヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」の具体例としては、化合物(II)の置換基(R3)が示す「炭素数6〜12の芳香族炭化水素基」の具体例の化合物のうちの芳香環がヒドロキシル基で置換されたもの(好ましくは、ヒドロキシベンジル基、ヒドロキシフェニル−tert−ブチル基等)が挙げられる。また、「ヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基」の具体例としては、4−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられる。
化合物(II’)において、ベンゼン環上の置換基R3’の数、その結合位置、複数ある場合の置換基の種類の異同等は、化合物(II)のそれに踏襲される。
当該第3の態様において、原料化合物B’である化合物(II’)は1種又は2種以上が使用され、そのうちの少なくとも1種は式中の置換基(R3’)がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である。当該式中の置換基(R3’)がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物としては、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドが好ましい。
なお、当該第3の態様において、化合物(I)及び化合物(II’)とアルデヒド類(パラホルムアルデヒド及び/又は化合物(III))との反応条件(すなわち、化合物(I)と化合物(II’)の配合比、化合物(I)及び化合物(II’)とアルデヒド類との配合比、酸触媒の種類と使用量、溶媒の種類と使用量、反応温度等)や、反応操作、反応後の目的物である変性フェノール樹脂の回収操作等は、前記第1の態様での化合物(I)及び化合物(II)とアルデヒド類との反応でのそれらが踏襲される。
また、原料化合物B’において、化合物(II’)の式中の置換基(R3’)がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物(b1)と、式中の置換基(R3’)がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基及びヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基以外の基からなる化合物(b2)を含む場合、化合物(b1)が全体の30モル%以上を占めるのが好ましく、50モル%以上を占めるのがより好ましい。化合物(b1)が全体の30モル%未満では、得られる変性フェノール樹脂の有機溶媒への溶解性、フィルム形成能等が十分に向上し難い。
本発明(第3の態様)により得られる変性フェノール樹脂は、式(IV’’)
(式中、m及びnは、それぞれ1〜20000の整数(好ましくは5〜10000)を示し、その他の記号は前記と同義である(但し、化合物(II’)に由来するフェノール性水酸基を有するn個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である)。上記式において、樹脂の末端は、化合物(I)、化合物(II’)及びそれらにアルデヒド類が付加した化合物の残基であると考えられる。)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II’)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち、式(V’’)
で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II’)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち、式(V’’)
(式中、o及びo’は、合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示し、lは0〜2の整数を示し、その他の記号は前記と同義である(但し、化合物(II’)に由来するフェノール性水酸基を有するo+o’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)。樹脂末端の構造に関しては前記と同様である。)で表される繰り返し単位)を有する。
本発明(第3の態様)により得られる、変性フェノール樹脂の分子量は特に限定されないが、数平均分子量が500〜100000であることが好ましく、さらに好ましくは500〜10000である。樹脂の数平均分子量が前記下限値未満であると融点が低いことなどから、ハンドリングに支障をきたす場合があり、前記上限値を超えると成膜性、加工性等が低下する場合がある。
本発明(第3の態様)により得られる変性フェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されるだけでなく、フェノール性水酸基を有する単位(化合物(II’)に由来する単位)として、ベンゼン環が2つのフェノール性水酸基を2つ有する単位が導入されることから、有機溶媒への溶解性がより向上し、また、フィルム形成能に優れる変性フェノール樹脂となる。
当該第3の態様において得られる変性フェノール樹脂も、前記第1の態様で得られる変性フェノール樹脂と同様に、常法に従い、例えば、エピクロロヒドリン等と反応させることにより、容易に下記式(VI’’)又は式(VII’’)で表される繰り返し単位を有するエポキシ系樹脂に変換することができる。当該エポキシ系樹脂は、成形材料、電子材料等に適用可能である。
(式中、R1、R2、j、k、mは前記と同義であり、R3’は前記と同義又はグリシジルオキシ基を示し、R4は前記と同義又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を示し、p及びp’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、p’が0であることはなく、かつ、化合物(II’)に由来するフェノール性水酸基を有するp+p’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)。)
(式中、R1、R2、j、k、m、R3’、R4は式(VI)における定義と同義であり、lは式(V)における定義と同義であり、q、q’、r及びr’は合わせて1〜20000(好ましくは5〜10000)の整数を示す(ただし、q’及びr’が同時に0であることはなく、かつ、化合物(II’)に由来するフェノール性水酸基を有するr+q’+r’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)。)
次に、本発明の第4の態様について説明する。
本発明の第4の態様は、原料化合物A(化合物(I))の代わりに、原料化合物A’(化合物(I’))を使用し、原料化合物B(化合物(II))の代わりに、原料化合物B’(化合物(II’))を使用する点で、第1の態様と相違する。すなわち、第2及び第3の態様を折衷した態様である。
本発明の第4の態様は、原料化合物A(化合物(I))の代わりに、原料化合物A’(化合物(I’))を使用し、原料化合物B(化合物(II))の代わりに、原料化合物B’(化合物(II’))を使用する点で、第1の態様と相違する。すなわち、第2及び第3の態様を折衷した態様である。
本発明(第4の態様)において得られる変性フェノール樹脂は、式(IV’’’)
(式中の記号は前記と同義である(但し、化合物(II’)に由来のフェノール性水酸基を有するn’個の単位のうちの少なくとも一つの単位は置換基R3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)。上記式において、樹脂の末端は、化合物(I’)、化合物(II’)及びそれらにアルデヒド類が付加した化合物の残基であると考えられる。)で表される繰り返し単位を有するが、より具体的には、化合物(I’)に由来するベンゼン環からは分岐が起こらず、化合物(II’)に由来するベンゼン環から分岐が起こっているという構造(すなわち、式(V’’’)
(式中、記号は前記と同義である。樹脂末端の構造に関しては前記と同様である(但し、化合物(II’)に由来するフェノール性水酸基を有するo+o’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)。)で表される繰り返し単位)を有する。
当該第4の態様により得られる変性フェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されるだけでなく、主鎖中にジエチルエーテル骨格が導入され、かつ、フェノール性水酸基を有する単位(化合物(II’)に由来する単位)として、ベンゼン環が2つのフェノール性水酸基を2つ有する単位が導入されることから、柔軟性に優れ、しかも、有機溶媒への溶解性大きく向上したものとなり、極めて良好なフィルム形成能を有する変性フェノール樹脂となる。よって、キャスト法によって性状均一性の高いフィルムを得ることができる。
当該第4の態様において得られる変性フェノール樹脂も、前記第1〜3の態様で得られる変性フェノール樹脂と同様に、常法に従い、例えば、エピクロロヒドリン等と反応させることにより、化合物(II’)由来の単位に対してエポキシ基が導入された、エポキシ系樹脂に変換することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
まず、得られた変性フェノール樹脂の分析方法について説明する。変性フェノール樹脂の構造確認にはNMR、IR、GPCを用い、変性フェノール樹脂の熱的性質はDSCにより評価した。
(a)NMR
1H−NMR(270MHz)および13C−NMR(75MHz)測定は、装置に日本電子製フーリエ変換NMR分光光度計(JNM−EX−270)を使用して25℃で行なった。溶媒として重水素化アセトン、内部標準物質としてテトラメチルシランを使用した。
1H−NMR(270MHz)および13C−NMR(75MHz)測定は、装置に日本電子製フーリエ変換NMR分光光度計(JNM−EX−270)を使用して25℃で行なった。溶媒として重水素化アセトン、内部標準物質としてテトラメチルシランを使用した。
(b)IR
FT−IRスペクトルを、装置に日本分光製フーリエ変換分光光度計(FT−IR 460plus)を用いて測定した。
FT−IRスペクトルを、装置に日本分光製フーリエ変換分光光度計(FT−IR 460plus)を用いて測定した。
(c)GPC
送液ポンプとして島津製作所製LC−6A又はLC−10ADを用い、カラムとして東ソー製ポリスチレンゲル充填カラムTSKgelG3000H XLを用い、検出には東ソー紫外分光光度計(UV−8011、測定波長270nm)を用い、テトラヒドロフランを溶離液として流速1.0mL/min、室温で測定し、分子量はポリスチレン換算値として求めた。
送液ポンプとして島津製作所製LC−6A又はLC−10ADを用い、カラムとして東ソー製ポリスチレンゲル充填カラムTSKgelG3000H XLを用い、検出には東ソー紫外分光光度計(UV−8011、測定波長270nm)を用い、テトラヒドロフランを溶離液として流速1.0mL/min、室温で測定し、分子量はポリスチレン換算値として求めた。
(d)DSC
島津製作所製熱流束示差走査熱量計DSC−50を用い、昇温速度を10℃/minとして窒素気流下で測定した。
島津製作所製熱流束示差走査熱量計DSC−50を用い、昇温速度を10℃/minとして窒素気流下で測定した。
実施例1 アニソール−フェノール共重合体の合成例1
100mLナス型フラスコにフェノール0.94g(0.01mol)、アニソール1.08g(0.01mol)及びパ
ラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(5mL)-クロロホルム(15mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸0.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を大量
のメタノールに投入し、数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物を、減圧下40℃で乾燥し、無色の粉末固体を得た(収率94%)。GPC測定の結果、Mn=2200、Mw/Mn=6.4であった。
1H-NMR(270MHz,Acetone-d6,TMS):δ=3.4―4.2(7H,―CH2―and―OCH3),4.6―5.2(1H,―OH),6.6−7.3(7H,aromatic―H).
13C-NMR(67.8MHz,NNEmode,C4D8O,TMS):δ=30.8(o,o’Ar―CH2―Ar),35.9(o,p’Ar―CH2―Ar),40.9(p,p’Ar―CH2―Ar),55.1(―OCH3),110−140(Ar―C),147.5−156.5ppm(phenoxy―C).
IR(KBr Disk):3375(O―H),3005(aromatic C−H),2905(methylC―H),1245,1030 cm-1(C―O―C).
100mLナス型フラスコにフェノール0.94g(0.01mol)、アニソール1.08g(0.01mol)及びパ
ラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(5mL)-クロロホルム(15mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸0.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を大量
のメタノールに投入し、数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物を、減圧下40℃で乾燥し、無色の粉末固体を得た(収率94%)。GPC測定の結果、Mn=2200、Mw/Mn=6.4であった。
1H-NMR(270MHz,Acetone-d6,TMS):δ=3.4―4.2(7H,―CH2―and―OCH3),4.6―5.2(1H,―OH),6.6−7.3(7H,aromatic―H).
13C-NMR(67.8MHz,NNEmode,C4D8O,TMS):δ=30.8(o,o’Ar―CH2―Ar),35.9(o,p’Ar―CH2―Ar),40.9(p,p’Ar―CH2―Ar),55.1(―OCH3),110−140(Ar―C),147.5−156.5ppm(phenoxy―C).
IR(KBr Disk):3375(O―H),3005(aromatic C−H),2905(methylC―H),1245,1030 cm-1(C―O―C).
実施例2 アニソール−フェノール共重合体の合成例2
パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行
ったところ、84%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1900、Mw/Mn=1.4であった。
パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行
ったところ、84%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1900、Mw/Mn=1.4であった。
実施例3 アニソール−フェノール共重合体の合成例3
反応時間を5時間にした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、80%の収率
で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=3000、Mw/Mn=1.9であった。
反応時間を5時間にした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、80%の収率
で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=3000、Mw/Mn=1.9であった。
実施例4 アニソール−フェノール共重合体の合成例4
アニソールのモル数を0.01mol,フェノールのモル数を0.03molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、70%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結
果、Mn=1500、Mw/Mn=1.3であった。
アニソールのモル数を0.01mol,フェノールのモル数を0.03molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、70%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結
果、Mn=1500、Mw/Mn=1.3であった。
実施例5 アニソール−フェノール共重合体の合成例5
アニソールのモル数を0.03mol,フェノールのモル数を0.01molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、90%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結
果、Mn=4600、Mw/Mn=2.4であった。
アニソールのモル数を0.03mol,フェノールのモル数を0.01molにした点を除いて、実施例1と同じ操作を行ったところ、90%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結
果、Mn=4600、Mw/Mn=2.4であった。
実施例6 アニソール−クレゾール共重合体の合成例1
100mLナス型フラスコにm-クレゾール1.08g(0.01mol)、アニソール1.08g(0.01mol)、パ
ラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(5mL)-クロロホルム(15mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸0.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を大量
のメタノールに投入し、数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物は、減圧下40℃で乾燥し、無色の粉末固体を得た(収率100%)。GPC測定の結果、Mn=1700、Mw/Mn=44.7であった。
得られた共重合体中にクレゾール成分がどれだけ含まれているかを1H-NMRスペクトルより算出した。(クレゾールのメチル基とメチレンブリッジおよびメトキシプロトンとの積分値の比較より算出した。)その結果、アニソールとm-クレゾールがほぼ50%ずつ含まれていることがわかった。
100mLナス型フラスコにm-クレゾール1.08g(0.01mol)、アニソール1.08g(0.01mol)、パ
ラホルムアルデヒド1.26g(ホルムアルデヒド成分として0.04mol)を秤量し、酢酸(5mL)-クロロホルム(15mL)混合溶媒を加え氷浴下で4℃で撹拌しながら、濃硫酸0.5mLをゆっくり滴下した。溶液が均一になった後、40℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を大量
のメタノールに投入し、数回洗浄してろ過回収した。その後、反応生成物は、減圧下40℃で乾燥し、無色の粉末固体を得た(収率100%)。GPC測定の結果、Mn=1700、Mw/Mn=44.7であった。
得られた共重合体中にクレゾール成分がどれだけ含まれているかを1H-NMRスペクトルより算出した。(クレゾールのメチル基とメチレンブリッジおよびメトキシプロトンとの積分値の比較より算出した。)その結果、アニソールとm-クレゾールがほぼ50%ずつ含まれていることがわかった。
実施例7 アニソール−クレゾール共重合体の合成例2
m-クレゾールのモル数を0.012molに、フェノールのモル数を0.008molに、反応時間を3分に、反応温度を室温にした点を除いて、実施例6と同じ操作を行ったところ、100%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=8.3であった。
m-クレゾールのモル数を0.012molに、フェノールのモル数を0.008molに、反応時間を3分に、反応温度を室温にした点を除いて、実施例6と同じ操作を行ったところ、100%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=8.3であった。
実施例8 アニソール−クレゾール共重合体の合成例3
m-クレゾールのモル数を0.008molに、フェノールのモル数を0.008molに、反応時間を3分にした点を除いて、実施例6と同じ操作を行ったところ、100%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=24.2であった。
m-クレゾールのモル数を0.008molに、フェノールのモル数を0.008molに、反応時間を3分にした点を除いて、実施例6と同じ操作を行ったところ、100%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=24.2であった。
実施例9 アニソール−クレゾール共重合体の合成例4
ホルムアルデヒドのモル数を0.02molに、反応時間を3分にした点を除いて、実施例6
と同じ操作を行ったところ、85%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=8.3であった。
ホルムアルデヒドのモル数を0.02molに、反応時間を3分にした点を除いて、実施例6
と同じ操作を行ったところ、85%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2400、Mw/Mn=8.3であった。
実施例10 アニソール−クレゾール共重合体のエポキシ体の合成例1
還流管を装備した100mLナス型フラスコに実施例1で合成した共重合体0.50g、水酸化ナトリウム1.0g、THF50mL、水50mLを入れ、50℃で3時間撹拌した。その混合溶液の中に、
エピクロロヒドリン1.85g(0.02mol)を滴下した後、80℃で3時間反応させた。溶媒と過
剰のエピクロロヒドリンを留去し、残留物をトルエンに溶かしてろ過することにより食塩を取り除いた。トルエンを留去して定量的にエポキシ化物を得た。フェノール性水酸基に対するエポキシの導入率は30%であった。
還流管を装備した100mLナス型フラスコに実施例1で合成した共重合体0.50g、水酸化ナトリウム1.0g、THF50mL、水50mLを入れ、50℃で3時間撹拌した。その混合溶液の中に、
エピクロロヒドリン1.85g(0.02mol)を滴下した後、80℃で3時間反応させた。溶媒と過
剰のエピクロロヒドリンを留去し、残留物をトルエンに溶かしてろ過することにより食塩を取り除いた。トルエンを留去して定量的にエポキシ化物を得た。フェノール性水酸基に対するエポキシの導入率は30%であった。
実施例11 アニソール−クレゾール共重合体のエポキシ体の合成例2
エピクロロヒドリンの量を0.04molにした点を除いて、実施例10と同じ操作を行った
ところ、定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は47%であった。
エピクロロヒドリンの量を0.04molにした点を除いて、実施例10と同じ操作を行った
ところ、定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は47%であった。
実施例12 アニソール−クレゾール共重合体のエポキシ体の合成例3
エピクロロヒドリンの量を0.04molに、反応時間を5時間にした点を除いて、実施例1
0と同じ操作を行ったところ、定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は71%であった。
エピクロロヒドリンの量を0.04molに、反応時間を5時間にした点を除いて、実施例1
0と同じ操作を行ったところ、定量的にエポキシ化物を得た。水酸基に対するエポキシの導入率は71%であった。
(実施例1〜12についての考察)
図1〜3及び図5に示す測定結果から、目的とする変性フェノール樹脂が得られていることがわかる。また、図4及び図6に示すDSC測定結果より、得られた変性フェノール樹脂の耐熱性が高いことがわかる。
図1〜3及び図5に示す測定結果から、目的とする変性フェノール樹脂が得られていることがわかる。また、図4及び図6に示すDSC測定結果より、得られた変性フェノール樹脂の耐熱性が高いことがわかる。
実施例13 ジフェニルエーテル−フェノール共重合体の合成例1
100mLナス型フラスコにフェノール0.94g(0.01mol)、ジフェニルエーテル1.70g(0.01mol)、パラホルムアルデヒド(0.04mol)を入れ、酢酸(10mL)−クロロホルム(10mL)混合溶媒を加えて5℃で攪拌しながら,濃硫酸1mLをゆっくりと滴下した。その後、60℃で4時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を200mLのメタノールに投入して固体をろ過回収した。その後、反応生成物を減圧下、40℃で観測し、うすいピンク色の粉末固体を得た(収率90%)。GPC測定の結果、Mn=3200、Mw/Mn=4.1であった。
1H-NMR(270MHz,Acetone-d6,TMS):δ=3.6-4.2 (-CH2-),5.0(OH),6.8-7.4 (Ar).
IR(KBr Disk):3420 (-OH), 3000(aromatic C−H),2899(methylene C―H),1239,1014 cm-1(C―O―C).
100mLナス型フラスコにフェノール0.94g(0.01mol)、ジフェニルエーテル1.70g(0.01mol)、パラホルムアルデヒド(0.04mol)を入れ、酢酸(10mL)−クロロホルム(10mL)混合溶媒を加えて5℃で攪拌しながら,濃硫酸1mLをゆっくりと滴下した。その後、60℃で4時間反応させた。反応終了後、室温まで冷却し、反応溶液を200mLのメタノールに投入して固体をろ過回収した。その後、反応生成物を減圧下、40℃で観測し、うすいピンク色の粉末固体を得た(収率90%)。GPC測定の結果、Mn=3200、Mw/Mn=4.1であった。
1H-NMR(270MHz,Acetone-d6,TMS):δ=3.6-4.2 (-CH2-),5.0(OH),6.8-7.4 (Ar).
IR(KBr Disk):3420 (-OH), 3000(aromatic C−H),2899(methylene C―H),1239,1014 cm-1(C―O―C).
実施例14 ジフェニルエーテル−フェノール共重合体の合成例2
パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molにした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、70%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1400、Mw/Mn=2.1であった。
パラホルムアルデヒドのモル数を0.02molにした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、70%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1400、Mw/Mn=2.1であった。
実施例15 ジフェニルエーテル−フェノール共重合体の合成例3
ジフェニルエーテルのモル数を0.005mol、フェノールのモル数を0.015molにした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、85%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=4500、Mw/Mn=5.1であった。
ジフェニルエーテルのモル数を0.005mol、フェノールのモル数を0.015molにした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、85%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=4500、Mw/Mn=5.1であった。
試験例1
合成例1(実施例13)で得られたジフェニルエーテル−フェノール共重合体から分別沈殿法により低分子量成分を除去したサンプル(Mn=5000, Mw/Mn=1.3)を500mg作製した。得られたサンプル200mgを10mLのクロロホルムに溶解し、PTFE版に流し、1日かけてゆっくりと溶媒を蒸発させた。その後、1日間真空下におき、キャストフィルムを作製した。目視の結果、透明均一な性状のフィルムが生成していることがわかった。一方、アニソール−フェノール共重合体(実施例1で製造したもの)で同様の実験を行ったが、性状の不均一なフィルムしか得られなかった。
合成例1(実施例13)で得られたジフェニルエーテル−フェノール共重合体から分別沈殿法により低分子量成分を除去したサンプル(Mn=5000, Mw/Mn=1.3)を500mg作製した。得られたサンプル200mgを10mLのクロロホルムに溶解し、PTFE版に流し、1日かけてゆっくりと溶媒を蒸発させた。その後、1日間真空下におき、キャストフィルムを作製した。目視の結果、透明均一な性状のフィルムが生成していることがわかった。一方、アニソール−フェノール共重合体(実施例1で製造したもの)で同様の実験を行ったが、性状の不均一なフィルムしか得られなかった。
試験例2
合成例1(実施例13)で得られたジフェニルエーテル−フェノール共重合体から分別沈殿法により低分子量成分を除去したサンプル(Mn=5000, Mw/Mn=1.3)をホットプレートで加熱したところ、250℃付近で溶融が観察された。一方、アニソール−フェノール共重合体(実施例1で製造したもの)で同様の実験を行ったが、溶融は観察されなかった。またいずれのポリマーも350℃付近から分解を起こした。
合成例1(実施例13)で得られたジフェニルエーテル−フェノール共重合体から分別沈殿法により低分子量成分を除去したサンプル(Mn=5000, Mw/Mn=1.3)をホットプレートで加熱したところ、250℃付近で溶融が観察された。一方、アニソール−フェノール共重合体(実施例1で製造したもの)で同様の実験を行ったが、溶融は観察されなかった。またいずれのポリマーも350℃付近から分解を起こした。
実施例16 ジフェニルエーテル−ビスフェノールA共重合体の合成例
フェノールをビスフェノールA(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、65%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2100、Mw/Mn=3.2であった。
フェノールをビスフェノールA(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、65%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2100、Mw/Mn=3.2であった。
実施例17 ジフェニルエーテル−4,4’-ジヒドロキシビフェニル共重合体の合成例
フェノールを4,4’-ジヒドロキシビフェニル(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、72%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1700、Mw/Mn=1.9であった。
フェノールを4,4’-ジヒドロキシビフェニル(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、72%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=1700、Mw/Mn=1.9であった。
実施例18 ジフェニルエーテル−ジ(4 -ヒドロキシフェニル)オキシド共重合体の合成例
フェノールをジ(4 -ヒドロキシフェニル)オキシド(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、72%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2000、Mw/Mn=2.3であった。
フェノールをジ(4 -ヒドロキシフェニル)オキシド(0.005mol)にした点を除いて、実施例13と同じ操作を行ったところ、72%の収率で相当する共重合体を得た。GPC測定の結果、Mn=2000、Mw/Mn=2.3であった。
(実施例13〜18についての考察)
図7及び図8に示す測定結果から、目的とする変性フェノール樹脂が得られていることがわかる。また、試験例1、2の結果から、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物として、フェノール性水酸基をフェノキシ基で置換した化合物を使用することで、得られる変性フェノール樹脂は、柔軟性に富み、キャスト法によって均一性状のフィルムに作製できるものになることが分かる。
図7及び図8に示す測定結果から、目的とする変性フェノール樹脂が得られていることがわかる。また、試験例1、2の結果から、予めフェノール性水酸基が修飾されている化合物として、フェノール性水酸基をフェノキシ基で置換した化合物を使用することで、得られる変性フェノール樹脂は、柔軟性に富み、キャスト法によって均一性状のフィルムに作製できるものになることが分かる。
本発明は、樹脂の合成工程で、変性フェノール樹脂を製造することができるため、その工業規模での生産に好適である。また、得られるフェノール樹脂は、耐熱性に優れ、経時変化による変色や品質の低下の問題が改善されているため、成形材料、電子材料をはじめとする数々の工業分野にて、より高い耐熱性、安定性が求められる場面において適用できる。さらに、フェノール性水酸基が修飾されているため、耐アルカリ性や有機溶剤に対する溶解性も向上しており、レジスト用途にも有用である。そして、分岐が化合物(II)のフェノール核より起こるため、分岐度が制御されたフェノール樹脂の合成にも有用である。また、キャスト法によって性状の均一なフィルムにフィルム化でき、より多くの工業分野、種々の用途への展開も可能である。
Claims (23)
- 式(I)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、jは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物よりなる原料化合物A及び式(II)
(式中、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物よりなる原料化合物Bを、パラホルムアルデヒド及び式(III)
(式中、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1つのアルデヒド類と酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする変性フェノール樹脂の製造方法。 - 酸触媒が、有機スルホン酸又は硫酸である請求項1記載の製造方法。
- 酢酸とハロゲン系溶媒の混合溶媒の存在下で反応が行なわれる請求項1又は2記載の製造方法。
- ハロゲン系溶媒がクロロホルム、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンから選ばれる少なくとも1つである請求項3記載の製造方法。
- 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 式(IV)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 式(V)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、mは1〜20000の整数を示し、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 請求項6又は7記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
- 原料化合物A’がジフェニルエーテルであるか、又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物Bがフェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである請求項9記載の製造方法。
- 式(IV’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合せて1〜20000の整数を示し(ただし、m’は1以上である。)、n’は1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 式(V’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基又はヒドロキシル基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合わせて1〜20000の整数を示し(但し、m’は1以上である。)、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 請求項11又12記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
- 原料化合物Bに代えて、式(II’)
(式中、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。 - 原料化合物Aがアニソールであり、原料化合物B’がビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール又はクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである請求項14記載の製造方法。
- 式(IV’’)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、m及びnは、それぞれ1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有するn個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 式(V’’)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、mは1〜20000の整数を示し、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j及びkは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有する(o+o’)個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 請求項16又は17記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
- 原料化合物Aに代えて、式(I’)
(式中、R1’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又は置換されていてもよいフェニル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、jは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR1’が置換されていてもよいフェニル基からなる化合物である原料化合物A’を使用し、かつ
原料化合物Bに代えて、
式(II’)
(式中、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、kは0〜3の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物よりなり、そのうちの少なくとも1種が式中のR3’がヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基からなる化合物である原料化合物B’を使用する、請求項1〜4のいずれか一項記載の製造方法。 - 原料化合物Bがジフェニルエーテルであるか又は、ジフェニルエーテルとアニソールであり、原料化合物BがビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドであるか、又は、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシビフェニル若しくはジ(4−ヒドロキシフェニル)オキシドと、フェノール若しくはクレゾールであり、かつアルデヒド類がパラホルムアルデヒドである請求項19記載の製造方法。
- 式(IV’’’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10アルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合せて1〜20000の整数を示し(ただし、m’は1以上である。)、n’は1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有するn’個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 式(V’’’)
(式中、R1’’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシル基又は炭素数3〜12のシクロアルキル基を示し、各R2は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又は炭素数1〜10のアルコキシル基を示し、各R3’は、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜10のアルコキシル基、ヒドロキシル基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基を示し、R4は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を示し、各R5は水素又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数2〜10のアシル基、ホルミル基、ヒドロキシメチル基若しくはカルボキシル基を示し、m’及びm’’は合わせて1〜20000の整数を示し(但し、m’は1以上である。)、o及びo’は合わせて1〜20000の整数を示し、j、k及びsは、それぞれ0〜3の整数を示し、lは、0〜2の整数を示す。但し、フェノール性水酸基を有する(o+o’)個の単位のうちの少なくとも一つの単位はk又はl個の置換基R3’の少なくとも一つがヒドロキシル基で置換された炭素数6〜12の芳香族炭化水素基又はヒドロキシル基で置換された炭素数が6〜10のアリールオキシ基である。)
で表される繰り返し単位を有する変性フェノール樹脂。 - 請求項21又は22記載の変性フェノール樹脂をエピクロロヒドリンと反応させて得られる樹脂。
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